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【発明の名称】 移植機における苗トレイの縦送り装置
【発明者】 【氏名】野坂 健吉

【要約】 【課題】苗トレイを、載置板に対して上から供給するようにしていたものから、載置板に対してトレイ縦送り方向に滑らせて供給するものに変更するに際して、縦送りチェーンに設けた縦送りピンが苗トレイのポット部間に良好に係合するよう考慮する。

【解決手段】苗トレイを載置して支持する載置板72を備え、苗トレイの側方に、ポット部P間に係合する縦送りピン45を備えると共にトレイ縦送り方向Aに移動することで苗トレイを載置板72に沿ってトレイ縦送り方向Aに移送する縦送りチェーン44を備え、縦送りチェーン44はトレイ縦送り方向A一対のスプロケット42,43に掛装され、トレイ縦送り方向A後方側のスプロケット43のトレイ縦送り方向A前方側にチェーンガイド52を備え、縦送りチェーン44をこのチェーンガイド52の下側を通すことにより、縦送りチェーン44がトレイ縦送り方向Aに向かうにしたがって載置板72の下面側から上面側へと移動する際に、縦送りピン45がポット部P間に係合するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数のポット部(P)を縦横に配設してなる苗トレイ(T)を載置して支持する載置板(72)を備え、前記苗トレイ(T)の側方に、ポット部(P)間に係合する縦送りピン(45)を長さ方向に所定間隔をおいて備えると共にトレイ縦送り方向(A)に移動することで苗トレイ(T)を載置板(72)の上面に沿ってトレイ縦送り方向(A)に移送する縦送りチェーン(44)を備え、この縦送りチェーン(44)はトレイ縦送り方向(A)一対のスプロケット(42),(43)に掛装され、トレイ縦送り方向(A)後方側のスプロケット(43)のトレイ縦送り方向(A)前方側にチェーンガイド(52)を備え、縦送りチェーン(44)をこのチェーンガイド(52)の下側を通すことにより、縦送りチェーン(44)がトレイ縦送り方向(A)に向かうにしたがって載置板(72)の下面側から上面側へと移動する際に、載置板(72)の上面側において縦送りピン(45)がポット部(P)間に係合するように構成したことを特徴とする移植機における苗トレイの縦送り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は野菜等の苗を圃場の畝等に移植する移植機における苗トレイの縦送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、歩行型の移植機にあっては、縦横に多数配設形成したポット部にソイルブロック苗を育苗した苗トレイを載置して支持する苗載せ台と、苗を畝に植付ける植付装置と、苗トレイから苗を一つずつ取出して植付装置へと搬送する苗分送装置とを移植フレームに支持し、この移植フレームを走行体に取り付けて、畝に沿って走行しながら苗を畝に自動的に植え付けるようにしたものがある。この移植機にあっては、苗載せ台を間欠的に横移動させることによって苗トレイを間欠的に横送りし、苗トレイの横送りを停止している間に、ポット部内のブロック土に苗取出爪を差込んだ後、該苗取出爪を後退させることによってポット部から1つずつ苗を取出して、植付装置に搬送するようにしている。
【0003】また、横一列のポット部からの苗の取出しを終えた時点で、苗トレイを縦方向にポット部の1ピッチだけ苗載せ台の載置面に沿って縦送りし、また再び苗トレイを、前記とは反対側に間欠的に横送りするようにしている。図14に示すように、苗載せ台70は、左右一対の側板73と、この左右側板73間に前方に向かうに従って下方に移行する前下がり傾斜状に配置されていて苗トレイTを載置する載置板72と、載置板72上の苗トレイTを載置板72に沿って下方側(矢示A方向)へと縦送りする縦送り装置とを備えている。
