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【発明の名称】 乗用型茶樹摘採機
【発明者】 【氏名】松村 鋼司

【要約】 【課題】作業者への負担を含めて茶園管理コストの上昇を防止すると共に、運搬された茶葉が製茶工程で全て用いられるようにして製茶工程での搬入時間の長大化や搬入量の低下を防止できる構成を備えた乗用型茶葉摘採機を提供する。

【解決手段】茶樹畝を跨いでその両側の畝間を走行する乗用車体に、茶樹畝上面に臨む摘採装置4と、この摘採装置4により摘採された茶葉を送風搬送ダクト9を介して搬送する摘採茶葉搬送装置と、上記送風搬送ダクト9の末端部に連設された摘採物分離体6から落下する摘採茶葉を収容するコンテナ10が乗用車体に対して着脱可能に設けられている乗用型茶樹摘採機1において、上記コンテナ10は、昇降および水平方向若しくはこれら各方向の合成方向に移動可能に設けられ、底部に茶袋を着脱可能に設ける構成を備え、圃場近傍に待機している運搬手段27に対して上記コンテナ10から直接収容茶葉を移し替える場合と上記茶袋に移し替える場合とを選択できる構成を備えていることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶樹畝を跨いでその両側の畝間を走行する乗用車体に、茶樹畝上面に臨む摘採装置と、この摘採装置により摘採された茶葉を送風搬送ダクトを介して搬送する摘採茶葉搬送装置と、上記送風搬送ダクトの末端部に連設された摘採物分離体から落下する摘採茶葉を収容するコンテナが乗用車体に対して着脱可能に設けられている乗用型茶樹摘採機において、上記コンテナは、昇降および水平方向若しくはこれら各方向の合成方向に移動可能に設けられ、底部に茶袋を着脱可能に設ける構成を備え、圃場近傍に待機している運搬手段に対して上記コンテナから直接収容茶葉を移し替える場合と上記茶袋に移し替える場合とを選択できる構成を備えていることを特徴とする乗用型茶葉摘採機。
【請求項2】 上記コンテナの底部には、開閉可能な扉と上記茶袋の取り付け部とが設けられ、上記扉を開放することで上記運搬手段に対して直接茶葉を移し替え若しくは上記茶袋に上記茶葉を移し替え可能であることを特徴とする請求項1記載の乗用型茶葉摘採機。
【請求項3】 上記コンテナの底部には、1個若しくは複数個の茶袋が取り付け可能であることを特徴とする請求項1または2記載の乗用型茶葉摘採機。
【請求項4】 上記コンテナは、上記運搬手段若しくは茶袋に摘採茶葉を移し替える際に上記運搬手段の上方に位置決めされることを特徴とする請求区1記載の乗用型茶葉摘採機。
【請求項5】 上記コンテナの内部空間は、取り付けられる茶袋の数に応じて仕切可能であることを特徴とする請求項2または3記載の乗用型茶葉摘採機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶樹園において各茶樹畝を跨いでその両側の畝間を走行しつつ茶葉の摘採作業を行う乗用型茶葉摘採機に関し、さらに詳しくは、摘採された茶葉の回収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、作業者の高齢化に伴い、茶園を管理する様々な機械の自動化及び作業負担の軽減が急務とされてきている。これらの、要望に答えるべく、例えば乗用型の茶葉摘採機が提案されている。上記乗用型の茶葉摘採機は、茶畝を跨いでその両側の畝間を自走できるクローラ装置を備えた乗用車体と、大型の送風装置と、茶樹畝の上面全面に臨むバリカン式の摘採装置と、摘採された茶葉を送風装置からの送風により収容袋に収容するためのダクトとを備え、摘採茶葉を送風装置により圧送してダクト内を上昇させ、空気と茶葉とを分離したうえで収容装置に装備されている収容部に導入するようになっている。このような構成を備えた乗用型茶葉摘採機は、極端な傾斜地でない限り、茶畝内に乗り入れて摘採作業を行うことができる。
