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【発明の名称】 乗用型田植機
【発明者】 【氏名】田中 富穂

【氏名】山下 眞

【氏名】中上 剛志

【氏名】網代 成良

【氏名】向井 猛

【氏名】東尾 登

【要約】 【課題】ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの左右にステップ部を備えた乗用型田植機において、運転部の上方に屋根を配置しても、ステップ部を通っての運転部への乗降が行い難くならないように構成する。

【解決手段】ボンネット13の左右に沿って上方に屋根支持フレーム33を延出して、屋根41を屋根支持フレーム33に支持させ、ボンネット13の左右にステップ部30を備えて、ステップ部30の機体右側部及び機体左側部に、予備苗のせ台支持フレーム37を上向きに配置する。屋根支持フレーム33と予備苗のせ台支持フレーム37との下側の間隔よりも、屋根支持フレーム33と予備苗のせ台支持フレーム37との上側の間隔を広いものに設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボンネットを運転部の前部に配置し、前記ボンネットの右壁部及び左壁部に沿って上方に屋根支持フレームを延出して、前記運転部の上方に位置する屋根を前記屋根支持フレームに支持させ、前記ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えて、前記右側のステップ部における機体右側部及び前記左側のステップ部の機体左側部に、予備苗のせ台支持フレームを上向きに配置すると共に、前記屋根支持フレームと前記予備苗のせ台支持フレームとの下側の間隔よりも、前記屋根支持フレームと前記予備苗のせ台支持フレームとの上側の間隔を広いものに設定してある乗用型田植機。
【請求項2】 ボンネットを運転部の前部に配置し、前記ボンネットの右壁部及び左壁部に沿って上方に屋根支持フレームを延出して、前記運転部の上方に位置する屋根を前記屋根支持フレームに支持させ、前記ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えると共に、走行用の変速装置を操作する変速レバーを備えて、中立位置に操作された前記変速レバーが機体の正面視で前記屋根支持フレームから機体横外側に出ないように、前記屋根支持フレームの後方に前記変速レバーを配置してある乗用型田植機。
【請求項3】 前記右側及び左側の屋根支持フレームの下部を、前記ボンネットの右壁部及び左壁部の横外側に配置してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。
【請求項4】 前記屋根を前記屋根支持フレームに上下位置変更自在に支持させると共に、昇降駆動自在な苗植付装置を前記運転部の後側に備えて、前記屋根の位置を下側に設定した状態で前記苗植付装置を上昇駆動しても、前記苗植付装置が前記屋根に干渉しないように、前記屋根及び苗植付装置の位置を設定してある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。
【請求項5】 前記ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部に支持フレームを配置し、前記右側及び左側の支持フレームに、前記右側及び左側のステップ部と前記右側及び左側の屋根支持フレームとを支持させてある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。
【請求項6】 ボンネットを運転部の前部に配置し、前記ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えて、前記右側のステップ部の機体右側部及び前記左側のステップ部の機体左側部に、予備苗のせ台支持フレームを上向きに配置すると共に、前記右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部に亘って、着脱自在な補強部材を架設してある乗用型田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機において、運転部の上方に位置する屋根及び予備苗のせ台の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機ではボンネットを運転部の前部に配置した場合、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えることにより、水田において機体の前部が畦に当たる位置まで機体を前進させることによって、畦から運転部への乗降を右側及び左側のステップ部を通って行うことができるように構成されたものがある。このような右側及び左側のステップ部を備えた場合、右側のステップ部における機体右側部及び左側のステップ部の機体左側部に、予備苗のせ台支持フレームを上向きに配置し、予備苗のせ台支持フレームに予備苗のせ台を備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】乗用型田植機では運転部の日除け等の目的の為に、運転部の上方に屋根を配置することが提案されており、右側及び左側の屋根支持フレームをボンネットの右壁部及び左壁部に沿って立設して、右側及び左側の屋根支持フレームに屋根を支持させることが考えられる(運転部の中に屋根支持フレームを立設すると、屋根支持フレームが作業者の邪魔になることが考えられ、運転部の後部に屋根支持フレームを立設すると、運転部の後側に配置された苗植付装置への苗の補給が行い難くなることが考えられる為)。
