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【発明の名称】 施肥装置
【発明者】 【氏名】園田 義昭

【氏名】中川 善清

【氏名】松村 哲也

【要約】 【課題】肥料の貯留量を比較的多くしながらホッパー越しの苗補給も容易に行うことができ、かつ、メンテナンス性にも優れた施肥装置を提供する。

【解決手段】繰出しケース27を、ホッパー21の下端に連結される上部ケース27aと、その下部に分離可能に接続される下部ケース27bとからなる上下二分割構造に構成するとともに、下部ケース27bには、繰出された肥料を集めて流下案内するロート部Rと、送風管32に連通接続される出口管31を備え、ロート部Rで集めた繰出し肥料を出口管31に供給するよう構成し、かつ、繰出しロール26の下半部が下部ケース27bのロート部Rに入り込むように、上部ケース27aと下部ケース27bとに亘って繰出しロール26を配備してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉粒状の肥料を貯留するホッパーの下端に、横軸心周りに回転駆動される繰出しロールを繰出しケースに支承してなる繰出し機構を配備し、前記繰出し機構から繰り出された肥料を、送風装置から供給されてきた搬送風によって所定の施肥箇所に風力搬送するよう構成した施肥装置において、前記繰出しケースを、ホッパーの下端に連結される上部ケースと、その下部に分離可能に接続される下部ケースとからなる上下二分割構造に構成するとともに、下部ケースには、繰出された肥料を集めて流下案内するロート部と、前記送風装置に連通接続される出口管を備え、ロート部で集めた繰出し肥料を出口管に供給するよう構成し、かつ、繰出しロールの下半部が前記下部ケースのロート部に入り込むように、前記上部ケースと下部ケースとに亘って前記繰出しロールを配備してあることを特徴とする施肥装置。
【請求項2】 前記繰出しケースの上部ケースに残肥排出口を開口するとともに、この残肥排出口の上方に位置する上部ケース外面に庇部を突設してある請求項1記載の施肥装置。
【請求項3】 前記ホッパーの外周面に水切り用のリブを突設してある請求項1または2記載の施肥装置。
【請求項4】 前記繰出しロールを回転駆動する駆動軸を前記繰出しケースの上部ケースに支架するとともに、この駆動軸の一端部に脱着される手動回転用の操作ハンドルを、施肥装置支持用の固定フレームに格納装着可能に構成してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の施肥装置。
【請求項5】 前記送風装置を構成する遠心ファンの外気吸入口を、ファンケーシングの外面に上向きに開口して形成するとともに、この外気吸入口を上方から吸気カバーで覆い、吸気カバーに形成した下向きの外気取入れ口から外気を取り入れるよう構成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の施肥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 粉粒状の肥料を貯留するホッパーの下端に、横軸心周りに回転駆動される繰出しロールを繰出しケースに支承してなる繰出し機構を配備し、前記繰出し機構から繰り出された肥料を、送風装置から供給されてきた搬送風によって所定の施肥箇所に風力搬送するよう構成した施肥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記施肥装置は乗用田植機に装備して使用するよう開発されたものであり、例えば、特開平11−313519号公報に開示されているように、運転席と苗植付け装置との間に位置させて走行機体に装備され、風力搬送した肥料をホースを介して苗植付け装置の施肥箇所に供給するよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この施肥装置は、その重量が走行機体に支持されるために、機体の重量バランスが良好で、かつ、肥料の補給を運転席から行うことができる利点があり、近年広く普及してきたものであるが、肥料を貯留するホッパーが運転席と苗植付け装置の苗のせ台との間に位置するために、運転席からホッパー越しに苗のせ台に苗の補給を行う必要があり、苗補給を容易にするためにホッパーを低くすると、肥料の貯留量が少なくなり、逆に、肥料の貯留量を多くするためにホッパー高さを高くすると、苗補給が行いにくくなるものであった。