【0003】上述した茶葉摘採機における摘採茶葉の収容構造として、例えば、乗用車体後部にコンテナなどの大量収容体を設置し、摘採された茶葉をコンテナ内に気流等により搬送して一括収容するようにした構成が考えられる。上記構成においては、コンテナ内に導入された茶葉は圃場近くに待機しているトラックなどに一括して移し替えることにより、作業者の手を掛けないようにして摘採から回収までを自動化することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記コンテナを備えた茶葉摘採機では、コンテナの容量を大きくしてコンテナが摘採茶葉で満たされるまでの間の時間を長くし、コンテナからトラックへの摘採茶葉の移し替え作業回数を少なくすることにより、摘採作業とは直接関係の際作業時間となる移し替え時間を少なくして摘採作業効率を上げることが望ましい。しかし、このようにコンテナの容量を大きくした場合には、トラックの荷受量よりも摘採茶葉の収容量が多くなることもある。従って、1回の移し替え作業ではコンテナ内の茶葉を全てトラックに移し替えることができないことから、トラックの台数を増やしたり、あるいは圃場と茶葉の運搬先である製茶工場との間でのトラックの往復回数を増やす必要が出てくる。このようなトラックの往復回数を増やすことが必要となる理由の別なものとして、コンテナが茶葉で満たされるまでの時間がある。すなわち、摘採作業が開始されてコンテナ内が摘採茶葉で満たされるまでの間に製茶工場への運搬を終えたトラックが待機しているようにすることが摘採茶葉の回収効率を上げるうえで好ましいが、実際には、摘採茶葉がコンテナ内に満たされるまでの時間の方が圃場にトラック戻ってくるまでの時間よりも早いことがある。これは、圃場と製茶工場との距離や途中の道路事情などが原因する。このため、トラックが圃場に戻ってくるまで摘採作業を中断しなければならないこともあり、摘採作業の効率が悪化する虞もあり、この点からいっても、トラックの台数を増やしておくことが望まれる。しかし、運搬手段であるトラックの台数を増やすだけのコストを賄うのは茶園管理コストの上昇を招くことから好ましくない。
【0005】一方、トラックなどで運搬された摘採茶葉は、製茶工場において蒸し作業等の製茶工程に供されるが、製茶工程に用いられる設備においてはトラックの荷台に搭載されている茶葉を一括して搬入する構成を備えていない場合があり、この場合には、せっかくトラックの台数を増やしても製茶工程での搬入時に手間がかかったり、あるいは設備の搬入口からこぼれてしまったりすることがあり、これによって、搬入に時間がかかったり、運搬した茶葉の全てが製茶設備に搬入されずに製茶工程に供される茶葉量が低下してしまう虞がある。
【0006】本発明の目的は上記従来の乗用型茶葉摘採機を含めた摘採作業から製茶工程に至る過程での問題に鑑み、作業者への負担を含めて茶園管理コストの上昇を防止すると共に、運搬された茶葉が製茶工程で全て用いられるようにして製茶工程での搬入時間の長大化や搬入量の低下を防止できる構成を備えた乗用型茶葉摘採機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、茶樹畝を跨いでその両側の畝間を走行する乗用車体に、茶樹畝上面に臨む摘採装置と、この摘採装置により摘採された茶葉を送風搬送ダクトを介して搬送する摘採茶葉搬送装置と、上記送風搬送ダクトの末端部に連設された摘採物分離体から落下する摘採茶葉を収容するコンテナが乗用車体に対して着脱可能に設けられている乗用型茶樹摘採機において、上記コンテナは、昇降および水平方向若しくはこれら各方向の合成方向に移動可能に設けられ、底部に茶袋を着脱可能に設ける構成を備え、圃場近傍に待機している運搬手段に対して上記コンテナから直接収容茶葉を移し替える場合と上記茶袋に移し替える場合とを選択できる構成を備えていることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、上記コンテナの底部には、開閉可能な扉と上記茶袋の取り付け部とが設けられ、上記扉を開放することで上記運搬手段に対して直接茶葉を移し替え若しくは上記茶袋に上記茶葉を移し替え可能であることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、上記コンテナの底部には、1個若しくは複数個の茶袋が取り付け可能であることを特徴としている。
