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【発明の名称】 芝生の植込機
【発明者】 【氏名】山田 孝雄

【氏名】ガブリエル ビル キャシマティー

【要約】 【課題】本発明は芝生の植込機に関し、例えばゴルフ場、スポーツ・グラウンド等に芝生を植栽する場合に時間と手間がかからず自動的に作業性が良く芝生を植生し、床土に対する活着性が良く、早期に健全な芝生の育成が行え、運搬および取扱も容易で保管にも小面積で場所を多く採らないようにする。

【解決手段】所定規格の大きさの芝片4を根部4aを下に向けて複数枚、重ね積みして収納可能なホッパ51と、芝片4を1枚づつ床土Tに落下させ、供給する供給手段52と、床土上に落下した芝片を押し込み可能にする押込手段53と、芝生上に目土54を散布する目土供給手段55と、目土を圧接する圧接手段56とを車両50に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 収穫された所定規格の大きさの芝片を根部を下に向けて所望十数枚、重ね積みして収納可能なホッパと、該ホッパ内に収納された前記芝片を1枚づつ床土上に落下させ、供給する供給手段と、床土上に落下した該芝片を押込み可能にする押込手段と、押込み後の芝片上に目土を散布する目土供給手段と、散布された目土を圧接する圧接手段とを車両に設けたことを特徴とした芝生の植込機。
【請求項2】 前記芝片は、根部に付いた植土を水洗した洗い芝であることを特徴とした請求項1に記載の芝生の植込機。
【請求項3】 前記押込手段は、位相を異にする数条の凹凸面を周面に有する第1および第2の回転式の押込ローラであることを特徴とした請求項1または請求項2の何れかに記載の芝生の植込機。
【請求項4】 前記押込手段は、上下動可能な多数の突込棒によって形成されることを特徴とした請求項1、請求項2、または請求項3の何れかに記載の芝生の植込機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばゴルフ場、スポーツ・グラウンド、工場施設のような敷地等に芝生を植栽する場合に効率良くしかも活着性が良く植生し得る芝生の植込機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばゴルフ場、スポーツ・グラウンド、工場施設のような敷地等に芝生を植込み、植生するのには幾つかの方法があった。その1つは農園の畑等にて育成された芝を一定の規格化された大きさの芝片としてソッド・カッターにて根部に植土がついたまま一定厚みに切断して収穫し、これをゴルフ場、スポーツ・グラウンド等の床土に対して例えば目地貼、市松貼、筋貼等の所望模様に貼付け後、目土を芝片の上から散布し、定期的に散水を行うことによって植込む方法がある。
【0003】日本芝の場合、規格化された芝片の大きさとは縦横の寸法が約28cm×約36cm程度の面積を有する。そしてこの規格化された大きさの芝片を10枚、重ね積みしたものを1単位とし、これを販売し、出荷する。洋芝の場合には縦横の寸法が28〜36cm程度×100〜150cmの大きさの芝片として採掘し、そしてこの芝片をロール状に捲回した状態で出荷され、植生現場の床土にいわゆるベタ貼りすることによって植生されていた。
【0004】また2番目の植生方法としては、葉部と根部とによりなる1本乃至数本の苗状繊維を芝片からほぐして植生現場に10〜15cm程度の間隔をあけるか、或いは間隔をあけずに散在的に植生現場の全面に植込み、その後苗等の育成をはかって芝生地になす方法である。
【0005】さらに3番目の方法としては植生現場の床土に種を直接、播種し、発芽後に育成することによってゴルフ場のグリーン等の芝生地とする方法があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらソッド・カッターにて根部に略一定厚みの植土が付いた状態に収穫した所定規格の大きさの芝片を植生現場の床土に貼付ける上記従来の1番目の方法は、芝片の根部に付いた植土を床土と混合させて芝の根付を良くするために、芝片を上方から押込んだり、突込むという作業を行って根部と床土とを馴染ませて浮き上がりを防止する必要があるが、これらの作業には多くの時間と手間とがかかっていた。
【0007】また上記1番目の方法は、芝片が土付の出荷であるので、畑からの良質な土壌が失われ、畑の地盤が下がるという不都合がある。
