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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】芝田 哲男

【氏名】石飛 芳夫

【要約】 【課題】走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機において、ロータによる水の持ち回りを減少させて、隣接した既植付苗への水押し等の影響を少なくする。

【解決手段】ロータ5の上方に、ロータ5を覆うロータカバー22を設けると共に、上記ロータ5とロータカバー22との隙間を、側面視におけるロータ5の回転方向に対して拡開状に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機において、上記ロータの上方に、ロータを覆うロータカバーを設けると共に、上記ロータとロータカバーとの隙間を、側面視におけるロータの回転方向に対して拡開状に構成したことを特徴とする移植機。
【請求項2】走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機において、上記ロータの上方に、ロータを覆うロータカバーを設けると共に、上記ロータとロータカバーとの隙間を、平面視における走行機体の車輪跡に向けて拡開状に構成したことを特徴とする移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機に係り、特に、ロータによる水の持ち回りを少なくして隣接苗への水押し等の影響をなくした移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用田植機等の移植機には、 走行機体に連結した移植装置の前方に、対地作業用のロータを取付けて移植作業と併せて代掻き作業等を行えるようにしたものがある。
【0003】このようなロータには、上方を覆うロータカバーが設けてあって、ロータの回転により前面にある水を後方に排出するようになっている。
【0004】ところがが、従来のロータは、図5で示すようにロータaとロータカバーbとの隙間が一定であったため、ロータaの回転によって持ち上げられた水がそのままロータaとロータカバーbとの隙間を持ち回られることが多くなり、このため、後方に排出されない水がロータaの前面に溜まり、この水が側方の矢印О方向に流出して、隣接した既植付苗Pへの水押し等を生じて移植作業に支障を及ぼすという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題を解消すべく創作されたものであって、走行機体に連結した移植装置の前面に対地作業用のロータを設けた移植機において、ロータの回転による水の持ち回りを少なくして隣接した既植付苗への水押し等の影響をなくすことにより、一層整然とした移植作業を行うことができる移植機を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機において、上記ロータの上方に、ロータを覆うロータカバーを設けると共に、上記ロータとロータカバーとの隙間を、側面視におけるロータの回転方向に対して拡開状に構成したことを特徴とし、また、上記ロータとロータカバーとの隙間を、平面視における走行機体の車輪跡に向けて拡開状に構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、添付した一実施例の図面に基いて詳細に説明する。まず図1において、1は移植機として例示する乗用田植機であって、該乗用田植機1は、走行機体2の後部に移植装置3を備えた植付部4が昇降自在に連結され、移植装置3の前方には、対地作業用のロータ5が配設されていて、移植作業と同時に代掻き作業等を行うようになっている。
【0008】上記走行機体2は、前輪6、後輪7を備えた機体フレーム8の前部にエンジン部9が搭載され、その後方に運転操作部10、運転座席11等が配設されており、走行機体2の後部には、アッパリンク12およロアリンク13等からなるリンク機構14を介して植付部4が昇降自在に装着されている。
【0009】上記植付部4には、左右横送りされる苗載台15が前高後低状に架設されており、苗載台15の下方に配設された植付フレーム16に、プランタ17を備えたプランタケース18を並列状に固定することにより、複数列の移植装置3が形成されている。また、プランタケース18の下方には複数のフロート19が上下動自在に装着されていて、機体の走行に伴ってフロート19が田面を滑走し、植付け作動するプランタ17が苗載台15から苗を掻取って田面に植付るようになっている。
【0010】そして、移植装置3の前方には、前記対地作業用のロータ5が配設されている。上記ロータ5は、回転軸20で回転駆動されるロータ部21と、これを覆うロータカバー22とで構成されているが、図2で示すように、ロータ部21は、中央側ロータ部23、23と左右端側ロータ部24、24とに分割形成されている。
