| 【発明の名称】 |
水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 政一
【氏名】田中 富穂
【氏名】窪津 誠
【氏名】向井 猛
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| 【要約】 |
【課題】枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作の容易化を図れるようにして、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をスムーズに行えるようにする。
【解決手段】走行機体1の後部に、油圧シリンダ2の作動で昇降揺動するリンク機構3を介して作業装置4を昇降自在に連結した水田作業機において、前進操作域Fと後進操作域Rとに亘って操作される主変速レバー81を操作案内するガイド板88の中立位置に前後進切り換え用の選択操作域Nを形成するとともに、ガイド板88における前進操作域Fの低速側に、主変速レバー81の後進操作域R側への操作を許容する融通操作域Frを形成し、主変速レバー81の選択操作域N及び融通操作域Frにおける後進操作域R側への操作に基づいて作業装置4を所定の非作業高さ位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構Eを装備した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結した水田作業機であって、前進操作域と後進操作域とに亘って操作される主変速レバーを操作案内するガイド板の中立位置に前後進切り換え用の選択操作域を形成するとともに、前記ガイド板における前記前進操作域の低速側に、前記主変速レバーの前記後進操作域側への操作を許容する融通操作域を形成し、前記主変速レバーの前記選択操作域及び前記融通操作域における前記後進操作域側への操作に基づいて前記作業装置を所定の非作業高さ位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構を装備してある水田作業機。 【請求項2】 走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結した水田作業機であって、前進操作域と後進操作域とに亘って操作される主変速レバーを操作案内するガイド板の中立位置に前後進切り換え用の選択操作域を形成するとともに、前記ガイド板における前記前進操作域の低速側に、前記主変速レバーの前記後進操作域側への操作を許容する融通操作域を形成し、前記主変速レバーの前記選択操作域及び前記融通操作域における前記後進操作域側への操作に基づいて前記作業装置を所定の非作業高さ位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構と、前記主変速レバーが前記前進操作域の前記融通操作域よりも高速側に位置する状態では、前記走行機体に備えた操作具の踏み込みによる減速操作に連動して前記主変速レバーを前記融通操作域まで戻し操作する減速連動機構とを装備してある水田作業機。 【請求項3】 前記操作具を、その踏み込み操作で主クラッチを伝動切り状態に切り換えるクラッチペダルとしてある請求項2記載の水田作業機。 【請求項4】 前記操作具を、その踏み込み操作で主クラッチを伝動切り状態に切り換えるとともに走行ブレーキを制動状態に切り換える主クラッチ・ブレーキペダルとしてある請求項2記載の水田作業機。 【請求項5】 操向輪の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して、前記主変速レバーを前記後進操作域側に操作する連動操作機構を装備してある請求項2〜4のいずれか一つに記載の水田作業機。 【請求項6】 左右の後輪への伝動状態を各別に切り換える左右のサイドクラッチを装備するとともに、操向輪の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して旋回内側のサイドクラッチを伝動切り状態に切り換えるサイドクラッチ操作機構を設けてある請求項1〜5のいずれか一つに記載の水田作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結した水田作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、上記のような水田作業機においては、例えば、特開平7−123817号公報で開示されているように、搭乗運転部におけるステアリングホイールを挟んだ右側に昇降レバーが配備され、ステアリングホイールを挟んだ左側に主変速レバーが配備され、昇降レバーの操作に基づいて作業装置が昇降し、又、主変速レバーの後進操作域への操作に基づいて作業装置が所定の作業高さ位置から上限位置に上昇するように構成されていた。後者はいわゆるバックアップ機構である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような水田作業機において、機体を枕地旋回させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合には、走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させるための減速操作、作業装置を作業高さ位置から非作業高さ位置まで上昇させるための上昇操作、及び、機体を現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる枕地旋回を現出するための旋回操作、などを行う必要がある。 【0004】しかしながら、上記従来技術によると、変速操作の際にはステアリングホイールと主変速レバーとの間での持ち替え動作を要し、又、上昇操作の際にはステアリングホイールと昇降レバーとの間での持ち替え動作を要することから、上記のように枕地旋回で作業走行経路を移行させる場合には、旋回操作に至るまでの操作、つまり、走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させるための主変速レバーによる減速操作と、作業装置を作業高さ位置から非作業高さ位置まで上昇させるための昇降レバーによる上昇操作とを、ステアリングホイールと主変速レバーと昇降レバーとの三者間での煩わしい持ち替え動作を交えながら行う必要があり、そのため、それらの操作が戸惑い易く、又、手間取り易いものとなっており、結果、その後の旋回操作に余裕がなくなって作業走行経路の移行がスムーズに行えなくなる不都合を招き易くなっていた。 