【0008】しかも同一の畑にて芝を転作をしようとすると、育成を行う畑の土の量自体が不充分であるのと、土は長年にわたる土圧等の圧縮のために、締め固まって粒度がさらに小さくなるので、土中に含まれている肥料の保持力や通気性が失われ、排水が不良になって根腐れを起こし易いという不都合がある。このため、畑での転作には畑に新たな客土を補充することを必要とし、手間および費用がかかるという不都合があった。
【0009】また根部に植土が付いている芝片は、土が付いている分だけ、植土が根部に付いていない芝片に比較して重量が増大して嵩張るので、運搬および取扱に手間がかかり、保管にも大面積を必要としていた。
【0010】また根部に植土がついている芝片は、畑からの収穫後に植土内で根圏(サッチ)が発達するので、収穫地から離れた植生現場での床土に芝片を植付ける場合に、植土内の根圏から床土内に新鮮な根が伸びずに育成しにくく浅くなる。殊に芝片の根部に付いた植土と、植生地において植生する床土とが異質である場合、例えば植土が畑土であり、床土が洗砂である場合には根圏が床土との間に層として形成されて床土内に健全な新根が伸びるのが阻害されていた。従って良質な芝生地にはならなかった。
【0011】しかも5月から10月の芝生の育成期において、根を痛めずに保護する観点から、芝を収穫し、そして収穫した芝生の根付きを良くするには根に土が付いたまま生産地にて収穫して植生地まで運搬し、植生現場に到達すると直ちに根に付いている土を水洗して洗い落とし、植え付ける方策が実情に即している。
【0012】また芝片の根部に付いている植土内には害虫や病原菌が必然的に存在し、芝の健全な発育を阻害していた。
【0013】また上記従来の2番目の方法は、葉部と根部とよりなる苗状繊維を、収穫した芝片からほぐして使用するのに手間がかかり、しかも苗状繊維を採取する際に根部が相互に複雑に絡み付いているので、引張力を付与すると、根部から葉部分が切断されて健全な苗状繊維を得ることができず、無駄が多かった。またこの方法は、植生現場の床土に散在的に植込むものであるので、植込後に植生地の芝生面にムラを生じ易く芝生地の芝生が育成して床土の表面が見えなくなるまで芝生地が育成するのに数カ月かかるという不都合があった。
【0014】さらに植生地の床土に種を直接播種することによって芝生地を育成する上記3番目の方法は、人力により種の播種が行われることが多いため、作業が非能率であり、しかも同様に芝の育成に多くの時間と手間とを必要としていた。
【0015】そこで本発明は、時間および手間がかからず作業性が良く芝生を植生し、また植生現場の床土に対する芝の活着性が良く、早期に健全な芝生の育生を行えることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】さらに本発明は、収穫された所定規格の大きさの芝片を根部を下に向けて所望十数枚、重ね積みして収納可能なホッパと、該ホッパ内に収納された前記芝片を1枚づつ床土上に落下させ、供給する供給手段と、床土上に落下した該芝片を押込み可能にする押込手段と、押込み後の芝片上に目土を散布する目土供給手段と、散布された目土を圧接する圧接手段とを車両に設けるという手段を採用した。
【0017】そして、根部に付いた植土を水洗し、根部を下に向けてホッパ内に収納された複数枚の所定規格の大きさの芝片を供給手段により植生地の床土上にホッパから1枚づつ落下させ、床土上に落下した芝片を押込手段により押し込み、押し込み後の芝片上に目土供給手段により自動的に散布し、散布された目土を圧接手段により圧接して芝片を自動的に植え込む。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図1及び図2に従って本発明の芝生の植込機の一実施形態を説明する。図1および図2において50は車両であり、この車両50は、葉部4bが育成した芝の根部4aから植土が水洗された芝片4をゴルフ場、スポーツ・グラウンド、工場施設の敷地等に自動的に植付ける場合に使用するものであり、この車両50には前部に設けられるホッパ51と、該ホッパ51内に収納される所定規格の大きさの芝片4を1枚づつ、ゴルフ場、スポーツ・グラウンド、工場施設の敷地等の床土T上に自動的に落下して床土T上に供給する供給手段52と、床土T上に供給した該芝片4を押込み可能にして芝片4に馴染ませる押込手段53と、押込み後の芝片4上に目土54を一面に散布する目土供給手段55と、散布された目土54を芝片4上から圧接する圧接手段56とから形成される。
