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【発明の名称】 根菜類収穫機
【発明者】 【氏名】伊藤 宰

【氏名】千葉 博之

【氏名】阪辻 隆雄

【氏名】金井 芳秀

【要約】 【課題】植付け条間が狭い場合も広い場合も、根菜類の葉部を比較的短い引起し爪を備える引起し装置で精度よく引き起し処理できる根菜類収穫機を得る。

【解決手段】左側の引起し装置12の引起しカバー12cに連結している左調節ねじ軸15aと、右側の引起し装置12の引起しカバー12cに連結している右調節ねじ軸15aとのそれぞれを回動操作する。すると、左側の引起し装置12も右側の引起し装置12も、引き起し終端側に位置する軸芯P2まわりで機体横方向に揺動し、両引起し装置12,12の引き起し始端側での機体横方向での引起し爪間隔が変化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無端回動帯状体によって機体横向きの取付け姿勢で支持されながら上昇移送される引起し爪によって根菜類の葉部を引き起こし処理するとともに2条植えの根菜類に各別に作用する左右一対の引起し装置、この左右一対の引起し装置からの根菜類の葉部を受け継いで挟持搬送する搬送装置を走行機体に取り付けてある根菜類収穫機であって、前記左右一対の引起し装置の引き起こし始端側における機体横方向での引起し爪間隔を変更する調節機構を備えてある根菜類収穫機。
【請求項2】 前記調節機構は、前記引起し装置を引き起こし終端側に位置する機体前後向きの軸芯まわりで揺動操作することによって前記引起し爪間隔を変更するように構成してある請求項1記載の根菜類収穫機。
【請求項3】 前記左右一対の引起し装置が各別に作用する2条植えの根菜類の根菜本体の下方に各別に作用する左右一対の土崩し具を前記走行機体に取り付けるとともに、前記左右一対の土崩し具それぞれの走行機体に対する位置を機体横方向に変更する調節部を備えてある請求項1又は2記載の根菜類収穫機。
【請求項4】 前記搬送装置を、無端回動ベルトによって根菜類の葉部を挟持搬送するように構成し、前記搬送装置によって搬送される根菜類の根菜本体の前記搬送装置の方への移動を規制するように根菜本体にストッパー作用しながら、前記搬送装置による葉部の搬送に伴って根菜本体を移動させる位置決め装置を、前記搬送装置の搬送終端側に至るほど搬送装置と位置決め装置との間隔が大になる状態で備え、前記搬送装置と位置決め装置との間に、搬送される根菜類の葉部に作用する切断装置を備え、前記無端回動ベルトが巻回する輪体の環状溝に係入する突条を無端回動ベルトの裏面側に備えさせ、無端回動ベルトの挟持搬送部に挟持用張力を備えさせるためのテンションローラを無端回動ベルトの裏面側に接触作用させ、前記テンションローラの無端回動ベルトに接触する作用面を円筒外周面に形成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の根菜類収穫機。
【請求項5】 前記無端回動ベルトの前記突条を、無端回動ベルトの搬送終端側が巻回する輪体の環状溝に入り込むように案内するガイド部材を備えてある請求項4記載の根菜類収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無端回動帯状体によって機体横向きの取付け姿勢で支持されながら上昇移送される引起し爪によって根菜類の葉部を引き起こし処理するとともに2条植えの根菜類に各別に作用する左右一対の引起し装置、この左右一対の引起し装置からの根菜類の葉部を受け継いで挟持搬送する搬送装置を走行機体に取り付けてある根菜類収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記根菜類収穫機は、根菜類の葉部が圃場面に立たないで倒伏していても、引起し装置によって引き起こし処理されることにより、搬送装置に供給できて収穫できるようにされたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、根菜類が広い条間で植え付けられている場合、収穫対象の根菜類が引起し装置の横外側にずれて位置することがあった。