【0004】これにより「従来の技術」に記載のように右側及び左側のステップ部、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームを備えた乗用型田植機において、前述のような右側及び左側の屋根支持フレームを備えた場合、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降が行い難くなることが考えられる。又、走行用の変速装置を操作する変速レバーを運転部の前側に備えた場合、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を行うと、作業者の体が変速レバーに当って、変速レバーが操作されてしまうことが考えられる。
【0005】乗用型田植機において、「従来の技術」に記載のように右側及び左側のステップ部、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームを備える際、特に背の高い予備苗のせ台支持フレームを立設するとなれば、予備苗のせ台支持フレームの上部が振れないように補強を行う必要が生じる。この場合、予備苗のせ台支持フレームの上部の振れを防止する補強部材が、右側及び左側のステップ部の上方に入り込み、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降が行い難くなることが考えられる。
【0006】本発明はボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、運転部の上方に屋根を配置しても、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降が行い難くならないように構成することを目的としており、予備苗のせ台支持フレームの上部の振れを防止する補強部材を備えても、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降が行い難くならないように構成することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側及び左側の屋根支持フレーム、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームを備えた場合、右側(左側)の屋根支持フレームと右側(左側)の予備苗のせ台支持フレームとの下側の間隔よりも、右側(左側)の屋根支持フレームと右側(左側)の予備苗のせ台支持フレームとの上側の間隔が広いものに設定されている(例えば、右側及び左側の屋根支持フレームの下部の間隔よりも、右側及び左側の屋根支持フレームの上部の間隔の方が狭いような状態や、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームが斜め横外側の上向きに立設されている状態、並びに前述の両方の状態等)。
【0008】これにより、請求項1の特徴によると、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を行う場合に、作業者は右側及び左側のステップ部を通る際に、歩く方向に対して上半身を無理に横に向けなくても、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を楽に行うことができる。
【0009】[II]請求項2の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側及び左側の屋根支持フレーム、走行用の変速装置を操作する変速レバーを備えた場合、中立位置に操作された変速レバーが、機体の正面視で屋根支持フレームから機体横外側に出ないように構成されている。
【0010】一般に変速レバーを中立位置に操作し走行用のクラッチを切り操作して、機体を停止させた状態で、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を行う。これにより、請求項2の特徴によると、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を行う際、作業者の体が屋根支持フレームに当たることはあっても、中立位置に操作された変速レバーに作業者の体が当たることは少ない。この場合、屋根支持フレームの後方に変速レバーが配置されて、屋根支持フレームに対して運転部側に変速レバーが配置された状態になっているので、運転部の作業者にとって変速レバーを操作を行う際に、屋根支持フレームが邪魔になることはない。
【0011】[III]請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。乗用型田植機において例えば、屋根を備えた機種と屋根を備えない機種とを生産する場合、屋根を備えない機種では、右側及び左側の屋根支持フレームを考慮せずに、運転部の前部の構造物を覆うのに必要な大きさを確保しながら、ボンネットを小さく構成する(運転部から斜め下方前方の視界を確保する為)。前述のような屋根を備えない機種のボンネットに対し、屋根を備えた機種において、右側及び左側の屋根支持フレームの下部を、ボンネットの右壁部及び左壁部の内側に配置するように構成すれば、右側及び左側の屋根支持フレームの下部が入るように、ボンネットの右壁部及び左壁部を、横外側に膨らんだように形成しなければならない。これにより、屋根を備えた機種と屋根を備えない機種とを生産する場合に、2種類のボンネットを生産しなければならない。
