| 【発明の名称】 |
移動農機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 雅彦
【氏名】林 順二
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| 【要約】 |
【課題】急停止したとき、運転者が前方へ投げ出されるのを操向ハンドル4を掴むことにより効果的に阻止されるものとなし、また地上と操縦部9との間での運転者の昇降移動を操向ハンドル4を掴むことにより効果的且つ安定的に行えるようにする。
【解決手段】操縦部9に縦向きのステアリング軸32回りに回転操作される操向ハンドル4と駐車ブレーキ操作部材6とを設けた移動農機において、操向ハンドル4の回転を規制するための回転規制手段59を形成し、この回転規制手段59と駐車ブレーキ操作部材6とを連係させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操縦部に縦向きのステアリング軸回りに回転操作される操向ハンドルと駐車ブレーキ操作部材とを設けた移動農機において、操向ハンドルの回転を規制するための回転規制手段を形成し、この回転規制手段と駐車ブレーキ操作部材とを連係させたことを特徴とする移動農機。 【請求項2】 回転規制手段が、ステアリング軸に固定したディスクに摩擦面を押し当てて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸の周面に摩擦面を押し当てて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸の周面に摩擦ワイヤを螺旋状に捲き掛けて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸に形成したテーパ面部に摩擦円錐孔面を押し当てて制動力を付与する構成のうちの何れかであることを特徴とする請求項1記載の移動農機。 【請求項3】 駐車ブレーキ操作部材が駐車ブレーキペダル或いは駐車ブレーキレバーであることを特徴とする請求項1又は2記載の移動農機。 【請求項4】 操縦部に、縦向きのステアリング軸回りに回転操作される操向ハンドルと、機体の走行速度を変化させるための変速操作部材とを設けた移動農機において、操向ハンドルの回転操作量をその中立位置近傍の比較的小さい範囲内に制限するためのハンドル操作量制限機構を形成し、一方では操縦部に運転状態制限操作部材を設け、この制限操作部材にハンドル操作量制限機構及び変速操作部材を連係させたことを特徴とする移動農機。 【請求項5】 運転状態制限操作部材を入り操作したとき、ハンドル操作量制限機構が操向ハンドルの回転操作量をその中立位置近傍の比較的小さい範囲内に制限すると共に、変速操作部材が機体の走行速度を特定大きさ以下に減少させる構成としたことを特徴とする請求項4記載の移動農機。 【請求項6】 変速操作部材が主変速操作レバーであり、また運転状態制限操作部材が運転状態制限ペダルであることを特徴とする請求項4又は5記載の移動農機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコンバイン等の移動農機に関する。 【0002】 【従来の技術】操縦部に、縦向きステアリング軸回りに回転操作される操向ハンドルと、駐車ブレーキ操作部材とを設けてなるコンバインは存在している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記した在来のコンバインの走行中、機体を急停止させたようなとき、運転者の身体が前方へ投げ出されるようになるため、運転者は操向ハンドルに掴まってこれに耐えようとする。また操縦部での運転者の乗車・降車移動時に、運転者は操向ハンドルに掴まって身体を支えようとする。ところが、操向ハンドルは回転動作するものであるため、運転者を安定的に支持するものとならず、運転者は操向ハンドルに安心して身体を委ねることができないのである。 