【0004】また、上記した施肥装置では、繰出しロールを支架した繰出しケースの一部を開放してケース内部のメンテナンスを行えるように構成されているが、繰出しロールは繰出しケースの左右側壁間に支持されたままでメンテナンスを行う構造となっているので、繰出しロール自体の繰出し凹部に付着した肥料を除去するような清掃作業は行いにくいものとなっていた。
【0005】本発明は、このような点に着目してなされたものであって、肥料の貯留量を比較的多くしながらホッパー越しの苗補給も容易に行うことができ、かつ、メンテナンス性にも優れた施肥装置を提供することを主たる目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0007】(構成) 請求項1に係る発明の施肥装置は、粉粒状の肥料を貯留するホッパーの下端に、横軸心周りに回転駆動される繰出しロールを繰出しケースに支承してなる繰出し機構を配備し、前記繰出し機構から繰り出された肥料を、送風装置から供給されてきた搬送風によって所定の施肥箇所に風力搬送するよう構成した施肥装置において、前記繰出しケースを、ホッパーの下端に連結される上部ケースと、その下部に分離可能に接続される下部ケースとからなる上下二分割構造に構成するとともに、下部ケースには、繰出された肥料を集めて流下案内するロート部と、前記送風装置に連通接続される出口管を備え、ロート部で集めた繰出し肥料を出口管に供給するよう構成し、かつ、繰出しロールの下半部が前記下部ケースのロート部に入り込むように、前記上部ケースと下部ケースとに亘って前記繰出しロールを配備してあることを特徴とする。
【0008】(作用) 上記構成によると、繰出しロールの下半部が下部ケースのロート部に入り込むように、上部ケースと下部ケースとに亘って繰出しロールを配備してあるので、ロート部の流下角度をきつくして繰出し肥料の流下を円滑に行えるものでありながら、繰出しロールの軸心から下部ケースの出口管までの距離が短いものとなり、繰出しケース全体の高さが低いものとなる。従って、繰出し機構を嵩低く構成することができるので、繰出し機構の下端に位置する出口管の機体に対する設置高さ、および、運転席に対するホッパー上端位置をそれぞれ一定とすると、繰出し機構を嵩低くできた分だけホッパーの高さを高くして、肥料貯留量を多くすることができる。
【0009】また、下部ケースを上部ケースから分離することで、繰出しロールを繰出しケースから取り外して、外部で清掃等を行うことが可能となる。
【0010】(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、肥料の貯留量を比較的多くしながらホッパー越しの苗補給も容易に行うことができ、かつ、メンテナンス性にも優れたものとなった。
【0011】〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕
【0012】(構成) 請求項2に係る発明の施肥装置は、請求項1の発明において、前記繰出しケースの上部ケースに残肥排出口を開口するとともに、この残肥排出口の上方に位置する上部ケース外面に庇部を突設してある。
【0013】(作用) 上記構成によると、雨水が繰出しケースの外面に沿って流下してきても、庇部によって外方に案内されるので、残肥排出口にまで伝い流れてくることはない。
【0014】(効果) 従って、請求項2に係る発明によると、請求項1の発明の上記効果をもたらすとともに、小雨の降るような悪条件下でも繰出し機構内を濡らすようなことなく良好に作業を行うことができる。
【0015】〔請求項3に係る発明の構成、作用および効果〕
【0016】(構成) 請求項3に係る発明の施肥装置は、請求項1または2の発明において、前記ホッパーの外周面に水切り用のリブを突設してある。
【0017】(作用) 上記構成によると、ホッパーの外周面に突設したリブは、ホッパー外面に付着した雨水が繰出し機構にまで伝い流れてゆくのを阻止する本来の水切り機能の他に、大きい中空体であるホッパー自体の強度を補う機能も発揮することになる。
【0018】(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、請求項1または2の発明の上記効果をもたらすとともに、リブによって補強されたホッパーは十分な強度を発揮し、ホッパー容量を大きくして多量の肥料を貯留しても変形することなく長期間好適に使用できるものとなる。
【0019】〔請求項4に係る発明の構成、作用および効果〕
【0020】(構成) 請求項4に係る発明の施肥装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記繰出しロールを回転駆動する繰出し駆動軸を前記繰出しケースの上部ケースに支架するとともに、この繰出し駆動軸の一端部に脱着される手動回転用の操作ハンドルを、施肥装置支持用の固定フレームに格納装着可能に構成してある。
