トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 野菜移植機
【発明者】 【氏名】竹山 智洋

【要約】 【課題】狭い植付条間の作物に適した野菜移植機を構造コンパクトに構成する。

【解決手段】中央駆動軸(51)を中心として回転する左右のロータリケース(48)(49)と、多条植付用の複数の苗植付爪(25)を支持する爪支持ロッド(63)(61)・(64)(62)とを備え、前記ロータリケース(48)(49)のクランクアーム(57)(58)・(59)(60)に爪支持ロッド(63)(61)・(64)(62)を介し苗植付爪(25)を連結支持させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央駆動軸を中心として回転する左右のロータリケースと、多条植付用の複数の苗植付爪を支持する爪支持ロッドとを備え、前記ロータリケースのクランクアームに爪支持ロッドを介し苗植付爪を連結支持させるように構成したことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 左右一側のロータリケースのクランクアームに前爪支持ロッドを介し苗植付爪の前爪体を、他側のロータリケースのクランクアームに後爪支持ロッドを介し苗植付爪の後爪体をそれぞれ連結支持させるように構成したことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
【請求項3】 前爪支持ロッドと後爪支持ロッドとの他端側間を連結部材によって相互に連結させたことを特徴とする請求項2記載の野菜移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は苗トレイから1株分の玉ネギ、葉ネギ、白ネギなどの野菜苗を取出して圃場に植付けるようにした野菜移植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、苗載台の苗トレイから1つの苗取出爪によって取出した苗を1つの苗植付爪に受継いで1条分の苗植付けを行っているが、これら爪の作業速度には限界があって速くできないため、玉ネギなどのような植付株間(8〜10cm)の短い作物の場合、車速を遅くして(例えば0.2m/s前後)植付株間の短い作物に対応させるなどしていたが、作業能率が極めて悪いという不都合があった。
【0003】また、玉ネギなどのような植付条間(20cm以下)の狭い作物の場合、左右植付爪の駆動機構も複雑化するため左右苗植付爪を同位相駆動構成として駆動構造のコンパクト化を図る必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、中央駆動軸を中心として回転する左右のロータリケースと、多条植付用の複数の苗植付爪を支持する爪支持ロッドとを備え、前記ロータリケースのクランクアームに爪支持ロッドを介し苗植付爪を連結支持させて、ロータリケースと苗植付爪との連結構造を簡略化して植付条間の狭い多条植付構造における苗植付爪の駆動機構のコンパクトかを容易に可能とさせるものである。
【0005】また、左右一側のロータリケースのクランクアームに前爪支持ロッドを介し苗植付爪の前爪体を、他側のロータリケースのクランクアームに後爪支持ロッドを介し苗植付爪の後爪体をそれぞれ連結支持させて、左右ロータリケース間に配設する爪支持ロッドに多条用複数の苗植付爪を容易に取付けて、多条用苗植付爪の取付構造のコンパクト化を図るものである。
【0006】さらに、前爪支持ロッドと後爪支持ロッドとの他端側間を連結部材によって相互に連結させて、前及び後爪支持ロッドの他端側を連結部材によって補強して、苗植付爪の支持構造のコンパクト化と支持強度の向上を図るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は移植機の全体側面図、図2は同全体平面図、図3は移植部の側面説明図、図4は移植部の平面説明図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載する移動機体、(3)は前後スライドフレーム(4)(5)に機体(1)を左右スライド自在に支持する固定フレーム、(6)はスライドアーム(7)を介して機体(1)をスライド動作させる油圧式スライドシリンダ、(8)はミッションケース(9)からの駆