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【発明の名称】 たまねぎ収穫機
【発明者】 【氏名】千葉 博之

【氏名】伊藤 宰

【要約】 【課題】マルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにするとともにマルチ栽培されたたまねぎの回収を容易にするたまねぎ収穫機を提供する。

【解決手段】走行機体Aに、畝面を被覆するマルチフィルムFから突出したたまねぎZの葉茎Zaを係止爪9H,9Jの縦回し移動で引き起こす引起装置9と、引き起こされた葉茎Zaを係止爪10aの横回し移動で所定位置aに掻き寄せる掻込装置10と、所定位置aの葉茎Zaを切断して葉茎Za側と鱗茎Zb側とに分離する切断装置38と、所定位置aの葉茎Zaを支持するとともに切断後の葉茎Za側を挾持して排出搬送する葉茎搬送装置12と、切断後の鱗茎Zbの下方の土壌に切り込んで鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す土崩し具39とを装備した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に、畝面を被覆するマルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を係止爪の縦回し移動で引き起こす引起装置と、引き起こされた葉茎を係止爪の横回し移動で所定位置に掻き寄せる掻込装置と、前記所定位置の葉茎を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する切断装置と、前記所定位置の葉茎を支持するとともに切断後の前記葉茎側を挾持して排出搬送する葉茎搬送装置と、切断後の前記鱗茎の下方の土壌に切り込んで前記鱗茎の周辺の土を切り崩す土崩し具とを装備してあるたまねぎ収穫機。
【請求項2】 前記マルチフィルムの横一側端が存在する畝際の土に切り込む土切り具を装備してある請求項1記載のたまねぎ収穫機。
【請求項3】 前記マルチフィルムの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタを前記切断装置よりも後方の位置に装備してある請求項1記載のたまねぎ収穫機。
【請求項4】 走行機体に、圃場で栽培されているたまねぎの葉茎を係止爪の縦回し移動で引き起こす引起装置と、引き起こされた葉茎を係止爪の横回し移動で所定位置に掻き寄せる掻込装置と、掻き寄せられた葉茎を左右一対の無端回動帯により前記所定位置で受け取って後上方向に向けて引き上げ挾持搬送する葉茎搬送装置と、該葉茎搬送装置の下方に搬送方向下手側ほど前記葉茎搬送装置から離間する姿勢で配設され、前記所定位置よりも後方の位置で前記葉茎の挾持を開始するとともに、鱗茎が接当するまでの間では前記葉茎を前記葉茎搬送装置による引き上げを許容しながら後方に向けて挾持搬送し、かつ、前記鱗茎の接当に伴って前記葉茎を前記葉茎搬送装置による引き上げを阻止しながら後方に向けて挾持搬送するように挾持設定された位置揃え搬送装置と、それら両搬送装置で挾持される葉茎の両挾持位置間における前記鱗茎からの所定高さ位置を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する葉切装置とを装備し、前記所定位置にて前記葉茎搬送装置で支持される葉茎を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する切断装置と、該切断装置による切断後の前記鱗茎の下方の土壌に入り込んで前記鱗茎の周辺の土を切り崩す土崩し具とを作用状態と非作用状態とに切り換え可能に設け、前記切断装置と前記土崩し具とを非作用状態に切り換えて、前記葉茎搬送装置による前記葉茎の引き上げでたまねぎを圃場から引き抜く露地仕様と、前記切断装置と前記土崩し具とを作用状態に切り換えて、畝面を被覆するマルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を前記切断装置で切断した後、前記鱗茎の周辺の土を前記土崩し具で切り崩すマルチ仕様とに仕様変更可能に構成してあるたまねぎ収穫機。
【請求項5】 前記引起装置を、硬質の係止爪を備えた露地仕様と、弾性変形可能な軟質の係止爪を備えたマルチ仕様とに仕様変更可能に構成してある請求項4記載の記載のたまねぎ収穫機。
【請求項6】 前記マルチフィルムの横一側端が存在する畝際の土に切り込む土切り具を作用状態と非作用状態とに切り換え可能に装備してある請求項4又は5記載のたまねぎ収穫機。
【請求項7】 前記マルチフィルムの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタを、前記切断装置よりも後方の位置に、作用状態と非作用状態とに切り換え可能に装備してある請求項4又は5記載のたまねぎ収穫機。
【請求項8】 前記土崩し具を、前記土切り具が切り込んだ畝際部分から前記鱗茎の下方の土壌に入り込むように構成してある請求項2又は6記載のたまねぎ収穫機。
【請求項9】 前記土崩し具を、前記鱗茎の下方の土壌に浅く入り込む第1土崩し具と、該第1土崩し具が切り込んだ土壌部分から前記鱗茎の下方の土壌に深く入り込む第2土崩し具とから構成してある請求項8記載のたまねぎ収穫機。
【請求項10】 前記土崩し具を、前記マルチカッタによる前記マルチフィルムの切断部から土中に突入するように構成してある請求項3又は7記載のたまねぎ収穫機。
【請求項11】 前記マルチカッタと前記土崩し具とを作用姿勢と退避姿勢とに切り換え可能に構成してある請求項10記載のたまねぎ収穫機。
【請求項12】 前記葉茎搬送装置の搬送始端に配設された左右の回転体の間隔を変更可能に構成してある請求項1〜11のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【請求項13】 前記土崩し具に、鱗茎を持ち上げるレーキ状の持上げ具を装備してある請求項1〜12のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【請求項14】 前記切断装置を位置調節可能に構成してある請求項1〜13のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【請求項15】 前記走行機体を歩行型に構成してある請求項1〜14のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【請求項16】 前記土崩し具を前後方向に往復駆動するように構成してある請求項1〜15のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【請求項17】 前記切断装置をバリカン型に構成するとともに、前記土崩し具の駆動系に前記切断装置を連動連結してある請求項16記載のたまねぎ収穫機。
【請求項18】 前記切断装置を、前記位置揃え搬送装置の搬送始端に配設された回転体に連動連結してある請求項4〜7のいずれか一つに記載のたまねぎ収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たまねぎを収穫する際に使用するたまねぎ収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなたまねぎ収穫機としては、圃場で栽培されているたまねぎの葉茎を引き起こす引起装置、葉茎が引き起こされたたまねぎの鱗茎周辺の土を切りほぐす土ほぐし具、引き起こされた葉茎を挾持して後上方向に引き上げ挾持搬送することによって鱗茎周辺の土が切りほぐされたたまねぎを圃場から引き抜く葉茎挾持搬送装置、引き抜き後のたまねぎを鱗茎との接当で葉茎挾持搬送装置による引き上げを阻止しながら後方に向けて挾持搬送する位置揃え搬送装置、及び、それら両挾持搬送装置で挾持される葉茎の両挾持位置間における鱗茎からの所定高さ位置を切断してたまねぎを葉茎側と鱗茎側とに分離する葉切装置、などを走行機体に装備して、作業走行ごとに圃場で栽培されたたまねぎを回収可能な状態にするように構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のようなたまねぎ収穫機で収穫されるたまねぎには、その種類あるいは栽培する地域や季節などに応じて、畝立てされた圃場で栽培(いわゆる露地栽培)されるものや、畝立てされるとともに畝面が合成樹脂製のマルチフィルムで直接覆われた圃場で栽培(いわゆるマルチ栽培)されるものがある。
【0004】マルチ栽培は、シラスなどの軽い土壌での激しい降雨による土壌浸食や養分流亡を防止するために畝面をマルチフィルムで直接覆うようにしたものであり、土壌保全や養分保持に著しい効果をあげている。その上、土壌の膨軟性の保持や土壌水分の安定に役立つものであり、更に、マルチフィルムに黒色のものを採用すると雑草の発生を抑える効果が得られるものでもある。又、マルチ栽培は、地温を上昇させる効果が大きいことから寒冷地にも普及し、しかも、地温上昇による生育促進効果が得られることから早生栽培にも利用されている。
【0005】しかしながら、上記のようなマルチ栽培で栽培されたたまねぎの収穫に前述した従来技術のたまねぎ収穫機を使用すると、引抜き搬送装置が、マルチフィルムから突出する葉茎を挾持してたまねぎを引き抜く際に、マルチフィルムが抵抗となって葉茎がちぎれてたまねぎが圃場に残る不都合や、マルチフィルムが、引抜き搬送装置によるたまねぎの引き抜きに伴って引き上げられることにより、引抜き搬送装置や位置揃え搬送装置などに絡み付いて作業が行えなくなる不都合を招くようになることから、先に、畝際の土で畝面を覆う状態に定着されたマルチフィルムを手作業で剥ぎ取る必要が生じるのであるが、このマルチフィルムの剥ぎ取りを行う際には、マルチフィルムから突出して茂ったたまねぎの葉茎が邪魔になって、マルチフィルムの剥ぎ取りが上手く行えない煩わしいものになっていた。
【0006】そのため、軽い土壌で降雨の激しい地域や寒冷地などのようにマルチ栽培のみを行う地域では、マルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにしながらたまねぎを回収可能な状態にするたまねぎ収穫機の開発が望まれており、又、季節や収穫時期などに応じて露地栽培とマルチ栽培とを行う地域では、露地栽培されたたまねぎとマルチ栽培されたたまねぎの双方を、マルチ栽培ではマルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにしながら、回収可能な状態にするたまねぎ収穫機の開発が望まれている。
