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【発明の名称】 移植方法及び移植装置
【発明者】 【氏名】嶋田 進

【氏名】金井 洋一

【氏名】清野 祐治

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする移植方法。
【請求項2】セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする移植装置。
【請求項3】玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする移植方法。
【請求項4】玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする移植装置。
【請求項5】圃場の土壌中に苗を植付けるとき、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項6】圃場の土壌中に苗を植付ける苗植付け手段PTを、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動する苗植付け体pを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置。
【請求項7】前記植物の種子Bを、その苗の老化が前記作物の種子Aの苗の老化より早くはじまる種子として播種して育苗し、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項8】前記作物の種子Aを畑で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bを水田で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給が制限されて前記植物の種子Bの苗NBを枯らした苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項9】移植前或は移植後又は移植中に前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項10】苗植付け手段PTによる苗の植付け前或は植付け後又は植付け中に、前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用する手段DSを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置。
【請求項11】前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出してセル1から取出し圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項12】前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出して取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置。
【請求項13】前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態で育成する苗となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出し、該取出した複数の苗を順次一つづつ圃場に植付けて移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法。
【請求項14】前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す苗取出し手段PUと、苗を一つづつ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設け、前記苗取出し手段PUにより取出した複数の苗を順次一つづつ苗植付け手段PTに供給する苗供給手段NTを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セル内に播種して育苗した苗を移植する移植方法及び移植装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、多数のセルを有する苗箱を用い、その苗箱の各セル内に播種して育苗する技術があり、また、移植時には、そのようにして育苗した苗を移植機に搭載して苗を機械的にセルから取出して圃場に移植する技術があった。この技術は、機械移植が行いやすい苗を容易に且つ省力的に育苗できることから、播種、育苗から移植までの作業の省力化が図れる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の技術は、移植時に苗をセルから適確且つ容易に取出せるようにするため、育苗中にセル内で根巻きをして所謂根鉢を形成する作物において採用されていた。なぜなら、育苗中にセル内で根巻きが十分に行われないと、移植時にセルから苗を取出すために、セルの底の孔から棒をセル内に挿し込んで苗の床部を押出したり、セルの上から箸状の爪をセル内に刺し込んで苗の床部をつまんで取出したりすると、セル内の床材が崩れて苗を適確に取出すことができないのである。一方、育苗中にセル内で根巻きが十分に行われていると、上記のようにして苗を取出しても、セル内の床材が崩れず苗を適確に取出すことができるのである。このため、上記の技術は、育苗中にセル内で根巻きをして根鉢が十分に形成される水稲などの作物において適し、一方、セル内で根巻きをしにくく根鉢が十分に形成されない玉ねぎなどの作物においては適さないものであった。
【0004】しかし、セル内で根巻きをしにくい玉ねぎなどの作物でも、上記の技術を採用して播種、育苗、移植作業の省力化を図る試みがなされるようになってきた。即ち、玉ねぎなどの作物は、根が下方に真っ直ぐに伸びようとする性質が強くてセル内で根巻きをしにくいので、セル内に詰めた土などの床材にアルギン酸ナトリウムなどを用いた粘結剤を移植前に加え、そしてその後乾燥して床材を固め、これにより苗の取出し時に床材の崩れを防止して機械移植を可能にするという方法が試みられた。しかし、この方法は粘結剤を用いるため、移植後に雨がほとんど降らなかった場合や、水もちの悪い砂地などの圃場に移植した場合には、床材を固めた粘結剤が溶け出さず、そのため、固まった床部に妨げられて根が伸びにくく、玉ねぎが十分な大きさに成長しにくいという問題が生じていた。また、粘結剤で固まった床材は、収穫時まで残っていることもあり、収穫時にそれを取り除かなければならない手間が生じるという問題もある。収穫前に雨が降った場合には、玉ねぎの底部が粘結剤でヌルヌルした状態となって収穫した玉ねぎの品質低下を招くことにもなる。更に、何年も続けて粘結剤を用いた苗を移植すると、圃場に多量の粘結剤が投入されることになり、土壌の悪化のおそれもある。
【0005】そこで、本発明は、セル内で根巻きをしにくい玉ねぎなどの作物について、苗箱の各セル内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いないで済む移植方法及び移植装置を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための方法及び手段】本発明は、上記課題を解決するために、以下の方法及び手段を講じた。請求項1記載の発明では、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする移植方法とした。
【0007】請求項2記載の発明では、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする移植装置とした。
【0008】請求項3記載の発明では、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする移植方法とした。請求項4記載の発明では、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする移植装置とした。
【0009】請求項5記載の発明では、圃場の土壌中に苗を植付けるとき、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。
【0010】請求項6記載の発明では、圃場の土壌中に苗を植付ける苗植付け手段PTを、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動する苗植付け体pを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置とした。
【0011】請求項7記載の発明では、前記植物の種子Bを、その苗の老化が前記作物の種子Aの苗の老化より早くはじまる種子として播種して育苗し、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。