【0005】本発明の目的は、枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作の容易化を図れるようにして、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をスムーズに行えるようにすることにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】〔構成〕上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結した水田作業機において、前進操作域と後進操作域とに亘って操作される主変速レバーを操作案内するガイド板の中立位置に前後進切り換え用の選択操作域を形成するとともに、前記ガイド板における前記前進操作域の低速側に、前記主変速レバーの前記後進操作域側への操作を許容する融通操作域を形成し、前記主変速レバーの前記選択操作域及び前記融通操作域における前記後進操作域側への操作に基づいて前記作業装置を所定の非作業高さ位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構を装備してある水田作業機。 【0007】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、機体を枕地旋回させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合に必要な操作うち、旋回操作に至るまでの操作である走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させるための減速操作と、作業装置を作業高さ位置から非作業高さ位置まで上昇させるための上昇操作は、ステアリングホイールから主変速レバーに持ち替えた片方の手で、主変速レバーを、前進操作域の低速側にある融通操作域まで操作した後、その融通操作域において前進操作域から後進操作域側に操作することで行えるようになる。 【0008】つまり、これらの操作を行う際には、ステアリングホイールと主変速レバーとの二者間での持ち替え動作を交えるだけでよく、昇降レバーの操作で作業装置を上昇させる場合のように、ステアリングホイールと主変速レバーと昇降レバーとの三者間での煩わしい持ち替え動作を交える必要がないことから、その分、それらの操作を戸惑いなく、又、手間取ることなく行えるようになって、その後の旋回操作に余裕を持てるようになる。 【0009】又、主変速レバーの後進操作域への操作に基づいて作業装置を上昇させるバックアップ機構を装備するものにおいては、主変速レバーの後進操作域への操作を検出する検出機構を、主変速レバーの融通操作域での後進操作域側への操作をも検出できるようにするだけの簡単な改良を施すだけで、上記のような片手による減速操作と上昇操作とを行えるようになる。 【0010】〔効果〕従って、枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作の容易化を図ることのできる操作性に優れたものにできることから、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をスムーズに行えるようになり、又、それに要する構成の簡素化や製造コストの削減を図ることも可能になった。 【0011】〔構成〕上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項2記載の発明では、走行機体の後部に、油圧シリンダの作動で昇降揺動するリンク機構を介して作業装置を昇降自在に連結した水田作業機において、前進操作域と後進操作域とに亘って操作される主変速レバーを操作案内するガイド板の中立位置に前後進切り換え用の選択操作域を形成するとともに、前記ガイド板における前記前進操作域の低速側に、前記主変速レバーの前記後進操作域側への操作を許容する融通操作域を形成し、前記主変速レバーの前記選択操作域及び前記融通操作域における前記後進操作域側への操作に基づいて前記作業装置を所定の非作業高さ位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構と、前記主変速レバーが前記前進操作域の前記融通操作域よりも高速側に位置する状態では、前記走行機体に備えた操作具の踏み込みによる減速操作に連動して前記主変速レバーを前記融通操作域まで戻し操作する減速連動機構とを装備した。 【0012】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、機体を枕地旋回させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合に必要な操作うち、旋回操作に至るまでの操作である走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させるための減速操作と、作業装置を作業高さ位置から非作業高さ位置まで上昇させるための上昇操作は、ステアリングホイールから主変速レバーに持ち替えた片方の手で、主変速レバーを、前進操作域の低速側にある融通操作域まで操作した後、その融通操作域において前進操作域から後進操作域側に操作する、又は、操作具を踏み込み操作した後、その操作で融通操作域に位置する主変速レバーを前進操作域から後進操作域側に操作することで行えるようになる。 【0013】つまり、上記請求項2記載の発明においても、これらの操作を行う際の手動操作としては、ステアリングホイールと主変速レバーとの二者間での持ち替え動作を交えるだけでよく、昇降レバーの操作で作業装置を上昇させる場合のように、ステアリングホイールと主変速レバーと昇降レバーとの三者間での煩わしい持ち替え動作を交える必要がないことから、その分、それらの操作を戸惑いなく、又、手間取ることなく行えるようになって、その後の旋回操作に余裕を持てるようになる。 【0014】特に、操作具の踏み込みで減速操作する場合には、手動操作としては主変速レバーを前進操作域から後進操作域側に操作するだけの瞬間的な操作を行うだけでよいことから、旋回操作にかなりの余裕を持てるようになる。 【0015】〔効果〕従って、枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作の容易化をより効果的に図ることのできるより操作性に優れたものにできることから、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をよりスムーズに行えるようになった。 【0016】〔構成〕本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記操作具を、その踏み込み操作で主クラッチを伝動切り状態に切り換えるクラッチペダルとした。 【0017】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、既存のクラッチペダルを、主変速レバーを融通操作域まで戻し操作する操作具に利用することから、専用の操作具を設ける場合に比較して構成の簡素化や製造コストの削減を図れるとともに搭乗運転部の足元空間を広くすることができるようになる。 【0018】又、主変速レバーを高速側に設定した高速走行中にクラッチペダルとブレーキペダルとを踏み込み操作して機体を減速あるいは走行停止させた後に、その踏み込み操作を機体の増速や走行再開のために解除した場合には、機体を減速又は走行停止させる際のクラッチペダルの踏み込み操作に連動して主変速レバーが既に低速側に戻し操作されていることから、主変速レバーが戻し操作されない場合のように、クラッチペダルの踏み込み解除とともに機体が急加速又は急発進する不都合や主クラッチの摩擦板が焼けるなどの不都合が発生することを防止できるようになる。 