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【発明の名称】 田植機用の苗供給装置
【発明者】 【氏名】折本 正樹

【氏名】越智 竜児

【氏名】寺本 長治

【氏名】久木田 徹

【氏名】中尾 康也

【氏名】大利 公彦

【氏名】村田 充

【氏名】斎藤 成徳

【氏名】高橋 亘

【要約】 【課題】主枠の剛性を高めながら組付け作業性を高めることができ、かつ、使い勝手のよい実用性に優れた田植機用の苗供給装置を提供する。

【解決手段】主枠10の内部に、苗Fを前後方向に縦列状に載置収容する複数段の苗ラック20をそれぞれ昇降可能に配備し、最上段の苗ラック20を昇降駆動機構30によって昇降するとともに、最上段以外の苗ラック20を最上段の苗ラック20に順次吊り下げ支持し、最上段の苗ラック20を昇降させることで各段の苗ラック20を、主枠10の後端下部に形成した出入り口11の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成し、主枠10を、下枠12、上枠13、四隅の主柱14、前後複数本の左右の中間支柱15,16、などの枠部材を溶接連結して中空構造に構成するとともに、左右一側の中間支柱15のみを下枠12と上枠13にわたって脱着可能に連結してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運搬車両の荷台に搭載可能な主枠の内部に、苗を前後方向に縦列状に載置収容する複数段の苗ラックをそれぞれ昇降可能に配備し、最上段の苗ラックを昇降駆動機構によって昇降するとともに、最上段以外の苗ラックを最上段の苗ラックに順次吊り下げ支持し、最上段の苗ラックを昇降させることで各段の苗ラックを、主枠の後端下部に形成した出入り口の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成した田植機用の苗供給装置であって、前記主枠を、下枠、上枠、四隅の主柱、前後複数本の左右の中間支柱、などの枠部材を溶接連結して中空構造に構成するるとともに、左右一側の中間支柱のみが下枠と上枠にわたって脱着可能に連結してあることを特徴とする田植機用の苗供給装置。
【請求項2】 前記中間支柱を、前記苗ラックの昇降用のガイド部材にしてある請求項1記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項3】 運搬車両の荷台に搭載可能な主枠の内部に、苗を前後方向に縦列状に載置収容する複数段の苗ラックをそれぞれ昇降可能に配備し、最上段の苗ラックを昇降駆動機構によって昇降するとともに、最上段以外の苗ラックを最上段の苗ラックに順次吊り下げ支持し、最上段の苗ラックを昇降させることで各段の苗ラックを、主枠の後端下部に形成した出入り口の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成した田植機用の苗供給装置であって、前記主枠の後端部に、前記出入り口から搬出されてきた苗を受け取る複数種の払出し機構に対する共通の連結部材を設けてあることを特徴とする田植機用の苗供給装置。
【請求項4】 前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた横向き姿勢の苗を載置して横方向に転動移送する横払出し機構を装着し、この横払出し機構を、前記出入り口に臨む主苗受け台と、この主苗受け台の左右一端に片持ち状に連結される延長苗受け台とで構成し、主苗受け台および延長苗受け台を、枠材を溶接連結して中抜き矩形枠状に構成するとともに、横転動移送用の遊転ローラ群を装備した構造にしてある請求項3記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項5】 隣接する前記遊転ローラの間隔を、載置される苗の横幅の半分より小さいものに設定してある請求項4記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項6】 前記延長苗受け台を前記主苗受け台に沿った姿勢に折畳み可能に構成してある請求項4または5に記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項7】 前記横払出し機構を、その前端側を支点にして上方に起立格納可能に構成してある4〜6のいずれか一項に記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項8】 前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた苗を地上に向けて案内搬送する路上払出し機構を装着し、この路上払出し機構を、出入り口から搬出されてきた苗を載置する苗受け台と、該苗受け台上の苗を地上に摺動案内する案内シュートとで構成するとともに、この案内シュートの苗受け台に対する位置を左右に選択可能に構成してある請求項3記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項9】 前記案内シュートを、前記苗受け台を囲むように前記主枠に連結した門形アームに支持し、苗受け台を残したままで、案内シュートを門形アームと共に、前記出入り口の上方に起立格納可能に構成してある請求項8記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項10】 前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた苗を地上に向けて案内搬送する連続路上払出し機構を装着し、この路上払出し機構を、出入り口から搬出されてきた苗を載置して後方に強制搬送する中継搬送台と、該中継搬送台と地上とに亘って斜めに配置される案内搬送手段とで構成してある請求項3記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項11】 前記中継搬送台に、前記出入り口から左右独立して搬出されてきた2列の苗のそれぞれに独立して作用する強制搬送手段を備えてある請求項10記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項12】 前記中継搬送台に備えた強制搬送手段を、駆動される搬送ローラを備えたローラ式搬送機構で構成するとともに、このローラ式搬送機構の搬送面の延長に対して、斜めに配置された前記案内搬送手段の搬送面前端を低く設定してある請求項10または11に記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項13】 前記強制搬送手段を、苗の到着によって搬送停止する単発払出し状態と、苗の到着にかかわらず連続して搬送作動する連続払出し状態とに切換え選択可能に構成してある請求項10〜12のいずれか一項に記載の田植機用の苗供給装置。
【請求項14】 前記案内搬送手段を、前記中継搬送台を囲むように前記主枠に連結した門形アームに支持し、中継搬送台を残したままで、案内搬送手段を門形アームと共に、前記出入り口の上方に起立格納可能に構成してある請求項10〜13のいずれか一項に記載の田植機用の苗供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機用の苗を農道から圃場内の田植機に供給したり、農道の苗補給個所に苗を置いて行く場合などに使用する苗供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機用の苗供給装置としては、例えば特開平11−289872号公報に開示されているように、軽トラック等の運搬車両の荷台に搭載される主枠の内部に、苗を前後方向に縦列状に載置収容する昇降可能な複数段の苗ラックを配備して、多数の苗収容を行うよう構成し、苗ラック群における最上段の苗ラックを、昇降駆動機構によって昇降される可動枠に吊り下げ連結するとともに、上下に隣接する苗ラック同士をチェーンリンクによって順次吊り下げ支持し、可動枠によって最上段の苗ラックを昇降させることで、各段の苗ラックを、主枠の後端下部に形成した出入り口の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の苗供給装置は、多くの苗を整列して積込み収容して運搬し、かつ、能率よく搬出することができる利点を有するものであるが、実用面においては改良の余地があった。