【0007】本発明の第1の目的は、マルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにするとともにマルチ栽培されたたまねぎの回収を容易にするマルチ専用型のたまねぎ収穫機を提供することにあり、又、第2の目的は、露地栽培されたたまねぎの回収とマルチ栽培されたたまねぎの回収とを容易にする汎用型のたまねぎ収穫機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体に、畝面を被覆するマルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を係止爪の縦回し移動で引き起こす引起装置と、引き起こされた葉茎を係止爪の横回し移動で所定位置に掻き寄せる掻込装置と、前記所定位置の葉茎を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する切断装置と、前記所定位置の葉茎を支持するとともに切断後の前記葉茎側を挾持して排出搬送する葉茎搬送装置と、切断後の前記鱗茎の下方の土壌に切り込んで前記鱗茎の周辺の土を切り崩す土崩し具とを装備した。
【0009】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、このたまねぎ収穫機は、走行機体の進行に伴って、マルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を引起装置で引き起し、引き起した葉茎を掻込装置で所定位置に掻き寄せ、所定位置に掻き寄せた葉茎を葉茎搬送装置で支持し、所定位置で支持された葉茎を切断装置で切断して葉茎搬送装置で挾持される葉茎側と圃場に残る鱗茎側とに分離し、葉茎搬送装置で葉茎側を排出搬送するとともに、土崩し具で鱗茎周辺の土を切り崩すようになる。
【0010】その結果、このたまねぎ収穫機の作業走行後は、マルチフィルムから突出した葉茎が所定長さに短く切り揃えられた状態になることから、マルチフィルムの剥ぎ取りを生い茂った葉茎に邪魔されることなく簡単に行えるようになる。又、マルチフィルムの剥ぎ取り後に行う鱗茎側の回収も、鱗茎周辺の土が切り崩されていることによって容易に行えるようになる。しかも、鱗茎周辺の土が切り崩される前の安定状態で圃場に位置するたまねぎの葉茎を切断装置で切断するようにしていることから、切断装置で鱗茎を傷付ける不都合を招くこともない。
【0011】〔効果〕従って、マルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにするとともに、マルチ栽培されたたまねぎの回収を容易にすることのできるマルチ専用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0012】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記マルチフィルムの横一側端が存在する畝際の土に切り込む土切り具を装備した。
【0013】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、走行機体の進行に伴って、畝面を覆う状態にマルチフィルムを定着させている畝際の土に土切り具が切り込むことにより、マルチフィルムの横一側端上に位置する畝際の土を切り崩すことができて、その畝際からマルチフィルムの横一側端を浮かせることや捲り上げることができるようになることから、マルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単に行えるようになる。又、畝際に位置して他の部分よりも低くなっているマルチフィルムの横一側端を畝際から浮かせるあるいは捲り上げるようにしていることから、それに起因したマルチフィルムの引起装置や葉茎搬送装置などへの絡み付きを防止できるようになる。
【0014】〔効果〕従って、マルチフィルムの機体側への絡み付きを防止しながらマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることのできるマルチ専用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0015】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記マルチフィルムの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタを前記切断装置よりも後方の位置に装備した。
【0016】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、走行機体の進行に伴って、マルチカッタがマルチフィルムの左右中間部を切断することから、マルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単に行えるようになる。又、マルチカッタによるマルチフィルムの切断は、切断装置による葉茎の切断後つまり引起装置、葉茎搬送装置、及び、切断装置などの通過後に行われることから、マルチフィルムの切断に起因したマルチフィルムの引起装置や葉茎搬送装置などへの絡み付きを防止できるようになる。
【0017】〔効果〕従って、マルチフィルムの機体側への絡み付きを防止しながらマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることのできるマルチ専用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0018】前記第2目的を達成するため、本発明のうちの請求項4記載の発明では、走行機体に、圃場で栽培されているたまねぎの葉茎を係止爪の縦回し移動で引き起こす引起装置と、引き起こされた葉茎を係止爪の横回し移動で所定位置に掻き寄せる掻込装置と、掻き寄せられた葉茎を左右一対の無端回動帯により前記所定位置で受け取って後上方向に向けて引き上げ挾持搬送する葉茎搬送装置と、該葉茎搬送装置の下方に搬送方向下手側ほど前記葉茎搬送装置から離間する姿勢で配設され、前記所定位置よりも後方の位置で前記葉茎の挾持を開始するとともに、鱗茎が接当するまでの間では前記葉茎を前記葉茎搬送装置による引き上げを許容しながら後方に向けて挾持搬送し、かつ、前記鱗茎の接当に伴って前記葉茎を前記葉茎搬送装置による引き上げを阻止しながら後方に向けて挾持搬送するように挾持設定された位置揃え搬送装置と、それら両搬送装置で挾持される葉茎の両挾持位置間における前記鱗茎からの所定高さ位置を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する葉切装置とを装備し、前記所定位置にて前記葉茎搬送装置で支持される葉茎を切断して葉茎側と鱗茎側とに分離する切断装置と、該切断装置による切断後の前記鱗茎の下方の土壌に入り込んで前記鱗茎の周辺の土を切り崩す土崩し具とを作用状態と非作用状態とに切り換え可能に設け、前記切断装置と前記土崩し具とを非作用状態に切り換えて、前記葉茎搬送装置による前記葉茎の引き上げでたまねぎを圃場から引き抜く露地仕様と、前記切断装置と前記土崩し具とを作用状態に切り換えて、畝面を被覆するマルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を前記切断装置で切断した後、前記鱗茎の周辺の土を前記土崩し具で切り崩すマルチ仕様とに仕様変更可能に構成した。
【0019】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、このたまねぎ収穫機は、切断装置と土崩し具とを非作用状態に切り換えた露地仕様では、走行機体の進行に伴って、圃場で栽培されているたまねぎの葉茎を引起装置で引き起し、引き起した葉茎を掻込装置で所定位置に掻き寄せ、所定位置に掻き寄せた葉茎を葉茎搬送装置が受け取って引き上げ挾持搬送することでたまねぎを圃場から引き抜き、引き抜いたたまねぎを位置揃え搬送装置が鱗茎との接当で位置決めし、位置決めしたたまねぎの葉茎における鱗茎からの所定高さ位置を葉切装置で切断し、その切断後は、葉茎側が葉茎搬送装置の引き上げ挾持搬送で搬送終端まで搬送された後に機外に放出されるとともに鱗茎側が畝面上に放出されるようになる。
【0020】又、切断装置と土崩し具とを作用状態に切り換えたマルチ仕様では、走行機体の進行に伴って、マルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を引起装置で引き起し、引き起した葉茎を掻込装置で所定位置に掻き寄せ、所定位置に掻き寄せた葉茎を葉茎搬送装置で支持し、所定位置で支持された葉茎を切断装置で切断して葉茎搬送装置で挾持される葉茎側と圃場に残る鱗茎側とに分離し、葉茎搬送装置で葉茎側を排出搬送するとともに、土崩し具で鱗茎周辺の土を切り崩すようになる。
【0021】その結果、このたまねぎ収穫機の露地仕様での作業走行後は、葉茎が所定長さに短く切り揃えられた鱗茎側が畝面に載置された状態になることから、鱗茎側の回収を容易に行えるようになる。又、マルチ仕様での作業走行後は、マルチフィルムから突出した葉茎が所定長さに短く切り揃えられた状態になることから、マルチフィルムの剥ぎ取りを生い茂った葉茎に邪魔されることなく簡単に行えるようになるとともに、マルチフィルムの剥ぎ取り後に行う鱗茎側の回収も、鱗茎周辺の土が切り崩されていることによって容易に行えるようになる。しかも、鱗茎周辺の土が切り崩される前の安定状態で圃場に位置するたまねぎの葉茎を切断装置で切断するようにしていることから、切断装置で鱗茎を傷付ける不都合を招くこともない。
【0022】その上、1台のたまねぎ収穫機露で露地栽培されたたまねぎとマルチ栽培されたたまねぎの回収を容易にすることができるので、地栽培専用のたまねぎ収穫機とマルチ栽培専用のたまねぎ収穫機とを用意する場合に比較してコストの面で有利にすることができるようになる。
