トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 苗植機
【発明者】 【氏名】玉井 利男

【氏名】竹川 和弘

【要約】 【課題】車体後方の苗植装置の位置や、苗植作用状態等を、運転席から容易に視認できて、操作性を容易にする。

【解決手段】苗植車体1の前車輪2の前部上方部に、後車輪3ないし苗植装置4の横端部を視界とするバックミラー5を設けたことを特徴とする苗植機の構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】苗植車体1の前車輪2の前部上方部に、後車輪3ないし苗植装置4の横端部を視界とするバックミラー5を設けたことを特徴とする苗植機。
【請求項2】前記バックミラー5は、苗タンク6一側端の折畳苗タンク7とは反対側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の苗植機。
【請求項3】前記バックミラー1は、下動させて前車輪2に接触しないミラー収納状態とすることを特徴とする請求項1、または2に記載の苗植機。
【請求項4】前記バックミラー5は、車体1の前部横側の補助苗載台8を移動させた状態で下方へ倒してミラー収納可能とすることを特徴とする請求項1、2、または3に記載の苗植機。
【請求項5】前記バックミラー5は、下方へ倒した姿勢で後車輪3を視界とすることができることを特徴とする請求項1、2、3、または4に記載の苗植機。
【請求項6】前記バックミラー5は、ウインカー9の上側または下側に設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4、または5に記載の苗植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車体の前部にバックミラーを有する苗植機に関する。乗用車体の後方に苗タンクや苗植付装置等からなる苗植装置を装着した苗植機に利用できる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】苗植機は、一定条数の苗植付を行いながら折返し往復行程を並列させて各苗植付条間を一定間隔に植付維持させるものである。このため、乗用形態の多条植機においては後車輪の位置や後方の苗植装置の横端の位置等がどこを通っているか、また植付が正確に行われているか等を度々確認することを要する。
【0003】
【発明が解決しようとする手段】このような課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、苗植車体1の前車輪2の前部上方部に、後車輪3ないし苗植装置4の横端部を視界とするバックミラー5を設けたことを特徴とする苗植機の構成とする。そして、請求項2に記載の発明は、前記バックミラー5は、苗タンク6一側端の折畳苗タンク7とは反対側に設けたことを特徴とするものである。請求項3に記載の発明は、前記バックミラー1は、下動させて前車輪2に接触しないミラー収納状態とすることを特徴とするものである。請求項4に記載の発明は、前記バックミラー5は、車体1の前部横側の補助苗載台8を移動させた状態で下方へ倒してミラー収納可能とすることを特徴とするものである。請求項5に記載の発明は、前記バックミラー5は、下方へ倒した姿勢で後車輪3を視界とすることができることを特徴とするものである。さらに、請求項6に記載の発明は、前記バックミラー5は、ウインカー9の上側または下側に設けたことを特徴とするものである。
【0004】
【発明の効果】前記請求項1に記載の発明は、苗植車体1の前車輪2の前部上方部にバックミラー5が設けられて、運転者は運転席からこのバックミラー5を見て、後方の後車輪3や苗植装置4、この苗植付状態等を視認することができ、苗植付状況はもとより、概に植付けられている隣接の苗植付列条位置との間隔や、畦際との間隔、さらには、植付条の曲り等の確認が容易に行われ、操縦性をよくすることができる。
【0005】請求項2に記載の発明は、多条植形態の苗植装置4では、苗タンク6の一側端の折畳苗タンク7を内側へ折畳むようにして幅狭くすることができるが、バックミラー5は、この折畳苗タンク7とは反対側に位置する車体1の前車輪2の前部上方ないし外側部に設けられているため、後方視界がこの折畳苗タンク7に邪魔されることなく、正確に視認することができる。
【0006】請求項3に記載の発明は、バックミラー5は前車輪2の前部上方部に取付けられるが、この前車輪2の操向状態等によって接触しない位置に下動させて収納させることができるため、このバックミラー5が邪魔になるときは、格納が容易であり、バックミラー5の収納状態をコンパクト化することができる。
【0007】請求項4に記載の発明は、このバックミラー5の取付位置の近傍には、補助苗載台8が設けられることが多いが、この形態では補助苗載台8を移動させた状態で、バックミラー5を下方へ倒して収納させることによって、バックミラー5の設置領域が広くなり、相互に干渉し易い関係に位置であっても装着することができ、しかも不要時は収納を容易に行わせることができる。
【0008】請求項5に記載の発明は、バックミラー5は、通常は上方位置にあって後方の苗植装置4の横端部や後車輪3の位置を視界とするが、このバックミラー5を下方へ倒した状態で後車輪3の踏付位置を視界とすることによって、苗植車体1をトラックに対する積降しを行わせたり、畦越時にあゆみ板上を走行させるとき等の後車輪3走行を確認し易くすることができ、安全を高めることができる。
