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【発明の名称】 移植機の車輪跡消し装置
【発明者】 【氏名】石飛 芳夫

【要約】 【課題】走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御する移植機において、上記検知フロートの前方に車輪跡等があっても、別のフロートから延設した車輪跡消し体で田面を均してから検知フロートが通過するようにして、検知フロートが不必要に上下動することなく、円滑に作業機の昇降制御を行うことができるようにする。

【解決手段】上記検知フロート17aを、走行機体の車輪3後方に設けると共に、該検知フロート17aの前面には、検知フロート17aの外側にある別のフロートから車輪跡消し体23を延設した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御する移植機において、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設けると共に、該検知フロートの前面には、検知フロートとは別のフロートから車輪跡消し体を延設したことを特徴とする移植機の車輪跡消し装置。
【請求項2】走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御する移植機において、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設け、かつ検知フロートの前面には、検知フロートの外側にあるサイドフロートから車輪跡消し体を延設すると共に、上記検知フロートを、後輪の内側に取付けた補助車輪の後方位置に配置したことを特徴とする移植機の車輪跡消し装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御するようにした移植機における車輪跡消し装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、走行機体の後方に植付作業機を連結した乗用田植機のような移植機には、田面の凹凸を感知する検知フロートにより、植付作業機を自動昇降制御して苗の植付け深さを一定に保持できるようにしたものが知られている。
【0003】ところが従来の移植機では、後輪の内側に補助車輪を取付けると、機体の走行に伴って田面に大きな車輪跡ができるので、田面を滑走する検知フロートが車輪跡の凹凸を感知して不必要に上下動し、これに連繋して作業機を昇降さるため、苗の植付け深さが不均一になって植付け性能が低下するという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解決すべく創作されたものであって、機体の走行に伴って田面に大きな車輪跡等ができても、車輪跡等の凹凸を均してから、検知フロートが通るようにして、検知フロートが不必要に上下動することなく苗の植付け深さを一定に保持できる移植機における車輪跡消し装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御する移植機において、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設けると共に、該検知フロートの前面には、検知フロートとは別のフロートから車輪跡消し体を延設したことを特徴とし、また、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設け、かつ検知フロートの前面には、検知フロートの外側にあるサイドフロートから車輪跡消し体を延設すると共に、上記検知フロートを、後輪の内側に取付けた補助車輪の後方位置に配置したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添付した一実施例の図面に基いて詳細に説明する。まず図1において、1は移植機として例示した乗用田植機の走行機体であって、前輪2および後輪3を備えた機体フレーム4の前部に、エンジン部5が搭載され、その後方に運転席6が配設されている。7は操向ハンドル、8は補助苗載台である。そして機体フレーム4の後部には植付作業機9がリンク機構10を介して昇降制御自在に連結されている。
【0007】11は上記植付作業機9の植付部フレームであって、該植付部フレーム11は左右方向の角パイプで形成されており、植付部フレーム11の下面側には、後方に延出する複数のプランタケース12が並設固定されている。そしてプランタケース12の後端に設けた回転軸13に、植付け作動するプランタ14が軸着されている。
【0008】また、プランタケース12の前部にはプランタ駆動シャフト15が配設され、このプランタ駆動シャフト15からの動力がプランタケース12に内装した伝動機構を介して回転軸13に伝達されて、回転する回転軸13によってプランタ14が植付け作動するようになっている。上記プランタ駆動シャフト15にはエンジン部5からの動力が中間軸、伝動ケース等を経て伝達される。
【0009】プランタケース12の上方には、往復横送りされる苗載台16が前高後低状に配設されており、プランタケース12の下方には、田面を滑走するフロート部17が上下動可能に装着されている。18は苗載台16の裏面側に設けた苗縦送り装置であり、19は苗載台16の下端に臨んで配設された苗を受止めるエプロンである。
【0010】上記フロート部17は、図2〜図3で示すように、センタフロート17a、17aとサイドフロート17b、17bとを、所定間隔を存して左右に並設した4フロート型となっている。上記センタフロート17aおよびサイドフロート17bは、何れも先端部が幅広の均平面となり、その後方側が幅狭の滑走面となった平面視でT型状に形成されていて、前記植付部フレーム11の前方からプランタケース12の後端にかけて延設されている。そして各フロートの後部両側に前記プランタ14がそれぞれ苗を植付ける8条植えの移植機となっている。