【0012】請求項8記載の発明では、前記作物の種子Aを畑で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bを水田で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給が制限されて前記植物の種子Bの苗NBを枯らした苗をセル1から取出して圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。
【0013】請求項9記載の発明では、移植前或は移植後又は移植中に前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。請求項10記載の発明では、苗植付け手段PTによる苗の植付け前或は植付け後又は植付け中に、前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用する手段DSを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置とした。
【0014】請求項11記載の発明では、前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出してセル1から取出し圃場に移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。請求項12記載の発明では、前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出して取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置とした。
【0015】請求項13記載の発明では、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態で育成する苗となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出し、該取出した複数の苗を順次一つづつ圃場に植付けて移植することを特徴とする請求項1記載の移植方法とした。
【0016】請求項14記載の発明では、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す苗取出し手段PUと、苗を一つづつ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設け、前記苗取出し手段PUにより取出した複数の苗を順次一つづつ苗植付け手段PTに供給する苗供給手段NTを設けたことを特徴とする請求項2記載の移植装置とした。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明によると、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗がセル1から取出されて圃場に移植される。
【0018】請求項2記載の発明によると、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗が、苗取出し手段PUにより、セル1から取出され、該取出された苗が、苗植付け手段PTにより、圃場に移植される。
【0019】請求項3記載の発明によると、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗がセル1から取出されて圃場に移植される。請求項4記載の発明によると、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗が、苗取出し手段PUにより、セル1から取出され、該取出された苗が、苗植付け手段PTにより、圃場に移植される。
【0020】請求項5記載の発明では、請求項1記載の移植方法にあって、更に、圃場の土壌中に苗を植付けるとき、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用が与えられて圃場の土壌中まで苗が移動し、苗が圃場に移植される。
【0021】請求項6記載の発明では、請求項2記載の移植装置にあって、更に、苗植付け手段PTの苗植付け体pが、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗が移動し、苗が圃場に移植される。
【0022】請求項7記載の発明によると、請求項1記載の移植方法にあって、更に、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗が、セル1から取出されて圃場に移植される。
【0023】請求項8記載の発明によると、請求項1記載の移植方法にあって、更に、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給が制限されて前記植物の種子Bの苗NBが枯れた苗が、セル1から取出されて圃場に移植される。請求項9記載の発明によると、請求項1記載の移植方法にあって、更に、移植前或は移植後又は移植中に前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤が苗に施用される。
【0024】請求項10記載の発明によると、請求項2記載の移植装置にあって、更に、薬剤を苗に施用する手段DSによって、苗植付け手段PTによる苗の植付け前或は植付け後又は植付け中に、前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤が苗に施用される。
【0025】請求項11記載の発明によると、請求項1記載の移植方法にあって、更に、前記植物の種子Bの根r2がセル1内の底部側で多く根巻きした苗がセル1の底部1a側から押出されてセル1から取出され、圃場に移植されて移植される。請求項12記載の発明によると、請求項2記載の移植装置にあって、更に、苗取出し手段PUにより、前記植物の種子Bの根r2がセル1内の底部側で多く根巻きした苗がセル1の底部1a側から押出されてセル1から取出され、その取出された苗が苗植付け手段PTにより圃場に植付けられて移植される。
【0026】請求項13記載の発明によると、請求項1記載の移植方法にあって、更に、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bとからセル1の上方に伸びた葉茎部がともに棒状に細長い形態となった苗が、列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出され、その取出された複数の苗が順次一つづつ圃場に植付けられて移植される。
【0027】請求項14記載の発明によると、請求項2記載の移植装置にあって、更に、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bとからセル1の上方に伸びた葉茎部がともに棒状に細長い形態となった苗が、苗取出し手段PUにより、列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出され、その取出された複数の苗が、苗供給手段NTにより、順次一つづつ苗植付け手段PTに供給され、その供給された苗が、苗植付け手段PTにより、順次一つづつ圃場に植付けられて移植される。
【0028】
【発明の効果】請求項1記載の発明又は請求項2記載の発明により、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗をセル1から取出して圃場に移植するので、育苗中に床材2は根巻きをしやすい植物の種子Bから伸びた根r2によって根鉢が形成されて、移植時にセル1から苗を取出すときにセル1内の床材2が崩れずに苗を適確に取出せるようになって、容易且つ高速に移植が行えるようになり、よって、セル1内で根巻きをしにくい作物について、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避できる。
【0029】請求項3記載の発明又は請求項4記載の発明により、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗されるので、セル1内で根巻きしにくい玉ねぎについて、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記の問題点の発生を回避でき、また、根鉢を形成させるために用いた植物として水稲を採用したことにより、その種子Bを容易且つ安価に入手でき、コストアップの心配も少ない。しかも、移植後に圃場の土壌悪化に影響がないばかりか、肥料にもなるものであって寧ろ土壌に良いものとなる。