【0004】縦送り装置は、側板73間の、トレイ縦送り方向A前部側(下部側)に配置された左右方向の軸心を有する縦送り駆動軸40と、側板73間のトレイ縦送り方向A後部側(上部側)に配置された左右方向の軸心を有する縦送り従動軸41と、これら駆動軸40及び従動軸41にそれぞれ設けられた左右一対のスプロケット42,43と、左右方向同じ側にあるトレイ縦送り方向A前後のスプロケット42,43に亘って掛け渡された左右一対の縦送りチェーン44とを備えてなる。
【0005】そして、苗トレイTは、載置板72の板厚方向上方側から矢示C方向に降ろされて載置板72上に載置され、左右の縦送りチェーン44間に配置される。また、左右の縦送りチェーン44には、左右方向内方に突出状に設けられていて、トレイ縦送り方向Aで隣接するポット部P間に挿入状とされる縦送りピン45がチェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられており、駆動軸40を矢示B方向に回転駆動させて縦送りチェーン44を送り、縦送りピン45によってポット部Pを押動することにより、苗トレイTをトレイ縦送り方向Aに移送するように構成されている。
【0006】また、載置板72上方側の、駆動スプロケット42と従動スプロケット41との間には、縦送りチェーン44を案内するチェーンガイド52がトレイ縦送り方向A前後一対設けられている(前側のチェーンガイドは図示省略している)。縦送りチェーン44は前後一対のチェーンガイド52の上側を通るようにチェーンガイド52に掛けられており、縦送りチェーン44の、後側チェーンガイド52から駆動スプロケット42に至る部分が載置板72に略沿う形状となるように構成されている。
【0007】なお、図15において、24は苗取出爪であり、この苗取出爪24がポット部P内のブロック土に差し込まれる位置が苗取出位置であり、苗トレイTはトレイ送り方向A最前列のポット部Pがこの苗取出位置の近傍に位置するように載置板72上に載置され、その後、縦送りチェーン44をトレイ縦送り方向Aに動かして、トレイ縦送り方向A最前列のポット部Pがこの苗取出位置に位置するように位置合わせされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のものにおいて、苗トレイTを、載置板72の、トレイ縦送り方向A後部側からトレイ縦送り方向A前方へと滑らせて載置板72上に載せ、縦送りチェーン44の、載置板72より上方側部分がトレイ縦送り方向A前方側に移動するように従動軸41を手動で回転させることにより、載置板72の下面側にある縦送りピン45を載置板72の上面側へと移動させると共に、該縦送りピン45をポット部P間に挿入状とし、その後、縦送りチェーン44のトレイ縦送り方向Aへの移動により、苗トレイTを所定位置にセットするようにすることが考えられている。
【0009】しかしながら、苗トレイTを、載置板72の、トレイ縦送り方向A後部側からトレイ縦送り方向A前方へと移動させて載置板72上に供給する場合、縦送りピン45がうまくポット部Pに係合しない(引っかからない)ということがある。苗トレイTを矢示C方向に降ろして載置板72上に載置する場合は、苗トレイTの前部側のポット部P間に縦送りピン45がすでに係合しているので、縦送りチェーン44を移動させると苗トレイTも一緒に移動するので、載置板72の下面側から載置板72の上面側へと移動してくる縦送りピン45はポット部P間に係合するが、苗トレイTを、載置板72の、トレイ縦送り方向A後部側からトレイ縦送り方向A前方へと移動させて載置板72上に供給する場合は、どの縦送りピン45もポット部P間に係合していないので、縦送りピン45をポット部P間に係合させるときに、苗トレイTに対して縦送りピン45が相対移動してポット部Pに係合することとなる。
