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【発明の名称】 気液注入機
【発明者】 【氏名】田中 健治

【氏名】千葉 直樹

【氏名】福泉 和弘

【要約】 【課題】注入作業中、作業者が薬液等及び圧縮空気等を注入するための操作レバ−を、常に握りしめている必要がなく、作業者の疲労軽減及び作業性の向上を図り、さらに操作性の容易化を図った手持ち式の気液注入機を提供する。

【解決手段】気液噴射口5を有する注入ノズル6が下端に設けられた気液注入管2の上部に、内部に開閉弁7,8を有する通液路9及び通気路10からなる気液供給部11が構成され、前記開閉弁7,8が、操作レバ−15,16によりそれぞれ開閉自在に構成され、前記操作レバ−15,16に、前記開閉弁7,8の開放状態を維持するとともにさらに解除自在のストッパ−36,37をそれぞれ枢支してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気液噴射口(5)を有する注入ノズル(6)が下端に設けられた気液注入管(2)の上部に、内部にそれぞれの開閉弁(7,8)を有する通液路(9)及び通気路(10)からなる気液供給部(11)が構成され、前記開閉弁(7,8)が、操作レバー(15,16)によりそれぞれ開閉自在に構成され、前記操作レバー(15,16)に、前記開閉弁(7,8)の開放状態を維持するとともに解除自在のストッパー(36,37)をそれぞれ枢支したことを特徴とする気液注入機。
【請求項2】 前記ストッパー(36,37)は、前記操作レバー(15,16)の握り操作による前記開閉弁(7,8)の開放時に、その先端凸部(36a,37a)を前記気液供給部(11)の外側面(11a)に押圧係止させて前記操作レバー(15,16)の復帰を阻止する構成であり、前記操作レバー(15,16)の更なる握り操作により自動的に解除される構成であることを特徴とする請求項1に記載の気液注入機。
【請求項3】 前記ストッパー(36,37)の後端方向に把持部(36b,37b)が形成され、前記気液供給部(11)の前記外側面(11a)に押圧係止する前記先端凸部(36a,37a)側に比べ前記把持部(36b,37b)側が重く構成されてなることを特徴とする請求項2に記載の気液注入機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、果樹園や畑等の土壌中に、液肥、薬液等(以下「薬液等」と言う。)の液体、あるいは圧縮空気等の気体を注入する気液注入機に関し、特に、手持式の気液注入機に関する。
【0002】
【従来の技術】果樹園や畑等において、下端に注入ノズルを有する気液注入管を、作業者が土壌中に突入せしめて、土壌中に薬液等を注入し、紋羽病等の防除や土壌消毒を行ったり、あるいは圧縮空気等を注入して土壌の活性化を図る手持式の気液注入機が提案されている(実公昭61−41531号公報等参照)。
【0003】その他、前記薬液等と前記圧縮空気等を同時に注入して、その相乗効果により施肥、防除、消毒効果、あるいは土壌の活性化を図る手持式の気液注入機も提案されている(本出願人の提案に係る特願平11−34184号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の手持式の気液注入機は、土壌に対する薬液等、あるいは圧縮空気等の注入作業中、作業者が前記薬液等、あるいは前記圧縮空気等を供給するためのそれぞれの操作レバーを、常に手指で握りしめていなければならない構成であった。したがって、特に、前記薬液等の液体を土壌に注入する場合には、前記操作レバーを、長時間握りしめている必要があり、作業者が疲労を感じ、作業性に影響を与えるものであった。
【0005】本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、前記それぞれの操作レバーに、薬液等の通液路及び圧縮空気等の通気路に設けた開閉弁の開放状態を維持及び解除自在のストッパーを設けることにより、作業中、作業者が前記操作レバーを常に握りしめている必要がなく、作業者の疲労軽減及び作業性の向上を図り、さらに、前記操作レバー及び前記ストッパーの操作性の容易化を図った手持式の気液注入機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記事情に鑑みなされたもので、気液噴射口を有する注入ノズルが下端に設けられた気液注入管の上部に、内部にそれぞれの開閉弁を有する通液路及び通気路からなる気液供給部が構成され、前記開閉弁が、それぞれ操作レバーにより開閉自在に構成され、前記それぞれの操作レバーに、前記開閉弁の開放状態を維持するとともに解除自在のストッパーを枢支したことを特徴とする。
