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【発明の名称】 播種装置
【発明者】 【氏名】川村 雄造

【要約】 【課題】同一構成のものを使用しながらも、播種ピッチを変更することができるだけでなく、播種能率を高め所望の播種位置へ精度よく播種できる播種装置を提供する点にある。

【解決手段】苗床1を移動させるための移動手段3を設け、播種機2を、連続回転又は間欠的に駆動回転自在な回転部4と、この回転部4に、種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給するために設けられた播種部5とから構成し、回転部4の回転速度を検出する回転速度検出手段48と、苗床の移動速度を検出する移動速度検出手段47とを設け、播種部5が落下供給位置に位置したときの回転部4の回転速度を移動する苗床に同期するように調節するための速度調節手段49を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗床と、この苗床上に播種していくための播種機と、それら苗床及び播種機のうちの少なくとも一方を移動させるための移動手段とを設け、前記播種機を、連続回転又は間欠的に駆動回転自在な回転部と、この回転部に、種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給するために設けられた播種部とから構成し、前記回転部の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記苗床及び播種機のうちの移動しているものの移動速度を検出する移動速度検出手段とを設け、前記播種部が落下供給位置に位置したときの前記回転部の回転速度を移動する苗床又は播種機又はそれら両方の移動速度に同期又はほぼ同期するように調節するための速度調節手段を設けたことを特徴とする播種装置。
【請求項2】 前記播種部が、種子を貯留しておくための貯留部内の種子を吸着して苗床上に播種するための吸着ノズルからなり、前記吸着ノズルを前記間欠的に回転する回転部に設け、前記吸着ノズルが所定回転位置に位置したとき又は位置する直前に該吸着ノズルの下方に前記貯留部を移動させた種子供給位置と吸着後において前記種子供給位置から前方又は後方又は左右に移動して該吸着ノズルから退避した退避位置とに該貯留部を前後又は左右に移動可能に構成し、前記吸着ノズルの下方に前記貯留部が位置している状態では、前記回転部の回転を停止するように構成してなる請求項1記載の播種装置。
【請求項3】 前記苗床の上手側基準端部に位置したことを検出する検出手段を設け、この検出手段からの検出情報に基づいて前記速度調節手段により前記回転部の回転速度を調節してなる請求項1又は2記載の播種装置。
【請求項4】 前記吸着ノズルを、ケーシングを構成するマニホールド内に配置されたシリンダチューブと、このシリンダチューブ内に上下移動自在に設けられたピストンと、このピストンの下端に設けられたクリーニング用のニードルと、このニードルの下降に伴って該ニードルが挿通可能で、かつ、種子を吸着可能な筒状の吸着ノズル部とから構成してなる請求項2記載の播種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種子を能率よく播くことができる播種装置に関し、詳しくは、苗床及び苗床に種子を播くための播種手段のうちの少なくとも一方を移動させながら種子を能率よく播くことができる播種装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記播種装置としては、例えば図9に示すものが一般的である。つまり、種子を貯留しているホッパー60と、このホッパー60の下方に配置され、かつ、外周面に種子が入り込む凹部61Aが多数形成された回転ドラム61と、苗床が入った育苗箱62を図9において右側へ搬送するベルトコンベア63とからなり、ベルトコンベア63にて搬送される育苗箱62上に、回転ドラム61を反時計周りに回転させることにより各凹部61Aに入り込んだ種子Sを供給するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の播種装置は、ベルトコンベア63の搬送速度及び回転ドラム61の回転速度が一定であるため、育苗箱62上に播かれる種子同士の間隔(播種ピッチ)が常に一定になり、この状態では種子の種類等に応じて種子同士の間隔(播種ピッチ)を変更することができず、例えば外周面に形成された凹部61A同士のピッチが異なる回転ドラム61に交換しなければならない手間が発生するだけでなく、複数種類の回転ドラム61を必要とするコスト面において不利になるものであった。