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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】竹田 裕一

【要約】 【課題】機体に施肥装置の肥料ホッパ部を装備させて施肥作業を行う田植機において、肥料ホッパの容量増大を有効に図ると共に、肥料ホッパを障害とさせることなく、輸送などでの至便化も図る。

【解決手段】植付条の側方に施肥を行う施肥装置(36)の肥料ホッパ部を機体に装備させる田植機において、機体に固設する繰出部(38)に対し肥料ホッパ(37)を着脱自在に固定させると共に、肥料ホッパ(37)内の肥料を検出する肥料センサ(90)を繰出部(38)に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付条の側方に施肥を行う施肥装置の肥料ホッパ部を機体に装備させる田植機において、機体に固設する繰出部に対し肥料ホッパを着脱自在に固定させると共に、肥料ホッパ内の肥料を検出する肥料センサを繰出部に設けたことを特徴とする田植機。
【請求項2】 繰出部の上部開口周縁に弾性シール部材を嵌着させると共に、該シール部材の外周に肥料ホッパの下端開口を嵌着させ、該下端開口に形成するストッパ部をシール部材を介し繰出部の上部開口上端に位置保持させたことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は苗載台及び植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機にあって、植付条の側方に施肥を同時に行う田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、肥料ホッパを田植機体に固設した構造の場合、トラック輸送等で制限があって高くできないため、ホッパ容量を増大させることができないという不都合があった。またホッパ内の肥料を検出する肥料センサがホッパ側に設けられている場合、ホッパの取外し時にあってはホッパの取付固定金具以外にセンサのハーネスなど電装部品などもその都度取外す手間の煩わしさがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、植付条の側方に施肥を行う施肥装置の肥料ホッパ部を機体に装備させる田植機において、機体に固設する繰出部に対し肥料ホッパを着脱自在に固定させると共に、肥料ホッパ内の肥料を検出する肥料センサを繰出部に設けて、作業中の肥料ホッパの容量を有効に増大させて施肥作業の能率向上化を図り、作業終了後は肥料ホッパのみを容易に取外して田植機の構造の容易化を図ると共に、肥料ホッパの取外し時にあっては肥料センサのハーネスなど電装部品の取外しなど必要とさせず容易なホッパの取外しを可能とさせてホッパの取外作業での能率向上化を図るものである。
【0004】また、繰出部の上部開口周縁に弾性シール部材を嵌着させると共に、該シール部材の外周に肥料ホッパの下端開口を嵌着させ、該下端開口に形成するストッパ部をシール部材を介し繰出部の上部開口上端に位置保持させて、繰出部の上方よりシール部材を介し肥料ホッパを順次嵌合させるだけの簡単な手段によって繰出部に対する肥料ホッパの容易な固定を可能とさせると共に、繰出部に肥料ホッパを良好に固定させて肥料の外部飛散など確実に防止するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行機体である走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)前部上方に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ミッションケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に車輪である水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、足掛台(11)を介して作業者が搭乗する車体カバーであるステップ(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記ステップ(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0006】また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介して支持フレーム(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含むリンク機構(27)を介して走行車(1)後側に支持フレーム(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる昇降シリンダ(28)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0007】また、図中(29)は主変速レバー、(30)は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、(31)は植付け感度設定器、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センターフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の施肥装置である施肥機である。