【0023】〔効果〕従って、マルチ栽培されているたまねぎを収穫する際にはマルチフィルムの剥ぎ取りを簡単に行えるようにしながら、露地栽培されたたまねぎとマルチ栽培されたたまねぎの双方の回収を容易にすることのできるコストの面で有利な汎用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0024】本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項4記載の発明において、前記引起装置を、硬質の係止爪を備えた露地仕様と、弾性変形可能な軟質の係止爪を備えたマルチ仕様とに仕様変更可能に構成した。
【0025】〔作用〕一般的に、引起装置の係止爪には硬質のものが採用されているのであるが、マルチフィルムから突出したたまねぎの葉茎を引き起こす係止爪に硬質のものを採用すると、その係止爪がマルチフィルムを突き破ってマルチフィルムが引起装置などに絡み付く不都合を招き易くするようになる。
【0026】そこで、上記請求項5記載の発明では、引起装置を、硬質の係止爪を備えた露地仕様と、弾性変形可能な軟質の係止爪を備えたマルチ仕様とに仕様変更可能に構成しているのであり、これによって、露地栽培されているたまねぎを収穫する場合には、引起装置を露地仕様に仕様変更することによって、露地栽培されているたまねぎの葉茎を硬質の係止爪にて好適に引き起すことができるようになる。又、マルチ栽培されているたまねぎを収穫する場合には、引起装置をマルチ仕様に仕様変更することによって、マルチ栽培されているたまねぎの葉茎を軟質の係止爪にてマルチフィルムを傷付けることなく好適に引き起すことができるようになる。その結果、係止爪がマルチフィルムを突き破ることに起因したマルチフィルムの引起装置などへの絡み付きを未然に回避できるようになる。
【0027】〔効果〕従って、マルチ栽培されているたまねぎを収穫する際には係止爪がマルチフィルムを突き破ることに起因したマルチフィルムの引起装置などへの絡み付きを未然に回避できるようにしながら、露地栽培されたたまねぎとマルチ栽培されたたまねぎの双方の回収を容易にすることのできる汎用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0028】本発明のうちの請求項6記載の発明では、上記請求項4又は5記載の発明において、前記マルチフィルムの横一側端が存在する畝際の土に切り込む土切り具を作用状態と非作用状態とに切り換え可能に装備した。
【0029】〔作用〕上記請求項6記載の発明によると、土切り具を作用状態と非作用状態とに切り換えることで、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合にのみ土切り具を作用させることができ、これによって、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合には、走行機体の進行に伴って、畝面を覆う状態にマルチフィルムを定着させている畝際の土に土切り具が切り込むことにより、マルチフィルムの横一側端上に位置する畝際の土を切り崩すことができて、その畝際からマルチフィルムの横一側端を浮かせることや捲り上げることができるようになることから、マルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単に行えるようになる。又、畝際に位置して他の部分よりも低くなっているマルチフィルムの横一側端を畝際から浮かせるあるいは捲り上げるようにしていることから、それに起因したマルチフィルムの引起装置や葉茎搬送装置などへの絡み付きを防止できるようになる。
【0030】〔効果〕従って、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合には、マルチフィルムの機体側への絡み付きを防止しながらマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることのできる汎用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0031】本発明のうちの請求項7記載の発明では、上記請求項4又は5記載の発明において、前記マルチフィルムの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタを、前記切断装置よりも後方の位置に、作用状態と非作用状態とに切り換え可能に装備した。
【0032】〔作用〕上記請求項7記載の発明によると、マルチカッタを作用状態と非作用状態とに切り換えることで、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合にのみマルチカッタを作用させることができ、これによって、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合には、走行機体の進行に伴って、マルチカッタがマルチフィルムの左右中間部を切断することから、マルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単に行えるようになる。又、マルチカッタによるマルチフィルムの切断は、切断装置による葉茎の切断後つまり引起装置、葉茎搬送装置、及び、切断装置などの通過後に行われることから、マルチフィルムの切断に起因したマルチフィルムの引起装置や葉茎搬送装置などへの絡み付きを防止できるようになる。
【0033】〔効果〕従って、マルチ栽培されたたまねぎを収穫する場合には、マルチフィルムの機体側への絡み付きを防止しながらマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることのできる汎用型のたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0034】本発明のうちの請求項8記載の発明では、上記請求項2又は6記載の発明において、前記土崩し具を、前記土切り具が切り込んだ畝際部分から前記鱗茎の下方の土壌に入り込むように構成した。
【0035】〔作用〕前述した請求項2又は6記載の発明においては、土切り具の作用によってマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることができるものの、土崩し具が鱗茎下方の土壌に切り込んで鱗茎周辺の土を切り崩す際には、マルチフィルムが土崩し具に絡み付いて土崩し負荷が大きくなる不都合や好適な土崩しが行えなくなる不都合を招く虞がある。
【0036】そこで、上記請求項8記載の発明では、土崩し具に先行して、マルチフィルムの横一側端上に位置する畝際の土を切り崩して、その畝際からマルチフィルムの横一側端を浮かせるあるいは捲り上げる土切り具を有効利用して、土切り具が切り込んでマルチフィルムの横一側端を浮かせるあるいは捲り上げた畝際部分から土崩し具を鱗茎下方の土壌に入り込ませるようにしているのであり、これによって、マルチフィルムの土崩し具への絡み付きを防止することができ、それに起因した土崩し具に対する土崩し負荷の増大による作業効率の低下や土崩し不良の発生などを回避できるようになる。
【0037】〔効果〕従って、土崩し具による鱗茎周辺の土の切り崩しを抵抗少なく好適に行える作業効率や土切り崩し性能に優れたたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0038】本発明のうちの請求項9記載の発明では、上記請求項8記載の発明において、前記土崩し具を、前記鱗茎の下方の土壌に浅く入り込む第1土崩し具と、該第1土崩し具が切り込んだ土壌部分から前記鱗茎の下方の土壌に深く入り込む第2土崩し具とから構成した。
【0039】〔作用〕例えば、単一の土崩し具を鱗茎下方の土壌に深く入り込ませることで鱗茎周辺の土を切り崩すように構成した場合には、鱗茎周辺の土を切り崩す際の全負荷が単一の土崩し具に一挙に掛かるようになることから、土崩し具に掛かる土崩し負荷の増大に起因した作業効率の低下を招く虞がある。
【0040】そこで、上記請求項9記載の発明では、鱗茎周辺の土を切り崩す際に土崩し具に掛かる負荷を、第1土崩し具と第2土崩し具とに分散させて極力小さくするようにしているのであり、これによって、土崩し具に掛かる土崩し負荷の増大に起因した作業効率の低下を回避できるようになる。
【0041】〔効果〕従って、土崩し具による鱗茎周辺の土の切り崩しをより抵抗少なく行える作業効率に優れたたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0042】本発明のうちの請求項10記載の発明では、上記請求項3又は7記載の発明において、前記土崩し具を、前記マルチカッタによる前記マルチフィルムの切断部から土中に突入するように構成した。
【0043】〔作用〕前述した請求項3又は7記載の発明においては、マルチカッタの作用によってマルチフィルムの剥ぎ取りをより簡単にすることができるものの、土崩し具が鱗茎下方の土壌に切り込んで鱗茎周辺の土を切り崩す際には、マルチフィルムが土崩し具に絡み付いて土崩し負荷が大きくなる不都合や好適な土崩しが行えなくなる不都合を招く虞がある。
【0044】そこで、上記請求項10記載の発明では、土崩し具に先行して、マルチフィルムの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタを有効利用して、マルチカッタによるマルチフィルムの切断部から土崩し具を土中に突入させるようにしているのであり、これによって、マルチフィルムの土崩し具への絡み付きを防止することができ、それに起因した土崩し具に対する土崩し負荷の増大による作業効率の低下や土崩し不良の発生などを回避できるようになる。
【0045】〔効果〕従って、土崩し具による鱗茎周辺の土の切り崩しを抵抗少なく好適に行える作業効率や土切り崩し性能に優れたたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0046】本発明のうちの請求項11記載の発明では、上記請求項10記載の発明において、前記マルチカッタと前記土崩し具とを作用姿勢と退避姿勢とに切り換え可能に構成した。
【0047】〔作用〕上記請求項11記載の発明によると、汎用型のたまねぎ収穫機においては、マルチカッタ及び土崩し具を着脱させる場合に比較して、より簡単かつ迅速にマルチカッタ及び土崩し具を作用させるマルチ仕様とマルチカッタ及び土崩し具を作用させない露地仕様とに仕様変更することができるようになる。
