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【発明の名称】 コンバインの枠構造
【発明者】 【氏名】上窪 啓太

【氏名】廣瀬 知義

【氏名】正野 潤一

【要約】 【課題】従来のクローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいては、脱穀部の構成フレームはトラックフレームと別体構造であり、グレンタンク、エンジン、キャビン等の積み上げ構成ができないために組立作業に時間がかかり、その上、必ずしも機体中心に対して左右対称ではないため、機体左右での組立用部材の共通化が難しく、また、作業中の左右機体バランスが一定しにくいため、高速走行等で運転操作がやりにくい、という問題があった。

【解決手段】脱穀部18の構成フレームと、該構成フレーム下部に連結したトラックフレーム306とを一体的な枠構造にすると共に、該枠構造を機体中心に対して左右対称に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、前記脱穀部の構成フレームと、該構成フレーム下部に連結したトラックフレームとを一体的な枠構造にしたことを特徴とするコンバインの枠構造。
【請求項2】 前記枠構造を機体中心に対して左右対称に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの枠構造。
【請求項3】 前記構成フレームのうち、機体側方に前後方向に配置した左右の下部フレームと、該下部フレームから立設した縦フレームと、該縦フレームの上部を前後方向に連結した左右の上部フレームとにより前記脱穀部の左右の側板を連結し、前記下部フレーム間を下部連結フレームで左右方向に連結し、前記上部フレーム間を上部連結フレームで左右方向に連結したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバインの枠構造。
【請求項4】 前記側板間を左右方向の連結部材で連結したことを特徴とする請求項3記載のコンバインの枠構造。
【請求項5】 前記トラックフレームを、前記側板下方で機体幅外方に連結したことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のコンバインの枠構造。
【請求項6】 前記トラックフレーム間を左右方向の連結部材で連結したことを特徴とする請求項5記載のコンバインの枠構造。
【請求項7】 クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、該エンジンルームのルームフレームに、エンジン、該エンジンの周辺装置、グレンタンク内の穀粒を側方に搬送する横送りコンベア駆動のための駆動ケース、及びこの穀粒を排出オーガまで揚穀する縦コンベア等を取り付け可能に構成したことを特徴とするコンバインの枠構造。
【請求項8】 前記記載の周辺装置を、マフラー、エアクリーナ、ラジエータ、ロータリースクリーン等としたことを特徴とする請求項7記載のコンバインの枠構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおいて、組み立てが容易で、機体バランスにも優れる脱穀部やエンジンルームの枠組みの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりコンバインにおいては、クローラー式走行装置上に下部フレームが搭載され、該下部フレーム上に選別装置、脱穀部、及びエンジン等を収納するエンジンルームが載置固定され、脱穀部上には略逆三角形状の漏斗状に形成されたグレンタンクが配置されていた。該グレンタンクの下部には落下する穀粒を右側に搬送するスクリュー式の横送りコンベアが軸支され、該横送りコンベアの側方位置には、横送りコンベアに駆動力を伝達するための駆動ケースや、横送りコンベアからの穀粒を後方に搬送する排出コンベアが配置され、該排出コンベア後端は穀粒を排出オーガに揚穀する縦コンベアに連通されていた。
【0003】このような構成において、前記脱穀部には、構造強度上脱穀部を支持すると共に側板を連結するための構成フレームが設けられ、該構成フレームの下部の前記下部フレームには、走行装置の主な枠構造を形成するトラックフレームが連結され、該トラックフレームは前記構成フレームとは全く別体に構成されており、しかもこのトラックフレームは構成フレームの幅内方に位置する構造となっていた。また、前記エンジン、エンジンの各種周辺装置、駆動ケース、及び縦コンベア等を取り付けるための部材は統一されておらず、各装置とも異なる部材に締結具等を用いて別々に固定するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構成フレームはトラックフレームと別体構造であり、グレンタンク、エンジン、キャビン等の積み上げ構成ができないために組立作業に時間がかかり、その上、必ずしも機体中心に対して左右対称ではないため、機体左右での組立用部材の共通化が難しく、また、作業中の左右機体バランスが一定しにくいため、高速走行等で運転操作がやりにくい、という問題があった。また、前述のようにトラックフレームは機体幅内方に配置されていたため、走行中にクローラに土や泥が巻き込まれると該クローラと機体下面との間にそのまま溜まり、走行トラブルの原因になる、という問題があった。