【0012】請求項3の特徴によると、右側及び左側の屋根支持フレームの下部が、ボンネットの右壁部及び左壁部の横外側に配置されて、右側及び左側の屋根支持フレームの上部がボンネットから上方に延出されている。これにより、屋根を備えた機種と屋根を備えない機種とを生産する場合、屋根を備えない機種において、右側及び左側の屋根支持フレームを考慮せずに、運転部の前部の構造物を覆うのに必要な大きさを確保しながら、ボンネットを小さく構成しても、屋根を備えない機種のボンネットを略そのまま使用し、ボンネットの右壁部及び左壁部の横外側に右側及び左側の屋根支持フレームを配置することによって、屋根を備えた機種を生産することができる。従って、請求項3の特徴によると、屋根を備えた機種と屋根を備えない機種とを生産する場合に、2種類のボンネットを生産する必要がない。
【0013】[IV]請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。乗用型田植機では、運転部に着座する作業者の身長に対応できるようにする為や、乗用型田植機をトラック等で運搬する際に屋根の位置が高くなり過ぎないようにする為に、屋根を右側及び左側の屋根支持フレームに上下位置変更自在に支持させることがある。
【0014】前述のように構成した場合に、請求項4の特徴によると、屋根の位置を下側に設定した状態で運転部の後側の苗植付装置を上昇駆動しても、苗植付装置が屋根に干渉しないように構成されているので、苗植付装置を上昇駆動した際に苗植付装置が屋根に干渉して、苗植付装置や屋根が破損すると言うような状態は生じない。
【0015】[V]請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側及び左側の屋根支持フレームをボンネットの右壁部及び左壁部に沿って上方に立設する場合、請求項5の特徴によると、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部に配置された支持フレームに、右側及び左側のステップ部と右側及び左側の屋根支持フレームとが支持されている。これにより、右側及び左側の支持フレームを、右側及び左側のステップ部を支持する支持フレームの一部、並びに、右側及び左側の屋根支持フレームを支持する支持フレームの一部に兼用することができる。
【0016】[VI]請求項6の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側のステップ部の機体右側部及び左側のステップ部の機体左側部に、予備苗のせ台支持フレームを上向きに配置した場合、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部に亘って、着脱自在な補強部材が架設されている。請求項6の特徴のように、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部に亘って補強部材を架設することにより、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部の振れを抑えることができる。
【0017】この場合、補強部材が右側及び左側のステップ部の上方を横切るような状態になるが、請求項6の特徴によると、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームに対して補強部材が着脱自在に構成されているので、例えば右側の予備苗のせ台支持フレームから補強部材を取り外したり、左側の予備苗のせ台支持フレームから補強部材を取り外したり、又は右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームから補強部材を取り外したりすることによって、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降の際に、補強部材が邪魔にならないようにすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示すように、右及び左に操向操作自在な前輪1及び後輪2で支持された機体に、運転席19を備えた運転部4が配置され、運転部4の後部に施肥装置16が備えられており、機体の後部に平行4連式のリンク機構5を介して6条植型式の苗植付装置6が昇降自在に連結され、リンク機構5を昇降駆動する油圧シリンダ7が備えられて、乗用型田植機が構成されている。
【0019】図1及び図2に示すように、苗植付装置6は所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台8、植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後部で回転駆動される回転ケース10、回転ケース10に支持された一対の植付爪11、及び複数のフロート12等を備えて構成されており、回転ケース10の回転によって、植付爪11が苗のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面に植え付けるように構成されている。
【0020】図1及び図2に示すように、施肥装置16は横長の肥料貯留ホッパー17、肥料貯留ホッパー17の下部に連結された繰り出し部18を備えて構成され、フロート12に支持された作溝器20と繰り出し部18とが、ホース21によって接続されている。これにより、苗の植え付けに伴って作溝器20によって田面に溝が形成され、肥料貯留ホッパー17から繰り出し部18を介して繰り出された肥料が、ホース21及び作溝器20を介して田面の溝に供給される。
【0021】図1,2,3に示すように、運転部4の前部にエンジン3が配置されて、エンジン3を覆う開閉式の前部ボンネット13、エンジン3の後部に配置された後部ボンネット14、エンジン3の上部に配置された上部パネル15が備えられており、前輪1を右及び左に操向操作する操縦ハンドル22が上部パネル15に配置されている。
