| 【発明の名称】 |
農作業機における制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水倉 泰治
【氏名】中川 渉
【氏名】小山 智弘
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| 【要約】 |
【課題】マスターコントローラ71とスレーブコントローラSX1 〜SX4 との通信エラーにより、出力系外部機器が暴走するのを防止する。
【解決手段】農作業機における走行部、作業部等に設けた油圧シリンダ、アクチュエータ等の出力系外部機器をスレーブコントローラSX1 〜SX4 に接続し、1つのマスターコントローラ71と各スレーブコントローラSX1 〜SX4 とを通信バス82にて接続すると共に別の第1信号線99a〜99dにて接続し、マスターコントローラ71が通信エラーと判断すると、第1信号線99a〜99dを介して、少なくとも通信エラーとなったもしくは全てのスレーブコントローラSX1〜SX4 にリセット信号を出力する。リセット信号を受けたスレーブコントローラは出力系外部機器に対して駆動停止信号もしくは電源遮断信号を出して、駆動停止させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラのリセット入力ポートとを、前記通信バスとは別個の第1信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第1信号線を介して各スレーブコントローラに対してリセット信号を出力することを特徴とする農作業機における制御装置。 【請求項2】 農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラに接続された各出力系外部機器とを前記通信バスとは別個の第2信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第2信号線を介して各出力系外部機器に対して電源を遮断する信号もしくは駆動停止信号を出力することを特徴とする農作業機における制御装置。 【請求項3】 マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラに接続された各出力系外部機器とを通信バスとは別個の第2信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第1信号線を介して各スレーブコントローラに対してリセット信号を出力すると共に、前記第2信号線を介して各出力系外部機器に対して電源を遮断する信号もしくは駆動停止信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の農作業機における制御装置。 【請求項4】 前記リセット信号が入力されたスレーブコントローラは、前記各出力系外部機器に対する出力状態を初期状態に復帰すると共に、前記通信バスによる通信状態も初期状態に復帰するように制御されることを特徴とする請求項1及び請求項3に記載の農作業機における制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の農作業機における制御装置に係り、より詳しくは、マスタコントローラとスレーブコントローラとにより、複数の入力系外部機器及び出力系外部機器を制御する形態の制御装置が通信系の故障したときに、対処する構成に関するものである。 【0002】 【従来の技術】最近のコンバイン等の農作業機では、制御目標としての、制御量の信号を制御手段に伝るためのセンサや設定器、例えば、走行機体のエンジンの出力(負荷)を制御するアクチュエータとしての電子式ガバナーの燃料噴射量検知センサ(燃料噴射用プランジャの位置調節のためのラック位置の検出センサ)、走行機体に対する走行部の左右の走行クローラの相対的高さを検出する走行部高さセンサ(車高センサ)、穀粒タンク内の穀粒を外部に排出するための排出オーガのコンベヤへの動力を継断するためのオーガクラッチの操作位置検知センサ、前記排出オーガの横筒の水平方向の向きや横筒先端の穀粒排出部の高さを指令(設定)するオーガ位置設定器、また、前記制御信号に応じて制御対象の作動量を検知するためのセンサ、例えば、農作業機の走行速度や、脱穀部の作業部の回転速度を検知する速度センサ、前記排出オーガの横筒の水平方向の向きセンサや高さセンサ等の入力系外部機器と、前記電子ガバナーでの燃料噴射用プランジャを駆動するための電磁ソレノイド、前記左右走行クローラの高さを調節するための油圧シリンダ、前記オーガクラッチを駆動するクラッチアクチュエータ、排出オーガを左右に旋回させるための駆動モータ、排出オーガにおける横筒の水平に対する俯仰角度を調整するための昇降用油圧シリンダ等の各種アクチュエータからなる出力系外部機器を備え、マイクロコンピュータ等の制御手段により、前記出力系外部機器の作動を制御することが通常行なわれている。 