【0048】ところで、例えば、1条の畝に4条のたまねぎがマルチ栽培されている圃場に対しては、往復2工程の作業走行を行うことで4条のたまねぎを回収可能な状態にする作業形態を採用することが考えられており、この作業形態では、その畝に対する往路工程の作業走行で進行方向右側2条(畝の右側2条)のたまねぎの葉茎切断処理を行い、その畝に対する復路工程の作業走行で進行方向右側2条(畝の左側2条)の葉茎切断処理とマルチフィルム切断処理と4条の鱗茎周辺の土崩し処理とを行うことによって、往路工程の作業走行でマルチフィルム切断処理や鱗茎周辺の土崩し処理を行った場合に生じる虞のある、復路工程の作業走行でのマルチフィルムの機体側への絡み付きや、往路工程の作業走行での土崩し処理で不安定になったたまねぎに対する復路工程の作業走行での葉茎切断処理による鱗茎の傷付き、などを防止することが考えられている。
【0049】そこで、このような作業形態を採用する場合には、上記請求項11記載の発明のようにマルチカッタ及び土崩し具を作用姿勢と退避姿勢とに切り換え可能に構成すると、上記のような作業形態における往路工程から復路工程の作業走行の切り換えに伴って行う必要のあるマルチカッタ及び土崩し具の作用状態への切り換えを簡単かつ迅速に行うことができ、又逆に、復路工程から往路工程の作業走行の切り換えに伴って行う必要のあるマルチカッタ及び土崩し具の非作用状態への切り換えを簡単かつ迅速に行えるようになり、もって、マルチカッタ及び土崩し具を着脱させる場合に比較して作業効率の向上を図れるようになる。
【0050】〔効果〕従って、マルチカッタ及び土崩し具の作用状態と非作用状態の切り換えを、より簡単かつ迅速に行うことができて作業効率の向上を図ることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0051】本発明のうちの請求項12記載の発明では、上記請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記葉茎搬送装置の搬送始端に配設された左右の回転体の間隔を変更可能に構成した。
【0052】〔作用〕葉茎搬送装置が所定位置で葉茎を支持する状態としては、所定位置の葉茎を挾持せずに左右から支える状態、所定位置の葉茎を引き上げずに挾持する状態、あるいは、所定位置の葉茎を引き上げ気味に挾持する状態、などの種々の状態があり、それらの状態は、収穫するたまねぎの種類や生育状態あるいは栽培方法などに応じて調節することが望ましい。これは、例えば、露地栽培されているたまねぎを収穫するたまねぎ収穫機の葉茎搬送装置は、たまねぎを圃場から引き抜く引き抜き搬送装置として使用されることから、一般的には所定位置にて葉茎を挾持して引き上げるように設定されているのであるが、この設定をマルチ栽培されているたまねぎを収穫するたまねぎ収穫機の葉茎搬送装置に採用すると、所定位置の葉茎が切断装置にて切断される前のマルチフィルムが鱗茎を介して葉茎の引き上げに抗する状態となっている段階で、既に葉茎が葉茎搬送装置により引き上げられてたまねぎに引き抜き力がかかることに起因した鱗茎の芯抜け(鱗茎から芯部が引き抜かれて商品にならない状態)や、所定位置の葉茎が切断装置にて切断される前の段階で圃場からたまねぎが引き抜かれることに起因した切断装置による鱗茎の傷付け、などの不都合を招く虞があるためである。
【0053】そこで、上記請求項12記載の発明では、葉茎搬送装置の搬送始端に配設された左右の回転体の間隔を変更可能に構成して、葉茎搬送装置が所定位置で葉茎を支持する状態を、収穫するたまねぎの種類や生育状態あるいは栽培方法などに応じて調節できるようにしているのであり、もって、鱗茎の芯抜けや切断装置による鱗茎の傷付けなどの不都合の発生を未然に回避できるようになる。
【0054】〔効果〕従って、たまねぎを商品価値の高い状態で回収可能にすることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0055】本発明のうちの請求項13記載の発明では、上記請求項1〜12記載のいずれか一つに発明において、土崩し具に、鱗茎を持ち上げるレーキ状の持上げ具を装備した。
【0056】〔作用〕上記請求項13記載の発明によると、鱗茎周辺の土が土崩し具で切り崩されるとともに、鱗茎が持上げ具で持ち上げられてその全体を露出させるようになることから、鱗茎側の回収をより一層容易に行えるようになる。又、マルチ栽培されているたまねぎに対しては、持上げ具による鱗茎の持ち上げや持ち上げ解除に伴ってマルチフィルムが上下動することによって、マルチフィルムから突出していた鱗茎側の葉茎をマルチフィルムの下方に抜け出させることも可能になることから、マルチフィルムの剥ぎ取りをより一層簡単に行えるようになる。
【0057】〔効果〕従って、マルチ栽培されているたまねぎを収穫するものにおいてはマルチフィルムの剥ぎ取りをより一層簡単に行えるようにしながら、露地栽培されたたまねぎやマルチ栽培されたたまねぎの回収をより一層容易にすることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0058】本発明のうちの請求項14記載の発明では、上記請求項1〜13のいずれか一つに記載の発明において、前記切断装置を位置調節可能に構成した。
【0059】〔作用〕たまねぎの出荷形態としては、その種類や栽培方法などによって、鱗茎側の茎葉を短くしてそのまま出荷する(いわゆる青玉出荷)形態と、鱗茎側の茎葉を長くして所定数量のたまねぎを束ねて乾燥させた後に出荷する形態とがあり、切断装置が位置調節不能に装備されていたたまねぎ収穫機においては、鱗茎側の茎葉を回収後に出荷形態に応じた長さに手作業で切り揃えるといった煩わしい作業を行う必要がある。
【0060】そこで、上記請求項14記載の発明では、切断装置を位置調節可能に構成することで、回収前の段階で鱗茎側の茎葉を出荷形態に応じた長さに切り揃えられるようにしているのであり、もって、鱗茎側の茎葉を回収後に出荷形態に応じた長さに手作業で切り揃える手間を省くことができるようになる。
【0061】〔効果〕従って、たまねぎ収穫作業における作業効率の向上や省力化を図ることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0062】本発明のうちの請求項15記載の発明では、上記請求項1〜14のいずれか一つに記載の発明において、前記走行機体を歩行型に構成した。
【0063】〔作用〕上記請求項15記載の発明によると、走行機体を乗用型に構成する場合に比較して、機体の小型化や軽量化、コストの低減化、及び、操作性の向上、などを図れるようになる。
【0064】〔効果〕従って、小型軽量で安価な操作性に優れたたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0065】本発明のうちの請求項16記載の発明では、上記請求項1〜15のいずれか一つに記載の発明において、前記土崩し具を前後方向に往復駆動するように構成した。
【0066】〔作用〕上記請求項16記載の発明によると、鱗茎周辺の土を土崩し具の駆動で積極的に切り崩すようにしていることから、土崩し作業の高効率化を図れるとともに、より好適な土崩し効果が得られて鱗茎側の回収をより一層容易にすることができるようになる。
【0067】〔効果〕従って、土崩し性能がより優れたたまねぎの回収をより一層容易にすることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0068】本発明のうちの請求項17記載の発明では、上記請求項16記載の発明において、前記切断装置をバリカン型に構成するとともに、前記土崩し具の駆動系に前記切断装置を連動連結した。
【0069】〔作用〕上記請求項17記載の発明によると、切断装置を円盤カッタなどで構成する場合に比較して切断性能の向上を図れるようになる。又、土崩し具の駆動系を利用して切断装置を駆動させることから、切断装置専用の駆動系を別途設ける場合に比較して、構成の簡素化及び製造コストの低減化を図れるようになる。
【0070】〔効果〕従って、構成の簡素化及び製造コストの低減化を図りながら切断性能の向上を図ることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0071】本発明のうちの請求項18記載の発明では、上記請求項4〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記切断装置を、前記位置揃え搬送装置の搬送始端に配設された回転体に連動連結した。
【0072】〔作用〕上記請求項18記載の発明によると、位置揃え搬送装置の駆動力を利用して切断装置を駆動させることから、切断装置専用の駆動系を別途設ける場合に比較して、構成の簡素化及び製造コストの低減化を図れるようになる。
【0073】〔効果〕従って、構成の簡素化及び製造コストの低減化を図ることのできるたまねぎ収穫機を提供できるようになった。
【0074】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1には、畝立てされた圃場で栽培(いわゆる露地栽培)されたたまねぎZや、畝立てされるとともに畝面が合成樹脂製のマルチフィルム(プラスチックフィルムなど)Fで直接覆われた圃場で栽培(いわゆるマルチ栽培)されたたまねぎZを収穫する際に使用する汎用型のたまねぎ収穫機を露地仕様に仕様変更した全体側面が、図2にはその全体平面が、図3にはその全体正面がそれぞれ示されており、この露地仕様のたまねぎ収穫機は、機体フレーム1の後部に搭載されたエンジン2、エンジン2の左下部に伝動連結されたギヤ式変速装置3、ギヤ式変速装置3からの動力が左右の各軸伝動部4を介して伝達される左右の減速装置5、左右の減速装置5からの動力で駆動される左右の後輪6、右側の後輪6の前方に配備された従動式の前輪7、及び、後方に向けて延出された操縦ハンドル8、などによって4条のたまねぎZが栽培されている1条の畝を跨いだ状態で畝の長手方向に沿って走行するように構成された歩行型の走行機体Aに、その跨いだ4条のたまねぎZの葉茎Zaのうちの進行方向右側2条の葉茎Zaを係止爪9Aの縦回し移動で引き起こす引起装置9、引き起こされた葉茎Zaを係止爪10aの横回し移動で所定位置に掻き寄せる掻込装置10、所定位置aの鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで鱗茎Zbの周辺の土を切りほぐす左右一対の土ほぐし具11、掻き寄せられた葉茎Zaを所定位置aで受け取って後上方向に向けて引き上げ挾持搬送する葉茎搬送装置12、葉茎Zaを所定位置aよりも後方の位置で挾持して後方に向けて搬送する位置揃え搬送装置13、それら両搬送装置12,13で挾持搬送される葉茎Zaの両挾持位置間における鱗茎Zbからの所定高さ位置を切断して葉茎Za側と鱗茎Zb側とに分離する葉切装置14、などを装備することによって、1条の畝に対する往復2工程の各作業走行ごとに、進行方向右側2条のたまねぎZに対して、葉茎搬送装置12による葉茎Zaの引き上げで圃場から引き抜く引き抜き処理や、その引き抜き処理後に行われる葉切装置14による葉切り処理などを施して、その畝で栽培された4条のたまねぎZを回収可能な状態にするようになっている。
