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【発明の名称】 植付装置
【発明者】 【氏名】福本 仁志

【氏名】野坂 健吉

【要約】 【課題】たばこ移植機に、植付カップに付着した土を良好に掻き落とすスクレーパが設けられるよう考慮する。

【解決手段】昇降自在に支持されていて、下降して圃場に突入して開くことにより、圃場に植付穴を形成すると共に内部に保持した苗を植付穴に落下させるように構成した植付カップを備えた植付装置において、前記植付カップが上昇する際において、植付カップ外面に接当して、その上部についた土を掻き落とす上スクレーパ部材72と、下部についた土を掻き落とす下スクレーパ部材73とからなるスクレーパ69を備え、上スクレーパ部材72が硬質材料で形成されていて植付カップの外形状に沿う掻き落とし部を備え、下スクレーパ部材73を弾性体で形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 昇降自在に支持されていて、下降して圃場に突入して開くことにより、圃場に植付穴を形成すると共に内部に保持した苗をこの植付穴に落下させるように構成した植付カップを備えた植付装置において、前記植付カップが上昇する際において、植付カップ外面に接当して、その上部についた土を掻き落とす上スクレーパ部材と、下部についた土を掻き落とす下スクレーパ部材とからなるスクレーパを備えたことを特徴とする植付装置。
【請求項2】 上スクレーパ部材が硬質材料で形成されていて植付カップの上部側の外形状に沿う掻き落とし部を備え、下スクレーパ部材は弾性体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の植付装置。
【請求項3】 植付カップは前後一対の構成体で前後に開閉するように構成されており、スクレーパは後側の構成体の外側の土を掻き落とすことを特徴とする請求項1又は2に記載の植付装置。
【請求項4】 植付カップを強制的に開かせるためのレバーを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の植付装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、主に、たばこ移植機に採用される植付装置に関し、特に、植付カップのスクレーパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、走行体の後方に、苗を畝に植え付ける植付体と、この植付体に苗を供給する苗供給装置とを備え、畝の長手方向に沿って走行しながら苗を畝に自動的に植え付けるようにした移植機がある。この移植機の植付体として、移植装置のフレームに昇降自在に支持されると共に、前後に開閉自在な植付カップを備えたものがある。植付カップは下方に向けて先窄まり状のくちばし状に形成され、その運動軌跡の上部位置で上方から苗が供給されると共に、該植付カップが閉じた状態で苗を保持しながら下降し、植付カップは畝に突入して前後に開くことで、畝に植え穴を形成すると共に、この形成した植え穴に苗を落下放出するように構成されている。
【0003】この種の植付装置にあっては、植付カップが畝に突入するので、植付カップに土が付きやすく、植付カップに土が付くと植え穴が大きくなる等の弊害があるので、ゴム板によって構成されたスクレーパを設けたものもある。しかしながら、たばこ移植機では、苗が略没入状となるような大きな植え穴を形成するために、野菜の植付カップに比べて植付カップが大きく、上方に向かうにしたがって径の変化が大きな(下方に向けて先窄まり状の)略円錐形をしていると共に下部は前後に扁平な嘴状に形成されており、上部側の形状と下部側の形状とは大きく相違するので、ゴム板だけでは土を掻き落とすのが困難であり、たばこ移植機にあっては、スクレーパは設けられていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】たばこ移植機にあっては、植付カップに付着した土を掻き落とすスクレーパが設けられていないので、畝の端まで苗を植え付けて旋回したときなどに、へら状のもので、いちいち植付カップに付着した土を掻き落とすという、面倒な作業が必要であった。そこで、本発明は前記問題点に鑑みて、たばこ移植機のように上下の形状が大きく異なる植付カップであっても、土を良好に掻き落とすことができるスクレーパを備えた植付装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、昇降自在に支持されていて、下降して圃場に突入して開くことにより、圃場に植付穴を形成すると共に内部に保持した苗をこの植付穴に落下させるように構成した植付カップを備えた植付装置において、前記植付カップが上昇する際において、植付カップ外面に接当して、その上部についた土を掻き落とす上スクレーパ部材と、下部についた土を掻き落とす下スクレーパ部材とからなるスクレーパを備えたことを特徴とする。