動横軸(10)に左右伝動ケース(11)を介し上下揺動自在に支持する左右の後車輪、(12)は前記固定フレーム(3)の前端側にアクスルフレーム(13)を介し上下揺動自在に支持する左右の前車輪、(14)は固定フレーム(3)後端側のスイング軸(15)を介し前後車輪(12)(8)を上下揺動させる油圧式スイングシリンダ、(16)は機体(1)の後方にシャーシフレーム(17)を介し装設する苗供給装置、(18)は左右の後車輪(8)間に装設してミッションケース(9)に植付駆動ケース(19)を介して連結させる苗植付装置、(20)は畝面(M)を鎮圧する左右1対の鎮圧ローラであり、前記苗供給装置(16)の左右往復移動する苗載台(21)上の苗トレイ(22)より1株分のポット苗(N)を箸形苗取出爪(23)でもって取出し、この取出されたポット苗(N)を前記苗植付装置(18)のマルチカッタ(24)と連動して上下動するホッパ開孔形苗植付爪(25)に放出供給して、操向ハンドル(26)操作による機体(1)の走行中畝面(M)に一定間隔毎のポット苗(N)の植付け(移植)を行うように構成すると共に、機体(1)の左右スライド調節によって植付条位置の変更などを行うように構成している。
【0008】また、(27)は前記スイングシリンダ(14)を動作させて機体(1)を昇降操作する昇降レバー、(28)は植付クラッチの入切を行う植付クラッチレバー、(29)は走行速度を変速する主変速レバー、(30)は機体(1)を左右方向に位置調節するスライド調節レバー、(31)は左右後車輪(8)の駆動を停止させて機体(1)を旋回操作する左右サイドクラッチレバーである。
【0009】前記苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)は、1つの苗載台(21)の苗トレイ(22)に対し一定の間隔を有して左右に並設させ、同位相駆動して1つの苗トレイ(22)から2条分の苗取りと同時2条の苗植付けを行うと共に、各苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)における各1条分の同一爪運動軌跡(A)(B)上で180度位相を異ならせて、2回の苗取り及び苗植付けを行うように設けて、苗取速度及び苗植付速度を略2倍に増速させて高速苗取作業及び植付作業を行うように構成している。
【0010】前記苗取出爪(23)は、前記シャーシフレーム(17)側の固定ブラケットに位相調節板(32)を固定させ、一方向に等速回転させるロータリケース(33)を取出爪駆動軸(34)を介して調節板(32)に支持させ、駆動軸(34)を中心としたロータリケース(33)の180度対称位置に2つの爪ケース(35)の基端爪ケース軸(36)を取付け、これら爪ケース(35)の先端に苗取出爪(23)をそれぞれ取付けて、ロータリケース(33)の等速1回転中に同一爪運動軌跡(A)で180度位相を異ならせて、交互に苗トレイ(22)より2株分の苗(N)の取出しを行うように構成している。
【0011】また、前記取出爪駆動軸(34)は、ミッションケース(9)に連動連結する植付クラッチケースからの伝動チェン(37)に連結させて、植付クラッチのオン時に左右2組(2条分)の苗取出爪(23)を同位相で駆動して、1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行うと共に、苗植付爪(25)に同時受継ぎを行うように構成している。
【0012】さらに前記苗載台(21)は、シャーシフレーム(17)に固設する左右サイドフレーム(38)間のガイドレール(39)と横送り駆動軸(40)に左右往復動自在に支持させると共に、苗載台(21)に縦送り駆動軸(41)を介し支持する駆動スプロケット(42)と、遊転軸(43)を介し支持する遊転スプロケット(44)間に張架する縦送りチェン(45)の所定間隔毎の縦送りピンを苗トレイ(22)のポット底部間に掛合させて、苗載台(21)が左右移動終端に到達したとき縦送り軸(46)の縦送りカム(47)を介して苗トレイ(22)を1ピッチ分縦送りするように構成している。