【0022】図1及び図6に示すように、機体の前部のミッションケース23から左右に前車軸ケース24が延出されて、右側及び左側の前車軸ケース24の端部に右側及び左側の前輪1が操向自在に支持されている。ミッションケース23の上部の左側面に静油圧式無段変速装置25が連結され、ミッションケース23から前方に延出されたエンジンフレーム26に、エンジン3が支持されている。図3,4,5,6に示すように、側面視で門型の右側及び左側の支持フレーム27が備えられて、右側及び左側の支持フレーム27の前端が、エンジンフレーム26の前部の横側面にボルトで連結され、右側及び左側の支持フレーム27の後端が右側及び左側の前車軸ケース24に、ボルト及びU字状の連結金具28を介して連結されている。正面視L字状の右側及び左側の支持フレーム29が、エンジンフレーム26の前後中央付近の横側面と右側及び左側の支持フレーム27の前後中央付近とに亘って連結されており、図4及び図6に示すように、左側の支持フレーム27の下側で左側の支持フレーム29の横外側に、マフラー35が配置されている。
【0023】図1及び図2に示すように、前部及び後部ボンネット13,14の機体右側下部及び機体左側下部にステップ部30が配置されており、右側及び左側のステップ部30につながるように運転部4のフロア31が配置されている。図3,4,5,6に示すように、板材を折り曲げて形成されたブラケット32が右側及び左側の支持フレーム27に固定されており、後述する右側(左側)の屋根支持フレーム33の基部とブラケット32との間に右側(左側)のステップ部30が挟み込まれるように、右側(左側)の屋根支持フレーム33の基部と右側(左側)のステップ部30とが、一緒にブラケット32にボルトで連結されている。
【0024】図3及び図6に示すように、フロア31を支持する複数のフロアフレーム(図示せず)が、フロア31の下側に配置されて、前側のフロアフレームの端部がブラケット34を介して、右側及び左側の前車軸ケース24の端部に連結されている。図1及び図2に示すように、右側及び左側のステップ部30とフロア31との機体右側部及び機体左側部に補助ステップ部36が配置され、右側及び左側の補助ステップ部36がフロアフレームに支持されており、右側及び左側の補助ステップ部36に乗降用の足掛け部36aが備えられている。
【0025】図1及び図2に示すように、丸パイプを側面視で逆U状に折り曲げて形成されて、予備苗のせ台支持フレーム37が形成されており、図3及び図6に示すように右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の前側の下端が、右側及び左側の支持フレーム29に連結され、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の後側の下端が、ブラケット34に連結されている。これにより、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37が、右側及び左側のステップ部30の機体右側部及び機体左側部に位置して、右側及び左側のステップ部30に対し略直交するように上向きに配置されている。図1,2,3に示すように、複数の予備苗のせ台38が、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37に横外向きに備えられている。図3及び図6に示すように、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の前側のブラケット37a及び後側のブラケット37bに、右側及び左側の補助ステップ部36の前部が連結されている。
【0026】図3,4,5に示すように、右側及び左側の屋根支持フレーム33の基部が、右側及び左側のステップ部30を間に挟み込んで、ブラケット32にボルトで連結されている。図1,3,7に示すように、前部及び後部ボンネット13,14の右壁部及び左壁部の横外側において、右側及び左側の屋根支持フレーム33が側面視で斜め後方上方に延出され(図1参照)、右側及び左側の屋根支持フレーム33の間隔が上側ほど狭くなるように(図3参照)、右側及び左側の支持フレーム33が正面視で、機体左右中央側に向く斜め上方に延出されている。右側及び左側の屋根支持フレーム33の中間部及び上端部に亘って、フレーム39,40が連結されており、右側及び左側の屋根支持フレーム33の上端に、半透明の日除け板51が固定され、屋根41が後向きに片持ち状に支持されている。
【0027】図3に示すように、右側及び左側の屋根支持フレーム33の間隔が上側ほど狭くなるように、右側及び左側の支持フレーム33が正面視で、機体左右中央側に向く斜め上方に延出されている点、並びに、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37が、右側及び左側のステップ部30に対し略直交するように上向きに配置されている点により、右側(左側)の屋根支持フレーム33と右側(左側)の予備苗のせ台支持フレーム37との間の間隔が、上側ほど広くなる状態となっている。
【0028】図1,2,3に示すように、丸パイプ状の補強ステー56が用意されており、図9に示すように弾性を備えた樹脂製の挟持部56aが補強ステー56の両端に取り付けられて、補強ステー56の挟持部56aを、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部に嵌め込んだり取り外したりすることが、容易に行えるように構成されている。図9に示すように、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部の各々に、一対の位置決め板37cが固定されている。