【0006】また、上スクレーパ部材が硬質材料で形成されていて植付カップの外形状に沿う掻き落とし部を備え、下スクレーパ部材は弾性体で形成されているのがよい。また、植付カップは前後一対の構成体で前後に開閉するように構成されており、スクレーパは後側の構成体の外側の土を掻き落とすのがよい。また、植付カップを強制的に開かせるためのレバーを備えているのがよい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3において、移植機は、主として、たばこの苗の移植に使用されるたばこ移植機であり、走行体1と、該走行体1に設けられた移植装置2とにより構成されており、畝Rの長手方向に前方移動(矢示C方向)しながら畝Rに苗を自動的に植え付けていくものである。走行体1は、車体3を有し、該車体3にエンジン(図示省略)、ミッションケース4等が取り付けられている。エンジンやミッションケース4はボンネット5で覆われている。
【0008】車体3の前部には、左右一対の前輪支軸6が左右方向に張出状に設けられ、該支軸6に前輪アーム7が設けられ、該アーム7の先端に前輪8が回動自在に支持されている。また、ミッションケース4の左右両側から後輪支軸9が左右方向張出状に設けられ、該支軸9に伝動ケース10が後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に取り付けられ、該伝動ケース10の先端部に後輪11が支持されている。前記後輪支軸9の軸心部に走行動力伝動軸12が挿通され、該伝動軸12から伝動ケース10内の動力伝動機構を経由して前記後輪11にエンジンの動力が伝達されるよう構成されている。
【0009】前記伝動ケース10は昇降シリンダ13の動作により後輪支軸9回りに上下方向揺動自在とされている。この昇降シリンダ13の動きは、連動リンク14を介して前輪支軸6に伝達され、前輪アーム7も前輪支軸6回りに上下方向揺動し、車体3の高さが調整自在とされている。また、ローリングシリンダ15の動作により、左右の伝動ケース10が互いに逆方向に揺動し、また、この揺動は連動リンク14を介して左右の前輪アーム7を互いに逆方向に揺動させることにより、車体3を左右方向ローリング可能として、左右方向の水平制御が可能とされている。
【0010】更に左右の前輪アーム7の距離及び左右の伝動ケース10の距離を調整自在として、輪距調整可能とされている。この移植機では、右側の前後輪8,11を車体3に対して左右方向に移動させることにより、輪距調整可能とされている。前記ミッションケース4の後部の上部には、後方に延出する主フレーム16が固定されており、この主フレーム16の後端に主ハンドル17が取り付けられ、この主ハンドル17の左右両側には補助ハンドル82が設けられている。たばこの栽培では、植付穴に苗全体を没入状とするので、畝は大畝(高さ及び幅が大)Rとなるが、この大畝Rに通常の畝に対応させて形成された移植機を使用すると、畝Rの高さが高いため、その分、車体を上昇させなければならないことから、後輪を支持する伝動ケースが立ってくるが、あまり伝動ケースを立てると左右方向の水平制御等がしづらくなるので、たばこ栽培用の移植機では、大畝Rに対応させるべく長い伝動ケース10が使用される。
【0011】また、枕時での旋回時等においては、歩行型移植機では、通常、ハンドルを押し下げて車体を後輪回りに前上がり状態に傾かせて前輪を上昇させ、左右一方の後輪への動力伝達を切ることにより行われるが、この時、前輪側を上昇し易くするように、伝動ケースを立てるので、伝動ケースが長くなると、車体の位置が高くなるに伴って、ハンドルの位置も高くなり、ハンドルを押し下げ難くなる。そこで、この実施の形態における移植機では、主ハンドル17に、該ハンドル17の握り部分よりも下方側に位置する左右一対の補助ハンドル82を設け、枕時での旋回時等にあっては、この補助ハンドル82を使用することで、移植機後部側の押し下げが行いやすくなるように考慮されている。
【0012】したがって、後輪11への動力伝達を入り・切りする操向クラッチを操作する操作レバー83は補助ハンドル82に取り付けられている。また、通常の作業時や移動時等にあっては、補助ハンドル82では、位置が低く、腰を曲げた状態となることから、主ハンドル17を用いることで、真っ直ぐたったまま作業等を行うことができる。また、ミションケース4の後部の下部には、植付フレーム18が後方延出状に且つ主フレーム16に固定状に取り付けられている。そして、前記主フレーム16及び植付フレーム18に、前記移植装置2が設けられている。
