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【発明の名称】 野菜移植機
【発明者】 【氏名】竹山 智洋

【要約】 【課題】取出爪によって苗載台から取出した苗を苗植付爪に受継いで圃場に植付ける多条用野菜移植機にあって、畝面の傾斜に関係なく植付深さを一定維持させる。

【解決手段】畝面(M)を検出する畝センサ(92)と、機体の左右傾斜を制御するローリング制御機構(61)とを備え、畝面(M)と機体(1)とを常に略平行に維持させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝面を検出する畝センサと、機体の左右傾斜を制御するローリング制御機構とを備え、畝面と機体とを常に略平行に維持させるように構成したことを特徴とする野菜移植機。
【請求項2】 畝面に接地させる覆土輪を畝センサに用いたことを特徴とする請求項1記載の野菜移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は苗トレイから1株分の玉ネギ、葉ネギ、白ネギなどの野菜苗を取出して圃場に植付けるようにした野菜移植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、機体が絶対水平を保った状態でも、畝上面が傾いていると多条植構造の場合、左右条の植付深さが異なって左右条略均一な苗植付けが行われないという不都合があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、畝面を検出する畝センサと、機体の左右傾斜を制御するローリング制御機構とを備え、畝面と機体とを常に略平行に維持させて、畝面が水平でない場合でも畝面と機体とを略平行に保って、左右複数条の植付作業においても常に植付深さを一定維持させて、植付作業精度を向上させるものである。
【0004】また、畝面に接地させる覆土輪を畝センサに用いて、通常の植付直後の苗に覆土を行う覆土輪を畝センサに兼用して、構成簡単で安価な手段によって植付作業精度を向上させるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は移植機の全体側面図、図2は同全体平面図、図3は同全体背面図、図4は移植部の平面説明図であり、図中(1)はエンジン(2)を搭載する移動機体、(3)は前後スライドフレーム(4)(5)に機体(1)を左右スライド自在に支持する固定フレーム、(6)はスライドアーム(7)を介して機体(1)をスライド動作させる油圧式スライドシリンダ、(8)はミッションケース(9)からの駆動横軸(10)に左右伝動ケース(11)を介し上下揺動自在に支持する左右の後車輪、(12)は前記固定フレーム(3)の前端側にアクスルフレーム(13)を介し上下揺動自在に支持する左右の前車輪、(16)は機体(1)の後方にシャーシフレーム(17)を介し装設する苗供給装置、(18)は左右の後車輪(8)間に装設してミッションケース(9)に植付駆動ケース(19)を介して連結させる苗植付装置、(20a)(20b)は畝面(M)に植付けた直後のポット苗(N)に覆土を行う左右1対の覆土輪であり、前記苗供給装置(16)の左右往復移動する苗載台(21)上の苗トレイ(22)より1株分のポット苗(N)を箸形苗取出爪(23)でもって取出し、この取出されたポット苗(N)を前記苗植付装置(18)のマルチカッタ(24)と連動して上下動するホッパ開孔形苗植付爪(25)に放出供給して、操向ハンドル(26)操作による機体(1)の走行中畝面(M)に一定間隔毎のポット苗(N)の植付け(移植)を行うように構成すると共に、機体(1)の左右スライド調節によって植付条位置の変更などを行うように構成している。
【0006】また、(27)は前記スイングシリンダ(14)を動作させて機体(1)を昇降操作する昇降レバー、(28)は植付クラッチの入切を行う植付クラッチレバー、(29)は走行速度を変速する主変速レバー、(30)は機体(1)を左右方向に位置調節するスライド調節レバー、(31)は左右後車輪(8)の駆動を停止させて機体(1)を旋回操作する左右サイドクラッチレバーである。
【0007】図4乃至図6に示す如く、前記苗取出爪(23)及び苗植付爪(25)は、1つの苗載台(21)の苗トレイ(22)に対し一定の間隔を有して左右に各2つ並設させ、同位相駆動して1つの苗トレイ(22)から2条分の苗取りを行うと共に、同時2条の植付けを行うもので、前記シャーシフレーム(17)側に連結する左右ブラケット(32)(32)にロータリ入力軸(33)・ロータリケース(34)・クランクアーム(35)・取出アーム(36)をそれぞれ介し2つの苗取出爪(23)(23)を左右対称に配設させ、ミッションケース(9)に入力軸(37)を連動連結する植付クラッチケース(38)の出力軸(39)(40)端に、左右のロータリ入力軸(33)(33)をチェン(41)を介しそれぞれ連結させ、植付クラッチケース(38)の植付クラッチの入時に左右2つの苗取出爪(23)(23)を同位相で駆動して、1つの苗トレイ(22)より2条分のポット苗(N)の同時取出しを行って、取出し後植付爪(25)との受継ぎ位置まで下向きに移動させるように構成している。
