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【発明の名称】 直植え用種籾シート
【発明者】 【氏名】磯山 重孝

【要約】 【課題】本発明は、種籾の鳥害、風害を回避するとともに、労働力及びコストを大幅に軽減させ、発芽率を向上させ、さらに種籾の茎を太くして収穫を向上することを課題とする。

【解決手段】厚さ10〜30mmの角形状の軟質又は半硬質ポリウレタンフォームシート1に、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込み2を設け、1つの小片3に対し1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾4を固定させたことを特徴とする直植え用種籾シート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚さ10〜30mmの角形状の軟質又は半硬質ポリウレタンフォームシートに、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込みを設け、小片1ケに対し1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾を固定させたことを特徴とする直植え用種籾シート。
【請求項2】 前記ポリウレタンフォームシートの片面に種籾が接着剤により固定されていることを特徴とする請求項1記載の直植え用種籾シート。
【請求項3】 前記ポリウレタンフォームシートの片面に横方向又は縦方向の少なくとも一方向に略等間隔にスリットが設けられ、こられスリット内に種籾が押し込まれて固定されることを特徴とする請求項1記載直植え用種籾シート。
【請求項4】 前記切り込みは、ポリウレタンフォームシートの厚さ方向に対して貫通又は途中まで設けられていることを特徴とする請求項1記載の直植え用種籾シート。
【請求項5】 カルパー剤又は発芽発根促進剤の少なくともいずれか一方をポリウレタンフォームシートの種籾固定剤側よりその厚さ20%以上保有させることを特徴とする請求項1記載の直植え用種籾シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直植え用種籾シートの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、田植えは、一般的には育苗用マット(土、ウレタンフォーム等)に種籾を蒔いて育苗し、これを田植え機にて田に移植している。しかし、一部の地域では、この育苗段階を省いて田に直接種籾を蒔いて育苗成長させる田植えがある。この場合、蒔いた種籾が田の表面に出ているため、鳥害を受けたり、風雨で飛ばされたり、あるいは片寄ったりして収率が低下する問題があった。また、作業者が手で種籾を散布するため、面積に対する種籾の量と位置が不均一となり過剰に集まった部分や種籾がない部分等が生じたり、又機械にてまく場合は直線に連続して多量の種籾がまかれるため密集して発生し成長を阻害し、やはり収率の低下等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした事情を考慮してなされたので、適宜な厚さの軟質又は半硬質ポリウレタンフォームシートに、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込みを設け、小片1ケに対し1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾を固定させた構成とすることにより、種籾の鳥害、風害を回避するとともに、育苗及び苗植え作業を省略して労働力及びコストを大幅に軽減させ、発芽率を向上させ、さらに種籾の成長過程における茎を太くして収穫を向上しえる直植え用種籾シートを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、厚さ10〜30mmの角形状の軟質又は半硬質ポリウレタンフォームシートに、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込みを設け、小片1ケに対し1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾を固定させたことを特徴とする直植え用種籾シートである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の直植え用種籾シートについて詳細に説明する。
【0006】本発明は、種籾をポリウレタンフォームシートに固定した状態で通常の田植え機にセットし、1〜3個の少数の種籾を固定した小片ごと土の中に確実に植え込むことにより、従来の欠点をなくすとともに、連続気泡小片が一緒に植え込まれるため、この小片が酸素供給源としての役目を果たし発芽率を向上させようとしたものである。