【0019】前記ホッパ51内に収納される芝土4は、この実施形態においては上記説明において根部4aに付いた植土が水洗された芝片4を所望十数枚、重ね積みして使用する例えば日本芝が使用に適する。前記芝片4について所定規格の大きさとは、例えば日本芝を例にとると、縦横の寸法が約28cm×約36cm程度の大きさに農園等の生産地の畑から収穫されたものをいい、運搬や植込みにおける取扱いに適する大きさをいう。そして、この所定規格の大きさの芝片4は、前述したように植込時にホッパ51内に収納された時には、根部4aに付いている植土が既に水洗されているものが使用される。
【0020】前記供給手段52としては、例えばプランジャーの駆動力によって前記ホッパ51内に出没自在になるストッパ57,57を前記ホッパ51の下方内部に設けることにより積重ねられた最下方部の前記芝片4に対してストッパ57,57を係止するか、または係止を解除するようにして1枚づつホッパ51内に積重ねた芝片4を床土Tに供給するようにしている。
【0021】また前記押込手段53は、図示のものは凸条部58a,58′aと凹条部58b,58′bとの数条の凹凸面を周面に有し、車両50に回転可能に設けた第1および第2の回転可能な押込みローラ58,58′が使用されるが、押込手段53はこのような押込みローラ58,58′のほかに図には示さないが多数の突込棒を上下動可能に車両50に装備することによっても達成される。この場合、押込みローラ58,58′と突込棒とを協同して使用することも可能である。
【0022】前記第1および第2の押込みローラ58,58′の凸条部58a,58′aと、凹条部58b,58′bとは図示のものは幅方向における凹凸面の位相を夫々異にして形成することによって床土Tに貼付けられる芝片4を効率よく床土Tに一体になるように押込んで馴染ませるようになしているが、第1および第2の押込みローラ58,58′の凸条部58a,58′aと凹条部58b,58′bとが幅方向に同相に形成されたものであっても良い。またこの押込みローラ58,58′の凸条部58a,58′aおよび凹条部58b,58′bの幅は自由に加減することができる。
【0023】また前記目土供給手段55は車両50に牽引される従車59に床土Tと略同質、同粒程度の目土54やこの目土54に土壌改良剤、保水剤を植付ける芝片4の種類、季節、場所、床土Tの種類等を考慮して適当量、混合したものが積載され、従車59の下方に設けた幅広の開口を有する供給口60から従車59に積載された目土54をモータM6 の駆動によって回転する攪拌羽根61によって敷き並べた前記芝片4の上に均一な分布にしかも均一厚みにて播くようにする。
【0024】前記圧接手段56は図示のものは車両50に回転可能に設けた第1および第2の転圧ローラ62,62′と、従車59に回転可能に設けた転圧ローラ62″とが使用され、これらの転圧ローラ62,62′;62″の回転による転圧によって散布された目土50を芝片4の上面から転圧するようにしている。
【0025】そして芝片4をゴルフ場、スポーツ・グラウンド、工場施設等に植え付けるのには先ず、ゴルフ場、スポーツ・グラウンド等に床土Tを凹凸面が生じて芝片4の浮き上がりを生じないように整地する。
【0026】次いで植生機に装備されているホッパ51内に、根部4aに付いている植土を水洗した規定の大きさに収穫された芝片4を、所望十数枚、根部4aを下方にして重積みして収納する。
【0027】その後、ホッパ51に装設している供給手段52のプランジャーが駆動してストッパ57,57がホッパ51内から瞬時、退去し、再びホッパ51内に突出することによって上部に位置する芝片4の下面にストッパ57,57を係止することにより、ホッパ51内に積重ねられている規定の大きさ、例えば縦横の寸法が約28cm×約36cm程度の大きさに収穫された十数枚の芝片4を順次、床土T上に自動的に落下し、敷き並べる。この際、床土T上に敷き並べて貼られる芝片4の模様には、例えば目地貼、市松貼、筋貼等がある。
