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【発明の名称】 施肥機
【発明者】 【氏名】畑山 至

【氏名】近藤 健一

【要約】 【課題】走行機体に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降自在の作業部との間に複数条の施肥管を配置したものであっても、作業部を昇降させたときに、施肥管に無理な力が作用して損傷したり、あるいは植付深さ調節レバー等に施肥管が引っ掛ったりすることなく、円滑に施肥作業を行うことができるようにする。

【解決手段】施肥管25をインジケーター16の位置からそれぞれ後方下方の作業部3向けて走行機体2の後部両側を略直線状に下降させると共に、上記施肥管25の先端を機体幅方向に並列した複数の施肥ノズル4に連結して、インジケーター16と作業部3との間の施肥管25を可及的に短くなるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降自在の作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記施肥管をインジケーターの位置からそれぞれ後方下方の作業部に向けて機体の後部両側を略直線状に下降させると共に、上記施肥管の先端を機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに連結して、インジケーターと作業部との間の施肥管を可及的に短くなるように構成したことを特徴とする施肥機。
【請求項2】走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降かつ折畳み可能な作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記インジケーターから作業部に向けて下降させた施肥管を、機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに着脱自在に連結して、作業部の折畳み時には、施肥ノズルから取外した施肥管を、作業部側に巻回係止可能に構成したことを特徴とする施肥機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用型の施肥田植機等のように、走行機体に連結した昇降自在の作業部に、複数の施肥ノズルを設けた施肥機では、走行機体に設けたインジケーターと、作業部に設けた施肥ノズルとの間を複数条の施肥管で連通連結している。
【0003】ところで、このような作業部は、アッパーリンクおよびロアリンクからなる昇降リンク機構を介して走行機体に連結されているので、施肥管を配索するに当り、従来は図6に示すように、複数条の施肥管aをインジケーターbの直後からリンク機構cの前端側を垂直状に下降させ、次いでロアリンクdに沿わせて後方に延出し、その先端側を側方に屈曲させて機体幅方向に並列した施肥ノズルeに連結している。
【0004】このため、インジケーターbの直後とロアリンクdの基端部で施肥管aが急激に屈曲するので、作業部を昇降させたときには、急激な屈曲点(C)、(C)およびこの屈曲点(C)、(C)に挟まれた垂直部分(S)に無理な力が作用して施肥管aが損傷する惧れがあり、しかもロアリンクの後端から施肥ノズルに至る施肥管が作業部にある植付深さ調節レバー等に引っ掛ることがあった。
【0005】また、機体の中央部にあるロアリンクの後端から機体幅方向に並列した施肥ノズルに施肥管を連結すると、各施肥ノズルまでの距離がそれぞれ異なるので、施肥管の長さ変化が大きくなって管抵抗にムラを生ずることがあった。
【0006】そして、昇降自在の作業部を折畳み可能とした施肥機では、作業部を折畳む際に、施肥管も取外さなければならないが、従来は、施肥ノズルの所で施肥管を切離すだけであっため、切離したあとの施肥管がそのまま機体側に残って機体走行時等の邪魔になっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き実情に鑑み創作されたものであって、その目的とするところは、走行機体に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降自在な作業部との間を、複数条の施肥管で連結したものであっても、作業部を昇降させたときに、施肥管に無理な力が作用して損傷したり、あるいは作業部にある植付深さ調節レバー等に引っ掛ったりすることなく、円滑に施肥作業を行うことができ、また、作業部を折畳む際には、施肥ノズルから取外した施肥管を無理なく格納することができる施肥機を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降自在の作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記施肥管をインジケーターの位置からそれぞれ後方下方の作業部に向けて機体の後部両側を略直線状に下降させると共に、上記施肥管の先端を機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに連結して、インジケーターと作業部との間の施肥管を可及的に短くなるように構成したことを特徴とし、また、 