【0004】また機体の畦越え走行中に機体があおられると、操向ハンドルを操作する運転者の身体が揺られて意図しない操向ハンドルの大きな回転振れが生じ、機体が急旋回することがある。本発明は、このような事態を防止し得るものとした移動農機を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では次のようになす。即ち、請求項1の発明では、操縦部に縦向きのステアリング軸回りに回転操作される操向ハンドルと駐車ブレーキ操作部材とを設けた移動農機において、操向ハンドルの回転を規制するための回転規制手段を形成し、この回転規制手段と駐車ブレーキ操作部材とを連係させる。これによれば、駐車ブレーキ操作部材が急にブレーキ作動状態となされると、機体の走行は急停止されるが、このとき操向ハンドルの回転も阻止された状態となり、操向ハンドルはこれに掴まった運転者を安定的に支持するものとなる。 【0006】上記発明は次のように具体化する。即ち、請求項2に記載しように、回転規制手段は、ステアリング軸に固定したディスクに摩擦面を押し当てて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸の周面に摩擦面を押し当てて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸の周面に摩擦ワイヤを螺旋状に捲き掛けて制動力を付与する構成、或いはステアリング軸に形成したテーパ面部に摩擦円錐孔面を押し当てて制動力を付与する構成のうちの何れかとなす。これによれば、ステアリング軸の回転動作が摩擦による制動力で確実に阻止されるものとなる。 【0007】また請求項3に記載したように、駐車ブレーキ操作部材は駐車ブレーキペダルであっても、或いは駐車ブレーキレバーであってもよい。 【0008】次に請求項4に記載した発明では、操縦部に、縦向きのステアリング軸回りに回転操作される操向ハンドルと、機体の走行速度を変化させるための変速操作部材とを備えた移動農機において、操向ハンドルの回転操作量をその中立位置近傍の比較的小さい範囲内に制限するためのハンドル操作量制限機構を形成し、一方では操縦部に運転状態制限操作部材を設け、この規制操作部材にハンドル操作量制限機構及び変速操作部材を連係させる。これによれば、請求項5に記載したように、運転状態制限操作部材が入り操作されたとき、ハンドル操作量制限機構が操向ハンドルの回転操作量をその中立位置近傍の比較的小さい範囲に制限するものとなり、一方では変速操作部材が変位されて機体の走行速度を特定大きさ以下に減少させるものとなる。 【0009】この際、請求項6に記載したように、変速操作部材として主変速操作レバーを対応させるのが従来構造との関連で好ましいのであり、また運転状態制限操作部材は運転状態制限ペダルとなすのが操作上好ましいものとなる。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係る移動農機の一種であるコンバインを示す側面図、図2は前記コンバインの平面図、図3は前記コンバインを示す正面図である。 【0011】これらの図に於いて、1a及び1bは左右の走行部をなす走行クローラであり、これら走行クローラ1a、1bには機台2を支持させ、機台2の前部には刈取部3を前方張出状の上下変位可能に設けると共に、機台2上方の前部右側には丸形の操向ハンドル4や、変速操作部材としての主変速操作レバー5、駐車ブレーキペダル6、駐車ブレーキレバー7及び運転席8を備えた操縦部9を、そして前部左側には穀稈搬送部10を設け、また機台2上方でこの穀稈搬送部10の後方には脱穀部11及び排藁処理部12を、そして操縦部9の後方には籾タンク13を設け、さらにこの籾タンク13の後部から刈取部3上方に及ぶ籾排出部14を設けている。この際、駐車ブレーキペダル6及び駐車ブレーキレバー7のそれぞれが駐車ブレーキ操作部材をなすものであって、駐車ブレーキ作動状態の位置と駐車ブレーキ非作動状態の位置の各々に保持し得るものとなす。 