【0005】そして、前記エンジン、エンジンの各種周辺装置、駆動ケース、及び縦コンベア等が取り付けられる部材がそれぞれ異なるため、取り付けが煩雑で組み立てに要する時間が長くなり、さらには、専用の支持部材を設ける必要から連結構成が複雑となり、重量増やコストアップを招く、という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、前記脱穀部の構成フレームと、該構成フレーム下部に連結したトラックフレームとを一体的な枠構造にしたものである。
【0007】請求項2においては、請求項1記載の枠構造を機体中心に対して左右対称に構成したものである。
【0008】請求項3においては、請求項1又は請求項2記載の構成フレームのうち、機体側方に前後方向に配置した左右の下部フレームと、該下部フレームから立設した縦フレームと、該縦フレームの上部を前後方向に連結した左右の上部フレームとにより前記脱穀部の左右の側板を連結し、前記下部フレーム間を下部連結フレームで左右方向に連結し、前記上部フレーム間を上部連結フレームで左右方向に連結したものである。
【0009】請求項4においては、請求項3記載の側板間を左右方向の連結部材で連結したものである。
【0010】請求項5においては、請求項1乃至請求項4記載のトラックフレームを、前記側板下方で機体幅外方に連結したものである。
【0011】請求項6においては、請求項5記載のトラックフレーム間を左右方向の連結部材で連結したものである。
【0012】請求項7においては、クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、該エンジンルームのルームフレームに、エンジン、該エンジンの周辺装置、グレンタンク内の穀粒を側方に搬送する横送りコンベア駆動のための駆動ケース、及びこの穀粒を排出オーガまで揚穀する縦コンベア等を取り付け可能に構成したものである。
【0013】請求項8においては、請求項7記載の周辺装置を、マフラー、エアクリーナ、ラジエータ、ロータリースクリーン等としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は汎用コンバイン全体の側面一部断面図、図2は同じく平面一部断面図、図3は脱穀部及び揺動選別装置の側面断面図、図4は脱穀部の構成フレームの説明図、図5は脱穀部のフレーム構成の左側面図、図6は同じく右側面図、図7は同じく正面図、図8は同じく背面図、図9は脱穀部右側部の正面図、図10は同じく正面一部断面図、図11は同じく側面図、図12は脱穀部開閉カバーを開けた状態の側面図、図13はクローラ式走行装置の側面図、図14は遊転輪の正面断面図、図15はエンジンルームの背面図、図16は同じくの左側背面図、図17は同じく右側背面図、図18はエンジンルームの平面図、図19は同じくの左側平面図、図20は同じく右側平面図、図21はグレンタンクの支持構成を示す左側面図である。
【0015】まず、本発明に係わる汎用コンバインの全体構成について、図1乃至図2により説明する。クローラー式走行装置1上に下部フレーム13が搭載され、該下部フレーム13上に揺動選別装置19や本発明に関わる脱穀部18と、エンジン48等を収納するエンジンルーム49が載置固定され、脱穀部18上には穀粒を均等分散させるためのレベリングディスク101とガイド板116とを内設するグレンタンク30が配置され、該グレンタンク30側部にはその内部に貯留された穀粒を排出する排出オーガ40が配置されている。また、前記下部フレーム13より前方に刈取部8が突出されている。刈取部8はプラットホーム2内に横送りオーガ3を左右方向に収納し、回転駆動することによって穀稈を略左右中央に集めるようにしている。前記プラットホーム2前端下部には刈刃4が横設され、該刈刃4の前上方には掻込リール5が配設されている。前記プラットホーム2の両側の後部上に昇降リンク6の後部が枢支され、該昇降リンク6の前端に前記掻込リール5が回転自在に支持され、油圧モーター等によって掻込リール5が回転駆動される。また、前記プラットホーム2の両側前端には分草板7が配設されている。