【0004】つまり、上記装置における主枠は枠材を組み合わせ連結した大きい中空空の枠体に構成されるものであり、このような構造体は、ボルト連結構造あるいは溶接構造によって組上げるのが一般的である。しかし、ボルト連結構造の場合、使用しているうちに、連結部に弛みやガタつきが発生しやすく、主枠全体が歪んだり変形して、内装した苗ラックの昇降が円滑に行われなくなるおそれが高いものとなる。また、溶接構造の場合は、主枠全体の剛性を高めることができ、弛みやガタつきによる上記不具合は発生しにくいものとなるが、その反面、組み上がった主枠の内部に各種の装置や機構を組付ける作業が行いにくくなることが予想され、主枠の剛性を高めながら組付け作業性を高めることができるようにすることが、この種の装置を実用化する上では重要な事項となる。
【0005】また、従来の苗供給装置では、主枠から搬出された苗を路上に並べ置く形態に、苗払出し形態が限られたものであるために、利用者の要望に十分応えられないものであった。
【0006】本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、主枠の剛性を高めながら組付け作業性を高めることができ、かつ、使い勝手のよい実用性に優れた田植機用の苗供給装置を提供することを主たる目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0008】(構成) 請求項1に係る発明の田植機用の苗供給装置は、運搬車両の荷台に搭載可能な主枠の内部に、苗を前後方向に縦列状に載置収容する複数段の苗ラックをそれぞれ昇降可能に配備し、最上段の苗ラックを昇降駆動機構によって昇降するとともに、最上段以外の苗ラックを最上段の苗ラックに順次吊り下げ支持し、最上段の苗ラックを昇降させることで各段の苗ラックを、主枠の後端下部に形成した出入り口の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成した田植機用の苗供給装置であって、前記主枠を、下枠、上枠、四隅の主柱、前後複数本の左右の中間支柱、などの枠部材を溶接連結して中空構造に構成するるとともに、左右一側の中間支柱のみを下枠と上枠にわたって脱着可能に連結してあることを特徴とする。
【0009】(作用) 上記構成によると、脱着可能な中間支柱以外の枠材を溶接により連結して、横一側面のみが大きく開口された中空枠状の主枠を構成し、この大きい開口部から内装機構の構成部材を持ち込んで組付けることができる。その後、開口において、下枠と上枠にわたって中間支柱をボルト締め等によって取り付けることで、所要機構を内装した主枠が組み上がる。
【0010】(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、大部分を溶接構造にして剛性を高めることができるとともに、組付け作業性を損なわない主枠を構成することができ、この種装置の実用性を高めることが可能となった。
【0011】〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕
【0012】(構成) 請求項2に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項1の発明において、前記中間支柱を、前記苗ラックの昇降用のガイド部材にしてある。
【0013】(作用・効果) 上記構成によると、中間支柱が主枠の構成部材であるとともに、苗ラックの昇降用ガイド部材に兼用できるので、専用のガイド部材を不要にして安価に主枠を構成でき、コスト低減を図る上で有効となる。請求項1の発明の上記効果を助長する。
【0014】〔請求項3に係る発明の構成、作用および効果〕
【0015】(構成) 請求項3に係る発明の田植機用の苗供給装置は、運搬車両の荷台に搭載可能な主枠の内部に、苗を前後方向に縦列状に載置収容する複数段の苗ラックをそれぞれ昇降可能に配備し、最上段の苗ラックを昇降駆動機構によって昇降するとともに、最上段以外の苗ラックを最上段の苗ラックに順次吊り下げ支持し、最上段の苗ラックを昇降させることで各段の苗ラックを、主枠の後端下部に形成した出入り口の高さ位置に1段づつ順次移動させてゆくよう構成した田植機用の苗供給装置であって、前記主枠の後端部に、前記出入り口から搬出されてきた苗を受け取る複数種の払出し機構に対する共通の連結部材を設けてあることを特徴とする。
【0016】(作用) 上記構成によると、主枠に備えた連結部材に、各種の払出し機構、例えば、搬出されてきた苗を圃場の田植機に向けて横送りして供給する横払出し機構や、搬出されてきた苗を路上に並べ置いてゆく路上払出し機構、などを選択して装着することで、各種の形態での苗供給を行うことができる。
【0017】(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、利用者の望む形態での払出しによる苗供給を行うことができるようになり、使い勝手のよい状態で苗供給装置を利用できるようになった。
【0018】〔請求項4に係る発明の構成、作用および効果〕
【0019】(構成) 請求項4に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項3記載の発明において、前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた横向き姿勢の苗を載置して横方向に転動移送する横払出し機構を装着し、この横払出し機構を、前記出入り口に臨む主苗受け台と、この主苗受け台の左右一端に片持ち状に連結される延長苗受け台とで構成し、主苗受け台および延長苗受け台を、枠材を溶接連結して中抜き矩形枠状に構成するとともに、横転動移送用の遊転ローラ群を装備した構造にしてある。
【0020】(作用) 上記構成によると、出入り口から搬出されてきた横向き姿勢の苗は主苗受け台上に載置され、育苗箱にに入ったままの苗、あるいは、育苗箱から取り出した状態の苗を、圃場に向けて片持ち状に延出された延長苗受け台上に送り出して、圃場内の田植機に供給する作業を行うことができる。
【0021】ここで、主苗受け台および延長苗受け台は、枠材を溶接連結して中抜き矩形枠状に構成されているので剛性が高く、苗重量によって大きく撓んだり変形したりすることがなく、延長苗受け台の先端位置、つまり、苗供給先の位置が安定する。また、主苗受け台および延長苗受け台には遊転ローラ群が備えられているので、苗の横送りを少ない労力で円滑軽快に行うことができる。
【0022】(効果) 従って、請求項4に係る発明によると、農道から圃場内の田植機への直接の苗供給を能率よく軽快に行うことができる。
【0023】〔請求項5に係る発明の構成、作用および効果〕
【0024】(構成) 請求項5に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項4の発明において、隣接する前記遊転ローラの間隔を、載置される苗の横幅の半分より小さいものに設定してある。
【0025】(作用・効果) 上記構成によると、横向きに置かれた苗は常に2本以上の遊転ローラの上に載置されることになり、横方向への転動移動を安定して行うことができる。
【0026】〔請求項6に係る発明の構成、作用および効果〕
【0027】(構成) 請求項6に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項4または5の発明において、前記延長苗受け台を前記主苗受け台に沿った姿勢に折畳み可能に構成してある。
【0028】(作用) 上記構成によると、苗払出し作業時には延長苗受け台を主苗受け台の一端に連結して、片持ち状に延長させて使用するが、育苗ハウス内での苗の積込み時や運搬走行時、等においては、延長苗受け台を主苗受け台に沿った邪魔にならない姿勢に折り畳むことができる。
【0029】(効果) 従って、請求項6に係る発明によると、長い延長苗受け台を用いた苗払出しによって、圃場内の田植機への苗供給を好適に行うことができるとともに、苗払出し作業以外の時には、嵩低くコンパクトに折り畳んで積込み作業や運搬走行をも良好に行うことができ、実用上の利便性が高いものとなる。
【0030】〔請求項7に係る発明の構成、作用および効果〕
【0031】(構成) 請求項7に係る発明の田植機用の苗供給装置は、4〜6のいずれか一項の発明において、前記横払出し機構を、その前端側を支点にして上方に起立格納可能に構成してある。
