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【発明の名称】 刈取機の刈取部駆動装置
【発明者】 【氏名】前田 一郎

【要約】 【課題】刈取装置の駆動に起因した上下方向の振動を、より一層高次元で抑制できる刈取部駆動装置を得る。

【解決手段】左右端の引起し駆動用の出力部aと、左右中間の入力部とを備えた左右に長い刈取伝動軸16を設け、バリカン型刈取装置8の刈刃25を往復駆動するクランク機構28を先端に備えたクランク軸20を、刈取伝動軸16にベベルギヤ機構38を介して連動させ、クランク軸20に刈刃25の横移動に対抗する第1バランスウェイト34を設ける。ベベルギヤ機構38を介して刈取伝動軸16に連動されてクランク軸20と反対に回転するカウンタ軸39を、クランク軸20と同芯状に配備し、カウンタ軸39に、刈刃25の横移動に対抗する第2バランスウェイト40を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右両端夫々に引起し装置駆動用の動力出力部が、かつ、左右中間に動力入力部が夫々形成される左右に長い刈取伝動軸を備え、バリカン型の刈取装置における刈刃を往復駆動するクランク機構が先端部に形成されたクランク軸を、前記刈取伝動軸にベベルギヤ機構を介して連動連結するとともに、該クランク軸に前記刈刃の横移動に対抗する第1バランスウェイトを設け、前記ベベルギヤ機構を介して前記刈取伝動軸に連動連結されて前記クランク軸の回転方向と逆方向に回転するカウンタ軸を、前記クランク軸と同芯状に配備するとともに、このカウンタ軸に、前記刈刃の横移動に対抗する第2バランスウェイトを設けてある刈取機の刈取部駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインやバインダー等の刈取機の刈取部駆動装置に係り、詳しくは、バリカン型刈取装置を往復駆動することに起因した振動を、合理的な手段でもって軽減させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】刈刃の往復左右移動によって生じる振動を軽減する手段としては、例えば、特開平10−164952号公報で示されたものが知られている。つまり、バリカン型刈取装置の刈刃を左右に往復駆動するクランク機構を先端部に備えたクランク軸に、該クランク軸の軸芯に対するクランク機構と反対側に重心を有したバランスウェイトを装備することにより、刈刃の横移動慣性とバランスウェイトの移動慣性とを相殺させ、刈刃の横移動に起因する振動を抑制させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、クランク軸にバランスウェイトを装備することで、刈刃が左右方向に往復移動することに起因した振動、及びそれによる騒音の抑制が行えるものである。その場合、クランク軸の回転により、バランスウェイトの作用は左右方向以外でも働くので、例えば、前後向き状態のクランク軸では、上下方向にもバランスウェイトが往復動することになり、それによってクランク軸自体に作用する上下方向の力に対してまでも振動抑制機能が及ぶものではなかった。
【0004】クランク機構とバランスウェイトとは軸芯に対して対向する位置関係にあるが、刈刃の横移動に対抗させる目的から、バランスウェイトの質量はクランク機構の質量よりも大きいので、クランク機構の質量を相殺する以上にクランク軸の回転に関する重量バランスの偏りが生じることとなる。従って、バランスウェイトを設けたことに起因したクランク軸の回転に伴う上下方向の力によって、上述したような新たな問題、すなわち、クランク軸が振動するおそれがあるとともに、それによる騒音の出る可能性が生じてきたのである。
【0005】本発明の目的は、刈取装置の駆動に起因した振動を、より一層高次元で抑制できる刈取部駆動装置を得る点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕上記実情に鑑みて本発明は、刈取機の刈取部駆動装置において、左右両端夫々に引起し装置駆動用の動力出力部が、かつ、左右中間に動力入力部が夫々形成される左右に長い刈取伝動軸を備え、バリカン型の刈取装置における刈刃を往復駆動するクランク機構が先端部に形成されたクランク軸を、刈取伝動軸にベベルギヤ機構を介して連動連結するとともに、刈刃の横移動に対抗する第1バランスウェイトをクランク軸に設け、ベベルギヤ機構を介して刈取伝動軸に連動連結されてクランク軸の回転方向と逆方向に同速で回転するカウンタ軸を、クランク軸と同芯状に配備するとともに、このカウンタ軸に、刈刃の横移動に対抗する第2バランスウェイトを設けてあることを特徴とする。