すると、引起し爪が葉部に作用しなくて引き起こし処理が行えず、葉部を搬送装置に供給できなくて収穫できなくなっていた。本発明の目的は、植付け条間が狭い場合も広い場合も比較的コンパクトな引起し装置で引起こし処理できる根菜類収穫機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕無端回動帯状体によって機体横向きの取付け姿勢で支持されながら上昇移送される引起し爪によって根菜類の葉部を引き起こし処理するとともに2条植えの根菜類に各別に作用する左右一対の引起し装置、この左右一対の引起し装置からの根菜類の葉部を受け継いで挟持搬送する搬送装置を走行機体に取り付けてある根菜類収穫機において、前記左右一対の引起し装置の引き起こし始端側における機体横方向での引起こし爪間隔を変更する調節機構を備えてある。
【0006】〔作用〕植付け条間が狭い場合には、調節機構によって引起こし始端側の引起し爪間隔を狭い側に調節する。すると、両引起し装置の引起し爪が引起し始端側で互いに寄り合って移送されて、両引起し装置の引起こし始端側どうしの間には両引起し装置のいずれの引起し爪も作用しない引起こし不能部分が存在しないとか、存在してもわずかなものになり、植付け条間が狭くても、左側引起し装置の引起し爪が左側の根菜類に対して適切に位置してその葉部に、右側引起し装置の引起し爪が右側の根菜類に対して適切に位置してその葉部にそれぞれ引き起こしミスが生じにくいように作用し、2条の根菜類の葉部が両引起し装置によって搬送装置に供給されていく。植付け条間が広い場合には、調節機構によって引起こし始端側の引起し爪間隔を広い側に調節する。すると、両引起し装置の引起し爪が引起し始端側で互いに離れ合って移送されて、両引起し装置の引起こし始端側どうしの間には両引起し装置のいずれの引起こし爪も移動しない引起こし不能部分ができるが、この引起こし不能部分は根菜類どうしの間に位置することにより、そして、植付け条間が広いことによって、左側の根菜類は左引起し装置の始端側の近くに、右側の根菜類は右引起し装置の始端側の近くにそれぞれ位置することになり、左側引起し装置の引起し爪が左側の根菜類に対して適切に位置してその葉部に、右側引起し装置の引起し爪が右側の根菜類に対して適切に位置してその葉部にそれぞれ引き起こしミスが生じにくいように作用していく。また、引起し爪間隔を調節するものだから、次の如く有利に引き起し処理させられる。植付け条間が広い場合でも根菜類が引起しケースに当たるとか横外側にずれるとかしないように、両引起し装置の引起しケース間隔を広くした状態で、かつ、植付け条間が狭い場合でも両引起し装置の引起し爪が葉部に作用するように、両引起し装置の引起し爪の長さを長くした状態にして、引起し爪間隔が一定のものに構成する比べ、引起し爪を短いものにしながら、植付け条間が広い場合も狭い場合も引き起しミスが発生しにくいように引き起こし処理させられる。
【0007】〔効果〕したがって、植付け条間が狭くても広くても、根菜類の葉部が両引起し装置によって引き起こしミスが生じにくいように引き起こし処理されて搬送装置に供給され、根菜類が引き起こし処理されないで圃場に残ったままになるなどの収穫ミスが生じにくいように収穫できる。その割りには、引起し装置として引起し爪が比較的短いコンパクトなものを採用して経済面などで有利に得られる。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0009】〔構成〕請求項1による発明の構成において、前記調節機構は、前記引起し装置を引き起こし終端側に位置する機体前後向きの軸芯まわりで揺動操作することによって前記引起こし爪間隔を変更するように構成してある。
【0010】〔作用〕引起こし始端側で無端回動帯状体が巻回する輪体を移動させるなど、引起し装置の始端側の一部分のみを移動させることによって、引き起こし始端側における引起し爪間隔を変更するように構成するに比し、引起し装置を全体にわたって前記軸芯まわりで揺動する構造簡単なものにしながら、引き起こし始端側における引起し爪間隔を変更するものである。