又、移動している育苗箱62の移動速度に同期させた速度に回転ドラム61の回転速度を設定していないことと、回転する回転ドラム61から放物線を描きながら種子が落下することから、育苗箱62の所望位置に精度よく種子を播くことができないものであった。又、種子を播く速度を速くすることができないことから、必要以上に播種の能率を高めることができないものであった。
【0004】本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、同一構成のものを使用しながらも、播種ピッチを変更することができるだけでなく、播種能率を高め所望の播種位置へ精度よく播種できる播種装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の播種装置は、前述の課題解決のために、苗床と、この苗床上に播種していくための播種機と、それら苗床及び播種機のうちの少なくとも一方を移動させるための移動手段とを設け、前記播種機を、連続回転又は間欠的に駆動回転自在な回転部と、この回転部に、種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給するために設けられた播種部とから構成し、前記回転部の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記苗床及び播種機のうちの移動しているものの移動速度を検出する移動速度検出手段とを設け、前記播種部が落下供給位置に位置したときの前記回転部の回転速度を移動する苗床又は播種機又はそれら両方の移動速度に同期又はほぼ同期するように調節するための速度調節手段を設けたことを特徴としている。従って、回転部を回転させることによって、播種部にて種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給するのである。そして、例えば、苗床が搬送されている場合には、移動速度検出手段からの苗床の移動速度検出情報と回転速度検出手段からの回転部の回転速度検出情報に基づいて、落下供給位置に位置したときの回転部の回転速度と苗床の搬送速度とを同期又はほぼ同期させることによって、従来のように放物線を描くことなく、種子を苗床の所望位置に精度よく確実に落下供給することができる。
【0006】前記播種部が、種子を貯留しておくための貯留部内の種子を吸着して苗床上に播種するための吸着ノズルからなり、前記吸着ノズルを前記間欠的に回転する回転部に設け、前記吸着ノズルが所定回転位置に位置したとき又は位置する直前に該吸着ノズルの下方に前記貯留部を移動させた種子供給位置と吸着後において前記種子供給位置から前方又は後方又は左右に移動して該吸着ノズルから退避した退避位置とに該貯留部を前後又は左右に移動可能に構成し、前記吸着ノズルの下方に前記貯留部が位置している状態では、前記回転部の回転を停止するように構成している。吸着ノズルが所定回転位置に位置したとき又は位置する直前に、貯留部が種子供給位置に移動し、吸着ノズルが貯留部内の種子を吸着する。このとき、吸着ノズルは停止状態になっている。次に、貯留部が種子供給位置から退避位置に移動して吸着ノズルの回転移動を許容する状態になり、吸着ノズルの移動が再開されるのである。
【0007】前記苗床の上手側基準端部に位置したことを検出する検出手段を設け、この検出手段からの検出情報に基づいて前記速度調節手段により前記回転部の回転速度を調節することによって、回転部の回転速度を調節する時期(タイミング)がずれることがなく、最適にすることができる。
