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【発明の名称】 苗床供給機
【発明者】 【氏名】尾嶋 勝

【氏名】加藤 哲

【要約】 【課題】苗床枠から苗床を確実に適正な状態で取り出せるようにする。

【解決手段】苗床が収容された苗床枠内に一方向からエアを吹き込んで反対方向に苗床を取り出し、その取り出した苗床を圃場に供給する苗床供給機において、苗床枠内にエアを吹き込むためのエアノズル70を苗床枠に押し付ける押圧手段71を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗床が収容された苗床枠内に一方向からエアを吹き込んで反対方向に苗床を取り出し、その取り出した苗床を圃場に供給する苗床供給機において、苗床枠内にエアを吹き込むためのエアノズルを苗床枠に押し付ける押圧手段を設けたことを特徴とする苗床供給機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苗床が収容された苗床枠からエアを利用して苗床を取り出して圃場に供給する苗床供給機に関する。
【0002】
【従来の技術】水を入れていない乾田状態の水田に種子(種籾)を直播きする水稲の直播栽培において、若干芽の出かかった種子を播種すると、苗の成育が早く、苗立ち率(播種した種子数に対する実際に出芽した種子数の割合)が高いことが知られている。そこで、ポット状の小室が形成された苗床枠に培土と種子を入れて苗床を作り、数日たって種子から芽が出かかった状態にしてから、苗床枠から苗床を取り出し、これを圃場に供給して栽培する栽培方法の研究が進められている。
【0003】この栽培方法を実践するために、前記苗床枠の小室の底部に形成されている小孔からエアノズルで小室内にエアを吹き込んで横一列の苗床を小室の上面開口部側に取り出し、その取り出した苗床を横送りベルトによって横方向に搬送し、該搬送ベルトの搬送終端部に搬送されてくる苗床を1個づつ圃場に供給するように構成した苗床供給機が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記苗床供給機に使用される苗床はまだ根が十分に張っておらず、苗床枠からの土離れが良くない。このため、小室内へエアが効率よく吹き込まれないと、苗床枠から苗床がうまく分離せず、苗床が取り出せなかったり、不適正な状態で苗床が取り出されたりする。そこで、苗床枠から苗床を確実に適正な状態で取り出せるようにし、圃場への苗供給が安定して行われるようにすることが本発明の課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明にかかる苗床供給機は、苗床が収容された苗床枠内に一方向からエアを吹き込んで反対方向に苗床を取り出し、その取り出した苗床を圃場に供給する苗床供給機において、苗床枠内にエアを吹き込むためのエアノズルを苗床枠に押し付ける押圧手段を設けたことを特徴としている。
【0006】押圧手段によりエアノズルを苗床枠に押し付け、両者間に隙間がない状態にしてエアノズルで苗床枠内にエアを吹き込むことにより、エアが苗床枠内に効率よく供給され、苗床が良好に取り出される。また、エアノズルで苗床枠を押すことで苗床枠が撓み、苗床枠からの苗床の土離れが良くなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に表された実施の形態に基づき、本発明を具体的に説明する。図1乃至図5は苗床供給機の一例を表している。この苗床供給機1は、次のように芽出し処理された種入りの苗床を使用する。
【0008】すなわち、図9に示すように、複数のポット状小室2,…が縦横に連設された苗床枠3に培土4を充填し、その上にカルパー(酸素発生剤)コーティングして催芽処理した種子5を4〜6粒入れ、さらにその上に培土4を覆土し鎮圧して苗床6を作る。このような複数の苗床を収容した苗床枠を約30℃で3日間程度保持し、種子から芽が10mm程度出た状態とする。そして、この芽出し処理された種子入りの苗床を苗床枠ごと苗床供給機1の後述する苗床供給部に装填する。小室2,…の底部には切れ目の付いた小孔2aが形成されており、苗床供給部では、この小孔から小室内にエアを吹き込んで苗床枠から苗床を取り出し、それを土壌面に形成された播種床に供給する。苗床供給作業を行う前に培土に水を含ませておくと、苗床枠から苗床を取り出しやすい。