【0030】請求項5記載の発明又は請求項6記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、従来、粘結材によって固化した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植するときに、床材2部分が割れて移動作用中に苗の姿勢が乱れて適正な姿勢に苗を圃場に植付けることができない場合があったが、植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植することで、床材2部分が割れることがなくなって移動作用中に苗の姿勢が乱れることがなく、よって、適正な姿勢に苗を圃場に植付けられるようになる。
【0031】請求項7記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗を、セル1から取出して圃場に移植できて、作物の種子Aの苗NAは圃場で良好に生育させられる一方、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗NBは圃場で生育しにくくなり、移植圃場での除草の手間を少なくできる。
【0032】請求項8記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育することが一層生じにくくなり、除草の手間を一層少なくできる。請求項9記載の発明又は請求項10記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育することがなくなり、前記植物を移植後の圃場において除草する手間がなくなる。
【0033】請求項11記載の発明又は請求項12記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、移植時にセル1の底部側から押し出して苗を取出すときにセル1内の床材2の崩れが生じにくく苗を適確且つ迅速に取出せるようになり、機械移植による高速移植作業を適確に行える。
【0034】請求項13記載の発明又は請求項14記載の発明により、上記効果を奏するのに加え、苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出され、効率よく苗をセル1から取出して圃場に移植することができ、機械移植による移植作業の高速化が更に図れ、また、前記作物の種子Aの苗NAの葉茎部と前記植物の種子Bの苗NBの葉茎部がともに棒状に細長い形態となっているので、列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出された苗が葉茎部において互いに絡みあうことが生じにくく、よって、苗を順次一つづつ圃場に植付けていくことが良好に行える。
【0035】
【実施例】この発明の一実施例を以下に説明する。この実施例では、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種し、そして育苗し、更に、その苗を圃場に移植する。
【0036】上記作物の種子Aは、収穫対象となる作物の種子であって、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子であり、具体的には、玉ねぎ、ビート等の種子があげられる。この作物の種子Aをセル1内に播種して育苗すると、種子Aから伸びる根r1は、セル1内で根巻きをしにくく、セル1内の床材2中を真っ直ぐ下方に伸びていこうとする。そして、この種子Aから真っ直ぐ下方に伸びる根r1は、セル1の底部1aに達するとその底部1aに設けた孔1bを通ってセル1の下方に出て、更に、セル1を設置した育苗圃場BGの土壌中を下方に伸びていく。なお、育苗圃場BGの土壌中に伸びた根r1は、その土壌中の養分や水分を吸収して、この種子Aの苗NAが成長していく。この作物の種子Aを玉ねぎの種子とした場合では、圃場に移植するときの苗まで育苗すると、深さ25mm程度のセル1を用いたときには、玉ねぎの苗NAの根r1は、セル1の底部1aに設けた孔1bを通ってセル1の下方に出て、更に、セル1を設置した育苗圃場BGの土壌中を下方に伸びていき、全長20cm程度の長さとなる。一方、セル1の上方に伸びる苗NAの葉茎部は、20〜30cm程度の長さに細長く伸びるが、機械移植する場合に葉茎部が長いと苗の移動が良好に行われにくくなるので、草丈17〜18cm程度になるよう葉先を切り落とす。
【0037】一方、植物の種子Bは、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bであり、具体的には、水稲の種子があげられる。この植物の種子Bをセル1内に播種して育苗すると、種子Bから伸びる根r2は、セル1内で根巻きをする性質が強く、セル1の床材2内を伸びてセル1の内面に達するとその内面をつたうようにして伸びていって根巻きをし苗鉢を形成していく。なお、この植物の苗NBの根r2は、セル1の底部1aに設けた孔1bを通ってセル1を設置した育苗圃場BGの土壌中を下方に伸びていくこともあるが、前記の作物の苗NAの根r1と比べれば少なく、多くの根r2はセル1内で伸びて根巻きをする。
【0038】また、上記作物の種子Aによる苗NAと上記植物の種子Bの苗NBとは、苗を圃場に移植するまでの育苗期間について、上記植物の苗NBの育苗期間が上記作物の苗NAの育苗期間より短いものとしている。上記作物の種子Aが玉ねぎの種子で上記植物の種子Bが水稲の場合では、苗を圃場に移植するまでの育苗期間が、水稲では20日〜45日、玉ねぎでは50日〜60日で、水稲の育苗期間が玉ねぎの育苗期間より短い。また、この育苗期間が経過するとそれぞれの苗は老化段階に入る。したがって、同時に播種して育苗した場合での苗の老化開始時期について、上記植物の苗NBの老化開始時期が上記作物の苗NAの老化開始時期より早いものとしている。上記作物の種子Aが玉ねぎの種子で上記植物の種子Bが水稲の場合では、苗の老化開始時期が、玉ねぎでは播種後60日程度経過した後、水稲では播種後45日程度経過した後で、水稲の老化開始時期が玉ねぎの老化開始時期より早い。更に、潅水による育苗中の水分供給が制限された場合では、上記植物の苗NBは枯れやすく、上記作物の苗NAは枯れ難いものとしている。上記作物の種子Aが玉ねぎの種子で上記植物の種子Bが水稲の場合では、育苗中の水分供給が制限されると水稲の苗は枯れやすく、一方、玉ねぎの苗は枯れることがない。
【0039】さて、播種方法及び播種装置は以下のようにする。まず、播種方法を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種する方法とし、また、播種装置を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種する播種手段S1,S2を設けたものとする。これにより、図1に示すように、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されるので、図2に示すように、育苗中に床材2は根巻きをしやすい植物の種子Bから伸びた根r2によって根鉢が形成されて、移植時にセル1から苗を取出すときにセル1内の床材2が崩れずに苗を適確に取出せるようになり、よって、セル1内で根巻きをしにくい作物について、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いないで済む苗が得られ、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避できる。
【0040】なお、作物の種子Aは、玉ねぎの種子の場合、コーティングされた種子で一つのセル1に対して1粒播種し、植物の種子Bは、水稲の種子の場合、一つのセル1に対して、水稲の根張り状況に対応し、1粒或は2〜3粒程度の複数粒、適宜選択して播種する。また、苗をセル1から機械的に或は人為的に取出すときには、例えば、セル1の底1aの孔1bから棒をセル1内に挿し込んで苗の床部(根鉢形成された床材部分)を押出すようにしたり、セル1の上から箸状の爪をセル1内に刺し込んで苗の床部をつまんで引き抜いたりして取出すようにする。
【0041】また、播種方法を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種する方法とし、播種装置を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種する播種手段S1,S2を設けたものとする。これにより、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されるので、セル1内で根巻きしにくい玉ねぎについて、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いないで済む苗が得られ、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記の問題点の発生を回避でき、また、根鉢を形成させるために用いた植物として水稲を採用したことにより、その種子Bを容易且つ安価に入手でき、また、水稲の種子Bを播種する装置は従来から多用されているので、播種装置を安価に且つ容易に構成できる。