【0009】請求項6に記載の発明は、バックミラー5がウインカー9と上下の関係に設けられるために、構成が簡単化でき、邪魔になり難く、運転席からの視認性が容易である。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明は、乗用、多条植形態の苗植機として利用される。また、車体は前車輪と後車輪とを有して四輪走行形態として、この車体の後側方に苗タンクや苗植付装置等からなる苗植装置を装着している。バックミラーは、この苗植車体の運転席に着座した姿勢で運転者が視線を通すことができ、後方の苗植装置や後車輪部を視界域とすることができる。
【0011】そこで、請求項1に記載の発明は、苗植車体の前車輪の前部上方部に、後車輪ないし苗植装置の横端部を視界とするバックミラーを設けたことを特徴とする苗植機の構成とするもので、苗植装置による苗植付状況や、植付条位置の間隔を確認し易くし、操縦性をよくする。
【0012】請求項2に記載の発明では、前記バックミラーは、苗タンク一側端の折畳苗タンクとは反対側に設けたことを特徴とするもので、折畳苗タンクによる後方視界の邪魔をなくして、正確な視認できる。また、請求項3に記載の発明では、前記バックミラーは、下動させて前車輪に接触しないミラー収納状態とすることを特徴とするもので、バックミラーの下方位置への収納を容易化し、コンパクト化を図る。また、請求項4に記載の発明では、前記バックミラーは、車体の前部横側の補助苗載台を移動させた状態で下方へ倒してミラー収納可能とすることを特徴とするもので、バックミラーの設置領域を広くして、収納をも容易に行うものである。また、請求項5に記載の発明では、前記バックミラーは、下方へ倒した姿勢で後車輪を視界とすることができることを特徴とするもので、バックミラーを下方に位置させることによって、後車輪の踏付位置を視界として、あゆみ板上等の走行を確認し易くする。さらに、請求項6に記載の発明では、ウインカーとバックミラーを上下関係に配置して、構成を簡単化し、邪魔になり難く、視認性をよくするものである。
【0013】ここに、苗植車体は、ステアリングハンドルを有するステアリングポストの左右両側部にステップフロアを形成し、この外側に補助苗載台を配置する形態とする。この形態では、バックミラーやウインカー等はこのステップフロアの外側部において配置されて、補助苗載台に接近し、またはこの補助苗載台の一部材と共用化した構成とすることもできる。
【0014】
【実施例】この発明の実施例を図面に基づいて説明する。第一実施例は図1〜図5に基づいて説明される。第二実施例は図6、図7に基づいて説明される。
【0015】
【第一実施例】図1〜図5に基づいて説明する。苗植車体1は、前後車輪を駆動して走行する四輪駆動走行形態で、運転席10の前側のステアリングポスト11上にステアリングハンドル12を有し、このステアリングハンドル12の操向で前車輪2を操向できる。この車体1には、運転席10の下側のボンネット13内にエンジン14を搭載し、このエンジン14の駆動で前車輪2や後車輪3を伝動すると共に、車体1後方に連結の苗植装置4を伝動することができる。
【0016】この車体1の上側に沿ってセンタフロア15や、サイドフロア16からなるステプフロアが配置される。このセンタフロア15は、ステアリングポスト11と運転席10との間に形成されて、ブレーキペタルやクラッチペタル等が設けられる。また、サイドフロア16は、これらステアリングポスト11から、センタフロア15、および運転席10にわたる左右両側部に沿って形成されて、運転者が歩いて前後に移動できる足場となるもので、これらサイドフロア16の外側部は前車輪2および後車輪3の上側を覆う形態に構成される。
【0017】苗植装置4は、苗植フレーム17の下部にサイドフロート18やセンタフロート19を配置し、後部にはこれらのフロート18,19で均平された土壌面に苗を植付ける苗植付装置20が配置され、上方にはこれら各苗植付装置20に苗を供給する苗タンク6が配置される。これら苗タンク6や苗植付装置20は、左右方向へ多条植形態に配置されて、苗タンク6はマット状の苗を収容して後下端部を苗植付装置20の苗植爪21の作動域へ繰出供給しながら一苗タンク6の横幅分だけ左右へ往復移動させることができる。この苗タンク6の上端は、前上方へ向けて傾斜させて、運転席10の上側部へ接近させる形態として、補助苗載台8から補助苗の補給を行いやすくしている。
【0018】このような苗植装置4は、車体1の後方に向けて連結される平行リンク形態のリフトリンク22に連結されて、車体1とこのリフトリンク22との間のリフトシリンダ23の油圧伸縮によって昇降される。また、前記センタフロート19の上下動によって、このリフトシリンダ23が伸縮制御されて、土壌深さを検出しながら苗植装置4を上下動して、苗植深さを一定に維持する。
【0019】苗タンク6への苗の補給を行うための補給苗を予め搭載させておく補助苗載台8は、前車輪2の外側部に配置されて、多段棚形態にして支持フレーム24で取付支持される。この補助苗載台8は、前記サイドフロア16の前部外側方に設けられて、運転者がこのサイドフロア16部を足場として補助苗の取出し、苗タンク6部への移転供給を行わせ易くしている。