【0032】(作用・効果) 上記構成によると、出入り口の下側外方に配備される横払出し機構を起立格納すると、この横払出し機構は出入り口を塞ぐことになり、苗を積み込んで運搬走行する場合に、主枠内に収容された苗が、走行振動などによって出入り口から脱落することが防止されることになり、専用のゲートを開閉可能に装備するような必要がなくなり、構造の簡素化および部品点数の節減に有効となる。
【0033】〔請求項8に係る発明の構成、作用および効果〕
【0034】(構成) 請求項8に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項3記載の発明において、前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた苗を地上に向けて案内搬送する路上払出し機構を装着し、この路上払出し機構を、出入り口から搬出されてきた苗を載置する苗受け台と、該苗受け台上の苗を地上に摺動案内する案内シュートとで構成するとともに、この案内シュートの苗受け台に対する位置を左右に選択可能に構成してある。
【0035】(作用) 上記構成によると、出入り口から搬出されてきた苗は一旦苗受け台上に載置され、この苗を手作業で案内シュートに導くことで、列状に摺動案内して路上に並べ置くことができる。そして、案内シュートを左右いずれかに片寄せることで、路面の左または右の路肩近くに並べ置くことができる。
【0036】(効果) 従って、請求項8に係る発明によると、運搬してきた苗を圃場横の路面の路肩近くに所定枚数づつ並べ置いてゆく苗供給作業を能率よく行うことができる。
【0037】〔請求項9に係る発明の構成、作用および効果〕
【0038】(構成) 請求項9に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項8の発明において、前記案内シュートを、前記苗受け台を囲むように前記主枠に連結した門形アームに支持し、苗受け台を残したままで、案内シュートを門形アームと共に、前記出入り口の上方に起立格納可能に構成してある。
【0039】(作用 効果) 上記構成によると、苗受け台を苗載置姿勢に残したまま、案内シュートを門形アームと共に出入り口の上方に起立格納することで、苗受け台の後方全体を大きくあけることができ、案内シュートを取り外さなくても、苗受け台の後方に立って苗積込み作業を容易に行うことができ、実用上の利便性が高いものとなる。
【0040】〔請求項10に係る発明の構成、作用および効果〕
【0041】(構成) 請求項10に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項3記載の発明において、前記連結部材に、前記払出し機構として、前記出入り口から搬出されてきた苗を地上に向けて案内搬送する連続路上払出し機構を装着し、この路上払出し機構を、出入り口から搬出されてきた苗を載置して後方に強制搬送する中継搬送台と、該中継搬送台と地上とに亘って斜めに配置される案内搬送手段とで構成してある。
【0042】(作用) 上記構成によると、出入り口から搬出されてきた苗は一旦苗中継搬送台上に載置された後、引き続き後方方に強制搬送されて、案内搬送手段の前端に導かれる。案内搬送手段に導かれた苗は、列状に案内されて路面上に並べ置かれてゆく。
【0043】(効果) 従って、請求項10に係る発明によると、路面へ苗を列状に並べ置いてゆく作業を、人手をかけることなく能率よく行うことができ、例えば、運搬車両を運転走行しながら苗を並べ置いて行くような作業も容易に行うことができ、多量の苗を短時間に払い出して次の苗運搬を行うような場合、などに特に有効に利用できる。
【0044】〔請求項11に係る発明の構成、作用および効果〕
【0045】(構成) 請求項11に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項10の発明において、前記中継搬送台に、前記出入り口から左右独立して搬出されてきた2列の苗のそれぞれに独立して作用する強制搬送手段を備えてある。
【0046】(作用) 上記構成によると、主枠の出入り口から左右同時に苗が搬出されてこなくても、中継搬送台上に送り出された左右の苗は、左右の強制搬送手段によって停滞なく速やかに後方に搬送されて、案内搬送手段の前端に導かれる。
【0047】(効果) 従って、請求項11に係る発明によると、左右の苗搬送の時間待ちのない速やかな搬送が行われることになって、払出し作業を効率良く短時間で行うことができる。
【0048】〔請求項12に係る発明の構成、作用および効果〕
【0049】(構成) 請求項12に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項10または11の発明において、前記中継搬送台に備えた強制搬送手段を、駆動される搬送ローラを備えたローラ式搬送機構で構成するとともに、このローラ式搬送機構の搬送面の延長に対して、斜めに配置された前記案内搬送手段の搬送面前端を低く設定してある。
【0050】(作用 効果) 上記構成によると、中継搬送台上に搬出されてローラ式搬送機構で後方に搬送される苗は、案内搬送手段の搬送面前端に引っかかるようなことなく円滑に案内されることになり、搬送面前端での苗詰まりなどが発生することなく、路面に向けての案内搬送を円滑良好に行うことができる。
【0051】〔請求項13に係る発明の構成、作用および効果〕
【0052】(構成) 請求項13に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項10〜12のいずれか一項の発明において、前記強制搬送手段を、苗の到着によって搬送停止する単発払出し状態と、苗の到着にかかわらず連続して搬送作動する連続払出し状態とに切換え選択可能に構成してある。
【0053】(作用) 上記構成によると、圃場の田植機が苗補給に立ち寄る個所ごとに、補給に必要な枚数の苗を並べ置いて行くような場合には、単発払出し状態にセットし、また、とりあえず運搬した苗を路面に並べおいてゆくような場合には、連続払出し状態に切換える。
【0054】(効果) 従って、請求項13に係る発明によると、2種類の払出し形態を選択して路上払出し作業を行うことができ、汎用性が高まって一層使い勝手の良いものとなる。
【0055】〔請求項14に係る発明の構成、作用および効果〕
【0056】(構成) 請求項14に係る発明の田植機用の苗供給装置は、請求項10〜13のいずれか一項の発明において、前記案内搬送手段を、前記中継搬送台を囲むように前記主枠に連結した門形アームに支持し、中継搬送台を残したままで、案内搬送手段を門形アームと共に、前記出入り口の上方に起立格納可能に構成してある。
【0057】(作用 効果) 上記構成によると、中継搬送台を苗載置姿勢に残したまま、案内搬送手段を門形アームと共に出入り口の上方に起立格納することで、中継搬送台の後方全体を大きくあけることができ、案内搬送手段を取り外さなくても、中継搬送台の後方に立って苗積込み作業を容易に行うことができ、実用上の利便性が高いものとなる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本発明に係る苗供給装置は、運搬車両の一例である軽トラックTの荷台tdに搭載され、育苗センターなどの苗供給元と圃場との間を行き来して、圃場の田植機への苗補給を行うものであり、基本的には、多数の苗Fを積載収容する装置本体Aと、その後部から収容した苗Fを取り出すための払出し機構Bとを備えている。
【0059】図2〜図10に示すように、装置本体Aは、中空枠組み構造の主枠10と、この主枠1の内部において昇降可能に配備された上下5段の苗載置用の苗ラック20と、これら苗ラック20を昇降する昇降駆動機構30と、主枠10の下部後端に形成された苗出入口11から苗ラック20に苗Fを前後水平方向に搬入および搬出する苗搬出入機構50とを備えている。なお、前記苗Fは育苗箱fcに収容された状態で取り扱われる。
【0060】前記主枠10は、下枠12、上枠13、四隅の主柱14、前後一対づつの左右の中間支柱15,16、などの枠部材を溶接連結して剛性の高い中空構造に構成されるとともに、左側の中間支柱15のみが下枠12と上枠13にわたって脱着可能にボルト連結された構造となっており、中間支柱15を外して主枠10の左側面を大きく開放することで、内部構造の組み立て作業を容易に行うことができるようなっている。