【0075】ちなみに、左側の軸伝動部4は伸縮自在に構成されており、これによって、トレッドを作業対象の畝幅に応じて変更できるようになっている。又、前輪7は、操縦ハンドル8に支持された操作ハンドル15の回動操作で上下方向に位置調節可能となるように、機体フレーム1に支持されるとともに操作ハンドル15に操作軸16などを介して連係されており、これによって、引起装置9の高さ位置を作業対象の畝高さに応じた高さ位置に変更できるようになっている。
【0076】図1〜6に示すように、引起装置9は、たまねぎZの栽培条間に応じた所定間隔を左右方向に隔てる状態で機体フレーム1に縦向き後傾姿勢で支持された3つの引起ケース9B、各引起ケース9Bの上端部に縦向きに配備された駆動スプロケット9C、各引起ケース9Bの下端部に縦向きに配備された従動スプロケット9D、それぞれの上下のスプロケット9C,9Dに亘って巻き掛けられた無端チェーン9E、無端チェーン9Eに沿う倒伏姿勢と外方に向けて突出する起立姿勢とに起伏揺動自在に所定ピッチで無端チェーン9Eに取り付けられた複数の爪受け具9F、及び、倒伏した葉茎Zaを掬い上げるように各引起ケース9Bの下部から前方に向けて延設された分草具9G、などによって構成されるとともに、各爪受け具9Fに係止爪9Aが着脱自在にビス止めされるようになっている。各従動スプロケット9Dは、爪受け具9Fとの接当で係止爪9Aを爪受け具9Fとともに起立姿勢に切り換え保持するように形成されている。各引起ケース9Bには、従動スプロケット9Dにより起立姿勢に切り換えられた係止爪9Aと爪受け具9Fとを、爪受け具9Fとの接当で引起ケース9Bから前方に向けて突出する状態に維持しながら上方に向けて摺動案内するように形成されている。係止爪9A及び爪受け具9Fには、熱硬化性プラスチックなどの硬質材が採用されている。分草具9Gは、引起ケース9Bに着脱自在に連結されている。又、右端の引起ケース9Bに連結される分草具9Gには、他の引起ケース9Bに連結される分草具9Gよりも下方に長く延出する長尺のものが採用されており、これによって、畝肩斜面に沿って倒伏している葉茎Zaをも好適に掬い上げることができるようになっている。
【0077】図1〜4に示すように、掻込装置10は、その上端部に横向きに配設された左右の駆動プーリ10A、その下端部に横向きに配設された左右の従動プーリ10B、及び、各上下のプーリ10A,10Bに亘って巻き掛けられた無端ベルト10C、などによって構成されている。各無端ベルト10Cには、外方に向けて突出する複数の係止爪10aが所定ピッチで一体形成されたゴムベルトが採用されている。
【0078】図1、図3、図5及び図6に示すように、右側の土ほぐし具11は、進行方向右側の畝際から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで右端1条分の鱗茎Zbの周辺の土を切りほぐすL字状に形成されている。左側の土ほぐし具11は、畝の左右中央から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで右端から2列目の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す逆L字状に形成されている。又、各土ほぐし具11は、機体フレーム1の左右両側部に横軸芯P1周りに揺動自在に支持された天秤アーム17の一端に取り付けられており、ギヤ式変速装置3からの作業用動力によって横軸芯P1周りで前後方向に往復揺動駆動されるようになっている。この構成から、各土ほぐし具11によって、1条分の鱗茎Zbの周辺の土を容易かつ円滑に切り崩すことができる上に、鱗茎Zbを好適に掘り起こすことができるようになり、もって、その土ほぐし処理後に行われる葉茎搬送装置12による引き抜き処理を好適かつ円滑に行えるようになっている。
【0079】図1、図2、図4及び図7に示すように、葉茎搬送装置12は、その搬送始端に配設される回転体として下端部に横向きに配設された左右の駆動プーリ12A、その上端部に横向きに配備された左右の従動プーリ12B、及び、各上下のプーリ12A,12Bに亘って巻き掛けられた無端回動帯としての無端ベルト12C、などによって構成されている。各駆動プーリ12Aは、固定フレーム12Dに支点X周りに左右揺動可能に連結された揺動フレーム12Eの遊端に支持されている。揺動フレーム12Eは、固定具12Fによって所望の揺動姿勢で固定できるようになっている。つまり、葉茎搬送装置12は、左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更できるように構成されており、この構成から、収穫対象の圃場で栽培されたたまねぎZの葉茎Zaの太さや搬送量などに応じて左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することによって、葉茎搬送装置12にて所定位置aの葉茎Zaを好適に支持することができるとともに鱗茎Zbの周辺の土が切りほぐされたたまねぎZを好適に引き上げて圃場から引き抜くことができるようになり、又、左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することによって、土ほぐし具11が鱗茎Zbの周辺の土に作用する時点での葉茎搬送装置12の葉茎支持状態を、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを挾持せずに左右から支える状態、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げずに挾持する状態、あるいは、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げ気味に挾持する状態、などの種々の状態に、収穫するたまねぎZの種類や生育状態などに応じて調節できるようになっている。
【0080】図1、図2、図4、図5、図6及び図8に示すように、位置揃え搬送装置13は、その搬送始端に配設される回転体として前端部に横向きに配設された左右の駆動プーリ13A、その後端部に横向きに配備された左右の従動プーリ13B、及び、各前後のプーリ13A,13Bに亘って巻き掛けられた無端ベルト13C、などによって構成され、葉茎搬送装置12の下方に搬送方向下手側ほど葉茎搬送装置12から離間する姿勢で配設されるとともに、鱗茎Zbが接当するまでの間では葉茎Zaを葉茎搬送装置12による引き上げを許容しながら後方に向けて挾持搬送し、かつ、鱗茎Zbの接当に伴って葉茎Zaを葉茎搬送装置12による引き上げを阻止しながら後方に向けて挾持搬送するように挾持設定されている。
【0081】図1、図2、図4〜6及び図8〜11に示すように、葉切装置14は、腰折れフレーム18で支持された円盤カッタ14Aによって構成されている。腰折れフレーム18は、ギヤ式変速装置3からの作業用動力が作業クラッチ19などを介して伝達されるカウンタ軸20に上下揺動自在に支持された角パイプ状の第1アーム18A、及び、第1アーム18Aの遊端に上下揺動自在に連結された角パイプ状の第2アーム18B、などによって屈伸自在に構成されるとともに、第2アーム18Bの遊端側が、機体フレーム1に装備された摺動案内部21によって上下摺動自在に支持されている。この構成から、葉切装置14は、上下方向に位置調節可能になっており、この位置調節によって、鱗茎Zb側の長さを所望の長さ(例えば、収穫後の鱗茎Zb側を所定量ずつに束ねて結束する結束作業の行い易い長さなど)に切り揃えられるようになっている。尚、図4及び図9における符号21Aは、葉切装置14を所望の高さ位置に固定するために摺動案内部21に装備された固定具である。
【0082】図1、図2、図4及び図7に示すように、葉茎搬送装置12における右側の従動プーリ12Bの下方には、その従動プーリ12Bと一体回転する突起付き回転体12Gが装備され、左側の固定フレーム12Dからは、突起付き回転体12Gに沿って右外側方に向かう排出ガイド12Hが延設されており、これによって、葉切装置14による切断後の葉茎Za側は機体右側の畝間に投下されるようになっている。
【0083】図1、図2、図4及び図8に示すように、位置揃え搬送装置13の後端には、葉切装置14による切断後の鱗茎Zb側を圃場に横倒し姿勢で整列放出する放出機構22が装備されている。放出機構22は、位置揃え搬送装置13による搬送に伴って鱗茎Zb側を横倒し姿勢に切り換える上下のガイド杆22A,22B、位置揃え搬送装置13の後方に配設された駆動プーリ22C、駆動プーリ22Cの下方に配設された従動プーリ22D、それらのプーリ22C,22Dに亘って巻き掛けられるとともに下側のガイド杆22Bとの挾持作用で鱗茎Zb側を圃場に向けて放出搬送する突起付き無端ベルト22E、などによって構成されている。