【0013】前記移植装置2は、前記ミッションケース4の下腹部に設けられた整地装置19と、前記主フレーム16の後部と主ハンドル17上にわたって設けられた苗供給装置20と、該苗供給装置20の前方の前記主フレーム16上に設けられた苗取出装置21と、該苗取出装置21の下方で前記植付フレーム18に設けられた植付装置22と、畝Rの表面を覆うマルチフィルムMの苗植付位置に穴を形成する穿孔装置(図示省略)等とを有する。前記整地装置19は、ミッションケース4の下腹部に上下方向揺動自在に設けられたブラケット24を有し、該ブラケット24に整地ローラ25が回動自在に支持されている。この整地ローラ25は畝Rの頂面を転動するよう構成されている。
【0014】前記苗供給装置20は、多数のポット苗(土付き苗)を縦横に収容した苗トレイを縦横に間欠送りする苗載台26を有する。この苗載台26は、苗トレイから苗を前方に取り出せるように、後方に向かうにしたがって上方に移行するよう傾斜配置されている。前記苗取出装置21は、前記苗トレイから土付き苗を一つづつ取り出して、植付装置22に供給するものであり、苗の床土部に突き刺さる左右一対の取出爪27と、該爪27を支持する爪支持装置28と、該爪支持装置28を運動させる爪駆動装置29とからなる。
【0015】爪駆動装置29は、前記主フレーム16に固定され、前記ミッションケース4から伝動軸30を介してエンジンの動力が伝達される。図2、図4、図5に示すように、前記植付装置22は、下部側が前後に開閉自在とされた植付体31と、該植付体31を上下動させる昇降装置32と、前記植付体31の下部側を開閉させる開閉装置33とを有する。この植付装置22にあっては、植付体31の下部を閉じた状態で上昇位置にて該植付体31内に上方から苗を投入して収納し、植付体31を下降させて該植付体31の下部を畝Rに突き刺し且つ開くことで、畝Rに植付穴を形成すると共に該植付穴に植付体31内に保持した苗を落下させて放出することで、植付体31内の苗を畝Rに植え付けるようにしている。
【0016】前記植付体31は、上部の支持筒34と、前後に開閉自在な下部の植付カップ(開口器)41と、前後一対の枢支部35を介して植付カップ41を支持筒34に開閉自在に取付支持する取付体40とを備えている。なお、支持筒34には上方側から内嵌されて植付カップ41の下部側に至る筒状の苗ガイドが設けられ、この苗ガイドはプラスチック製で弾性変形可能であり、支持筒34に上方から投入される苗を下方の植付カップ41へと案内すると共に、植付カップ41を閉じた状態では、苗の葉部をその内周面で支えることにより苗を略真っ直ぐに立った状態に保持する。
【0017】前記植付カップ41は、図4、図6及び図7に示すように、前後の構成体41A,41Bから前後に開閉自在に構成されており、閉じた状態で、下方に向けて先窄まり状の略円錐状に形成された上方開放状のカップ状に形成されて内部に苗を収容保持可能とされ、開いた状態で苗を下方に落下放出可能とされている。また、この植付カップ41は、苗を略没入状とする植付穴を形成するために、下方から上方に向かうにしたがって大きく径が異なる大型に形成されている。また、植付カップ41の下部37は、植付穴の底部を平らにして放出された苗の転倒を防止すべく前後に扁平な嘴状に形成されている。
【0018】また、植付カップ41の各構成体41A、41Bの上端には、それぞれフランジ38が設けられている。前記取付体40は逆V字形に形成され、その前後方向中央部が支持筒34の側面に固定されている。取付体40の前後に、軸受体からなる左右方向の軸心を有する枢支部35が設けられ、前後各枢支部35には、それぞれ軸39を介して揺動アーム36が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支されている。前側の軸39に支持された揺動アーム36には後側の構成体41B(のフランジ38)が、後側の軸39に支持された揺動アーム36には前側の構成体41A(のフランジ38)が、それぞれ取付支持されている。