【0019】〔効果〕従って、構成の簡素化、製造コストの削減、並びに搭乗運転部での居住性の向上を図れる上に、高速走行中にクラッチペダル及びブレーキペダルの踏み込み操作で機体を減速あるいは走行停止させた後の機体の増速又は走行再開時に機体が急加速又は急発進する不都合や主クラッチの摩擦板が焼けるなどの不都合が発生することを防止できるようになった。 【0020】〔構成〕本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項2記載の発明において、前記操作具を、その踏み込み操作で主クラッチを伝動切り状態に切り換えるとともに走行ブレーキを制動状態に切り換える主クラッチ・ブレーキペダルとした。 【0021】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、主クラッチ・ブレーキペダルを踏み込み操作するだけで、主クラッチの伝動切り状態への切り換えと走行ブレーキの制動状態への切り換えとを行えることから、機体を制動させる際の操作性の向上を図れるようになり、又、主クラッチペダルとブレーキペダルの双方を配備する場合に比較して、構成の簡素化や製造コストの削減を図れるとともに搭乗運転部の足元空間を無理なく広くすることができるようになる。 【0022】そして、その主クラッチ・ブレーキペダルを、主変速レバーを融通操作域まで戻し操作する操作具に利用することから、専用の操作具を設ける場合に比較して構成の簡素化や製造コストの削減を図れるとともに搭乗運転部の足元空間を広くすることができるようになる。 【0023】又、主変速レバーを高速側に設定した高速走行中に主クラッチ・ブレーキペダルを踏み込み操作して機体を減速あるいは走行停止させた後に、その踏み込み操作を機体の増速や走行再開のために解除した場合には、機体を減速又は走行停止させる際の主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作に連動して主変速レバーが既に低速側に戻し操作されていることから、主変速レバーが戻し操作されない場合のように、主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み解除とともに機体が急加速又は急発進する不都合や主クラッチの摩擦板が焼けるなどの不都合が発生することを防止できるようになる。 【0024】〔効果〕従って、構成の簡素化、製造コストの削減、搭乗運転部での居住性の向上、並びに制動操作性の向上を図れるとともに、高速走行中の主クラッチ・ブレーキペダルの踏み込み操作で機体を減速又は走行停止させた後の増速や走行再開時に機体が急加速又は急発進する不都合や主クラッチの摩擦板が焼けるなどの不都合が発生することを防止できるようになった。 【0025】〔構成〕本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項2〜4のいずれか一つに記載の発明において、操向輪の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して、前記主変速レバーを前記後進操作域側に操作する連動操作機構を装備した。 【0026】〔作用〕上記請求項5記載の発明によると、機体を枕地旋回させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合において、操作具を踏み込み操作して走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させると、主変速レバーが前進操作域の低速側にある融通操作域まで戻し操作され、その後、枕地旋回による作業走行経路の移行を行うためにステアリングホイールを操作して操向輪を直進状態から設定角以上に操向操作すると、主変速レバーが後進操作域側に操作されて作業装置が上昇するようになる。 【0027】つまり、枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作、つまり、走行速度を枕地旋回が可能な速度まで減速させるための減速操作と、作業装置を作業高さ位置から非作業高さ位置まで上昇させるための上昇操作は、操作具の踏み込み操作とステアリングホイールの操作で行うことができ、これらの操作の際に、ステアリングホイールから主変速レバーや昇降レバーなどへの持ち替え動作を交える必要が全くないことから、それらの操作を戸惑いなく、又、手間取ることなく行えるようになって、その後の旋回操作に十分な余裕を持てるようになる。 【0028】〔効果〕従って、枕地旋回で作業走行経路を移行する場合における旋回操作に至るまでの操作の容易化を更に図ることのできるより一層操作性に優れたものにできることから、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をより一層スムーズに行えるようになった。 【0029】〔構成〕本発明のうちの請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、左右の後輪への伝動状態を各別に切り換える左右のサイドクラッチを装備するとともに、操向輪の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して旋回内側のサイドクラッチを伝動切り状態に切り換えるサイドクラッチ操作機構を設けた。 【0030】〔作用〕上記請求項6記載の発明によると、機体を現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる枕地旋回を現出する際に、操向輪を直進状態から設定角以上に操向操作すると、旋回内側の後輪への伝動が断たれた状態で機体が旋回するようになり、それによって、左右の後輪を駆動させながら旋回する場合に比較して旋回半径を小さくすることができるので、その分、枕地旋回による作業走行経路の移行をスムーズに行えるようになる。 【0031】又、枕地旋回時において、旋回内側の後輪は機体の旋回移動に伴って追従回転するようになることから、旋回内側の後輪を制動停止させた場合に発生する、旋回内側の後輪が機体の旋回移動に伴って引きずられることによる圃場荒れや走行負荷の増大を回避でき、もって、枕地旋回による作業走行経路の移行をスムーズかつ軽快に行えるようになる。 【0032】しかも、左右のサイドクラッチの伝動状態を各別に切り換えるためのサイドクラッチペダルを設ける必要がないことから、構成の簡素化や製造コストの削減を図れるとともに搭乗運転部の足元空間を広く確保することができるようになる。 【0033】〔効果〕従って、旋回性に優れたものにできることから、枕地旋回による作業走行経路の移行をよりスムーズかつ軽快に行えるようになり、又、それに要する構成の簡素化や製造コストの削減に加えて搭乗運転部での居住性の向上をも図れるようになった。 【0034】 【発明の実施の形態】図1には水田作業機の一例である6条植え用の乗用型田植機の全体側面が、図2にはその全体平面が示されており、この乗用型田植機は、乗用型の走行機体1の後部に、油圧シリンダ2の作動で昇降揺動するリンク機構3を介して作業装置の一例である6条植え用の苗植付装置4を連結し、かつ、6条施肥用の施肥装置5を搭載することによってミッドマウント施肥仕様に構成されている。 