【0009】苗床供給機1は、機体の対地高さを決める基準となる左右一対の基準輪10,10、土壌面に播種床Aを形成するための左右一対の土寄せディスク11,11と土掻上装置12と鎮圧板13、苗床枠3から苗床6を取り出して前記播種床に供給する苗床供給部14、苗床供給後の播種床Aを鎮圧する鎮圧輪15、苗床受渡し位置の側条に施肥する施肥装置16等を備えている。機体の前部には3点ヒッチ17が設けられ、図6に示すように、該3点ヒッチにトラクタTのトップリンクL1及び左右一対のロアリンクL2,L2の後端部を連結し、トラクタTで牽引して使用される。使用時には、トラクタTのPTO軸から苗床供給機1の中継ケース18に動力が伝達され、該中継ケースから土掻上装置12、苗床供給部駆動ケース19、及びコンプレッサ70bに伝動される。
【0010】基準輪10,10は、3点ヒッチ17のロアリンク連結フレーム17a,17aに上下取付高さ調節可能に取り付けた基準輪支持パイプ20,20の下端部に回転自在に支持されている。トラクタTに苗床供給機1を連結した状態において、基準輪10,10が土壌面に接地して苗床供給機の機体重量の一部を受け、機体の進行に伴い土壌面上を転動するようになっている。基準輪支持パイプ20には、基準輪10の外周部に付着した土を除去するスクレーパ20aが取り付けられている。
【0011】土寄せディスク11,11は、基準輪10,10の外側位置に前端側の間隔が広くなるように平面視ハ字形に配置され、下端部が土壌中に潜った状態となる高さに支持されている。この土寄せディスク11,11は、機体の進行によって土を内側に寄せる作用をする。各土寄せディスク11は左右フレーム21、前後フレーム22、及び上下フレーム23を介してロアリンク連結フレーム20に支持されており、これら各フレーム21,22,23は長さを段階的に調節可能で、機体に対する土寄せディスク11の左右位置、前後位置、及び上下位置を複数段階にそれぞれ複数段階に変更できるようになっている。
【0012】土掻上装置12は、左右方向の回転軸26aに複数の耕耘爪26b,…を植設した土掻上ロータ26を逆転方向(回転中心に対し耕耘爪の先端が下、前、上、後の順に移動)に回転させ、土壌表層部の土を掻き上げて砕土するようになっている。土掻上ロータ26の前方から上方にかけてロータカバー28が設けられ、土掻上ロータ26によって掻き上げられた土はこのロータカバー28の内側面に沿って後方に飛ばされる。ロータカバー28の内側面には、ゴム板29がスプリング30を介して弾力的に支持される状態で設けられている。このゴム板29を設けることにより、ロータカバー28に直接土が付着することを防止すると共に、土が当たるときの衝撃を緩和している。ゴム板29に土に当たると、ゴム板29が振動して土が落とされる。また、ロータカバー28の前端部と土壌面との間には、土掻上ロータ26が掻き上げた土が前方に飛び出すのを規制するゴムカバー31が設けられている。
【0013】鎮圧板13は、下端部が後方に湾曲し、その下端部の下面に苗床供給条数分の作溝体33,…が左右並列に等間隔で取り付けられた板で、土掻上装置12の後方に上端を支点に回動自在に設けられ、鎮圧スプリング34によって下端側が下向きに付勢されている。作業時には、土掻上装置12によって後方に飛ばされる土を鎮圧板13が受けて下方に落とし、その下方に落ちた土の上を鎮圧板13の下端部が通過することにより、表面を均平に鎮圧して播種床Aを形成すると共に8条の播種溝Bを形成する。鎮圧スプリング34の張力を変更することにより、鎮圧力を調節する。
【0014】鎮圧板13の前方には選別格子35が設けられていて、前方から飛んでくる土のうち比較的大きな塊は選別格子35の前方に落とし、細かく砕土化されたものだけが鎮圧板13まで届くようになっている。これにより、播種床Aの表面部は細かい土で被覆された状態となり、播種溝に供給された苗床の種子の出芽や苗の成育に好ましい環境が得られる。
【0015】苗床供給部14は2条ごとで1ユニットとなっていて、各ユニットは、苗床枠搬送台37に沿って苗床枠3を1ピッチづつ間欠的に搬送し、所定の取出位置Pで苗床取出装置38により苗床枠から横一列の苗床を同時に後方に取り出し、その取り出した横一列の苗床を苗床搬送装置39等により苗床ガイド40に1個づつ供給し、それを苗床ガイド40が播種溝Bに案内するようになっている。全ての苗床が取り出された空の苗床枠は苗床枠搬送台37の搬送終端部に設けた回収部41に回収される。