【0011】〔効果〕引起し装置を全体にわたって前記軸芯まわりで揺動する構造簡単なものに済ませ、植付け条間が広くても狭くても引き起しミスが発生しにくいように引き起こし処理させられるものを経済面や構造面で有利に得られる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0013】〔構成〕請求項1又は2による発明の構成において、前記左右一対の引起し装置が各別に作用する2条植えの根菜類の根菜本体の下方に各別に作用する左右一対の土崩し具を前記走行機体に取り付けるとともに、前記左右一対の土崩し具それぞれの走行機体に対する位置を機体横方向に変更する調節部を備えてある。
【0014】〔作用〕根菜類の植付け条間が異なると、土崩し具の取付け位置を植付け条間が狭い場合と広い場合とでは機体横方向に異なるように調節する。すると、植付け条間が狭い場合も広い場合も、土崩し具が根菜類の根菜本体の下方に適切に位置し、根菜類の引き上げを容易にするのに過不足ない適切な土崩し範囲で土崩しを行っていくものである。
【0015】〔効果〕植付け条間が狭い場合も広い場合も、土崩しを適切に行わせて根菜類の引き上げを容易に行わせられる。その割りには、植付け条間が狭い場合も広い場合も位置変更不能な土崩し具で根菜類の引き上げが容易になるように土崩しを行わせるに比べ、土崩し範囲が狭い土崩し具を採用し、掛かる土崩し抵抗を極力少なく済ませながら作業したり、安価に得たりできる。
【0016】請求項4による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0017】〔構成〕請求項1〜3のいずれか1項による発明の構成において、前記搬送装置を、無端回動ベルトによって根菜類の葉部を挟持搬送するように構成し、前記搬送装置によって搬送される根菜類の根菜本体の前記搬送装置の方への移動を規制するように根菜本体にストッパー作用しながら、前記搬送装置による葉部の搬送に伴って根菜本体を移動させる位置決め装置を、前記搬送装置の搬送終端側に至るほど搬送装置と位置決め装置との間隔が大になる状態で備え、前記搬送装置と位置決め装置との間に、搬送される根菜類の葉部に作用する切断装置を備え、前記無端回動ベルトが巻回する輪体の環状溝に係入する突条を無端回動ベルトの裏面側に備えさせ、無端回動ベルトの挟持搬送部に挟持用張力を備えさせるためのテンションローラを無端回動ベルトの裏面側に接触作用させ、前記テンションローラの無端回動ベルトに接触する作用面を円筒外周面に形成してある。
【0018】〔作用〕搬送装置による葉部の挟持搬送、位置決め装置による根菜本体に対する前記ストッパー作用、搬送装置と位置決め装置の前記配置間隔それぞれの作用により、根菜本体から所定距離に位置する葉部部分が切断装置に供給されて切断される。搬送装置と位置決め装置とにわたって支持される葉部に強い張力が作用し、この張力のために無端回動ベルトがテンションローラに対してずれ動いても、無端回動ベルトがテンションローラの円筒外周面に沿ってずれ動くだけで葉部の挟持不能にはなりにくいとか、異常な張力が解消すれば、無端回動ベルトの突条と輪体の環状溝とが係合していて無端回動ベルトに復元張力が作用していることから、無端回動ベルトがテンションローラの円筒外周面に沿って元の位置にずれ動いて戻りやすいものである。
【0019】〔効果〕根菜本体から所定距離に位置する葉部部分が切断されて余分な葉部部分を取り除いた状態で収穫できるとともに、無端回動ベルトがずれ動いてもその挟持が不能になりにくいとか元の位置に戻りやすくて故障になりくい状態に得られる。
【0020】請求項5による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0021】〔構成〕請求項4による発明の構成において、前記無端回動ベルトの前記突条を、無端回動ベルトの搬送終端側が巻回する輪体の環状溝に入り込むように案内するガイド部材を備えてある。