【0084】図1〜7及び図9〜11に示すように、引起装置9は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、前後向きの第1軸伝動部23や左右向きの第2軸伝動部24などを介して各駆動スプロケット9Cに伝達されることで作動するようになっている。葉茎搬送装置12は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、ウォーム式伝動部25や伝動チェーン26などを介して左右の駆動プーリ12Aに伝達されることで作動するようになっている。ちなみに、葉茎搬送装置12の左側の駆動プーリ12Aは、伝動チェーン26が腹面掛けされた正転ギヤ27に伝動連結され、又、葉茎搬送装置12の右側の駆動プーリ12Aは、伝動チェーン26が背面掛けされた逆転ギヤ28に伝動連結されており、これによって、左右の無端ベルト12Cが後方に向けて挾持搬送駆動されるようになっている。掻込装置10は、葉茎搬送装置12の各従動プーリ12Aから取り出された作業用動力が、左右の伝動チェーン29などを介して左右の駆動プーリ10Aに伝達されることで作動するようになっている。位置揃え搬送装置13は、掻込装置10の各駆動プーリ10Aに伝達される作業用動力が、左右の伝動チェーン30やベベルギヤ式伝動部31などを介して左右の駆動プーリ13Aに伝達されることで作動するようになっている。放出機構22は、位置揃え搬送装置13の左側の従動プーリ13Bから取り出された作業用動力が、ベベルギヤ式伝動部32などを介して駆動プーリ22Cに伝達されることで作動するようになっている。葉切装置14は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、第1アーム18Aに内装された第1伝動チェーン33、第2アーム18Bに内装された第2伝動チェーン34、及び、第2伝動チェーン34に伝動連結されたベベルギヤ式伝動部35、などを介して円盤カッタ14Aに伝達されることで作動するようになっている。左右の土ほぐし具11は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、偏芯カム36や操作ロッド37などを介して天秤アーム17に伝達されることで作動するようになっている。
【0085】図12には、汎用型のたまねぎ収穫機をマルチ仕様に仕様変更した概略全体側面が、図13にはその概略平面が、図14には概略正面がそれぞれ示されており、このマルチ仕様のたまねぎ収穫機は、露地仕様のものから、分草具9G及び左右の土ほぐし具11を取り外すとともに、所定位置aにて葉茎搬送装置12で支持される葉茎Zaを切断して葉茎Za側と鱗茎Zb側とに分離する切断装置38や、切断装置38による切断後の鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す土崩し具39、などを追加装備することによって、1条の畝に対する往復2工程の各作業走行ごとに、進行方向右側2条のたまねぎZに対して、畝面を被覆するマルチフィルムFから突出したたまねぎZの葉茎Zaを圃場に鱗茎Zbを残した状態で切断装置38により切断する葉切り処理や、その葉切り処理後に鱗茎Zbの周辺の土を土崩し具39で切り崩す土崩し処理などを施して、その畝で栽培された4条のたまねぎZを回収可能な状態にするようになっている。
【0086】図11、図12及び図14に示すように、切断装置38は、位置揃え搬送装置13の左右の駆動プーリ13Aにスペーサ40を介して連動連結された左右の円盤カッタ38Aによって構成されており、位置揃え搬送装置13に伝達された作業用動力で作動するようになっている。この構成から、切断装置38の組付けの容易化や切断装置38に対する伝動構造の簡素化を図れるようになっている。又、切断装置38は、長さの異なるスペーサ40の付け替えによって上下方向に位置調節できるようになっており、これによって、鱗茎Zb側の長さを所望の長さ(例えば、収穫後の鱗茎Zb側を所定量ずつに束ねて結束する結束作業の行い易い長さなど)に切り揃えられるようになっている。
【0087】尚、前述のように、葉茎搬送装置12は、左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更できるようになっており、この構成から、マルチ仕様においては、収穫対象の圃場で栽培されたたまねぎZの葉茎Zaの太さや搬送量などに応じて左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することによって、切断装置38で切断される前の所定位置aの葉茎Zaを葉茎搬送装置12にて好適に支持することができるとともに、切断後の葉茎Za側を好適に挾持搬送することができるようになり、又、左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することによって、切断装置38が葉茎Zaに作用する時点での葉茎搬送装置12の葉茎支持状態を、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを挾持せずに左右から支える状態、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げずに挾持する状態、あるいは、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げ気味に挾持する状態、などの種々の状態に、収穫するたまねぎZの種類や生育状態などに応じて調節できるようになっている。
【0088】図13〜15に示すように、土崩し具39は、進行方向右側の畝際から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで右側2条分の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状に形成されている。又、この土崩し具39は、走行機体Aの右前部に前もって装備された横向きの支軸41に、その軸芯P2周りで前後揺動可能な状態に簡単に取り付けられるとともに、ギヤ式変速装置3からの作業用動力によって前後方向に往復揺動駆動されるようになっており、これによって、2条分の鱗茎Zbの周辺の土を容易かつ円滑に切り崩すことができる上に、鱗茎Zb側を好適に掘り起こすことができるようになり、もって、作業走行終了後に手作業で行われる鱗茎Zb側の回収を容易に行えるようになっている。
【0089】土崩し具39の前方には、走行機体Aが跨ぐ畝におけるマルチフィルムFの横一側端が存在する右側の畝際の土に切り込むことで、作業走行に支障のない程度にマルチフィルムFの右側端を畝際から浮かせるL字状の土切り具42が配設されるようになっている。この土切り具42は、右側の土ほぐし具11が取り外された天秤アーム17を利用して横軸芯P1周りに前後揺動駆動可能に取り付けられるようになっており、これによって、土切り具42に対する専用の支持部材を設けなくても、土切り具42を容易に前後揺動可能に取り付けられるとともに、土切り具42に対する専用の駆動系を設けなくても、土ほぐし具11の駆動系として装備した偏芯カム36や操作ロッド37などを介して伝達されるカウンタ軸20からの作業用動力で、土切り具42を前後方向に往復揺動駆動することができるようになっている。その結果、土切り具42の支持構造や土切り具42に対する伝動構造の簡素化を図りながらも、土切り具42の前後方向への往復揺動駆動によりマルチフィルムFの右側端を畝際から好適に浮かせることができて、作業走行終了後に手作業又はマルチ剥ぎ装置で行われるマルチフィルムFの剥ぎ取りを容易に行えるようになっている。又、土崩し具39の前方に土切り具42を配設していることによって、土崩し具39は、マルチフィルムFが浮き上がって土切り具42が切り込んだ畝際部分から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込むようになることから、土崩し具39が、単独でマルチフィルムFの横一側端が存在する右側の畝際の土に切り込みながら2条分の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す場合に比較して、土崩し具39などへのマルチフィルムFの巻き付きを防止できるとともに、2条分の鱗茎Zbの周辺の土を抵抗少なく円滑に切り崩すことができるようになっている。
【0090】図14及び図15に示すように、土崩し具39は、土切り具42が取り付けられた右側の天秤アーム17に連係ロッド43を介して連動連結されている。つまり、土崩し具39をも、土ほぐし具11の駆動系として装備した偏芯カム36や操作ロッド37などを利用して前後方向に往復揺動駆動するようにしていることから、カウンタ軸20から土崩し具39に亘る専用の駆動系を新たに設ける場合に比較して、伝動構造の簡素化を図れるようになっている。
【0091】図12〜14、図16及び図17に示すように、引起装置9は、各引起ケース9Bから分草具9Gが取り外されるとともに、右端以外の引起ケース9Bに装備された硬質の各係止爪9Aが、弾性変形可能なゴムなどの軟質材で硬質の係止爪9Aと同じ長さに形成された軟質で短尺の係止爪9Hに付け替えられ、又、右端の引起ケース9Bに装備された硬質の各係止爪9Aが、弾性変形可能なゴムなどの軟質材で硬質の係止爪9Aよりも長尺に形成された軟質で長尺の係止爪9Jに付け替えられている。これにより、分草具9Gや硬質の係止爪9AがマルチフィルムFを突き破るなどの不都合の発生を防止して、その破れに起因したマルチフィルムFの機体側への絡み付きを阻止できるようにしながらも、各係止爪9H,9Jによって、畝肩などにかかわらず、マルチフィルムF上で倒伏した葉茎ZaをマルチフィルムFを傷付けることなく好適に掬い上げることができるようになっている。又、軟質の各係止爪9H,9Jは、前述した硬質の爪受け具9Fで受け止め支持されていることから、葉茎Zaの重みに負けることなく葉茎Zaを好適に引き起こすことができるようになっている。
【0092】要するに、このたまねぎ収穫機は、取り外しによる分草具9G及び土ほぐし具11の非作用状態への切り換えと、取り付けによる切断装置38、土崩し具39、及び、土切り具42の作用状態への切り換えなどを行うことによって、露地仕様からマルチ仕様への仕様変更を行うことができ、又逆に、取り付けによる分草具9G及び土ほぐし具11の作用状態への切り換えと、取り外しによる切断装置38、土崩し具39、及び、土切り具42の非作用状態への切り換えなどを行うことによって、マルチ仕様から露地仕様への仕様変更を行えるようになっている。