【0021】(作用) 上記構成によると、繰り出し量の計量などを行う場合には、固定フレームから取り外した操作ハンドルを繰出し駆動軸の端部に差込み連結し、駆動手段との連係を断ったっ繰出し駆動軸を手動で回転操作する。また、通常は、繰出し駆動軸から抜き外した操作ハンドルを固定フレームに格納装着しておくことで、操作ハンドルを振り回すようなことなく繰出し駆動軸が駆動回転される。また、繰出し駆動軸は上下二分割構造に構成された繰出しケースの上部ケース側に支架されているので、下部ケースを自由に分離することができる。
【0022】(効果) 従って、請求項4に係る発明によると、請求項1〜3のいずれかの発明の上記効果をもたらすとともに、繰り出し量計量操作を容易に行うことができ、取り扱い性に優れたものとなった。
【0023】〔請求項5に係る発明の構成、作用および効果〕
【0024】(構成) 請求項5に係る発明の施肥装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記送風装置を構成する遠心ファンの外気吸入口を、ファンケーシングの外面に上向きに開口して形成するとともに、この外気吸入口を上方から吸気カバーで覆い、吸気カバーに形成した下向きの外気取入れ口から外気を取り入れるよう構成してある。
【0025】(作用) 上記構成によると、肥料搬送風となる外気は、吸気カバーの下向きの外気取入れ口から一旦吸気カバー吸入された後、ファンケーシングの外面に上向きに開口された外気吸入口を経てケーシング内に吸入されることになり、屈曲した迷路構造の吸気経路が形成される。
【0026】(効果) 従って、請求項5に係る発明によると、下向きに開口した迷路構造の吸気経路を介して外気が吸入されるので、雨水などが吸入されるのが防止されるとともに、遠心ファンの吸気騒音や駆動騒音が屈曲した吸気経路を介して外部に伝わりにくくなり、請求項1〜4のいずれかの発明の上記効果をもたらすとともに、静粛な運転を行う上で有効となる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る施肥装置を備えた6条植え仕様の乗用型田植機が示されている。この田植機は、乗用型の走行機体1の後部に昇降リンク2を介して昇降自在に6条植えの苗植付け装置3が連結されるとともに、走行機体1の後部に施肥装置4が搭載された基本構造となっている。
【0028】走行機体1の前部にはエンジン5が搭載され、その出力が前後進の切換えが可能な静油圧式無段変速装置(HST)6によって変速され、その変速出力が前部ミッションケース7に入力される。前部ミッションケース7に入力された動力は、ギヤ変速された後、走行系と植付け系に分岐され、走行系動力の一部は前部ミッションケース7に装備した左右の操向前輪8に伝達されるとともに、走行系動力の他の一部は、機体下腹部の主軸9を介して後部伝動ケース10に伝達され、これに軸支した左右の後輪11に伝達される。また、前部ミッションケース7で取り出された植付け系動力は、機体下腹部の作業用動力取出し軸12、および、その後端に接続した伝動軸13を介して苗植付け装置3に伝達されるようになっている。
【0029】苗植付け装置3は、伝動軸13から動力を受けるフィードケース14、6条分の苗を載置収容して一定ストロークで左右に往復横移動する苗のせ台15、フィードケース14後部に後ろ向き片持ち状に並列して配備された3つの植付けケース16、各植付けケース16の後端部左右に装着された6条分の回転式植付け機構17、および、田面の植付け予定個所を整地均平化する3つの整地フロート18、等を備えており、苗のせ台15の下端から各回転式植付け機構17で切り出した6条分の苗を、各整地フロート18で整地した田面に植え付けてゆくよう構成されている。
【0030】図1、図2などに示すように、前記施肥装置4は、運転座席19の後方に固定配備されたホッパー21、ホッパー21に貯留された粉粒状の肥料を所定量づつ繰り出す繰出し機構22、繰り出された肥料を各整地フロート18に一対づつ備えた作溝器23に向けて風力搬送する6本の搬送ホース24、この搬送ホース24群に搬送風を送り込む遠心ファン利用の送風装置25、等によって構成されている。