【0003】ところで、前記入力系外部機器及び出力系外部機器の種類や数が多い場合、1つのマイクロコンピュータ式等の電子式のコントローラで制御すると、一時に処理できる能力に限界があり、このため制御処理に優先順位を設けると、並列的に処理が困難となること、これを防止するため、複数個のマイクロコンピュータで独立的且つ並列的に制御すると、関連すべき外部機器間の制御の連係が採れないという不都合がある。 【0004】これらの不都合を解消するため、特開昭57−155603号公報では、複数の入力系外部機器及び出力系外部機器を制御するための副マイクロコンピュータ(スレーブコントローラ)を複数備え、この各副マイクロコンピュータを統括するために1つの主マイクロコンピュータ(マスターコントローラ)を備えた自動車の電子制御装置が提案されている。 【0005】他方、特開平2−219506号公報では、前記のような複数のスレーブコントローラ(下位コントローラ)及びこれらに接続されている各センサの制御状態を、マスターコントローラ(上位コントローラ)にて把握でき、監視できるようにするため、マスターコントローラとスレーブコントローラとの間を通信線で接続すると共に、各センサの信号をマスターコントローラに直接入力できるように構成することが提案されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各先行技術では、例えば、前記マスターコントローラとスレーブコントローラとの通信が不能となり、そのため、該スレーブコントローラに接続している出力系外部機器であるアクチュエータが暴走してしまうという危険があった。その暴走を食い止めるには従来の技術では、主電源を切り、農作業機全体を止めるしか方法がなかった。その場合には再度主電源を入れると、再び暴走が再開されるという虞を解消できなかったのである。 【0007】本発明は、従来技術におけるこの種の問題を解決するためになされたものであって、農作業中に、マスターコントローラとスレーブコントローラとの通信が不能となった場合にも出力系外部機器を確実に停止させ、また、再起動時にも出力系外部機器の再暴走が発生しないようにした農作業機における制御装置を提供することを目的とするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラのリセット入力ポートとを、前記通信バスとは別個の第1信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第1信号線を介して各スレーブコントローラに対してリセット信号を出力するように制御するものである。 【0009】また、請求項2に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラに接続された各出力系外部機器とを前記通信バスとは別個の第2信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第2信号線を介して各出力系外部機器に対して電源を遮断する信号もしくは駆動停止信号を出力するように制御するものである。 【0010】そして、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラに接続された各出力系外部機器とを前記通信バスとは別個の第2信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第1信号線を介して各スレーブコントローラに対してリセット信号を出力すると共に、前記第2信号線を介して各出力系外部機器に対して電源を遮断する信号もしくは駆動停止信号を出力するように制御するものである。 【0011】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1及び請求項3に記載の農作業機における制御装置において、前記リセット信号が入力されたスレーブコントローラは、前記各出力系外部機器に対する出力状態を初期状態に復帰すると共に、前記通信バスによる通信状態も初期状態に復帰するように制御されるものである。 【0012】 【発明の実施の形態】次に本発明を具体化した実施形態について説明すると、図1はコンバインの左側面図、図2はコンバインの平面図、図3はコンバインの右側面図、図4は正面図、図5は動力伝動系のスケルトン図、図9及び図10は制御装置の機能ブロック図である。 【0013】本発明のコンバインにおける走行機体1は、左右一対の走行クローラ2a式の走行部2に対して後述する走行部昇降駆動手段を介して昇降可能に構成されている。走行機体1の進行方向に向かって左側には作業部としての脱穀装置3を搭載し、走行機体1の前部に配置された作業部としての刈取前処理装置4は、昇降フレーム14を介して走行機体1に対して回動可能に支持され、該昇降フレーム14と走行機体1との間に装着された刈取部昇降アクチュエータとしての単動式の刈取部昇降油圧シリンダ9により昇降動可能に構成されている。 【0014】刈取前処理装置4の下部フレームの下部側にはバリカン式の刈刃装置5を、前方には6条分の穀稈引起装置6が配置され、穀稈引起装置6と脱穀装置におけるフイードチェン7前端との間には穀稈搬送装置8が配置され、穀稈引起装置6の下部前方には分草体10が突出している。