【0010】このときに、縦送りチェーン44の、後側チェーンガイド52から従動スプロケット43に至る部分の、載置板72に対する傾斜がきついと、縦送りピン45がうまくポット部Pに引っかからないのである。そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、苗トレイをトレイ縦送り方向後方から送り込むようにしても、苗トレイを苗載せ台に良好にセットできるよう考慮することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、多数のポット部Pを縦横に配設してなる苗トレイTを載置して支持する載置板72を備え、前記苗トレイTの側方に、ポット部P間に係合する縦送りピン45を長さ方向に所定間隔をおいて備えると共にトレイ縦送り方向Aに移動することで苗トレイTを載置板72の上面に沿ってトレイ縦送り方向Aに移送する縦送りチェーン44を備え、この縦送りチェーン44はトレイ縦送り方向A一対のスプロケット42,43に掛装され、トレイ縦送り方向A後方側のスプロケット43のトレイ縦送り方向A前方側にチェーンガイド52を備え、縦送りチェーン44をこのチェーンガイド52の下側を通すことにより、縦送りチェーン44がトレイ縦送り方向Aに向かうにしたがって載置板72の下面側から上面側へと移動する際に、載置板72の上面側において縦送りピン45がポット部P間に係合するように構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図3において、移植機1は、走行体2の後方に移植装置3および操縦ハンドル4を有する歩行型であって、畝Rを跨いでその長手方向に走行しながら、野菜等の苗を畝Rに所定間隔をおいて自動的に植え付けるものである。なお、移植機1の進行方向(図3の左右方向)を前後方向といい、進行方向に直交する横方向を左右方向という。
【0013】走行体2は、ミッションケース6の前部に前方突出状に架台7を取付固定し、この架台7上にエンジン8等を搭載すると共に、左右両側に前輪9および後輪10を備えて主構成されている。前記エンジン8の動力はミッションケース6内の動力伝達機構に入力され、ミッションケース6内に入力された動力は、変速機構を介してミッションケース6から左右両側方に突出する車輪伝動軸に伝達されると共に、ミッションケース6の後面から後方に突出する第1PTO軸12と、車輪伝動軸よりも後方に設けられてミッションケース6から左右側方に突出する第2PTO軸13とから取り出せるようになっている。
【0014】また、左右の車輪伝動軸の外端側にはその軸心回りに上下揺動自在な伝動ケース14が設けられ、この伝動ケース14の下部に後輪10が支持され、車輪伝動軸から伝動ケース14内のチェーン伝動機構を介して後輪10に動力が伝達されて、該後輪10が回転駆動されるよう構成されている。移植装置3は、走行体2の後方に装着された移植フレーム15に設けられており、苗を畝Rに植付ける植付体16と、苗を植付体16に供給する苗供給装置17と、覆土・鎮圧ローラ18と、畝Rを覆うマルチフィルムに、熱の作用により(又は切目を入れることにより)苗植付用の孔を形成する穿孔手段19とから主構成されている。
【0015】移植フレーム15は前部がミッションケース6に取付固定された主フレーム20と、この主フレーム20の後端側に前端側が固定された前記操縦ハンドル4と、前部が左右の第2PTO軸13に左右軸廻りに回動自在に支持された可動フレーム21とから主構成されている。可動フレーム21の後部には覆土・鎮圧ローラ18が取付けられ、この覆土・鎮圧ローラ18によって可動フレーム21の後部が畝R上面の高さ変化(凹凸)に追従するように支持されると共に、覆土・鎮圧ローラ18と可動フレーム21との上下方向の間隔は調節可能とされている。
【0016】植付体16は、可動フレーム21に揺動リンク機構を介して上下揺動自在に支持されている。この揺動リンク機構は第2PTO軸13からの動力によって駆動されて、植付体16が上下方向に長い楕円軌跡を描くように移動し、その軌跡の上端側で苗が供給され、軌跡の下端側で植付体16が畝Rに突入するようになっている。また、植付体16は、上部が上下開口状の筒体によって構成されると共に、下部に前後に開閉自在なオープナを備えており、オープナは植付体16の軌跡の下端側にて畝Rに突入したときに連動具によって前後に開き、畝Rに移植孔を形成すると共に、該移植孔に植付体16内部に保持した苗を落下させ、その後、覆土・鎮圧ローラ18によって移植孔の左右から土寄せすると共に土を鎮圧することで苗の植付けが完了するようになっている。