【0012】このコンバインは走行クローラ1a、1bで圃場を走行しつつ、刈取部3で圃場に植生した稲を刈り取り、この刈り取った稲を穀稈搬送部10で脱穀部11まで搬送し、ここで稲の脱穀処理を行い、こうして脱穀された籾を籾タンク13内に蓄積させ、一方では、排藁を排藁処理部12で寸断する等して圃場へ排出するように作動するのであり、籾タンク13内の籾は必要の都度、籾排出部14の作動により機外へ搬送する。そして駐車ブレーキペダル6は踏み込み操作されると、駐車ブレーキ作動状態となり、また駐車ブレーキレバー7は手による前側への揺動により入り操作されると、駐車ブレーキ作動状態となる。一方、駐車ブレーキペダル6の駐車ブレーキ作動状態を非作動状態にするにはこのペダル6の踏み込みを解放するのであり、一方、駐車ブレーキレバー7の駐車ブレーキ作動状態を非作動状態にするにはこのレバー7を元位置に戻すように操作する。 【0013】走行クローラ1a、1bの駆動機構について、図1、図2、図3及び図4を参照して説明する。ここに図4は動力の伝達経路を示している。これらの図に示すように、運転席8の後方の機台2上にエンジン15を、そして操縦部9の機体中央側の機台2下方にミッション16を設け、このミッション16の上部近傍には図4に示す走行用HST17及び操向用HST18を固定すると共にミッション16の左右各側から横向きの駆動軸19a、19bを張り出させ、この駆動軸19a、19bの先端に走行クローラ1a、1bを駆動回転させる駆動輪19、19を固定している。 【0014】上記した駆動機構は走行用駆動機構A1と操向用駆動機構B1とを包含するものとなすのであり、それぞれについて説明すると次の通りである。即ち、走行用駆動機構A1は図4に示すようにエンジン15の動力をベルト伝動機構20を介し、走行用HST17の油圧ポンプ17aに伝達し、この油圧ポンプ17aから送り出される作動油で走行用HST17の油圧モータ17bを回転させ、この回転を副変速機構部21及び、左右一対の遊星ギヤ機構22a、22bからなる差動機構部23を経て駆動輪19、19に伝達するようにしている。ここに、油圧モータ17bの回転速度は主変速操作レバー5の操作量に連動して大小に変化されるようになっている。 【0015】一方、変速用駆動機構B1はエンジン15の動力をベルト伝動機構20、20aを介し、操向用HST18の油圧ポンプ18aに伝達し、この油圧ポンプ18aから送り出される作動油で走行用HST18の油圧モータ18bを回転させ、この回転をクラッチ伝動機構部24から特定方向の回転を中間ギヤ及び一方の遊星ギヤ機構22aを経て一つの走行クローラ1aに、そして一方ではクラッチ伝動機構部24から伝達された前記特定方向の回転を方向反転機構25で反転させ、この反転された回転を中間ギヤ及び他方の遊星ギヤ機構22bを経て他の一つの走行クローラ1bに伝達するようにしている。ここに、油圧モータ18bの回転速度は操向ハンドル4の操作量に連動して大小に変化されるようになっている。 【0016】左右の各遊星ギヤ機構22a、22bは、駆動軸19a、19bと同心に配置されたサンギヤ26、26の外周歯に複数のプラネタリギヤ27を噛み合わせ、これらプラネタリギヤ27をキャリア28で結合して、このキャリア28の中心に駆動軸19a、19bを結合させ、且つ、各プラネタリギヤ27にリングギヤ29の内歯を噛み合わせたものとなしてある。 【0017】そして、一方の遊星ギヤ機構22bのリングギヤ29の外歯にはクラッチ伝動機構部24の回転が伝達され、また他方の遊星ギヤ機構22aのリングギヤ29の外歯には方向反転機構25から出力された回転が伝達される。また左右の遊星ギヤ機構22a、22bのサンギヤ26、26はサンギヤ軸30で結合すると共にこのサンギヤ軸30の中央部にセンタギヤ31を固定し、このセンタギヤ31に副変速機構部21から出力される回転を伝達する。 