【0042】更に、播種方法を、上記の方法に加えて、前記作物の種子Aの播種と前記植物の種子Bの播種とを別々に行う方法とし、播種装置を、上記の装置の構成に加えて、前記作物の種子Aを播種する第一の播種手段S1と前記植物の種子Bを播種する第二の播種手段S2とを別々に設けたものとする。これにより、前記作物の種子Aの播種と前記植物の種子Bの播種とが別々に行われて、両方の種子A,Bを一緒に播種することにより作物の種子Aの播種精度が低下して欠株率が高くなる問題を容易に回避できる。
【0043】また、播種方法を、上記の方法に加えて、前記植物の種子Bを、前記作物の種子Aより上方位置に播種する方法とし、また、上記の装置の構成に加えて、前記植物の種子Bを播種する第二の播種手段S2を、前記作物の種子Aより上方位置に播種するよう設けたものとする。これにより、前記植物の種子Bが、前記作物の種子Aより上方位置に播種されることになり、植物の種子Bから上方に伸びる芽によって作物の種子Aが床材2の表面まで浮き上がったり、作物の種子Aの苗が倒れたりすることを回避でき、また、作物の種子Aより上側の床材2にも前記植物の種子Bの根r2が張ることになってセル1から苗を取出すときの床材2の崩れが一層生じにくくなって、良好に機械移植が行えるものとなる。
【0044】なお、図3に示すように、前記作物の種子Aをセル1の平面視中央側に、前記植物の種子Bをセル1の平面視セル内側面1c側に播種すると、作物の種子Aをセルの平面視中央側に良好に播種しつつ、植物の種子Bは、作物の種子Aと上下に重ならないようにして播種でき、植物の種子Bの上方に伸びる芽や下方に伸びる根が作物の種子Aから出る芽を遮って作物の種子Aの苗が倒れるようなことが生じにくくなる。また、そのように播種するために、前記作物の種子Aを播種する前の床材2の上面UL1を、図3に示すようにセル1の平面視中央側が窪んだ状態にすれば、作物の種子Aをセル1の平面視中央側へ適確に播種できる。また、前記植物の種子Bを播種する前の床材2(前記作物の種子Aを播種した後に供給された覆土)の上面UL2を、図3に示すようにセル1の平面視中央側が隆起した状態にすれば、植物の種子Bをセル1の平面視セル内側面1c側へ適確に播種できる。作物の種子Aを播種する前の床材2の上面UL1をセル1の平面視中央側が窪んだ状態にするためには、床材2をセル1内に供給した後、先端部をその中央部が周囲側部より突出した形状(例えば円錐状)にした鎮圧体をセル1内に入り込ませて床材2を鎮圧することにより実現できる。また、植物の種子Bを播種する前の床材2の上面UL2をセル1の平面視中央側が隆起した状態にするためには、作物の種子Aの播種後に覆土をセル1内に供給した後、先端部をその中央部が周囲側部より凹んだ形状にした鎮圧体をセル1内に入り込ませて床材2(覆土)を押圧することにより実現できる。
【0045】また、播種方法を、上記の方法に加えて、セル1内に床材2を供給し、該床材供給後に前記作物の種子Aを播種し、該播種後に覆土し、該覆土後に前記植物の種子Bを播種し、該播種後に覆土する方法とし、また、播種装置を、上記の装置の構成に加えて、セル1内に床材2を供給する床材供給手段Gと、該床材供給手段Gによる床材供給後に前記作物の種子Aを播種する第一の播種手段S1と、該第一の播種手段S1による播種後に覆土する第一の覆土手段H1と、該第一の覆土手段H1による覆土後に前記植物の種子Bを播種する第二の播種手段S2と、該第二の播種手段S1による播種後に覆土する第二の覆土手段H1とを設けたものとする。これにより、前記植物の種子Bが前記作物の種子Aより上方位置に適確に播種されることになり、前記の効果を適確に得られる。
【0046】なお、セル1内に詰めておく床材2は、収穫対象となる作物の種子Aの苗NAが健全に生育するために適した肥料成分及びPHに調整した培土等とし、なお且つ、その培土等を用いて上記植物の種子Bから根r2が根鉢を形成する程度に伸長すれば、その培土等を採用する。上記植物の種子Bから根r2が根鉢を充分に形成する程度に伸長しなければ、上記植物の種子Bの根r2が伸長するのを促進させる肥料を更に添加すればよい。
【0047】次に、育苗方法及び苗は、以下のようにする。即ち、育苗方法を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗する方法とし、苗を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗とする。これにより、図1に示すように、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗されるので、図2に示すように、育苗中に床材2は根巻きをしやすい植物の種子Bから伸びた根r2によって根鉢が形成されて、移植時にセル1から苗を取出すときにセル1内の床材2が崩れずに苗を適確に取出せるようになり、よって、セル1内で根巻きをしにくい作物について、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いないで済む苗が得られ、また、粘結剤を用いないで済む苗となり、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避できる。
【0048】また、育苗方法を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗する方法とし、苗を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗とする。これにより、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗されるので、セル1内で根巻きしにくい玉ねぎについて、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いないで済む苗が得られ、また、粘結剤を用いないで済む苗となり、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避でき、また、根鉢を形成させるために用いた植物として水稲を採用したことにより、その種子Bを容易且つ安価に入手でき、また、容易に得られ且つ安価な苗となる。
【0049】また、育苗方法を、上記の方法に加えて、前記植物の種子Bを、その苗の老化が前記作物の種子Aの苗の老化より早くはじまる種子として播種して育苗する方法とし、苗を、前記植物の種子Bを、その苗の老化が前記作物の種子Aの苗の老化より早くはじまる種子として播種して育苗した苗としたものとする。これにより、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗を得られ、その苗を圃場に移植すれば、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育しにくく、除草の手間を少なくできる。
【0050】更に、育苗方法を、上記育苗方法に加えて、前記作物の種子Aを畑で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bを水田で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給を制限して前記植物の種子Bの苗NBを枯らす方法とし、また、苗を、上記の苗とするのに加えて、前記作物の種子Aを畑で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bを水田で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給を制限して前記植物の種子Bを枯らした苗とする。これにより、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種した前記植物の種子Bの苗が生育することが生じにくくなり、除草の手間が少なくできる。
【0051】また、育苗方法を、上記育苗方法に加えて、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に前記植物の種子Bの苗NBのみを薬剤により枯らす方法とし、苗を、上記の苗とするのに加えて、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に前記植物の種子Bの苗NBのみを薬剤により枯らした苗とする。これにより、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種した前記植物の種子Bの苗が生育することがなくなり、前記植物を移植後の圃場において除草することがなくなる。