【0016】苗床枠搬送台37には、取出位置Pの近傍で作用する左右一対の送り爪60及び係止爪61が設けられている。送り爪60は、苗床枠搬送台37に沿って上下に往復動し、下動するときには苗床枠3の左右端縁部に小室2のピッチと同ピッチで穿設された角孔に係合し、上動するときには角孔との係合が外れて次の角孔まで乗り越すように作動する。係止爪61は、上記送り爪60の動作と連動し、送り爪60が下動する時には角孔から外れ、送り爪60が上動するときには角孔に係合して苗床枠3を支えるように作動する。これら送り爪60及び係止爪61の作動により、苗床枠搬送台37に沿って苗床枠3が1ピッチづつ間欠的に搬送される。
【0017】送り爪作動機構は、苗床供給部駆動ケース19に設けた送り爪駆動軸62に一体回転するように取り付けた駆動プレート63と、送り爪60に支持するクランクアーム64とをロッド65で連結し、苗床供給部駆動ケース19内のカム(図示せず)の作用で送り爪60が上動する方向に送り爪駆動軸62を回動させると共に、トルクスプリング66の作用で送り爪60が下動する方向に送り爪駆動軸62を回動させるようになっている。図2における符号67は、駆動プレート63に一体に取り付けられた手動送りレバーで、これを手動で前後に反復回動させて上記送り爪作動機構を作動させることにより、苗床供給作業終了時に苗床枠搬送台37に残った苗床枠を取り出すことができる。
【0018】この苗床供給機1に使用される苗床は十分に根が張っておらず、苗床枠搬送台37を搬送中に苗床枠から苗床が抜け落ちやすいので、苗床枠搬送台37の後側に苗床の抜落ち防止カバー68が設けられている。この抜落ち防止カバー68は上下方向の帯状体68aを左右並列に並べたもので、図4に示すように、帯状体68aが苗床の左右縁部を後側から受け止めて、苗床枠から苗床が抜け落ちるのを防止する。各帯状体68aは苗床の中心部を避ける位置に設けられているので、苗床から出かかった芽や葉に障害を与えない。苗床枠搬送の抵抗とならないように、苗床枠搬送台37と抜落ち防止カバー68との間に3〜4mm程度の隙間を開けておくのがよい。
【0019】苗床取出装置38は、苗床枠の横方向の小室に対し同数同ピッチで並列配置した複数個(図示例では14個)のエアノズル70を備えている。これらのエアノズル70には2個づつで共用のバルブ70aでエアの吐出を制御しており、該バルブを後記エア吹出しスイッチ70dの感知に基づき開閉することにより、コンプレッサ70bからのエアをエアノズル70から適宜タイミングで後方に吹き出すようになっている。
【0020】各エアノズル70を支持する支持体70cは、前後方向に摺動自在に支持されたスライド軸71にスプリング71aを介して取り付けられている。スライド軸71にはラック72が形成されており、そのラック72に扇形のピニオンギヤ73が噛み合っている。また、ピニオンギヤ73が取り付けられている軸74には押圧作動アーム75が一体回動するように取り付けられている。一方、苗床供給部駆動ケース19に設けた押圧駆動軸76には押圧駆動アーム77が取り付けられ、この押圧駆動アーム77と前記押圧作動アーム75とがロッド78を介して連結されている。
【0021】上記構成の押圧手段により、送り爪60による送りが停止した時点で、エアノズル70が後方に突出し、その先端が取出位置Pにある苗床枠3の小室2の底面に押し付けられる。スライド軸71の余分なスライドはスプリング71aに吸収される。エアノズル70に押されて苗床枠3が撓み、小室2の壁面部からの苗床6の分離が促進される。エアノズル70が最大突出すると、スライド軸71の後端部がエア吹出しスイッチ70dを押して該スイッチがONになり、それから若干時間(0.1〜0.2秒)が経過してからバルブ70aが開き、エアノズル70からエアが後方に吹き出される。そのエアが小孔2aから小室2内に吹き込まれて、該小室に収容されている横一列の苗床6を後方に取り出す。エアノズル70の先端と小室2の底面とが密着しているので、エアノズル70から吹き出されるエアが小室2内に効率的に供給され、苗床6の取り出しが良好に行われる。エアノズル70の先端と小室2の底面とが確実に密着するように、前述の如く、エアノズル70が最大突出してから少し時間をおいてエアを吹き出すようにしている。
【0022】取出位置Pにおける苗床枠搬送路の後側には、左右方向の支持棒79aに苗床枠3の小室と小室の左右間隔部に配置された複数の板状体79bを取り付けてなる苗床枠押え79が設けられている。この苗床枠押え79が苗床取り出し時に苗床枠3を後側から押えることにより、エア吹き出し時にエアノズル70の先端と小室2の底面との間に隙間が生じないようにしている。また、板体79bがガイドの役目をし、後方に取り出される苗床が左右に乱れ飛ぶのを防いでいる。