【0019】これにより、植付カップ41の前後の構成体41A,41Bが支持筒34に左右方向の軸心回りに前後揺動自在に支持されており、図4に示す植付カップ41の閉じた状態から、植付カップ41の前側の構成体41Aが前方(矢示A方向)に揺動すると共に、植付カップ41の後側の構成体41Bが後方(矢示B方向)に揺動することで、植付カップ41が前後に開くようになっている(図5参照)。前後の揺動アーム36は、植付カップ41の前後の構成体41A,41Bが互いに接近するようスプリング42により付勢されており、このスプリング42によって植付カップ41が閉じるように(前後構成体41A,41Bの対向側が合わさるように)付勢されている。
【0020】また、一方の揺動アーム36には、連動ピン43が突設され、他方の揺動アーム36には、前記ピン43が係合する長孔44が形成されており、一方の揺動アーム36が枢支部35の軸39回りに回動すれば、連動ピン43と長孔44の係合により、他方の揺動アーム36も同様に枢支部35の軸39回りに回動し、植付カップ41が開閉されるようになっている。前記昇降装置32は、前記支持筒34に後端部が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支された上下一対の第一平行リンク45と、該第一平行リンク45の前端部に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支された中継部材46と、該中継部材46に下端部が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支されると共に上端部が主フレーム16及び植付フレーム18に設けられたブラケット47に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支された前後一対の第二平行リンク48と、前記植付フレーム18に回転自在に設けられたクランクアーム49と、該クランクアーム49と前記第一平行リンク45とを連結するクランクピン50とを有する。
【0021】クランクピン50は、前記第一平行リンク45の上側リンクの中途部に設けられた軸受部58に挿通されている。前記クランクアーム49には前記ピン50とは反対側の端部に軸部51を有し、該軸部51は、植付フレーム18に設けられた軸受部52に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。また、軸部51の端部には従動スプロケットが設けられ、前記植付フレーム18の前端側には、前記エンジンからの動力が伝達される出力軸54が設けられ、該出力軸54に駆動スプロケットが設けられ、これら駆動スプロケットと従動スプロケットはチェーンで連動されており、エンジンからの動力により、クランクアーム49が図4の矢示D方向に回転駆動され、これにより第一,第二平行リンク45,48の揺動を介して植付体31が昇降されるようになっている。
【0022】すなわち、クランクアーム49が図4の矢示D方向に回転駆動すると、植付体31は、図4に示す最上端位置から下降するが、この下降過程において前半は前方移動しながら下降し、途中から後方移動しながら下降する。また、図5に示す最下端位置に達すると、今度は上昇するが、この上昇過程において前半は後方移動しながら上昇し、途中から前方移動しながら上昇する。なお、植付体31の昇降軌跡は前述したものに限定されない。前記開閉装置33は、第一リンク59と第二リンク60とを有し、第一リンク59の一端側には、一方の揺動アーム36に設けられたピン53に係合する長孔55が形成され、第一リンク59の他端側は、第二リンク60の先端側に枢支され、第二リンク60の基部側は中継部材46に枢支されている。
【0023】前記第二リンク60の中途部にはカムフォロアー61が設けられている。一方、クランクピン50は、前記第一平行リンク45の軸受部58から延出し、この延出部にカム62がスプライン結合されている。このカム62と前記カムフォロアー61が接離自在に当接することにより、開閉装置33が構成されている。前記カム62の形状は、植付体31の下死点(最下端位置)でカムフォロアー61と当接して植付カップ41の開きを行い、上死点では閉じるようになるよう、そのカム形状が選定されている。
【0024】そして、その開閉タイミングや開度はカム形状を適宜選定することにより任意に設計することができる。なお、たばこ移植機の植付体31(特に植付カップ41)は大型であるため、安定良く植付体を昇降させるために、前記植付装置2にあっては、第一平行リンク45、第二平行リンク48、中継部材46、取付体40、前後揺動アーム36等は植付体31の左右両側に設けられ、植付体31は両持ち支持されている。植付体31の後部側には、ガイド部材64が設けられている。