【0052】あるいはまた、育苗方法を、上記育苗方法に加えて、前記植物の種子Bを、セル1内の底部側で多く根巻きする種子として育苗する方法とし、苗を、上記の苗とするのに加えて、前記植物の種子Bを、セル1内の底部側で多く根巻きする種子として育苗した苗とする。これにより、移植時にセル1の底部側から押し出して苗を取出すときにセル1内の床材2の崩れが生じにくく苗を適確且つ迅速に取出せるようになり、機械移植による高速作業を適確に行える。
【0053】移植方法及び移植装置は以下のようにする。即ち、移植方法を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植する方法とし、移植装置を、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けた移植装置とする。これにより、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗をセル1から取出して圃場に移植するので、育苗中に床材2は根巻きをしやすい植物の種子Bから伸びた根r2によって根鉢が形成されて、移植時にセル1から苗を取出すときにセル1内の床材2が崩れずに苗を適確に取出せるようになって、容易且つ高速に移植が行えるようになり、よって、セル1内で根巻きをしにくい作物について、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避できる。
【0054】更に、移植方法を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出して圃場に移植する方法とし、移植装置を、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けた移植装置とする。これにより、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗されるので、セル1内で根巻きしにくい玉ねぎについて、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記の問題点の発生を回避でき、また、根鉢を形成させるために用いた植物として水稲を採用したことにより、その種子Bを容易且つ安価に入手でき、コストアップの心配も少ない。しかも、移植後に圃場の土壌悪化に影響がないばかりか、肥料にもなるものであって寧ろ土壌に良いものとなる。
【0055】また、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、圃場の土壌中に苗を植付けるとき、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植する方法とし、移植装置を、圃場の土壌中に苗を植付ける苗植付け手段PTを、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動する苗植付け体pを設けた移植装置とする。これにより、従来、粘結材によって固化した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植するときに、床材2部分が割れて移動作用中に苗の姿勢が乱れて適正な姿勢に苗を圃場に植付けることができない場合があったが、植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植することで、床材2部分が割れることがなくなって移動作用中に苗の姿勢が乱れることがなく、よって、適正な姿勢に苗を圃場に植付けられるようになる。
【0056】更に、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、前記植物の種子Bを、その苗の老化が前記作物の種子Aの苗の老化より早くはじまる種子として播種して育苗し、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗をセル1から取出して圃場に移植する方法とする。これにより、前記植物の種子Bによる根鉢形成後にその植物の苗NBが老化し、且つ、前記作物の種子Aの苗NAがまだ老化していない状態の苗を、セル1から取出して圃場に移植できて、作物の種子Aの苗NAは圃場で良好に生育させられる一方、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗NBは圃場で生育しにくくなり、移植圃場での除草の手間を少なくできる。
【0057】あるいは、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、前記作物の種子Aを畑で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bを水田で育成する作物の種子とし、前記植物の種子Bによる根鉢形成後に水分供給が制限されて前記植物の種子Bの苗NBを枯らした苗をセル1から取出して圃場に移植する方法とする。これにより、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育することが一層生じにくくなり、除草の手間を一層少なくできる。
【0058】また、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、移植前或は移植後又は移植中に前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用する方法とし、移植装置を、上記の移植装置とするのに加えて、苗植付け手段PTによる苗の植付け前或は植付け後又は植付け中に、前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用する手段DSを設けた移植装置とする。これにより、圃場に移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育することがなくなり、前記植物を移植後の圃場において除草する手間がなくなる。
【0059】あるいは、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出してセル1から取出し圃場に移植する方法とし、移植装置を、前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗をセル1の底部1a側から押出して取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けた移植装置とする。これにより、移植時にセル1の底部側から押し出して苗を取出すときにセル1内の床材2の崩れが生じにくく苗を適確且つ迅速に取出せるようになり、機械移植による高速移植作業を適確に行える。
【0060】更にまた、移植方法を、上記の移植方法とするのに加えて、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態で育成する苗となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出し、該取出した複数の苗を順次一つづつ圃場に植付けて移植する方法とし、移植装置を、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態となる種子として播種し育苗した苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す苗取出し手段PUと、苗を一つづつ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設け、前記苗取出し手段PUにより取出した複数の苗を順次一つづつ苗植付け手段PTに供給する苗供給手段NTを設けた移植装置とする。これにより、苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出され、効率よく苗をセル1から取出して圃場に移植することができ、機械移植による移植作業の高速化が更に図れ、また、前記作物の種子Aの苗NAの葉茎部と前記植物の種子Bの苗NBの葉茎部がともに棒状に細長い形態となっているので、列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出された苗が葉茎部において互いに絡みあうことが生じにくく、よって、苗を順次一つづつ圃場に植付けていくことが良好に行える。