【0093】〔第2実施形態〕図18には、畝立てされるとともに畝面が合成樹脂製のマルチフィルムF(プラスチックフィルムなど)で直接覆われた圃場で栽培(いわゆるマルチ栽培)されたたまねぎZを収穫する際に使用するマルチ専用型のたまねぎ収穫機の全体側面が示されており、図19〜21にも示すように、このたまねぎ収穫機は、第1実施形態で例示した走行機体Aと同じ構成の歩行型の走行機体Aに、その跨いだ畝のマルチフィルムFから突出した4条の葉茎Zaのうちの進行方向右側2条の葉茎Zaを係止爪9H,9Jの縦回し移動で引き起こす引起装置9、引き起こされた葉茎Zaを係止爪10aの横回し移動で所定位置aに掻き寄せる掻込装置10、その所定位置aの葉茎Zaを切断して葉茎Za側と鱗茎Zb側とに分離する切断装置38、所定位置aの葉茎Zaを支持するとともに切断後の葉茎Za側を挾持して排出搬送する葉茎搬送装置12、及び、切断後の鱗茎Zbの下方の土壌に切り込んで鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す土崩し具39、などを装備して構成されており、1条の畝に対する往復2工程の各作業走行ごとに、進行方向右側2条のたまねぎZに対して葉切り処理及び土崩し処理を施すことで、その畝で栽培された4条のたまねぎZを回収可能な状態にするようになっている。
【0094】ちなみに、この第2実施形態においても、走行機体Aは、トレッドを作業対象の畝幅に応じて変更することができ、又、操作ハンドル15による前輪7の上下方向への位置調節操作で引起装置9の高さ位置を作業対象の畝高さに応じた高さ位置に変更できるようになっている。
【0095】図18〜21に示すように、引起装置9は、前述の第1実施形態で例示したマルチ仕様のものと同様に、たまねぎZの栽培条間に応じた所定間隔を左右方向に隔てる状態で機体フレーム1に縦向き後傾姿勢で支持された3つの引起ケース9B、各引起ケース9Bの上端部に縦向きに配備された駆動スプロケット9C、各引起ケース9Bの下端部に縦向きに配備された従動スプロケット9D、各上下のスプロケット9C,9Dに亘って巻き掛けられた無端チェーン9E、及び、無端チェーン9Eに沿う倒伏姿勢と外方に向けて突出する起立姿勢とに起伏揺動自在に所定ピッチで無端チェーン9Eに取り付けられた複数の爪受け具9F、などによって構成されるとともに、右端以外の引起ケース9Bに装備される各爪受け具9Fには、弾性変形可能なゴムなどの軟質材で形成された軟質の係止爪9Hがビス止めされ、又、右端の引起ケース9Bに装備される各爪受け具9Fには、弾性変形可能なゴムなどの軟質材で係止爪9Hよりも長尺に形成された軟質の係止爪9Jがビス止めされている。各爪受け具9Fには、熱硬化性プラスチックなどの硬質材Gが採用されている。この結果、各係止爪9H,9Jによって、マルチフィルムFを傷付けることなくマルチフィルムF上で倒伏した葉茎Zaを畝肩などにかかわらず好適に掬い上げることができるとともに、硬質の爪受け具9Fが各係止爪9H,9J受け止め支持することによって、葉茎Zaの重みに負けることなく葉茎Zaを好適に引き起こすことができるようになっている。
【0096】図19に示すように、掻込装置10は、前述した第1実施形態のものと同じ構成であることから、第1実施形態のものと同じ符号を付記することで、その構成についての説明を省略する。
【0097】図18〜23に示すように、切断装置38は、所定位置aに位置するように腰折れフレーム44に支持された円盤カッタ38Bによって構成されている。腰折れフレーム44は、ギヤ式変速装置3からの作業用動力が作業クラッチ19などを介して伝達されるカウンタ軸20に上下揺動自在に支持された角パイプ状の第1アーム44A、第1アーム44Aの遊端に上下揺動自在に連結された角パイプ状の第2アーム44B、及び、第2アーム44Bの遊端に上下揺動自在に連結された角パイプ状の第3アーム44C、などによって屈伸自在に構成されるとともに、第3アーム44Cの遊端が、第1連結具45及び第2連結具46を介して機体フレーム1にボルト連結されている。第1連結具45は、くの字状に屈曲形成されるとともに、機体フレーム1との接合部45Aには機体フレーム1に対する前後方向への位置調節を可能にするための長孔45aが、又、第2連結具46との接合部45Bには第2連結具46の上下方向への位置調節を可能にするための長孔45bが形成されている。この構成から、切断装置38は、前後・上下の各方向に位置調節可能に構成されており、この位置調節によって、組付け誤差などにかかわらず切断装置38による葉茎Zaの切断を所定位置aにて確実に行わせることができるとともに、鱗茎Zb側の長さを所望の長さ(例えば、収穫後の鱗茎Zb側を所定量ずつに束ねて結束する結束作業の行い易い長さなど)に切り揃えられるようになっている。尚、図20及び図21における符号47は、葉茎Zaを切断装置38に向けて案内するように機体フレーム1から切断装置38に向けて延設されたU字状の切断ガイド杆である。
【0098】図18及び図19に示すように、葉茎搬送装置12は、前述した第1実施形態のものと同じ構成であることから、第1実施形態のものと同じ符号を付記することで、その構成についての説明を省略するが、第1実施形態のものと同様に左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更できるように構成されている(図7参照)ことによって、収穫対象の圃場で栽培されたたまねぎZの葉茎Zaの太さや搬送量などに応じて左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することで、葉茎搬送装置12により所定位置aの葉茎Zaを好適に支持することができるとともに切断後の葉茎Za側を好適に挾持搬送することができるようになり、又、左右の駆動プーリ12Aの間隔を変更することにより、切断装置38が葉茎Zaに作用する時点での葉茎搬送装置12の葉茎支持状態を、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを挾持せずに左右から支える状態、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げずに挾持する状態、あるいは、葉茎搬送装置12が葉茎Zaを引き上げ気味に挾持する状態、などの種々の状態に、収穫するたまねぎZの種類や生育状態などに応じて調節できるようになっている。
【0099】葉茎搬送装置12における右側の従動プーリ12Bの下方には、その従動プーリ12Bと一体回転する突起付き回転体12Gが装備されるとともに、左側の固定フレーム12Dからは、突起付き回転体12Gに沿って右外側方に向かう排出ガイド12Hが延設されており、これによって、葉茎搬送装置12で挾持搬送された葉茎Za側が機体右側の畝間に投下されるようになっている。
【0100】図18、図20及び図21に示すように、土崩し具39は、進行方向右側の畝際から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込んで右側2条分の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状に形成されている。又、土崩し具39は、機体フレーム1の右側部に横軸芯P3周りに揺動自在に支持されるとともに、ギヤ式変速装置3からの作業用動力によって横軸芯P3周りで前後方向に往復揺動駆動されるようになっている。この構成から、土崩し具39によって、2条分の鱗茎Zbの周辺の土を容易かつ円滑に切り崩すことができる上に、鱗茎Zb側を好適に掘り起こすことができるようになり、もって、作業走行終了後に手作業で行われる鱗茎Zb側の回収を容易に行えるようになっている。
【0101】土崩し具39の前方には、走行機体Aが跨ぐ畝におけるマルチフィルムFの横一側端が存在する右側の畝際の土に切り込むことで、作業走行に支障のない程度にマルチフィルムFの右側端を畝際から浮かせるL字状の土切り具42が配設されている。この土切り具42は、機体フレーム1の右側部に横軸芯P4周りに揺動自在に支持されるとともに、ギヤ式変速装置3からの作業用動力によって横軸芯P4周りで前後方向に往復揺動駆動されるようになっている。この構成から、マルチフィルムFの右側端を畝際から好適に浮かせることができるようになり、もって、作業走行終了後に手作業又はマルチ剥ぎ装置で行われるマルチフィルムFの剥ぎ取りを容易に行えるようになっている。又、土崩し具39の前方に土切り具42を配設していることによって、土崩し具39は、マルチフィルムFが浮き上がって土切り具42が切り込んだ畝際部分から鱗茎Zbの下方の土壌に入り込むようになることから、土崩し具39が、単独でマルチフィルムFの横一側端が存在する右側の畝際の土に切り込みながら2条分の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩す場合に比較して、土崩し具39などへのマルチフィルムFの巻き付きを防止できるとともに、2条分の鱗茎Zbの周辺の土を抵抗少なく円滑に切り崩すことができるようになっている。
【0102】図18〜23に示すように、引起装置9は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、前後向きの第1軸伝動部23や左右向きの第2軸伝動部24などを介して各駆動スプロケット9Cに伝達されることで作動するようになっている。葉茎搬送装置12は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、ウォーム式伝動部25や伝動チェーン26などを介して左右の駆動プーリ12Aに伝達されることで作動するようになっている。ちなみに、葉茎搬送装置12の左側の駆動プーリ12Aは、伝動チェーン26が腹面掛けされた正転ギヤ27に伝動連結され、又、葉茎搬送装置12の右側の駆動プーリ12Aは、伝動チェーン26が背面掛けされた逆転ギヤ28に伝動連結されており、これによって、左右の無端ベルト12Cが後方に向けて挾持搬送駆動されるようになっている。掻込装置10は、葉茎搬送装置12の左右の従動プーリ12Bから取り出された作業用動力が、左右の伝動チェーン29などを介して左右の駆動プーリ10Aに伝達されることで作動するようになっている。切断装置38は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、第1アーム44Aに内装された第1伝動チェーン48、第2アーム44Bに内装された第2伝動チェーン49、第3アーム44Cに内装された第3伝動チェーン50、及び、第3伝動チェーン50に伝動連結されたベベルギヤ式伝動部51、などを介して円盤カッタ38Bに伝達されることで作動するようになっている。土切り具42は、カウンタ軸20に伝達された作業用動力が、偏芯カム36や操作ロッド37などを介して伝達されることで作動するようになっている。土崩し具39は、土切り具42に伝達された作業用動力が連係ロッド43を介して伝達されることで作動するようになっており、カウンタ軸20から土崩し具39に亘る専用の駆動系を新たに設ける場合に比較して、伝動構造の簡素化を図れるようになっている。