【0008】前記吸着ノズルを、ケーシングを構成するマニホールド内に配置されたシリンダチューブと、このシリンダチューブ内に上下移動自在に設けられたピストンと、このピストンの下端に設けられたクリーニング用のニードルと、このニードルの下降に伴って該ニードルが挿通可能で、かつ、種子を吸着可能な筒状の吸着ノズル部とから構成している。種子を吸着させる場合には、ケーシングを構成するマニホールド内のエアを吸引することによって、ピストンを上昇させて吸着ノズル部に種子を吸着させる。又、前記吸着した種子を落下供給させる場合には、ケーシングを構成するマニホールド内のエアを吸着ノズル部の下端開口から外部に排出することによって、吸着ノズル部に吸着している種子を排出すると共に、ニードルが吸着ノズル部内を挿通して吸着ノズル部内に付着した土や塵等を外部に排出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2に、本発明の播種装置が示されている。この播種装置は、苗床が収納された育苗箱1と、この育苗箱1内の苗床上に播種していくための播種機2と、前記育苗箱2を移動させるための移動手段としてのベルトコンベア3とを設け、前記播種機2を、間欠的に駆動回転自在な回転部4と、この回転部4に、種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給するために設けられた播種部5とから構成している。そして、図7に示すように、前記ベルトコンベア3を駆動する電動モータ50の回転数を検出するセンサ(図示せず)からの検出情報に基づいて前記苗床の移動速度を演算する移動速度検出手段47と、後述の駆動部36に設けた電動モータ(図示せず)の回転数を検出するセンサ(図示せず)からの検出情報に基づいて回転部4の回転速度を演算する回転速度検出手段48と、これら2つの検出手段47,48からの検出情報に基づいて前記播種部5が落下供給位置に位置したときの前記回転部4の回転速度を移動する育苗箱2の移動速度に同期又はほぼ同期するように調節するための速度調節手段(制御装置内に設けている)49を設けている。つまり、播種部5が落下供給位置に位置したときの回転部4の回転速度と移動する育苗箱2の移動速度とが同一又はほぼ同一になるように2つの検出手段47,48からの検出情報に基づいて駆動部36に設けた電動モータ(図示せず)及びベルトコンベア3を駆動する電動モータ50に制御装置49から駆動信号を出力するようにしている。前記移動速度検出手段47として、ベルトコンベア3を駆動する電動モータ50の回転数を検出するセンサ(図示せず)から構成する他、例えばベルトコンベア3の上面のうちの播種予定の育苗箱1よりも移送上手側位置にダミー用の育苗箱を置いておき、このダミー用の育苗箱を移動させたときにこの育苗箱の移送方向上手側端部及び移送方向下手側端部を検出するセンサを設け、このセンサ(1個でも2個でもよい)からの検出情報に基づいて、育苗箱の通過時間を割り出し、この通過時間から移送速度を演算するようにしてもよく、移動速度検出手段47の具体構成はこれらのものに限定されるものではない。尚、前記回転速度検出手段48においても同様に他の構成でもよい。
【0010】具体的には、前記播種部5に対して移動する育苗箱2の移送方向上手側端部位置と第1回目の播種開始位置との距離及び第2回目以降の播種位置との種子間距離及び播種回数等のパターンデータを前記制御装置49に入力させておき、前記記憶された複数のパターンの中から育苗箱2の大きさに対応した特定のパターンを選択し、その選択されたパターンに基づいて前記ベルトコンベア3の電動モータ50及び播種機2の駆動部36に設けた電動モータ(図示せず)を駆動して育苗箱2の苗床1上に播種していくように構成してもよいし、又、任意に設定された播種位置をその都度入力し、その播種位置の情報に基づいて前記ベルトコンベア3の電動モータ50及び播種機2の駆動部36に設けた電動モータ(図示せず)を駆動する時期及び駆動速度を制御装置49により制御するようにしてもよい。前記コンベア3は、ベルトコンベアの他、チェーンコンベアやローラコンベア等どのようなものでもよい。又、ここでは、育苗箱2を移動させながら播種する構成としているが、播種機2を移動させながら育苗箱2に播種したり、又、前記播種機2を自走式に構成することにより、圃場等に播種するように構成してもよいし、又、育苗箱2及び播種機2の両方を移動させるように構成して実施することもできる。尚、前記播種機2を移動させる構成にした場合には、播種機2の移動速度を検出する移動速度検出手段を設けて、前記回転部4の回転速度と播種機2の移動速度とを同一又はほぼ同一になるように2つの駆動部を駆動制御することになる。又、育苗箱2及び播種機2の両方を移動させる構成にした場合には、育苗箱2及び播種機2の移動速度を検出する移動速度検出手段を設けて、育苗箱2に対する回転部4の相対速度が零又はほぼ零になるように3つの駆動部を駆動制御することになる。