【0061】前記苗ラック20は、断面形状L形の部材からなる左右の側枠21と背中合わせの中仕切り枠22を前後において横枠23で連結して、前後に長い空間を左右に有する中抜き枠状に構成されたものであって、側枠21と中仕切り枠22の間に苗Fを横長姿勢で前後方向に6枚づつ、左右2列に並べて載置可能となっている。つまり、1段の苗ラック20に12枚の苗を収容することができ、5段の苗ラック20を備えたこの装置では、最大60枚の苗Fを収容して運搬できるように構成されている。なお、苗ラック20の前端側の横枠23にはストッパ片23aが立設されており、最前端の苗Fが順次後方から送り込まれてくる後続の苗Fによって押されて横枠23を乗り越えることが防止されている。また、側枠21および中仕切り枠22の出入り口側の端縁は外広がり形状に形成され、苗Fが円滑に積込み挿入されるようになっている。
【0062】5段の苗ラック20のそれぞれは、左右端の前後、および、左右中間部位の前後の6個所において、吊り下げ部材としての屈伸自在なチェーンリンク24を介して互いに連結支持されており、最上段の苗ラック20を持ち上げることで、以下の各段の苗ラック20が上段のものから順に、一定の上下ピッチをもって吊り上げ上昇されるとともに、最上段の苗ラック20を下限まで降ろすことで、5段の苗ラック20全体が、前記苗出入口11より下側において主枠10の底部に積み重ね格納されるようになっている。
【0063】図15,図16に示すように、前記チェーンリンク24は、鉛直に伸びきらない状態で、屈折点の延長部に設けた切起し片24aに相手リンクの一部が接当して、伸展限界が規制されるようになっており、これによって伸展したチェーンリンク24が再び屈折される際に反転してしまうことが未然に回避され、常に円滑に屈伸するようになっている。また、前方側のチェーンリンク24と苗ラック20の左右側辺21との連結点にはローラ25が装備され、このローラ25群を前側の中間支柱15,16に形成された縦溝に係合案内させることで、苗ラック20の前後方向での位置決めがなされている。
【0064】図11,図12に示すように、前記昇降駆動機構30は、最上段の苗ラック20から延出された6本のワイヤwを、上枠13の上部に横架された前後一対の回転軸31によって巻き上げ巻き降ろすよう構成されされたものであり、六角軸からなる各回転軸31は、支持枠32に装着した減速機付き電動モータからなるリフトモータM1 に2組のチェーン33,34を介して減速連動されている。ここで、ワイヤwは、最上段の苗ラック20の左右の側枠21、および、中仕切り枠22における前後2個所からそれぞれ延出されており、これら6本のワイヤwによって前後および左右にバランスよく苗ラック20が吊り下げ支持されている。
【0065】図13,図14に示すように、各ワイヤwの上端には連結ピン35が固着されるとともに、各回転軸31の左右両端近くと中央部位にはドラム36が外嵌装着されており、このドラム36にフランジ状に溶接固定した一対の連結金具37に、前記連結ピン35が脱着自在に係止連結されている。ここで、前記連結金具37は、ワイヤwと苗ラック20との連結点よりも横方向に偏位して設けられ、これによってワイヤwが乱れることなく巻き上げられるとともに、最上段の苗ラック20が上限にまで巻き上げ上昇された時に、各ワイヤwが鉛直姿勢になるよう設定されている。
【0066】各回転軸31の右側外端部に固着されたスプロケット38には、回転軸31と一体に回転する回転アーム39が、回転方向での位相が調節可能にボルト連結されるとともに、支持枠32における各回転軸31の後方個所には、支点aを中心に前後揺動可能かつバネ40によって前方に揺動付勢された位置決めアーム41が装着されている。回転アーム39の遊端にはローラ42が備えられるとともに、位置決めアーム41の側縁には前記ローラ42を係入するV形の凹部43が形成され、回転軸31が1回転するごとに位置決めアーム41が凹部43を介してローラ42に係合するようになている。
【0067】ここで、回転軸31が1回転することによって巻き上げあるいは巻き下げられる苗ラック20の昇降量が、チェーンリンク23が伸展した状態における各苗ラック20の上下ピッチと同一となるように前記ドラム36の径が設定されている。また、前記回転アーム39に位置決めアーム41が係合した位置が苗ラック停止位置となっており、位置決めローラ42と凹部43との係合作用による回転抵抗が、ウオーム減速機を介してのリフトモータM1 の逆駆動阻止作用を補って、吊り下げ荷重によって回転軸31が所定の停止位相から外れるのを阻止している。
【0068】図5、図7に示すように、前記苗搬出入機構50は主枠10内の下部に左右2組配備されており、各苗搬出入機構50が、苗ラック20内の左右に形成された前後に長い矩形空間に収まるように構成されている。そして、各苗搬出入機構50は、左右の支持枠51に左右水平に支架された前側の駆動軸52と後側の従動軸53、これら両軸52,53にわたって前後水平に巻き掛け配備された左右一対づつの搬送ベル54、駆動軸52を正逆転駆動する減速機付きの電動モータからなる左右の搬出入モータM2 、各搬送ベルト54を下方から案内するガイドローラ55群、等で構成されるとともに、主枠10後端の苗出入口11側に位置する従動軸53は、搬送ベルト54の上側搬送面より少し上方に突出する外径を有するとともに外周面に滑り止めの凹凸溝が形成されたゴムローラ56が取り付けられている。また、苗出入口11の下側には、各苗搬出入機構50の後端部に臨んで幅広の遊転ローラ57が配備されている。
【0069】図4に示すように、前記主枠10の後端に形成された苗出入口11の上方には横枠17が横架溶接され、この横枠17に支持台18を介して操作ボックス1が脱着可能に差込み装着されるとともに、押しボタン式の非常停止スイッチ2が固定配備されている。この操作ボックス1には、図18に示すように、電源スイッチ3、積込みモードと排出モードとを選択する3位置切換え型の作業モード選択スイッチ4、強制1段上昇スイッチ5、および、モニター用ランプ6が備えられており、支持台18に差し込み装着して機体後方から操作する状態と、支持台18から抜き出してトラックTの運転部に持ち込み、車体を操縦しながら操作する状態とに使い分けることができるようになっている。なお、前記操作ボックス1に磁石を取付けておくことで、主枠10の任意の位置に配置して使用することができる。前記モニターランプ6は、正常であれば連続点灯し、異常およびエラーが発生すると異なった周期で点滅するようになっている。
【0070】主枠10の各部には、以下に説明するように、制御用の各種検出手段が備えられて、主枠10の右側上部に設けたマイコン利用のコントローラ60に接続されている。
【0071】図7中に示すように、主枠10の前奥部における上下個所には、最上段の苗ラック20の最上昇位置および最下降位置を規制するための上限スイッチSw1 と下限スイッチSw2 とが配備されている。各スイッチSw1 ,Sw2 には、揺動式の感知レバー61,62が備えられており、最上段の苗ラック20の前端の外面に突設した操作片20aが感知レバー61,62を接当押圧すると、昇降駆動機構30のリフトモータM1 が停止制御されるようになっている。
【0072】また、図2中に示すように、主枠10の上部の前後には、最上段の苗ラック20が上限位置を越えてオーバーランした際にこれを検知してリフトモータM1 による上昇駆動を停止する安全スイッチSw3 が配備されている。
【0073】図11中に示すように、各昇降駆動機構30における位置決めアーム41には、凹部43に係入したローラ42によって押圧操作される位置決めスイッチSw4 が設けられており、この位置決めスイッチSw4 の検出が苗ラック20の1段送り情報に利用されるようになっている。
【0074】図13,図14中に示すように、前記ドラム36の下側近傍には、ワイヤwがドラム36の前側から巻き掛けられる通常時には検知作用せず、ワイヤwがドラム36の後側から巻き掛けられる状態になったことを検知するスイッチSw5 と感知レバー63が配備されている。最上段の苗ラック20が下限にまで下降された時、下限スイッチSw2 が正常に検知作動してリフトモータM1 が停止すれば、ワイヤwはドラム36の前側に巻き掛けられた状態にあるが、下限スイッチSw2 の故障等によってリフトモータM1 が停止せず、さらに巻き降ろし方向(図14において時計方向)にオーバーランしたような場合、ワイヤwがドラム36の後側から巻き掛けられる方向に移動することになり、この時、後方に移動するワイヤwが感知レバー63を押圧操作することになり、これをスイッチSw5 で検出してリフトモータM1 を停止し、最上段の苗ラック20が下限にまで下降された後、勝手に巻上げ上昇されてしまうような現象が発生することが防止されている。