【0031】図3〜図6に示すように、繰出し機構22は、軸心方向の幅の異なる3個のロール部材26a,26b,26cを並べてなる2組の繰出しロール26が一つの繰出しケース27に並列して組み込まれた2条用のユニットに構成されており、4つの繰出し機構22がホッパー21の下端に連結されている。そして、6条植え仕様のこの例においては、左右両側の繰出し機構22で2条分の繰出しが行われ、中央側の2つの機繰り機構22では、並列された繰出しロール26の一方への肥料供給が脱着可能なカバー28によって遮断されて、それぞれ1条分の繰出しのみが行われるようになっている。また、繰出しロール26を構成する各ロール部材26a,26b,26cのそれぞれに対応してシャッター板29が備えられており、操作ロッド28aを押し引きしてこれらシャッター板28を適宜開閉することで各繰出しロール26の1回転当たりの肥料繰出し量を調節することが可能となっている。
【0032】図5に示すように、各繰出し機構22における2組の繰出しロール26は、繰出しケース27の下部に横向きの回転支軸30を介して回転可能に支承されるとともに、ケース下端部には前後に貫通する出口管31が各繰出しロール26に対応して左右一対づつ連設されている。この出口管31の後端部に前記搬送ホース24の前端が接続されるとともに、出口管31の前端部が前記送風装置25からの送風を受ける送風管31に差込み連結されており、繰出しロール26によって繰出されて出口管31に供給された肥料を、送風管32から導入した搬送風によって搬送ホース24に送り出して作溝器23に供給し、植付けた各条の苗の横側近くに埋設するように構成されている。なお、中央側の2つの機繰り機構22においては、繰出し休止される繰出しロール26に対応した出口管31の後端はキャップ33によって閉塞されて、搬送風の流出が阻止されている。
【0033】前記繰出しケース27は、ホッパー21の下端に内嵌連結される上部ケース27aと、出口管31を備えた下部ケース27bとからなる上下二分割構造に構成されるとともに、上部ケース27aと下部ケース27bとの接合面に繰出しロール26の軸心が位置しており、出口管31を送風管32から抜き外して下部ケース27bを上部ケース27aから下方に分離することで、繰出しロール26を下方に外すことが可能となっている。なお、送風管32は、硬質管部分32aと、出口管31の前端部が差込接続される柔軟なゴム管部分32bとを順次差込接続して構成されており、ゴム管部分32bを変形させることで出口管31を簡単に分離できるようになっている。
【0034】ここで、上部ケース27aの上半部は、ホッパー21の下端開口から流下してくる肥料を左右の繰出しロール26に導くように、正面視で下すぼまり形状に形成されるとともに、各繰出しロール26を構成するロール部材26a,26b,26cに肥料を案内する複数の仕切り壁34が備えられており、前記シャッター板29は各仕切り壁33の間に組み付けられるとともに、横架されたガイド棒35によって屈曲案内されている。
【0035】また、上部ケース27aの下部に、繰出しロール26の上半部が入り込み配置されるとともに、繰出しロール26の外周に摺接するすり切り用のブラシ36が脱着可能に嵌め込み装着されている。さらに、上部ケース27aの下部前側には残肥排出口37が左右一対づつ形成されており、通常は図示のように揺動シャッター38によって閉塞されるとともに、作業の終了後には、揺動シャッター38を開くことで、ホッパー21内に残った肥料を排出ホース39を介して流下排出することができるようになっている。
【0036】下部ケース27bの上部には、繰り出した肥料を出口管30の中間部に導くため下すぼまりのロート部Rが形成されており、このロート部Rに繰出しロール26の下半部が入り込み配置されている。また、出口管30の中間部は絞り込み形状に形成されて、送風管31から導入した搬送風の風速を高めて、肥料を円滑に搬送風にのせて送り出すようになっている。
【0037】また、ホッパー21の外周面には水切り用のリブ41が突設されて、ホッパー外面に付着した雨水が繰出し機構22にまで伝い流れてゆくのが阻止されるとともに、、前記残肥排出口37の上方に位置する上部ケース27a外面には庇部42が突設されて、雨水が繰出しケース27の外面に沿って流下してきても、庇部42によって外方に案内されて、残肥排出口37にまで伝い流れることが阻止されている。
【0038】並列配備された4つの繰出し機構22に亘って共通の繰出し駆動軸43が横架されており、この繰出し駆動軸43と機体下腹部に配備された主軸9とが連動連結され、走行速度と同調した速度で繰出し機構22が繰り出し駆動されるようになっている。すなわち、主軸9の回転動力の一部は、施肥駆動ケース44を介してクランクアーム45の横向き回転に変換され、このクランクアーム45と前記繰出し駆動軸43から延出された駆動アーム46とが押し引きロッド47によって連動連結され、クランクアーム45の回転によって繰出し駆動軸43が往復揺動されるようになっている。そして、繰出し駆動軸43と前記回転支軸30とが2組の一方向クラッチと反転伝動リンクを利用した一方向伝動機構を介して連動連結され、繰出し駆動軸43の往動および復動のそれぞれに応じて、回転支軸30が所定の繰出し方向(図4では反時計方向)に脈動的にピッチ送り回転されるようになっている。このように、走行系からの動力で施肥繰出しを行うことで、走行速度にかかわらず単位走行距離に対する施肥量、つまり,単位面積当たりの施肥量を一定に維持することができるようになっているのである。なお、駆動アーム46と押し引きロッド47との連結位置を変更して、駆動アーム46の往復揺動角度を調節することによって、単位面積当たりの施肥量を調節することが可能である。