【0022】〔作用〕無端回動ベルトがテンションローラに沿ってずれ動いても、そのベルト部分が搬送終端側の輪体に移動して巻回していくに伴い、突条がガイド部材に案内されて輪体の環状溝に自ずと入り込んでいき、無端回動ベルトがテンションローラに対する位置ずれのために巻回輪体から外れてしまう故障が発生しにくいものである。
【0023】〔効果〕無端回動ベルトがテンションローラに対してずれ動いても巻回輪体から外れにくく、余分な葉部部分を取り除いた状態で収穫できるものがより故障しにくい信頼性の高い状態に得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1〜図3に示すように、1つの遊転自在な前車輪1、左右一対の駆動自在な後車輪2,2、操縦ハンドル3、エンジン4を備える自走機体の機体フレーム5の前部に、3つの分草引起し装置11及びこの分草引起し装置11の後方に位置する左右一対の引起し装置12,12を備える分草引起し部10と、前記引起し装置12の後方に位置する搬送装置21及び位置決め装置22を備える収穫部20と、前記位置決め装置22の後方に位置する整列ベルト31を備える整列放出装置30とを設けて、根菜類の一例としての玉葱を収穫する収穫機を構成してある。この玉葱収穫機は、図3などに示すように、玉葱Zが植え付けられているうねの横側に前輪1を、両横側に後輪2をそれぞれ位置させて機体走行させることにより、2条の植付け条に植え付けられている玉葱Zをうねから引き上げ、葉部Zaのうちの先端側部分を取り除いた状態にしてうね上に並べていくものであり、詳しくは、次の如く構成してある。
【0025】分草引起し部10は、走行機体の横方向に所定の間隔を隔てて並ぶ3つの前記分草引起し装置11と、各分草引起し装置11の分草ケースの下端部から機体前方側に向かって延出する分草具13と、前記分草引起し装置11の後側に機体横方向に並ぶ前記左右一対の引起し装置12,12とによって構成してある。
【0026】前記複数個の分草具13,13のうちの最も機体左側に位置する分草具13は、収穫対象の2条植え玉葱Zのうちの左側の植付け条の玉葱Zと、この玉葱Zに隣接する非収穫対象の玉葱Zとの葉部Zaをすくい上げて2つの引起し経路10a,10aのうちの機体左横側に位置する引起し経路10aの外側と内側とに分草するとともにこの引起し経路10aの左横側に位置する分草引起し装置11の始端部に供給する。機体右側の2つの分草具13は、収穫対象の2条植えの玉葱Zの葉部Zaをすくい上げて前記2つの引起し経路10a,10aの一方と他方とに分草するとともに分草引起し装置11の始端部に供給する。
【0027】各分草引起し装置11は、複数個の分草引起し爪11aが所定の間隔を隔てて起伏自在に付いている無端チェーン11bを分草引起しケースの内部の上端側と下端側とに位置する輪体にわたって巻回して成り、前記上端側の輪体を駆動することにより、無端チェーン11bが前記上端側の輪体によって回動駆動され、分草引起しケースの前側に位置する作用経路を上昇移動し、分草引起しケースの後側に位置する戻り経路を下降移動するように駆動され、作用経路においては、分草引起し爪11aを先端側が分草引起しケースから機体前方側に突出する機体前後向きの取り付け姿勢になるように起立姿勢にして支持しながら上昇移送し、戻り経路においては、分草引起し爪11aを分草引起しケースの内部に入り込むように倒伏姿勢にして支持しながら下降移送する。これにより、各分草引起し装置11は、分草具13からの葉部Zaを作用経路を上昇移送される分草引起し爪11aによって梳き上げて前記2つの引起し経路10a,10aのうちの機体左側の引起し経路10aの内側と外側に分草したり、2つの引起し経路10a,10aの一方と他方に分草するとともに前記引起し装置12の引起し爪12aが掛かりやすいように引き起こし処理する。