走行機体1の右側前部に運転室11が配置され、その後側に穀粒タンク12が配置されている。 【0015】運転室11の後方下部等に備えたエンジン15からの動力の一部は、図5に示すように、オーガクラッチ16を介して穀粒タンク12内の底スクリューコンベヤ17、排出オーガ20内の縦スクリューコンベヤ18a,18bに伝達される一方、動力分岐ミッション19を介して走行部2の油圧ポンプ・油圧モータ式(HTS式)走行駆動部24の脱穀部3の扱胴3aや唐箕21、一番受樋のスクリューコンベヤ22a、二番受樋のスクリューコンベヤ22bやフイードチェン7、穀粒タンク12への揚穀スクリューコンベヤ23等を回転駆動させる。刈取前処理装置4への動力伝達は、走行速度を同期するときには前記走行駆動部24からの出力軸26を介して実行され、同期しないときには前記動力分岐ミッション19からの分岐動力とクラッチ25とにより駆動される。 【0016】図3及び図7に示すように、穀粒タンク12の下部に設けたスクリューコンベヤから走行機体1の後端に配置した縦パイプ28bと、その上端に上下回動可能に連設された横パイプ28aとからなり、各パイプ内にスクリューコンベヤを内装した排出オーガ28を介して、トラックの荷台等の部位に穀粒タンク12内に蓄積された穀粒を排出させることができる。なお、縦パイプ28bは、駆動モータ64bとギヤ機構57とにより縦軸回りに旋回可能であり、横パイプ28aは縦パイプ28bとの間に装架された排出オーガ用油圧シリンダ64aと、リンク機構58とにより傾斜角度を変更可能に構成されている。 【0017】そして、駆動モータ64bに設けたロータリエンコーダ等の角度センサ85にて縦パイプ28bの水平旋回角度、ひいては横パイプ28aの旋回位置を検出することができ、リンク機構58もしくは油圧シリンダ64aの箇所に設けたポテンショメータ等の角度センサ86にて横パイプ28aの俯仰角度、ひいては横パイプ28aの先端の排出部の高さ位置を検出することができる。なお、排出オーガ28を使用しないときには、穀粒タンク12の上面等に設けたレスト台87等に横パイプ28aの中途部が載置される。さらにこのレスト台87には前記横パイプ28aが載置されたか否かを検知するための接触センサ等のレスト検出器88が設けられている。 【0018】図6(左側面側から見た走行部)に示すように、走行部2は左右一対のトラックフレーム50,50の前後端に各々配置した駆動輪51と従動輪52とトラックフレーム50の下面中途部に配置された複数の転動輪53との外周に巻回された走行クローラ2aからなり、左右トラックフレーム50,50と走行機体1とは、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bと前後位置の側面視L字状のレバー55a,55bとこの前後レバー55a,55bを同時に作動させるように連結する連結杆56,56等とからなる走行部昇降駆動手段を介して連結され、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bは互いに独立的に作動させることにより、左右の走行部2,2を走行機体1の左右に対して独立的に昇降させる。 【0019】従って、左右両側の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bのピストンロッドを同時に突出させると、走行機体1は左右両側の走行部2,2に対して上方に離れて(上昇し)、走行機体1の走行部2,2に対する相対高さ(車高)は高くなる。逆に、前記ピストンロッドを同時に後退させると、走行機体1は左右両側の走行部2,2に対して下方に離れて(下降し)、走行機体1の走行部に対する相対高さ(車高)は低くなる。 【0020】そして、左側の油圧シリンダ54aのピストンロッドを突出させる、または右側の油圧シリンダ54bのピストンロッドを後退させると(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、右側の走行部2に対する走行機体1の車高は低くなり(左側の走行部2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は右下がりに傾斜する。逆に、右側の油圧シリンダ54bのピストンロッドを突出させる、または左側の油圧シリンダ54aのピストンロッドを後退させる、(もしくはこの両方の動作を同時に実行しても)、左側の走行部2に対する走行機体1の車高は低くなり(右側の走行部2に対する走行機体1の車高は高くなり)、走行機体1は左下がりに傾斜するのである。 【0021】図6に示すように、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bのピストンロッドの突出量を検出することにより、走行機体1の左右各走行部2,2に対する相対高さ(車高)を検出するためのロータリエンコーダ式等の車高検出センサ72a,72bが、前記連結杆56に連設した連結ロッド72やリンク機構73を介して連動するように構成されている。 