| 【発明の名称】 |
作業装置の昇降制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤井 健次
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| 【要約】 |
【課題】苗植付装置を下降させ自動昇降制御モードに復帰させる場合になるべく目標位置でのオーバーシュートを抑制して、適切な植付作業を行うことのできる田植機の昇降制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】苗植付装置に下降指令があると、高速で下降させるとともに、感知フロート27Sが接地すると低速下降に切換えるとともに、感知フロート27Sの目標姿勢に対応した目標角度よりも第1揺動分だけ上向き状態となる第1所定角を超える揺動角をフロートセンサ67が検出した場合には、自動昇降制御モードに移行させるように昇降制御手段を構成してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標高さに維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置であって、前記接地体の上下動位置が前記目標値より第1変位分だけ下方に位置する第1所定高さを設定し、前記フロートセンサが、前記接地体が前記第1所定高さを超えて上方に変位した状態を検出すると、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御状態に移行するように構成してある作業装置の昇降制御装置。 【請求項2】 走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標高さに維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置であって、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の最下端高さに第2変位分だけの上昇分を加えた第2所定高さを設定し、前記フロートセンサが、前記接地体が前記目標高さを超えて上方側に変位した状態、または、前記接地体が前記第2所定高さを超えて上方に変位した状態、のいずれか一方の状態を検出する場合に、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある作業装置の昇降制御装置。 【請求項3】 走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下揺動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標姿勢に対応した目標角度に維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置であって、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある作業装置の昇降制御装置。 【請求項4】 走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下揺動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標姿勢に対応した目標角度に維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置であって、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態とともに前記接地体の揺動を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある作業装置の昇降制御装置。 【請求項5】 走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下揺動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標姿勢に対応した目標角度に維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置であって、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態とともに前記接地体の揺動を検出した場合、又は、前記フロートセンサが前記接地体の前記補正目標角度を超える上向き側への変位を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある作業装置の昇降制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた接地体の接地圧変動に基づく前記走行機体に対する上下揺動量を検出するフロートセンサと、前記フロートセンサの検出値を前記接地体の目標姿勢に対応した目標角度に維持する自動昇降制御モードを有し、前記作業装置を対地浮上状態より下降作動させて前記自動昇降制御モードに復帰させる場合には、下降開始時より高速下降作動を行わせるとともに、前記接地体の接地後低速下降作動に切換えるとともにその後前記自動昇降制御モードに切換える昇降制御手段を備えている作業装置の昇降制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】作業装置を一旦上昇させた状態で自動昇降制御モードに復帰させる場合には、接地体が目標姿勢に至ってから自動昇降制御モードに切換えていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】そうすると、接地体が目標姿勢より大きく外れるオーバーシュート現象を生じやすく、目標姿勢に戻すのに時間がかかっていた。 