【0028】左右一対の引起し装置12,12は、前記2つの引起し経路10a,10aの一方の後端部と他方の後端部とに分散させて配置してある。左右一対の引起し装置12,12のそれぞれは、前記引起し経路10aに上端側ほど機体後方側に位置する傾斜姿勢で配置した引起しカバー12cと、複数本の前記引起し爪12aが所定の間隔を隔てて付いている無端回動帯状体の一例としての無端Vベルト12bを前記引起しカバー12cの裏面側の上端側と下端側とに位置するベルトプーリ12d,12eにわたって巻回して成り、前記上端側のベルトプーリ12eを駆動すると、無端Vベルト12bが引起しカバー12cの機体横方向での一端側に位置する引起し経路を上昇移動し、引起しカバー12cの機体横方向での他端側に位置する戻り経路を下降移動するように上端側のベルトプーリ12eによって回動駆動され、引起し経路においては、引起し爪12aを先端側が引起しカバー12cから引起し経路10aに突出する機体横向きの取り付け姿勢で支持しながら上昇移送し、戻り経路においては、引起し爪12aを引起しカバー12cの裏面側に入り込む状態に支持しながら下降移送する。これにより、各引起し装置12は、分草引起し装置11からの葉部Zaを引起し経路を上昇移送される引起し爪12aによって受け継ぐとともに梳き上げて引き起こし処理しながら前記搬送装置21の始端部に供給する。
【0029】収穫部20は、前記引起し装置11の下端部の後側近くに始端部が位置する前記搬送装置21と、この搬送装置21の始端部の後側近くに始端部が位置する位置決め装置22と、この位置決め装置22と前記搬送装置11の中間部どうしの間に位置する切断装置23と、前記搬送装置21の始端部の下方に位置する左右一対の土崩し具24,24とによって構成してある。
【0030】図6などに示すように、左右一対の土崩し具24,24それぞれは、自走機体の機体フレーム5から延出されて分草引起し装置11を支持する支持部材6に中間部が機体横向きの軸芯P1まわりで回動自在に連結し、先端側が土崩し具24の基端部に連結している支持リンク25を介して前記支持部材6に支持させてあり、自走機体に前記軸芯P1まわりで前後に揺動するように支持されている。走行用ミッションケースから機体前後方向に往復駆動自在に延出している駆動ロッド26が、前記支持リンク25の基端側に連結してこの支持リンク25を軸芯P1まわりで往復揺動するように駆動する。これにより、左側の土崩し具24は、左側の駆動ロッド26によって軸芯P1まわりで前後に往復振動するように駆動され、前記搬送装置21が左側の引起し装置12によって引き起し処理された玉葱Zをうねから引き上げる際に抜け上がりやすいように、その玉葱Zの本体である鱗茎部Zbの下方に土崩し作用し、右側の土崩し具24は、右側の駆動ロッド26によって軸芯P1まわりで前後に往復振動するように駆動され、前記搬送装置21が右側の引起し装置12によって引き起し処理された玉葱Zをうねから引き上げる際に抜け上がりやすいように、その玉葱Zの本体である鱗茎部Zbの下方に土崩し作用する。
【0031】図1、図10などに示すように、搬送装置21は、前記引起し装置12の下端部の後側近くに位置する左右一対の遊転自在な始端側輪体21aの一方の輪体21aと、この始端側輪体21aよりも機体後方で高レベルに位置する左右一対の駆動自在な終端側輪体21bの一方の輪体21bとにわたって巻回するとともに前記終端側輪体21bによって回動駆動される無端回動ベルト21cと、前記左右一対の始端側輪体21aの他方の輪体21aと、前記左右一対の終端側輪体21bの他方の輪体21bとにわたって巻回するとともに前記終端側輪体21bによって回動駆動される無端回動ベルト21cとで成り、前記両引起し装置12,12からの葉部Zaを一対の無端回動ベルト21c,21cによって受け継いで機体後方側に挟持搬送するとともに、搬送終端側ほど高レベルに位置していることにより、搬送するに伴って玉葱Zをうねから引き上げるとともに持ち上げていく。