【0007】本発明において、ポリウレタンフォームシートの密度は13〜30kg/m程度のものが好ましい。また、このポリウレタンフォームシートに形成する切り込みとしては、例えばミシン目がよいが、これに限定されない。また、切り込みは、前記シートの厚さ方向に対して貫通していてもよいし、あるいは途中まで形成されている場合でもよい。更に、ポリウレタンフォームシートのサイズは、該シートを通常の田植え機にセットした後、シートから小片ごとに切り取って田などに直植えするために、略短辺の長さが280mm、長辺の長さが580mm程度が好ましい。勿論、これに限定されるものではない。
【0008】本発明において、稲又は麦の種籾を播種して固定させる手段としては、主としてポリウレタンフォームシートの片面にスリットを入れ、このスリット内に種籾を押し込むことにより固定する方法、あるいは接着剤により種籾を固定する方法、あるいはスリットと接着剤の両方を採用する方法が挙げられる。ここで、スリットによる固定の場合について具体的に述べると、スリットは、前記ポリウレタンフォームシートの片面に横方向、縦方向、あるいは両方向に略等間隔に設け、これらスリット内に種籾を1〜3粒程度機械により押し込んで固定することが好ましい。
【0009】一方、接着剤により種籾を固定させる手段としては、ポリウレタン発泡体シートの片面に予めウレタン系接着剤等の接着剤を塗布した後、種籾を播種して種籾が接着剤により固定される状態にする方法、あるいは前記シートに種籾を播種した後接着剤をコーティングあるいはスプレー等して種籾をシートに固定する方法が挙げられる。前記接着剤としては、例えば合成樹脂系接着剤、ウレタンプレポリマー、ゴム糊が挙げられる。前記接着剤は、例えば図4に示すように接着剤層をスプレー等によりポリウレタンフォームシートの表面にのみ形成させればよい。
【0010】前記切り込みにより分離された小片1ケには、1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾を固定させることが好ましい。前記小片に1〜3粒程度の少数の種籾を載せる方法としては、例えば切り込みにより区画された小片に合うとともに、小片の略中央部に種籾が1〜3粒程度通過する貫通孔を有したプラスチックシートを、ポリウレタンフォームシートの小片区画に合わせてのせ、プラスチックシートの上から種籾を撒くことにより行う方法が挙げられるが、これに限定されない。
【0011】本発明において、前記種籾にはカルパー剤又は発芽発根促進剤の少なくともいずれか一方にコーティングされているものも使用することができる。また、カルパー剤又は発芽発根促進剤の少なくともいずれか一方を、図3の様にポリウレタン発泡体シートの種籾固定側よりその厚さの20%以上保有させることが好ましい。
【0012】具体的には、カルパー剤又は発芽発根促進剤の種籾へのコーティング、あるいはポリウレタン発泡体シートへの保有は、これらの水溶液を作り、この中に種籾又はポリウレタン発泡体シートを浸漬した後、乾燥させるか又はポリウレタン発泡体シートに所定量含浸させた後乾燥させればよい。ここで、水溶液の濃度は、2%〜20%程度で良く、含浸法やスプレー法、散水法等が使用できる。なお、前記カルパー剤は、主として過酸化ナトリウムが原料で酸素供給効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】(実施例1)図1を参照する。図中の付番1は、例えば厚さ20mmの角形状の軟質ポリウレタンフォームシートを示す。この軟質ポリウレタンフォームシート1の片面には、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込み2が形成されている。これら切り込み2で分割された1つの小片3には、1〜3粒程度の稲又は麦の種籾4が接着剤(図示せず)により固定されている。なお、図1では、便宜上、切り込みの数は実際より少なくしてある。
【0015】こうした構成の直植え用種籾シートは、次のようにして製造される。使用する原料としては、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール等通常使用しているものが使用できる。例えばグリセリン等にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドなどを付加重合させた官能基数2〜8、分子量300〜15000のポリエーテルポリオールなどである。その他分子量にスチレンやアクリル等を組み入れたポリマーポリオール等も使用できる。有機イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジエニルメタンイソシアネートなどが使用できる。
【0016】
分子量3000,3官能,OH価56のポリエーテルポリオール 100重量部 HO 5.2重量部 トリエチレンジアミン 0.4重量部 n−エチルモルホリン 0.5重量部 スターナスオクトエート 0.4重量部 シリコーン油 2.0重量部 トリレンジイソシアネート 65.5重量部上記ポリウレタンフォーム原料をワンショット法にて混合攪拌して軟質ポリウレタンフォームを製造した。密度は15kg/mであった。次に、スライス機にかけて厚さ20mmにスライスした。つづいて、スライスしたポリウレタンフォームシートを打抜き機にかけて280mm×580mmにカットすると同時に、短辺方向が28個、長辺方向が58になる様にミシン目を入れた。更に、打抜いたシートの表面に接着剤としてのポリウレタンプレポリマーをスプレーした後、区画された小片の略中央部に合せて貫通孔を有したプラスチックシートを当てて種籾を撒き付着させた。