【0004】本発明の目的は、迅速に目標姿勢に復帰させることのできる作業装置の昇降制御装置を提供する点にある。 【0005】 【課題を解決するための手段】(構成) 請求項1に係る発明は、前記接地体の上下動位置が前記目標値より第1変位分だけ下方に位置する第1所定高さを設定し、前記フロートセンサが、前記接地体が前記第1所定高さを超えて上方に変位した状態を検出すると、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御状態に移行するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0006】(作用効果) つまり、接地体が接地した後、接地体の目標高さまで至る前の第1所定高さを超えると自動昇降制御を開始する。したがって、作業装置の下向きの慣性力が残っていても、目標高さに達する以前から制御を始めるので、目標高さでのオーバーシュート現象を抑えることができ、迅速に目標高さに復帰させることができる。 【0007】(構成) 請求項2に係る発明は、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の最下端高さに第2変位分だけの上昇分を加えた第2所定高さを設定し、前記フロートセンサが、前記接地体が前記目標高さを超えて上方側に変位した状態、または、前記接地体が前記第2所定高さを超えて上方に変位した状態、のいずれか一方の状態を検出する場合に、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0008】(作用効果) 前記接地体が前記第2所定高さを超えて上方に変位した状態を捉えて自動昇降制御モードに移行するので、接地体が接地後まもなく自動昇降制御モードに入ることになり、作業装置が重くなって慣性力が大きな場合にも目標高さでのオーバーシュート現象を回避でき、迅速に目標高さに復帰させることができる。また、目標高さを超えた状態で自動昇降制御を始めるようにしているのは、例えば、作業途中で停止してメインスイッチを切り操作した場合には、自動昇降制御に必要なデータも失われる。したがって、目標高さに接地体が接地した状態で走行を開始すると、走行機体は走行開始に対する走行抵抗を受けて後傾斜状態となるので接地体は上向き状態となり、このような場合には、目標高さを超えた状態になってから始めて自動昇降制御を開始することにする。 【0009】(構成) 請求項3に係る発明は、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0010】(作用効果) 接地体の傾斜を検出するセンサフロートの検出値は走行機体を基準とするものである。したがって、走行機体の前後傾斜が変化すると、その変化分だけ機体に対しては変化しなくても対地に対して接地体の傾斜度が変化する。特に、枕地での旋回前と旋回後では機体の前後傾斜が反転することがある。したがって、走行機体の前後傾斜による補正を目標角度に施し、補正目標角度を採用する。第3所定角は請求項1の第1所定値と同様の性質の角度であるが、第1所定角と異なる角度にしてあるのは、前記した走行機体の前後傾斜を加味しているからである。そして、ここでの制御は、接地体が接地した状態より第4所定角を超える状態と補正目標角度より手前の第3所定角を超えて上向き側に傾斜角を変化させた状態とがともに満たされる状態になると自動昇降制御に移行するようにする。これによって、目標角度でのオーバーシュート現象が抑制される。 【0011】(構成) 請求項4に係る発明は、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態とともに前記接地体の揺動を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0012】(作用効果) ここでは、請求項3にかかる発明に加えて、接地体の揺動を検出した場合を構成要件として加えている。これは、フロートセンサが何らかの出力を出したことを意味するものであるが、このことは接地体が接地して正常に作動していること等が確認できて、接地しない状態から自動昇降制御を行うことがないようにすることができる。したがって、請求項3に記載した条件だけで自動昇降制御を開始する場合に比べて接地体が泥の噛み込み等によってセンサ作動しない異常な場合には、作業者が何らかの対策をとることができ、欠株や浮き苗等の植付不良現象を未然に回避できる。 