【0008】また、前記苗植付爪(25)は、ミッションケース(9)に植付入力軸(42)を連動連結する単一の伝動ケース(19)の出力軸(43)両端にロータリケース(44)・クランクアーム(45)・植付アーム(46)をそれぞれ介して左右の苗植付爪(25)を左右対称に取付けるもので、前記出力軸(43)回りにロータリケース(44)を回転させ、クランクアーム(45)を介して昇降ガイドレール(47)に沿って植付アーム(46)を前後揺動させ乍ら昇降させ、植付爪(25)を楕円形状の植付け軌跡(L)で上下運動させると共に、開閉自在に分割された半円錐形状の2つの爪体(25a)(25b)によって植付爪(25)を形成し、ロータリケース(44)の1回転中において植付爪(25)が上昇したとき、前記取出爪(23)から苗(N)を受取り、植付爪(25)が下降したときクランクアーム(45)のカム(48)と植付アーム(46)のロッド(49)とのカム作用によって、各爪体(25a)(25b)を前後に開動させて畝面(M)に開孔を形成させ、各爪体(25a)(25b)内部の苗(N)を畝面(M)の開孔に落下させるように構成している。
【0009】さらに前記苗載台(21)は、シャーシフレーム(17)に固設する左右サイドフレーム(50)間のガイドレール(51)と横送り駆動軸(52)に左右往復動自在に支持させると共に、苗載台(21)に縦送り駆動軸(53)を介し支持する駆動スプロケット(54)と、遊転軸(55)を介し支持する遊転スプロケット(56)間に張架する縦送りチェン(57)の所定間隔毎の縦送りピン(57a)を苗トレイ(22)の各セル(22a)底部間に掛合させて、苗載台(21)が左右移動終端に到達したとき縦送り軸(58)の縦送りカム(59)を介して苗トレイ(22)を1ピッチ分縦送りするように構成している。
【0010】さらに、図7及び図8に示す如く、機体を昇降させて車高調節を行う油圧昇降シリンダ(60)と、機体の左右方向傾斜角度を修正する水平制御用油圧ローリングシリンダ(61)を備えるもので、前記ミッションケース(9)の駆動横軸(10)の左右両端に遊転支持する左右伝動ケース(11)に一体回動の軸ボス(62)に左右のスイング板(63)を設け、該スイング板(63)に連結リンク(64)を介してローリング支点軸(65)両端の揺動アーム(66a)(66b)を連結させ、前記支点軸(65)中間を回転自在に貫挿させるスイング軸(67)を前記昇降シリンダ(60)のピストンロッド(68)先端に連結させると共に、前記支点軸(65)にローリングアーム(69)を介してローリング制御機構であるローリングシリンダ(61)のピストンロッド(70)を連結させるもので、前記スイング軸(67)にブラケット(71)を介して前記ローリングシリンダ(61)を取付けると共に、前記ミッションケース(9)上側にガイドフレーム(72)を固設させ、ガイドフレーム(72)の長溝(73)によってスイング軸(67)を往復摺動案内するように構成している。
【0011】そして、前記支点軸(65)の左右両端に下及び上方向に左右揺動アーム(66a)(66b)を突設させ、前記昇降シリンダ(60)のピストンロッド(68)を進退時、スイング軸(67)を摺動させ、左右の伝動ケース(11)を一体的に同一方向に上下動させ、機体を昇降させて車高調節を行う一方、前記ローリングシリンダ(61)のピストンロッド(70)を進退時、前記支点軸(65)を回転させ、左右の伝動ケース(11)を上下逆方向に上下動させて機体の左右傾斜角度を修正する水平制御を行うように構成している。
【0012】さらに、ベースフレーム(74)前面に前バンパ付きの前フレーム(75)をボルト止め固定し、前フレーム(75)に固定軸(76)を設け、該軸(76)両端に左右スイング支点軸(77)を回転自在に取付け、各軸(77)に一端を固定する左右アクスルフレーム(13)他端に前車軸(78)を介して左右前車輪(12)を遊転軸支させると共に、左右スイング支点軸(77)にリンク(79)を介して左右スイングロッド(80)前端を連結させ、各ロッド(80)後端を前記各スイング板(63)に連結させるもので、後輪(4)を駆動して機体を走行させると共に、支点軸(65)を押引して機体を昇降させる油圧昇降シリンダ(60)と、前記スイング軸(67)に支持させてローリング支点軸(65)を回転させて機体を左右に傾斜させるローリングシリンダ(61)とを備え、畝を跨ぐように側溝(A)に前後車輪(12)(8)を配置させ、前記昇降シリンダ(60)制御により左右の前後車輪(12)(8)を同一方向に昇降させ、車高調節する一方、前記ローリングシリンダ(71)制御により左右の前後車輪(12)(8)を逆方向に昇降させ、機体の左右傾斜を調節するように構成している。