【0061】以下、セル、播種装置、移植装置の一具体例を説明する。まず、セルの一具体例を説明する。ここでは、セル1は、播種装置、移植装置に利用されやすいように、苗箱Cに縦横に整列した状態で多数のセル1を形成したものとしている。即ち、図4〜図7に示すように、左右前後に複数のセル1が配列し、その各セル1の開口部1dが連結し、底部1a側が独立した形態に成形されている。この苗箱Cの外周縁は平面視で長方形で、その大きさは縦横315mm×620mmとなっている。この苗箱Cの成型は、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体的に成型し、成型された苗箱1は可とう性を有するものとなっている。苗箱1の各セル1は、その形状はコップ状で、即ち、円形の底部1aから上側の開口部1dに向かって筒状に且つ徐々に口径が広くなるように設けられた形状となっている。また、このセル1の底部1aには、孔1bを設けている。この孔1bは、中央側の一つの孔aと周囲側の三つの孔b,b,bと、中央側の孔aから周囲側の三つの孔b,b,bに向けて放射状に伸びる三つのスリットc,c,cからなる形状にしたものとしている。これにより、底部1aの間隙を小さくしつつ、苗取出し時に出来るだけ太い棒を底部1aから挿入できるようになっている。セル1内の深さは25mm、底部1a内側の直径は13mmとなっている。各セル1の苗箱Cの長手方向のピッチが18mmで、短手方向のピッチは、中央幅広部1eが左右に7個づつ分けるように中央ピッチが広く(30mm)、左右7個づつのセル1は互いに20mmのピッチとなっている。セル1の個数は、苗箱C一枚当たり縦方向35個×横方向14個で合計490個設けられている。苗箱Cの長手方向に沿う左右の縁部1f・1fには、セル1の長手方向のピッチに合わせてセル1を一列づつ移送するための苗箱送り用角孔1gが設けられている。育苗された苗を収容する苗箱Cを移植装置に装填して移植作業を行なうときなどに、移植装置に装備された苗箱送り具がその左右の苗箱送り用角孔1g・1gに係合して苗箱Cを長手方向にセル1が横一列づつ移動するように移送作用することになる。
【0062】次に、播種装置の一具体例を説明する。播種装置3は、図8に示すように、苗箱Cを移送する移送コンベア3a,3b,3c,3d上に、その移送方向上手側から、床材供給装置G、鎮圧・均平装置P、玉ねぎ播種装置S1、第一覆土装置H1、水稲播種装置S2、第二覆土装置H2、潅水装置Wが順に設置されている。これにより、移送上手側の第一の移送コンベア3aの始端部に載せられた苗箱Cは、まず、床材2としての床土が各セル1内に詰められて鎮圧・均平され、次に、第二の移送コンベア3aに引き継がれてここで玉ねぎの種子Aが各セル1内に一粒づつ播種され、更に、第三の移送コンベア3cに引き継がれてそこで覆土され、そして、第四の移送コンベア3dに引き継がれて水稲の種子Bが各セル1内に2〜3粒づつ播種され、続いて、覆土され、灌水されて、播種作業が完了するものとなっている。
【0063】なお、播種装置3の各部の具体構成は以下のように設けている。苗箱Cを移送する移送コンベア3a,3b,3c,3dは、それぞれ電動モータM1,M2,M3,M4により駆動回転される構成としている。床材供給装置Gは、床土ホッパ−4aとベルト式の床土繰出部4bからなる。床土繰出部4bは、電動モーター4fにより回転駆動されるローラー4cと従動ローラー4dとにベルト4eが掛けられ、そのベルト4eの回転により上部の床土ホッパー4a内の床土を定量づつ繰出し、この装置Gの下をくぐるように移送される苗箱C内にその床土が供給されていく。
【0064】鎮圧・均平装置Pは、鎮圧ローラー5a・5aが移送されてくる苗箱Cを上から押圧するように取り付けられ、その下手側に均平ブラシ5bが前記モーターM1から伝動されて駆動回転するように設けられている。これにより、床材供給装置Gで苗箱C内に詰め込まれた床土が、鎮圧され所定の高さに均平されていく。
【0065】玉ねぎ播種装置S1は、横方向一列の各セル1にコーティングされた玉ねぎの種子Aを一粒づつ吸引して放出する行程を繰返して播種していく周知の真空吸着式の播種装置としている。水稲播種装置S2は、種子ホッパー6aと種子繰出部6bからなり、種子繰出部6bには、種子ホッパー6a内の水稲の種子である種籾を係合する凹部を回転方向に多数設けたロール状の播種ロール6cと、該播種ロール6cを駆動回転する電動モータ6dを備えていて、種籾を下方を移送される苗箱Cに対して設定粒数づつセル1内に播種されるよう播種ロール6cが駆動回転される。
【0066】第一覆土装置H1及び第二覆土装置H2は、同じ構造で、即ち、覆土ホッパー7aとベルト式の覆土繰出部7bからなる。覆土繰出部7bは、モーター7fにより回転駆動されるローラー7cと従動ローラー7dとにベルト7eが掛けられ、そのベルト7cの回転により上部の覆土ホッパー7a内の覆土用の土を定量づつ繰出し、この装置H1,H2の下をくぐるように移送される苗箱Cの各セル1内に覆土していく。
【0067】灌水装置Wは、ポンプ8aで灌水パイプ8bに水が送られてそのパイプ下側に開けられた複数の散水孔から下方へ霧状に散水するように設けていて、苗箱Cの各セル1内の土に均一に灌水する。以上のように設けた播種装置にて前記播種方法を実施でき、また、前記播種装置を構成するものとなる。
【0068】さて、ここより、移植装置の一具体例について説明する。移植装置9は、図9〜図11に示すように、走行車体10に装着した構成として、該走行車体10により自走しながら移植装置9が圃場に苗を移植していくようになっている。
【0069】走行車体10は、所謂農用トラクタといわれるもので、左右一対の駆動回転する前輪11・11と左右一対の駆動回転する後輪12・12を備え、操縦者が座る座席13と、該座席13の前方に配置されて操縦者が走行車体10の進行方向を変更操作するために左右一対の前輪11・11を左右に変向操作する操縦ハンドル14を備えている。また、車体後部に油圧駆動にて上下回動するリフトアーム15により昇降動する三点リンク機構16を備え、該三点リンク機構16にて移植装置9を昇降動可能に装着している。
【0070】移植装置9は、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗をセル1から取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出した苗を圃場に植付ける苗植付け手段PTを設けたものとしている。これにより、セル1内で根巻きをしにくい作物の種子Aと、セル1内で根巻きをしやすい植物の種子Bとが同じセル1内に播種されて育苗された苗をセル1から取出して圃場に移植するので、育苗中に床材2は根巻きをしやすい植物の種子Bから伸びた根r2によって根鉢が形成されて、移植時にセル1から苗を取出すときにセル1内の床材2が崩れずに苗を適確に取出せるようになって、容易且つ高速に移植が行えるようになり、よって、セル1内で根巻きをしにくい作物について、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記問題の発生を回避できる。また、玉ねぎの種子Aと、水稲の種子Bとを同じセル1内に播種して育苗した苗を用いれば、セル1内で根巻きしにくい玉ねぎについて、苗箱Cの各セル1内に播種して育苗し機械移植する場合に、粘結剤を用いない苗を移植でき、粘結剤を用いた苗を用いたことによる前記の問題点の発生を回避でき、また、根鉢を形成させるために用いた植物として水稲を採用したことにより、その種子Bを容易且つ安価に入手でき、コストアップの心配も少ない。しかも、移植後に圃場の土壌悪化に影響がないばかりか、肥料にもなるものであって寧ろ土壌に良いものとなる。
【0071】また、移植装置9は、苗箱Cを収容して苗取出し手段PUに向けて搬送する苗箱供給手段17と、該苗箱供給手段17が供給する苗箱Cの各セル1から順次苗を取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUが取出した苗を一つ一つ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設けた構成としている。したがって、上記のごとく各セル1で育成した苗を有する苗箱Cを苗箱供給手段17に装填すれば、苗箱Cの各セル1の苗は苗取出し手段PUによって順次自動的に苗が取出されていって、そして、その取出された苗は苗植付け手段PTによって一つ一つ圃場に植付けられていくことになり、能率よく移植作業が行えるものとなる。なお、移植装置9の各手段は、具体的に以下のように構成する。
【0072】即ち、苗箱供給手段17は、具体的には、機体側面視で走行車体10の座席13の後側近傍に配置され走行車体10に搭乗した作業者が苗箱Cを装填する個所となる苗箱装填部17aと、該苗箱装填部17aに装填された苗箱Cを、後下がりに苗箱Cを搬送し、続いて屈曲搬送し、更に、苗取出し手段PUによる苗取出し位置p1に向けて下方に搬送する苗箱供給搬送部17bと、該苗箱供給搬送部17bにより搬送され苗取出し手段PUにより苗が取出されて空になった苗箱CをU字状に屈曲搬送し、更に苗箱装填部17aの下方位置に向けて上方に搬送する空箱搬送部17cを設けた構成としている。苗箱装填部17aに装填される苗箱Cは、その苗箱Cの長手方向が前後方向に向く姿勢で、しかも、上面側(セル1の開口部1d側)が上方に向く姿勢で装填される。したがって、装填された苗箱Cはその苗箱Cの長手方向に搬送されるものとなり、また、装填された苗箱Cの各セル1に収容された苗は、苗箱装填部17aでは葉茎部が上方に向って伸びる姿勢となり、苗取出し位置p1では葉茎部が後方に向って伸び且つ床材2部分が葉茎部に対して前側に位置する姿勢となるように搬送される。また、この苗箱供給手段17には、空箱搬送部17cにより搬送されてその搬送端部から排出される空の苗箱Cを受けて収容する空箱収容部17dを設けたものとしている。図中の符号18で示したものは、苗箱供給手段17を支持する支持フレームであり、該支持フレーム18は、その基部が、三点リンク機構16と連結する連結フレーム19に固定される部材に固定され、そこから上側部分が苗箱供給搬送部17bと空箱搬送部17cとの間を上方に伸びて苗箱供給手段17の上部側を支持する構成としている。