【0007】〔作用〕請求項1の構成によれば、刈取伝動軸にベベルギヤ機構を介して連動連結されたクランク軸とカウンタ軸とは、単位時間当たりの回転数が互いに同じで、かつ、同軸芯を有した状態で逆回転する関係となる。故に、クランク軸の第1バランスウェイトとカウンタ軸の第2バランスウェイトとの関係は、互いに逆向きの位相でそれらの慣性力が作用する状態になり、図10(イ)に示すように、第1バランスウェイト34に対して第2バランスウェイト40は上下方向で互いに逆向きに移動することになるから、クランク軸20の軸芯Q回りに発生する上下方向での振動を軽減又は解消するようになる。
【0008】そして、図10(ロ)に示すように、左右方向については、第1及び第2の両バランスウェイト34,40は共に同じ側に位置することになるので、刈刃25に対するカウンタウェイトとしての作用が、第1バランスウェイト34のみ設けた場合に比べて倍増する等、明確に増大するようになり、十分にバランスが取れて円滑な回転が得られるとか、バランスウェイト単品としての重量を軽減するといったことが可能になる。
【0009】又、ベベルギヤ機構の採用により、左右に亘る刈取伝動軸を設けながら、その前後等、一方にクランク軸を、他方にカウンタ軸を互いに同芯で、かつ、逆回転状態に取出せることができ、クランク軸とカウンタ軸とを相対回転自在に嵌合させる構造を採るべく、刈取伝動軸を途中で寸断させるとか、迂回させる等の対策を講じなくて済む。
【0010】〔効果〕その結果、請求項1に記載の刈取部駆動装置では、左右に横たわる刈取伝動軸に設けたベベルギヤ機構を介してクランク軸と同軸芯で逆回転するカウンタ軸に、第2のバランスウェイトを設ける程度の比較的簡単な改造により、クランク軸の回転や刈刃の横移動に伴う振動、及びそれを解消するためにクランク軸に設けたバランスウェイトに起因して、該クランク軸に生じる上下方向の振動の双方を抑制することができ、刈取装置の駆動に起因した振動をより高次元で抑制又は解消することができた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1には3条刈り用の自脱型コンバインの前半部側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1Aを備えた走行機体1の前部に、3条分の植立穀稈を刈取って左上後方に向けて搬送する刈取搬送部2を左右向きの軸芯P周りに上下揺動駆動可能に連結するとともに、走行機体1の左側には、刈取搬送部2から刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置3を、又、走行機体1の右側には、脱穀装置3からの選別処理後の穀粒を貯留する穀粒タンク4、作業者が搭乗する操縦部5、等を搭載装備して構成されている。
【0012】図1〜4に示すように、刈取搬送部2は、植立穀稈の株元側に作用して分草する4基の分草具6、分草された植立穀稈を引き起こす3基の引起装置7、引き起こされた植立穀稈の株元側を切断するバリカン型の刈取装置8、その切断により刈取られた植立穀稈(刈取穀稈)を後方に向けて掻き込み搬送する3基の第1搬送装置9、掻き込み搬送された刈取穀稈を左右中央に寄せ集めながら後方に向けて搬送する左右一対の第2搬送装置10、左右中央に寄せ集められた刈取穀稈を起立姿勢から横倒し姿勢に徐々に姿勢変更しながら後方の脱穀装置3に向けて供給搬送する第3搬送装置11、及び、それらを支持する刈取フレーム12等で構成されている。
【0013】図3及び図4に示すように、各引起装置7は、立設された引起ケース7a、引起ケース7aにおける植立穀稈引き起こし経路側(内側)の上部に配備された駆動スプロケット7b、引起ケース7aの下部に配備された従動スプロケット7c、それらのスプロケット7b,7cに亘って巻き掛けられた回動チェーン7d、回動チェーン7dに引き起こし姿勢と格納姿勢とに姿勢変更可能な状態で一定間隔ごとに取り付けられた複数の引起爪7e、及び、引起ケース7aにおける戻り経路側の上部に配備されたテンションスプロケット7f、などで構成されており、引き起こし姿勢で上昇する引起爪7eの係止引き上げ作用によって植立穀稈の引き起しを行うようになっている。