【0020】前記苗植装置4の苗植爪21の作動軌跡線25によって苗植付が行われるが、この苗植付爪21の作用する苗分離口26を形成した苗案内枠27が苗タンク6の横幅方向にわたって設けられる。この苗案内枠27は苗タンク6の左右移動域にわたって形成されるため、苗植装置4としては左右に突出された最も幅広く形成された部材となる。この苗案内枠27や前方の補助苗載台8の外側端部は、前記サイドフロア16の外側端よりも外方に位置してほぼ同幅位置に構成される。
【0021】前記補助苗載台8は、車体1前部の左右両側部に回動軸28を有し、この回動軸28の周りにほぼ180度旋回させて、外側への張出位置から内側後部の収納姿勢へ回動させることができる。バックミラー5を有するミラー支持杆29が、前車輪2の前側で、支持フレーム24の内側前部に設けられて、このミラー支持杆29の下端部は、外側下方へ倒伏回動させるように折畳軸30によって支持される。補助苗載台8は、このミラー支持杆29の外側に位置されて、上端のバックミラー5はこの補助苗載台8よりも上位に設定されるが、この補助苗載台8を内側後部へ旋回させて収納姿勢とすると、このミラー支持杆29を外側下方部へ回動させて折畳収納姿勢とすることができる。このとき、前車輪2よりも前側に位置するため、前車輪2に接触することがない。
【0022】前記ミラー支持杆29を下方へ折り畳んだ状態で後車輪3の接触部を視界とすることによって、運転者はバックミラー5を介してこの後車輪3の接地部を見ることができ、幅狭いあゆみ板や、畦面に沿って走行させるときは、このバックミラー5の下動切替によって運転操作を容易に行うことができる。
【0023】このようなバックミラー5は、前車輪2の前部上方に位置して、補助苗載台8の最上段部よりも高い位置に設けられる。また、このバックミラー5は、この前車輪2の前部直上方よりも外側寄りに配置することもできる。さらに、補助苗載台8の棚段数が多く高い場合は、この補助苗載台8の最上端よりも低くして、内側のサイドフロア16寄りに配置することもできる。
【0024】車体1の前部には、中央部にセンタポール31が設けられ、左右両側方にサイドマーカ32が設けられる。運転者はこれらセンタポール31や、サイドマーカ32を視準しながら走行運転する。前記バックミラー5は、補助苗載台8の内側のサイドフロア16上を通して直後方の後車輪3や苗植装置4の横端部、さらには、これによって植付けられる苗植付列条等を視界Aとすることができる。このため、後車輪3や苗植装置4の通過位置や苗植状態等を確認することができる。このように運転者は、センタポール31やサイドマーカ32、およびバックミラー5等を視界に入れながら隣接の苗植列条に沿わせながら正確な苗植作業運転を行うものである。
【0025】また、苗タンク6内の苗が減少して、補助苗載台8上の苗を補給するときは、車体1の走行を一時停止して、この補助苗載台8上の補助苗を取出して後方の各苗タンク6へ供給する。苗植機を収納状態にするときは、補助苗載台8を支持フレーム24の回動軸28の周りに回動させて、サイドフロア16上側へ収納させる。これによってミラー支持杆29の外側には邪魔部材がなくなるから、このミラー支持杆29を折畳支持30の回りに外側下方へ回動させて折畳収納させることができる。また、これとは逆にミラー支持杆29を先に起立回動させてから、補助苗載台8を外側へ張出することができ、作業姿勢にすることができる。
【0026】
【第二実施例】主として図6、図7に基づいて上例と異なる点を説明する。前記苗植装置4の左右いずれか一側の折畳苗タンク7を、内側の苗タンク6部へ折畳む状態に構成する。このとき、折畳タンク7は、他の苗タンク6の側板33部に対してヒンジ34回りに回動させて、内側の苗タンク6上側部に重ねる形態にすることによって一苗タンクの横幅分だけ狭くすることができる。この場合、前記苗案内枠27の両側端部35を前側等で折畳んで幅狭くすることができる。
【0027】このように一部の苗タンク6を折畳んで狭くする形態では、バックミラー5をこの折畳苗タンク7とは反対側の車体1前車輪2側上方に設けることによって、この折畳苗タンク7による後方視界を邪魔されない形態とする。この形態ではバックミラー5を左右前車輪2の前部上方部に配置する場合は、この折畳苗タンク7の側とは反対側の苗タンク6端部側をバックミラー5で視界とすることができる。
【0028】
【第三実施例】主として図8に基づいて上例と異なる点を説明する。前記ミラー支持杆29の上端部にウインカー9を取付けたものである。ウインカー9は道路走行時に方向指示器として点滅させるものであるが、バックミラー5よりも上位に設けることができるが、下位に設けることもできる。このウインカー9をミラー支持杆29に取付けることによって構成を簡単にすることができるが、各別の支持杆に取付けることもできる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年4月5日(2000.4.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−286211(P2001−286211A)
【公開日】 平成13年10月16日(2001.10.16)
【出願番号】 特願2000−103625(P2000−103625)