【0035】図1〜4に示すように、走行機体1は、その前部に出力軸6aが横向きになる姿勢で搭載されたエンジン6からの動力を、ベルト式伝動装置7及び静油圧式無段変速装置8を介してミッションケース9に内装されたギヤ式伝動装置10に伝達し、そのギヤ式伝動装置10からの走行用動力を、左右の前車軸ケース11に内装された前輪駆動装置12を介して操向輪としての左右の前輪13に伝達するとともに、前後向きの第1伝動軸14及び後車軸ケース15に内装された後輪駆動装置16を介して左右の後輪17に伝達する四輪駆動形式に構成され、その後部側には、左右の前輪13を操向操作するステアリングホイール18、搭乗ステップ19、及び、運転座席20、などを備えた搭乗運転部21が形成されている。 【0036】図1及び図2に示すように、苗植付装置4は、機体の走行に伴って3つの整地フロート22が苗植え付け箇所を前もって整地する一方で、ギヤ式伝動装置10からの作業用動力が第2伝動軸23を介してフィードケース24に伝達され、そのフィードケース24からの分配動力で、6条分の苗を載置する苗載台25が左右方向に所定ストロークで往復駆動されるとともに、左右方向に所定間隔を隔てて並設された6基のロータリ式の植付機構26が、苗載台25の下端から苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付ける植え付け作動を行うことで、6条分の植え付けを行えるように構成されている。 【0037】施肥装置5は、機体の走行に伴って各植え付け条に対応するように整地フロート22に装備された作溝器27が施肥溝を形成する一方で、第1伝動軸14に装備された施肥クラッチ57を介して作業用動力として分岐伝達されるギヤ式伝動装置10からの走行用動力で6基の繰出機構28が肥料ホッパ29内の肥料を所定量ずつ繰り出し、電動ファン30の作動で各繰出機構28にて繰り出された肥料を案内ホース31を介して対応する作溝器27に向けて圧送することで、圃場における植え付け苗の横側方箇所に肥料を埋没させるように構成されている。 【0038】図5及び図6に示すように、ギヤ式伝動装置10は、静油圧式無段変速装置8からの伝動を断続する主クラッチ32、主クラッチ32を介して伝達された動力を高低二段に変速する副変速機構33、副変速機構33からの動力を走行用動力として前輪駆動装置12及び第1伝動軸14に伝達する前輪用の差動機構34、主クラッチ32を介して伝達された動力の正転動力のみを作業用動力として伝動する一方向クラッチ35、一方向クラッチ35からの作業用動力を変速する株間変更用の植付変速機構36、及び、植付変速機構36から第2伝動軸23への伝動を断続する植付クラッチ37、などによって構成されている。 【0039】図3及び図5に示すように、前輪駆動装置12は、差動機構34から横外側方に向けて延設された左右の前輪駆動軸38、及び、各前輪駆動軸38に対応する前輪13を操向可能に連動連結する図外のベベルギヤやキングピンなどによって構成されている。 【0040】図7〜9に示すように、後輪駆動装置16は、第1伝動軸14に連動連結された横向きの後輪駆動軸39、後輪駆動軸39からの動力を対応する後輪17に減速伝動する左右のギヤ式減速機構40、後輪駆動軸39から左右のギヤ式減速機構40への伝動を各別に断続する左右のサイドクラッチ41、及び、右側のサイドクラッチ41と後車軸ケース15との間に介装された走行ブレーキ42、などによって構成されている。 【0041】図3及び図7〜9に示すように、ステアリングホイール18の回動軸18aには、左右の前輪13にナックルアーム43やタイロッド44などを介して連動連結されたピットマンアーム45を、ステアリングホイール18の操作量に応じて縦向きの軸芯P1周りに左右方向に揺動駆動する油圧パワーステアリング用のトルクジェネレータ46が接続されている。つまり、ナックルアーム43、タイロッド44、ピットマンアーム45、及びトルクジェネレータ46、などによって、ステアリングホイール18から左右の前輪13に亘る操向操作系Aが構成されている。 【0042】ピットマンアーム45は、その直進姿勢から設定角(例えば30度)以上の左右揺動に連動して第1操作ロッド47を前後方向に押し引き操作することで機体中央に配備した中継アーム48を縦向きの軸芯P2周りに前後揺動させ、中継アーム48は、それと一体揺動する天秤アーム49を介して左右の第2操作ロッド50を互いに前後逆向きに押し引き操作することで、各サイドクラッチ41の操作アーム51を互いに縦向きの軸芯P3周りに前後逆向きに揺動操作し、各サイドクラッチ41は、その操作アーム51が前方に向けて揺動操作されるのに伴って、操作アーム51の支軸52に形成された偏芯カム53がバネ54の付勢に抗して可動体55を機体外方側に向けて押圧操作することによって、後輪駆動軸39側とギヤ式減速機構40側とに振り分け装着された複数の摩擦板56の圧接を解除する伝動切り方向への切り換え操作が行われ、逆に、操作アーム51が後方に向けて揺動操作されるのに伴って、偏芯カム53による可動体55の押圧操作が解除されてバネ54が可動体55を機体内方側に向けて押圧操作することによって、前記複数の摩擦板56を圧接させる伝動入り方向への切り換え操作が行われるようになっている。 【0043】つまり、操向操作系Aが油圧パワーステアリング式に構成されるとともに、ピットマンアーム45と各サイドクラッチ41の操作アーム51とを連係する第1操作ロッド47、中継アーム48、天秤アーム49、及び左右の第2操作ロッド50、などによって、ステアリングホイール18による左右の前輪13の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して旋回内側のサイドクラッチ41を伝動切り状態に切り換えて旋回内側の後輪17を遊転させるサイドクラッチ操作機構Bが構成されている。そして、この構成によって、作業走行中に畦際で機体を枕地旋回させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合には、ステアリングホイール18による左右の前輪13の直進状態から旋回方向への設定角以上の操向操作を行うだけの簡単な操作で、旋回内側の後輪17を遊転させて圃場荒れを抑制する良好な小回り旋回を行えるようになっている。 【0044】図7及び図8に示すように、走行ブレーキ42は、その操作アーム58が縦向きの軸芯P4周りに前方に向けて揺動操作されるのに伴って、操作アーム58の支軸59に装備された一対の偏芯カム60が可動体61を機体外方側に向けて押圧操作することによって、サイドクラッチ41側と後車軸ケース15側とに振り分け装着された複数の摩擦板62を圧接させる制動方向への切り換え操作が行われるようになり、逆に、操作アーム58が後方に向けて揺動操作されるのに伴って偏芯カム60による可動体61の押圧操作が解除されることによって、前記複数の摩擦板62の圧接を解除する非制動方向への切り換え操作が行われるようになっている。 