【0008】さらに、図3、図4に示す如く、肥料を入れる肥料ホッパ(37)と、肥料を定量供給する肥料繰出部である肥料繰出ケース(38)と、フロート(34)(35)の側条作溝器(39)にフレキシブル形搬送ホース(40)を介して肥料を排出させる送風機(41)とを前記施肥機(36)に備えるもので、6条分6組の肥料繰出ケース(38)の下方に、6条分6組の送風機(41)をそれぞれ配置させ、繰出ケース(38)と送風機(41)とを合流ジョイント(42)を介し搬送ホース(40)に接続させている。前記各送風機(41)はケーシング(41a)内のファン(41b)を左右方向のファン軸(41c)で連動連結すると共に、ファン軸(41c)の左右一端側で単一の電動ファンモータ(41d)に連動連結して、単一のモータ(41d)で6組の送風機(41)の駆動を行うように構成している。
【0009】また、前記車体フレーム(3)後端の左右支柱(43)上端間に横架する水平フレーム(44)両側にベース取付板(45)を介して左右ベースフレーム(46)(46)を連結させ、前後方向に略水平な前記ベースフレーム(46)後端部と車体フレーム(3)間にサイドステー(47)を連結させ、左右ベースフレーム(46)(46)に立設させる施肥フレーム(48)に前後の横フレーム(49)(50)を介し施肥機(36)を支持させている。
【0010】図6、図7に示す如く、前記繰出ケース(38)の上面のケース入口(51)に前記ホッパ(37)の下部出口(52)をシール部材(53)を介して嵌着させると共に、前記繰出ケース(38)前面下側に肥料取出筒(54)を形成し、該取出筒(54)の入口を開閉プラグ(55)によって閉塞するもので、前記取出筒(54)の入口側下面に肥料取出口(56)を開設し、取出筒(54)に開閉プラグ(55)を摺動自在に内挿させ、開閉プラグ(55)一端側の開閉操作体(57)を取出筒(54)より外側に突出させ、操作体(57)の押込操作時にはプラグ(55)の外周面で取出口(56)を閉塞すると共に、操作体(57)の前方向への引出操作時には取出口(56)を開放して、繰出ケース(38)内の肥料を放出パイプ(58)内に放出して回収容器などに回収するように構成している。
【0011】また、前記繰出ケース(38)下面に底蓋(59)を着脱自在に固定させ、T字形フランジに形成する硬質合成樹脂製の前記ジョイント(42)中間に入口(60)を上向開放に形成し、前記送風機(41)の送風口(61)にジョイント(42)前端を、前記底蓋(59)に形成する出口(62)外壁にジョイント(42)の入口(60)をそれぞれ嵌着接続させると共に、該ジョイント(42)の後端に前記搬送ホース(40)を接続させて、前記送風機(41)からジョイント(42)を介しホース(40)に空気を吹出させるとき、底蓋(59)の出口(62)からジョイント(42)内中間に落下する肥料を空気で搬送ホース(40)に送り込んで作溝器(39)まで搬送するように構成している。
【0012】さらに図7、図9にも示す如く、取入口(63)を有する入口板(64)と、同一円周上に円形の複数の繰出口(65)…を有する繰出板(66)と、排出口(67)を有する出口板(68)を備え、略円形平板製の前記各板(64)(66)(68)を繰出ケース(38)下部と底蓋(59)の間に多層状で且つ若干傾斜状に配設させると共に、底蓋(59)に対し繰出軸(69)を略垂直に回転自在に軸支させ、各板(64)(66)(68)の中央部に繰出軸(69)上端側を貫通させ、入口板(64)と出口板(68)を繰出ケース(38)に係止させ、各板(64)(68)に対して繰出軸(69)を遊転させると共に、繰出板(66)を繰出軸(69)に係合軸支させ、繰出軸(69)によって繰出板(66)を強制的に回転させ、取入口(63)から繰出口(65)に入った肥料を排出口(67)に移動させて出口(62)よりジョイント(42)の入口(60)に落下させるように構成している。
【0013】図4、図5にも示す如く、前記エンジン(2)出力を植付部(15)に伝達させるPTO軸(70)をミッションケース(4)から後方に延出させ、前記左支柱(43)に軸受ケース(71)を連結固定させ、軸受ケース(71)の入力軸(72)を前記PTO軸(70)中間にチェン(73)を介して連動連結させ、軸受ケース(71)の出力軸(74)後端にリングコーン無段変速機(75)の入力軸(76)を連結させ、無段変速機(75)後側の変速出力軸(77)に1対のベベルギヤ(78)を介して中間軸(79)を連動連結させ、各底蓋(59)の軸ケース(59a)内を挿通させる繰出軸(69)下端に1対のベベルギヤ(80)を介し左右方向に単一の繰出駆動軸(81)を連結させ、該駆動軸(81)と前記中間軸(79)とを伝動チェン(82)を介し連動連結させて、エンジン(2)からの出力で施肥機(36)の駆動を行うと共に、無段変速機(75)の変速操作で繰出ケース(38)から繰出される肥料の繰出量を調節するように構成している。
【0014】なお無段変速機(75)は、入力軸(76)に配設する入力円板(83)と、出力軸(77)に配設する出力円板(84)、両板(83)(84)間に配設する複数の遊星コーン(85)と、遊星コーン(85)の円錐面に摩擦係合する変速リング(86)などを施肥機(36)下方の変速ケース(87)内に備え、シフター操作などで変速リング(86)を移動させ遊星コーン(85)の円錐面の摩擦係合位置を左右方向に変化させることによって出力軸(77)に取出される回転を無段変速させるように構成したものである。