【0018】副変速機構部21の減速比を一定に保持し且つ操向ハンドル4を中立位置(直進位置)に保持した状態での、走行用駆動機構A1の作動は、次のように行われる。即ち、主変速操作レバー5を中立位置(停止位置)に位置させたときは、油圧ポンプ17aからの作動油の送出が停止されて、油圧モータ17bは回転せず、左右の駆動輪19、19は停止状態となるのであり、また主変速操作レバー5を前進側へ変位させたとき、油圧モータ17aが正方向へ回転して、この回転がセンタギヤ31及び、左右の遊星ギヤ機構22a、22bのプラネタリギヤ27、左右の駆動軸19a、19bを正回転させ、これにより駆動輪19、19は左右の走行クローラ1a、1bを正方向(前進側)へ回転させる状態となり、一方、主変速操作レバー5を後進側へ変位させると、油圧モータ17aが逆方向へ回転し、この回転がセンタギヤ31及び、左右の遊星ギヤ機構22a、22bのプラネタリギヤ27、左右の駆動軸19a、19bを逆回転させ、これにより駆動輪19、19は左右の走行クローラ1a、1bを逆方向(後進側)へ回転させる状態となり、この際、主変速操作レバー5の揺動量の大きさに比例して駆動輪19、19の回転速度は変化するものとなる。 【0019】主変速操作レバー5を中立位置に保持した状態での、操向用駆動機構B1の作動は、次のように行われる。即ち、操向ハンドル4を中立位置に位置させたとき、油圧ポンプ18aからの作動油の送出が停止されて、油圧モータ18bは回転せず、左右の駆動輪19、19は停止状態となるのであり、また操向ハンドル4を右側へ回転変位させると、油圧モータ18bが正方向へ回転し、この回転が左側の遊星ギヤ機構22aのリングギヤ29、プラネタリギヤ27、駆動軸19aを正回転させると同時に右側の遊星ギヤ機構22bのリングギヤ29、プラネタリギヤ27、駆動軸19bを逆回転させ、これにより左側の駆動輪19は前進側へ回転し、右側の駆動輪19は後進側へ回転して機体を右旋回させるようになり、一方、操向ハンドル4を左側へ回転変位させると、油圧モータ18aが逆方向へ回転して、この回転が左側の遊星ギヤ機構22aのリングギヤ29、プラネタリギヤ27、駆動軸19aを逆回転させると同時に右側の遊星ギヤ機構22bのリングギヤ29、プラネタリギヤ27、駆動軸19bを正回転させ、これにより左側の駆動輪19は左側の走行クローラ1aを後進側へ回転させ、右側の駆動輪19は右側の走行クローラ1aを前進側へ回転させて機体を左旋回させるようになるのであり、この際、操向ハンドル4の回転操作量の大きさに比例して左右の走行クローラ1a、1bの走行速度は変化するものとなる。 【0020】また副変速機構部20の減速比を一定に保持し且つ主変速操作レバー5及び操向ハンドル4の双方を任意に操作した状態での、走行用駆動機構A1及び操向用駆動機構B1の作動は、上記した走行用駆動機構A1の作動と、操向用駆動機構B1の作動とが複合されたものとなる。 【0021】次に操向ハンドル4下部に設けられたステアリングコラム33周辺構造や床面9a上の構造について、図1〜図3、図5及び図6を参照して説明する。この際、図5は操縦部9の側面図、、図6は図5のxーx部を示す断面図である。 【0022】図1〜図3、及び図5に示すように操縦部9の機台2の最前部には縦向きのステアリング軸32を回転自在に支持したステアリングコラム33が固定してある。ステアリングコラム33の固定構造について説明すると、ステアリンコラム33の左右各側面とこれら各側面に対応した機台2箇所との間を図5に示す鈎形の鋼板部材からなるチルトアーム34で結合している。 【0023】チルトアーム34は、図6に示すように下端部に透孔34aを形成されると共にこの透孔34a内にリング状ゴム部35を接着させ、このゴム部35の中心孔に金属製の円筒状カラー36が挿入されるものとなされている。この際、リング状ゴム部35の厚さはチルトアーム34の板厚よりも少し大きくなし、また円筒状カラー36はこれの中心線方向の長さをチルトアーム34の厚みに合致させると共に、内径をこれに内挿されるボルト37の外径に可及的に近似させる。 