【0075】図4,図5に示すように、苗出入口11の下側に配備された前記遊転ローラ57の支軸57aは、外端側の支点bを中心に上下揺動可能に支持されるとともに、図17に示すように、支軸57aの遊端側を支承した軸受けブラケット58は一定小範囲で上下揺動可能に支持され、かつ、バネ59によって上方に付勢されており、図17(イ)に示すように、ローラ上に苗Fが載置されない状態では支軸57aはローラ遊端側が少し上方に突出した傾斜姿勢にあり、図17(ロ)に示すように、ローラ上に苗Fが載置されるとバネ59に抗して下降されて、ローラ全体が水平姿勢となるようになっている。そして、左右の各遊転ローラ57の遊端側には、該遊転ローラ57の下降変位を検出する積込みスイッチSw6 とその感知レバー64が配備されており、この積込みスイッチSw6 の苗検出作動に基づいて前記苗搬出入機構50が積込み起動されるようになっている。
【0076】図5に示すように、前記苗搬出入機構50の支持枠51には、前後方向の6箇所には、積み込まれた6枚の苗Fのそれぞれの存否を検出するスイッチSw7 とその感知レバー65が配備されている。これらスイッチSw7 群のうち、最前端のSw7 とその後方に隣接するスイッチSw7 との間隔が苗Fの前後幅よりも小さく、かつ、それより後側(出入り口11側)でのスイッチSw7 間の間隔が苗Fの前後幅よりも大きく設定されている。これによって、6枚の苗Fが積み込まれた状態でのみ6個のスイッチSw7 が全て苗存在を検出することになり、6枚に満たない苗Fが積み込まれた状態で6個のスイッチSw7 が全て苗存在を検出しまう現象が発生することが未然に回避されている。
【0077】この苗搬送装置における装置本体Aの構造は以上のようであり、その主枠10後端部に突設した連結部材19に、以下に示す3種の払出し機構B1 ,B2 ,B3 を選択して装着することで、「横払出し形態」、「路上払出し形態」、および、「連続路上払出し形態」のいずれかの作業形態の払出し部を構成することができるようになっている。
【0078】「横払出し形態」
【0079】この払出し形態は、図24に示すように、装置本体Aに収容した苗Fを取り出して、圃場の田植機Pに直接手渡す場合に利用されるものであって、払出し機構Bとして、図19〜図23に示す横払出し機構B1 が利用される。この横払出し機構B1 は、図21に示すように、前記苗出入口11の外側下方に配備される横長の主苗受け台71と、これの横一端に連結される延長苗受け台72とで構成されている。図22に示すように、主苗受け台71自体は、前後の横枠71a,71bの両端と中間部位を連結枠71cで溶接結合して剛性の高い中抜き格子状に構成したものであり、左右両端の前部に備えた縦長の支点部材71dが、主枠10の連結部材19に支点c周りに上下揺動可能にピン連結されるとともに、支点部材71dが主柱14に受け止め支持されて、主苗受け台71が後向き水平に片持ち支持されるようになっている。
【0080】また、主苗受け台71における前後の横枠71a,71bに亘って複数本の遊転ローラ73が架設されるとともに、隣接する遊転ローラ73の間隔は、苗Fの左右長さの2分の1より少し小さい寸法に設定されており、この主苗受け台71に横向き姿勢で載置された苗Fが、常に2本以上の遊転ローラ73上に安定よく載置支持されて横方向に転動できるようになっている。
【0081】支点cより上方部位ではブラケット74が主柱14にボルト連結されており、このブラケット74に、左右一対のロック用フック75が、支点d周りに上下揺動可能、かつ、バネ76によって下向きロック方向に揺動付勢されて装着されており、主苗受け台71が支点c周りに上方に揺動されると、主苗受け台71の左右に設けたピン71eにロック用フック75が係合して、図23に示すように、主苗受け台71を略鉛直に起立した格納姿勢に係合ロックするよう構成されている。なお、格納姿勢の主苗受け台71は、苗出入口11を塞ぐことになり、主枠10内に収容した苗Fが、運搬走行中の振動などによって苗出入口11から脱落することが阻止される。また、前記ロックの解除は、ロック解除レバー75aをバネ76に抗して上方に揺動操作すればよい。
【0082】また、主苗受け台71における後の横枠71bには予備苗受け枠77が装備されている。この予備苗受け枠77は、横枠71bに支点e周りに左右揺動可能に装着された棒材からなる4本の苗受けアーム77aと、各苗受けアーム77aの遊端同士に亘って枢着された横アーム77bとによって平行四連リンク状に組上げられており、全体が後方に突出した使用姿勢と、横枠71bに沿って折込まれた格納姿勢とに切換え揺動可能に構成されている。そして、この予備苗受け枠77の苗受けアーム77aは、前記主苗受け台71の苗載置レベルよりも少し高い位置に配備されており、育苗箱fcに入った苗Fをすくい板によってすくい出す際に育苗箱fcを動かないように支えるために、図21中の仮想線で示すように、育苗箱fcを少し傾けてその端部を苗受けアーム77aに係止させることができるようになっている。なお、各苗受けアーム77aの支点eには適度の回動摩擦抵抗が付与されており、上記使用姿勢と格納姿勢はその回動摩擦抵抗によって安定保持されるようになっている。
【0083】図22中に示すように、主苗受け台71には、苗Fの存在を検出して前記苗搬出入機構50の搬出作動を停止するための4本の検出アーム78が備えられている。各検出アーム78は、左右の連結枠71cに亘って支架された支軸78aに一体連設されるとともに、バネ79によって苗載置レベルより突出するよう回動付勢されている。そして、主苗受け台71に載置された苗Fによっていずれかの検出アーム78が押し下げ回動されると、左右方向中間部位に配備された感知レバー80を介して払出しスイッチSw8 が押圧操作され、苗Fの存在が検出されるようになっている。
【0084】図21中に示すように、前記延長苗受け台72も、前記主苗受け台71と同様に、前後の横枠72a,72bの両端と中間部位を連結枠72cで溶接結合して剛性の高い中抜き格子状に構成され、前後の横枠72a,72bに亘って複数本の遊転ローラ81が架設されるとともに、隣接する遊転ローラ81の間隔は、苗Fの長さの2分の1より少し小さい寸法に設定されている。そして、延長苗受け台72の一端に設けた連結片72dが、主苗受け台71の左右両端に備えられた連結片71fの一方に支点f周りに上下回動可能に連結されている。また、この延長苗受け台72は、その左右中間部位に設けられたピン72eと主枠10の主柱14に設けられたピン82とに亘って張設した吊下げケーブル83によって水平に支架されており、ケーブル中間のネジ伸縮部84を伸縮調節することによって延長苗受け台72の支持角度を多少調節することができるようになっている。さらに、延長苗受け台72の支点fと反対側の端部には、延長苗受け台72上に送り出された苗Fを受け止めて、受け台端部から脱落するのを阻止するアーチ形の苗ストッパ85が設けられている。
【0085】この延長苗受け台72は、前記吊下げケーブル83との連結を外すことで、図22(ロ)に示すように、主苗受け台71の裏側に沿った姿勢に折込み格納可能であり、延長苗受け台72の遊端部に回動可能、かつ、ねじりネ86でロック方向に回動付勢して備えたロック用フック87を、主苗受け台71の端部に備えた係止金具88に弾性係合させることで、上記折込み格納姿勢にロックすることができるようになっている。
【0086】「路上払出し形態」
【0087】この払出し形態は、図32に示すように、装置本体Aに収容した苗Fを取り出して、主として農道に並べ置いてゆく場合に利用されるものであって、払出し機構Bとして、図25〜図31に示す路上払出し機構B2 が利用される。この路上払出し機構B2 は、図26に示すように、主枠10の苗出入口11から搬出されてきた苗Fを受止める横長の苗受け台91と、苗受け台91上の苗Fを地上に向けて摺動案内するよう傾斜配備される1列分の案内シュート92とで構成されている。
【0088】ここで用いる苗受け台91は、基本的には前記横払出し機構B1 における主苗受け台71と同仕様となっており、図27に示すように、前後の横枠91a,91bの両端と中間部位を連結枠91cで溶接結合して剛性の高い中抜き格子状に構成されるとともに、前後の横枠91a,91bに亘って複数本の遊転ローラ93が架設されている。そして、左右両端の前部に備えた縦長の支点部材91dが、主枠10の後端左右に設けた連結部材19に支点g周りに上下揺動可能にピン連結されるとともに、支点部材91dが主柱14に受け止め支持されて、苗受け台91が後向き水平に片持ち支持されるようになっている。