【0013】(構成) 請求項5に係る発明は、前記走行機体の前後傾斜の検出結果とその走行機体の前後基準姿勢との偏差に基づいて前記目標角度を補正して補正目標角度を算出する補正手段を設け、前記対地浮上状態に対応した前記接地体の下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角と、前記接地体の傾斜度が前記補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角とを設定し、前記フロートセンサが前記接地体の前記第4所定角及び第3所定角のいずれをも超える上向き側への傾斜状態とともに前記接地体の揺動を検出した場合、又は、前記フロートセンサが前記接地体の前記補正目標角度を超える上向き側への変位を検出した場合には、前記昇降制御手段によって前記自動昇降制御モードに移行するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0014】(作用効果) 請求項4に係る発明の条件と目標角度を超える状態とのいずれか一方が起こった場合に自動昇降制御を開始するようにする。これによって、請求項2に対する作用効果で述べたように、作業を途中で停止し、再始動するばあいに接地体が上向き状態になる場合にも対応が可能になるのである。 【0015】 【発明の実施の形態】図1に示すように、前後車輪1,2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載するとともに、エンジン4からの動力が伝達される静油圧式無段変速装置H、静油圧式無段変速装置Hからの動力が伝えられるミッションケース5、及び、ミッションケース5からの動力が伝えられる後車軸ケース6を配置し、走行機体3の中央部にステアリングハンドル7と運転座席8とを配置し、走行機体3の後端部にリフトシリンダ9で駆動昇降操作される平行4連リンク機構Lを介して苗植付装置Aを連結し、走行機体3の後部に施肥装置Bを備えて乗用型田植機を構成する。 【0016】ミッションケース5内には、左右の前車輪1,1に動力を伝える差動機構(図示せず)と、株間変速機構(図示せず)、及び、苗植付装置Aへの動力伝達を司る植付クラッチCが内臓されている。後車軸ケース6には、左右の後車輪2,2に動力を伝える伝動機構と左右後車輪2,2に伝えられる動力を切操作すると同時に制動力を作用させる左右のサイドクラッチ10及びブレーキを設けてある。 【0017】図1に示すように、運転座席前方のメータパネルMPの左側部には静油圧式無段変速装置Hを変速操作する主変速レバー11を配置し、運転座席8の左側部にはミッションケース5内の副変速装置(図示せず)を変速操作する副変速レバー12を配置し、運転座席8の右側部には苗植付装置Aの昇降制御を行う昇降レバー13と、苗植付装置Aを圃場面Sに追従させて昇降制御する際の感度を設定する感度調節レバー14とを配置してあり、ステアリングハンドル7の近傍位置に強制昇降レバー15とを配置してある。 【0018】図1及び図2に示すように、苗植付装置Aは次のような構成部品によって構成されている。走行機体3からの伝動軸21を介して動力が伝えられる伝動ケース20と、伝動ケース20に連結する横長姿勢の角パイプフレーム22と、各パイプフレーム22より前後向き姿勢で後向きに延出されるチェーンケース23と、各チェーンケース23の後部において横軸心周りで回転する左右のロータリケース24と、各ロータリケース24に相対回転自在に取付けられた一対の植付アーム25とを有するとともに、マット状苗Wを載置する苗のせ台26と、3つの整地フロート27とを備えて構成され、植付作動時には苗のせ台26に載置したマット状苗Wの下端から植付アーム25に取付けた植付爪25Aによって切り出し圃面に植付けるように構成してある。 【0019】図2に示すように、パイプフレーム22の後方に平行する状態で植付深さ調節軸30が軸心周りで回動自在に備えられると共に、植付深さ調節軸30から後方に延設した3組のアーム31の後端部に、横向き姿勢の支持軸29周りで揺動自在に3つの整地フロート27が支持され、植付深さ調節軸30に連結する植付深さ調節レバー32を任意に操作してレバーガイド33に係止保持することで、植付爪25Aの作動軌跡Tに対する整地フロート27の上下方向での距離を変更して圃場面Sに対する苗の植付深さを調節できるように構成されている。左右方向での中間にする接地体としての整地フロート27(以下感知フロート27Sと称する)の前部中央位置に、横向き姿勢の第1支軸34周りで揺動自在に第1リンク35を備え、これと対応する位置のパイプフレーム22に横向き姿勢の第2支軸36周りで揺動自在に第2リンク37を支持し、第1リンク35と第2リンク37とを連結軸38で屈伸自在に連結することで感知フロート27Sの横方向への振れを阻止しながら感知フロート27Sの前部の上下方向への作動を案内する屈伸リンクが構成されている。 【0020】図3に示すように、感知フロート27Sの前端に、横向き軸39で揺動自在に連結された縦長い姿勢の縦リンク40を備えると共に、パイプフレーム22に対して前方に向けて片持ち状に設けたブラケット41の前端に横向き軸42周りで天秤揺動自在な揺動リンク43を備える。