【0011】図2に示すように、前記回転部4は、アーチ型の固定部材6に駆動機構7を介して水平軸芯X周りで駆動回転自在に取り付けられた左右一対のアーム8,9から構成されている。そして、前記アーム8,9の両端それぞれに前記播種部5を取り付けて、一方の播種部5に対して180°回転した位置に他方の播種部5が位置するようになっている。ここでは、1サイクルで2回播種することができるように播種部5を2箇所取り付けたものを示しているが、1箇所又は3箇所以上に播種部5を取り付けて実施してもよい。
【0012】前記播種部5は、種子を貯留しておくための貯留部内の種子を吸着して苗床上に播種するための吸着ノズル10の6個を前後方向に併設しているケーシングとしてのマニホールドK,Kにそれぞれ取り付けたものでなっている。前記吸着ノズル10の個数は図に示した12個に限定されるものではない。
【0013】前記アーム8,9について詳述すれば、前記固定部材6の一方の側壁6Aに回転自在に貫通支持された回転軸11の一端に、一方のアーム8を外嵌着し、前記回転軸11の他端面を前記他方のアーム9の側面に固着し、前記他方の側壁6Bに貫通支持させた固定軸12の一端を前記他方のアーム9の回転中心に形成の凹部9Aに内挿すると共に、ベアリング13を介して回転自在に支持させている。
【0014】前記固定部材6の一方の側壁6Aと前記一方のアーム8との間に位置し、かつ、前記回転軸11に遊転状態で外嵌すると共に、該側壁6Aにボルト固定された固定ギア14に噛み合う中間ギア15を前記側壁6Bに貫設した支軸16に回転自在に取り付け、前記中間ギア15に噛み合う外側ギア17を前記播種部5の一端に固定され、かつ、他端を前記側壁6Bに貫設した回転自在な回転軸18の遊端に一体回転状態で嵌合している。又、前記播種部5の他端は、前記他方のアーム9から突設した回転軸19に一体回転状態で固定されている。従って、アーム8,9が回転することによって、中間ギア15及び外側ギア17が回転することで、播種部5の吸着ノズル10の吸着ノズル部33が常に下方を向いた所定姿勢になるようにしている。
【0015】図1に示すように、種子を貯留しておくための貯留部としての上方開放型の種皿20を設けてあり、その種皿20について詳述すれば、まず、種皿20の前方側を種子用ホッパー21の左右側壁に揺動自在に取り付けた支持アーム22,22(図では一方のみ図示)の下端に枢支連結し、前記種皿20の後方側下面から延出のアーム23に一端が後述の出力軸39に固定された駆動用アーム24を枢支連結してあり、駆動用アーム24が実線で示す揺動位置と2点鎖線で示す揺動位置とに揺動することにより、前記吸着ノズル10が図1に示す左側の上下方向ほぼ中間位置(所定回転位置)に位置したとき該吸着ノズル10の下方に前記種皿20を移動させた種子供給位置(実線で示す位置)と吸着後において前記種子供給位置から後方に移動して該吸着ノズル10から退避した退避位置(2点鎖線で示す位置)とに該種皿20を前後に移動可能に構成し、前記吸着ノズル10の下方に前記種皿20が位置している状態では、前記回転部4の回転を停止するように構成している。
【0016】前記種皿20の前方側下面に板部材25を取り付けると共に、前記種皿20が種子供給位置に位置したときに前記板部材25と接当する位置に振動を付与するための加振バー26を設けてあり、種皿20に貯留している種子の高さがどの部分でもほぼ同一高さになるようにして、吸着ノズル10が確実に種子を吸着することができるようにしている。又、前記種子用ホッパー21の前面に種子の貯留レベルを検出するための光センサ27を設けてあり、この光センサ27からの検出情報に基づいて前記種子用ホッパー21の排出口に設けたシャッター21Aを図示しないソレノイド等の駆動装置により開閉操作することによって、種子の貯留レベルを常に設定されたレベルになるようにしている。