【0016】前記刈取部8と脱穀部18の間には搬送装置9が配置され、該搬送装置9は、フィーダハウス10内にコンベア11が収納され、前記プラットホーム2の後部左右中心よりやや進行方向に対して左側寄りで、前記横送りオーガ3のスクリュー羽根の送り終端位置に合わせてフィーダハウス10の前端が連通されている。該フィーダハウス10の後端は、脱穀入口12に連通されており、該脱穀入口12前方には左右水平方向に回転軸心を有する円筒状のビータ34が配置され、穀稈を強制的に脱穀部18へ送るようにしている。フィーダハウス10の後部は下部フレーム13に昇降回動自在に支持されている。そして、フィーダハウス10の下面と下部フレーム13との間には図示せぬ油圧シリンダーを介装して、刈取部8を昇降可能としている。さらに、前記フィーダハウス10とビータ34の上方には運転席15や操向ハンドル16等を収納したキャビン17を配置し、該キャビン17は機体左右中央前方の上方位置に配置して視界を良好として、刈取作業を確認し易くし、左右両側より乗り降りできるようにしている。
【0017】次に、本発明に関わる脱穀部18の構成フレームとトラックフレームについて、図1乃至図14により説明する。まず、脱穀部18について説明する。図1乃至図3に示すように、脱穀部18は第一ロータ21と第二ロータ22と受網23・24等からなり、前記下部フレーム13上部に収納されている。前記第一ロータ21と第二ロータ22は略同一形状に構成されており、筒の外周には、図示せぬ扱歯を周囲に有するスクリュー羽根21a・22aを設けたスクリュー型に構成されて、軸芯は左右水平方向に向けられて、前後平行に配置されている。前後方向に軸芯を有するロータを配置した脱穀部では前後方向に長くなるが、本実施例の如く左右に軸芯を有するロータ21・22を設けた脱穀部18では前後方向に短くすることができ、揺動選別装置19後部の上方の空間を利用してエンジンルーム49を設けることができ、効率良くレイアウトができる。
【0018】前記第一ロータ21と第二ロータ22の下方には、それぞれ受網23・24が配置され、第一ロータ21と第二ロータ22の上方はそれぞれ上部カバー35・36が配置されて、前ロータ室と後ロータ室を構成している。また、第一ロータ21下方の受網23右側の後部は前低後高に緩やかな円弧状で傾斜させ、第二ロータ22の上外周の接線方向に向かって延出されて連通部23aが形成され、該連通部23a後端は第二ロータ22の回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。更に、前記受網24の左後部に排出口24aが開口されている。
【0019】そして、前記上部カバー35・36の水平状に成形した上部の内周面には複数の送塵弁69・70が左右幅方向に適宜間隔を開けて設けられ、上部カバー35・36上部に上下方向の回動支点を中心に回動自在に枢支され、該送塵弁69・70を回動操作することによって、穀稈が第一ロータ21・第二ロータ22内を移動する時間を、穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整できるようにしている。
【0020】また、第一ロータ21のスクリュー羽根21aは、第一ロータ21の左端より連通部23aの直左側までの間に形成され、連通部23a前方の第一ロータ21外周面には第一ロータ21の半径方向に突出する板状の送り羽根21b・21b・・が形成されている。同様に第二ロータ22のスクリュー羽根22aは、第二ロータ22の右端部より排出口24aの直右側までの間に形成され、スクリュー羽根22a終端部より左側の排出口24a前方の第二ロータ22外周面に送り羽根22b・22b・・が形成され、脱穀後の排藁(排稈)を送り羽根22b・22b・・で送って排出口24aより排出するようにしている。
【0021】このような構成において、フィーダハウス10から脱穀入口12へ刈り取った穀稈が送られると、第一ロータ21の回転によって、刈取穀稈は右方へ搬送されながら脱粒される。そして、第一ロータ21の右端に至ると緩傾斜状に形成した連通部23aから第二ロータ22の脱穀空間に送られ、第二ロータ22の回転によって左方へ搬送されながら脱粒され、第二ロータ22の左端に送られると、排出口24aより落下されるのである。
【0022】該排出口24a下部から後下方にはガイドプレート60が延出され、該ガイドプレート60後部の上方と前記エンジンルーム49底面との間位置には、強制的に排稈を後方に送り出す排稈ビータ61が設けられている。該排稈ビータ61は前記ロータ21・22の外径に比べ外径を小さくしたコンパクトで組立容易な形状とし、排稈ビータ61の回転速度を第二ロータ22の回転速度より速くして排稈ビータ61の周速度をロータ21・22より同等以上の速さとし、排稈を後方に送り出す性能を高めている。
【0023】前記排稈ビータ61は、左端部が排出口24aの左端部と一致し、排稈ビータ61の右端部は排出口24a右端部よりさらに右側に延出し、排出口24aより排出された排稈を後方に左右幅広く搬送し、排稈ビータ61後方の吸引ファン68に取り込まれ、機体後端部に左右に全幅に渡って横架されたチッパー式のスプレッダー62に受け継いで、該スプレッダー62の複数の鉈状の刃によって切断され、機体後端部より圃場に排出されるのである。