【0045】図5及び図7に示すように、走行ブレーキ42の操作アーム58は、左右向きの軸芯P5周りでの踏み込み操作が可能となるように搭乗運転部21の右側足元箇所に配設された単一の操作ペダル64にターンバックル式の第3操作ロッド65を介して連動連結されており、図外の復帰バネの付勢に抗した操作ペダル64の踏み込み操作で第3操作ロッド65が前方側に引き込み操作されることによって前方に向けて揺動操作され、逆に、復帰バネによる操作ペダル64の復帰操作で第3操作ロッド65が後方側に押し込み操作されることによって後方に向けて揺動操作されるようになっている。一方、操作ペダル64は、その支軸である左右向きの回動軸66と、操作ペダル64に連動した回動軸66の軸芯P5周りの回動に伴って前後方向に押し引き操作される第4操作ロッド67とを介して主クラッチ32の操作アーム68に連係されている。 【0046】主クラッチ32は、操作ペダル64の踏み込み操作に連動した第4操作ロッド67の前方側への押し込み操作で、操作アーム68が縦向きの軸芯P6周りに前方に向けて揺動操作され、操作アーム68の支軸69に形成された操作カム70が、バネ71の付勢に抗して可動体72を機体右側方に向けて押圧操作することによって、その入力側の固定体73と出力側の可動体72とに振り分け装着された複数の摩擦板74の圧接を解除する伝動切り方向への切り換え操作が行われ、逆に、操作ペダル64の復帰操作に連動した第4操作ロッド67の後方側への引き込み操作で、操作アーム68が軸芯P6周りに後方に向けて揺動操作され、操作カム70による可動体72の押圧操作が解除されて、バネ71が可動体72を機体左側方に向けて押圧操作することによって、前記複数の摩擦板74を圧接させる伝動入り方向への切り換え操作が行われるようになっている。 【0047】つまり、操作ペダル64は、その踏み込み操作によって主クラッチ32を伝動切り状態に切り換えるとともに走行ブレーキ42を制動状態に切り換える主クラッチ・ブレーキペダルであり、これによって、主クラッチペダルとブレーキペダルとを搭乗運転部21の左右の各足元箇所に振り分け配備する場合に比較して、搭乗運転部21の足元空間を無理なく広く形成することができて搭乗運転部21での居住性の向上を図れる上に、主クラッチ32を伝動切り状態に切り換えながら走行ブレーキ42を制動状態に切り換える、といったエンジン6に無理を掛けることなく機体を制動させるための一連操作を、単一の主クラッチ・ブレーキペダル64を踏み込むだけの極簡単な操作で行えるようになっている。 【0048】図1〜3及び図10〜13に示すように、ステアリングホイール18の回動軸18aを支持するハンドルポスト78には支持ブラケット79が溶接され、支持ブラケット79の左側端部には揺動ブラケット80が左右向きの軸芯P7周りに前後揺動可能に支持され、揺動ブラケット80には、ステアリングホイール18の左側方に位置する状態となる主変速レバー81が軸芯P8周りに左右揺動可能に支持されるとともに、ハンドルポスト78を支持する支持枠82から延設された支軸83に左右向きの軸芯P9周りに前後揺動可能に支持された中継アーム84が第1連係ロッド85を介して連係され、中継アーム84には、静油圧式無段変速装置8のトラニオン軸8aと縦向きの軸芯P10周りに一体回動する操作アーム86が第2連係ロッド87を介して連係されている。 【0049】又、支持ブラケット79には、左右に位置ズレする前後向きの前進操作域Fと後進操作域Rとを中立位置に形成した選択操作域Nで連通させた形状のガイド溝88aが形成されたガイド板88が連結されており、ガイド溝88aには、主変速レバー81から延設されたガイド杆81aが挿通されている。一方、揺動ブラケット80の下縁には、板バネ89で揺動ブラケット80に向けて付勢されたローラ90との係合によって主変速レバー81の中立位置と前進5段・後進3段の各変速操作位置での係合保持を可能にする9つの凹部80aが形成されている。つまり、板バネ89、ローラ90、及び各凹部80aによって、主変速レバー81を中立位置又は前進5段・後進3段の各変速操作位置に係合保持するデテント機構Cが構成されている。 【0050】以上の構成から、選択操作域Nにて主変速レバー81を軸芯P8周りに左右揺動させることによって、静油圧式無段変速装置8の前進変速操作が可能な状態と後進変速操作が可能な状態とに切り換える前後進切り換え操作を行うことができ、前進操作域Fにて主変速レバー81を軸芯P7周りに揺動ブラケット80と一体で前後揺動させることによって静油圧式無段変速装置8による前進5段の変速操作を行うことができ、後進操作域Rにて主変速レバー81を軸芯P7周りに揺動ブラケット80と一体で前後揺動させることによって静油圧式無段変速装置8による後進3段の変速操作を行えるようになっている。ちなみに、前進操作域Fにおける最低速位置は畦越え走行時などに現出する超低速走行用の変速操作位置である。 【0051】尚、図11及び図12に示す符号91は、操作アーム86に形成されたV字状のカム面86aに、揺動アーム92の遊端部に設けられたローラ93をバネ94の作用で押し当てることで、静油圧式無段変速装置8のトラニオン軸8aを中立姿勢に回動付勢する中立付勢機構である。 【0052】図5、図7、図11及び図12に示すように、中継アーム84には、その主変速レバー81の前進増速方向への揺動操作に連動した軸芯P9周りの揺動で、支持枠82に支軸95を介して左右向きの軸芯P11周りに前後揺動可能に支持された連係アーム96を後方側に押圧揺動させる操作ピン84aが装備されている。連係アーム96は、主変速レバー81の前進減速方向への揺動操作に連動した中継アーム84の軸芯P9周りの揺動に追従して軸芯P11周りに前方側に揺動するようにバネ97によって揺動付勢されるとともに、その遊端部には、主クラッチ・ブレーキペダル64と主クラッチ32の操作アーム68とを連係する第4操作ロッド67の前端部に装備された押圧具98による連係アーム96の軸芯P11周りでの前方側への押圧揺動操作を可能にする接当部99が螺合されている。 【0053】図5、図7、図11、図12及び図14に示すように、中継アーム84の操作ピン84a、連係アーム96、押圧具98、及び接当部99は、静油圧式無段変速装置8の出力回転数Noが第1設定回転数Na(例えば1500rpm)を超える高速走行状態が現出される前進操作域Fにおける高速側の変速位置に主変速レバー81を操作した場合において、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作が行われると、主クラッチ・ブレーキペダル64が所定の半クラッチ位置に到達するまでの踏み込み操作量で、静油圧式無段変速装置8の出力回転数Noが第1設定回転数Na以下になる前進操作域Fにおける低速側の操作位置まで主変速レバー81を押し戻し、又、静油圧式無段変速装置8の出力回転数Noが第2設定回転数Nb(例えば500rpm)を超える走行状態が現出される前進操作域Fにおける3速以上の高速側の変速位置に主変速レバー81を操作した場合において、機体を走行停止させるための主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み限界位置への踏み込み操作が行われると、そのときの踏み込み操作量で、静油圧式無段変速装置8の出力回転数Noが第2設定回転数Nb程度になる前進操作域Fの2速位置まで主変速レバー81を押し戻すように設定されている。