【0017】前記12個の吸着ノズル10…は、いずれも同一構成であるため、一個の吸着ノズル10の構成について説明すれば、図2及び図5(a),(b)に示すように、前記マニホールドKの下部開口から内部に向けて内挿してねじ止めされたシリンダチューブ30内に上下移動自在に設けられたピストン31と、このピストン31の下端に固定したクリーニング用の棒状のニードル32と、このニードル32の下降に伴って挿通可能な円筒状(角筒状や楕円筒状等でもよい)の吸着ノズル部33とから吸着ノズル10を構成している。従って、図6に示すように、エアポンプ34からのエアを切り替える電磁弁29を図に示すように切り替えて、マニホールドK内のエアを吸引することによって、図5(a)に示すように、ピストン31を上昇させて種子Sを吸着ノズル部33に吸着させる。次に、前記電磁弁29を図5の状態と反対の状態に切り替えて、マニホールドK内のエアを吸着ノズル部33の下端開口から外部に排出することによって、図5(b)に示すように、ピストン31を下降させて吸着ノズル部33にて吸着している種子を下方に排出すると共に、ニードル32が吸着ノズル部33内を貫通して吸着ノズル部33内に付着した土や塵等を外部に排出して吸着ノズル部33内をクリーニングできるようにしている。図に示す35は、前記ニードル32をスムーズに移動案内するためのニードルガイドである。前記吸着ノズル10を図8に示すように構成してもよい。つまり、マニホールドK内に備えるピストン31の下端に前後2列のクリーニング用のニードル32を固定している。他の構成は、前記説明したものと同一であるため、同一の符号を付すと共に説明を省略する。
【0018】前記電磁弁29から吸着ノズル10までのエア流路について説明すれば、図2及び図6に示すように、電磁弁29からのエアを受け入れるために前記固定軸12にそれの長手方向に沿って第1エア流路12Aを形成し、この第1エア流路12Aの終端部に連通し、かつ、90°の角度分の範囲を持って形成された第2エア流路12Bを形成している。そして、前記アーム9内に前記回転軸18に形成された環状のエア流路18Bに連通するエア流路9B,9Cを形成し、前記エア流路18Bに供給されたエアを前記マニホールドKまで案内するための直線状のエア流路18Aを前記回転軸18に形成している。従って、前記エア流路9B又は9Cが第2エア流路12Bに連通している間だけ、エアポンプ34からのエアが伝達されて吸着ノズル10を種子を吸着する種子吸着作動及び吸着した種子を下方に排出する排出作動を行えるように構成している。
【0019】前記駆動機構7について詳述すれば、図1から図4に示すように、電動モータ及びギア機構等を備えた駆動部36と、この駆動部36からの動力が出力軸37を介して伝達されるローラギアカム38と、このローラギアカム38に形成の2つのテーパリブ38A,38Bのそれぞれに噛み合う3個又は6個のカムフォロア44が外周に等間隔を置いて備えられたタレット45又は46の2つの出力軸39又は40と、前記一方の出力軸40に一体回転するように固定されたプーリ41と前記一方のアーム9に一体回転するように固着されたプーリ42とを巻回したタイミングベルト43とから駆動機構7を構成することによって、吸着ノズル10の回転及び種皿20の移動を単一の駆動部36の動力で行うことができるようにしているが、駆動機構7の具体構成は、これに限定されるものではない。
【0020】前記ローラギアカム38の一方のテーパリブ38Aを展開した図を、図4(a)に示している。つまり、図の上側部分(下側部分と繋がっている)Dの一直線状の第4突起b4では、タレット45を非回転状態(停止状態)に維持させるようにし、この突起b4から一直線上の第2突起b2までの傾斜姿勢の第1突起b1を有する部分Eでは、タレット45を正転させて種皿20を種子供給位置に移動させ、前記第2突起b2を有する中間部分Fでは、その種子供給位置に維持させる。次に、第2突起b2の終端から前記第4突起b4までの傾斜姿勢の第3突起b3を有する部分Gでは、前記タレット45を逆転させて種皿20を退避位置に移動させて、停止状態に入る(部分D)。又、前記ローラギアカム38の他方のテーパリブ38Bを展開した図を、図4(b)に示している。つまり、図の上側部分Aでは、多数の傾斜溝a1,a2,a3,a4,a5にカムフォロア44が順次噛み合ってタレット46が正回転し、前記上側部分Aとは逆方向への傾斜溝a6が形成された中間部分Bでは、タレット46を前記回転方向とは反対方向に少し逆回転させ、直線の溝a7が形成された下側部分Cでは、タレット46を非回転状態(停止状態)に維持させるようにしている。尚、前記タレット46が逆転するまでに前記種皿20を種子供給位置に移動させ、前記タレット46の逆転が終了した時点から、つまり前記吸着ノズル部33を種子供給位置から少し上昇させた時点から、前記種皿20を退避位置に移動させているのは、種皿20の退避位置への移動時に吸着ノズル部33と干渉することがないようにするためであるが、必ずしも吸着ノズル部33を前記所定回転位置(種子吸着位置)から少し上昇させる工程を設けなくてもよい。