【0022】また、走行機体1の左右の傾斜程度を検出するための傾斜検出センサ74は、振り子式(重力式)等にて構成され、走行機体1の任意の位置例えば運転室11内等に配置されている。なお、刈取前処理装置4と圃場面との対地高さを検出して刈高さを検出するための刈高さセンサとしての超音波センサ20a,20bは、図4に示すように、刈取前処理装置4の左右両側端の前記穀稈引き起こし装置6の裏面側に設けたブラケット(図示せず)に配置し、各超音波センサ20a,20bにおける発信器の発信部(ホーン部)と受信器の受信部とを圃場面に向けるように配置する。各超音波センサ20a,20bの設置高さと刈刃5の設置高さとが異なる場合には、超音波センサ20a,20bの検出値から所定の換算により、刈高さ検出値を求めるようにしている。 【0023】また、走行機体1と刈取前処理装置4との相対高さを検出するための昇降ポジションセンサ75は、前記昇降フレーム14の回動角度を検出することより求めることができるように構成されている。 【0024】前記運転室11内の操縦部パネル(図示せず)には、自動モードと手動モードとに切り換えるための切替えスイッチ76と、自動モード及び手動モードの如何に拘らず、車高制御の場合の走行機体1の高さ(車高)を変更調節操作できる手動可変操作部としての操作レバー77と、走行機体1の左右傾斜角度を設定するための傾斜設定器78とが配置されている。 【0025】図7は、前記昇降用油圧シリンダ54a,54b等のための油圧回路を示し、油圧ポンプ60からの吐出する圧油を分流する分流弁63を介して分岐し、その一方の吐出路から前記刈取前処理装置4を昇降させる刈取部昇降アクチュエータとしての油圧シリンダ9と、右側(運転室11側)の昇降制御用油圧シリンダ54bとに対する第1油圧回路61へ送る。分流弁63の他方の吐出路からは、排出オーガ28の横パイプ28aの縦パイプ28bに対する傾斜角度を変更するための排出オーガ昇降用油圧シリンダ64aと、左側の昇降制御用油圧シリンダ54aとに対する第2油圧回路62へ送るように構成され、それぞれの油圧シリンダ9、64a、54a、54bに対する電磁制御弁65、66a、67、68や逆止弁、リリーフ弁等が接続されている。 【0026】図9は、走行機体1の走行速度、姿勢及び車高、排出オーガ28の排出位置等を制御するための制御装置(コントローラ)70の機能ブロック図を示し、該制御装置70は、マイクロコンピュータ等の電子式制御装置であり、1個のマスターコントローラ71と、複数個のスレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4と、これらの間を接続する通信バス82とからなる。マスターコントローラ71は図示しないが各種演算処理や制御を実行するための中央処理装置(CPU)や、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)、各種の検出値、データ等を一時的に記憶させる随時読み書き可能メモリ(RAM)、電気的に消去及び書込み可能な不揮発性メモリとしてのEEPROM、タイマ機能としてのクロック、インターフェイス等を備える。 【0027】通信バス82は、データバス、コントロールバス、アドレスバスを含む。 【0028】各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4は、本実施形態ではマスターコントローラ71からの指令により、後述するセンサや設定器等の入力系外部機器からの信号に応じて所定の出力信号を出して油圧シリンダ、駆動モータ、アクチュエータ等の出力系外部機器を駆動させるように制御するゲートアレイからなる。 【0029】各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4は、コンバインにおける走行部系、作業部における刈高さ制御系、排出オーガ系、エンジン駆動系等のように、密接に関連する制御系をグループ化したものであり、1つのスレーブコントローラには、1つのグループとして密接に関連する制御系の入力系外部機器と出力系外部機器とを接続している。 【0030】本実施形態では、例えば、第1スレーブコントローラSX1は、走行クローラ2a,2bの走行機体1に対する相対高さや傾斜等を制御するグループであって、第1スレーブコントローラSX1に接続される出力系外部機器として、左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54b及び各々に対応する電磁制御弁67,68がある。他方、前記スレーブコントローラに接続される入力系外部機器としては、前記左右の昇降制御用油圧シリンダ54a,54bのピストンロッドの突出量に対応した走行機体1の左右の走行部2,2に対する相対高さ(車高)を検出するためのロータリエンコーダ式等の車高検出センサ72a,72b、傾斜センサ74、傾斜設定器78がある。 【0031】第2スレーブコントローラSX2は、刈高さ制御グループであって、これに接続される入力系外部機器としては、刈高さ設定器80及び刈高さセンサとしての刈取前処理装置4の左右両端に設けた超音波センサ20a,20b等(刈取部昇降ポジションセンサ75を含めても良い)があり、出力系外部機器としては、刈取部油圧シリンダ9とその駆動のための電磁制御弁65がある。 