【0089】この苗受け台91にも、苗Fの存在状態を検出して前記苗搬出入機構50の搬出作動を停止するための4本の検出アーム94が備えられている。各検出アーム94は、左右の連結枠91cに亘って支架された支軸94aに一体連設されるとともに、バネ95によって苗載置レベルより突出するよう回動付勢されている。そして、苗受け台91に載置された苗Fによっていずれかの検出アーム94が押し下げ回動されると、左右方向中間部位に配備された感知レバー96を介して払出しスイッチSw9 が押圧操作され、苗Fの存在が検出されるようになっている。
【0090】また、支点gより上方部位ではブラケット97が主柱14にボルト連結されており、このブラケット97に、左右一対のロック用フック98が、支点h周りに上下揺動可能、かつ、バネ99によって下向きロック方向に揺動付勢されて装着されており、苗受け台91が支点g周りに上方に揺動されると、苗受け台91の左右に設けたピン91eに前記ロック用フック98が係合して、苗受け台91を略鉛直に起立した格納姿勢に係合ロックするよう構成されている。なお、この場合も、格納姿勢の苗受け台91が苗出入口11を塞ぎ、主枠10内に収容した苗Fが運搬走行中の振動などによって苗出入口11から脱落するのを阻止する。また、支軸98aの中央部位設けたロック解除レバー98aを操作することで、苗受け台91の格納ロックを解除することができる。
【0091】苗受け台91の外側には、案内シュート支持用の門形アーム100が、苗受け台91の支点gを共通支点にして上下に回動可能に配備されている。この門形アーム100は、下方に回動されると、苗受け台91の後端に備えられたフック状の受け具101に受止め支持されて、門形アーム100後端の横軸部100aが苗受け台91の後端後方に位置保持される。また、前記ブラケット97の上部には、左右一対のロック用フック102が、支点i周りに上下回動可能、かつバネ103によってロック方向に回動付勢されて装着着されており、図30,図31中に示すように、門形アーム100が上方に大きく回動されると、その横軸部100aにロック用フック102が自動的に係合されて、門形アーム100が振上げ格納姿勢にロックされるようになっている。なお、各ロック用フック102に備えた解除レバー102aを操作することで、門形アーム100の格納ロックを解除することができる。
【0092】前記案内シュート92の前端は、前記門形アーム100における横軸部100aに支点j周りに上下回動可能に連結されており、左側あるいは右側に寄った位置にセットすることで、農道における苗放置位置を左右に選択することができるようになっている。図28に示すように、この案内シュート92は、苗Fを横長姿勢で受け止めて地上に向けて摺動案内するよう、断面形状L形のレール部材92dの一対を平行に対向させて連結したものであり、折り畳み可能な3分割構造に構成されている。つまり、この案内シュート92は、門形アーム100に連結される第1シュート部分92Aと、これの後端に支点k周りに下方に折込み回動可能に枢支連結された第2シュート部分92Bと、その後端に支点l周りに上方に折込み回動可能に枢支連結された第3シュート部分92Cとからなり、第1シュート部分92Aと第2シュート部分92Bとは、伸展状態において、レール部材同士の付き合わせ接当によって直線状に維持されるとともに、第2シュート部分92Bと第3シュート部分92Cとは、第3シュート部分92Cに備えたフック104を第2シュート部分92Bのピン105に掛け止めることで直線伸展状態に維持されるようになっている。また、第3シュート部分92Cの後端裏面側には接地追従用の転輪106が備えられるとともに、案内下降してきた苗Fを円滑に地上に案内するために左右一対のレール棒107が装備されている。
【0093】そして、折畳まれた案内シュート92は、図30,図31中に示すように、格納ロックされた門形アーム100に対してさらに上方に振上げられ、主枠10から延出されたゴムバンド8の先端を第3シュート部分92Cに設けたピン108に引っ掛けることで、案内レール92を振上げ格納位置に固定することができるように構成されている。なお、折畳まれ起立格納された案内シュート92の最上端の地上高さは、育苗ハウスにおける出入り口の間口高さより低いもの(例えば約1.9m程度)に設定してあり、苗搬送装置を軽トラックTに積載したままで育苗ハウスに出入りできるものとなっている。
【0094】「連続路上払出し形態」
【0095】この払出し形態は、図41に示すように、装置本体Aに収容した苗Fを取り出して、主として農道に並べ置いてゆく場合に利用されるものであって、払出し機構Bとして、図33〜図40に示す連続路上払出し機構B3 が利用される。この連続路上払出し機構B3 は、図33,34に示すように、前記苗出入口11から搬出されてきた2列の苗Fをさらに後方に送り出す駆動型の中継搬送台111と、この中継搬送台111から送り出された2列の苗Fを地上に向けて摺動案内するよう傾斜配備される幅広案内シュート112とで構成されている。
【0096】図35に示すように、前記中継搬送台111は、角パイプからなる前後の横枠111a,111bの両端と中間部位を連結枠111cで溶接結合して剛性の高い中抜き格子状に構成されており、左右両端の前部に備えた縦長の支点部材111dが、主枠10の後端左右に設けた連結部材19に支点m周りに上下揺動可能にピン連結されるとともに、この支持部材111dが主柱14に受け止め支持されて、中継搬送台111が後向き水平に片持ち支持されるようになっている。
【0097】中継搬送台111の内部には、左右2組のローラ式搬送機構113が装備されている。このローラ式搬送機構113は、横向きに支承した前後一対の回転軸114,115のそれぞれに、外周に滑り止め用の凹凸を備えたゴム製の搬送ローラ116を左右に備え、前側の回転軸114を連結枠111cに装備した減速機構付きの電動モータからなる払出しモータM3 で駆動するとともに、両回転軸114,115をチェーン117で巻き掛け連動して構成されており、板金製の連結枠111cがチェーン駆動部のカバーに兼用されている。
【0098】図36,図37に示すように、左右のローラ式搬送機構113における後側の回転軸115の内側端は、共通の軸受けブラケット118に支承されている。この軸受けブラケット118は、図38に示すように、支点n周りに上下揺動可能に中間の連結枠111cに支持されるとともに、バネ119によって上方に揺動付勢されており、苗Fがローラ上に載置されない状態では、図37および図38(イ)に示すように、左右の後側回転軸115は、その付き合わせ内端部側が外端部側よりも上高い傾斜姿勢となっている。
【0099】また、前記軸受けブラケット118の下側には、苗存否検出用の払出しスイッチSw10とその感知レバー120が支持金具121を介して配備されており、図38(ロ)に示すように、苗Fが後側のローラ上に在ると、回転軸115の内側端が軸受けブラケット118と共にバネ119に抗して下降し、これに伴って軸受けブラケット118が感知レバー120を押し下げ揺動し、払出しスイッチSw10が操作されて苗Fの存在が検出されるようになっている。なお、軸受けブラケット118は連結枠111cに備えられたストッパ122に接当して、その下降限界が規制されており、この下降限界において前後の搬送ローラ116の高さが略同一になる。
【0100】ここで、払出しスイッチSw10と感知レバー120をそなえた前記支持金具121は、軸受けブラケット118の支点nと同心で揺動可能に支持されており、ノブ付きボルト123を弛めて支持金具121を上下に揺動した後、ノブ付きボルト123を締め込むことで支持金具121を苗存否検出作用位置、または、下方に後退させた検出回避位置のいずれかに選択してセット固定することができるように構成されている。つまり、図38(イ)に示すように、支持金具121を持ち上げて苗存否検出作用位置にセット固定すると、上記のように、後側の回転軸115は外側の軸受け部位を中心にして上下に揺動可能な状態となって、苗Fの存否を検出できる状態にあり、また、図38(ハ)に示すように、支持金具121を下方の検出回避位置に後退してセット固定すると、支持金具121に備えた接当ボルト124が軸受けブラケット118の支点nより前側(図では右側)個所を突き上げ操作し、これによって軸受けブラケット118は下降揺動され、後側の回転軸115は下降姿勢に維持される。この時、感知レバー120は下方に後退しているので、下降された軸受けブラケット118によって押し下げ操作されることはない。つまり、支持金具121を下方にセットすると苗Fの存否を検出できない状態となるのである。