【0011】20は各フロート17a、17bの後部をプランタケース12の下面に支持する揺動リンクであり、21a、21bは、それぞれセンタフロート17aおよびサイドフロート17bの前部側を上下動自在に吊持する支持体である。また22はフロート部17全体を上下動させる植付深さ調節レバーである。
【0012】上記センタフロート17aは植付作業機9を昇降制御する自動制御機構の検知フロートとして作用するものであって、その先端側を自動制御機構に連動機構を介して連動連結することにより、田面を滑走するセンタフロート17aが田面の凹凸を感知して上下動すると、これに連繋して自動制御機構が植付作業機9を昇降させて苗の植付け深さを一定に保持するようになっている。
【0013】そして上記検知フロート(センタフロート17a)の前面には、車輪跡消し体23が検知フロートとは別のフロートから延設されている。すなわちセンタフロート17aの外側にあるサイドフロート17bの前端部には、センタフロート17aの前面に向けて延出した連結部材24が固定され、この連結部材24の先端に車輪跡消し体23が取付けられている。車輪跡消し体23は、櫛型の板状に形成されていて、田面にある車輪跡等をこの櫛型部分で泥を寄せながら均すようになっている。
【0014】また、25は後輪3の内側に取付ける補助車輪であって、この補助車輪25の後方位置に上記検知フロート(センタフロート17a)が配置されている。 26はセンタフロート17a、17aを互いに連結する連結ロッドである。
【0015】上記のように構成したので、移植作業を行うに当り、機体を走行させれば、車輪の後方に設けた田面を滑走する検知フロート(センタフロート17a)が田面の凹凸を感知し、これに連繋して自動制御機構が植付作業機9を昇降制御するので、苗の植付け深さを一定に保持することができる。
【0016】そして、田面に車輪跡等があっても、検知フロート(センタフロート17a)の前面には、車輪跡消し体23が別のフロートから延設されているので、この車輪跡消し体23で車輪跡等を均してから検知フロートが通過する。このため検知フロートが不必要に上下動することはなく、検知フロートに連繋して植付作業機9の昇降制御を円滑に行うことができる。
【0017】また、上記車輪跡消し体23を、センタフロート17aの外側にあるサイドフロート17bから延出したものでは、後輪3の内側に補助車輪25を取付ても、補助車輪25の後方位置に検知フロート(センタフロート17a)が配置してあるので、補助車輪25の車輪跡を車輪跡消し体23で均したあとを、T型状の検知フロート(センタフロート17a)が通過するので、補助車輪25が植付作業機9の昇降制御に悪影響を及ぼすことはなく、しかもT型状のフロートで一層均平化された田面に苗を植付けることができる。
【0018】なお、プランタケース12の下方には、T型状のフロート17a、17bが並設されており、さらに、これらのフロート17a、17bが植付部フレーム11の前方からプランタケース12の後端にかけて延設されているので、植付部フレーム11あるいはプランタケース12に車輪跡消し体23を取付るのは困難であるが、本発明では、特にセンタフロート17aの外側にあるサイドフロート17bに連結部材24を固定し、この連結部材24の先端に車輪跡消し体23が取付けるようにしたので、他の部材に妨げられることなく容易に車輪跡消し体23を取付ることができる。
【0019】しかもサイドフロート17bから延設した車輪跡消し体23は、フロート部17と一体に上下動するので、植付深さ調節レバー22によりフロート部17を上下動させて植付深さを変更しても、別途車輪跡消し体23の作用高さを調節する必要はない。
【0020】
【発明の効果】これを要するに本発明は、走行機体の後方に連結した作業機を、田面の凹凸を感知する検知フロートに連繋して昇降制御する移植機において、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設けると共に、該検知フロートの前面には、検知フロートとは別のフロートから車輪跡消し体を延設し、また、上記検知フロートを、走行機体の車輪後方に設け、かつ検知フロートの前面には、検知フロートの外側にあるサイドフロートから車輪跡消し体を延設すると共に、上記検知フロートを、後輪の内側に取付けた補助車輪の後方位置に配置したことから、車輪後方に設けた検知フロートは、田面に車輪跡等があっても、別のフロートから延設した車輪跡消し体が田面を均してから通過するので、検知フロートが不必要に上下動することはなく、円滑に作業機の昇降制御を行うことができる。
【0021】また、車輪跡消し体をサイドフロートから延設したものでは、田面に後輪の内側に取付けた補助車輪の車輪跡がついても、補助車輪の後方位置に配置した検知フロートは、車輪跡消し体が補助車輪の車輪跡を均してから通過するので、補助車輪が作業機の昇降制御に悪影響を与えることはない。
【0022】そして、検知フロートの前面に設けた車輪跡消し体は、検知フロートの外側にあるサイドフロートから延設すればよいので、フロートの配列等を変更することなく取付ることができて、組立作業の容易化を図ることができる。
【0023】また、サイドフロートから延設した車輪跡消し体は、サイドフロートと一体に上下動するので、フロート部を上下動させて植付深さを変更しても、別途車輪跡消し体を調節する必要はない。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年1月19日(2000.1.19)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−197811(P2001−197811A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−9886(P2000−9886)