【0024】このような構成からなる脱穀部18は次のような枠構造を有する。すなわち、図4乃至図8に示すように、機体左右側方に前記下部フレーム13a・13bが前後方向に配置され、左側の下部フレーム13aからは前から順に縦フレーム73a・74a・75a・76aが立設され、右側の下部フレーム13bからも前から順に縦フレーム73b・74b・75b・76bが立設されており、そのうちの右側で最前列の縦フレーム73b上端には、前記縦フレーム74bの上下途中部から前方に延設された前後フレーム73cの前後途中部が載置固定され、該前後フレーム73cの前端からは縦フレーム73dが立設されている。
【0025】前記左側の縦フレーム73a・74a・75aの上部は前後方向に前上部フレーム71aで連結され、縦フレーム75aの上下途中部からは後上部フレーム72aが後方に延出され、該後上部フレーム72aの後端は最後列の前記縦フレーム76a上部と連結され、同様にして、右側の縦フレーム73d・74b・75bの上部も前後方向に前上部フレーム71bにより連結され、縦フレーム75bの上下途中部から後方に延出された後上部フレーム72bの後端は、前記縦フレーム76b上部と連結され、このような機体側面全面に張設した数多くの構成フレームにより、脱穀部18の左右側面を構成する側板やフレームを確実かつ強固に連結できるようにしている。
【0026】また、前記左右の下部フレーム13a・13b間は前から順に下部連結フレーム83・84・77・78により連結され、前記前上部フレーム71a・71b間は前から順に上部連結フレーム79・80・81により連結され、後上部フレーム72a・72b間は最後部の連結フレーム82により連結されており、さらに、前記下部連結フレーム83から外方に延設された支持材65a・65bの外端と、前記下部連結フレーム84から外方に延設された支持材85a・85bの外端の間には、左右のトラックフレーム306a・306bが前後に一体的に介設されている。
【0027】前記上部連結フレーム79・80の左右中央部の間は支持フレーム89により前後に連結され、該支持フレーム89の前端部からは、側面視く字状の中央縦フレーム86が垂設され、前記下部連結フレーム83の左右中央部に連結されており、該中央縦フレーム86を機体中心にして、以上述べた脱穀部18の各構成フレーム及びトラックフレーム306a・306bが左右対称に配置された構成となっている。
【0028】従って、このように脱穀部18の構成フレームとトラックフレーム306a・306bとは一体的な枠構造をとるため、グレンタンク、エンジン、キャビン等の積み上げ構成ができ、組み立て作業にかかる時間も大幅に短縮することができる。さらには、左右の組立用部材を同一のものが使用でき、組立コストの低減が図れ、また、左右機体バランスも均等に近く、作業中の運転操作性の向上を図ることができるのである。なお、前記フレーム以外にも側板間を左右連結フレーム87・88などが連結しており、構造強度の向上を図っている。
【0029】ここで、前記脱穀部18の構成フレームやトラックフレーム306a・306bについて、その具体的な構成例を説明する。なお、本構成例においては、脱穀性能向上のため、第二ロータ22と該第二ロータ22を被装する受網24及び上部カバー36を、第一ロータ21とこの受網23及び上部カバー35よりも低い位置としているが、脱穀部18の基本的なフレーム構成は図4乃至図8と同じである。まず、脱穀部18においては、図4、図9に示すように、前記右側の縦フレーム74b・75bの上下途中部から外斜め上方にロータフレーム90・93が延設され、該ロータフレーム90・93上端部から縦フレーム91・94が立設され、該縦フレーム91・94上端部間は連結フレーム92により前後に連結されており、さらに、強固な構成とすべく該連結フレーム92の前後端は前記上部連結フレーム80・81の右側端で支持されるようにしている。なお、ここで、縦フレーム91・94及び連結フレーム92は、それぞれ前記縦フレーム74b・75b及び前上部フレーム71bに相当する。
【0030】前記縦フレーム91・94は、揺動選別装置19を収納した縦フレーム74bより右側に突設された形状となっており、この縦フレーム74b内に第一ロータ21と第二ロータ22とが収納され、この両ロータ21・22の回動軸21d・22dを脱穀カバーで枢支している。つまり、脱穀部18は選別装置19よりも右側に長く構成し、その突出した部分は第一ロータ室と第二ロータ室の連通部としている。また、前記縦フレーム91の左側面にはエンジン48から第一ロータ21と第二ロータ22へ動力を伝達するベルトやプーリで構成する動力伝達部110が配置されている。