【0024】チルトアーム34の下端部を機台2に固定させる際は、リング状ゴム部35よりも大きな径の防振ゴム板38と、この防振ゴム板38と同じ径の座金39との中心孔に前記ボルト37を挿通させ、このボルト37をリング状カラー36に内挿し機台2の雌ネジに螺入し締結する。この締結状態では、リング状ゴム部35が厚みを減少されてその径を増大されようとするため、リング状ゴム部35は外周囲をチルトアーム34の透孔34aに押しつけられる傾向となり、且つ一方の側面を機台2に押しつけられるのであり、これによりチルトアーム34は機台2に振動し難い状態で装着される。 【0025】一方、チルトアーム34の上部は複数のボルト40、40でステアリングコラム35の側面に締結固定された状態となされている。このステアリングコラム35は必要に応じてボルト37を弛緩及び締結操作してこのボルト37回りの前後方向へ傾斜変位させるものであり、これにより操向ハンドル4の前後方向縦面に沿ったチルト角が最適状態に調整される。そして図5に示すように、操縦部9の床面9aには運転状態制限ペダル41が支点軸42を介して設けてある。このペダル41は図示しないスプリングの弾力に抗して踏み込まれたときは、操向ハンドル4の回転操作可能範囲を制限すると共に機体の走行速度を一定大きさ以下に低下させるように作用し、また踏込みを解除されたときは、操向ハンドル4の任意な回転操作が行える状態を回復させると共に、機体の走行速度を任意に変更できる状態を回復させるものとなされている。 【0026】次に駐車ブレーキペダル6と図2及び図3に示す駐車ブレーキレバー7との連係機構について説明する。図5に示すように、サイドコラム43の図示しない骨組み構造部材を介してペダル支点軸44を設け、この支点軸44の一端に前記駐車ブレーキペダル6を固定され、他端にアーム部材45を固定されている。前記ペダル支点軸44の近傍にはサイドコラム43の図示しない骨組み構造部材に固定された支軸46を介して連係板47がこの支軸46回りの揺動自在に装着されている。そして、この連係板47とアーム部材45とはリンク部材48で結合されている。一方、アーム部材45には図3等に示す駐車ブレーキレバー7から延出された操作ワイヤ49が止着されている。さらに連係板47からは連係ワイヤ50が延出され、ミッション16内に設けられた駐車ブレーキ51の制動開始指令入力部52に結合されている。この際、駐車ブレーキ51は図4に示すように副変速機構21の伝動軸53と関連させて設け、この伝動軸53の回転を規制するように作動するものとなす。 【0027】駐車ブレーキ51をかける際には、駐車ブレーキペダル6を図5に示す位置から図示しないスプリングの弾力に抗して踏み込むか、或いは駐車ブレーキレバー7を図3に示す起立姿勢位置から図示しないスプリングの弾力に抗して前方へ倒すように操作するのであり、これにより、連係板47が図5中、右回りへ揺動されると共に連係ワイヤ50を引張して駐車ブレーキ51を制動状態となす。この制動状態は駐車ブレーキペダル6を図示しない係止手段により踏み込み位置に係止させることにより、或いは駐車ブレーキレバー7が例えばスプリングの弾撥力を利用した自己保持手段等により、前倒し姿勢位置に自己保持されて維持される。一方、この制動状態を解除するときは、制動状態にある駐車ブレーキペダル6をその踏み込み状態位置から解放するのであり、これによりこのペダル6が図示しないスプリングの弾力により元位置に戻されるものとなり、また駐車ブレーキレバー7を起立側へ起こすのであり、これによりこのレバー7が自己保持手段により図4に示す起立姿勢位置に保持されるものとなる。従って、駐車ブレーキ51の制動状態は解消される。 【0028】次に駐車ブレーキペダル6及び駐車ブレーキレバー7と、主変速操作レバー5との連係機構について図5及び図7を参照して説明する。この際、図7は主変速操作レバーの下部周辺の構造を示す側面図である。