【0025】このガイド部材64の上部には、取付板65が固定され、この取付板65は揺動アーム36の基部側上部に形成された取付部67にボルト等によって固定されている。このガイド部材64の上部は、下方に向かうにしたがって後方に移行する傾斜状に形成され、下部は、下方に向かうにしたがって前方に移行する傾斜状に形成され、このガイド部材64の後面側はガイド面64とされている図1及び図2に示すように、前記植付装置22には、植付カップ41の外面に付着した土を掻き落とすスクレーパ装置68が設けられている。
【0026】このスクレーパ装置68は、スクレーパ69と、このスクレーパ69を支持する支持部材70と、スクレーパ69を植付カップ41に押し付けるべく付勢する付勢手段71等を有する。支持部材70は左右一対のアーム部75と、左右アーム部75の下端同志連結する連結壁76とから主構成されている。また、植付フレーム18の後部左右両側には、ブラケット77がボルト等によって固定され、この左右ブラケット77に支持部材70の左右アーム部75の上端側が支軸78を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されていて、支持部材70が前後揺動自在とされている。
【0027】また、前記ブラケット77には、支持部材70に接当して該支持部材70の前方揺動を規制するストッパ79が設けられている。スクレーパ69は、上スクレーパ部材72と下スクレーパ部材73との二部材で構成されている。図1、図8、図9に示すように、上スクレーパ部材72は、金属板(例えば、ステンレス板、鉄板等)等の硬質の板材で形成され、前部側に、植付カップ41の上部の外形に沿う円弧状の凹部からなり、後側の構成体41Bの上部に接当して、該後構成体41Bの外面上部に付着した土を掻き落とす掻き落とし部74が形成されている。
【0028】なお、上スクレーパ部材72は硬質の材料であればなんでもよいが、樹脂、木材は耐久性に問題がある。下スクレーパ部材73は、ゴム板等の弾性板から矩形状に形成され、上スクレーパ部材72よりも若干前方に突出している(はみ出ている)。付勢手段71は、本実施の形態では引っ張りコイルバネで構成され、一端側は支持部材70の一方のアーム部75に設けられたバネ掛け部80に掛止され、付勢手段71の他端側は、前記ブラケット77の前方に配置されて植付フレーム18に固定されたブラケット81に設けられたバネ掛け部84に掛止されている。
【0029】また、このバネ掛け部84は、外周面に雄ネジが形成されると共に、ブラケット81に設けられた支持壁85を貫通し、さらにこの支持壁85の前後に配置されて雄ネジ部に螺合されたナット86によって固定され、バネ掛け部84を進退させることにより、付勢力(バネ圧)を調整できるように構成されている。また、支持部材70の一方のアーム部75の下部には前方突出状にブラケット86が設けられ、このブラケット86には、ガイド部材64のガイド面66に接当して転動するローラ(被案内部材)87が支軸88を介して左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。
【0030】前記構成のスクレーパ装置68にあっては、植付体31が最下端位置から上昇すると、ガイド部材64のガイド面66がローラ87に接当し、ローラ87がガイド面66上部を転動することで、支持部材70が支軸78廻りに後方(図1の矢示E方向)に揺動してスクレーパ69が後方に逃げ、スクレーパ69に植付カップ41の後側の構成体41Bのフランジ38が接触するのを避ける。また、ローラ87がガイド面66下部を転動することで、スクレーパ69が徐徐に植付カップ41に接近し、該スクレーパ69が後側の構成体41Bのフランジ38の直ぐ下側に案内される。
【0031】このようにして、植付体31が最下端位置から少し上がったあたりで、スクレーパ69が後側の構成体41Bの上部に接当し、植付体31が上昇することによって、スクレーパ69で後側の構成体41Bの外面に付着した土が掻き落とされる。スクレーパ69で、後側の構成体41Bの上部から中途部についた土を掻き落とす際には、下スクレーパ部材73が後側の構成対41Bに押圧されて弾性変形することで、上スクレーパ部材72の掻き落とし部74が後側の構成体41Bの外面に接当して土を掻き落とす。
【0032】このとき、上スクレーパ部材72は後側の構成体41Bの外面に対して略直交するように接当するが、もし、上スクレーパ部材72が弾性体で形成されていると、後側の構成体41に押し付ける(後側の構成体41Bで押圧される)ことにより弾性変形する惧れがあるが、本実施の形態では、上スクレーパ部材72が硬質の材料によって形成されているので、このようなことはない。また、スクレーパ69で、後側の構成体41Bの下部についた土を掻き落とす際には、上スクレーパ部材72が後側の構成体41Bの外面から離れると共に、下スクレーパ部材73が復元しながら後側の構成体41Bの外面に接当して土を掻き落とす。