【0010】請求項4記載の発明は、上記コンテナは、上記運搬手段若しくは茶袋に摘採茶葉を移し替える際に上記運搬手段の上方に位置決めされることを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、上記コンテナの内部空間は、取り付けられる茶袋の数に応じて仕切可能であることを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1、2および4記載の発明では、乗用車体にコンテナを装備させた場合、摘採茶葉を収容しているコンテナから運搬手段に直接移し替える場合とコンテナ底部に取り付けられている茶袋に移し替える場合とを選択することができる。これにより、運搬手段が圃場に戻る状態に合わせた摘採茶葉の回収作業が設定できる。つまり、運搬手段が圃場に戻っていない時点でコンテナ内に茶葉が満たされることが多い場合には、コンテナに取り付けられた茶袋に移し替えることでその茶袋を圃場の近くに置いておくと摘採作業が中断されることがなく、またコンテナ内に茶葉が満たされた時点で運搬手段が圃場に戻っていることが多い場合には、コンテナから直接運搬手段に移し替えるようにすることができる。この結果、運搬手段を増やさなくても摘採作業が中断されることがない。しかも、茶袋に移し替えることによって、製茶工場での搬入形態に応じた摘採茶葉の運搬形態が設定できるので、製茶工場での搬入時の手間を省くことができる。さらに、茶袋に移し替える場合の作業はコンテナが運搬手段の上方に位置決めされている状態で行えるので、例えば、茶袋を取り付ける際にも作業者がかがんだりすることなく起立姿勢で行うことが可能となり、また、摘採茶葉を移し替えた茶袋をコンテナ底部から取り外すだけで茶袋を運搬手段に搭載させることができることにより作業者が持ち運んだりする必要がなくなり、作業者の負担を低減させることができる。
【0013】請求項3および5記載の発明では、1個若しくは複数個の茶袋を設け、しかも、この数に応じてコンテナ内を仕切ることができるので、製茶工場での搬入形態に応じた摘採茶葉の収容形態を設定することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。図1は、本発明実施例による乗用型茶葉摘採機の要部構成を説明するための側面図であり、同図において乗用型茶葉摘採機1は、左右のクローラ走行装置2により茶樹畝を跨いでその両側の畝間を自走する腰高の乗用車体3を備えている。乗用車体3は、クローラ走行装置2の上部に設けられている門型フレーム100,101およびこれらフレームの上部で橋渡された連結フレーム102により主要部が構成されており、連結フレーム102には、操縦席3A、エンジン7が搭載されている。
【0015】上記クローラ走行装置2は、図示省略した油圧モータによりそれぞれ回転駆動されるゴムクローラ2Aを備えており、上記油圧モータを駆動する油圧ポンプがエンジン7によって駆動されるようになっている。なお、図1中、符号2Bは駆動輪を、同2Cは従動輪を、同2Dは転輪を、さらに符号2Eは走行装置2側の補強フレームをそれぞれ示している。また、上記走行装置としては、クローラ走行装置2に代えて、タイヤやキャタピラを用いた走行装置とすることも可能である。