図5及び図7に示すように、サイドコラム43の図示しない骨組み構造部材に支軸54を設け、この支軸54回りの回転自在に支点板55が装着してある。そして、この支点板55の上辺部に筒部材56を固着し、この筒部材56内に主変速操作レバー5の下部を若干の機体左右方向の揺動可能に挿着した状態に結合してある。また前記連係板47には下細り状の案内溝57aの形成された牽制板57を固定し、案内溝57a内には支点板55の下部に軸着された牽制ローラ58が位置させてある。 【0029】このような連係機構において、駐車ブレーキペダル6や図3等に示す駐車ブレーキレバー7が駐車ブレーキ51の非作動位置にあるとき、連係板47及び牽制板57は支点板55に対し図7に示す位置にあり、従って牽制ローラ58は案内溝57aの上部の幅広箇所に位置して、この案内溝57a内を前後方向へ大きく移動し得るものとなって、主変速操作レバー5の大きな前後揺動を可能となす。逆に駐車ブレーキペダル6や駐車ブレーキレバー7が駐車ブレーキ51を作動させる位置に向けて操作されるとき、連係板47及び牽制板57は支点板55に対し支軸46回りの上方へ変位され、この変位により、牽制ローラ58は牽制板57の案内溝57aに案内されて案内溝57aの底部に位置され前後方向へ変位できなくなるのであり、これにより主変速操作レバー5は中立位置(停止位置)に規制にされるものとなる。 【0030】次にステアリングコラム33の内部構造について図1〜図3、図5、及び、図8〜図10を参照して説明する。この際、図8〜図9はステアリング軸32に関連した機構を示す図であり、図10は図3のx1−x1部を示す図である。図1及び図3等に示すように、ステアリングコラム33内には操向ハンドル4の回転を規制するための回転規制手段59とハンドル操作量制限機構60とが設けてある。 【0031】上記回転規制手段59は例えば図8Aに示すようなもの、或いは図8Bに示すようなもの、或いは図8Cに示すようなもの、或いは図9に示すようなものとなすのである。図8Aに示すものは次のようになしてある。即ち、ステアリング軸32にディスク61を固定し、一方では前記ステアリングコラム33に挟圧摩擦手段62を設ける。この挟圧摩擦手段62は一対の挟み部材63a、63bをステアリングコラム33に支持された支点軸64を介して結合し、各挟み部材63a、63bの先端に剛性摩擦面65を形成すると共に各挟み部材63a、63bの後端に、図5に示す連係板47から延出された連係ワイヤ66を結合させたものとなす。この際、挟圧摩擦手段62は駐車ブレーキペダル6又は駐車ブレーキレバー7を駐車ブレーキ作動位置に操作することにより、一対の挟み部材63a、63bがその先端でディスク61を挟みつけ、その剛性摩擦面65をディスク61の両側面に押し当てて制動力を付与し、操向ハンドル4の回転を阻止する。 【0032】また図8Bに示すものは次のようになしてある。即ち、前記ステアリングコラム33にステアリング軸32の外周面を直接に挟みつけるものとした挟圧摩擦手段67を設ける。この挟圧摩擦手段67は一対の挟み部材68a、68bをステアリングコラム33に支持された支点軸69を介して結合し、各挟み部材68a、68bの先端に剛性摩擦面70を形成すると共に各挟み部材68a、68bの後端に、図5に示す連係板47から延出された連係ワイヤ66を結合させたものとなす。この際、挟圧摩擦手段67は駐車ブレーキペダル6又は駐車ブレーキレバー7を駐車ブレーキ作動位置に操作することにより、一対の挟み部材68a、68bがその先端でステアリング軸32を挟みつけ、その剛性摩擦面70、70をステアリング軸32の外周面に押し当てて制動力を付与し、操向ハンドル4の回転を阻止する。 【0033】また図8Cに示すものは次のようになされるのであって、即ち、ステアリング軸32の周面に摩擦ワイヤ71を螺旋状に捲き掛け、このワイヤ71の一端を前記ステアリングコラム33に固定された止着片72に止着させ、他端には図5に示す連係板47から延出された連係ワイヤ66を結合させる。