【0029】これにより、図1,2,3,9に示すように、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37における位置決め板37cの間に、補強ステー56の挟持部56aを嵌め込むことにより、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部に亘って、補強ステー56が架設される。例えば、左側のステップ部30を通って作業者が運転部4に乗降する場合、補強ステー56の挟持部56aを左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部から取り外し、右側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部を支点として、補強ステー56を上方に持ち上げればよい。又、補強ステー56が不要の場合には、補強ステー56の挟持部56aを右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部から取り外せばよい。
【0030】図6に示す静油圧式無段変速装置25は、中立位置から前進及び後進の高速側に無段階に変速自在に構成されており、静油圧式無段変速装置25を操作する変速レバー42及びレバーガイド43が、図1,3,7に示すように上部パネル15の左側部に備えられている。図7に示すように、レバーガイド43において、中立位置43Nの機体左右中央側部から前方に前進経路43Fが形成され、中立位置43Nの機体横外側部から後方に後進経路43Rが形成されて、中立位置43N、前進及び後進経路43F,43Rがクランク状に構成されている。変速レバー42を中立位置43Nに操作すると、静油圧式無段変速装置25が中立位置に操作されて機体が停止するのであり、変速レバー42を前進経路43F(後進経路43R)に操作すると、静油圧式無段変速装置25が前進(後進)の高速側に操作される。
【0031】変速レバー42はバネ(図示せず)により機体左右中央側に付勢されており、変速レバー42を中立位置43Nに操作すると、図7に示すように変速レバー42が中立位置43Nの機体左右中央側部に当たり、中立位置43Nの角部43aに当たる状態となる。図3及び図7に示すようにレバーガイド43が左側の屋根支持フレーム33の後方で、左側の屋根支持フレーム33よりも機体左右中央側(図7の紙面右側)に位置している。変速レバー42を中立位置43Nに操作している状態において、変速レバー42の握り部42aが、機体の正面視で左側の屋根支持フレーム33の後方に位置し、左側の屋根支持フレーム33よりも少し機体左右中央側(図7の紙面右側)に位置している。操縦ハンドル22よりも機体横外側に、右側及び左側の屋根支持フレーム33が位置している。
【0032】これにより、変速レバー42を中立位置43Nに操作している状態において、左側のステップ部30を通って作業者が運転部4に乗降しても、作業者の体が操縦ハンドル22及び変速レバー42に当たることは少ない。例えば作業者が畦から左側のステップ部30を通って運転部4に乗り込んだ際(左側のステップ部30を図7の紙面上側から紙面下側に作業者が移動)、作業者の体が変速レバー42に当っても、変速レバー42が中立位置43Nにおいて中立位置43Nの角部43aに当たっていることにより、変速レバー42が中立位置43Nから後進経路43Rに操作されることは少ない。
【0033】図3及び図7に示すように、上部パネル15に計器盤44が備えられ、上部パネル15の右側部に、エンジン3のアクセルレバー45、エンジン3の始動用のキースイッチ46、及び操作レバー47が備えられている。図3,7,8に示すように、フロア31の右側部において、ブレーキペダル48及びロックレバー49が備えられている。アクセルレバー45、キースイッチ46、操作レバー47、ブレーキペダル48及びロックレバー49が右側の屋根支持フレーム33の後方で、右側の屋根支持フレーム33よりも機体左右中央側(図7の紙面左側)に位置している。これにより、右側のステップ部30を通って作業者が運転部4に乗降しても、作業者の体がアクセルレバー45、キースイッチ46、操作レバー47、ブレーキペダル48及びロックレバー49に当たることは少ない。
【0034】図3及び図7に示す操作レバー47は、上下方向及び前後方向に操作自在であり、操作レバー47を上方に操作すると、苗植付装置6に動力を伝達する植付クラッチ(図示せず)が伝動遮断側に操作されて、苗植付装置6が上限位置まで一気に上昇駆動され、操作レバー47を下方に操作すると、植付クラッチが伝動遮断側に操作された状態で、苗植付装置6が田面まで一気に下降駆動されるのであり、操作レバー47を下方にもう一度操作すると、植付クラッチが伝動側に操作される。苗植付装置6が下降駆動された状態で、操作レバー47を前方に操作すると、左側のマーカー(図示せず)が格納姿勢から田面に突入する接地姿勢に操作され、操作レバー47を後方に操作すると、右側のマーカー(図示せず)が格納姿勢から田面に突入する接地姿勢に操作される。
【0035】図1に示すように、運転席19の右横側に昇降レバー50が配置されている。昇降レバー50は、植付クラッチが伝動遮断側に操作された状態で苗植付装置6が上昇駆動される上昇位置、植付クラッチが伝動遮断側に操作された状態で苗植付装置6が停止する中立位置、植付クラッチが伝動遮断側に操作された状態で苗植付装置6が下降駆動される下降位置、及び植付クラッチが伝動側に操作される植付位置に操作自在に構成されており、昇降レバー50によって苗植付装置6を任意の位置に上昇及び下降駆動して停止させることができる。