【0028】そして押込手段53の第1および第2の押込みローラ58,58′が敷き並べられた芝片4の上面に回転すると、周面に形成した凸条部58a,58′aの押圧力を芝片4に付与することによって植土が水洗されている根部4aを床土Tに侵入されて床土Tと馴染ませる。この時、押込みローラ58,58′の外周面には凸条部58a,58′aが図11に示すように幅方向において逆位相において形成されているので、押込みローラ58,58′の凸条部58a,58′a相互の押圧が芝片4に対して同一線状に重複して局部的になるのを防止するとともに、同一線状に並ぶ凹状部58b,58′bへの芝片4の噛合いを防止するようにしている。押込みローラ58,58′の凸条部58a,58′aと凹条部58b,58′bの設置幅は、芝片4の床土Tに対する根部4aの押し込みと凹条部58b,58′bに対する噛合いとが効率的に行えるように加減される。この際、車両50と従車59とには夫々転圧ローラ62,62′;62″が回転可能に押込手段の前段に設けられているので、これらの転圧ローラ62,62′;62″の押圧力によって芝片4は予め床土Tに押付けられて床土Tに馴染むので、押込手段53による押込みを受けても芝片4のズレ動きは防止される。
【0029】その後、モータM6 が駆動することによって攪拌羽根61が回転するので、従車59に積載されている目土54は一緒に混合されている土壌改良剤、保水改良剤等とともに供給口60から芝片4上に全体的に略一定厚みに散布される。
【0030】さらに散布された目土54は、転圧ローラ62,62′;62″の上方からの転圧によって敷き並べられた芝片4と隣接する芝片4との間、および根部4aの隙間に上面から侵入する。そして芝片4の上面から灌水を行うことにより根部4aを床土Tに対して活着させ、芝片4は床土Tに植栽される。
【0031】このようにして植込まれた芝片4は、農園等の生産地における畑から収穫される際に根部4aに付着している植土は水洗されることによって病気や病原菌の発生が防止され、また害虫を洗い落とすことにより虫害の予防がなされ、さらには芝葉の刈屑が洗い落される。
【0032】しかも根部4aから植土5が水洗されることにより、床土Tに対して直接、水洗された植土5が混合されて密着されるので、初期の育毛が速やかに行われるとともに根部4aの根圏は床土T内で健全に発育され、芝の活着率が良くなる。また根圏は床土Tに深く、育成するので、芝片4の根部4aの育成は迅速且つ健全に行われて床土Tの根止め作用が充分になって多量の雨水や傾斜地における床土Tの流出は防止され、しかも芝片4の葉部4bも健全に迅速に渾然一体になるので、芝地の造成は短期間に容易且つ確実に行われる。
【0033】もし、生産地の畑地からの収穫から床土Tへの芝貼までに長期間が経過する場合、芝片4の根部4aに畑地の植土5がついたまま芝片4を造成地まで運搬し、造成地にて芝片4の貼付直前に植土5を水洗することにより、芝片4の運搬、保管中は植土5内において根圏の発育を促して根部4aの枯死を防止するとともに、水洗してから芝片4の貼付までの所要時間を短くして植込後の床土T内への根部4aの活着性を高めることができる。
【0034】しかも水洗後の根部4aを約5°C前後で数日間、低温処理すると、根部4aの細胞を休眠状態にしておけば、床土Tに芝片4の根部4aを植付ける場合に初期の発根が促進され、活着性は良くなる。
【0035】さらに水洗によって芝片4の根部4aから洗落される植土5は、廃棄せずに回収して再び生産地の畑に埋め戻すようにすれば、畑土の良質の土壌が大量に失われるのが防止され、畑の地盤が下がるのが予防される。
【0036】
【発明の効果】上述のように本発明は、収穫された所定規格の大きさの芝片を根部を下に向けて複数枚、重ね積みして収納可能なホッパと、該ホッパ内に収納された前記芝片を1枚づつ床土上に落下させ、供給する供給手段と、床土上に落下した該芝片を押込み可能にする押込手段と、押込み後の芝片上に目土を散布する目土供給手段と、散布された目土を圧接する圧接手段とを車両に設けたので、短時間にして手間がかからず、作業性が良く芝生を植生でき、また植生現場の床土に対する芝の活着性が良く、しかも害虫や病原菌の繁殖が少なく、早期に健全な芝生の育成が行え、さらには芝片は運搬および取扱が容易で保管場所も小面積であり、場所を採らない。
【出願人】 【識別番号】592163963
【氏名又は名称】東洋グリーン株式会社
【出願日】 平成4年7月29日(1992.7.29)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−251913(P2001−251913A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2001−50786(P2001−50786)