この際、摩擦ワイヤ71は駐車ブレーキペダル6又は駐車ブレーキレバー7を駐車ブレーキ作動位置に操作することにより引張され、ステアリング軸32の外周面を締め付け、摩擦面としてのワイヤ周面をステアリング軸32の外周面に押し当てて制動力を付与し、操向ハンドル4の回転を阻止する。なお、図8において連係ワイヤ66はステアリングコラム33に固定された案内管73により案内される。 【0034】また図9に示すものは次のようになされるのであって、即ち、ステアリング軸32にテーパ面部74を形成し、このテーパ面部74には円錐形摩擦孔面体75aを備えた回転規制筒75を遊嵌し、この回転規制筒75の外周部材75bに被案内部mを形成し、この被案内部mを介して回転規制筒75をステアリングコラム33部分に上下変位のみ可能に案内させ、また回転規制筒75には図5に示す連係板47から延出された連係ワイヤ66を結合すると共に、このワイヤ66を上方へ引張するように案内するものとした案内管76をステアリングコラム33に固設する。この際、回転規制筒75は駐車ブレーキペダル6又は駐車ブレーキレバー7を駐車ブレーキ作動位置に操作することにより、連係ワイヤ66で上方へ引張され、この引張により円錐形摩擦孔面体75aの円錐形摩擦孔面nがテーパ面部74に押し当てられて制動力を付与し、操向ハンドル4の回転を阻止する。 【0035】上記ハンドル操作量制限機構60は次のようなものとなしてある。即ち、図3に示すようにステアリング軸32の下端にアーム部材77を固定し、このアーム部材77の端部に係止ピン78を突設する。この係止ピン78に関連したステアリングコラム33箇所に水平支軸79を設け、この支軸79を介してストッパレバー80を揺動可能に装着する。このストッパレバー80は図10に示すように係止ピン78側に二本の棒部材81a、81bにより二股状部81を、そしてこれの反対側に入力部82を形成し、この入力部82には図5に示す運転状態制限ペダル41から延出された連係ワイヤ83を結合すると共にこの入力部82を上向へ引張するためのスプリング84を装着する。 【0036】この制限機構の作動について説明すると、運転状態制限ペダル41の非踏み込み状態ではストッパレバー80はスプリング84の弾力等で二股状部81が係止ピン78と干渉しないように下方へ変位した状態に保持されるのであり、従って操向ハンドル4は任意に回転操作されるものとなる。一方、操向ハンドル4が中立位置近傍にある状態の下で運転状態制限ペダル41が踏み込まれると、ストッパレバー80は二股状部81が係止ピン78と干渉する位置まで上方変位した状態に保持され且つ係止ピン78が二本の棒部材81a、81bの間に位置した状態となり、これにより操向ハンドル4の回転操作はその中立位置を挟んで凡そ45度程度の角度範囲内でのみ行えるものとなる。 【0037】ところで、運転状態制限ペダル41は図5に示す連係板47に対してもリンク又はワイヤによる連係機構84を介して連係されるのであり、この連係機構84は運転状態制限ペダル6を踏み込んだとき、連係板46を支軸42回りに変位させて、図7に示す牽制ローラ58及び案内溝57aとの相互作用により、任意揺動位置にある主変速レバー5を中立位置に近づけるように移動させて機体の走行速度を一定大きさ以下に減少させるものとなり、また運転状態制限ペダル6の非踏み込み状態では連係板47を何ら拘束しない状態となるものである。なお、運転状態制限ペダル41の非踏み込み状態では連係板47は牽制板57に対し図7に示す状態に保持されるため、主変速操作レバー5は任意位置に揺動操作される状態となる。 【0038】上記のように構成したコンバインは例えば次のように使用される。即ち、機体の走行中、操縦部9の運転者が機体を急停止させる必要のあるとき、運転者は駐車ブレーキペダル6を一気に踏み込む操作をする。これにより、主変速操作レバー5が機械的に中立位置に移動されて牽制ローラ58及び案内溝57aの相互作用によりこの中立位置に規制されると共に駐車ブレーキ51が作動し、走行クローラ1a、1bの作動が直ちに停止され、機体は急停止する。