【0036】図7に示すブレーキペダル48を踏み操作すると、主クラッチ(図示せず)(前輪1及び後輪2、植付クラッチに動力を伝達するもの)が伝動遮断側に操作されて、前輪1及び後輪2に制動を掛けるブレーキ(図示せず)が制動側に操作されて、苗植付装置6及び機体が停止する。ブレーキペダル48を踏み操作した後、ロックレバー49をブレーキペダル48側に揺動操作し、ブレーキペダル48に係合させることにより、ブレーキペダル48を踏み状態で保持することができる。
【0037】図8に示すように、丸パイプを平面視でU字状に折り曲げて構成されたフレーム52が、右側及び左側の屋根支持フレーム33の上端の横軸芯P1周りに上下揺動自在に支持され、樹脂製の屋根41がフレーム52に固定されている。フレーム52にバックミラー55が備えられ、右側の屋根支持フレーム33とフレーム52の右側部とに亘って、伸縮自在及び任意の位置で固定自在な伸縮シリンダ53が架設されており、フレーム52の右側部に把手54が備えられ、伸縮シリンダ53の操作レバー53aが把手54の下側に延出されている。
【0038】図1及び図2に示すように、屋根41の後部の横幅よりも屋根41の前部の横幅が狭くなるように、屋根41が前すぼまり状に構成されており(図2参照)、屋根41の前部が前下がり状に構成されている(図1参照)。図1及び図8に示す状態は、屋根41がフロア31と略平行になるように伸縮シリンダ53を固定した固定状態であり、屋根41の後部が肥料貯留ホッパー17の上方に位置している。ず2に示すように、肥料貯留ホッパー17の横幅(右及び左側の補助ステップ部36の端部と肥料貯留ホッパー17の端部とが略同じ位置)よりも、屋根41の横幅の方が狭いものとなっており、屋根41の横幅とフロア31の横幅とが略同じ状態になっている。
【0039】図1及び図8に示す操作レバー53aを上方に操作しながら把手54と一緒に持つことにより、伸縮シリンダ53の固定状態が解除されるので、把手54及び操作レバー53aを持った状態で、図1の二点鎖線で示す上限位置A1及び下限位置A2の範囲で、屋根41の姿勢を上下に変更することができる。操作レバー53aから手を離すと操作レバー53aが下方に戻り、伸縮シリンダ53が固定状態となるので、屋根41を任意の姿勢に設定することができる。作業者がフロア31で立ち上がって作業行う際に、屋根41の姿勢を上限位置A1に設定すればよく、乗用型田植機をトラック等に載せて運搬する際や、納屋等に格納する際に、屋根41の姿勢を下限位置A2に設定すればよい。この場合、図1に示すように操作レバー47及び昇降レバー50により苗植付装置6を上限位置まで上昇駆動した際、下限位置A2を含むどの姿勢に屋根41を設定していても、苗のせ台8が屋根41に干渉することはない。
【0040】[発明の実施の第1別形態]図1,2,3に示す構造では、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部に亘り、長い一本の補強ステー56を架設するように構成しているが、図10に示すように短い2本の補強ステー56を用意して、右側及び左側の屋根支持フレーム33の横軸芯P2周りに上下揺動自在に補強ステー56を支持し、補強ステー56の先端に図9に示す挟持部56aを備えてもよい。
【0041】これにより、補強ステー56を上方に揺動させて、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部に、補強ステー56の挟持部56aを下側から嵌め込むことによって、右側の予備苗のせ台37支持フレームの上部と右側の屋根支持フレーム33とに亘って一方の補強ステー56を架設し、左側の予備苗のせ台37支持フレームの上部と左側の屋根支持フレーム33とに亘って他方の補強ステー56を架設する。例えば左側のステップ部30を通って作業者が運転部4に乗降する場合、図10の一点鎖線に示すように左側の補強ステー56の挟持部56aを、左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部から取り外し、左側の補強ステー56を左側の屋根支持フレーム33に沿う位置まで下方に操作すればよい。
【0042】図10に示す構造において、右側及び左側の屋根支持フレーム33の横軸芯P2の構造を廃止し、右側及び左側の補強ステー56の各々の両端に挟持部56aを備えて、右側及び左側の補強ステー56を、右側及び左側の屋根支持フレーム33並びに右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37の上部に、嵌め込み及び取り外し自在に構成してもよい。図3及び図10に示す構造において、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37における最上位置の予備苗のせ台38と次の下側の予備苗のせ台38との間の部分に、補強ステー56の挟持部56aを嵌め込むように構成してもよい。
【0043】[発明の実施の第2別形態]図3及び図10に示す構造において、右側及び左側の屋根支持フレーム33の下部を右側及び左側のステップ部30に対し直交するように立設し、右側及び左側の屋根支持フレーム33の上部を機体の正面視で機体左右中央側に向く斜め上方に延出して、右側及び左側の屋根支持フレーム33の間隔が上側ほど狭くなるように構成してもよい。
【0044】右側及び左側の屋根支持フレーム33の間隔が上側ほど狭くなる構成に加えて(図3参照)、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37を斜め横外側の上向きに立設してもよい。右側及び左側の屋根支持フレーム33を右側及び左側のステップ部30に対し直交するように立設し、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレーム37を斜め横外側の上向きに立設してもよい。