【0017】苗供給装置17は、主フレーム20の上方後部側に配置されていて多数のソイルブロック苗を縦横に収容した苗トレイTを後傾状に載置して支持すると共に縦横に間欠送りする苗トレイ送り装置22と、この苗トレイ送り装置22の前方側に配置されていて苗トレイTから苗を一つずつ取出して植付体16へと搬送する苗分送装置23とから主構成されている。苗トレイTは、プラスチック製で、薄肉に形成されて可撓性を有し、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配列された多数のポット部Pを備え、ポット部Pの開口縁部がトレイ上壁Taによって相互に平面状に連結されて構成されている。そして、ポット部Pに床土を充填し、そこへ播種し育苗することでソイルブロック苗Sが育成されている。
【0018】また、苗トレイTのポット部Pは底部に向かうにしたがって先窄まり状に形成されていて、底部にいくにしたがって隣り合うポット部P間の隙間が漸次大となるように構成されている。苗分送装置23は、苗取出爪24と、この苗取出爪24を駆動させる爪動作機構25を有する。苗取出爪24は先端が尖った丸棒材で構成され、左右一対設けられると共に、先端側に移行するにしたがって相互に近接するように並設されている。
【0019】爪動作機構25は、苗取出爪24を苗トレイTと植付体16との間で苗取出爪24を姿勢変更しながら往復動作させるものである。この爪動作機構25は、主フレーム20上に固定の板材からなる支持体29に取付固定されたギヤケース30に取付支持され、このギヤケース30の入力軸は、第1PTO軸12にユニバーサルジョイント34を介して連動連結されていてエンジン8からの動力が伝達され、このギヤケース30から出力される動力によって、爪動作機構25及び苗トレイ送り装置22が駆動されるようになっている。苗取出爪24は、苗トレイTの前方から苗トレイTに向かって進行してポット部P内の床土を突き刺し、その後、苗トレイTに対して後退(苗トレイTから離反する方向)に移動することで、床土(苗)がポット部Pから取り出される。
【0020】その後、苗取出爪24は、略下向き姿勢に変更して取り出した苗を下向き姿勢にすると共に、苗を植付体16の上方側に位置させるように移動する。そして、その運動軌跡の上部に位置する植付体16に、苗取出爪24に保持されている苗を苗取出爪24から押し出し離脱させ、植付体16に上方から落下投入する。その後、苗取出爪24は、元の位置にもどって前記動作を繰り返す。苗トレイ送り装置22は、図1〜図13に示すように、苗トレイTを載置する苗載せ台70を備えており、この苗載せ台70は、左右方向に配置されてハンドル4に固定された上下一対のガイドレール71に左右方向移動自在に支持されている。
【0021】また、苗トレイTは縦長に形成されていて、ポット部Pの横配列方向(図5の矢示D方向)が左右方向と一致するように苗載せ台70上に載置され、苗載せ台70は苗トレイTの底部を横一列のポット部Pに亘って支持する載置板72を有する(したがって、この載置板72の上面が苗トレイTを載置支持する載置面72aとされている)。この載置板72は、苗トレイTを1枚載置するのに必要且つ十分な長さに形成されており、左右方向に対向配置された一対の側板73間に、前方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状(後傾状)に配置されていて、載置板72の左右端部が左右側板73の対向面(左右方向内面)に固定されている。
【0022】また、載置板72の後上部は側板73間から後上方に突出している。そして、この苗トレイ送り装置22にあっては、苗トレイTを載置板72上に載せたまま苗載せ台70を左右方向に移動させることにより、苗トレイTを左右方向に横送りさせることができるようになっていると共に、苗載せ台70には、苗トレイTを載置板72(載置面72a)に沿って下方(この方向をトレイ縦送り方向Aという)に移送する縦送り機構が備えられている。なお、載置板72の載置面72a側の左右方向中央部には、ポット部P間に挿入状とされて、苗トレイTの左右方向の移動を規制しながらトレイ縦送り方向Aに苗トレイTをガイドするガイド板74が設けられている。