【0103】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
〔1〕 たまねぎ収穫機としては、乗用型の走行機体Aに、引起装置9、掻込装置10、切断装置38、葉茎搬送装置12、及び、土崩し具39、などを装備して汎用型又はマルチ専用型に構成したものであってもよい。
〔2〕 前述の第1実施形態及び第2実施形態では、1条の畝に対する往復2工程の作業走行で、その畝で栽培される全条のたまねぎZを回収可能な状態にするように構成したたまねぎ収穫機を例示したが、たまねぎ収穫機としては、1条の畝に対する往路1工程のみの作業走行で、その畝で栽培される全条のたまねぎZを回収可能な状態にするように構成したものであってもよい。
〔3〕 前述の第1実施形態及び第2実施形態では、1条の畝に対する往復2工程の各作業走行ごとに、進行方向右側2条のたまねぎZに対して作用するたまねぎ収穫機を例示したが、たまねぎ収穫機としては、1条の畝に対する往復2工程の各作業走行ごとに、進行方向左側2条のたまねぎZに対して作用するように構成したものであってもよい。
〔4〕 前述の第1実施形態で例示した汎用型のたまねぎ収穫機においては、分草具9G、切断装置38、土ほぐし具11、土崩し具39、及び、土切り具42の着脱による作用状態と非作用状態との切り換えで露地仕様とマルチ仕様とに仕様変更するように構成したが、分草具9G、切断装置38、土ほぐし具11、土崩し具39、及び、土切り具42の作用姿勢と退避姿勢との姿勢変更による作用状態と非作用状態との切り換えで露地仕様とマルチ仕様とに仕様変更するように構成してもよい。
〔5〕 前述の第1実施形態では、汎用型のたまねぎ収穫機を露地仕様とマルチ仕様とに仕様変更する際に、引起装置9において、硬質の係止爪9Aと軟質の係止爪9H,9Jとの付け替えを行うようにしたが、硬質の係止爪9Aを備えた引起装置9の全体と軟質の係止爪9H,9Jを備えた引起装置9の全体を付け替えるようにしてもよい。
〔6〕 前述の第1実施形態で例示したマルチ仕様の汎用型のたまねぎ収穫機及び第2実施形態で例示したマルチ専用型のたまねぎ収穫機では、引起装置9における右端の引起ケース9Bに、それ以外の引起ケース9Bに装備される係止爪9Hよりも長尺の係止爪9Jを装備することによって、マルチフィルムF上の畝肩で倒伏した葉茎Zaをも好適に掬い上げられるように構成したが、図24に示すように、引起装置9における右端の引起ケース9Bにも、それ以外の引起ケース9Bに装備される係止爪9Hと同じ長さのもを採用しながらも、その分、右端の引起ケース9Bをそれ以外の引起ケース9Bよりも下方に長く延出することによって、マルチフィルムF上の畝肩で倒伏した葉茎Zaをも好適に掬い上げられるように構成してもよい。
〔7〕 図25の(イ),(ロ)に示すように、土崩し具39として、進行方向右側の畝際から鱗茎Zbの下方の土壌に浅く入り込んで右端の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状の第1土崩し具39Aと、この第1土崩し具39Aが切り込んだ土壌部分から鱗茎Zbの下方の土壌に深く入り込んで右端から2列目の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状の第2土崩し具39Bとからなる2連式のものを採用するとともに、土切り具42に代えて、切断装置38よりも後方の位置でマルチフィルムFの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタ52を採用するようにしてもよい。又、図示は省略するが、土崩し具39として単一のL字状のものを採用しながら、土切り具42に代えてマルチカッタ52を採用するようにしてもよい。ちなみに、この構成を1条の畝に対して往復2工程の作業走行を行うたまねぎ収穫機に採用する場合には、往路工程の作業走行時にマルチカッタ52でマルチフィルムFを切断してしまうと、マルチフィルムFが復路工程での作業走行時に機体側に絡み付く不都合が生じ易くなることから、同図に示すように、マルチカッタ52を作用姿勢と退避姿勢とに姿勢切り換え可能に構成し、復路工程の作業走行時にのみマルチカッタ52を作用させるようにして、上記の不都合を回避するようにしてもよい。尚、この別実施形態では、第1土崩し具39Aに操作ロッド37を連結し、第1土崩し具39Aと第2土崩し具39Bとを連係ロッド53を介して連動連結することで、第1土崩し具39Aと第2土崩し具39Bとを、ギヤ式変速装置3からの作業用動力で前後揺動駆動させるようにしている。
〔8〕 図26の(イ),(ロ)に示すように、土切り具42に代えて、切断装置38よりも後方の位置でマルチフィルムFの左右中間部を進行方向に沿って切断するマルチカッタ52を採用するとともに、土崩し具39として、マルチカッタ52によるマルチフィルムFの切断部から土中に突入して4条分の鱗茎Zbの周辺の土を一挙に切り崩すT字状のもの採用するようにしてもよい。ちなみに、この構成を1条の畝に対して往復2工程の作業走行を行うたまねぎ収穫機に採用する場合には、往路工程の作業走行時に、マルチカッタ52でマルチフィルムFを切断し、土崩し具39が4条分の鱗茎Zbの周辺の土を一挙に切り崩してしまうと、復路工程の作業走行時に、マルチフィルムFが機体側に絡み付く不都合が生じ易くなるとともに、鱗茎Zbの浮き上がりや傾倒によって切断装置38による葉茎Zaの鱗茎Zbからの所望長さでの切断が行われ難くなることから、同図に示すように、マルチカッタ52及び土崩し具39を作用姿勢と退避姿勢とに姿勢切り換え可能に構成し、復路工程の作業走行時にのみマルチカッタ52及び土崩し具39を作用させるようにして、上記の不都合を回避するようにしてもよい。又、汎用型のたまねぎ収穫機においてマルチカッタ52及び土崩し具39を姿勢切り換え可能に構成した場合には、露地仕様とマルチ仕様とに仕様変更する際にそれらを着脱する必要がなくなることから、その仕様変更を容易に行えるようになる。尚、この別実施形態では、土崩し具39及びマルチカッタ52を、偏芯カム54及び操作ロッド55を介してカウンタ軸20に伝動連結することで、ギヤ式変速装置3からの作業用動力で横軸芯P5周りに前後揺動駆動させるようにしている。
〔9〕 図26の(イ),(ロ)に示すように、土崩し具39に鱗茎を持ち上げるレーキ状の持上げ具56を装備して、作業走行終了後に手作業で行われる鱗茎Zb側の回収をより一層容易に行えるようにしてもよい。尚、図26の(イ),(ロ)においては、T字状の土崩し具39に持上げ具56を装備した形態を例示したが、前述の第1実施形態及び第2実施形態で例示したL字状の土崩し具39に持上げ具56を装備するようにしてもよい。
〔10〕 図27に示すように、マルチフィルムFの横一側端が存在する畝際の土に切り込むL字状の土切り具42の後方に、土切り具42の作用によりマルチフィルムFが浮き上がって切り込まれた畝際部分から鱗茎Zbの下方の土壌に浅く入り込んで右端の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状の第1土崩し具39Aと、この第1土崩し具39Aが切り込んだ土壌部分から鱗茎Zbの下方の土壌に深く入り込んで右端から2列目の鱗茎Zbの周辺の土を切り崩すL字状の第2土崩し具39Bとから構成された土崩し具39を配備するようにしてもよい。尚、この別実施形態では、土切り具42に操作ロッド37を連結し、この土切り具42に連係ロッド(図示せず)を介して第1土崩し具39A及び第2土崩し具39Bを連動連結することで、土切り具42、第1土崩し具39A、及び、第2土崩し具39Bを、ギヤ式変速装置3からの作業用動力で前後揺動駆動させるようにしている。
〔11〕 L字状の土切り具42に代えてI字状のものを採用するようにしてもよい。
〔12〕 図28に示すように、切断装置38としては、機体フレーム1に支持された固定刃38Cに対する可動刃38Dの左右摺動駆動で葉茎Zaを切断する切断性能に優れたバリカン型のものを採用するようにしてもよい。ちなみに、第1実施形態で例示した汎用型のたまねぎ収穫機にバリカン型の切断装置38を採用する場合には、同図に示すように、マルチ仕様時には使用されない左側の土崩し具39の駆動系である天秤アーム17と切断装置38のクランクアーム38Eとを連係ロッド57を介して連動連結するようにすれば、土崩し具39の駆動系を有効利用して切断装置38を駆動することができるようになり、もって、伝動構造の簡素化を図れるようになる。又、位置揃え搬送装置13の一方の駆動プーリ13Aと一体回転する偏芯カム(図示せず)を介して可動刃38Dを左右摺動駆動させるように構成すれば、伝動構造の簡素化を図りながら切断装置38を駆動させることができるようになる。一方、第2実施形態で例示したマルチ専用型のたまねぎ収穫機にバリカン型の切断装置38を採用する場合には、土崩し具39などの駆動系である天秤アーム17に切断装置38のクランクアーム38Eを連係ロッド(図示せず)を介して連動連結するようにすれば、伝動構造の簡素化を図りながら切断装置38を駆動させることができるようになる。尚、図28に示す構成のものにおいては、左側の土崩し具39の駆動系である操作ロッド37と切断装置38のクランクアーム38Eとを連動連結するようにすれば、伝動構造の簡素化をより効果的に図れるようになる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−28920(P2001−28920A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−207655