【0014】図1,図2,図4及び図5に示すように、各第1搬送装置9は、回動ベルト機構9Aとパッカ9Bとを備えており、回動ベルト機構9Aとパッカ9Bの係止搬送作用によって刈取穀稈の掻き込み搬送を行うようになっている。
【0015】左側の第2搬送装置10は、挾持搬送機構10Aと、上下2段の係止搬送機構10Bとを備えており、挾持搬送機構10Aの挾持搬送作用と各係止搬送機構10Bの係止搬送作用で刈取穀稈の寄せ集め搬送を行うようになっている。
【0016】図1,図2及び図4に示すように、第3搬送装置11は、挾持搬送機構11Aと係止搬送機構11Bとを備えており、挾持搬送機構11Aの挾持搬送作用と係止搬送機構11Bの係止搬送作用により刈取穀稈の供給搬送を行って、刈取穀稈の株元側を脱穀装置3のフィードチェーン3aに渡すとともに、刈取穀稈の穂先側を脱穀装置3内に導くようになっている。又、第3搬送装置11の係止搬送機構11Bは、右側の第1搬送装置9の後部上方から脱穀装置3のフィードチェーン3aに亘るように構成されていることから、その前部側部分が、右側の第2搬送装置10の係止搬送機構10Bとして機能して刈取穀稈の寄せ集め搬送を行うようになっている。
【0017】図1及び図4に示すように、刈取搬送部2の上下揺動支点である軸芯P上には、右端部に図外のエンジンからの動力が伝達される入力プーリ13を備えた左右向きのカウンタ軸14が配設されており、このカウンタ軸14を介して、引起装置7、刈取装置8、第1搬送装置9、第2搬送装置10、及び、第3搬送装置11に対する伝動を行うようにしている。
【0018】その伝動構造について概略説明すると、図1,図2及び図4〜7に示すように、カウンタ軸14の左右中央部にはカウンタ軸14から前下方に向けて延出する主伝動軸15が、主伝動軸15の前端部には左右向きの第1伝動軸(刈取伝動軸の一例)16の左右中央部が、第1伝動軸16の左右両端部と左右中央部には第1伝動軸16から対応する引起装置7に亘る縦向きの第2伝動軸17の下端部が、各第2伝動軸17の上端部には対応する引起装置7の駆動軸7gが、夫々ベベルギヤ18を介して伝動連結されている。
【0019】つまり、各引起装置7には、カウンタ軸14に入力された動力を、主伝動軸15、第1伝動軸16、及び、第2伝動軸17を介して伝達するようにしている。ここで、第2伝動軸17に連動連結された後述の下部軸部分17bと第1伝動軸16とを連動するベベルギヤ18,18部分が「引起し装置駆動用の動力出力部a」に相当し、かつ、主伝動軸15と第1伝動軸16とを連動するベベルギヤ18,18部分が「動力入力部b」に相当している。
【0020】その結果、各引起装置7の上部に配備された駆動軸7gに亘って横架される動力分配軸などを設けなくても各引起装置7に対する伝動を行えるようになり、それによって、それらを外囲する伝動ケースや見栄えを良くするための化粧カバーなどを各引起装置7の上部に設ける必要がないので、その分、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れるとともに、重心位置を低く抑えることができて機体の重量バランスの安定化を図れるようになる。
【0021】又、各引起装置7で引起こされた植立穀稈の穂先側が動力分配軸等を覆う伝動ケースや化粧カバーに引っ掛かることがないので、その引っ掛かりに起因した、穂先側の搬送遅れや絡み付きなどによる搬送不良や搬送詰まりなどの搬送トラブルの発生を未然に回避できるようになる。その上、図3に示すように、各引起装置7の上部同士の間が開放されて引起装置7の直前箇所にある分草具6などに対する操縦部5からの見通しが良くなることから、刈取り対象の植立穀稈に対してコンバインを正しく位置させる条合わせ作業などが行い易くなっている。