【0039】上記構成の施肥装置4は、機体後部の上方に横架した横長の固定フレーム48に支持されており、この固定フレーム48の機体右側の端部に、六角軸からなる繰出し駆動軸43を手動で回転操作するための操作ハンドル49が格納装着されている。この操作ハンドル49は、板材からなるハンドルアーム49aの一端に、繰出し駆動軸43の右端部に挿抜嵌合する六角孔を備えるとともに、他端に丸パイプからなるハンドル本体49bを取り付けて構成されており、通常は、図8に示すように、板金製の固定フレーム48の内にハンドルアーム49aを差し入れるとともに、バネ線材を屈曲形成してなるクランプ部材50にハンドル本体49bを弾性係止することで格納保持され、肥料繰出し量を計量する場合などにおいては、固定フレーム48から取り外した操作ハンドル49を、図3中に示すように、繰出し駆動軸43の右端部に差込み装着して、繰出し駆動軸43を手回し操作するのである。
【0040】前記送風装置25は前記送風管31の左端に接続されており、図9〜図13に示す如くスパイラル状のファンケーシング51に内装した羽根車52を、ファンケーシング51に取り付けた電動モータ53によって駆動して、ファンケーシング51の中央に備えた吸気口54から吸入した外気を接線方向に向けて開口した吐出口55から圧送し、送風管32を介して各繰出し機構22の出口管31に供給するようになっている。
【0041】図11、図12などに示すように、前記ケーシング51は、電動モータ53が装着される前側の分割ケーシング51aと、吸気口54を備えた後側の分割ケーシング51bとを接合してボルト連結してなる前後二つ割り構造の樹脂成形品で構成されている。そして、吸気口54に連なる吸気ダクト56がケーシング51の後面に一体突設されるとともに、この吸気ダクト56の外気吸入口56aは上向きに開口され、さらに、吸気ダクト56を全体的に覆う吸気カバー57がケーシング51の後面に取り付けられている。この吸気カバー57の外気取入れ口57aは下向きに開口されており、吸気騒音やファン駆動が運転座席19に着座した運転者に極力伝わり難いようにしている。
【0042】電動モータ53は、前側の分割ケーシング51aに取付けフランジ53aを介して連結され、断面小判形に形成されたモータ軸53bに、羽根車52が差込連結されてナット58によって締上げ固定されている。また、この電動モータ53自体は、前ケーシング部分51aの前面の取付け座70に連結された樹脂製のモータカバー59によって保護されている。
【0043】図11〜図13に示すように、前記モータカバー59は、円筒状のカバー本体59aの開口部に取付けフランジ59bを連設して構成されたものであり、この取付けフランジ59bからカバー本体59aに亘って電線挿通口71が切り欠き形成され、ここに電動モータ53に接続された電線72が挿通されている。
【0044】また、取付けフランジ59bの中心側には、図14、図15に示す如き先狭まり断面形状のシール用突条73が電線挿通口71で分断された部分円弧状に突設されるとともに、前ケーシング部分51aの取付け座70には、前記シール用突条73を係入する奥狭まり断面形状のシール用溝74が部分円弧状に形成され、これらシール用突条73とシール用溝74とが密に係合されることによってモータカバー59とケーシング51との接合部位でのシールがなされている。
【0045】更に、取付けフランジ59bの外周部には、前ケーシング部分51aの取付け座70に外嵌する外周突条75が電線挿通口71で分断された部分円弧状に設けられ、モータカバー59とケーシング51との接合部位への塵埃や水の浸入を阻止するようになっている。
【0046】図11〜図13に示すように、前記羽根車52は、円盤状の羽根車側板61における吸気口54側の前面に、モータ軸53bに外嵌装着されるボス62、主羽根63群、および、補助羽根64群を吸気口54側に向かう片持ち状に突設して、吸気口54側を全面的に開放したオープンタイプの羽根車に構成されており、射出成形された樹脂一体成形品として構成されている。