【0045】[発明の実施の第3別形態]図1及び図8に示す構造では、右側及び左側の屋根支持フレーム33の横軸芯P1周りに上下揺動自在に屋根41を支持しているが、右側及び左側の屋根支持フレーム33に、屋根41をフロア31と平行な姿勢を維持しながら上下にスライド自在に支持するように構成してもよい。以上の[発明の実施の形態]〜[発明の実施の第3別形態]に示すような本発明は、エンジン3を機体の前部ではなく、運転席19の下側に配置した乗用型田植機にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側及び左側の屋根支持フレーム、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームを備えた場合、作業者が右側及び左側のステップ部を通る際に歩く方向に対して上半身を無理に横に向けなくても、右側及び左側の屋根支持フレームや右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームが、作業者の上半身の邪魔になることが少なく、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を楽に行うことができるようになって、乗用型田植機の乗降性を向上させることができた。
【0047】請求項2の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側及び左側の屋根支持フレーム、走行用の変速装置を操作する変速レバーを備えた場合、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降を行う際に、作業者の体が中立位置に操作された変速レバーに当たることは少ないので、変速レバーが中立位置から誤って操作されてしまうことによる手間(例えば、畦から運転部に乗り込んだ作業者が、変速レバーを中立位置に戻し操作してから、再び変速レバーを高速側に操作して機体を発進させると言うような操作)を避けることができた。請求項2の特徴によると、屋根支持フレームに対して運転部側に変速レバーの変速経路が配置された状態になっており、運転部の作業者にとって変速レバーの操作を行う際に、屋根支持フレームが邪魔になることがないので、変速レバーの操作性の面で不具合はない。
【0048】請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3の特徴によれば、屋根を備えた機種(屋根支持フレームを備えた機種)と、屋根を備えない機種(屋根支持フレームを備えない機種)とを生産する場合に、2種類のボンネットを生産する必要がないので、生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0049】請求項4の特徴によると、請求項1〜3のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜3の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項4の特徴によると、屋根の位置を下側に設定した状態で運転部の後側の苗植付装置を上昇駆動しても、苗植付装置が屋根に干渉しないように構成されているので、干渉による苗植付装置や屋根の破損が防止されて、乗用型田植機の耐久性を向上させることができた。
【0050】請求項5の特徴によると、請求項1〜4のうちのいずれか一つの場合と同様に請求項1〜4の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項5の特徴によると、右側及び左側の支持フレームに、右側及び左側のステップ部と右側及び左側の屋根支持フレームとが支持されており、右側及び左側の支持フレームを、右側及び左側のステップ部を支持する支持フレームの一部、並びに、右側及び左側の屋根支持フレームを支持する支持フレームの一部に兼用することができるので、構造の簡素化を図ることができて、生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0051】請求項6の特徴によると、ボンネットを運転部の前部に配置し、ボンネットの機体右側下部及び機体左側下部にステップ部を備えた乗用型田植機において、右側のステップ部の機体右側部及び左側のステップ部の機体左側部に、予備苗のせ台支持フレームを上向きに配置した場合、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部の振れを補強部材によって抑えることができるようになって、右側及び左側の予備苗のせ台支持フレームの上部が振れることによる不具合(例えば、予備苗のせ台から予備の苗が落ちる等)を防止することができた。請求項6の特徴によると、補強部材が右側及び左側のステップ部の上方を横切るような状態になるが、右側及び左側のステップ部を通っての運転部への乗降の際に補強部材を取り外せば、補強部材が邪魔にならないようにすることができるので、乗用型田植機の乗降性が低下することはない。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年2月10日(2000.2.10)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−224208(P2001−224208A)
【公開日】 平成13年8月21日(2001.8.21)
【出願番号】 特願2000−33491(P2000−33491)