揺動リンク43の前端側に設けた横向きピン44を縦リンク40の長孔40Aに挿通するとともに、縦リンク40の上端と横向きピン44との間に引張り式の感知バネ45を備え、揺動リンク43の後端と植付深さ調節レバー32とを補正ロッド46で連結してある。 【0021】後記する自動昇降制御の接地センサとして機能する感知フロート27Sの苗植付装置Aとの相対上下間隔は、次のような構成によって検出されるようになっている。植付調節操作レバー32はレバーガイド33の係合溝に係合して通常は固定状態にあるので、植付調節操作レバー32から延出された補正ロッド46と角パイプフレーム22より延出されたブラケット41とが、夫々、揺動リンク43に係合されているので、揺動リンク43は通常の植付作業走行時においては固定状態にある。したがって、横向きピン44は固定状態にあるので、感知フロート27Sが接地圧の変動を受けて上下方向に揺動する場合には、縦リンク40が感知フロート27Sとともに上下に移動し、次に記すような距離Dが変動する。したがって、耕深自動制御は距離Dをもとの状態に復帰させるように苗植付装置Aを昇降制御するものである。図3に示すように、操作ワイヤ47のアウタワイヤ47Aの端部を縦リンク40の上端に連結固定するとともに、操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bを横向きピン44に連結することで、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に下方に変位して感知フロート27Sの前端側が上方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが拡大してインナーワイヤ47Bを引き操作し、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に上方に変位して感知フロート27Sの前端側が下方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが縮小してインナーワイヤ47Bを弛緩せるよう操作方向が設定されている。 【0022】植付深さ調節レバー32との連係は次のようになっている。図3に示すように、植付深さ調節レバー32を深植側(同図でレバー32の操作端を下方に操作する側)に操作した場合には、揺動リンク43の前端を持ち上げ側に揺動させて感知フロート27Sの持ち上がり量と等しいだけ横向きピン44の位置を上方に変位させることで距離Dの値を維持して昇降制御の感度が維持されるように構成してある。 【0023】制御構成について説明する。図6に示すように、この制御系ではマイクロプロセッサを備えた制御装置65(制御手段の一例)に対して、昇降レバー13で操作されるポテンショメータ型のレバーセンサ66、感知フロート27S の上下動を計測するよう操作ワイヤ47で操作されるロータリーエンコーダ式のフロートセンサ67、強制昇降レバー15で操作される強制昇降スイッチ68、リンク機構Lが上限に達したことを検出する上限スイッチ69からの信号が入力する系が形成されるとともに、リフトシリンダ9に対する作動油の給排を行う電磁弁V、植付クラッチCを入り切り操作するクラッチモータ70に制御信号を出力する系が形成されている。 【0024】前記制御装置65は以下の制御を行うようプログラムが設定されている。つまり、レバーセンサ66からの信号に基づいて昇降レバー13が「上昇」位置に操作されたことを判別すると電磁弁Vの制御でリフトシリンダ9に圧油を供給して苗植付装置Aを上昇させる制御を行う。反対に、昇降レバー13が「下降」位置に操作されたことを判断するとリフトシリンダ9から作動油を排出して苗植付装置Aを下降させる。フロートセンサ67からの信号が予め設定された目標信号域に達すると下降制御を停止するとともに、フロートセンサ67からの信号を目標信号域に収束させるよう苗植付装置Aの昇降を行う自動昇降制御(自動昇降制御モードに該当)を行うものとなっている。目標信号域は目標角度としての目標信号値を基準に上昇制御側と下降制御側とに一定幅となる領域に予め設定されたものであり、フロートセンサ67で目標信号値を検出した場合には感知フロート27Sの縦リンク40の上端とピン44との距離Dが決まった値となり、感知フロート27Sの姿勢も決まるものとなる。尚、距離Dの値は感度調節レバー14の操作によって変更されるものであり、感度調節レバー14を「敏」の方向に操作すると距離Dの値が小さくなり感知バネ45から感知フロート27Sに作用する付勢力が低下して感知フロート27Sが圃場面Sのレベル変化を敏感に感知できるものとなる。反対に、「鈍」方向に操作すると距離Dが大きくなり感知バネ45から感知フロート27Sに作用する付勢力が増大して感知フロート27Sが圃場面のレベル変化を捉えがたくなる。 【0025】制御装置65は、昇降レバー13が「植付」位置に設定されると、自動昇降制御を維持しながらクラッチモータ70を作動させて植付クラッチCを入り操作し植付動作を開始する。苗植付装置Aの昇降作動時に、昇降レバー13が「中立」位置に操作されると、電磁弁Vを中立位置に切換えて停止する制御を行う。昇降レバー13が「自動」位置に操作されると、自動昇降制御を行うとともに強制昇降スイッチ68からの信号に基づいて強制昇降レバー15が上昇位置Uに操作されると苗植付装置Aを強制的に上昇作動させ、操作が解除されても上限スイッチ68が検出作動するまで上昇作動を行わせる。