【0007】この請求項1の本発明によれば、前記気液注入管を土壌中に突入せしめて、前記操作レバーを手指で握り操作し、前記土壌中に薬液等、あるいは圧縮空気等の注入を開始すると同時に、前記ストッパーを働かせて、作業者が前記操作レバーから手指等を離しても、そのまま薬液等、あるいは圧縮空気等の注入が継続される。
【0008】したがって、作業者は、薬液等、あるいは圧縮空気等の注入完了まで、前記操作レバーを握りしめている必要がなく、疲労感が軽減され、さらに作業性の向上が図られる。
【0009】請求項2に示す実施の一形態は、前記それぞれのストッパーが、前記操作レバーの握り操作による前記開閉弁の開放時に、先端凸部を前記気液供給部の外側面に押圧係止させて前記操作レバーの復帰を阻止する構成とし、前記操作レバーの更なる握り操作により自動的に解除される構成としたものである。
【0010】この請求項2の実施の一形態によれば、前記操作レバーの握り操作により前記それぞれのストッパーを働かせた後、前記操作レバーを更に軽く握り操作すると、前記ストッパーが自動的に解除され、前記操作レバーの復帰とともに前記開閉弁が閉じられ、したがって、前記操作レバーと別に前記ストッパーの解除操作を行う必要がなく、作業性の向上が図られる。
【0011】請求項3に示す実施の一形態は、前記それぞれのストッパーの後端方向に把持部が形成され、前記気液供給部の前記外側面に押圧係止する前記先端凸部側に比べ前記把持部側が重く構成されてなることを特徴とする。
【0012】この請求項3によれば、前記操作レバーの握り操作による前記開閉弁の開放後に、前記操作レバーを更に握り操作して、前記気液供給部の前記外側面に対する前記ストッパーの押圧係止状態に僅かな影響を与えれば、該ストッパーが操作レバーの位置保持効果を失い、自動的に前記ストッパーの後方側がその自重により回動させられて、前記気液供給部に対する押圧係止が解除され、前記操作レバーの復帰とともに前記開閉弁が閉じられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る気液注入機の実施の一形態を示す一部省略全体正面図、図2は、気液供給部の縦断面図である。
【0014】本実施の一形態における気液注入機1は、気液注入部材としての気液注入管2と、該気液注入管2の上端部の左右に設けられた操作ハンドル3,4を備え、全体としてほぼT字状に構成されている。
【0015】前記気液注入管2は、作業者が、前記気液注入管2の上端部の左右に設けられた前記操作ハンドル3,4を両手で握って、前記気液注入管2を気液注入対象としての土壌G中に垂直に突入せしめて、後述する操作レバー15,16を操作し易い、適宜の長さ(0.9m程度)とされる。
【0016】つぎに、前記気液注入管2の下端には、放射状に開口する適数の気液噴射口5を有する注入ノズル6が設けられ、さらに、前記気液注入管2の上部には、内部にそれぞれ開閉弁7,8を有する通液路9及び通気路10からなる気液供給部11が構成され、該気液供給部11の上端部の左右に、前記操作ハンドル3,4が設けられている。
【0017】前記気液供給部11は、前記通液路9及び前記通気路10が上下方向に平行して適当間隔を開けて配置され、前記通液路9及び前記通気路10の下端部が合流路12とされ、該合流路12の下端部に、前記気液注入管2が螺合等により連結される。
【0018】さらに、前記通液路9の上部には、前記右操作ハンドル3の内部の一部を利用した連通路9aを介して、薬液等の給液源(図示せず)に連通させられる給液配管13及びワンタッチカップラ一式等のジョイント13aが連結させられ、前記通気路10の上部には、前記左操作ハンドル4の内部の一部を利用した連通路10aを介して、圧縮空気等の給気源(図示せず)に連通させられる給気配管14及びワンタッチカップラ一式等のジョイント14aが連結させられる。
【0019】なお、前記のごとく、前記薬液等及び圧縮空気等を供給する図示しないホースを、機体中央部に集中させると、前記ホースの捌きが容易になり、作業性が向上させられる。
【0020】図中、34は、機体左右の重量バランスを保つべく、前記通液路9及び通気路10間の上部に配置した気溜り室であり、その内部が前記通気路10、前記連通路10a及び前記給気配管14と連通させられる。図中、35は、前記給気配管14内部に設けられた、薬液等の前記給気源側への流入を防止する逆止弁である。