このとき、操向ハンドル4の回転は回転規制手段59により完全に阻止された状態となるのであり、従って、たとえ運転者が急停止の際に身体を前方へ投げ出されるようになっても、操向ハンドル4はこれに掴まった運転者の身体を効果的且つ安定的に支持するものとなる。 【0039】また機体を駐車状態となすときは、駐車ブレーキペダル6又は駐車ブレーキレバー7を駐車ブレーキ作動位置に操作する。これにより、先と同様に、操向ハンドル4の回転は回転規制手段59により完全に阻止された状態となるのであり、従って操縦部9での運転者の乗車・降車移動時において、操向ハンドル4はこれに掴まった運転者の身体を効果的且つ安定的に支持するものとなる。 【0040】また機体の操縦中には畦を越えるとき等のように機体が不安定に揺れる状態で走行させる必要の生じることがあるが、このような場合は運転状態制限ペダル41を踏み込む操作をする。これにより、主変速操作レバー5は牽制ローラ58及び案内溝57aの相互作用により機体の走行速度を微速状態と減少させる位置に揺動されると共に操向ハンドル4がストッパレバー80等によりその回転操作範囲を極めて小さい範囲に制限されるため、たとえ運転者の身体姿勢が不安定となってその手が不用意に操向ハンドル4を大きく回転させるようになっても、操向ハンドル4は一定程度以上に回転操作されることはなく、機体の急旋回動作は生じなくなり、また操向ハンドル4はこれに掴まった運転者を安定的に支持するものとなる。 【0041】 【発明の効果】上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。即ち、請求項1のものによれば、駐車ブレーキ操作部材を急に駐車ブレーキ作動状態となすと、機体の走行が急停止されるため、運転者が前方へ投げ出されるようになるが、このとき運転者は回転の阻止された操向ハンドルに掴まって身体を安定させて前方へ投げ出されそうになるのを効果的に阻止することができるものとなり、また操縦部と地上との間での運転者の昇降移動が回転の阻止された操向ハンドルに掴まることにより効果的且つ安定的に行えるものとなる。 【0042】請求項2のものによれば、操向ハンドルの回転を簡易且つ確実に阻止することのできるものとなり、また請求項3のものによれば、駐車ブレーキ操作部材が足或いは手により操作されるものとなる。 【0043】請求項4のものによれば、運転状態規制操作部材を入り操作することにより、操向ハンドルの回転操作量をその中立位置近傍の比較的小さい範囲に制限することができると共に、機体の走行速度を特定大きさ以下の微速状態になすことができるのであり、これにより不安定な走行面を走行するときにも運転者は回転操作量の制限された操向ハンドルで安定的に支持されると共に、不用意に操向ハンドルを大きく回転操作することに起因して機体が急旋回する事態を確実に阻止することのできるものとなる。 【0044】請求項5のものによれば、請求項6に記載したと同様に、不安定な走行面を走行するときに、運転者は回転操作量の制限された操向ハンドルで安定的に支持されると共に不用意に操向ハンドルを大きく回転操作することに起因して機体が急旋回する事態を確実に阻止することのできるものとなる【0045】請求項6の者によれば、主変速操作レバーは従来より存在するものであるため変速操作部材を別途に設ける必要がないものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月21日(1999.7.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−28931(P2001−28931A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−205550 |
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