【0073】苗取出し手段PUは、苗をセル1の底部1a側から押出して取出す構成としている。具体的には、棒状に設けた苗押出し用のピン20を、苗箱供給手段17の下側のU字状搬送部分の中にあってピンの先端部分が後方に向かうように配置し、ピンの先端部が後方に向かって突出し又前方に向かって引っ込むよう適宜タイミングで往復動するように設けている。これにより、苗押出しピン20が、苗取出し位置p1まで供給された苗箱Cのセル1の底部1a側からその底部1aに設けられた孔1b内に突入してセル1内の床材2部分を後方に押し出して、苗をセル1から後方に取出すようになっている。よって、前記植物の種子Bをセル1内の底部側で多く根巻きする種子として播種し育苗した苗を、この苗取出し手段PUによってセル1の底部1a側から押出して取出すと、この押出し時にセル1内の床材2の崩れが生じにくく苗を適確且つ迅速に取出せるようになり、機械移植による高速移植作業を適確に行えるものとなる。
【0074】また、この苗取出し手段PUは、苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す構成としている。即ち、苗取出し位置p1に供給されてきた苗箱Cの左右横一列(苗箱Cの短手方向)のセル1・・・のそれぞれに対応して前記の苗押出し用のピン20を横並びに複数設けて、苗取出し位置p1の横一列の苗を同時に押し出して取出すように設けている。なお、該苗取出し手段PUにより取出した複数の苗は、苗供給手段NTによって順次一つづつ苗植付け手段PTに供給する構成とする。よって、前記作物の種子Aと前記植物の種子Bを、セル1の上方に伸びる葉茎部がともに棒状に細長い形態となる種子として播種し育苗した苗を、この苗取出し手段PUにより列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出し、更に、その取出された苗を苗供給手段NTによって順次一つづつ苗植付け手段PTに供給し、そして、その供給された苗を苗植付け手段PTによって一つづつ圃場に植付けていくと、苗を列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出すことにより、効率よく苗をセル1から取出して圃場に移植することができて、機械移植による移植作業の高速化が図れ、また、前記作物の種子Aの苗NAの葉茎部と前記植物の種子Bの苗NBの葉茎部がともに棒状に細長い形態となっていることにより、列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出された苗が葉茎部において互いに絡みあうことが生じにくく、よって、苗を順次一つづつ圃場に植付けていくことが良好に行える。
【0075】苗植付け手段PTは、前記植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて移植圃場PGの土壌中まで苗を移動する苗植付け体pを設けたものとしている。これにより、これにより、従来、粘結材によって固化した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植するときに、床材2部分が割れて移動作用中に苗の姿勢が乱れて適正な姿勢に苗を圃場に植付けることができない場合があったが、植物の種子Bから伸びた根r2が根巻きして根鉢を形成した床材2部分に直接移動作用を与えて圃場の土壌中まで苗を移動して移植することで、床材2部分が割れることがなくなって移動作用中に苗の姿勢が乱れることがなく、よって、適正な姿勢に苗を圃場に植付けられるようになる。
【0076】また、苗植付け手段PTは、走行車体10の後部に突出させたPTO軸から自在継手を備えた伝動軸を介して移植装置9の前記連結フレーム19に設けた伝動ケース内に入力され、該伝動ケース内の伝動機構を介して苗箱供給手段17の下部の下方近傍に配置された伝動ケース20内の機体左右方向に長い伝動軸21に伝動し、該伝動ケース20から後方にのびるように設けた副伝動ケース22内の伝動機構を介して前記伝動軸21から副伝動ケース22の後部の側方に向けて突出する植付駆動軸23に伝動する。この植付駆動軸23に該植付駆動軸23によって回転する円盤状の回転ケース24を取付け、該回転ケース24の回転外周側付近の側部にあって回転中心に対し互いに180度離れた2箇所から側方に突出させた苗植付け体回転軸25・25のそれぞれに、棒状に形成した前記苗植付け体p・pを一体回転するように取付けている。苗植付け体回転軸25・25は、回転ケース24が植付駆動軸23によって回転するのに伴って動作する回転ケース24内のカムやギヤを用いた伝動機構を介して回動するようにして、苗植付け体p・pの先端部が設定した軌跡p2を描くように設けている。
【0077】苗植付け体p・pは、苗植付け体pが苗に直接移動作用を与えて移植圃場PGの土壌中まで苗を移動する間は、回転ケース24の回転中心からの放射方向に向かう姿勢となるようにし、そして、苗植付け体pの先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んだ状態では略直立姿勢となって、棒状の苗植付け体pに棒状の苗が添う状態で、且つ苗の床材2部分が苗植付け体pの先端部側で、葉茎部が苗植付け体pの基部側となる姿勢で移動された苗を、移植圃場PGに直立姿勢に植付けることになる。そして、苗植付け体pは、その先端部が軌跡p2の最下端位置を通過すると、回転ケース24が回転しても苗植付け体pができるだけ土壌面に対して略直立姿勢となるように苗植付け体pを回転ケース24に対して回動させる。これにより、植付け直後に苗植付け体pが土壌に植付けた苗を後方に蹴り出すことがなくなる。苗植付け体pの先端部が、土壌面上方に上昇し、しかも機体の前進によって植付けた苗から前方にある程度離れたら、回転ケース24の回転中心からの放射方向に向かう姿勢に戻るよう回転ケース24の回転にともない苗植付け体pを回転ケース24に対して回動させる。なお、この苗植付け手段PTに対し、その前方位置に、苗の床材2部分が前側で葉茎部分が後側で前後に水平状に横たわる姿勢で前記苗取出し手段PUによって取出された苗が供給され、このように供給された苗に対して苗植付け体pが上方から下方に回動していって、苗の床材2部分に対して苗植付け体pが直接作用して移植圃場PGの土壌中へ移動させる。
【0078】また、苗植付け手段PTの苗植付け体p・pは、前記のように前後水平状に横たわる姿勢の苗を、弧を描くような軌跡で移動させて、移植圃場PGの土壌に至ったとき苗が直立した姿勢となるように移動させる。このように苗植付け体p・pが苗を弧を描く軌跡で移動させるために、その苗植付け体p・pの軌跡の左右に位置してまたその軌跡に沿って下方にのびる苗ガイド体26を設けている。この苗ガイド体26は、左右のガイド板26a・26aを、苗植付け体p・pの左右巾より広く、且つ、苗の床材2部分の左右巾より若干狭い間隔をあけてを配置し、この左右のガイド板26a・26aの間を苗植付け体p・pが通過していくように設けている。そして、左右のガイド板26a・26aを拡張可能に設けると共に、その拡張時に左右のガイド板26a・26aを狭める方向に付勢するスプリング等の付勢体26bを設けている。これにより、苗植付け体pが苗の床材2部分を後押しするようにして苗を移植圃場PGに移動させるときに、左右の苗ガイド板26a・26aが付勢体26bの付勢を受けて苗の床材2部分を弾性的に挟み込むように作用するものとなる。よって、苗は、苗植付け体pによって下方に叩き落されることなく、左右の苗ガイド板26a・26a内を前後水平状の姿勢から上下に直立する姿勢に向けて姿勢変化しながら、苗植付け体pとともに弧を描くように移動していくことになる。
