トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインの露払い装置
【発明者】 【氏名】竹内 賢一朗

【氏名】山本 昌一

【氏名】今村 英一

【氏名】水島 淳

【要約】 【課題】従来のコンバイン作業は、早朝や小雨の中では、手作業による露払い作業が必要で手数がかかり、作業能率も上がらない課題があった。又、手作業による露払いは、払い棒を左右に往復スライドする露払い作動を続けることは不可能で、適確な露払いができず、濡れ扱ぎの負担を脱穀装置に負わせていた。

【解決手段】上述の課題を解決するため、つぎの解決手段を講じた。まず、請求項1は、コンバインの未刈穀稈側において、圃場の未刈穀稈に対して露払い作動をする露払い装置3を、脱穀装置7から側方に突出させて設けたコンバインの露払い装置とした。そして、請求項2は、上記構成における露払い装置3の露払い作動を、圃場面に対してほぼ平行な方向に往復スライドする構成としたコンバインの露払い装置とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体1上に搭載しているコンバイン構成部材2の未刈穀稈側において、圃場の未刈穀稈に対して露払い作動をする露払い装置3を、前記コンバイン構成部材2に基部を取付けて、前記走行車体1より側方に突出させて設けたことを特徴とするコンバインの露払い装置。
【請求項2】 上記露払い装置3の露払い作動は、圃場面に対してほぼ平行な方向に往復スライドする構成としたことを特徴とする請求項1に記載したコンバインの露払い装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの露払い装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバインは、早朝で朝露のあるときや小雨の中で刈取脱穀作業を行なうことがあり、そのようなときには、補助作業者が、予め、未刈穀稈に付着している露や雨水を払い棒等を使って手作業で払い落とした後、刈取作業をしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上述のように従来のコンバインによる作業は、早朝や小雨の中では、予め、手作業による露払い作業が必要で手数がかかり、作業能率も上がらない課題があった。しかも、手作業による露払いは、払い棒を前後又は左右に往復スライド操作する露払い作動を続けることは現実に不可能であったから、適確な露払いができず、濡れ扱ぎの負担を脱穀装置に負わせる問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講ずるものである。まず、請求項1に記載した発明は、走行車体1上に搭載しているコンバイン構成部材2の未刈穀稈側において、圃場の未刈穀稈に対して露払い作動をする露払い装置3を、前記コンバイン構成部材2に基部を取付けて、前記走行車体1より側方に突出させて設けたことを特徴とするコンバインの露払い装置としたものである。
【0005】更に、請求項2に記載した発明は、上記露払い装置3の露払い作動は、圃場面に対してほぼ平行な方向に往復スライドする構成としたことを特徴とする請求項1に記載したコンバインの露払い装置としている。
【0006】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したから、請求項1の発明は、コンバインによって刈取脱穀作業を行なう過程において、同時作業として、次工程で刈取を行なう隣接の未刈穀稈に対して露払いを行いながら進むことができる特徴を有する。そして、請求項2の発明は、上記した請求項1の発明において、露払い装置の露払い作動が圃場面に対してほぼ平行な方向に往復スライドするから、露払いの高さが変わらず、常に、未刈穀稈に接触した状態で露払いを続けることができる特徴を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。まず、コンバイン5は、図3に示すように、クロ−ラ6を有する走行車体1上にコンバイン構成部材2として脱穀装置7を搭載し、その前側には刈取前処理装置8を上下昇降自由に取り付けて構成している。そして、脱穀装置7は、従来から公知のように、上側には扱胴を内装軸架した扱室を設け、その下側には揺動選別棚と圧風唐箕とを装備した選別室を設けて、フィ−ドチエン9によって挟持されて扱室に供給された穀稈を脱穀処理する構成としている。そして、前記刈取前処理装置8は、前部の低位置に設けた刈取装置10と、その刈取装置10から後方の脱穀装置7に延長して設けた穀稈搬送装置11とから構成している。
【0008】このように、コンバイン5は、刈取装置10によって刈り取った圃場の穀稈を、穀稈搬送装置11によって搬送し、その終端部から前記脱穀装置7のフィ−ドチエン9に受け継ぎ供給して一連の刈取脱穀作業を行なう構成としている。つぎに、露払い装置3について説明する。まず、露払い装置3は、図1乃至図4に示すように、走行車体1上に搭載している脱穀装置7の側部で、未刈穀稈側に取り付けて側方に突出させて延長した状態にして作業を行なうが、作業が終了すると、図5乃至図8に示すように、車体に沿わせた位置に収納する構成としている。
【0009】そこで、まず、支点プレ−ト12は、図9および図10に示すように、前後2つに分割されたフィ−ドチエンカバ−13、13’の前フィ−ドチエンカバ−13にチエンレ−ル14からの支持取付部材15によって固着されている。従来から、脱穀装置7は、フィ−ドチエン9側が未刈穀稈側となっている。そして、後フィ−ドチエンカバ−13’は、図9に示すように、藁屑流下口16を形成して、上側のフィ−ドチエン9によって搬送している穀稈から離脱した藁屑を下側(地面側)に排出できる構成としている。なお、後フィ−ドチエンカバ−13’は、図示は省略しているが、簡単な着脱器具によって着脱できる構成としている。