【0032】第3スレーブコントローラSX3は、排出オーガ制御グループであって、これに接続される入力系外部機器としては、排出オーガ28の水平旋回角度を検知する角度センサ85、排出オーガ28の横オーガ筒28aの俯仰の昇降角度を検知する角度センサ86、レスト台検出器87があり、出力系外部機器としては、横パイプ28aの縦パイプ28bに対する傾斜角度を変更するための排出オーガ昇降用油圧シリンダ64aとその電磁制御弁66a、及び、縦パイプ28ba 左右に旋回させるための排出オーガ旋回用駆動モータ64bとその駆動回路66bがある。 【0033】第4スレーブコントローラSX4は、エンジン16の出力制御グループであって、これに接続される入力系外部機器としては、車速センサ94や、電子ガバナー92のフイードバック制御のためのプランジャ位置を検知するラック位置センサ93があり、出力系外部機器としては、エンジン16への燃料供給量制御のためのアクチュエータとしての電子ガバナー92の燃料噴射ポンプにおける燃料噴射量を調節するプランジャ駆動手段がある。 【0034】なお、マスターコントローラ71には、運転室11内に配置した操作部90及び横オーガ筒28aの先端の排出部の横に設けた先端操作部91におけ指令スイッチ(図示せず)から指令できるように接続され、また、水平旋回角度は前記操作部90に設けたポテンショメータ型の旋回角度設定器95により設定できる。前記切替えスイッチ76及び操作レバー77の位置センサ、電源スイッチ96もマスターコントローラ71に接続されている。 【0035】各スレーブコントローラに対する通信バス82が断線する等して通信不能や通信不良等の通信エラーになった場合に、各出力系外部機器(9,54a,54b,64a,64b,92)が暴走しないようにするための第1実施形態は、図9に示すように、マスターコントローラ71の出力ポートから各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4のリセット入力ポートに、前記通信バス82とは別途にハーネス等の第1信号線97a,97b,97c,97dを接続させる。そして、マスターコントローラ71が各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4との通信が不能もしくは不良と判断したときには、前記第1信号線97a,97b,97c,97dを介してリセット信号を、少なくとも通信不良(通信不能)となったスレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4に送る。リセットにより、通常、能動、非能動の2つの状態を採り得るとき、非能動状態に復帰させること、もしくは初期状態に復帰させることをいう。 【0036】これにより、リセット信号を受けたスレーブコントローラは、出力系外部機器に対する駆動出力信号を停止するのであり、これにて出力系外部機器は暴走するのを確実に防止することができる。これに加えて、前記リセット信号を受けたスレーブコントローラは、出力状態を初期状態に戻すと共に、通信状態も初期状態に戻すようにしても良い。 【0037】第2実施形態では、図10に示すように、マスターコントローラ71の出力ポートから各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4のリセット入力ポートに、前記通信バス82とは別途にハーネス等の第1信号線97a,97b,97c,97dを接続させてリセット信号を出力するのに加えて、対応する出力系外部機器であるアクチュエータ(9,54a,54b,64a,64b,92)を駆動させるための制御弁や駆動回路等の駆動部(67,68,65,66a,66b,92)に直接駆動停止のための第2信号線99a,99b,99c,99dを接続し、マスターコントローラ71が各スレーブコントローラとの通信が不能もしくは不良と判断したとき、対応するもしくは全ての出力系外部機器の電源遮断信号もしくは駆動停止信号を出力する。 【0038】この場合、各出力系外部機器には、電源遮断用リレーを備えておき、このリレー部分に前記第2信号線を接続しておけば、電源遮断信号もしくは駆動停止信号にて対応するもしくは全ての出力系外部機器は確実に駆動停止する。各スレーブコントローラにリセット信号を出力すれば、当該リセット信号を受けたスレーブコントローラは、出力系外部機器に対する駆動出力信号を停止するのであり、これにて出力系外部機器は暴走するのを確実に防止することができる。これに加えて、前記リセット信号を受けたスレーブコントローラは、出力状態を初期状態に戻すと共に、通信状態も初期状態に戻すようにしても良い。 