【0016】乗用車体3の下方には、茶樹畝の上面全面に臨むバリカン式の摘採装置4が設けられている。摘採装置4は、茶樹畝の上面全面に跨って上下方向に湾曲し、図示省略した油圧モータあるいはエンジン等の駆動源に連動するクランク機構を介して左右に往復駆動されるバリカン刃(図示されず)が備えられている。摘採装置4は、乗用車体3上に配置されている送風機8によって摘採茶葉を吹き飛ばすことができる構成を備えており、具体的には、送風機8に連結されている伸縮可能なダクト9Aと、摘採装置4のバリカン刃が位置するチャンバ4A内に指向させて配置されているノズル4Bと、このノズル4Bとダクト9Aとにそれぞれ接続されて摘採茶葉を吹き飛ばすための空気をノズル4Bに送る吐出管4Cとを備えている。
【0017】図1に示す摘採装置4に設けられているチャンバー4Aは、茶樹畝の幅方向で二分された空間を有しており、各空間には摘採された茶葉を後述するコンテナ10に向け搬送するための摘採茶葉搬送装置をなす送風搬送ダクト(以下、搬送ダクトいう)9がそれぞれ連結されている。すなわち、搬送ダクト9は、下端が上記チャンバ4Aにそれぞれ連結され、上端が後方に向けて折り曲げられて茶葉分離体6に連通させてある。茶葉分離体6は、例えば、コンテナ10の上面に配置されてその上面を覆い得る大きさの鳥かご状部材であり、コンテナ10の上面全周囲に金網が配置され、下面がコンテナ10の内部に連通して茶葉をコンテナ10内に導入させることができるようになっている。なお、茶葉分離体6の内部空間は、後で説明するが、コンテナ10の内部空間が複数に区画されている場合、これに応じて各区画空間毎に連通する構成が採用される。このような構成の茶葉分離体6においては、搬送ダクト5から送風と共に流入した茶葉が上記金網から空気が排出されることで分離され、茶葉分離体6の後端部にて下面から下方に落下するようになっている。
【0018】摘採装置4は、茶樹畝の高さに応じて昇降できるようになっている。すなわち、昇降体104により側部が一体的に支持されており、この昇降体104は、連結フレーム102と走行装置2側の補強フレーム2Eとに上下各端部が固定されている昇降フレーム105によって昇降自在に支持されている。昇降体104は、図示しない昇降モータによって昇降することができ、これに伴い、摘採装置4に連結されているダクト9Aおよび搬送ダクト9が伸縮するようになっている。
【0019】一方、茶葉分離体6の下方には、摘採茶葉を収容するためのコンテナ10が乗用車体3に対して着脱可能に設けられており、このコンテナ10は、摘採装置4の昇降動作に応じて昇降するようになっている。すなわち、門型フレーム101には、図示しない駆動モータによって昇降可能なコンテナ用昇降体104’が取り付けられており、このコンテナ用昇降体104’および前述した昇降体104には、コンテナ10を格納できる空間の底部をなす底枠106が固定され、昇降体104およびコンテナ用昇降体104’の昇降動作に応じてコンテナ10の格納空間を昇降させるようになっている。上記底枠106の上面には、コンテナ10を格納できる空間の前後各隅に位置する側枠107,107’の下端がそれぞれ固定されており、各側枠107,107’の上面には上枠108(図2参照)が固定されている。このような昇降機構を用いて摘採装置4と連動させ、コンテナ10等の茶葉収容部を昇降させる機構としては、本出願人の先願に係る特開平10−262434号公報などによって明らかにされている。
【0020】一方、上枠108の近傍には、図2に示すように、側枠107,107’間に橋渡された補助枠109が設けられており、この補助枠109および上記上枠108には、コンテナ10に一端が連結された平行リンクレバー110,111の端部がヒンジ結合されている。平行リンクレバー110および111は、図2に示すように、補助枠109および上枠108からコンテナ10に向け延長されている一部が屈曲点とされ、その屈曲点をはさんで位置する両レバー間に各端部がヒンジ結合されている鎹(かすがい)レバー110A、111Aを備えている。このため、平行リンクレバー110および111は、屈曲点を支点として図1に示すように折り畳まれた状態と、図2に示すように略90°の屈曲角度を以て跳ね上げられた状態とに切り換えられるようになっている。図1に示す折り畳み状態では搬送用ダクト9と茶葉分離体6とが連通してコンテナ10に対して摘採茶葉を導入できるようになっており、また図2に示す跳ね上げ状態では、搬送用ダクト9の末端から茶葉分離体6が離れてコンテナ10が、トラック27の上位に位置する高さに移動するようになっている。