【0101】また、支点mより上方部位ではブラケット128が主柱14にボルト連結されており、このブラケット128に、左右一対のロック用フック129が、支点o周りに上下揺動可能、かつ、バネ130によって下向きロック方向に揺動付勢されて装着されており、中継搬送台111が支点m周りに上方に揺動されると、中継搬送台111の左右に設けたピン131に前記ロック用フック129が係合して、図40中に示すように、中継搬送台111を略鉛直に起立した格納姿勢に係合ロックするよう構成されている。なお、この場合も、格納姿勢の中継搬送台111が苗出入口11を塞ぎ、主枠10内に収容した苗Fが運搬走行中の振動などによって苗出入口11から脱落するのを阻止する。また、ロック解除レバー129aを操作することで、中継搬送台111の格納ロックを解除することができる。
【0102】中継搬送台111の外側には、案内シュート支持用の門形アーム132が、中継搬送台111の支点mを共通支点にして上下に回動可能に配備されている。この門形アーム132は、下方に回動されると、中継搬送台111の後端に備えられたフック状の受け具133に受止め支持されて、門形アーム132後端の横軸部132aが中継搬送台111の後端後方に位置保持される。また、前記ブラケット128の上部には、左右一対のロック用フック134が、支点p周りに上下回動可能、かつバネ135によってロック方向に回動付勢されて装着着されており、門形アーム132が上方に大きく回動されると、その横軸部132aにロック用フック134が自動的に係合されて、図39,図40中に示すように、門形アーム132が振上げ格納姿勢にロックされるようになっている。なお、各ロック用フック134に備えた操作レバー134aを操作することで、門形アーム132の格納ロックを解除することができる。
【0103】図33,図34に示すように、前記幅広案内シュート112は、断面形状L形の4本のレール部材112dを一対づつ平行に対向させて連結して、横長姿勢の2列の苗Fを摺動案内するよう構成したものであり、案内シュート112前端が、前記門形アーム132における横軸部132aの全長に亘って支点q周りに上下回動可能に連結されるとともに、折り畳み可能な3分割構造に構成されている。つまり、この案内シュート112は、門形アーム132に連結される第1シュート部分112Aと、これの後端に支点r周りに下方に折込み回動可能に枢支連結された第2シュート部分112Bと、その後端に支点s周りに上方に折込み回動可能に枢支連結された第3シュート部分112Cとからなり、第1シュート部分112Aと第2シュート部分112Bとは、伸展状態において、レール部材同士の付き合わせ接当によって直線状に維持されるとともに、第2シュート部分112Bと第3シュート部分112Cとは、第3シュート部分112Cに備えたフック136を第2シュート部分112Bのピン137に掛け止めることで直線伸展状態に維持されるようになっている。また、第3シュート部分112Cの後端裏面側には接地追従用の転輪138が備えられるとともに、案内下降してきた苗Fを円滑に地上に案内するために左右一対のレール棒139が装備されている。
【0104】そして、折畳まれた幅広案内シュート112は、図39,図40中に示すように、格納ロックされた門形アーム132に対してさらに上方に振上げられ、主枠10から延出されたゴムバンド8の先端を第3シュート部分112Cに設けたピン140に引っ掛けることで、案内シュート112を振上げ格納位置に固定することができるように構成されている。なお、この形態においても、折畳まれ起立格納された案内シュート112の最上端の地上高さは、トラックに積載したままで育苗ハウスに出入りできる高さに設定されている。なお、幅広案内シュート112自体に、折り畳んだ状態を維持するロック手段を備えておくことで、格納操作する場合に、折り畳んだシュート部分が広がらなくて、取り扱いが容易となる。
【0105】また、図33、および、図35中の仮想線に示すように、中継搬送機構台111の支点mの直上方における左右および中央部位には、苗出入口11から送り出されてきた2列の苗Fのそれぞれを左右から摺接案内して、案内シュート112の前端に引っ掛けることなく左右の流下経路に導く3本の苗ガイド141が支点tを中心に上下揺動可能に装備されている。これら苗ガイド141は、案内シュート112および門形アーム132の起立格納に伴って自動的に起立されるようになっている。つまり、左右の苗ガイド141には、門形アーム132の上下揺動軌跡に干渉する接当ピン142が備えられており、門形アーム132が起立格納されると、これに追従して振り上げ格納される。また、中央の苗ガイド141の先端には線材からなる接当材143が延出されており、案内シュート112が起立格納されると、接当材143が背中合わせに配置された中央のレール部材112dに接当して、振り上げ格納されるようになっているのである。
【0106】なお、前記横払出し機構B1 、路上払出し機構B2 、および、連続路上払出し機構B3 は共通の連結部材19にピン連結してあるだけであるので、必要に応じて脱着および交換することができる。ただし、払出し機構Bを交換する場合、各払出し機構B1 ,B2 ,B3 によって格納仕様が多少異なるので、ブラケット74,97,128も交換する必要がある。また、この苗供給装置は、軽トラックTのバッテリBTを電源として作動するものであり、図24,図32,図41中に示すように、機体の左右いずれにバッテリBTが配備されていても最短距離で配線接続できるように、前記コントローラ60から導出された電源コードは、装置本体Aにおける下部の左右中央部位にまで延出されて一旦主枠10に係止支持され、それからさらに延長した電源コードbcが左右いずれかに在るバッテリBTに接続されるようになっている。
【0107】本発明に係る苗供給装置は以上のような構造を備えるとともに、図42に示すように、各種の操作スイッチ、検出手段、および、モータ類が制御用のコントローラ60に接続されており、次に、その制御作動について説明する。
【0108】図43に、制御作動の基本ルーチンが示されている。先ず、操作ボックス1の電源スイッチ3を入れると、初期設定がなされるとともに、モータ出力が全てオフとなり、モニター用ランプ6が連続点灯する(#01 )。次に、作業モード選択スイッチ4および強制1段上昇スイッチ5がオフにあるかどうかが判断され(#02 )、要件が満たされれば次に作業モードの設定状態が判断される(#03 ,#04,#05 )。ここで、作業モード選択スイッチ4で「積込みモード」が設定されれば積込み制御が実行され(#05 )、作業モード選択スイッチ4で「払出しモード」が設定されれば払出し制御が実行される(#06 )。また、強制1段上昇スイッチ5がオン操作されて「強制1段上昇モード」が設定され、かつ、出入り口11に苗Fが存在しないことが積込みスイッチSw6 で検出されれば、強制1段上昇制御が実行される(#08 )。また、作業モード設定が全く行われないことが判別されるとモータ出力オフとなり(#09 )、次の設定変更を待機する。
【0109】[積込み作業]
【0110】「積込みモード」を設定して苗Fの積込み作業を行う場合、上記した「横払出し形態」では、延長受け台72を裏面側に折込み保持した主苗受け台71を後方へ倒し出した状態にし、また、上記した「路上払出し形態」では、図30に示すように、苗受け台91を後方へ倒し出した状態にし、また、上記した「連続路上払出し形態」では、図39に示すように、中継搬送台111のみを後方へ倒し出した状態にして、主枠10後端の出入り口11を開放する。
【0111】図44に、「積込みモード」の制御ルーチンが示されている。この作業モードが実行されると、先ず、装置本体Aにおける苗積込み状況が判断され(#11 )、最上段の苗ラック20が上限に在り、かつ、最下段の苗ラック20に6枚の苗Fが積込まれていることがスイッチSw7 群によって検出されれば、積込み完了状態と判断してモータ停止モードとなり、制御は終了する(#12 ,#13 )。
【0112】ステップ(#11 )において積込みが完了していないことが判断されると、苗ラック20が出入り口11に対する正規の積込み高さに在るかどうかが位置決めスイッチSw4 からの情報によって判断され(#14 )、正規の積込み高さになければリフトモータM1が正転駆動されて、苗ラック20が正規の積込み高さにまで上昇される(#15 )。