【0033】このとき、下スクレーパ部材73は後側の構成体41Bの外面に対して斜めに交差するように接当するので、後側の構成体41Bからの押圧力にまけることなく、良好に土を掻き落とす。また、下スクレーパ部材73は、硬質の上スクレーパ部材72によってバックアップされる。なお、植付カップ41の前側の構成体41Aの外面に付着する土を掻き落とすスクレーパが設けられていないのは、植付カップ41は走行体1の前方移動に伴って前方移動しており、前側の構成体41Aは上昇する際に植付穴内面の前側に擦られるので、該前側の構成体41Aの外面には、土があまり付着しないことによる。
【0034】図10は植付体31の他の実施形態を示しており、植付体31に植付カップ41を強制的に開かせるためのカップ開きレバー89を備えている点が前記の実施の形態の植付体31と異なる点であり、その他の点については、前記実施の形態と同様に構成される。植付カップ41の内側に土が付着すると、それを早急に取り除かないと、植付姿勢が悪くなる等の植付作業に悪影響がでるが、植付カップ41を開くには、ある程度の力が必要とされ、また、片手で植付カップ41を開きながら、無理な姿勢で植付カップ41の内側の掃除をするのは、大変な労力が必要とされる。
【0035】そこで、カップ開きレバー89を操作することで、植付カップ41を開くことができるようにすることで、比較的軽い力で植付カップ41を開くことができ、また、無理な姿勢を採らなくても、植付カップ41の内側の掃除を容易に行うことができる。前記カップ開きレバー89は、ガイド部材64を取り付ける取付板65を前方に延長し、この延長部分65Aにカップ開きレバー89が固定されており、カップ開きレバー89を後方に引くことにより、植付カップ41が開くようになっている。
【0036】なお、このカップ開きレバー64は、前後の構成体41A,41Bの一方側に設けられていればよい。図11及び図12に示すように、ボンネット5の左右両側及び上方には、苗が育苗された状態の苗トレイTを置く予備苗置き台90が設けられており、ボンネット5の左斜め上方には、苗の取り出しが終了した後の空の苗トレイTを置いておくための空トレイ置き台91が設けられている。車体3の左右両側に、角パイプ等からなる前後方向の取付部材92が固定され、この左右の取付部材92に、それぞれパイプ材等によって側面視門型状に形成された支持フレーム93の下端側が固定され、この左右各支持フレーム93に、それぞれ上下三段の予備苗置き台90が支持されている。
【0037】左右の支持フレーム93は、パイプ材又は中実の棒材等によって形成された前後一対の支持杆94によって連結されている。各支持杆94の右側は左右方向直線状に形成されていて、前後の支持杆94が苗トレイTのポット部間に挿入状となるように、苗トレイTを前後支持杆94の右側に載せることにより、苗トレイTを載置保持できるように構成されている。この前後支持杆94の右側が、苗が育苗された状態の苗トレイTを置く予備苗置き台90とされている。
【0038】この予備苗置き台90の左右方向中途部には、パイプ材又は中実の棒材等によって形成されていて前記支持杆94の下部に固定された前後方向直線状の規制杆95が設けられており、予備苗置き台90に苗トレイTを載置するときに、規制杆95が苗トレイTのポット部間に挿入状となるように、苗トレイTを載置することにより、苗トレイTの左右方向の位置規制がなされる。また、この規制杆95によって前後支持杆94が連結されて補強されると共に、この規制杆95によっても苗トレイTが支持される。
【0039】また、各支持杆94は長さ方向中途部で下方側に屈曲されていて、各支持杆94の左側は左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状とされており、また、各支持杆94は左端側でさらに左右方向外方に向かうにしたがって上方に移行する傾斜状となるように屈曲されている。この前後支持杆94の左側に、支持杆94が苗トレイTのポット部間に挿入状となるように、苗トレイTを載せることにより、苗トレイTを載置保持できるように構成されており、この前後支持杆94の左側が、苗を取り出した後の空の苗トレイTを置く空トレイ置き台91とされている。