【0039】第3実施形態では、マスターコントローラ71から各スレーブコントローラSX1,SX2,SX3,SX4への第1信号線の接続を省略し、各出力系外部機器であるアクチュエータ(9,54a,54b,64a,64b,92)を駆動させるための制御弁や駆動回路等の駆動部(67,68,65,66a,66b,92)に直接駆動停止のための第2信号線99a,99b,99c,99dを接続するものであり、この場合も、マスターコントローラ71が各スレーブコントローラとの通信が不能もしくは不良と判断したとき、対応するもしくは全ての出力系外部機器の電源遮断信号もしくは駆動停止信号を出力する。 【0040】この場合、各出力系外部機器には、電源遮断用リレーを備えておき、このリレー部分に前記第2信号線を接続しておけば、電源遮断信号もしくは駆動停止信号にて対応するもしくは全ての出力系外部機器は確実に駆動停止することができる。 【0041】これらの制御のフローチャートを図11に示すと、制御のスタートに続き、通信エラー(通信不能もしくは通信不良)があるか否かを判別する(S1)。そして、通信エラーがあったときには(S1:yes )、スレーブに対してリセット信号を出力する(加えてアクチュエータ停止信号出力こともある)(S2)。 【0042】前記判別で通信エラーがないと判断したときには(S1:no)、各スレーブに対してのリセット信号を解除するのである(S3)。 【0043】本発明は、コンバインばかりでなく耕作用のトラクタや田植機等の走行農作業機についても適用できるものであることは言うまでもない。 【0044】 【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラのリセット入力ポートとを、前記通信バスとは別個の第1信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第1信号線を介して各スレーブコントローラに対してリセット信号を出力するように制御するものである。 【0045】このように構成すれば、通信バスが断線する等して、マスターコントローラとスレーブコントローラとの間の通信エラーが発生しても、別の回路としての第1信号線が生きている限り、当該第1信号線を介してマスターコントローラから各スレーブコントローラにリセット信号を伝送でき、このリセット信号を受けたスレーブコントローラは、出力系外部機器に対する駆動出力信号を停止するのであり、これにて出力系外部機器は暴走するのを確実に防止することができるという効果を奏する。 【0046】また、請求項2に記載の発明の農作業機における制御装置は、農作業機における走行部、作業部、操作部等に設けたセンサ、設定器等の入力系外部機器と、アクチュエータ等の出力系外部機器と、前記各外部機器との制御信号を授受して制御する1乃至複数のスレーブコントローラと、各スレーブコントローラに対して通信バスを介して制御信号を授受して制御するマスターコントローラとを備えた農作業機における制御装置において、マスターコントローラの出力ポートと各スレーブコントローラに接続された各出力系外部機器とを前記通信バスとは別個の第2信号線にて接続し、マスターコントローラが前記通信バスによる通信エラーと判断したとき、前記第2信号線を介して各出力系外部機器に対して電源を遮断する信号もしくは駆動停止信号を出力するように制御するものである。 【0047】例えばスレーブコントローラ自体に故障が発生した場合であっても、マスターコントローラから見れば通信エラーと判断されるが、この場合、スレーブコントローラにリセット信号を送っても、各出力系外部機器を停止させることができないが、請求項2の構成によれば、マスターコントローラから各出力系外部機器に直接停止信号や電源遮断信号を送るので、各出力系外部機器を確実に停止させて暴走を防ぐことができるという効果を奏する。 【0048】そして、請求項3に記載の発明では、通信バス等による通信エラーがあっても、それとは別の第1信号線を介して各スレーブコントローラにリセット信号を送り、初期状態に戻すと共に、各出力系外部機器に対しては第2信号線を介して停止信号や電源遮断信号を直接に送って駆動停止させるから、より確実な暴走防止の機能を有することができる。 【0049】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1及び請求項3に記載の農作業機における制御装置において、前記リセット信号が入力されたスレーブコントローラは、前記各出力系外部機器に対する出力状態を初期状態に復帰すると共に、前記通信バスによる通信状態も初期状態に復帰するように制御されるものであるから、通信状態が初期に戻れば制御を初めからやり直すことができ、不用意に各出力系外部機器が暴走状態を継続することがないという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月20日(1999.8.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−57810(P2001−57810A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−234397 |
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