走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降かつ折畳み可能な作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記インジケーターから作業部に向けて下降させた施肥管を、機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに着脱自在に連結して、作業部の折畳み時には、施肥ノズルから取外した施肥管を、作業部側に巻回係止可能に構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添付した図面に基いて詳細に説明する。まず図1、図2において、1は施肥機として例示した乗用型の施肥田植機であって、走行機体2の後部に作業部3としての植付作業機が昇降自在に連結され、該作業部3には土中施肥する施肥ノズル4が並列状に配設されていて複数条に施肥を行うようになっている。
【0010】上記走行機体2は、前輪5、後輪6を備えた機体フレーム7の前部にエンジン部8が搭載され、その後方に運転操作部9、運転座席10等が配設されており、走行機体2の後部には、アッパリンク11およびロアリンク12等からなるリンク機構13を介して作業部3が昇降自在に連結されている。
【0011】14は機体フレーム7の前部両側に設けた肥料タンクであって、該肥料タンク14の下方側に多軸式の施肥ポンプ15が連通連結されており、該施肥ポンプ15の吐出口が走行機体2の後部両側に設けたインジケーター16、16に複数条の連結管17を介して連結されている。18、18…は連結管17の止め金具、19は戻し配管である。
【0012】また作業部3には、左右横送りされる苗載台20が前高後低状に架設され、該苗載台20の下方に設けた左右方向の植付フレーム21には、複数のプランタケース22が並設固定されている。23はプランタケース22の後端に装着したロータリ式のプランタである。そして上記プランタケース22の下方には複数のフロート24が上下動自在に装着されていて、機体の走行に伴ってフロート24が田面を滑走し、植付け作動するブランタ23が苗載台20から苗を掻取って田面に植付けるようになっている。
【0013】本実施例のものは、上記フロート24が機体幅方向に5列配設されており、各フロート24の両側に、それぞれ後方下方に延出する施肥ノズル4が並列状に設けられ、この施肥ノズル4から10条に施肥するようになっている。そして上記施肥ノズル4が複数条の施肥管25によってインジケーター16、16に連通連結されているが、上記施肥管25は次ぎのように配置構成されている。
【0014】すなわち、走行機体2の後部両側に設けたインジケーター16、16の下手側に、それぞれ複数条の施肥管25を連結し、この施肥管25をインジケーター16の位置から後方下方の作業部3に向けて大きく湾曲させ、ついで機体の後部両側を通ってフロート24の近傍まで略直線状に下降させる。そして、下降した施肥ノズル4の先端側を機体幅方向に屈曲延出して、並列した施肥ノズル4にそれぞれ取付具26を介して着脱自在に連結されている。
【0015】このように、インジケーター16から施肥ノズル4までの施肥管25には、急激な屈曲点がなく、また、インジケーター16の位置から後方下方に大きく湾曲させたあとは、作業部3までを最短距離となる略直線状とすることにより、インジケーター16と作業部3との間の施肥管25が可及的に短くなっている。
【0016】また、図3、図4は走行機体に連結される昇降自在な作業部を折畳み可能としたものが示されている。すなわち、植付フレーム21に固定した中央側プランタケース22の左右両側端には、左右のプランタケース22aが配置されている。上記左右のプランタケース22aには、その移植姿勢で後方上方に延設した支持アーム27が設けられ、また、中央側プランタケース22には、左右端にあるプランタケース22から、後方上方に延設した支持アーム28が設けられている。そして両支持アーム27、28の先端を、略45度に傾斜した支軸29を介して回動自在に連結支持することにより、左右プランタケース22aが、中央側プランタケース22に対して左右方向一列状になる移植姿勢と、前記支軸29を軸心として後方上方に回動する格納姿勢とに折り畳み可能となっている。 21aは左右プランタケース22aの前端部を支持する左右植付フレームである。
【0017】また、苗載台20も、その両側端に位置する左右苗載台20aが、中央側の苗載台20に対して後方に折り畳み可能となっている。すなわち、左右苗載台20aの背面中央部と中央側の苗載台20の側端部とが、上下に回動するリンク機構30を介して連結されており、上記リンク機構30の回動により、左右の苗載台20aを中央側の苗載台20に対して面一状になる移植姿勢と、中央側苗載台20の後方に重なり合う格納姿勢とに折り畳み可能となっている。