一方、押し戻された主変速レバー81は、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作が解除されても、デテント機構Cの作用によって押し戻された操作位置に保持されるようになっている。 【0054】つまり、中継アーム84の操作ピン84a、連係アーム96、押圧具98、及び接当部99によって、操作具の一例である主クラッチ・ブレーキペダル64の減速操作領域への踏み込み操作に連動して静油圧式無段変速装置8を減速操作する減速連動機構Dが構成されており、これによって、例えば、静油圧式無段変速装置8の出力回転数Noが第1設定回転数Naを超える高速走行中に機体を旋回させる場合には、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作で旋回可能な速度域まで制動減速させると、その操作に連動して静油圧式無段変速装置8の減速操作を行えるようになって、主変速レバー81の手動操作による静油圧式無段変速装置8の減速操作を行う必要がなくなることから、ステアリングホイール18による旋回操作を余裕を持って行えるようになり、もって、旋回操作性の向上を図れるようになっている。 【0055】又、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作による機体の減速あるいは走行停止後の増速又は走行再開時には、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み解除に伴って、静油圧式無段変速装置8の減速操作によって回転数が低下しているギヤ式伝動装置10の入力軸10aと、制動減速又は制動停止されていたギヤ式伝動装置10の第1ギヤ10bとが主クラッチ32の作動によって接続されるようになることから、増速時に機体が急加速する又は走行再開時に機体が急発進する不都合や主クラッチ32の摩擦板74が焼けるなどの不都合が発生することを防止できるようになっている。 【0056】ちなみに、前述したように、減速連動機構Dにおいては連係アーム96の遊端部に接当部99を螺合していることから、接当部99の螺合調節によって、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作に基づいた減速連動機構Dによる静油圧式無段変速装置8の減速操作開始位置や減速操作量を設定変更できるようになっている。又、減速連動機構Dは、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作量が大きくなるほど、主変速レバー81を前進操作域Fの低速側に押し戻す押し戻し操作量が小さくなるように操作設定されており、これによって、主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作で主変速レバー81が中立位置を超える操作力が発生することを防止できるようになっている。 【0057】図1及び図15に示すように、苗植付装置4には、左右一対の線引きマーカ100が、その先端が圃場に突入して次回の走行基準線を形成する作用姿勢と、その先端が圃場から離間して苗植付装置4に近接する格納姿勢とに、前後向きの軸芯P12周りに姿勢切り換え可能に装備されている。 【0058】図15〜17に示すように、左右の線引きマーカ100は、苗植付装置4を所定の非作業高さ位置である上限位置まで上昇させる際のリンク機構3の上昇揺動に伴って、リンク機構3の揺動始端部に配設された左右の押圧ローラ101が、左右の天秤アーム102を横向きの軸芯P13周りに揺動操作して、対応する天秤アーム102と線引きマーカ100とを連係する操作ワイヤ103を引き込み操作することで、各線引きマーカ100を作用姿勢に付勢するバネ104の付勢に抗して格納姿勢に切り換えられ、格納姿勢においては、走行機体1に縦向きの軸芯P14周りに揺動自在に装備された左右のロック具105が、対応する天秤アーム102にバネ106の付勢で係合することによって、苗植付装置4を下降させるリンク機構3の下降揺動にかかわらず格納姿勢で保持されるようになっている。 【0059】又、左右の線引きマーカ100は、左右のロック具105に亘るように左右向きに架設された連係部材107が、その左右に外嵌するバネ108の付勢に抗して左右いずれか一方に摺動操作され、連係部材107に備えられた左右の操作片107Aのいずれか一方が対応するロック具105をバネ106の付勢に抗して軸芯P14周りに揺動操作することで、左右のロック具105と対応する天秤アーム102との係合による格納姿勢での保持が選択的に解除されて作用姿勢への姿勢切り換えが許容され、その状態で苗植付装置4を所定の作業高さ位置である植え付け位置まで下降させるリンク機構3の下降揺動操作が行われる、もしくは、苗植付装置4が植え付け位置に位置する状態で左右のロック具105による格納姿勢での保持が選択的に解除されると、選択解除された側の線引きマーカ100がバネ104の付勢で作用姿勢に切り換えられるようになっている。 【0060】図16〜18に示すように、連係部材107の右端部には、運転座席20の右側方に左右向きの軸芯P15周りに前後揺動可能に、かつ、前後向きの軸芯P16周りに左右揺動可能に配設された昇降レバー109との係合を可能にする係合部107Bが備えられている。昇降レバー109は、前後揺動操作で「上昇」「中立」「下降」「植付」の各操作位置に位置させることができ、「植付」位置において連係部材107の係合部107Bに係合するようになっている。つまり、昇降レバー109を「植付」位置に位置させた状態で左右揺動させることによって、連係部材107を左右方向に摺動させることができて、左右のロック具105による対応する線引きマーカ100の格納姿勢での保持を選択的に解除することができるようになっている。 【0061】図18〜21に示すように、昇降レバー109は、それと軸芯P15周りに前後方向に一体揺動する操作板110に軸芯P16周りに左右揺動可能に支持され、かつ、バネシリンダ111によって後方の「上昇」位置に向けて揺動付勢されている。 【0062】操作板110は、左右向きの軸芯P17周りに揺動操作される第1天秤アーム112、連係ロッド113、及び、縦向きの軸芯P18周りに揺動可能な第2天秤アーム114を介して、ミッションケース9の上面に配備された3位置切り換え式の切換弁115に連係され、操作ロッド116を介してリンク機構3に連係され、操作ロッド117、左右向きの軸芯P19周りに揺動可能な第1揺動部材118、及び第1連係ロッド119を介して、バネ120によって伝動切り状態に復帰付勢された施肥クラッチ57に連係され、操作ロッド117、左右向きの軸芯P19周りに揺動可能な第2揺動部材121、第2連係ロッド122、及び縦向きの軸芯P20周りに揺動可能なクランクアーム123を介して、バネ124によって伝動切り状態に復帰付勢された植付クラッチ37に連係されている。 【0063】操作板110と第1天秤アーム112とは、昇降レバー109の「上昇」位置に向けた揺動操作で、操作板110が第1天秤アーム112を切換弁115に内装されたバネ115Aの付勢に抗して軸芯P17周りに揺動操作するように接当連係されている。