【0032】図1、図5などに示すように、位置決め装置22は、前記搬送装置21の搬送始端部の後側近くに位置する左右一対の遊転自在な始端側輪体22aの一方の輪体22aと、この始端側輪体22aよりも機体後方に同一又はそれに近い配置レベルに位置する左右一対の駆動自在な終端側輪体22bの一方の輪体22bとにわたって巻回するとともに前記終端側輪体22bによって回動駆動される無端回動ベルト22cと、前記左右一対の始端側輪体22aの他方の輪体22aと、前記左右一対の終端側輪体22bの他方の輪体22bとにわたって巻回するとともに前記終端側輪体22bによって回動駆動される無端回動ベルト22cとで成り、前記搬送装置21がうねから抜き上げ処理してから挟持搬送している搬送途中にある玉葱Zの葉部Zaのうちの搬送装置21が挟持する部分よりも鱗茎部Zbに近い葉部部分を一対の無端回動ベルト22c,22cによって受け継いで機体後方に挟持搬送する。これにより、搬送装置21と位置決め装置22とは、搬送装置21の搬送終端側に至るほど搬送装置21と位置決め装置22との間隔が大になる配置関係にあり、位置決め装置22は、搬送装置21によって搬送される玉葱Zの鱗茎部Zbが搬送装置21による持ち上げのために搬送装置21の方に移動することを鱗茎部Zbの上端が位置決め装置22の無端回動ベルト22cに当接するまでに規制するように鱗茎部Zbにストッパー作用し、このストッパー作用を行いながら、搬送装置21による葉部Zaの搬送に伴ってその搬送方向に鱗茎部Zbを移動させる。
【0033】切断装置23は、搬送装置21と位置決め装置22の搬送中間部どうしの間に機体上下向きの軸芯まわりで回動するように、かつ、搬送装置21によって搬送される葉部Zaに作用するように設けた1枚の回転カッターによって構成してある。この回転カッターは、伝動ケース27によって所定の位置に保持されているとともにこの伝動ケース27の内部に位置する伝動機構によって動力伝達されて駆動される。
【0034】これにより、収穫部20は、左右一対の引起し装置12,12からの玉葱Zの葉部Zaを搬送装置21によって受け継いで挟持搬送するとともに土崩し具24を作用させ、この土崩し具24による土崩しのために玉葱Zがうねから抜けやすい状態になると、搬送装置21によって玉葱Zをうねから引き上げるともに位置決め装置22を作用させながら持ち上げ搬送し、搬送装置21と位置決め装置22とによる搬送と位置決め作用とによって玉葱Zの葉部Zaのうちの鱗茎部Zbから所定の距離に位置する葉部部分を切断装置23に供給して切断し、葉部Zaの先端側部分がなくなり、玉葱Zの吊り下げなどに必要な鱗茎部側部分が付いた状態になった玉葱Zを位置決め装置22によってさらに機体後方側に挟持搬送して前記整列放出装置30に供給する。
【0035】図4などに示すように、整列放出装置30は、位置決め装置22の終端部の上下側に設けた放出ガイド杆32,33と、位置決め装置22の出口の後側に機体横向きの軸芯まわりで回動するように配置した上下一対の輪体にわたって巻回した前記整列ベルト31とによって構成してある。すなわち、上下の放出ガイド杆32,33は、位置決め装置22によってこれの出口に向けて搬送される玉葱Zの残留葉部に接触し、玉葱Zを残留葉部が機体上下方向に向く縦向き姿勢から残留葉部が機体横方向に向く横向き姿勢に姿勢変更させる。整列ベルト31は、位置決め装置22から排出される玉葱Zどうしの間に入り込むことによって玉葱Zの放出間隔を所定間隔に設定する突起31aを備えているとともに、前記上下一対の輪体のうちの一方の駆動自在な輪体によって回動駆動され、位置決め装置22の出口から前記横向き姿勢で排出される玉葱Zをその横向き姿勢でうね上に機体進行方向に並んでいくように整列させる。
【0036】図9などに示すように、前記左右の引起し装置12,12それぞれの引起しカバー12cの上端側を、前記上端側のVベルトプーリ12eに動力伝達する伝動ケース14にVベルトプーリ12eの回動軸芯P2のまわりで回動するように支持させて、左右の引起し装置12,12それぞれを、引き起こし終端側に位置する機体前後向きの前記軸芯P2まわりで走行機体に対してこれの横方向に揺動させられるように構成してある。
【0037】左側の引起し装置12の引起しカバー12cの下端側に一端側が連結している左調節ねじ軸15aと、右側の引起し装置12の引起しカバー12cの下端側に一端側が連結している右調節ねじ軸15bとにより、左右一対の引起こし装置12,12の引き起こし始端側での引起し爪12aどうしの機体横方向での間隔を変更する調節機構16を構成してある。
