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【発明の名称】 コンバインにおける穀稈案内装置
【発明者】 【氏名】荒木 八重樹

【氏名】野脇 慎二郎

【要約】 【課題】穀稈の掻込時の搬送姿勢を矯正しつつ、搬送装置からの稈こぼれを防止する。

【解決手段】コンバインCは、引起し装置26にて引起した刈取り穀稈を、該引起し装置26に配設された寄せ板38と掻込搬送装置28により掻込んで、後方の横送り搬送装置30に引継ぎ移送し、この横送り搬送装置30にて穀稈を機体左右一側部に配置された扱深さ搬送装置32に引継ぎ移送する各搬送装置を備えている。そして、前記寄せ板38に補助ガイド部材52を片持ち状に取付け、この補助ガイド部材52を横送り搬送装置30に対し平面視オーバラップするように延設することで、前記寄せ板38により穀稈の株元側を案内支持し、更に穂先側を補助ガイド部材52により案内支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 引起し装置にて引起した刈取り穀稈を、該引起し装置に配設された寄せ板及び掻込搬送装置により掻込んで後方の横送り搬送装置に引継ぎ移送し、該横送り搬送装置にて前記穀稈を機体左右一側部に配置された扱深さ搬送装置に引継ぎ移送する各搬送装置を備えたコンバインにおいて、前記寄せ板に補助ガイド部材を片持ち状に取付け、該補助ガイド部材を前記横送り搬送装置に対し平面視オーバラップするように延設した、ことを特徴とするコンバインにおける穀稈案内装置。
【請求項2】 前記補助ガイド部材の自由端側を、前記横送り搬送装置の搬送方向の終端側に向けて延設した、ことを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける穀稈案内装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおける穀稈案内装置に係り、詳しくは刈取り穀稈を搬送経路へ掻込んで脱穀部に向け搬送するコンバインにおける穀稈案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインの前処理部は、穀稈を分草するデバイダと穀稈を引起こす引起し装置を有し、隣接するデバイダ間に導かれた穀稈を引起し装置の引起しチェンにて引起して株元が切断された後、この刈取穀稈を掻込装置の突起付ベルトで掻込んでスターホイルにより後方に移送され、この搬送体後側の株元搬送装置と横送り搬送装置に引継がれる。そして、この横送り搬送装置にて機体左側に寄せられた穀稈は、掻込搬送装置から扱深さ搬送装置に送られ、この扱深さ搬送装置において、送られてきた穀稈の長さを検知して自動的に適正な扱深さとし、脱穀部に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のコンバインでは、刈取穀稈を掻込装置にて掻込む際、突起付ベルトとスターホイルによって掻込まれると共に、このとき引起し装置の背面側に取付けられた寄せ板により、穀稈の株元側が案内支持されて後方に移送されるが、穂先側は案内するものがないため搬送姿勢が悪くなって稈倒れが生じたり、特に高速にて穀稈を刈取りかつ搬送する場合等には、稈こぼれを生じるおそれがあった。
【0004】本発明は、斯かる課題を解消するためになされたもので、その目的とするところは、穀稈の掻込時の搬送姿勢を矯正しつつ稈こぼれを防止することのできるコンバインにおける穀稈案内装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、引起し装置(26)にて引起した刈取り穀稈を、該引起し装置(26)に配設された寄せ板(38)及び掻込搬送装置(28)により掻込んで後方の横送り搬送装置(30)に引継ぎ移送し、該横送り搬送装置(30)にて前記穀稈を機体左右一側部に配置された扱深さ搬送装置(32)に引継ぎ移送する各搬送装置を備えたコンバイン(C)において、前記寄せ板(38)に補助ガイド部材(52)を片持ち状に取付け、該補助ガイド部材(52)を前記横送り搬送装置(30)に対し平面視オーバラップするように延設した、ことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明によれば、前記補助ガイド部材(52)の自由端側を、前記横送り搬送装置(30)の搬送方向の終端側に向けて延設した、ことを特徴とする。
【0007】[作用]以上の発明特定事項に基づき、コンバイン(C)は、引起し装置(26)にて引起した刈取り穀稈を、該引起し装置(26)に配設された寄せ板(38)及び掻込搬送装置(28)により掻込んで後方の横送り搬送装置(30)に引継ぎ移送し、該横送り搬送装置(30)にて前記穀稈を機体左右一側部に配置された扱深さ搬送装置(32)に引継ぎ移送する各搬送装置を備えている。前記寄せ板(38)には、補助ガイド部材(52)が片持ち状に取付けられていて、この補助ガイド部材(52)を前記横送り搬送装置(30)に対し平面視オーバラップするように延設することにより、穀稈の株元側は前記寄せ板(38)によって案内支持され、かつ穂先側は補助ガイド部材(52)によって案内支持されるので、これら寄せ板(38)及び補助ガイド部材(52)により全体として穀稈の搬送姿勢が矯正され稈こぼれが防止される。