【0022】図1,図2及び図4〜7に示すように、各第2伝動軸17は、ベベルギヤ17aを介して伝動連結される下部軸部分17bと上部軸部分17cからなる2分割構造に構成されている。各下部軸部分17bのうち、左右の下部軸部分17bは、対応する左右の引起装置7の上部に向かう状態で、又、中央の下部軸部分17bは、対応する中央の引起装置7の下部に向かう状態で、それぞれが第1伝動軸16に対して直角に設定されている。
【0023】各上部軸部分17cのうち、左右の上部軸部分17cは、対応する左右の引起装置7の駆動軸7gに向けて中央側に傾倒する状態で、又、中央の上部軸部分17cは、対応する中央の引起装置7の駆動軸7gに向けて傾倒する状態で、それらが伝動連結される下部軸部分17bから引起装置7の駆動軸7gに亘るように姿勢設定されている。
【0024】各下部軸部分17bのうち、左右の下部軸部分17bには、対応する第2搬送装置10の挾持搬送機構10Aの駆動スプロケット10aが一体回転するように外嵌装着されている。つまり、左右の第2伝動軸17の下部軸部分17bを第2搬送装置10の駆動軸に兼用した状態で、対応する左右の第2伝動軸17と第2搬送装置10とを連動連結している。
【0025】図4及び図6に示すように、刈取装置8は、その可動側の刈刃25が、第1伝動軸16にベベルギヤ38を介して伝動連結されたクランク軸20に連係されている。つまり、刈取装置8には第1伝動軸16からの動力を伝達するようにしている。
【0026】図1,図2及び図4に示すように、第3搬送装置11は、カウンタ軸14の左端部にベベルギヤ21を介して伝動連結された第3伝動軸22に、挾持搬送機構11Aの駆動スプロケット11aと係止搬送機構11Bの駆動スプロケット11eが一体回転するように外嵌装着されている。つまり、第3搬送装置11には、カウンタ軸14からの動力を第3伝動軸22を介して伝達するようにしている。
【0027】図1、図2、図8に示すように、刈取装置8は、刈取フレーム12における固定分草具7を取付けるために前方延出された複数の支持フレーム12xに亘って取付けられた受刃台23に固定される受刃24と、これに対して左右に摺動自在な刈刃25と、これに取付ステー26を介して固定されるナイフヘッド27とで構成されている。ナイフヘッド27は、平面視で後向き開放コ字状に折り曲げられた板材を備えて構成され、クランク機構28に前後軸芯X周りで回動自在に支持されたベアリングローラ29を、その外径が丁度ナイフヘッド27の内寸法に合致する状態で内嵌合させてある。
【0028】尚、クランク機構28は、クランク軸である刈刃駆動軸20の先端に刈刃クランク30を溶接し、その刈刃クランク30にベアリングローラ29を回転自在に外嵌支承して構成されている。又、右端の支持フレーム12xの後部は左方に曲げられており、その後端に固着したフランジ42を介して後述する軸支ケース部35aの側面にボルト連結されている。
【0029】図8、図9に示すように、刈刃25と取付ステー26とは、受刃24の後端面に摺接するナイフバーであるスライダー31を伴ってリベット等で一体化され、刈刃25を抑えるナイフクリップ32と共に締め上げ固定されるすらし板33が、スライダー31の後端面に摺接するようにして、刈刃25を前後上下に位置決めされて左右にのみ摺動移動するように構成してある。
【0030】そして、受刃台23の右側部分の後側に、ベアリングローラ29すなわち刈刃クランク30が配置構成されている。刈刃クランク30を前端に備えた刈刃駆動軸20は、刈取伝動軸16のケーシング35に一体形成された軸支ケース部35aに対して前後向きに支承されており、その軸芯Qは、ナイフヘッド27に対する上下のほぼ中央に位置させてある。
【0031】又、刈刃クランク30は、回転軸芯Qに関してベアリングローラ29装着部の反対側に、軸芯方向に膨出した第1バランスウェイト34を一体に備えた円盤状に形成されており、刈刃25の横移動による振動を打ち消すとともに、刈刃クランク30の回転に伴う振動を軽減するバランサーとして、さらには、刈刃駆動軸20の回転に伴う負荷変動を円滑化するフライホイールとしても機能するようになっている。
【0032】刈刃駆動軸20は、その後端に嵌装した小径ベベルギヤ36と、刈取伝動軸16に嵌装した大径ベベルギヤ37との咬合構造を備えたベベルギヤ機構38により、回転動力が伝達されるようにしてある。そして、ベベルギヤ機構38を介して刈取伝動軸16に連動連結されて刈刃駆動軸20の回転方向と逆方向に、単位時間当たりの回転数が等しい同速で回転するカウンタ軸39を、刈刃駆動軸20と同芯状となるように後向きに取出してあるとともに、このカウンタ軸39の後端に、刈刃25の横移動に対抗する第2バランスウェイト40を設けてある。