【0038】すなわち、左調節ねじ軸15aの一端側は、左側の引起し装置12の引起しカバー12cの下端側に前記軸芯P2と平行な軸芯まわりで回動するよう連結しているメねじ部材17に螺合させ、左調節ねじ軸15aの他端側は、前記左側の支持部材6が球面継手を介して支持するねじ受け部材18に回転のみ自在に支持させてある。これにより、左調節ねじ軸15aをこれの機体横外側の端部に一体回転自在に付いているハンドル15cによって回動操作すると、この左調節ねじ軸15aがねじ受け部材18を反力点としてメねじ部材17を機体横方向に移動操作し、左側の引起し装置12を前記軸芯P2のまわりで揺動操作する。右調節ねじ軸15aの一端側は、右側の引起し装置12の引起しカバー12cの下端側に前記軸芯P2と平行な軸芯まわりで回動するよう連結しているメねじ部材17に螺合させ、右調節ねじ軸15aの他端側は、前記右側の支持部材6が球面継手を介して支持するねじ受け部材18に回転のみ自在に支持させてある。これにより、右調節ねじ軸15bをこれの機体横外側の端部に一体回転自在に付いているハンドル15cによって回動操作すると、この右調節ねじ軸15bがねじ受け部材18を反力点としてメねじ部材17を機体横方向に移動操作し、右側の引起し装置12を前記軸芯P2のまわりで揺動操作する。
【0039】したがって、左右の調節ねじ軸15a,15bを回動操作することによって調節機構16の調節操作が行える。この調節操作を行うと、調節機構16は、図9(イ)の如く左右の引起し装置12,12それぞれの下端側を機体内側に移動させて、左右一対の引起し装置12,12の引き起こし始端側における機体横方向での引起こし爪間隔を狭い側に変更したり、図9(ロ)の如く左右の引起し装置12,12それぞれの下端側を機体外側に移動させて、左右一対の引起し装置12,12の引き起こし始端側における機体横方向での引起こし爪間隔を広い側に変更する。
【0040】図7、図8などに示すように、前記左側の土崩し具24を支持する支持リンク25の先端側に機体横方向に並べて備えさせた複数個の崩し具連結部25a,25aと、前記右側の土崩し具24を支持する支持リンク25の先端側に機体横方向に並べて備えさせた複数個の崩し具連結部25a,25aとにより、左右一対の土崩し具24,24それぞれの走行機体に対する位置を機体横方向に変更する調節部28を構成してある。
【0041】すなわち、左側の支持リンク25の複数個の崩し具連結部25aも、右側の支持リンク25の複数個の崩し具連結部25aも、土崩し具24を連結ボルト29によって着脱できるように構成してある。これにより、左側の土崩し具24を左側の支持リンク25の複数個の崩し具連結部25aに付け替え、右側の土崩し具24を右側の支持リンク25の複数個の崩し具連結部25aに付け替えることによって、調節部28の調節操作が行える。この調節操作を行うと、調節部28は、左右の土崩し具24,24それぞれの走行機体に対する位置を機体横方向に変更する。つまり、左側の土崩し具24においても、右側の土崩し具24においても、図7(イ)の如くこれを取り付けるべき支持リンク25の複数個の崩し具連結部25aのうちの機体内側に位置する方の崩し具連結部25aに付け替えることにより、土崩し具24の走行機体に対する位置が機体内側に変化し、図7(ロ)の如く複数個の崩し具連結部25aのうちの機体外側に位置する方の崩し具連結部25aに付け替えることにより、土崩し具24の走行機体に対する位置が機体外側に変化する。