【0021】上記のようにローラギアカム38を用いることによって、種皿20を前記2位置に移動制御すること及び播種部5を間欠的に駆動回転させたり、上昇させるために逆方向に駆動回転させる等、駆動部36を駆動制御することが一切不要になり、その分制御装置全体の簡素化及びコストの低減化を図ることができる。従って、この実施例の場合には、1サイクル動作の中で吸着ノズル10が苗床に対面する播種時(播種位置)のみ変速同期させ(前述のように回転部の回転速度と苗床の移動速度を同一又はほぼ同一になるように駆動制御し)、他の時間にその差分を補正する動作(駆動部の変速)を行なうだけで、全体として常に与えられた播種ピッチを保って正確な播種を行うことができるようにしている。尚、図には示していないが、前記播種部5を連続的に駆動回転しながら、種子を受け取って落下供給するように構成して実施することもできる。
【0022】播種動作を説明すれば、播種装置の電源がONされ、播種位置等が前述のように設定されると、ベルトコンベア3を駆動すると共に、図1の2点鎖線で示す所期位置(他の位置でもよい)において駆動部36の駆動を開始して回転部4を回転させる。そして、図1の実線で示す所定回転位置(種子吸着位置)になる直前において減速しながら、該種子吸着位置で回転部4を一旦停止させる。前記種子吸着位置に位置する前に種皿20を種子供給位置に移動させて種子を播種部5にて吸着した後、吸着動作した播種部5を少し上方に逃がした状態で種皿20を退避位置まで移動させた後、回転部4の回転を再開させる。このとき、例えば育苗箱1の上手側基準端部を図示していない検出手段により検出すると、播種直前位置まで回転部4が回転したと判断し、前述のようにベルトコンベア3の移動速度Vと回転部4の回転速度vを検出して、これら両速度V,vが同一又はほぼ同一でない場合には、前述のように速度調節手段49により回転部4の回転速度vを調節し、回転部4の回転速度vがベルトコンベア3の移動速度Vと同一又はほぼ同一にする。この状態で、播種部5が育苗箱1に最も接近した播種位置(図1に2点鎖線で示すように両播種部5,5が上下に位置する状態)に位置したことをセンサ等により検出すると、吸着している種子を排出して1回目の播種を終了し、続いて次の播種部5にて2回目の播種を行い、1個の育苗箱1に対して所定回数の播種を行って次の育苗箱1が来るまで待機状態となる。
【0023】
【発明の効果】請求項1によれば、回転部を回転させることによって、播種部にて種子を捕捉し、捕捉した種子を苗床上に落下供給したときの回転部の回転速度と苗床の搬送速度とを同期又はほぼ同期させることによって、従来のように放物線を描くことなく、苗床の所望位置に精度よく確実に落下供給することができ、同一の構成のものを使用しながらも、播種ピッチを精度よく変更することができるだけでなく、播種能率を高め所望の播種位置へ精度よく播種できる播種装置を提供することができる。
【0024】請求項3によれば、苗床の上手側基準端部に位置したことを検出する検出手段を設け、この検出手段からの検出情報に基づいて速度調節手段により回転部の回転速度を調節することによって、回転部の回転速度を調節する時期(タイミング)がずれることがなく、最適にすることができ、播種ピッチの変更を的確かつ効率的に行うことができる。
【0025】請求項4によれば、吸着した種子を落下供給させる際に、ニードルが吸着ノズル部内を挿通して吸着ノズル部内に付着した土や塵等を外部に排出してクリーニングすることができるから、吸着ノズル部の開口部の一部又は全部が土等により閉塞されて吸着不良等のトラブル発生がなく、長期間に渡って種子の吸着を良好に行うことができる。しかも、そのクリーニングを吸着動作に伴って行う構成とすることによって、特別な駆動機構等が不要になり、コスト面において有利になる。
【出願人】 【識別番号】395002825
【氏名又は名称】川村 雄造
【出願日】 平成12年4月14日(2000.4.14)
【代理人】 【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
【公開番号】 特開2001−292606(P2001−292606A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−112789(P2000−112789)