【0013】図5乃至図10に示す如く、前記ミッションケース(9)左右両側の植付駆動ケース(19)内側にそれぞれ取付ける単一の左右ロータリケース(48)(49)両端側の2つの出力軸(50)に苗植付爪(25)を連結支持させるもので、前記左右駆動ケース(19)中央の植付駆動軸(51)に一体的にロータリケース(48)(49)を取付け、ミッションケース(9)からの出力を駆動ケース(19)内の駆動チェン(52)を介し植付駆動軸(51)に伝達してロータリケース(48)(49)を回転させると共に、該ケース(48)(49)内の駆動軸(51)に中央スプロケット(53)を遊嵌させ、中央スプロケット(53)を位相調節板(54)を介し位相調節自在に植付駆動ケース(19)に固定させ、前記ケース(48)(49)内の2つの出力軸(50)に側部スプロケット(55)を固設させ、中央スプロケット(53)のピッチ円径(D1)に対し側部スプロケット(55)のピッチ円径(D2)を1/2に設け、これらスプロケット(53)(55)間にチェン(56)を張架させ、ロータリケース(48)の1回転中に出力軸(50)をロータリケース(48)の回転方向とは逆方向に2回転させるように構成している。
【0014】また、左ロータリケース(48)を右ロータリケース(49)より一定距離(L)後方に配置させ、左右ロータリケース(48)(49)両側の2つの出力軸(50)にそれぞれ180度位相を異ならせて左右各2つのクランクアーム(57)(58)・(59)(60)の基端を固設すると共に、これらクランクアーム(57)(58)・(59)(60)先端に左右方向に略平行な4本の爪支持ロッド(61)(62)・(63)(64)の左端及び右端を回動自在に片持状に支持させ、一定距離(L)間隔を有する前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の両端側に苗植付爪(25)の前後爪体(25a)(25b)を固設して、左ロータリケース(48)から右水平方向に延設する後ロッド(61)(62)と、右ロータリケース(49)から左水平方向に延設する前ロッド(63)(64)間に2条用の苗植付爪(25)を支持させて、左右ロータリケース(48)(49)を1回転させるとき、左右2つの植付条に同時2株の植付けを行うように構成している。
【0015】また、左右苗植付爪(25)間略中央の前後ロッド(63)(61)・(64)(62)間を連結部材(65)によって一体的に連結させるもので、ロッド(61)〜(64)の左右略中間の外周に回転自在に筒軸(66)を嵌合させ、前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の筒軸(66)を連結板(67)によって固定させて、これら筒軸(66)と連結板(67)とで連結部材(65)を形成して、前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の反クランクアーム側を補強して、苗植付爪(25)の支持強度を向上させるように構成している。
【0016】さらに、前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の左端側で苗植付爪(25)とクランクアーム(57)(58)間に爪開閉前後アーム(68)(69)の中間部を固設させ、後アーム(69)の一端側に枢支するローラ(70)を前アーム(68)の一端側に形成する長孔(71)に係合連結させ、前後アーム(68)(69)の他端側間に引張バネ(72)を張設して、前後爪体(25a)(25b)に閉方向のバネ力を付勢すると共に、後アーム(69)の他端外側の取付台(73)にストッパボルト(74)を突出長さ調節自在に固定させ、前アーム(68)の他端外側のストッパ(75)とボルト(74)とを前記バネ(72)力で当接させるとき、前後爪体(25a)(25b)の先端側を下向きとした定常姿勢で閉保持するように構成している。
【0017】そして前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の何れか一方に固設する開閉カム(図示せず)の作用で前後アーム(68)(69)の何れか一方をバネ(72)力に抗する方向に回動させて爪体(25a)(25b)を開放状態とさせて爪体(25a)(25b)内に保持する苗(N)を畝面(M)に放出するように構成している。