【0023】前記苗トレイTの横送り機構について詳細に説明すると、苗載せ台70の左右両側方に配置されてハンドル4に取付支持された左右一対の軸受部材80間に、左右側板73を貫通すると共に同ピッチで切られた左右ネジの谷部を結合した特殊ネジ(ナピヤネジ)が形成された横送り軸81が左右方向の軸心軸廻り回転自在に支持され、この横送り軸81には、その軸上の特殊ネジに係合(螺合)するスライダ82が外嵌されている。このスライダ82は、苗載せ台70の載置板72の下面(背面)に設けられた左右一対の係合片83に係合されている。
【0024】前記横送り軸81には、ギヤケース30からの動力が伝動ケース84内の巻掛け伝動機構を経て動力が伝達され、これによって横送り軸81が間欠的に回転駆動されるようになっている。この横送り軸81を間欠的に回転駆動すると、スライダ82が間欠的に左右方向に移動すると共に横送り軸81に形成されたネジの端部で折り返して逆方向に移動するようになっており、これにより苗載せ台70が左右方向に往復移動されるようになっている。
【0025】そして、横送り軸81は、苗取出爪24によって苗をポット部Pから取り出す際にあっては停止しており、苗をポット部Pから取り出した後に所定角度回転して、ポット部Pの横配列方向Dの1ピッチ分だけ苗載せ台70を左右方向に移動させるように構成されている。また、苗はトレイ縦送り方向Aの最前列の左右方向一端側のポット部Pから順に取り出され、横1列のポット部Pから苗が取り出されると、苗トレイTは縦送り機構によりポット部Pの縦配列方向(横配列方向Dに直交する方向であって、トレイ縦送り方向Aと一致する方向)の1ピッチ分だけトレイ縦送り方向Aに移送され、その後、前記とは逆の方向に横送りされて苗が取り出される。この動作を繰り返すことにより、苗トレイTから苗がすべて取り出されるようになっている。
【0026】次いで、苗トレイTの縦送り機構について詳細に説明する。左右側板73間のトレイ縦送り方向A前部(下部)には、縦送り駆動軸40が左右方向に配置されて設けられており、左右側板73間のトレイ縦送り方向A後部には、縦送り従動軸41が左右方向に配置されて設けられている。また、駆動軸40には左右一対の駆動スプロケット42が固定され、従動軸41には左右一対の従動スプロケット43が固定されており、これら左右のスプロケット42,43は苗トレイTの左右両側に位置する。
【0027】また、駆動スプロケット42と従動スプロケット43とには、これらに亘ってエンドレスの縦送りチェーン44が掛装され、このチェーン44には、左右方向内方突出状に取り付けられていて、苗トレイTの縦配列方向のポット部P間の間隙に挿入状に係合する縦送りピン45が、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられている。したがって、駆動軸40が、図4に矢示Bで示す方向に回動動作することによって、苗トレイTが縦送りピン45によって押動されてトレイ縦送り方向Aに移送可能とされている。
【0028】横送り軸81の左右両側には縦送りカム46が固定され、苗載せ台70には左右側板73間に縦送り作動軸47が回転自在に支持され、この縦送り作動軸47には、苗載せ台70が最左端又は最右端にまで移動したときに縦送りカム46に係合するホロワ48が左右一対備えられている。また、縦送り作動軸47はリンク49等を介して縦送り駆動軸40の一端側に設けられた縦送り作動手段50に連動連結されている。そして、苗載せ台70が左右の端部まで移動したときに、ホロワ48が縦送りカム46によって押されて縦送り作動軸47が回動することで、リンク49を介して縦送り作動手段50が作動され、縦送り駆動軸40が、苗トレイTをポット部Pの縦配列方向の1ピッチ分だけ移送するように矢示B方向に回動されるようになっている。