【0021】なお、図2では、説明の都合上、前記給液配管13、前記ジョイント13a及び前記給気配管14、前記ジョイント14aが、それぞれ前記操作ハンドル3,4と同方向に伸びて表されているが、この状態では、作業者による前記操作ハンドル3,4の把持の邪魔になるため、実際には、図1に示すごとく、前記操作ハンドル3,4に対して、前記給液配管13、前記ジョイント13a及び前記給気配管14、前記ジョイント14aが交差する方向に配置させられる。
【0022】前記構成において、前記両操作レバー15,16を、個別、あるいは同時操作することにより、前記両開閉弁7,8を、個別、あるいは同時に開閉することができ、前記土壌G中に前記薬液等及び前記圧縮空気等を、個別、あるいは同時に注入することができる。
【0023】つぎに、前記操作レバー15,16による前記開閉弁7,8の開閉自在構成について説明する。図面実施の一形態では、前記両開閉弁7,8の上部に、それぞれコイルスプリング17,18を巻装したシャフト19,20が連結され、該シャフト19,20の下端に設けられた前記開閉弁7,8が、それぞれの前記コイルスプリング17,18の弾発力により、前記通液路9及び前記通気路10の下部に予め形成された小径通液路9b及び小径通気路10bを閉塞する構成になっている。
【0024】さらに、前記シャフト19,20の上方部が、それぞれ前記気液供給部11の上部、並びに前記通液路9及び前記通気路10の上部位置に螺合されたプラグボルト21,22に上下動自在に貫通させられ、さらに、前記通液路9及び前記通気路10の前後両外側にそれぞれ垂下させた垂下片23,24を有する下向きコ字状金具25,26の連結部27,28に貫通させられ、その上端に固定用ナット29,30が螺合されている。
【0025】つぎに、前記開閉弁7,8の操作レバー15,16が、前記操作ハンドル3,4の下部に、それぞれ作業者の手指で把持可能に設けられる。図面実施の一形態では、前記それぞれの操作レバー15,16が樋状に形成され、さらにそれぞれの前記気液注入管2の中心軸線方向に向けて先端方向が、前記通液路9及び前記通気路10を受け入れる二股形状に構成され、さらに、それぞれその先端部15a,16aが、前記気液供給部11を構成する前記通液路9と前記通気路10の間に枢支軸31によって枢支され、さらに、前記操作レバー15,16の略中間部が、それぞれ前記下向きコ字状金具25,26の前記垂下片23,24の下端にピン32,33によってそれぞれ枢止されてハ字形に配置されている。
【0026】前記構成において、前記開閉弁7,8は、前記シャフト19,20に巻装された前記コイルスプリング17,18の弾発力により、前記通液路9及び前記通気路10の下部に、予め形成された前記小径通液路9b及び前記小径通気路10bを閉塞している。
【0027】つぎに、前記気液注入管2の下端の前記注入ノズル6部を前記土壌G中に突入せしめ、前記操作レバー15,16を、前記操作ハンドル3,4側に手指で引き寄せ握り操作すると、前記下向きコ字状金具25,26が押し上げられ、該下向きコ字状金具25,26の前記連結部27,28が、前記シャフト19,20の上端に設けられた前記固定用ナット29,30に係止し、前記シャフト19,20、並びに該シャフト19,20の下端に設けられた前記開閉弁7,8が引き上げられる。
【0028】したがって、前記小径通液路9b、前記小径通気路10bが開放され、前記気液供給部11内の前記合流路12から前記気液注入管2に、前記薬液等及び前記圧縮空気等が供給され、さらに、前記気液注入管2の下端に設けられた前記注入ノズル6の前記気液噴射口5から、前記薬液等及び前記圧縮空気等が前記土壌G中に噴射供給される。
【0029】本実施の形態では、前記構成において、さらに、前記操作レバー15,16の適位置に、前記開閉弁7,8の開放状態を維持するとともに解除自在のストッパー36,37が、それぞれピン38,39により枢支されている。
【0030】すなわち、前記樋状の操作レバー15,16の前記先端部15a,16aの底部の一部に切欠部15b,16bが形成され、該切欠部15b,16b部を利用して、前記樋状の操作レバー15,16の内部に、前記ストッパー36,37を配置し、該ストッパー36,37を前記ピン38,39により枢支している。