【0008】なお、上述した括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0010】図1は、コンバインの搬送体系を示し、図2及び図3は、そのX方向及びY方向矢視図を示し、図4は前処理部の平面図を示している。図2及び図3において、コンバインCは、左右一対のクローラ走行装置12,12により支持された走行機体11を有し、この走行機体11の前部には該走行機体11に対して昇降自在な前処理部14を有している。走行機体11の上部には、刈り取った穀稈を脱穀し該脱穀した穀粒を選別する脱穀部16と、その前部に運転席18が設けられている。
【0011】前記前処理部14は、その作動基端側を伝動軸ケース20に固着され、かつ走行機体11の斜め下方に向けて延出する伝動ケース22に、該伝動ケース22の中間部に連結された図示しない油圧シリンダの伸縮に基づき昇降可能に支持されている。この伝動ケース22の下方には、機体左右方向に延設されかつ該伝動ケース22と略々T字状に直交する伝動軸筒39が一体的に連結されている。この前処理部14は、未刈り穀稈を分草して引起し通路に導く複数個のデバイダ25を有し、該デバイダ25は、図2〜図4に示すように、機体前方に延びる前処理フレーム24に夫々取付けられていて、該前処理フレーム24の後方側は、機体左右方向に延設されたフレーム横杆23に固定されている。このデバイダ25の後方には、分草された穀稈を引起こす引起し装置26が前方から後方に向けて上昇する傾斜状に設けられている。
【0012】前記引起し装置26は、爪付チェン36と引起しケース37を有し、爪付チェン36には所定間隔で複数本の爪が取付けられ、これらの爪が引起しケース37内を上方に回動して穀稈を整然とすき上げる。この爪付チェン36を駆動する動力は、図示しないトランスミッションから前記伝動軸筒39内の駆動軸を介し、該伝動軸筒39から機体斜め前方に延びる前処理伝動ギヤケース40に伝達されていて、前記引起し装置26は、この前処理伝動ギヤケース40によって上端部を支持されている。
【0013】次いで、前記引起し装置26の後方で、かつ伝動軸筒39の前方下部には、地面に近接して穀稈の株元を切断する刈刃27が設けられ、この刈刃27により切断された穀稈は掻込み搬送装置28によって掻込まれて後方に移送される。また、前記引起しケース37の背面側には、穀稈の株元側を案内支持する寄せ板38が取付けられている。更に、前記掻込み搬送装置28の後方には、該掻込み搬送装置28により引き継がれた穀稈を機体左側部に向けて移送する横送り搬送装置30(図1参照)が配設され、この横送り搬送装置30にて送り込まれた穀稈は、扱深さ搬送装置32によりその長さが感知されて自動的に適正な扱深さに調節され、次いで脱穀フィードチェン34により前記脱穀部16に向けて搬送される。
【0014】図1〜図4に示すように、前記掻込み搬送装置28は、掻込み搬送ベルト41と穂先搬送スターホイル42、株元搬送スターホイル43、左右の株元搬送チェン44−1,44−2、中央の株元搬送チェン44−3等を有し、刈刃27によって刈取られた穀稈は、掻込み搬送ベルト41とスターホイル42,43によって掻込まれて各々の通路に寄せられ、右側は株元搬送チェン44−2によって挟持され、横送り搬送装置30に引き継がれる。左側も同様に、株元搬送チェン44−1によって横送り搬送装置30の終端部で右側から送られてきた穀稈と合流され、中央は株元搬送チェン44−3によって横送り搬送装置30の中央部にて横送り搬送装置30に引き継がれ、扱深さ搬送装置32に移送される。
【0015】前記横送り搬送装置30は、横送り穂先搬送チェン(上)46−1及び横送り穂先搬送チェン(下)46−2と、横送り株元搬送チェン47とを有し、掻込み搬送装置28から引き継がれた穀稈を、右側から左側に移送する役目をなす。
【0016】前記扱深さ搬送装置32は、扱深さ調整が可能なように、その後部を機体本体側から延設された支持部材33に回動自在に支持されていて、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送チェン48と株元側を搬送する株元搬送チェン49を備えている。穂先搬送チェン48は、後部を支点に上下動自在となっていて(図2の矢印A方向)、その始端部は左側の株元搬送チェン44−1の搬送方向終端側の上方に延設されている。
【0017】そして、扱深さの調整を行うべく、この扱深さ搬送装置32が一体的に上下作動することで、穀稈は適正な扱深さに調節されてフィードチェン34に移送される。なお、株元側の株元搬送チェン49は、伝動軸ケース20内の駆動軸から独立して動力を受けて回転が伝達されるようになっている。
【0018】本発明は、前記寄せ板38に補助ガイド部材を片持ち状に取付け、該補助ガイド部材を前記横送り搬送装置30に対し平面視オーバラップするように延設したものである。
【0019】図5において、寄せ板38に補助ガイド部材としての補助ガイド棒52−1〜52−11を夫々片持ち状に取付けている。この補助ガイド棒52は可撓性のバネ部材から成り、その取付けは、図6に示すように、補助ガイド棒52の固定端側は略々U字状に折曲された折曲部52aを有し、この折曲部52aの上部に止め金具53をかぶせてネジ54で締結する構造としている。これらの補助ガイド棒52は、横送り搬送装置30に対し平面視オーバラップするように延設されていると共に、補助ガイド棒52の自由端側は、横送り搬送装置30の搬送方向の終端側に向けて延設されている。