【0018】上記のように作業部3を折畳む際には、施肥管25も施肥ノズル4から取外す必要があるが、中央側苗載台20の裏面側には、取外した施肥管25を巻回係止するクランプ31が設けられている。上記クランプ31は施肥管25を受け板32に弾圧係止する板スプリング33で構成されている。上記板スプリング33は、基端部が受け板32に固定され、先端側が弾性で開閉して、施肥管25を係止するようになっている。
【0019】そして上記クランプ31は、取外した施肥管25を巻回して格納し易いように、板スプリング33を施肥管25の曲がる方向に沿って斜めに取付けると共に、板スプリング33の開閉する側を、施肥管25が弾性によって広がろうとする方向、すなわち図4の矢印P方向と逆向きに配置することで、係止した施肥管25がクランプ31から不用意に外れるのを防止して機体輸送時等の安全を確保している。
【0020】また、作業部3の昇降時、あるいは折り畳み時に施肥管25を一層容易に追従させるため、施肥管25には、耐圧性のある柔軟ホースが使用されており、さらに、小さなRで屈曲している戻し配管19等には、柔軟性があり、しかも配索時に折れやつぶれが起りにくい材質のホースを使用することが望ましい。
【0021】なお、従来のインジケーターには、図5の(ロ)で示すように、切替レバーAを後方に向けた施肥作業、上方に向けた施肥作業停止及び下方に向けた洗浄作業に切替えるようになっているが、本発明のインジケーター16は、特に、肥料タンク14に水を入れ、高速で施肥ノズル4から吐出させて施肥管25を洗浄する等の手段を採用することにより、図5の(イ)で示すように切替レバー16aを下方に向ける洗浄作業をなくしてインジケーター16の構造簡素化を図っている。
【0022】上記のように構成してあるので、機体の走行に伴って植付作動するプランタ23が苗載台20から苗を掻取って田面に植付けると共に、機体幅方向に並列した施肥ノズル4から複数条に土中施肥する。
【0023】そして、作業部3を昇降させても、インジケーター16の位置から大きく湾曲せてから作業部3に向けて略直線状に下降させた施肥管25には、急激な屈曲点がないので、施肥管25に無理な力が作用して損傷するようなことはなく、また可及的に短くした施肥管25は、大きく弛むことはないので、作業部3ある植付深さ調節レバーのような操作レバー等との引っ掛かりを未然に防止することができる。
【0024】また、走行機体2の後部両側にあるインジケーター16から、作業部3に向けて機体の後部両側を通って下降させた施肥管25は、その先端から機体幅方向に並列した施肥ノズル4までの長さが大きく変化しないので、各施肥管の管抵抗が略均一化されてムラのない施肥作業を行うことができる。
【0025】そして作業部3を折畳む際には、施肥ノズル4ら取外した施肥管25を巻回して、苗載台20の裏面側に設けたクランプ31で係止することができるので、無理なく作業部3に格納できて、機体走行時等の邪魔になることはない。
【0026】
【発明の効果】これを要するに本発明は、走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降自在の作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記施肥管をインジケーターの位置からそれぞれ後方下方の作業部に向けて機体の後部両側を略直線状に下降させると共に、上記施肥管の先端を機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに連結して、インジケーターと作業部との間の施肥管を可及的に短くなるように構成し、また、走行機体の後部両側に設けたインジケーターと、走行機体に連結した昇降かつ折畳み可能な作業部との間に施肥管を配置して複数条に施肥を行う施肥機であって、上記インジケーターから作業部に向けて下降させた施肥管を、機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルに着脱自在に連結して、作業部の折畳み時には、施肥ノズルから取外した施肥管を、作業部側に巻回係止可能に構成したことから、作業部を昇降させても、インジケーターの位置から作業部に向けて略直線状に下降している施肥管には、無理な力が作用することはなく、しかも可及的に短く配置された施肥管は、作業部にある操作レバー等との引っ掛かりを未然に防止することができる。
【0027】そして機体の後部両側を下降した施肥管は、機体幅方向に並列した複数の施肥ノズルまでの長さ変化が少なくなるので、各施肥管の管抵抗が略均一化されてムラのない施肥作業を行うことができる。
【0028】また、作業部の折り畳み時には、施肥ノズルから取外した施肥管を、作業部側に巻回係止して無理なく格納することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年4月12日(2000.4.12)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−292609(P2001−292609A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−110657(P2000−110657)