【0031】さらに、図9乃至図12に示すように、前記縦フレーム91上に側部フレーム95を固設して第一ロータ21右側面を被装し、側部フレーム95上端部にヒンジ96・96やヒンジ96’・96’を介して前記上部カバー35・36の右端部が枢支され、メンテナンス時のグレンタンク30の上方回動にともなわれて上方に回動するように支持されている。
【0032】また、前記第一ロータ21と第二ロータ22右側部下方と右側方の前記連結フレーム92下面及び左側面と、第一ロータ21右側部の前方及び第二ロータ22右側部後方にかけて正面視及び側面視で略四角形状の脱穀部開閉カバー97を設けて、第一ロータ21と第二ロータ22右側部の前後面及び右側面と下面とを被装するようにしている。また、該脱穀部開閉カバー97上部は前記縦フレーム91・94の左側面の上下途中部まで形成され、脱穀部開閉カバー97上部の第一ロータ21と第二ロータ22の回動軸21d・22dの回りに凹部97a・97bを設けて、縦フレーム91・94間に、回動軸21d・22dを枢支する部分として枢結プレート98a・98bを形成して、縦フレーム91・94側面に開口98cを設けても第一ロータ21と第二ロータ22の回動軸21d・22dを枢支する剛性を維持している。
【0033】また、前記脱穀部開閉カバー97下部の内端部直下方の前記縦フレーム91・94右側面に前後二箇所に蝶番99・99の一片を固設し、蝶番99・99の他片を脱穀部開閉カバー97下部に固設し、蝶番99・99の前後方向の回動支点を中心に脱穀部開閉カバー97上部を側下方に回動可能としている。さらに、前記ロータフレーム90と脱穀部開閉カバー97下部との間にガススプリングからなるダンパー100が介装され、脱穀部開閉カバー97の回動時に大きな力を必要とせず補助するようにし、また、急激な回動を防止している。
【0034】このように上部カバー35・36や脱穀部開閉カバー97は、左右対称に構成され左右機体バランスに優れた脱穀部18の前記構成フレームに連結された各縦フレームや連結フレームによって支持されているため、第一ロータ21と第二ロータ22の下方のメンテナンスを行う際には確実に上方や側方に解放することができ、受網23・24の交換作業なども迅速に行うことができるのである。
【0035】次に、クローラ式走行装置におけるトラックフレームについて説明する。なお、左右のクローラ式走行装置1・1はいずれも同一構造であるため、以下、進行方向に左側のクローラ式走行装置1についてのみ説明する。図13、図14に示すように、前記エンジン48からの動力を機体前下部に配置した走行ミッション装置45により変速して、下部フレーム13a前下方に配置した略スプロケット状の駆動用輪体305に伝える構成としている。クローラ式走行装置1は前記駆動用輪体305と、前記下部フレーム13a下部に連結したトラックフレーム306aと、該トラックフレーム306aに取り付けた複数個の遊転輪307・307・・・及びクローラ緊張輪308と、前記駆動用輪体305及び遊転輪307・307・・・及びクローラ緊張輪308とに巻回するゴム製のクローラベルト309から成り、前記駆動用輪体305に伝えられた動力でクローラベルト309を回転駆動するようにしている。
【0036】前記クローラベルト309内には適宜間隔を開けて芯金310が埋設されており、その位置はクローラベルト309の左右幅方向の中央部、上下厚み方向の略中央部に配設されている。前後方向の芯金310の間の左右方向中央部位置にはスプロケット状の駆動用輪体305の外周部の突起を挿入できる孔を設けて駆動力を伝達できるようにしている。また、前記芯金310には内方向に向けて(図14では上方に)、左右対称に内爪部310a・310aと外爪部310b・310bが突出され、該内爪部310a・310aと外爪部310b・310bは断面視三角形状に構成されて、内爪部310aと内爪部310aの間には前記駆動用輪体305が嵌まり込むように間隔を開けて突出されている。また、内爪部310aと外爪部310bの間は、遊転輪307の左右のローラ307a・307aが嵌まり込む間隔として、クローラベルト309が左右方向にズレて外れないようにガイドしている。
【0037】前記遊転輪307・307・・・は、トラックフレーム306の前部に三個が枢支され、トラックフレーム306後部に二個が枢支されている。前側の三個の各遊転輪307・307・307の左右のローラ間には前後方向に長いそり状のクローラガイド321が配置され、該クローラガイド321は前後遊転輪307・307間のトラックフレーム306aに螺合固定され、クローラベルト309の芯金左右中央部を下方に押さえつけて、クローラベルト309から圃場面に駆動力を確実に伝えるようにしている。同様に、後側の二個の遊転輪307・307間にもクローラガイド322が配置され、該クローラガイド322は後側の二個の遊転輪307・307の前方とその間位置でトラックフレーム306に螺合固定して、取付スパンを長くして緩みが発生し難い構成としている。