【0029】これによって、横一列のポット部Pからの苗の取り出しを終えた時点で、苗トレイTがポット部Pの縦配列方向の1ピッチ分、トレイ縦送り方向Aに縦送りされるようになっている。図1に示すように、前記縦送り駆動軸40及び縦送り従動軸41は載置板72の下面側に位置しており、従動スプロケット43は載置板72の下面側に位置し、駆動スプロケット42は従動スプロケット43より径大に形成されていて、載置板72から上方に突出状とされている。
【0030】したがって、縦送りチェーン44は、従動スプロケット43からトレイ縦送り方向Aに向かうにしたがって載置板72の下面側から上面側へと移行するようにスプロケット42,43間に掛けられている。また、駆動スプロケット42と従動スプロケット43との間で、且つ載置板72の上面側には、トレイ縦送り方向A前後一対のチェーンガイド51,52が側板73から左右方向内方突出状に設けられている。また、縦送りチェーン44は、前側のチェーンガイド51の上側を通り、且つ、後側のチェーンガイド52の下側を通るように、チェーンガイド51,52に掛けられていて、このチェーンガイド51,52間において、載置板72に対する縦送りチェーン44の傾斜が従来のものに比べて緩やかとなるように構成されている。
【0031】また、縦送りピン45は、図1及び図2に示すように、従動スプロケット43の上部から載置板72の下面側を通過し、後側のチェーンガイド52を過ぎた後に、載置板72の下面側から上面側へと徐徐に移行しながらトレイ縦送り方向Aへと移動するように構成されている。なお、載置板72には、縦送りピン45の、載置板72下面から上面への通過を許容するように、切欠き部53が形成されている。また、載置板72のトレイ縦送り方向A前部側は、駆動スプロケット42と干渉しないように適宜切り欠かれており、載置板72のトレイ縦送り方向A後部側は従動スプロケット43及び縦送りチェーン44と干渉しないように適宜切り欠かれており、この載置板72後部側の切り欠き部分54は前記切欠き部53に連続状に形成されている。
【0032】左右の各側板73のトレイ載置面72a側には、それぞれトレイTの上壁Taの左右の縁部の、載置板72から離反する方向の移動を規制して、トレイTをトレイ縦送り方向Aに案内するトレイガイド55が設けられている。このトレイガイド55は、図4,図5,図9に示すように、左右の側壁55aと、この側壁55a上端間を連結する上壁55bとを有する。このトレイガイド55には、左右方向内方側の側壁55a下縁から左右方向内方に延出されて載置板72の上方に対向状に位置すると共にトレイTの上壁Taの左右の縁部上方に位置して、トレイTの載置板72から離反する方向の移動を規制する規制壁55cが設けられている。
【0033】したがって、トレイTは、トレイ縦送り方向A後部側から前方へとスライドさせて載置板72上に供給(セット)されるように構成されている。トレイTを苗載せ台70にセットするには、先ず図1及び図2に示すように、縦送りピン45を、切欠き部53からトレイ載置面72a側に出る手前の位置(符号Eで示す位置)に配置させておく。次に、トレイTを、トレイ縦送り方向A後部から、前記E位置の縦送りピン45のトレイ縦送り方向A前方に位置(符号Fで示す位置)する縦送りピン45にトレイTの最前端のポット部Pが当たるまでトレイ縦送り方向A前方に移動させる。
【0034】次いで、縦送りチェーン44をトレイ縦送り方向Aに回走させると、E位置の縦送りピン45がトレイ縦送り方向Aに移動しながら載置板72の下面側から上面側へと移行し、トレイ縦送り方向Aで隣接するポット部P間に良好に挿入されて係合する。このとき、載置板72に対する前後のチェーンガイド51,52間の縦送りチェーン44(縦送りピン45の移動軌跡)の傾斜が問題となり、該傾斜がきついと縦送りピン45が良好にポット部P間に挿入されず、縦送りピン45がポット部Pの底部に接当することとなる。
【0035】縦送りピン45がポット部P間に係合すると、トレイTのトレイ縦送り方向Aへの移送が可能となる。その後、トレイTをトレイ縦送り方向Aに移動させて、トレイTの最前端のポット部Pを苗取出位置の、ポット部の1ピッチ手前に位置させ、最前端のポット部Pの左右方向一端部のポット部Pが苗取出位置にくるまで、苗分送装置、苗供給装置及び植付体を空運転させる。以上により、苗の植付準備が完了となり、前述した要領で苗を植付体2に送って畝Rに植え付ける。