操作板110と操作ロッド116とは、苗植付装置4を植え付け位置から上限位置まで上昇させる際のリンク機構3の上限側での上昇揺動に連動して、操作ロッド116が操作板110をバネシリンダ111の付勢に抗して軸芯P15周りに操作するように長孔110Aを介して連係されている。又、操作板110と操作ロッド117とは、昇降レバー109を「下降」位置から「植付」位置に操作した際に操作板110が操作ロッド117を押し込み操作するように長孔110Bを介して連係されている。 【0064】第1天秤アーム112は、操作ワイヤ125と連係部材126とを介して左右中央に配置された整地フロート(以下、センターフロートと略称する)22の前端部にも連係されている。操作ワイヤ125は、そのアウタワイヤ125Aのフロート側端部が連係部材126を介してセンターフロート22に連結され、インナワイヤ125Bのフロート側端部が、連係部材126に形成された長孔126Aに挿通される連係ピン127、苗植付装置4の支持フレーム128に左右向きの軸芯P21周りに揺動可能に支持された状態で連係ピン127を支持する天秤部材129、及び、天秤部材129の後部に連結されるロッド130を介して植付深さ調節レバー131に連結されており、これによって、植付深さ調節レバー131により各植付機構26に対する各整地フロート22の高さ位置を左右向きの軸芯P22周りに一体的に変更する植え付け深さ調節にかかわらず、センターフロート22の姿勢とアウタワイヤ125Aに対するインナワイヤ125Bの突出量との関係を一定にすることができるようになっている。そして、連係部材126と連係ピン127とに亘って、センターフロート22をその後部に設定された左右向きの軸芯P23周りに下降揺動付勢するバネ132が架設されている。 【0065】切換弁115は、油圧シリンダ2に対する作動油の流動を停止することで油圧シリンダ2の伸縮作動を停止させて苗植付装置4を昇降停止させる中立位置と、油圧シリンダ2から作動油を排出することで油圧シリンダ2を伸長作動させて苗植付装置4を下降させる下降位置と、油圧シリンダ2に作動油を供給することで油圧シリンダ2を短縮作動させて苗植付装置4を上昇させる上昇位置とに切り換え可能な3位置切り換え式のものであり、内装したバネ115Aによって下降位置に復帰付勢されている。 【0066】操作板110には、バネ133によって左右向きの軸芯P24周りに操作板110に向けて揺動付勢される揺動アーム134に備えられた係合ローラ134Aとの係合で、昇降レバー109を「中立」「下降」「植付」の各操作位置に係合保持する3つの係合凹部110Cと、係合ローラ134Aとの接当で昇降レバー109を「上昇」位置に接当保持する接当部110Dとが形成されている。 【0067】そして、以上の構成から、昇降レバー109を「中立」位置から「下降」位置に操作すると、操作板110が第1天秤アーム112から逃げる状態になることから、切換弁115がバネ115Aの付勢で下降位置に切り換えられて苗植付装置4が下降し、この下降による接地でセンターフロート22が軸芯23周りに上昇揺動して基準姿勢に復帰すると、その揺動に連動した操作ワイヤ125の整地フロート22側への引き込み操作によって、第1天秤アーム112が操作板110から離間する方向に揺動し、その揺動で切換弁115が下降位置から中立位置に切り換えられることで、苗植付装置4の下降が停止されるようになっている。そして、この状態が苗植付装置4が植え付け位置に位置する状態であり、この状態では第1天秤アーム112が操作板110から離間していることから、機体の走行に伴ってセンターフロート22が圃場泥面の起伏に沿って軸芯P23周りに上下揺動すると、その揺動に連動して、その揺動方向に応じた操作位置に切換弁115が切り換えられて、センターフロート22を基準姿勢に復帰させる状態に苗植付装置4が昇降するようになり、もって、圃場の起伏にかかわらず苗植付装置4を植え付け位置に維持することができるようになっている。 【0068】昇降レバー109を「下降」位置から「植付」位置に操作すると、操作板110が操作ロッド117を押し込み操作するようになり、それに連動して、施肥クラッチ57がバネ120の付勢に抗して伝動切り状態から伝動入り状態に切り換えられ、かつ、植付クラッチ37がバネ124の付勢に抗して伝動切り状態から伝動入り状態に切り換えられるようになることから、苗植付装置4及び施肥装置5が作動する作業状態が現出されるようになっている。そして、この作業状態においても、第1天秤アーム112が操作板110から離間していることから、機体の走行に伴うセンターフロート22の軸芯P23周りの上下揺動に連動した切換弁115の切り換えで、圃場の起伏にかかわらず苗植付装置4を植え付け位置に維持できるようになっており、もって、予め設定した植え付け深さでの苗の植え付けを安定して行えるようになっている。 【0069】昇降レバー109を「植付」位置から「下降」位置に操作すると、操作板110が操作ロッド117の押し込み操作を解除するようになり、それに連動して、施肥クラッチ57がバネ120の付勢で伝動入り状態から伝動切り状態に切り換えられ、かつ、植付クラッチ37がバネ124の付勢で伝動入り状態から伝動切り状態に切り換えられるようになることから、苗植付装置4及び施肥装置5が作動停止する非作業状態が現出されるようになっている。 【0070】昇降レバー109を「下降」位置から「上昇」位置に操作すると、操作板110が第1天秤アーム112に接当して軸芯P17周りに揺動させるようになることから、切換弁115がバネ115Aの付勢に抗して上昇位置に切り換えられて苗植付装置4が上昇し、この上昇でリンク機構3が操作ロッド116を介して操作板110を押圧操作すると、それに伴う操作板110の軸芯P15周りの揺動で昇降レバー109が「上昇」位置から「中立」位置に押し戻され、バネ115Aの付勢と操作板110による第1天秤アーム112の揺動規制で切換弁115が中立位置に切り換えられることで、苗植付装置4の上昇が上限位置で停止されるようになっている。 【0071】尚、第2揺動部材121には、植付クラッチ37の伝動入り状態への切り換え操作が、施肥クラッチ57の伝動入り状態への切り換え操作よりも遅れて行われるようにするための長孔121Aが形成されており、これによって、苗の植え付け位置から離れた位置に装備されている施肥装置5の各繰出機構28から繰り出された肥料を、苗植付装置4の各植付機構26による圃場への苗植え付けタイミングに遅れることなく圃場に埋没させることができるようになっている。 【0072】図18、図19及び図21に示すように、センターフロート22と第1天秤アーム112とを連係する操作ワイヤ125において、そのアウタワイヤ125Aの第1天秤アーム側端部は左右向きの軸芯P26周りに揺動可能な支持アーム135に連結され、その支持アーム135は、位置調節固定可能な調節レバー136にバネ137を介して連動連結されている。この構成から、調節レバー136の操作によって、センターフロート22を下降揺動付勢するバネ132の付勢力を調節することができ、これによって、センターフロート22の接地追従感度を圃場の泥土硬さに応じて変更できるようになり、もって、圃場泥土の硬さを考慮した好適な植え付けを行えるようになっている。 