【0015】図7、図8に示す如く、前記繰出ケース(38)の入口(51)の前後外壁を前方向に傾斜させる傾斜外面(51a)(51b)に形成させ、ゴムなど弾性材で形成する平面略四角枠状のシール部材(53)に前記傾斜外面(51a)(51b)に接合させる傾斜内面(53a)(53b)を形成させて、前記入口(51)の外壁にシール部材(53)の内壁を嵌着させると共に、該シール部材(53)外側に前記ホッパ(37)の下部出口(52)を嵌着させ、各繰出ケース(38)とホッパ(37)とをパッチン錠(88)によるワンタッチ操作で取外し自在に一体固定させるもので、各ホッパ(37)の出口(52)内面には下端より一定高さを有してストッパー部となる突起(89)を形成し、繰出ケースとホッパ(37)の一体固定時には繰出ケース(38)の入口(51)上端にシール部材(53)の上端折曲部(53c)を介してホッパ(37)の突起(89)下面を密着支持させて、隙間やガタのない良好な確実な固定を行うように構成している。
【0016】また、肥料ホッパ(37)の肥料を検出する光電型肥料センサ(90)を繰出ケース(38)に設けるもので、肥料センサ(90)のハーネス(91)が挿通する切欠溝(92)を繰出ケース(38)の入口(51)に設けて、ハーネス(91)を接続させたまま肥料センサ(90)を繰出ケース(38)の入口(51)内面に固設すると共に、シール部材(53)及びホッパ(37)の各下端側にもハーネス(91)が挿通可能な切欠溝(93)(94)をそれぞれ形成して、繰出ケース(38)に肥料センサ(90)を固定保持させたまま、シール部材(53)及びホッパ(37)の取付け或いは取外しを容易に可能とさせるように構成している。
【0017】図9、図10、図11に示す如く、繰出口(65)に定量以上の肥料が入ることを仕切板(95)によって阻止する仕切部材(96)を繰出板(66)上方に取付軸(97)を介し配設するもので、仕切板(95)をゴム或いは樹脂などの弾性材による成形面で形成し、肥料と接触する仕切板(95)の下端側を先端側に順次薄厚で、一定の間隔を有して一列状に復数連なるヘラ状の形状に設けて、繰出板(66)の回転中に仕切板(95)によって余分な肥料が排除される際には、従来のブラシを用いたのと同様に仕切板(95)下端で挾んで肥料を傷つけたり、肥料に強い圧縮力を与えないなどの効果を保ちながら、ブラシの毛と毛の間に肥料が挾まるなどとした不都合を解消させ、仕切板(95)間に挾まる肥料は仕切板(95)の復元力と下端傾斜面とで下方に押出して肥料の挾まれる頻度を小とさせて、常に略定量の肥料の繰出しを可能とさせるように構成している。
【0018】図12に示す仕切部材(96)は、各仕切板(95)のピッチ(P)を肥料の粒径より大に形成して、この仕切板(95)による余分な肥料の排除時にあっては、さらに仕切板(95)間に肥料の挾まる頻度を小とさせて、施肥量精度を向上させるように構成したものである。
【0019】以上からも明らかなように、繰出ケース(38)に対し肥料ホッパ(37)を容易に取付け或いは取外し可能とさせることによって、作業中は容量の大きな肥料ホッパ(37)を用いて施肥作業の能率向上化を図ると共に、作業終了後は肥料ホッパ(37)のみを容易に取外して田植機の輸送や保管での至便化を図ることができる。また肥料ホッパ(37)の取外し時にあっては、肥料センサ(90)や肥料センサ(90)のハーネス(91)など電装部品をその都度取外す手間の煩わしさなく、肥料ホッパ(37)のみ容易且つ迅速に取外して、ホッパ(37)の取外し作業での能率向上化を図ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、植付条の側方に施肥を行う施肥装置(36)の肥料ホッパ部を機体に装備させる田植機において、機体に固設する繰出部(38)に対し肥料ホッパ(37)を着脱自在に固定させると共に、肥料ホッパ(37)内の肥料を検出する肥料センサ(90)を繰出部(38)に設けたものであるから、作業中の肥料ホッパ(37)の容量を有効に増大させて施肥作業の能率向上化を図り、作業終了後は肥料ホッパ(37)のみを容易に取外して田植機の構造の容易化を図ることができると共に、肥料ホッパ(37)の取外し時にあっては肥料センサ(90)のハーネス(91)など電装部品の取外しなど必要とさせず容易なホッパの取外しを可能とさせてホッパ(37)の取外作業での能率向上化を図ることができるものである。
【0021】また、繰出部(38)の上部開口周縁に弾性シール部材(53)を嵌着させると共に、該シール部材(53)の外周に肥料ホッパ(37)の下端開口を嵌着させ、該下端開口に形成するストッパ部(89)をシール部材(53)を介し繰出部(38)の上部開口上端に位置保持させたものであるから、繰出部(38)の上方よりシール部材(53)を介し肥料ホッパ(37)を順次嵌合させるだけの簡単な手段によって繰出部(38)に対する肥料ホッパ(37)の容易な固定を可能とさせると共に、繰出部(38)に肥料ホッパ(37)を良好に固定させて肥料の外部飛散など確実に防止することができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年3月15日(2000.3.15)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2001−251917(P2001−251917A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−71526(P2000−71526)