【0023】苗床搬送装置39は、駆動ローラ80、従動ローラ81及びテンションローラ82に巻き掛けた左右一対の横送りベルト83を備え、各横送りベルトの水平状の苗床搬送部がそれぞれ左右外側へ移動するようになっている。駆動ローラ軸84は、苗床供給部駆動ケース19から後方に突出する横送りベルト駆動軸85より、伝動チェーン86を介して駆動される。
【0024】各横送りベルト83は、取出位置Pの直下に位置し、該取出位置で取り出される横一列の苗床6,…のうちの外側から2番目乃至7番目の苗床を受け取ることのできる左右長を有している。横送りベルト83の外周部には苗床の左右位置を位置決めする突起83aが等間隔で形成されている。押出しピン70の突出時には突起83aと突起83aの間隔部に苗床6が押し出されるが、押出しピン70が後退し始める時には横送りベルト83の移動に伴い内側の突起83aが苗床6を搬送方向に押して、押出しピン70と苗床6とを分離することにより、苗床6が押出しピン70に付いて戻るのを防止している。
【0025】苗床取出装置38によって取り出される横一列の苗床のうち最外側の1個は、横送りベルト83の左右外側を通って落下し、苗床ガイド40に直接供給される。残りの中央部12個の苗床は、半分(6個)づつ左右の横送りベルト83の上にそれぞれ取り出される。そして、これら6個の苗床は横送りベルト83によって左右外側に搬送されて苗床ガイド40に順に供給される。横送りベルト83によって最後の苗床が苗床ガイド40に供給されてから、適正なタイミングで苗床取出装置38が次回の苗床取出し動作を開始する。これにより、前回の苗床取出し動作で取り出した苗床と今回の苗床取出し動作で取り出した苗床とが互いに干渉することなく、苗床ガイド40に苗床が供給されるタイミングの間隔を常に一定することができる。
【0026】鎮圧輪15は、全苗床供給条を同時に鎮圧し得る左右幅を有するローラ状の車輪で、上下に回動自在で鎮圧スプリング42によって下向きに付勢された鎮圧輪支持アーム43によって左右両端が回転自在に軸支されている。機体の進行に伴い鎮圧輪15は播種後の播種床Aの上面を転動し、播種床Aを鎮圧すると共に、播種溝B,…を埋め戻す。鎮圧力調節ハンドル44を操作して鎮圧輪15の上下位置を変更することにより、播種溝の深さを調節する。また、鎮圧輪支持アーム43には、鎮圧輪15の外周面に付着した土を除去するスクレーパ45が取り付けられている。
【0027】施肥装置16は、肥料ホッパ46内の粉粒状肥料を繰出器47,…によって一定量づつ繰り出し、それを施肥パイプ48,…を介して苗床受渡し位置の側条で、土掻上装置12によって掻き上げられる土の下側に供給するようになっている。施肥装置の繰出器47を駆動するモータ50は、鎮圧板13の角度を検出するセンサ51の検出結果に応じて出力が制御され、鎮圧板13が鎮圧作用を行っている時だけ繰出器47が作動し、鎮圧板13が鎮圧作用を行っていない時には繰出器47の作動が停止するようになっている。符号53は、肥料ホッパ46への肥料補給作業等を行うために作業者が乗ることのできるステップである。
【0028】この苗床供給機1は以上の構成で、苗床供給部14の苗床枠搬送台37に苗床枠3を搭載すると共に施肥装置16の肥料ホッパ46に肥料を入れ、乾田状態の水田内をトラクタTで苗床供給機1を牽引すると、土寄せディスク11,11、土掻上装置12及び鎮圧板13によって形成された播種床Aの底部に肥料が供給されると共に、播種床Aの播種溝B,…に苗床6が供給され、その後を鎮圧輪15で播種床Aの鎮圧及び播種溝B,…を埋め戻す。これらの作業は乾田状態で行われるので、肥料や苗床が水に流されることがなく、施肥深さ及び苗床の深さを一定に保つことができる。また、土掻上装置12に先行して土寄せディスク11,11で土を内側に寄せておくことにより、鎮圧板13に押された土が左右側方の離れた位置まで波及することがなく、圃場を往復して作業を行う場合に各行程の播種床の土の量を一定に維持できる。このように施肥及び播種作業を行った後、水田に水を入れて水稲を栽培する。