【0038】これらの遊転輪307・307・・・は、図14に示すように、遊転輪307の支点ピン307cをベアリング等を介して枢結部333で軸支され、該枢結部333の上部には取付部334が上方に突出して形成され、該取付部334は下方を開放した断面視「コ」字状の前記トラックフレーム306a内に挿入され、支点ピン307cを中心として同一円周上に三本のボルト313・313・313によって、取付部材334とトラックフレーム306を螺合固定している。一方、遊転輪307を構成する左右のローラ307a・ローラ307aの側面には前記ボルト313・313・313と同一円周上に複数の孔307b・孔307b・・・が開口されている。
【0039】従って、遊転輪307の支点ピン307cを枢結部333で枢結した状態で、トラックフレーム306に取り付けることができ、その取付け方法も遊転輪307の孔307bを利用してボルト313をトラックフレーム306に挿入して螺合固定する構成となっており、予め遊転輪307に支点ピン307cを組付けててトラックフレーム306aに組付けることができ、簡単に遊転輪307の交換作業ができるようにしている。
【0040】また、前記の前側三個の遊転輪307・307・307と後側二個の遊転輪307・307との間位置のトラックフレーム306a、つまり、トラックフレーム306aの前後中央部には、図26、図28に示すように、可動転輪315が配置されている。即ち、トラックフレーム306の前後中央部には支点ピン318が左右方向に横架され、該支点ピン318の左右端部に支持アーム317・317の前上部を枢支し、該支持アーム317・317後下部に支軸315aを軸支し、該支軸315aの左右中央部には左右幅の狭い可動転輪315を枢支している。
【0041】前記可動転輪315はクローラベルト309の芯金310aをガイドし、圃場の凹凸によってクローラベルト309が上下しても、その凹凸に合わせて可動転輪315が上方方向に移動して、圃場の凹凸による大きな変化を吸収するとともに、ク6ーラベルト309の左右のズレを防止している。
【0042】また、前記トラックフレーム306a後上部の筒状のホルダー内には前後方向に摺動自在に支持フレーム324が設けられ、該支持フレーム324後部にクローラ緊張輪308が回転自在に取付けられている。前記支持フレーム324前部にテンションボルト325後端部が当接可能に受体が配置されている。該受体は、支持フレーム324前面に当接される板体340と該板体340後面に図示せぬボルトによって螺合される角材等よりなる当接部材341より成り、板体340の左右及び上下中央部に設けた孔内にテンションボルト325後部が挿入され、テンションボルト325後端部を当接部材341に当接させている。一方、前記テンションボルト325はトラックフレーム306a後部の上方に前後向きに配置され、トラックフレーム306a前後途中部より上方に突設されたナット部326に螺合されている。
【0043】よって、前記テンションボルト325をネジ締め操作することによって、テンションボルト325がナット部326に対して前後に移動され、テンションボルト325後端部で当接部材341等を介して支持フレーム324の位置を前後に摺動させてクローラベルト309の張力を調整するのである。この時、前記テンションボルト325後端部で当接部材341前面を当接する押圧力が、当接部材341と螺合したネジを介して板体340に伝えられる構成となっており、クローラベルト309に急激な衝撃が生じても、その衝撃がクローラ緊張輪308より支持フレーム324を介して直接にテンションボルト325に伝達されることなく、当接部材341を螺合したネジで吸収することができるのである。従って、従来のようにテンションボルト325に衝撃が伝えられていた構成のように、テンションボルト325のネジ山が崩れたり、テンションボルト325を螺合したナット部326を損傷し、場合によってトラックフレーム306aごと全てを取り替えるといった重大な欠損に繋がることがないのである。
【0044】このようにクローラ式走行装置1・1は、左右対称に構成され左右機体バランスに優れた脱穀部18の前記構成フレームの下部で、しかも該構成フレームと一体的に連結されたトラックフレーム306a・306bを介して支持される構成となっているため、優れた走行安定性を得ることができ、前記可動転輪315による圃場凹凸の変化吸収作用や、テンションボルト325によるクローラベルト309の張力適正化に加えて、一層の安定走行を行うことができるのである。また、図4に示すように、トラックフレーム306a・306bは前記下部フレーム13a・13bよりも機体幅外方に配置されているため、走行中にクローラベルト309に土や泥が巻き込まれても、該クローラベルト309と機体下面との間に溜まることなく、円滑にクローラベルト309を回動させることができる。