【0079】従来、このような構成とした苗植付け手段PTにて、粘結剤で床材2部分を固化した苗を移植圃場PGに植付けていく場合、床材2部分の左右巾より狭い左右の苗ガイド板26a・26aの間を、苗の床材2部分を移動させようとするとき、固化した床材2部分が割れてしまって、左右の苗ガイド板26a・26aによって苗の床材2部分が保持されない状態となって、苗が苗植付け体pによって下方に叩き落されてしまうことがあり、適確に苗が植付けられない場合があった。しかし、前記のように、粘結剤で床材2部分を固化することなく、植物の種子Bから伸びた根r2によって床材2部分に根鉢を形成させた苗を用いれば、その床材2部分は根鉢を形成した根によって割れにくく且つ弾性的に変形しやすいものとなり、床材2部分の左右巾より狭い左右の苗ガイド板26a・26aの間を床材2部分を移動させても床材2部分が割れてしまうことがなく、苗植付け体pによって適確に移植圃場PGの土壌中まで苗を移動させることができ、高速に且つ適確に苗を移植することが可能となる。
【0080】ところで、苗が移植圃場PGの土壌中まで移動する間に苗植付け体pと苗の床材2部分とが互いに密着状態となるため、苗植付け体pが、その先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んで苗を移植圃場PGの土壌に直立姿勢に植付けた後、移植圃場PGの土壌中から上方に抜け出ていくとき、苗も一緒に上昇してしまって、せっかく植付けた苗が持ち上げられて適正な姿勢に植付けられないことが生じる。そこで、ここでは、苗植付け体pが、その先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んで苗を移植圃場PGの土壌に直立姿勢に植付けた後から移植圃場PGの土壌中から上方に抜け出ていく間、植付けた苗の左右両側近傍の土壌面を下方に押し付ける鎮圧手段27を設けたものとしている。これにより、苗植付け体pが上昇しようとするときに、植付けられた苗は、鎮圧手段27によって苗の左右両側土が押し寄せられて苗植付け体pとともに上昇しようとするのが引き止められ、上記のような問題が解消される。
【0081】鎮圧手段27は、具体的には以下のように構成する。副伝動ケース22の前側下部に回動自在に設けた横軸28の一側部に、苗植付け位置p3の左右両側近傍で苗植付け位置p3の前後にのびる板状の鎮圧部29a・29aを備えた鎮圧プレート29を一体的に取付ける。また、横軸28の他側部に、作動アーム30を一体的に取付け、作動アーム30と鎮圧プレート29とが一体的に横軸28回りに回動するように設けている。更に、作動アーム30には、鎮圧部29a・29aが土壌面から上方に離れるよう回動する方向に付勢するスプリング等の付勢体31を取付けている。そして、この作動アーム30は、前記伝動ケース20の側部から突出させた伝動軸21に一体回動するよう取付けたカム32の回転外周面に付勢体31に付勢されて接当するように設けている。伝動軸21が駆動回転されて苗植付け手段PTが駆動されるとともに、このカム32が回転して作動アーム30が揺動して鎮圧プレート29が揺動し鎮圧部29a・29aが上下動するようになっている。カム32による鎮圧部29a・29aの上下動のタイミングは、苗植付け体pの先端部が移植圃場PGの土壌中に入り込んで苗を移植圃場PGの土壌に直立姿勢に植付けている最中或は植付けた後から移植圃場PGの土壌中から上方に抜け出ていく間、鎮圧部29a・29aが土壌表面より下方位置に下降するように設定する。
【0082】また、苗植付け位置p3の前方の土壌中に潜り込んで固まった土をほぐす膨軟体33を設けていて、これにより苗植付け体pの先端部が抵抗少なく移植圃場PGの土壌中に入り込んで苗を移植圃場PGの土壌中に植付けていけるようになる。この膨軟体33は苗の床材2部の左右巾より若干広い程度の幅の板体で構成し、側面視で図10に示すように前端が下側ほど後方に位置するよう傾斜した稜部を有し、下端部の後端が苗植付け位置p3の前方近傍までのびている。
【0083】前記苗供給手段NTは、具体的には、左右両端側に駆動回転するよう設けた駆動ローラ34・34と左右中央側に回転自在に設けた従動ローラ35・35と両ローラ34・34,35・35に巻き掛けた苗供給ベルト36・36とを備えた構成としている。これにより、前記苗取出し手段PUにより取出されて左右横一列に列状に並んだ状態の複数個の苗を左右に並設された左右の搬送ベルト36・36の上に載せ、そして、横一列の苗の左半分を左側の搬送ベルト36の駆動回転で左方に搬送し、右半分を右側の搬送ベルト36の駆動回転で右方に搬送し、左右の駆動ローラ34・34の左右外側方に設けた各苗ガイド体26の左右ガイド板26a・26aの上端部側(苗供給部26c・26c)に、苗の床材2部分を一づづつ供給する。このようにして一つづつ供給された苗を左右の各苗供給部26c・26cに対応してそれぞれ設けた左右の苗植付け手段PT・PTの苗植付け体p・pが、供給されてきた苗に向かって上方から移動してきて、苗の床材2部分を左右ガイド板26a・26aの間を通過させながら移植圃場PGの土壌中に移動させて苗を植付けていくものとなる。なお、苗供給ベルト36の外周面の前端部側には、ベルト回転方向に設定間隔で突起36aを設けていて、該突起36aの左右間のベルト上面に苗の床材2部分が一つづつ載せられるようになっていて、これにより苗供給ベルト36の上面に載せた苗を適確に一つづつ苗供給部26cに供給できるものとなっている。
【0084】ところで、苗取出し手段PUにより取出した苗が苗供給手段NTの苗供給ベルト36・36上に直接載るように設ける構成もあるが、この実施例では、苗供給手段NTが苗箱供給手段17の下方に入り込むように配置し、そのように配置した苗供給手段NTに苗取出し手段PUにより取出した苗を移送する苗移送手段NT2を設けて、苗供給手段NTが苗箱供給手段17の後方に突出せず移植装置9の前後長が短くなるように構成している。
【0085】上記苗移送手段NT2は、苗取出し手段PUの苗押出しピンp…によって押出された横一列の苗の各床材2部分が係合する苗係合部37a…を備えた苗ホルダ37を設けていて、この苗ホルダ37を駆動回動するリンク38にて前記苗取出し位置p1と苗供給ベルト36・36の上方前方側近傍の苗受け渡し位置p4とを往復移動させるように設けている。これにより、苗押出しピンp…が苗押出し作動して横一列の苗が各セル1から押出されると、苗取出し位置p1に位置する苗ホルダ37の各苗係合部37aに苗の床材2部分が係合して保持される。そして、苗ホルダ37がリンク38の回動により下方回動して前記苗受け渡し位置p4に移動する。このとき各苗係合部37a内に水平後方に軸心が向く姿勢で固定された第二の苗押出しピン39…の先端部が入り込んで各苗係合部37a内に係合された苗の床材2部分が後方に押出されて苗供給ベルト36・36上に落とされるようになる。なお、第二の苗押出しピン39…により各苗係合部37a内に係合された苗の床材2部分が後方に押出されたとき、くし状に設けた苗押し下げ部材40が下降して、該部材40が押出された各苗の床材2部分を押し下げ、迅速且つ適確に苗が苗供給ベルト36・36上に載置されるように設けている。
【0086】なお、この移植装置には、苗植付け手段PTによる苗の植付け前或は植付け後又は植付け中に、前記植物の種子Bの苗のみを枯らす薬剤を苗に施用する手段DSを設けたものとしている。これにより、移植圃場PGに移植した後に、根鉢を形成するために播種し育苗した前記植物の種子Bの苗が生育することがなくなり、前記植物を移植後の圃場において除草する手間がなくなる。上記薬剤施用手段DSは、この実施例においては、薬剤タンクからポンプにて送り出した薬剤を副伝動ケース22の後端部に支持させた散布ノズル41から噴出させ、移植圃場PGに移植した苗に該薬剤を施用するよう構成している。
【0087】図9、図10中の符号41を付した部分は、各苗植付け手段PTによる各苗植付け位置p3の前方の移植圃場PGの土壌面を均平する整地ローラーである。また、上記移植装置9は、一つの苗箱供給手段17に、該苗箱供給手段17に装填された苗箱Cから横一列づつ苗を取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出された苗を苗供給手段NTに受け渡す苗受け渡し手段NT2と、該苗受け渡し手段NT2により受け渡された横一列の苗を左右に設けた苗植付け手段PT・PTに供給する苗供給手段NTと、そして、該苗供給手段NTにより供給された苗を移植圃場PGに植付けていく左右の苗植付け手段PT・PTとを備えて一つの苗箱Cから2条植えする構成としたものであり、このように構成した移植ユニットを左右に2体設けることで、4条植えに構成でき、また、n体設けることでn条植えに構成できるものとなっている。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年3月22日(2000.3.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−258317(P2001−258317A)
【公開日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【出願番号】 特願2000−80493(P2000−80493)