反対に「下降」位置に操作すると下降作動させて自動昇降制御に復帰させる制御を行わせる。 【0026】次に、自動昇降制御を開始する形態について説明する。図8に示す制御フローに基づいて説明する。昇降感度設定器64からの感知フロート27Sの目標姿勢に対応する目標角度α1 とフロートセンサ67の検出角度Pを取り込み、昇降レバー13又は強制昇降レバー15からの下降指令があると、苗植付装置Aの高速下降を行う(#1〜#4)。感知フロート27Sが接地すると下降速度を低速に切換える(#5〜#6)。その後、図7(イ)〜(ホ)に示すような条件が成立すると自動昇降制御に切換える(#7〜#8)。尚、走行機体3の前後傾斜を検出する機体前後傾斜センサ63を設け、走行機体3の前後傾斜が変化した場合に、走行機体3に対する姿勢を目標姿勢に維持しようとする感知フロート27Sの対圃面姿勢が変化することを補正する。この補正が施されると感知フロート27Sの目標角度α1 を補正目標角度とする。#7で示す条件は次のようなものである。 α1 :感知フロート27Sの目標角度(目標高さ) α2 :感知フロート27Sが対地浮上状態にある場合の傾斜角度β1 :第1揺動角(第1変位)であり、具体的にはロータリーエンコーダの数値で11bitの角度に相当する。 β2 :第2揺動角(第2変位)であり、具体的にはロータリーエンコーダの数値で10bitの角度に相当する。 β3 :第3揺動角であり、具体的にはロータリーエンコーダの数値で17bitの角度に相当する。 β4 :第4揺動角であり、具体的にはロータリーエンコーダの数値で7bitの角度に相当する。 β5 :第5揺動角であり、具体的にはロータリーエンコーダの数値で60/256bitの角度に相当する。 α1 ―β1 :感知フロートの傾斜度が目標角度より第1揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第1所定角(第1所定高さ) α2 +β2 :対地浮上状態に対応した感知フロートの下向き傾斜角に第2揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第2所定角(第2所定高さ) α1 ―β3 :感知フロートの傾斜度が補正目標角度より第3揺動角度分だけ下向き側に傾斜した第3所定角α2 +β4 :対地浮上状態に対応した感知フロートの下向き傾斜角に第4揺動角分だけの上向き側に傾斜した分を加えた第4所定角第1番目の条件:P>α1 ―β1第2番目の条件:(P>α2 +β2 )又は(P>α1 ) 第3番目の条件:(P>α1 ―β3 )かつ(P>α2 +β4 ) 第4番目の条件:(P>α1 ―β3 )かつ(P>α2 +β4 )かつ(P>β5) 第5番目の条件:{(P>α1 ―β3 )かつ(P>α2 +β4 )かつ(P>β5 )}又は(P>α1 ) 上記した第1番目の条件から第5番目の条件については、図7に示すような範囲が一例として示され、第1番目の条件は請求項1にかかる発明に対応するものであり、第2番目の条件は請求項2にかかる発明に該当し、各条件が夫々請求項に対応した実施例となっている。以上のところから、実際の作業時には、第1番目から第5番目までのいずれかの条件を選定して制御を行うことになる。また、第1番目から第5番目までの条件を採用する理由については各請求項に対応した作用効果の項で詳述したので、ここでは省略する。 【0027】〔別実施形態〕本発明は以下のような形態で実施することもできる。上記実施例においては、自動昇降制御を開始する条件として5つの条件を提示した。ここでは、他の実施構造について説明する。 ■上記実施例においては、フロートセンサ67を走行機体3に設けた状態を示したが、チェーンケース23よりブラケットを延出してそのブラケットにフロートセンサ67を取付け、感知フロート27Sの上下揺動を検出するように構成してもよい。 ■上記実施例では田植機に適応したものを示したが、他の農機に適用してもよい。 ■フロートセンサ67が検出する対象としては、後支点回りで揺動する接地体を選定しているが、単に上下動するだけのものでもよい。このように上下動するだけの接地体を検出対象とする場合においては、第1、第2揺動角を第1、第2変位とし、第1、第2所定角を第1、第2所定高さと読み替える。 ■フロートセンサ67の制御感度を設定する手段としては、感度調節レバー14の代わりに図6に示すようにポテンショメータ式の感度設定器108を設けてもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成12年3月10日(2000.3.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−251915(P2001−251915A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月18日(2001.9.18) |
| 【出願番号】 |
特願2000−65990(P2000−65990) |
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