【0045】次に、本発明に関わるルームフレームへのエンジン等の取り付け構成について、図15乃至図21により説明するまず、本発明に係わるエンジン48の周辺装置、及び穀粒排出構造について説明する。図16、図17に示すように、エンジンルーム49内にはエンジン48が配設され、該エンジン48の上方にはエアクリーナ238を有する吸気管273が設けられ、左側方にはマフラー234を有する排気管が配設されている。
【0046】また、図17、図20に示すように、エンジン48右端部より右方向に突出した出力軸258にプーリ243が固設され、エンジン48後面の右側部に固設したギヤケース244内に駆動力が伝達され、該ギヤケース244を介して排出オーガ40の縦コンベア42や排出コンベア66に動力が伝達され、排出コンベア66より横送りコンベア67に駆動力が伝達されている。
【0047】前記ギヤケース244には、左右に軸芯を有する第一伝達軸245と該第一伝達軸245とベベルギヤ245a・247aを介して連動する前後に軸芯を有する第二伝達軸247が軸支され、前記第一伝達軸245端部のプーリ248と前記エンジン48の出力軸258上のプーリ243とがベルトで連動されている。前記第二伝達軸247後端部に固設したプーリ249にはベルト250が巻回され、該ベルト250が縦コンベア42のケーシング下後部に前後に軸支したオーガ入力軸251後端部のプーリ252に巻回されエンジン48の動力が排出オーガ40側に伝達されている。また、前記オーガ入力軸251の前後途中部に軸支したスプロケット253と排出コンベア66のスクリュー66bのスクリュー軸66c後端部に固設したスプロケット254との間にチェーンが巻回され、排出コンベア66が駆動されている。
【0048】図17、図21に示すように、前記排出コンベア66のスクリュー軸66c前部のケーシング66a内には、排出コンベア66の駆動を横送りコンベア67に伝達する駆動部257が配置されると共に、該駆動部257下部内には図示せぬベアリングを介してスクリュー軸66c前部が枢結され、駆動部257がスクリュー軸66cを中心に回動可能となっており、グレンタンク30を側方に回動させても動力伝達経路を途中で断接する等の作業をする必要のないようにしている。該駆動部257を前端に設けた排出コンベア66は駆動ケース237に固設されている。
【0049】また、図20に示すように、前記出力軸258先部にはプーリ259が固設され、該プーリ259は、エンジン48右方のラジエータファン242の回動軸260後端に固設したプーリ261とベルトで連動されており、ラジエータファン242を駆動させて、上下パイプ262・263を通じてエンジンから循環される冷却水をラジエータ236内で冷却するようにしている。
【0050】さらに、該ラジエータファン242の送風に使用されるエンジン48の冷却用のエアーは、エンジンルーム49上部に設けたロータリースクリーン235を介してエンジンルーム49内に導入させており、該ロータリースクリーン235は円周部が防塵用のメッシュ網で形成されている。
【0051】このような構成からなるエンジン48の周辺装置等は次のような取り付け構造を有する。すなわち、図15乃至図20に示すように、エンジンルーム49下部後方には前記上部連結フレーム82が横設され、該上部連結フレーム82から前方には2本の支持ステー231・239が延出され、該支持ステー231・239上には架台240・241が固設され、該架台240・241上面にエンジン48が載置固定されている。
【0052】そして、上部連結フレーム82上でエンジン48の右方には架台264が固設され、該架台264上には前記ギアケース244が載置固定されている。該ギアケース244の右方の上部連結フレーム82から前方には前後連結フレーム270・271が延出され、該前後連結フレーム270・271間は左右連結フレーム230で連結され、該左右連結フレーム230より前方で、前後連結フレーム270・271と前記支持ステー231とは左右連結フレーム228・229で連結されている。上部連結フレーム82の左端に固設した連結ステー267からは縦フレーム225が立設され、該縦フレーム225の上端には後上部フレーム222の左端が連結され、該後上部フレーム222の左右両端からは前方に左右上部フレーム223・224が延出され、該左右上部フレーム223・224の前端間は前上部フレーム221により連結されている。該前上部フレーム221と前記後上部フレーム222間で左右中央近傍には前後連結フレーム232・233が配設されている。