【0010】そして、露払い装置3は、図4に示すように、前記支点プレ−ト12の外側縁に上下方向(実施例では地面に対して垂直な方向)に設けた支持軸17によって主支持フレ−ム18の基部を回動自由にし支持連結して構成している。そして、主支持フレ−ム18は、図2および図4に示すように、刈取装置10の刈幅と同等か、或いは、若干長く形成し、基部を枢着した複数の揺動ア−ム19の垂下して、その先端部にブラシア−ム20を揺動自由に枢着連結して構成している。そして、ブラシア−ム20は、図4に示すように、前記主支持フレ−ム18の基部に装備している電動モ−タ21から下側に延長した作動杆22の下端部を枢着連結して構成している。そして、その作動杆22は、中間部を回動支点として前記主支持フレ−ム18に枢着し、電動モ−タ21の回転運動を左右往復運動としてブラシア−ム20に伝達する構成としている。なお、電動モ−タ21と作動杆22とは、図示しないクランクア−ムで連結している。
【0011】そして、ブラシ23は、図1および図4に示すように、樹脂を素材にして細い線杆状(素麺状)に形成して3ブロックの層厚とし、前記ブラシア−ム20に全長に渡って垂下状態に固着して構成している。そして、ブラシ23は、上記した樹脂の細い線杆だけでは柔軟過ぎる(穀稈に接触すると逃げる)から、要所々々に硬い樹脂材24を骨材として配置して構成している。この構成によって、ブラシ23は、未刈穀稈に接触すると、柔軟で脱粒させることなく確実に露払いを行なうことができる。
【0012】そして、係止ロット25は、図1および図2に示すように、基部を前記主支持フレ−ム18の中間部に枢着し、先端部を脱穀装置7の係止部26に挿通係止して保持し作業状態を確保できる構成としている。そして、露払い装置3は、収納位置では脱穀装置7の後部にある固定連結具27に係止する構成としている。28は、下部を走行車体1側に連結し上部を支点プレ−ト12に固着した支持杆を示す。
【0013】以上のように構成した露払い装置3は、電動モ−タ21が始動されると、作動杆22を介して前記ブラシア−ム20が、各揺動ア−ム19に支持された状態で左右方向に往復スライドして圃場の穀稈に直接ブラシ23が接触して露払い作動を行なうものである。そして、ブラシア−ム20は、前記作動杆22の杆長を限定して前記ブラシ23の長さ(線杆の長さ)より往復スライドのストロ−クを短くする構成としている。そして、ブラシ23は、圃場面(地面)に対して略水平状態に往復スライドするから地上からの高さが変化せず、常に、穀稈に作用することができる。
【0014】以上のように構成されたコンバイン5の露払い装置3について、その作用を説明する。まず、早朝で朝露が穀稈に付着している状態の圃場において、コンバイン5による刈取脱穀作業を行なう場合を述べる。オペレ−タは、作業に先立って、露払い装置3を、図1から図4に示すように、脱穀装置7から外側方向に突出させて係止ロット25で作業位置にセットし、電動モ−タ21を始動してクランクア−ム(図示せず)、作動杆22を介して露払い作動を開始させて作業の準備をする。そして、コンバイン5は、エンジンを始動して各クラッチ操作をして機体の回転各部を駆動して準備を完了する。
【0015】そして、コンバインを前進すると、圃場の穀稈は、刈取装置10によって刈り取られ、穀稈搬送装置11に挟持されて後方上方に搬送され、脱穀装置7のフィ−ドチエン9の始端部分に受け継がれる。そして、穀稈は、そのフィ−ドチエン9に株元が挟持され、穂先側が扱室に供給されて搬送されながら脱穀作用を受けることになる。
【0016】このようにして、穀稈は、株元がフィ−ドチエン9に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱口から扱室に供給され、回転している扱胴により脱穀作用を受け、選別室に漏下して選別作用を受ける。一方、フィ−ドチエンカバ−13、13’の外側にある圃場の穀稈は、電動モ−タ21から作動杆22、ブラシア−ム20に伝動され、ブラシ23が往復スライドして露払い作動し、付着している露が払い落とされる。この場合、圃場の穀稈は、少なくとも次の工程で刈り取られる刈幅に相当する穀稈条列が同時に順次露払い作用を受けており、水分を取り払われた状態になっている。しかも、ブラシ23は、圃場面と略平行状態を保ちながら左右に往復スライドしているから、常に、未刈穀稈の高さに合った同じ高さを保ち、離れることなく露払い作動ができ効果的に露、雨の払い落しができる。
【0017】このようにして、水分を払い落された未刈穀稈は、次工程でコンバイン5が回り刈りして来たときに刈取装置10によって刈取られ脱穀作用を受けるが、予め、露払い作用を受けているから濡れ扱ぎ時のように脱穀装置2の扱胴や選別装置に負担をかけることがきわめて少なくなる利点がある。そして、露払い装置3は、図9および図10に示すように、前フィ−ドチエンカバ−13に支点プレ−ト12を固着し、後フィ−ドチエンカバ−13’の藁屑流下口16を開放しているから、作業中にフィ−ドチエン9から落下する藁屑には何らの障害にもならない。そして、作業後のメンテナンスに際しては、後フィ−ドチエンカバ−13’は、露払い装置3に邪魔されずに開放できるから、掃除や点検、修理を楽に行なうことができる利点もある。
【0018】そして、露払い装置3は、作業が完了するか又は必要がなくなると、図5乃至図8に示すように、支点プレ−ト12の支持軸17を回動支点にして主支持フレ−ム18を水平面内で回動し、脱穀装置7のフィ−ドチエンカバ−13、13’に沿わせた状態に収納すればよい。そして、露払い装置3は、図6に示すように、脱穀装置7の後部にある固定連結具27に係止して収納位置に固定する。
【0019】以上のように、露払い装置3は、作業位置と収納位置の間を地面に対して垂直な支持軸17を回動支点にして回動するから、水平に回動しできてそのときの回動荷重が軽くすむ利点がある。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年7月23日(1999.7.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−28924(P2001−28924A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−209044