【0042】したがって、狭い植付け条間Dで植え付けられている玉葱Zの収穫を行う場合、図9(イ)に示すように、前記調節機構16によって両引起し装置12,12の引き起こし始端側での引起し爪間隔を狭い側に調節し、左側引起し装置12の引起し爪12aが左側の植付け条の玉葱Zに対して、右側引起し装置12の引起し爪12aが右側の植付け条の玉葱Zに対してそれぞれ適切に位置するように調節して、収穫対象の2条植えのいずれの条の玉葱Zにも引き起しミスが発生しにくくしながら収穫する。このとき、図7(イ)に示すように、前記調節部28によって左右の土崩し具24,24それぞれの走行機体に対する位置を内側に調節し、左側の土崩し具24が左側の植付け条の玉葱Zに対して、右側の土崩し具24が右側の植付け条の玉葱Zに対してそれぞれ適切に位置するように調節して、収穫対象の2条植えのいずれの条の玉葱Zにも土崩し不足が発生しにくくしながら収穫する。広い植付け条間Dで植え付けられている玉葱Zの収穫を行う場合、図9(ロ)に示すように、前記調節機構16によって両引起し装置12,12の引き起こし始端側での引起し爪間隔を広い側に調節し、左側引起し装置12の引起し爪12aが左側の植付け条の玉葱Zに対して、右側引起し装置12の引起し爪12aが右側の植付け条の玉葱Zに対してそれぞれ適切に位置するように調節して、収穫対象の2条植えのいずれの条の玉葱Zにも引き起しミスが発生しにくくしながら収穫する。このとき、図7(ロ)に示すように、前記調節部28によって左右の土崩し具24,24それぞれの走行機体に対する位置を外側に調節し、左側の土崩し具24が左側の植付け条の玉葱Zに対して、右側の土崩し具24が右側の植付け条の玉葱Zに対してそれぞれ適切に位置するように調節して、収穫対象の2条植えのいずれの条の玉葱Zにも土崩し不足が発生しにくくしながら収穫する。
【0043】図2に示すように、前記複数個の分草具13のうちの最も前車輪1の近くに位置する分草具13の先端から、前輪1の接地点までの距離をLとすると、この距離Lを約1メートルに設定してある。これにより、葉部Zaが長い品種の玉葱Zの場合でも、分草引起し部10によって引き起し処理されるまでの玉葱Zの葉部Zaを前輪1で踏み付ける事態を発生しにくくしながら作業できる。
【0044】図10、図11などに示すように、前記搬送装置21の一対の無端回動ベルト21c,21cそれぞれの裏面側に、前記始端側輪体21a及び前記終端側輪体21bが備える環状溝21dに係入する突条21eを備えさせてある。これにより、一対の無端回動ベルト21c,21cそれぞれは、始端側輪体21a及び終端側輪体21bから外れにくい状態で駆動される。
【0045】前記一対の無端回動ベルト21c,21cそれぞれの挟持搬送部のうちの前記切断装置23の近くに位置する部分での裏面側にテンションローラ40を接触作用させて、無端回動ベルト21cの挟持搬送部に葉部Zaの挟持を可能にする張力を備えさせてある。各テンションローラ40のベルト21cに接触する作用面40aを、無端回動ベルト21cが摺動しやすい円筒外周面に形成してある。一対の無端回動ベルト21c,21cそれぞれの搬送終端側が巻回する前記輪体21bの近くにガイド部材41を搬送フレーム42に支持されるようにして設けるとともに、図12に示すように、無端回動ベルト21cがテンションローラ40に沿って位置決め装置22の方に位置ずれした場合、終端側輪体21bの方に移動するに伴い、ガイド部材41が無端回動ベルト21cの突条21eに接触作用し、この突条21eを終端側輪体21bの環状溝21dに入り込むように案内するよう構成してある。
【0046】図4、図6などに示すように、前記位置決め装置22に、ガイド部材43を設けるとともに、このガイド部材43は、搬送装置21と位置決め装置22によって搬送される葉部Zaに接触作用してこの葉部Zaを切断装置23によって切断されやすいように、切断装置23の前端部に案内し、かつ、切断装置23から逃げないないように支持するように構成してある。
【0047】〔別実施形態〕玉葱Zの他に、人参などを収穫対象とする収穫機にも本発明は適用できるのであり、これら玉葱Z、人参などを総称して根菜類と呼称する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年8月11日(1999.8.11)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−45824(P2001−45824A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−227360