【0053】このうち前記前後連結フレーム233からはステー272が左方に延出され、該ステー272の左端には前記エアクリーナ238を有する吸気管273が支持されている。また、前記左上部フレーム223の後部下面からは側面視U字状の支持パイプ274が垂設され、該支持パイプ274下端には取付部材274を介してマフラー234上面が固設されている。そして、前記ロータリースクリーン235は前記前後上部フレーム221・222にボルトなどで取り付ける構成となっている。
【0054】また、前上部フレーム221と左右連結フレーム228との間、及び後上部フレーム222と上部連結フレーム82との間は、複数のステー266を介して、いずれも縦フレーム265により連結され、該前後の縦フレーム265・265の内側面間に前記ラジエータ235が配設固定されている。さらに、該縦フレーム265・265の左方で、前後上部フレーム221・222の下面からは縦フレーム269・277が垂設され、該縦フレーム269・277の上下途中部からはステー276・278を延出し、該ステー276・278により前後連結パイプ268を支持し、該前後連結パイプ268の前後略中央部に前記ラジエータファン242の支持部242aを固定するようにしている。
【0055】また、前記左右連結フレーム230及び上部連結フレーム82上からは縦フレーム226・227が立設され、該縦フレーム226・227の間には支持部材279が介設され、該支持部材279には前記縦コンベア42を固設できるようにし、また、前記駆動ケース237は、前後連結フレーム271上に固定された架台280の上面に取り付けられている。
【0056】このような構成により、エンジン、エンジンの各種周辺装置、駆動ケース、及び縦コンベア等が取り付けられ支持する部材を、全てエンジンルーム49内のフレームに固設可能な構成となっているため、連結構成が単純であり、組み立てに要する時間が大幅に短縮できるばかりでなく、専用の支持部材が不要であり、軽量化やコストダウンを図ることができるのである。
【0057】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1のように、クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、前記脱穀部の構成フレームと、該構成フレーム下部に連結したトラックフレームとを一体的な枠構造にしたので、グレンタンク、エンジン、キャビン等の積み上げ構成ができ、組立作業を迅速に行うことができる。
【0058】請求項2のように、請求項1記載の枠構造を機体中心に対して左右対称に構成したので、機体左右での組立用部材の共通化が図れて、部品コストを低減することができ、さらに、作業中の左右機体バランスが一定しているため、刈り残りもなく、高速走行等における運転操作性も大幅に向上する。
【0059】請求項3のように、請求項1又は請求項2記載の構成フレームのうち、機体側方に前後方向に配置した左右の下部フレームと、該下部フレームから立設した縦フレームと、該縦フレームの上部を前後方向に連結した左右の上部フレームとにより前記脱穀部の左右の側板を連結し、前記下部フレーム間を下部連結フレームで左右方向に連結し、前記上部フレーム間を上部連結フレームで左右方向に連結したので、脱穀部全体が一体的に構成され、より高い構造強度を得ることができる。
【0060】請求項4のように、請求項3記載の側板間を左右方向の連結部材で連結したので、側板同士が構造材として機能し、より高い構造強度を達成することができる。
【0061】請求項5のように、請求項1乃至請求項4記載のトラックフレームを、前記側板下方で機体幅外方に連結したので、走行中にクローラに土や泥が巻き込まれるてもすぐに飛散除去されるため、走行トラブルを防止することができる。
【0062】請求項6のように、請求項5記載のトラックフレーム間を左右方向の連結部材で連結したので、トラックフレームの剛性を向上させることができる。
【0063】請求項7のように、クローラ式走行装置上に選別装置、脱穀部及びエンジンルームを載置固定したコンバインにおいて、該エンジンルームのルームフレームに、エンジン、該エンジンの周辺装置、グレンタンク内の穀粒を側方に搬送する横送りコンベア駆動のための駆動ケース、及びこの穀粒を排出オーガまで揚穀する縦コンベア等を取り付け可能に構成したので、取り付けが簡単で、組み立てが迅速に行え、さらには、専用の支持部材を設ける必要がなく、連結構成が容易なため、軽量化やコストダウンも図ることができる。
【0064】請求項8においては、請求項7記載の周辺装置を、マフラー、エアクリーナ、ラジエータ、ロータリースクリーン等としたので、主たる周辺装置の取り付け時間を短縮することができ、組み立て作業全体の作業時間を大幅に改善することができるのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−28925(P2001−28925A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−208222