【0031】前記それぞれのストッパー36,37は、本体部が小円盤状に構成され、前記操作レバー15,16による前記開閉弁7,8の開放時には、先端方向、すなわち、前記気液供給部11側に形成した先端凸部36a,37aが、前記気液供給部11の外側面11aに押圧させられ、同時に、左右方向外方の後端方向に構成した把持部36b,37bが、前記樋状の操作レバー15,16の底部の一部に形成された前記切欠部15b,16bに係止させられて、前記把持部36b,37b側の自重による回転が止められ、前記操作レバー15,16のそれ以上の下方への動きが阻止される(図2右、通液路9側参照)とともに、前記開閉弁7,8の開放も維持できる構成となっている(図2左、通気路10側参照)。
【0032】なお、前記操作レバー15,16の復帰を阻止するとともに前記開閉弁7,8の開放維持もできるようにするためには、前記ストッパー36,37の前記先端凸部36a,37aの前記気液供給部11の前記外側面11aに対する押圧係止点が、前記ストッパー36,37の枢支点である前記ピン38,39と、前記操作レバー15,16の前記先端部15a,16aの枢支点である前記枢支軸31を結ぶ直線X−Xより下方に位置させられ、前記操作レバー15及び16の下降を阻止することが必要である(図2左、通気路10側参照)。
【0033】まず、注入作業開始前の前記開閉弁7,8が閉じられた状態では、前記ストッパー36,37の前記先端凸部36a,37aが、前記直線X−Xより上方に位置させられ、前記先端凸部36a,37aとほぼ対向する後端側に設けた係止凸部36c,37cが、前記樋状の操作レバー15,16の底部の一部に形成された前記切欠部15b,16b部に係止させられた状態となっている(図2右、通液路9側参照)。
【0034】そこで、前記操作レバー15,16、並びに前記ストッパー36,37の前記把持部36b,37bを、前記操作ハンドル3,4側に向けて、ほぼ一杯迄引き寄せ握り操作すると、前記操作レバー15,16の上方移動と同時に前記ストッパー36,37が持ち上げられ、該ストッパー36,37の前記先端凸部36a,37aが、前記気液供給部11の前記外側面11aに接近させられる。
【0035】この状態で、前記把持部36b,37を手指で引き上げると、前記先端凸部36a,37aが前記外側面11aに強く押しつけられて、手を離しても前記操作レバー15,16の復帰が阻止され、前記開閉弁7,8の開放状態が維持される(図2左、通気路10側参照)。
【0036】つぎに、前記開閉弁7,8の開放状態から、該開閉弁7,8を閉じる場合について説明すると、前記通気路10側の状態(図2左、通気路10の状態)、すなわち、前記ストッパー36,37の前記把持部36b,37bが引き上げ保持された状態において、前記操作レバー15,16を前記操作ハンドル3,4側に引き寄せて握り操作することにより、前記ストッパー36,37がその自重により下方へ向けて回動して自動的に、前記開閉弁7,8の開放保持機能が解除される。
【0037】すなわち、前記操作レバー15,16を前記操作ハンドル3,4側に握り操作すると、前記操作レバー15,16の前記先端部15a,16aの枢支点である前記枢支軸31を中心に、前記ストッパー36,37が弧を描き、該ストッパー36,37の前記先端凸部36a,37aが、前記気液供給部11の前記外側面11aから離され、同時に、前記先端凸部36a,37aに比べ、後端方向の前記把持部36b,37b側が重いため、前記ストッパー36,37が安定性を失い、前記気液供給部11の前記外側面11aに対する前記先端凸部36a,37aの押圧係止が自動的に解除される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、土壌中に、薬液等及び圧縮空気等を個別に、あるいは同時に注入するためのそれぞれの操作レバーに、前記薬液等の通液路及び前記圧縮空気等の通気路に設けた開閉弁の開放状態を維持及び解除自在のストッパーを設けることにより、作業中、作業者が前記操作レバーを常に握りしめている必要がなく、作業者の疲労軽減及び作業性の向上を図り、さらに前記操作レバー及び前記ストッパーの操作がきわめて容易である効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000141990
【氏名又は名称】株式会社共立
【出願日】 平成12年6月8日(2000.6.8)
【代理人】 【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
【公開番号】 特開2001−346420(P2001−346420A)
【公開日】 平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願番号】 特願2000−171625(P2000−171625)