【0017】実施例1に係る直植え用種籾シートによれば、軟質ポリウレタンフォームシート1の片面に短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込み2が形成され、これら切り込み2で分割された各小片3に1〜3粒程度の稲又は麦の種籾4が接着剤により固定された構成となっている。
【0018】従って、種籾4が鳥害や風雨害にあうことが極めて少なくなる。また、従来のように作業者が手で種籾を散布するのとは異なり、面積に対する種籾4の量と位置が均一となり、過剰に集まった部分や種籾4がない部分が生ずることなく、収率を従来と比べて向上できる。また、種籾4をシート1に固定したまま通常の田植え機にセットした後、各小片3ごとに土の中に確実に植え込むことにより、従来の欠点をなくすとともに、連続気泡小片3が一緒に植え込まれるため、この小片3が酸素供給源としての役目を果たし発芽率を向上できる。更に、従来のように重量のある育苗用マットを取り扱う労働から開放される。
【0019】(実施例2)図2(A),(B)を参照する。ここで、図2(A)は実施例2に係る直植え種籾シートの全体図、図2(B)は図2(A)の一小片の説明図を示す。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。
【0020】本実施例2は、実施例1と同様に、軟質ポリウレタンフォームシート1の片面に短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込み2が形成する他、前記シート1の片面に横方向又は縦方向の少なくとも一方向に略等間隔にスリット11を設け、こられスリット11内に種籾4を押し込んで固定したことを特徴とする。実施例2の直植え種籾シートによれば、実施例1と同様な効果を有する。
【0021】なお、実施例2においては、種籾4がポリウレタン発泡体シート1の表面に形成されたスリット11に収納されて固定されている場合について述べたが、これに限らず、種籾4がスリット11に収納された状態で接着剤を前記シート1の表面に塗布して種籾を更に強固に固定してもよい。
【0022】(実施例3)図3を参照する。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。まず、カルパー剤(日本化薬社製、粉末)を水に入れて攪拌し、7%の水分散液を作成した。実施例1にて得られたポリウレタンフォームをカットして厚さ20mm、横580mm、縦280mmのポリウレタンフォームシートとした。つづいて、カルパー剤水分散液を浸漬槽に入れ、この中にポリウレタンフォームシートを入れて浸漬させ、ロールにて絞り全体的に含浸させた後、加熱乾燥させ、カルパー剤12をポリウレタンフォームの全体に保有させた。そして、ポリウレタンフォームシートの表面に種籾をまいて、接着剤としてのポリウレタンプレポリマーをスプレーにて塗布し、種籾表面に固定させた。
【0023】実施例3の直植え種籾シートによれば、実施例1と同様な効果を有する。
【0024】(実施例4)図4を参照する。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。
【0025】実施例4に係る直植え用種籾シートは、実施例1と同様に、軟質ポリウレタンフォームシート1の片面に短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込み2が形成する他、前記シート1の表面に例えばスプレー等によりポリウレタンプレポリマー(接着剤層)13を形成し、この接着剤層13上に種籾4を播種して固定した構成となっている。実施例4によれば、実施例1と同様な効果を有する。
【0026】なお、実施例4は、接着剤層13を形成してから種籾を播種するケースであるが、これとは逆に種籾4をポリウレタンフォームシート1上に播種してから接着剤をスプレー等して種籾が接着剤により覆われるように形成してもよい。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、適宜な厚さの軟質又は半硬質ポリウレタンフォームシートに、短辺方向に25〜30個、長辺方向に50〜60個の小片に分離可能なように切り込みを設け、小片1ケに対し1〜3粒程度の少数の稲又は麦の種籾を固定させた構成とすることにより、種籾の鳥害、風害を回避するとともに、育苗及び苗植え作業を省略して労働力及びコストを大幅に軽減させ、発芽率を向上させ、さらに種籾の成長過程において茎を太くして収穫を向上しえる直植え用種籾シートを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003425
【氏名又は名称】株式会社東洋クオリティワン
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
【公開番号】 特開2001−245505(P2001−245505A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−59232(P2000−59232)