【0073】図13及び図18〜20に示すように、主変速レバー81を操作案内するガイド板88における前進操作域Fの低速側には、主変速レバー81の後進操作域R側への操作を許容する融通操作域Frが形成されており、枕地旋回を可能にするため減速操作が主クラッチ・ブレーキペダル64の踏み込み操作で行われた場合には、減速連動機構Dの作用で主変速レバー81が融通操作域Frに位置するように設定されている。又、ガイド板88には、主変速レバー81の選択操作域N及び融通操作域Frでの後進操作域R側への操作によって縦向きの軸芯P27周りに揺動操作される連係アーム139が装備され、この連係アーム139は、主変速レバー81による揺動操作に連動して、揺動アーム134を軸芯P24周りで操作板110から離間する方向に揺動させて、操作板110の各係合凹部110Cと揺動アーム134の係合ローラ134Aとの係合による昇降レバー109の係合保持を解除するように、連係ワイヤ140を介して揺動アーム134に連係されている。 【0074】そして、昇降レバー109の係合保持が解除されると、バネシリンダ111の付勢で昇降レバー109が「上昇」位置に向けて揺動操作され、この操作に連動して、植付クラッチ37及び施肥クラッチ57が伝動入り状態である場合にはそれらが伝動切り状態に切り換えられ、苗植付装置4が上限位置に位置していない場合には上限位置まで上昇し、いずれかの線引きマーカ100が作用姿勢である場合には格納姿勢に切り換えられるようになっている。 【0075】つまり、バネシリンダ111、揺動アーム134、連係アーム139、及び連係ワイヤ140によって、主変速レバー81の選択操作域N又は融通操作域Frでの後進操作域R側への操作に基づいて苗植付装置4を上限位置まで強制上昇させる強制上昇操作機構Eが構成されている。 【0076】以上の構成により、枕地で機体を枕地旋回(小回り旋回)させて現在の作業走行経路から次回の作業走行経路へ移行させる場合には、左手で主変速レバー81を前進操作域Fの低速位置に操作する、又は、右足で主クラッチ・ブレーキペダル64を踏み込み操作することで、枕地旋回が可能な低速走行状態を現出することができ、それらの操作で融通操作域Frに位置するようになる主変速レバー81を左手で後進操作域R側に操作することで、苗植付装置4及び施肥装置5の作動停止状態への切り換えと、植え付け位置に位置する苗植付装置4の上限位置への上昇と、作用姿勢にある線引きマーカ100の格納姿勢への切り換えとを行うことができて、苗の植え付けと施肥と次回の走行基準線の形成とを行わない非作業走行状態を現出することができ、左右の前輪13が直進状態から設定角以上に操向されるように両手でステアリングホイール18を操作することで、作業走行経路を移行する枕地旋回状態を現出することができるようになっている。 【0077】つまり、これらの操作を行う際には、ステアリングホイール18と主変速レバー81との二者間での持ち替え動作を交えるだけでよく、昇降レバー109に対する持ち替え動作を交える必要がないことから、その分、それらの操作を戸惑いなく、又、手間取ることなく行えるようになって、その後の旋回操作に余裕を持てるようになるのであり、もって、その後の旋回操作による作業走行経路の移行をスムーズに行えるようになる。 【0078】又、苗植付装置4を植え付け位置に位置させた作業走行中に機体を後進させる必要が生じた場合には、左手で主変速レバー81を選択操作域Nにて前進操作域Fから後進操作域Rに操作することで、前進状態から後進状態に切り換えながら、苗植付装置4及び施肥装置5の作動停止状態への切り換えと、植え付け位置に位置する苗植付装置4の上限位置への上昇と、作用姿勢にある線引きマーカ100の格納姿勢への切り換えとを行うことができ、もって、苗植付装置4を上限位置に位置させた非作業後進状態を現出できるようになっている。 【0079】つまり、この場合には、昇降レバー109に対する持ち替え動作を交える必要がなく、又、苗植付装置4を上昇させるための専用の操作を行う必要がないことから、その分、操作の容易化を図れるようになっている。 【0080】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。 ■ 水田作業機としては直播機や除草機などであってもよい。 ■ 搭乗運転部21の左側足元位置に操作具64の一例であるクラッチペダルが配備され、かつ、搭乗運転部21の右側足元位置に操作具64の一例であるブレーキペダルが配設された走行機体1においては、クラッチペダル64又はブレーキペダル64による減速操作に連動して、主変速レバー81が融通操作域Frまで戻し操作されるように減速連動機構Dを構成してもよい。 ■ 対応する後輪17に対する伝動の断続並びに制動力の付与を行う左右のサイドクラッチ・ブレーキを後輪駆動装置16に装備するとともに、対応するサイドクラッチ・ブレーキに連係された操作具64の一例である左右のサイドクラッチ・ブレーキペダルを搭乗運転部21に装備した水田作業機においては、左右のサイドクラッチ・ブレーキペダル64による減速操作に連動して、主変速レバー81が融通操作域Frまで戻し操作されるように減速連動機構Dを構成してもよい。 ■ 強制上昇操作機構Eとしては、主変速レバー81の選択操作域N及び融通操作域Frでの後進操作域R側への操作を検出する検出スイッチからの検出情報に基づく電磁シリンダや電動モータの作動で昇降レバー109の係合保持を解除するように構成されたものであってもよい。 ■ ガイド板88としては、選択操作域Nと融通操作域Frとの間に、融通操作域Frから後進操作域Rへの主変速レバー81の直線的な揺動操作を阻止する仕切壁を備えたものであってもよい。 ■ 図22に示すように、例えば、ピットマンアーム45に装備した左右の操作片45A、対応する操作片45Aにより縦向きの軸芯P28周りに揺動操作される左右の第1クランクアーム141、及び、左右の第1クランクアーム141の揺動に連動して縦向きの軸芯P29周りに揺動操作されるように各第1クランクアーム141に操作ワイヤ142を介して連係された第2クランクアーム143、などから、操向輪13の直進状態からの設定角以上の操向操作に連動して、融通操作域Frに位置する主変速レバー81を後進操作域R側に操作するように構成された連動操作機構Gを装備するようにしてもよい。この構成においては、上記の連動を解除する状態に切り換え可能な解除機構を連動操作機構Gに装備するようにしてもよい。 ■ 主変速レバー81を後進操作域R側から前進操作域F側に向けて横方向に揺動付勢するバネなどの付勢手段を設けるようにしてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−275413(P2001−275413A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月9日(2001.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−98532(P2000−98532) |
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