【0021】平行リンクレバー110、111のうちで、折り畳まれた状態の時に下方に位置する平行リンクレバー110には、図2に示すようにシリンダ装置112のロッドが連結されており、シリンダ装置112は、シリンダ部が乗用車体3側の不動部をなす側枠の一方107に取り付けられている。このため、平行リンクレバー110,111が折り畳まれた状態の時にはシリンダ装置112がロッドを収縮させ、この状態においてシリンダ装置112がロッドを伸長させると、下方に位置する平行リンクレバー110が跳ね上げられてコンテナ10が斜め上方に移動させられ、今ひとつの平行リンクレバー111によりコンテナ10が摘採茶葉収容位置にある状態と同じ姿勢を維持されるようになっている。
【0022】コンテナ10は、図1を示す紙面と直角な方向が長手方向とされ、図3に示すように、上部が開放され、底部が両側に向けて開閉可能な観音扉10A、10A’を備えた筐体で構成されている。コンテナ10の底部には、上記観音扉10A、10A’に加えて、観音扉10A、10A’の開閉操作部材と、茶袋30(図2参照)を着脱可能に設けるための茶袋係止部とが設けられている。コンテナ10は、本実施例の場合、図3に示すように、仕切壁10Bによって内部空間が複数に区画されており、区画された各空間を対象として茶袋30(図2参照)が取り付けられるようになっている。上記観音扉10A、10A’は各空間毎に設けられ、図4に示すように、自由端同士が僅かにオーバーラップする長さを備えている。このオーバーラップ量は、一方の観音扉10Aによって他方の観音扉10A’を閉じ態位に保持できる重なり量とされている。図2および図3において観音扉10A、10A’は、その基端がコンテナ10の底部により揺動自在に支持されており、一方の観音扉10Aが回転軸10A1によって、また、他方の観音扉10A’が蝶番20によってそれぞれ揺動して開閉できるようになっている。
【0023】一方の観音扉10A側には、これを開放させて他方の観音扉10A’も開放させるための開閉操作部材である操作レバー21が取り付けられている。すなわち、操作レバー21は、図3(B)に示すように、回転軸10A1の軸端に固定されている支持筒22に一体化されているブラケット23に対してヒンジ結合されて、常時、コンテナ10のフレーム10C表面に向け移動する習性が付与されており、フレーム10Cに直立して設けられている係止板24に自由端側が当接するようになっている。係止板24は、観音扉10Aの重力によりこれと連動関係にある操作レバー21が揺動するのを阻止するためものであり、ヒンジ結合されている操作レバー21が上記習性に抗してフレーム10Cから離れる方向に引き起こされた際に操作レバー21が乗り越えることができる高さを有している。このため、係止板24に操作レバー21が当接すると、観音扉10Aが自重により開放される向きに揺動しようとする操作レバー21の動きが規制され、観音扉10Aの不用意な開放が阻止される。操作レバー21を操作して係止板24を乗り越えさせることで観音扉10Aが重力方向へ揺動するのを許容することができるので、観音扉10Aを開放することができる。一方の観音扉10Aが開放されると、これに自由端がオーバーラップして係止されていた他方の観音扉10A’が重力方向に揺動して開放されることになる。
【0024】コンテナ10における観音扉10A、10A’の近傍位置には、茶袋30の開口端縁を掛け止めするための係止部(図示されず)が設けられている。係止部は、本実施例の場合、茶袋30の開口縁において周縁に沿って複数箇所に形成された係止孔(図示されず)に係合可能なフック部材が用いられ、係止孔に係合することで、図2および図3に示すように茶袋30を懸垂支持することができる。本実施例では、茶袋30が20Kg程度の茶葉を収容できる容積を持ち、コンテナ10は、200〜300Kg程度の容積を持つものが用いられる。