【0013】図9乃至図11に示す如く、苗植付爪(25)の後方で植付苗(N)に覆土を行う左右1対の覆土輪(20a)(20b)は、植付条を挾んで左右に背面視V字形に対向配備させたもので、前記入力軸(42)をフローティング支点とする植付伝動ケース(19)に植付フレーム(81)の前端を連結させ、覆土輪(20a)(20b)を後端に取付ける左右覆土フレーム(82)(83)の前端を調節軸(84)を介し取付高さ調節可能に植付フレーム(81)に固定させると共に、左右の覆土フレーム(82)(83)間を横連結パイプ(85)で連結させ、該連結パイプ(85)略中央の下方彎曲部(85a)に後方向の覆土アーム(86)を固設させ、該覆土アーム(86)と右覆土フレーム(83)の各後端内側に傾斜輪軸(87)を介し右植付条用の左右1対の覆土輪(20a)(20b)を固定支持させている。
【0014】また、左覆土フレーム(82)を右覆土フレーム(83)の長さの略半分の長さに形成し、該フレーム(83)の後端に枢軸(88)を介し左センサアーム(89)を揺動自在に支持させると共に、前記彎曲部(85a)の覆土アーム(86)の左側位置にアーム台(90)を固設させ、該アーム台(90)に枢軸(88)を介し左センサアーム(89)と略同形状の右センサアーム(91)を揺動自在に支持させ、左右センサアーム(89)(91)の各後端内側に傾斜輪軸(87)を介し左植付条用の左右1対の覆土輪(20a)(20b)を前記枢軸(88)を中心として上下動自在に支持させて、これらセンサアーム(89)(91)及び覆土輪(20a)(20b)とで畝面(M)の傾斜状態を検出する畝センサ(92)を形成するように構成している。
【0015】そして前記ベースフレーム(74)上面に設置する油圧ユニットケース(92)内にローリングシリンダ(61)を作動させるローリングバルブ(93)を設けると共に、該バルブ(93)のバルブ操作レバー(94)と左センサアーム(89)のワイヤ取付板(95)間をセンサワイヤ(96)で連結して、畝面(M)に接地し植付フレーム(81)の後方部を支持する右植付条用1対の覆土輪(20a)(20b)に対し、左植付条用1対の覆土輪(20a)(20b)を上下動に植付フレーム(81)に支持させて、図3に示す如く作業中畝面(M)が絶対水平ラインより角度(α)右下りに傾いた状態となるとき、畝センサ(92)(覆土輪(20a)(20b)が上動)によってこれを検出し、ワイヤ(89)及びローリングバルブ(93)を介しローリングシリンダ(61)を作動制御して、畝面(M)の傾斜に機体(1)を沿わせて常に植付深さを一定維持させるように構成している。
【0016】なお前述実施例にあっては畝センサ(92)とバルブ(93)とをワイヤ(96)など機械的手段でも連結する構成を示したが、ローリングバルブ(93)をソレノイドなど電気的手段で作動させると共に、畝センサ(92)の変化をポテンショメータなど電気的手段で検出して、ローリングバルブ(93)と畝センサ(92)を電気的に連結する構成でも良い。
【0017】このように、畝面(M)が傾いた条件下においても、前記畝センサ(92)の検出に基づいて畝面(M)に略平行に沿う状態に前記ローリングシリンダ(61)によって機体(1)を制御して、常に植付深さを一定維持させた苗(N)の良好な植付作業を可能とさせることができるもので、また通常は覆土を行う覆土輪(20a)(20b)を畝センサ(92)に用いて、畝センサ(92)を部品点数などの少ない構造簡単で安価なものとさせることができる。
【0018】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、畝面(M)を検出する畝センサ(92)と、機体の左右傾斜を制御するローリング制御機構(61)とを備え、畝面(M)と機体(1)とを常に略平行に維持させるものであるから、畝面(M)が水平でない場合でも畝面(M)と機体(1)とを略平行に保って、左右複数条の植付作業においても常に植付深さを一定維持させて、植付作業精度を向上させることができるものである。
【0019】また、畝面(M)に接地させる覆土輪(20a)(20b)を畝センサ(92)に用いたものであるから、通常の植付直後の苗(N)に覆土を行う覆土輪(20a)(20b)を畝センサ(92)に兼用して、構成簡単で安価な手段によって植付作業精度を向上させることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年2月4日(2000.2.4)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2001−211713(P2001−211713A)
【公開日】 平成13年8月7日(2001.8.7)
【出願番号】 特願2000−26934(P2000−26934)