【0036】前記構成の実施の形態のものにおいて、縦送りチェーン44が後側のチェーンガイド52の上側を通るようにすると、縦送りピン45が載置板72の下面側から上面側へと移行するところの、載置板72に対する縦送りチェーン44の傾斜が比較的急となる(きつくなる)。そして、この状態において、縦送りピン45を、載置板72の下面側からトレイ載置面72a側に出る手前の位置に配置させておき、その後、トレイTを、トレイ縦送り方向A後部から、トレイ載置面側72aにある縦送りピン45にトレイTの最前端のポット部Pが当たるまでトレイ縦送り方向A前方に移動させ、次いで、縦送りチェーン44をトレイ縦送り方向Aに回走させると、縦送りピン45が良好にポット部P間に挿入されない。
【0037】また、縦送りチェーン44が後側のチェーンガイド52の上側を通るようにすると、縦送りピン45が載置板72の下面側から載置面72a側に出る位置が、本実施の形態のものに比べ、トレイ縦送り方向A後方に位置することとなり、最初にトレイTをトレイ縦送り方向A前方に送って載置板72上に配置する位置(すなわち縦送りピン45がポット部Pに係合する前の位置)がトレイ縦送り方向A後ろ側に位置することとなる。最初にトレイTを載置板72上に配置する位置がトレイ縦送り方向A後ろ側にずれると、トレイTの、載置板72からトレイ縦送り方向A後方へのはみ出し量が大きくなり、トレイTの後部が垂れ下がることとなる。
【0038】なお、縦送り従動軸41には、手動ハンドル56が設けられており、この手動ハンドル56を回動操作することによって、縦送りチェーン44を手動で循環回走できるように構成されている。図4、図5、図7及び図8に示すように、載置板72の後部左右両側には、それぞれトレイガイド55の後端側から後方に向けて苗ガイド57が設けられている。苗ガイド57は、丸棒部材を折曲して形成されており、後部側の端部には円形状に折曲された取付部57aが形成され、この取付部57aがボルトによって載置板72に取付固定されている。
【0039】また、苗ガイド57は、苗トレイTの左右両側に位置して、苗の葉部Sを規制壁55c上面側へとガイドするガイド部57bを有している。このガイド部57bは、取付部57aからトレイ縦送り方向A後方に延出された後、載置板72から離反する方向に立ち上げられ、その後、トレイ縦送り方向A前方へと延出されている。また、ガイド部57bのトレイ縦送り方向A後端側上端部は、載置板72からの高さHが苗トレイTよりも低くなっており、ここからトレイ縦送り方向A前方にいくにしたがって載置板72からの高さHが高くなっている。
【0040】また、ガイド部57bは前部側において、トレイ縦送り方向A前方に向かうにしたがって左右方向内方に移行する傾斜状に折曲された後、トレイ縦送り方向A前方に向けて且つトレイガイド55の規制壁55c上面側へと延出されている。したがって、苗トレイTを載置板72の後端側からトレイ縦送り方向A前方へと移動させて苗載せ台70に供給すると、左右方向外方側に倒れた苗の葉部Sがガイド部57bによってトレイガイド55の規制壁55c上面側へと案内されることとなり、倒れた苗の葉部Sが規制壁55cと苗トレイTの上壁Taとの間に挟まれることがないようになっている。
【0041】また、苗ガイド57のトレイ縦送り方向前部57cは、ガイド部57bの前端から左右方向外方に折曲されてトレイガイド55の左右方向内方の側壁55aを貫通し、その後、端部が左右方向内方を向くように湾曲状に折曲し、端部をトレイガイド55の左右方向内方の側壁55aに接当させており、これにより、苗ガイド57の左右方向内方への移動規制がなされている。また、トレイガイド55の規制壁55cの後端部には、苗ガイド57が接当する立上り壁58が設けられ、この立上り壁58により、苗ガイド57の左右方向外方への移動規制がなされている。