【0025】本実施例は以上のような構成であるから、コンテナ10が乗用車体3に対して装備されている場合、摘採装置4による摘採作業時には、シリンダ装置112(図1参照)がロッドを収縮させているので、図1に示すように、茶葉分離体6と搬送用ダクト9とが連通され、コンテナ10への摘採茶葉の導入が可能となる。つまり、摘採装置4によって摘採された茶葉は、ダクト9Aを介して送風機8から供給された空気がノズル4Bから吐出されることで搬送用ダクト9に送り込まれ、茶葉分離体6によって空気と分離されてコンテナ10内に落下する。
【0026】コンテナ10内に茶葉が満たされると、コンテナ10内の茶葉がトラック27(図2参照)に移し替えられる。本実施例では、コンテナ10内に収容されている茶葉の移し替え方式として、コンテナ10から直接トラック27に移し替える場合と茶袋30をセットしてその茶袋30内に移し替える場合とが選択できる。すなわち、トラック27に対して直接移し替える場合および茶袋30に移し替える場合のいずれにおいても、シリンダ装置112がロッドを伸長させるので、平行リンクレバー110、111が跳ね上げられ、これに連動してコンテナ10’が斜め上方に移動する。シリンダ装置112におけるロッドの伸長量が所定量に達すると、コンテナ10がトラック27の上位に位置する。このとき、トラック27に直接移し替える場合には、作業者がトラック27の荷台に載り、コンテナ10の底部に設けられている観音扉10A、10A’を開放させる。このときには、操作レバー21を係止板24に対して乗り上げさせてレバー自身を揺動させることにより、一方の観音扉10Aを開放させ、これに連動してこの観音扉10Aの自由端にオーバーラップして開放が阻止されていた他方の観音扉10A’を開放させる。
【0027】一方、茶袋30に対して移し替えする場合には、前記した場合と同様に作業者がトラック27の荷台に載り、トラック27の上位に位置しているコンテナ10の底部に茶袋30を取り付ける。この場合には、茶袋30の開口縁をコンテナ10Aの底部に有する係止部に係合させることで取り付けることができる。コンテナ10における区画された各空間部の底部に茶袋30を取り付けると、上述した場合と同様に、操作レバー21を操作して茶袋30内にコンテナ10内の茶葉を移し替える。茶袋30が茶葉で満たされると、その茶袋30をコンテナ10の底部から取り外してトラック27の荷台に積載する。この場合、茶葉で満たされた茶袋30の開口縁は、当然のことであるが、例えば、ファスナー等を開口縁に設けて綴じれるようにし、ファスナを綴じることで茶葉がこぼれないようにされることが好ましい。
【0028】トラック27に対して直接あるいは茶袋30に対してそれぞれ移し替えが終了すると、観音扉10A、10A’が閉じられる。この場合には、他方の観音扉10A’を先に閉じたうえで、一方の観音扉10Aを操作レバー21によって閉じ、操作レバー21を係止板24を乗り越えさせるように揺動操作して係止板24により操作レバー21を係止する。これにより、観音扉10A、10A’の不用意な開放が阻止される。
【0029】上記実施例によれば、茶袋30への移し替え時、茶袋30の取り付けおよび取り外しがトラック27の荷台上方に位置するコンテナ10を対象として行えるので、作業者の手の届く位置での作業が可能となり、かがんだりあるいは背伸びした状態で作業するようなことがなく、いわゆる、普通の起立態位で作業を行え、無理な姿勢を強いることがない。しかも、茶葉で満たされた茶袋30は、コンテナ10の位置からしてトランク27の荷台にそのまま置けるので、茶袋の運搬作業を行う必要がなく、これによっても作業性を損ねることがない。また、コンテナ10内は複数の区画されており、各区画毎に茶袋を取り付けるようになっているので、コンテナからの茶葉の移し替え量が定量とされて一つの茶袋に集中して茶葉が入り込むようなことがない。これにより、茶袋に流れ込む茶葉が途中で詰まったりすることがないので、迅速な移し替えが可能となる。さらに、コンテナ10内に茶葉が満たされたときに移し替え対象であるトラック27が圃場に戻っていないような場合には、コンテナ10から茶袋30に移し替え、その茶袋30を圃場の近くに置いておくことでトラック27が戻らなくても摘採作業を中断することなく継続することが可能となり、作業効率を低下させないようにすることができる。