【0011】25、25は、上記ロータ5の支持軸であって、この支持軸25、25が、前記植付フレーム16の前面にブラケット26を介して固定した軸受部27に、上下動自在に挿通されており、支持軸25、25の上部側が調節機構28に連動連結されている。29はロータ5への動力伝動軸、30は伝動ケースである。
【0012】そして上記ロータカバー22は次のように構成されている。すなわち、図3に示すように、矢印(イ)方向に回転するロータ部21の上方が断面円弧状のロータカバー22で覆われているが、ロータカバー22とロータ部21との隙間が、側面視においてロータ部21の回転方向に対して回転下手側ほど拡開状に形成されていて、ロータ5の後面側となる回転上手側の隙間Aよりもロータ5の前面側となる回転下手側の隙間Bのほうが広くなっていて、回転するロータ部21で持ち上げられた水が容易に排出されるようになっている。
【0013】また、従来のロータカバーは支持軸の位置で分割されていたが、本発明のものは、ロータカバー22を貫通して支持軸25、25を設けることにより、ロータカバー22を一体化すると共に、ロータカバー22の固定ボルト31がロータカバー22の内側に設けられている。
【0014】また図4に示すものは、ロータとロータカバーとの隙間を、平面視における走行機体2の車輪跡に向けて拡開状に形成したものである。すなわち、ロータ全体が中央側ロータ部32、32と左右端側ロータ部33、33とに分割形成され、その分割位置に支持軸25を取付る所定の間隙が形成されており、この間隙の位置と、二点鎖線で示した走行機体2の車輪跡Sとが略一致している。
【0015】またロータカバーは、上記中央側ロータ部32および左右端側ロータ部33とに対応すべく中央側ロータカバー34と左右端側ロータカバー35とに分割されている。そして、上記ロータカバー34、35とロータ部32、33との隙間が、それぞれ平面視において車輪跡Sに向けて開口する車輪跡側の隙間Cのほうが、他端側の隙間Dよりも大きく形成されていて、回転するロータ部32、33で持ち上げられた水を車輪跡Sに向けて積極的に流入させるようになっている。
【0016】なお、大型化した移植機では、植付部の両側部を折り畳み可能としているが、上記図4で示したものは、左右端側ロータ33、33を植付部の両側部に連動する支軸36によって折り畳み可能としたものである。
【0017】上記のように構成したので、移植作業を行うに当たり、移植装置3の前方に設けたローター5により、移植作業と併せて代掻き等の対地作業を行うことができる。
【0018】このとき回転するロータ部21がロータカバー22との間に水を持ち上げても、ロータカバー22とロータ部21との隙間が、ロータ部21の回転方向に向けて広くなっているので、持ち上げられた水は持ち回り等を生ずることなく直ちに排出される。このため後方に排出されない水がロータの前面に溜まって、隣接する既植付苗への水押し等が生ずるのを少なくすることができる。
【0019】また、ロータとロータカバーとの隙間を、走行機体2の車輪跡Sに向けて拡開状に構成したものでは、持ち上げられた水の持ち回りを減少させて、隣接する既植付苗への水押し等の影響を少なくすることができ、しかも持ち上げられた泥水を積極的に車輪跡Sに流入させて、流入した泥土によって車輪跡Sを消すことができる。
【0020】また、ロータカバー22を貫通して支持軸25、25を設けたものでは、ロータカバー22の一体化により、強度の確保と部品点数の削減を図ることができ、さらに、ロータカバー22の固定ボルト31をロータカバー22の内側に設けることにより、外観を良好にすることができる。
【0021】
【発明の効果】これを要するに本発明は、走行機体に連結した移植装置の前方に対地作業用のロータを設けた移植機において、上記ロータの上方に、ロータを覆うロータカバーを設けると共に、上記ロータとロータカバーとの隙間を、側面視におけるロータの回転方向に対して拡開状に構成し、また、上記ロータとロータカバーとの隙間を、平面視における走行機体の車輪跡に向けて拡開状に構成したことから、回転するロータで持ち上げられた水は、ロータの回転方向に拡開するロータとロータカバーとの隙間から容易に排出されるので、水の持ち回りが減少して隣接する既植付苗への水押し等の影響を少なくすることができる。
【0022】また、ロータとロータカバーとの隙間が走行機体の車輪跡に向けて拡開するものでは、回転するロータで持ち上げられた水が車輪跡に向かって積極的に排出されるので、水の持ち回りが減少して隣接苗への水押し等の影響を一層少なくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年4月24日(2000.4.24)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−299019(P2001−299019A)
【公開日】 平成13年10月30日(2001.10.30)
【出願番号】 特願2000−122148(P2000−122148)