【0020】図7は、図5のA方向矢視図であり、横送り穂先搬送チェン(上)46−1は穀稈長が標準の場合と短稈の場合(例えば600mm以下)とで上下調節が可能となっていて、この横送り穂先搬送チェン(上)46−1の取付位置に応じて補助ガイド棒52を折曲するようにしている。同様に、図8〜図11は、夫々図5のB〜E方向矢視図であり、補助ガイド棒52の寄せ板38への取付状態を示している。
【0021】この補助ガイド棒52により、穀稈の株元側は寄せ板38によって案内支持されると共に、穂先側は補助ガイド棒52によって案内支持されるので、穀稈の搬送姿勢を矯正しつつ稈こぼれが防止されると共に、穀稈のボリュームが大となっても、補助ガイド棒52が可撓性のバネ部材から成るので追従することができ、稈量が減少すれば元に戻るので稈量の大小に関わらず、稈姿勢の乱れを防止することができる。特に、刈取り穀稈を高速にて後方に搬送する場合に稈こぼれが防止される。また、補助ガイド棒52の自由端側を、横送り搬送装置30の搬送方向の終端側に向けて延設したことにより、穀稈は掻込搬送装置28から横送り搬送装置30の終端側に向けてスムーズに引継ぎ移送され、この間における稈こぼれや搬送姿勢の乱れ等が防止される。
【0022】図12は、横送り搬送装置30の終端部において扱深さ搬送装置32と合流する部分における穀稈の案内装置を示したものである。
【0023】すなわち、多条コンバインの場合、横送り搬送装置30と扱深さ搬送装置32との合流部では、稈こぼれや搬送姿勢の乱れ等が発生し易いため、図5及び図12に示すように、横送り搬送装置30の終端部における穀稈の案内通路に沿って補助ガイド棒55を多段に設け、この補助ガイド棒55により搬送姿勢の乱れ等を矯正して扱深さ搬送装置32に確実に移送することができる。
【0024】また、横送り搬送装置30と扱深さ搬送装置32の各搬送チェンの軌跡合流のみでは、低速搬送時に稈の落ち込みがあり、稈こぼれや搬送姿勢の乱れ等が発生するおそれがある。そこで、扱深さカバー56を横送り搬送装置30側に延出することで、横送り搬送装置30と扱深さ搬送装置32との遊隙部Sの隙間を小さくすることができ、この扱深さカバー56の延出と補助ガイド棒55とにより、稈こぼれや搬送姿勢の乱れ等が防止される。
【0025】次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0026】コンバインCは、刈取り進行に伴い機体11に対し昇降自在な引起し装置26により引起こされた穀稈を刈刃27にて刈取り、刈取られた穀稈は掻込み搬送装置28の掻込み搬送ベルト41にて掻込まれ、スターホイル42,43によって後方に移送され、横送り搬送装置30に引き継がれる。この穀稈の掻込み時に、穀稈の株元側は寄せ板38によって案内支持されると共に、穂先側は寄せ板38に片持ち状に取付けられた補助ガイド棒52によって案内支持されて、穀稈の搬送姿勢が矯正されながら稈こぼれが防止される。
【0027】更に、横送り搬送装置30によって機体左側に寄せられた穀稈は、掻込み搬送装置28から扱深さ搬送装置32に送られるが、このとき、横送り搬送装置30の終端部における穀稈の案内通路に沿って設けられた補助ガイド棒55により、搬送姿勢の乱れ等が矯正され、扱深さ搬送装置32に確実に移送される。この扱深さ搬送装置32では、送られてきた穀稈の長さを感知して、自動的に適正な扱深さにしてフィードチェン34により脱穀部16に向けて搬送する。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、刈取り穀稈を、引起し装置に配設された寄せ板及び掻込搬送装置により掻込んで後方の横送り搬送装置に引継ぎ移送し、該横送り搬送装置にて前記穀稈を機体左右一側部に配置された扱深さ搬送装置に引継ぎ移送する際、前記寄せ板に補助ガイド部材を片持ち状に取付け、該補助ガイド部材を前記横送り搬送装置に対し平面視オーバラップするように延設したことにより、穀稈の株元側は寄せ板によって案内支持されると共に、穂先側は補助ガイド部材によって案内支持されるので、穀稈の搬送姿勢を矯正しつつ稈こぼれを防止することができる。特に、刈取り穀稈を高速にて後方に搬送する場合に稈こぼれの防止効果が大である。
【0029】請求項2記載の発明によれば、前記補助ガイド部材の自由端側を、横送り搬送装置の搬送方向の終端側に向けて延設したことにより、穀稈は掻込搬送装置から横送り搬送装置の終端側に向けてスムーズに引継ぎ移送され、この間における稈こぼれや搬送姿勢の乱れ等の発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年8月2日(1999.8.2)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−45839(P2001−45839A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−219306