【0030】なお、上記実施例においては、観音扉10A、10A’の一方を操作レバー21によって開放させるのに連動して他方の観音扉10A’を自重により開放させるようにしたが、これに代えて、各観音扉の揺動支点同士を一例として、8字状に掛け回したベルトあるいはワイヤによって相対方向での連動関係を設定するようにしてもよい。このような構成によれば、開閉いずれの場合にも互いに連動して観音扉を動かすことができるので、開閉操作に要する手間を省くことができる。さらに、上記コンテナ10は、上述した実施例に挙げたように、斜め移動することに限らず、この斜め移動が合成方向となる水平および昇降方向に移動させるようにすることも可能であり、この場合には、水平方向への駆動シリンダと垂直方向へ昇降させる駆動シリンダとを装備させる。また、コンテナ10の底部に設けられている扉としては、上述した観音扉に代えて、片開き構造の扉とすることも可能である。
【0031】一方、上述した実施例では、コンテナ10を乗用車体3に搭載した状態を例示したが、本発明では、コンテナ10を取り外したりあるいは最初から装備しないで、茶葉分離体6に直接茶袋30を取り付けるようにすることも可能である。つまり、茶葉分離体6は、その内部空間がコンテナ10の内部空間と同様に複数区画されているので、この区画された空間毎に茶袋を懸垂支持する係止部が設けられ、茶袋30の開口縁を係止部に掛け止めすることで各茶袋30への摘採茶葉の導入が可能となる。この場合にも茶葉分離体6がコンテナ10を装備した場合と同様に、平行リンク110.111によって跳ね上げ状態を設定されるので、トラック27の荷台上で茶袋30の取り付け作業および取り外し作業が行える。
【0032】
【発明の効果】請求項1、2および4記載の発明によれば、摘採茶葉を収容しているコンテナから運搬手段に直接移し替える場合とコンテナ底部に取り付けられている茶袋に移し替える場合とを選択することができる。これにより、運搬手段の戻り具合に応じて摘採茶葉の回収形態が設定できるので、運搬手段を増やさなくても摘採作業を中断させることがない。この結果、摘採効率の低下を防止できると共に運搬手段を増やさないですむことにより茶園管理コストの上昇を抑制することが可能となる。さらに、移し替え形態を選択することで、製茶工場での搬入形態に応じた摘採茶葉の運搬形態が設定できるので、製茶工場での搬入時の手間を省くことができる。しかも、移し替え作業はコンテナが運搬手段の上方に位置決めされている状態で行えるので、例えば、茶袋を取り付ける際にも作業者がかがんだりすることなく起立姿勢で行うこと可能となり、さらには、摘採茶葉を移し替えた茶袋をコンテナ底部から取り外すだけで茶袋を運搬手段に搭載させることができることにより作業者が持ち運んだりする必要がなくなり、作業者への負担を低減させることが可能となる。
【0033】請求項3および5記載の発明によれば、1個若しくは複数個の茶袋を設け、しかも、この数に応じてコンテナ内を仕切ることができるので、製茶工場での搬入形態に応じた摘採茶葉の収容形態を設定することが可能となる。これにより、作業者への負担を増加させることなく製茶工程での搬入効率を低下させないようにすることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−16948(P2001−16948A)
【公開日】 平成13年1月23日(2001.1.23)
【出願番号】 特願平11−194119