【0033】すなわち、軸支ケース部35aの後側においてケーシング35に一体形成された第2軸支ケース部35bにカウンタ軸39を回転自在に支承するとともに、このカウンタ軸39に、大径ベベルギヤ37に咬合する小径ベベルギヤ41を、刈刃駆動軸20の小径ベベルギヤ36と同じ部品(同径、同歯数)として嵌装してある。第2バランスウェイト40は、重り40aを円板40bの外周端に備えて構成してあり、第1バランスウェイト34の重心位置が軸芯Qの真上にあるときに、第2バランスウェイト40の重心が軸芯Qの真下に位置するように、3個のベベルギヤ36,37,41から成るベベルギヤ機構38を設定してある。
【0034】第1バランスウェイト34は、その重心が刈刃駆動軸20に対するクランク機構28と正反対側に位置するように装備してあり、クランク機構28の存在による刈刃駆動軸20の偏心を是正する機能、及び、刈刃25の横移動と反対側の横に移動して刈刃25の移動慣性を相殺する機能とを有するものである。しかしながら、刈刃25の慣性を相殺するための質量は、クランク機構28の質量よりも大きいので、刈刃25との慣性相殺作用が機能しない上下方向に第1バランスウェイト34が移動するときには、依然として回転バランスが偏っており、振動が生じ易い状態になる。
【0035】そこで、刈刃駆動軸20と同軸芯Qを有したカウンタ軸39とを、これら両軸20,39が互いに反対方向に同じ速度で回転駆動させるよう構成して、カウンタ軸39に刈刃25の横移動に対抗する第2バランスウェイト40を設けることにより、前述した上下方向の振動を解消させる手段を構成している。尚、刈刃駆動軸20、及びカウンタ軸39は、共に独立してベアリング支持されており、刈取伝動軸16は従来通りの1部品で良く、ベベルギヤ機構41部位を貫通して左右に伸びる六角軸に構成されている。
【0036】第1及び第2バランスウェイト34,40による作用を詳述する。図10(イ)に原理的に示すように、第2バランスウェイト40の重り40aは、刈刃25が左右往復動の丁度中間となる状態のとき、第1バランスウェイト34とは軸芯Qを中心とする上下での背反的な位置関係となるように、かつ、ベアリングローラ29に対しては、重り40aが逆回転ながらも上下方向で同じ位置側となるように夫々設定してある。
【0037】そして、図10(ロ)に原理的に示すように、刈刃25が左右往復動の端部に達している瞬間においては、第1バランスウェイト34と第2バランスウェイト40の重り40aとが夫々左右方向での同じ側に有って、互いに上下方向で逆向きに移動しているように、かつ、ベアリングローラ29に対しては、左右方向で互いに逆に位置するように夫々設定してある。
【0038】以上の構成により、ベアリングローラ29がナイフヘッド27に対して下方又は上方へ移動する際に第1バランスウェイト34とは逆の上下方向に移動し、同じく第2バランスウェイト40の重り40aも上下方向の動きに関してベアリングローラ29と一致することになる。故に、カウンタ軸39と同軸芯となる刈刃駆動軸20に対して、第2バランスウェイト40は刈刃クランク30とは上下逆向きの回転力が作用するものとなり、第2バランスウェイト40の重り40aと第1バランスウェイト34との刈刃駆動軸20に対して作用する上下方向での力が互いに相殺する状態となって、刈刃駆動軸20における振動の発生を抑制することになる。
【0039】一方、左右方向での第2バランスウェイト40の重り40aと第1バランスウェイト34の移動の向きは同じになっているので、第2バランスウェイト40と刈刃クランク30とによる回転に伴う左右方向での負荷変動を円滑化するフライホイールとしての機能は、刈刃クランク30のみが設けられている場合よりも刈刃25に対して倍増したものとして働くようになる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−61323(P2001−61323A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−241297