【0018】このように、左右ロータリケース(48)(49)の1回転中に前後ロッド(63)(61)・(64)(62)間に取付ける左右各2つの苗植付爪(25)を縦長の同一楕円植付軌跡(B)上で180度位相を異ならせて上下運動させるもので、図10に示す如くロータリケース(48)(49)が横長姿勢となるとき、先端側を内方向に各クランクアーム(57)(58)・(59)(60)を水平とさせて、左右各2つの苗植付爪(25)をケース(48)(49)中心部の略同一高さ位置で近接させ、図8に示す如くロータリケース(48)(49)が縦長姿勢となるとき、先端側を外方向に各クランクアーム(57)(58)・(59)(60)を起立させて、左右各2つの苗植付爪(25)の一方を植付軌跡(B)の最上動位置に位置させて苗取出爪(23)からの苗(N)の受継ぎを行う一方、他方の苗植付爪(25)を植付軌跡(B)の最下動位置に位置させて受継ぎ苗(N)の放出を行って、1条分の苗(N)の植付けを行うように構成している。
【0019】本実施例は上記の如く構成するものにして、単一の左右ロータリケース(48)(49)を前後に一定距離(L)位置をずらして配設し、これらケース(48)(49)の両側よりクランクアーム(57)(58)・(59)(60)を介し内方に臨ませる前後ロッド(63)(61)・(64)(62)間に苗植付爪(25)の前後爪体(25a)(25b)を取付けて、該ロータリケース(48)(49)の1回転中に左右各2つの苗植付爪(25)によって、同一植付軌跡(B)上で180度位相を異ならせて左右2つの植付条に同時2株の苗植付を行うように設けて、コンパクトな苗植付構造のもので従来より略2倍に植付速度を増速させた高速植付けを可能とさせるもので、植付条間が20cm以下の狭い条間の多条植付構造において、各条毎の苗植付爪(25)の駆動機構を必要とすることなく、左右ロータリケース(48)(49)間に配設する前後ロッド(63)(61)・(64)(62)に必要とする多条数だけの苗植付爪(25)を容易に設置して構造のコンパクト化を可能とさせるものである。またクランクアーム(57)(58)・(59)(60)の取付位置より離れた前後ロッド(63)(61)・(64)(62)の自由端側は連結部材(65)で相互に一体連結させることによって強度を補強して、苗植付爪(25)に対する支持強度を向上させるもので、2条以上多条用として苗植付爪(25)を多数取付ける場合各爪(25)間に設ける構成が望ましい。
【0020】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、中央駆動軸(51)を中心として回転する左右のロータリケース(48)(49)と、多条植付用の複数の苗植付爪(25)を支持する爪支持ロッド(63)(61)・(64)(62)とを備え、前記ロータリケース(48)(49)のクランクアーム(57)(58)・(59)(60)に爪支持ロッド(63)(61)・(64)(62)を介し苗植付爪(25)を連結支持させるものであるから、ロータリケース(48)(49)と苗植付爪(25)との連結構造を簡略化して植付条間の狭い多条植付構造における苗植付爪の駆動機構のコンパクト化を容易に可能とさせることができるものである。
【0021】また、左右一側のロータリケース(49)のクランクアーム(59)(60)に前爪支持ロッド(63)(64)を介し苗植付爪(25)の前爪体(25a)を、他側のロータリケース(48)のクランクアーム(57)(58)に後爪支持ロッド(61)(62)を介し苗植付爪(25)の後爪体(25b)をそれぞれ連結支持させるものであるから、左右ロータリケース(48)(49)間に配設する爪支持ロッド(61)(62)・(63)(64)に多条用複数の苗植付爪(25)を容易に取付けて、苗植付爪(25)の取付構造のコンパクト化を図ることができるものである。
【0022】さらに、前爪支持ロッド(63)(64)と後爪支持ロッド(61)(62)との他端側間を連結部材(65)によって相互に連結させたものであるから、前及び後爪支持ロッド(63)(64)・(61)(62)の他端側を連結部材(65)によって補強して、苗植付爪(25)の支持構造のコンパクト化と支持強度の向上を図ることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年5月9日(2000.5.9)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2001−314104(P2001−314104A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−135512(P2000−135512)