【0029】次に、図7及び図8は苗床供給部の異なる構成を表している。この苗床供給部の苗床取出装置38′は、横一列の苗床を同時に取り出すのではなく、時間差を設けて1個づつ順に苗床を取り出すようになっている。各エアノズル70はそれぞれ個別のバルブでエアの吐出が制御されるようになっていて、送り爪60の送り作動が終了したことをエア吹出しスイッチ70dが感知すると最初のエアノズル70がエアを吹き出し、以下、予めタイマに設定されている時間ごとに順番にエアノズル70がエアを吹き出す。この苗床供給部には苗床搬送装置39が設けられておらず、1個づつ順番に取り出される苗床は漏斗状の苗床ガイド40に案内されて圃場に供給される。上記のように、各苗床枠送り作動ごとに最初のエアノズル70がエアを吹き出すタイミングを更新することにより、苗床枠送り作動と苗床取出作動との間に多少のタイミングのズレがあったとしても、それが蓄積されて大きくなることがなく、常に上記両作動の適正な関係を支持できる。
【0030】図示のものは、外側から内側へ順に苗床を取り出すようになっている。したがって、最内側の苗床の次は次列の最外側の苗床を取り出すのであるが、この取り出しの間隔を前記タイマに設定されているエアの吹出し時間と同じにするには、最外側のエアノズル70が、送り爪60の送り作動中或は送り作動終了後すぐにエア吹出し可能な状態となっている必要がある。そこで、最外側のエアノズル70を次のように設けている。
【0031】すなわち、最外側のエアノズル70には他のエアノズルとは別の押圧手段が設けられており、その押圧手段のスライド軸71に摺動自在に連結された摺動アーム79に最外側のエアノズル70が取り付けられている。摺動アーム79はスプリング79aによって上方に付勢され、外力が加わらない状態では最外側のエアノズル70が他のエアノズルと同じ高さに保持されている。図の付勢手段では、エアノズル70を必要以上に強く苗床枠に押し当てないための機構として、ロッド78を押圧駆動アーム77側の部分78aと押圧作動アーム75側の部分78bとに分割し両者をスプリングケース78cを介して連結した伸縮可能な構成とし、エアノズル70に一定以上の圧力がかかると、それをスプリングケース70f内のスプリングが吸収するようになっている。また、最外側のエアノズル70の先端部には、苗床枠の小室底部に係合する凹状のパッド70aが取り付けられている。
【0032】横一列分の苗床を取り出している最中に、最外側のエアノズル70が突出作動して小室の底面に押し当てられる。横一列分の最終の苗床の取り出しが終了すると、送り爪60が送り作動して苗床枠が1ピッチ搬送される。このとき、苗床枠と共に最外側のエアノズル70は下動する。パッド70aが苗床枠の小室底部に係合しているので、最外側のエアノズル70の先端部が小室の底面から外れない。送り爪60の送り作動が終了すると、直ちに最外側のエアノズル70からエアが吹き出され、最外側の苗床が取り出される。また、他のエアノズル70も突出作動して、小室の底面に押し当てられる。そして、最外側のエアノズル70がエアを吹き出してから所定のタイマ設定時間が経過すると、外から2番目のエアノズル70がエアを吹き出す。以下同様に、所定のタイマ設定時間ごとに順番にエアが吹き出される。最外側のエアノズル70は、エアを吹き出したのち後退して小室の底面から離れ、スプリング70eの張力により他のエアノズルと同じ高さに戻される。
【0033】上記のように、送り爪60の送り作動が終了してから最外側のエアノズル70がエアを吹き出すように構成した場合は、送り爪60の苗床枠送り作動の1サイクルを前記タイマ設定時間以下にする必要がある。送り爪60の送り作動中に最外側のエアノズル70がエアを吹き出すように構成すれば、送り爪60の苗床枠送り作動の1サイクルをタイマ設定時間よりも長くすることができる。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明にかかる苗床供給機は、苗床枠内にエアを吹き込むためのエアノズルを苗床枠に押し付ける押圧手段を設けることにより、エアが苗床枠内に効率よく供給されると共に、エアノズルで苗床枠を押すことで苗床枠が撓み、苗床枠からの苗床の土離れが良くなるので、苗床枠から苗床を良好に取り出されるようになった。
【出願人】 【識別番号】596081441
【氏名又は名称】尾嶋 勝
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100083611
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 弘志
【公開番号】 特開2001−340008(P2001−340008A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−163542(P2000−163542)