【0040】また、この空トレイ置き台91には、規制枠96が設けられている。この規制枠96は、パイプ材又は中実の棒材等を折曲して形成されており、前後枠部96A,96Bと、前後枠部96A,96Bの右端側を連結する側枠部96Cと、前後枠部96A,96Bの左端側から延出されて支持フレーム93に取り付けられる取付部96DとからC字状に形成されている。前後枠部96A,96Bは、左右方向内方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状となるように形成されると共に、この前後枠部96A,96B間に苗トレイTが長手方向を前後方向として配置できる間隔に形成されている。
【0041】また、側枠部96Cは空トレイ置き台91の下側を通って配設されると共に、前後支持杆94に固定されており、前後支持杆94の補強がなされると共に、空トレイ置き台91に苗トレイTを載置するときに、側枠部96Cが苗トレイTのポット部間に挿入状となるように、苗トレイTを載置することにより、苗トレイTの、支持杆94左側に沿う斜め上下方向の位置規制がなされる。また、苗トレイTを空トレイ置き台91に載置する際にあっては、空の苗トレイTを上方側から規制枠96の前後枠部96A,96B間に挿入状とすると共に、図12の矢示F方向に苗トレイTを移動させて、苗トレイTを空トレイ置き台91に載置する。
【0042】前記構成の空トレイ置き台91では、載置した空の苗トレイTが風等によってバタついても 、規制枠96、特に前後枠部96A,96Bがあることにより、苗トレイTが支持杆94から容易に外れて飛んでいくということがない。したがって、空の苗トレイTを空トレイ置き台91に載せるだけでよく、作業が楽に行える。なお、空の苗トレイを置く空トレイ置き台として、ボンネットの上方に左右方向直線状に配置された前後一対の支持杆によって主構成されたものがあるが、このものでは、載置した空の苗トレイが風等によってバタついて 、支持杆から容易に外れて飛んでいくということがあるため、載置した苗トレイを押さえておく押さえ金具が必要とされ、この押さえ金具はバネによって苗トレイを押さえる方向に付勢されている。
【0043】したがって、このものにあっては、空の苗トレイを載置する際、片手で苗トレイを持ち、もう一方の手でバネ力に抗して押さえ金具を持ち上げ、苗トレイを押さえ金具の下に挟み込むという作業を行わなければならない。また、この作業は、通常は、移植機の走行を止めずに行うため、また、作業者の体は畝と畝との間にあるので無理な姿勢となるため、作業し難いものである。特に、ボンネットの側方に予備苗置き台が上下3段あると困難であるが、本実施の形態では、このようなことはなく、無理な姿勢をとることがなく、作業が容易に行える。
【0044】尚、本発明は前記実施の形態に示したものに限定されるものではなく、乗用型移植機、トラクタに牽引される形式の移植機、又は、手動型の簡易移植装置にも適用されるものである。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、昇降自在に支持されていて、下降して圃場に突入して開くことにより、圃場に植付穴を形成すると共に内部に保持した苗を植付穴に落下させるように構成した植付カップを備えた植付装置において、前記植付カップが上昇する際において、植付カップ外面に接当して、その上部についた土を掻き落とす上スクレーパ部材と、下部についた土を掻き落とす下スクレーパ部材とからなるスクレーパを備えたことにより、たばこの移植に採用されるような、植付カップが大きく、上方に向かうにしたがって径の変化が大きな略円錐形を呈する植付カップであっても、外部に付着した土を良好に落とすことができる。
【0046】また、上スクレーパ部材が硬質材料で形成されていて植付カップの外形状に沿う掻き落とし部を備え、下スクレーパ部材は弾性体で形成することにより、さらに良好な土落としを行える。また、走行体に植付カップを備えると共に、植付カップを前後一対の構成体で前後に開閉するように構成したものにあっては、走行体が前進しながら植付カップが上昇するので、前側の構成体には土は付着しにくい。したがって、前記スクレーパを、後側の構成体の外側の土を掻き落とすのに採用することにより、無駄の無い土落としが行える。
【0047】また、植付カップを強制的に開かせるためのレバーを備えることにより、植付カップを容易に開くことができると共に、植付カップの内部の掃除が容易に行える。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月24日(2000.3.24)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−269018(P2001−269018A)
【公開日】 平成13年10月2日(2001.10.2)
【出願番号】 特願2000−84965(P2000−84965)