【0047】前記主羽根63は、ボス62の外周から羽根車側板61の外周端に亘る湾曲放射形状に形成され、周方向に一定ピッチで並列され、また、補助羽根64は、ボス62の外周より離れた位置から羽根車側板61の外周端に亘る湾曲放射形状に形成されて主羽根63どうしの間に設けられている。このように主羽根63群の間において外周側にのみ補助羽根64群を配備することで、羽根車52の吸気側となる中心部では、羽根枚数が少なく、吸入気を加速する外周部側では羽根枚数が多くなり、中心近くでの吸気抵抗を増すことなく羽根群による遠心加速機能を高めることができ、所要の風量を得るのに要する回転数を低くすることが可能となる。また、外周部での羽根間隔が小さくなることで、羽根車52の回転に伴う圧力変動を小さくすることができ、これらが相乗して所要の風量を確保しながら騒音の少ないファン駆動が可能となっている。
【0048】ここで、主羽根63は、ケーシング51の吸気口54に対向する中心部側においては、羽根車側板61からの高さh1 がボス62と同高さに低く設定されるとともに、それより外周側においては、羽根車側板61からの高さh2 が、ケーシング51内の前後内幅に近い寸法に設定され、吸気口54の直内側に全周に亘って連続する入り口空間sを形成して、吸気口54からケース内に導入された外気が抵抗少なく円滑に主羽根63の間に流入してゆくようになっている。
【0049】また、主羽根63の間に配置される補助羽根64の羽根車側板61からの高さh3 は、主羽根63の外周側での高さh2 よりも低く、かつ、主羽根63の中心部側での高さh1 より高く設定されるとともに、補助羽根64の厚さt2 が主羽根63の厚さt1 よりもやゝ大きく設定されている。つまり、主羽根63は、その中心側が羽根車側板61とボス62の外周面との直交する二面に亘って連設されることで、回転方向に対する曲げ強度が高く確保されているのに対して、補助羽根64は、羽根車側板61からのみ吸気口54側に向けて片持ち状に突設されていて、羽根面方向に対する剛性が低下しがちとなって振動しやすくなるが、その剛性低下を羽根高さを低くすることで補っている。
【0050】この場合、樹脂の材質、等の条件によっては、補助羽根64の羽根高さを抑えるだけで必要な剛性を得ようとすると羽根高さが相当低くなってしまって、補助羽根64の羽根面積が小さいものになってしまうおそれがあるが、補助羽根64の羽根厚さを、羽根間の流路断面積の減少の許す範囲で適度に大きくすることによって、羽根高さを余り小さくすることなく必要剛性を確保して、補助羽根64の羽根面積の減少を抑制することができるようになる。なお、補助羽根64の中心側の端縁64aを吸気口54側に向けて斜めに切除しておくことで、吸入外気が主羽根63の間に流入する際の抵抗になることが少ないように考慮されている。
【0051】また、図12、図13に示すように、前記羽根車52における羽根車側板61の中心近くには、ボス62の外周面と補助羽根64の中心側端部に亘る範囲に軸心方向に貫通する連通孔76が形成されるとともに、この連通孔76に対向して、電動モータ53の取付けフランジ53aには冷却用の通気孔77が形成されており、羽根車52の回転に伴って連通孔76の付近が負圧部となり、その負圧によって取付けフランジ53aの通気孔77を通して電動モータ53内の熱気が吸引されるようになっている。
【0052】そして、電動モータ53内の熱気が吸引されることで、モータカバー59内が負圧となり、電線72と電線挿通口71との間隙を通して外気がモータカバー59内に吸入され、このモータカバー9内から電動モータ53の吸気孔53cを通してモータハウジング内に吸引され、これが電動モータ53の冷却に供されるのである。
【0053】図12に示すように、前記後側の分割ケーシング51bの前側分割ケーシング51aに接合する接合面に、図12に示すモータカバー59の突条73と同様の先狭まり断面形状のシール用突条51cが環状に突設され、このシール用突条51cを前側分割ケーシング51aの奥狭まり断面形状のシール溝に入り込ませて密に係合させることにより、両分割ケーシング51a,51bの接合部位でのシールが行われている。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月10日(2000.3.10)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−251918(P2001−251918A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−65991(P2000−65991)