【0042】また、図1、図10及び図11に示すように、載置板72はトレイ縦送り方向A中途部において、前部側に比べ後部側の傾斜が緩やかとなるように所定角度θ屈曲されており、この屈曲部分に苗トレイTの補給時期を知らせる検出器59が設けられている。この検出器59は載置板72の下面側に設けられ、載置板72には、検出器59の接触子59aが出退自在な開口部60が形成されている。この検出器59の接触子59aはその中途部が開口部60から突出するようにバネで付勢されており、該接触子59aが苗トレイTのポット部Pの底部によって押圧されて開口部60から退出することにより、検出器59は苗トレイTの存在を検出する。
【0043】そして、苗トレイTが検出器59上を通過すると、最後部のポット部Pが接触子59aから離反し、接触子59aが載置面72a側に突出して、苗トレイTの通過を検出する。なお、検出器59が苗トレイTの通過を検出すると、その検出信号によって、ブザー、ランプ等からなる報知手段が作動され、苗トレイTを補給しなければならないことを作業者に報らせる。このときに苗トレイTを補給すると、載置板72は屈曲されているので、先行の苗トレイTの上壁Ta後縁部の下側に、後行の苗トレイTの上壁Taの前縁部が入り込む。
【0044】これは、図12に示すように、苗トレイT同志をトレイ縦送り方向Aでつき合わせると、先行の苗トレイTの最後部のポット部Pと、後行の苗トレイTの最前部のポット部Pとの中心間の距離L1が、苗トレイTの縦送り方向Aのポット部Pの中心間の距離L2よりも大となり、縦送りピン45がポット部P間に良好に係合しないこととなるので、先行の苗トレイTの上壁Ta後縁部と、後行の苗トレイTの上壁Taの前縁部とをラップさせるようにしているのである。苗トレイTの、苗が取り出された後の部分は、駆動スプロケット42に沿って載置板72の下面側へと折り返されるようになっており、図13に示すように、苗載せ台70の下部には、板材を縦送り駆動軸40の軸心を中心とする円弧状に形成して、苗トレイTを駆動スプロケット42に沿うように案内するガイド部材61が、左右両端側及び中央部に取付固定されている。
【0045】このガイド部材61は苗トレイTの最前部のポット部Pが苗取出位置に位置するときにおいて苗トレイTの上壁Ta前端側縁部とラップしていて、苗取出時の苗トレイTの載置板72からの浮き上がりを防止するように構成されている。また、苗トレイTは、載置板72の下面側へと折り返された後は、ガイド部材62によりトレイ縦送り方向A後部側へとガイドされるように構成されている。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、多数のポット部Pを縦横に配設してなる苗トレイTを載置して支持する載置板72を備え、前記苗トレイTの側方に、ポット部P間に係合する縦送りピン45を長さ方向に所定間隔をおいて備えると共にトレイ縦送り方向Aに移動することで苗トレイTを載置板72の上面に沿ってトレイ縦送り方向Aに移送する縦送りチェーン44を備え、この縦送りチェーン44はトレイ縦送り方向A一対のスプロケット42,43に掛装され、トレイ縦送り方向A後方側のスプロケット43のトレイ縦送り方向A前方側にチェーンガイド52を備え、縦送りチェーン44をこのチェーンガイド52の下側を通すことにより、縦送りチェーン44がトレイ縦送り方向Aに向かうにしたがって載置板72の下面側から上面側へと移動する際に、載置板72の上面側において縦送りピン45がポット部P間に係合するように構成したので、トレイTをトレイ縦送り方向後方からスライドさせて載置板上に供給するようにしても、縦送りピン45はポット部P間に良好に係合する。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年1月26日(2000.1.26)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2001−204206(P2001−204206A)
【公開日】 平成13年7月31日(2001.7.31)
【出願番号】 特願2000−17414(P2000−17414)