【0113】次に、出入り口11に臨むラック20に6枚の苗Fが積込まれているかどうかがスイッチSw7 群からの情報によって判断され(#16 )、全部のスイッチSw7 がオンしていれば1段分の積込みが完了していると判断され、いずれかのスイッチSw7 がオフであれば積込みが未完了と判断される。
【0114】積込みが未完了と判断された状態では、開放した出入り口11の左右個所に苗Fを任意に挿入して左右の遊転ローラ57上に載せると、これが左右の積込みスイッチSw6 によって別々に検出され、苗挿入が検出された側の苗搬出入機構50の搬出入モータM2 が正転され、積込みスイッチSw6 がオフとなるまで送り込みが続行され、苗Fは規定位置まで送り込まれる(#17 〜#22 )。
【0115】ステップ(#16 )において1段分の積込みが完了していることが判断されると、左右の搬出入モータM2 が設定小時間だけさらに念押しの送り込み作動が行われて6枚の苗Fが隙間なく縦列状に並べられる(#23 )。その後、苗ラック20が上限にないことが判断されるとともに(#24 )、積込みスイッチSw6 が苗Fを検出していないことを確認した後、リフトモータM1 が正転されて苗ラック20が上昇され、1段の上昇が位置決めスイッチSw4 で検出されるとリフトモータM1 が停止される(#24 〜#28 )。
【0116】上記作動が、積込み完了状態が判断されるまで、1段づつ順次行われて積込み制御が終了する。
【0117】[払出し作業]
【0118】「払出しモード」を設定して苗Fの払出し作業を行う場合、上記した「横払出し形態」では、図24に示すように、主苗受け台71を後方へ倒し出すとともに延長苗受け台72を田植機Pがいる横一側方に張り出した状態にし、また、上記した「路上払出し形態」では、図32に示すように、苗受け台91を後方へ倒し出すとともに案内シュート92を左寄りあるいは右よりにセットした状態にし、また、上記した「連続路上払出し形態」では、図41に示すように、中継搬送台111を後方へ倒し出すとともに幅広案内シュート112をセットした状態にする。
【0119】図45に、「払出しモード」の制御ルーチンが示されている。この作業モードが実行されると、先ず、装置本体Aにおける苗払出し状況が判断され(#31 )、最上段の苗ラック20が下限位置に在り、かつ、スイッチSw7 群が全てオフであることが検出されると、苗Fが全く存在しない払出し完了状態と判断してモータ停止モードとなり、制御は終了する(#32 ,#33 )。
【0120】ステップ(#31 )において払出しが完了していないことが判断されると、苗ラック20が出入り口11に対する正規の払出し高さに在るかどうかが位置決めスイッチSw4 からの情報によって判断され(#34 )、正規の払出し高さになければリフトモータM1が作動駆動されて、苗ラック20が正規の払出し高さにまで上昇される(#35 )。
【0121】次に、出入り口11に臨むラック20に6枚の苗WPが全部払い出されているかどうかがスイッチSw7 群からの情報によって判断され(#36 )、全部のスイッチSw7 がオフしていれば1段分の払出しが完了していると判断され、いずれかのスイッチSw7 がオンであれば払出しが未完了と判断される。
【0122】払出しが未完了と判断されると、主苗受け台71、あるいは、苗受け台91、もしくは、中継搬送台111の上に苗Fが存在していうかどうかが、払出しスイッチSw8 、あるいは払出しスイッチSw9 、もしくは払出しスイッチSw10によって確認され(#37 )、苗Fが存在していないことが判別されると、搬出入モータM2 を逆転作動させて苗Fを出入り口11に向けて送り出してゆく(#38 )。
【0123】ここで、横払出し形態が利用されている場合は、送り出された苗Fが主苗受け台71上に到ると払出しスイッチSw8 が苗Fを検出して搬出入モータM2 による送り出しが停止することになり(#39 )、作業者が主苗受け台71上の苗F(育苗箱fcごと、あるいは、すくい板ですくい出した苗)を延長苗受け台72上に手動で送り出して、圃場の田植機Pに供給する。そして、主苗受け台71上の左右に苗Fがなくなると、上記のように後続の苗Pが送り出されてくる。
【0124】また、路上払出し形態が利用されている場合は、送り出された苗Fが苗受け台91上に到ると払出しスイッチSw9 が苗Fを検出して搬出入モータM2 による送り出しが停止することになり(#39 )、作業者が苗受け台91上の苗Fを手動で案内シュート92に送り出して、路上に向けて案内供給してゆく。そして、苗受け台91上の左右に苗Fがなくなると、上記のように後続の苗Pが送り出されてくる。
【0125】また、連続路上横払出し形態が利用されている場合は、二種類の払出しを行うことができる。つまり、中継搬送台111におけるローラ式搬送機構113に備えた払出しスイッチSw10を、上述したように苗Fの存否を検出できる状態にセットしておくと、搬出入モータM2 と払出しモータM3 は搬出司令によって同調して送り出し作動し、送り出された苗Fが中継搬送台111上に到ると払出しスイッチSw10が苗Fを検出して搬出入モータM2 および払出しモータM3 による送り出しが停止することになり(#39 )、作業者は中継搬送台111上の苗Fを所望枚数だけ取り出して幅広案内シュート112に送り込んだり、直接に圃場の田植機Pに供給することができる(単発取り出し)。また、ローラ式搬送機構113に備えた払出しスイッチSw10を、上述したように苗Fの存否を検出できない状態にセットしておくと、中継搬送台111上に苗Fが送り込まれても搬出入モータM2 および払出しモータM3 の停止制御が行われず、苗ラック20の苗Fは連続して送り出されて自動的に幅広案内シュート112に送り込まれる。
【0126】そして、横払出し形態および路上払出し形態においては、ステップ(#36 )において1段分の払出しが完了していることが判断されると、苗ラック20が下上限にないことが判断されるとともに(#41 )、積込みスイッチSw6 が苗Fを検出していないことを確認した後、リフトモータM1 が逆転されて苗ラック20が下降され、1段の下降が位置決めスイッチSw4 で検出されるとリフトモータM1 が停止される(#42 〜#45 )。
【0127】また、連続路上払出し形態においては、ステップ(#36 )において1段分の払出しが完了していることが判断されると、払出しモータM3 が設定小時間だけさらに念押しの送り出し作動が行われて中継搬送台111上に全く苗Fが存在しない状態をもたらされ(#40 )、その後、苗ラック20が下上限にないことが判断されるとともに(#41 )、積込みスイッチSw6 が苗Fを検出していないことを確認した後、リフトモータM1 が逆転されて苗ラック20が下降され、1段の下降が位置決めスイッチSw4 で検出されるとリフトモータM1 が停止される(#42 〜#45 )。
【0128】上記作動が、払出しみ完了状態が判断されるまで、1段づつ順次行われて払出し制御が終了する。
【0129】[強制1段上昇]
【0130】図46に、「強制1段上昇モード」の制御ルーチンが示されている。この作業モードは、メンテナンス作業のために苗ラック20を移動させたい場合や、苗積込み作業途中で、苗Fの種類の変更、等に対応して意識的に苗ラック20を1段上昇させたい場合、等に利用されるものであり、強制1段上昇スイッチ5が1回押し操作されると、先ず、最上段の苗ラック20が上限に在るかどうかが判断され、上限に在ることが上限スイッチSw1 によて検出されると、モータ停止モードとなって制御は終了する(#51 〜#53 )。
【0131】最上段の苗ラック20が上限にないことが検出されると、次に、苗ラック20が出入り口11に対する正規の高さに在るかどうかが、位置決めスイッチSw4からの情報によって判断され(#54 )、正規の高さになければリフトモータM1が正転駆動されて、苗ラック20が正規の高さにまで上昇される(#55 )。苗ラック20が正規の高さに在ると、積込みスイッチSwが苗Fを検出していないことを確認した後、リフトモータM1 が正転されて苗ラック20が上昇され(#56〜#59 )、1段の上昇が位置決めスイッチSw4 で検出されるとリフトモータM1 が停止され(#56 ,#52 ,#53 )、これによって1回の強制1段上昇制御が終了する。そして、以上の作動が強制1段上昇スイッチ5が押し操作されるたびに実行される。
【0132】なお、本発明においては、以下に示すフェールセーフ機能が備えられている。
【0133】[誤作動防止機能]
(1)電源スイッチ3が入れられる前に作業モード選択スイッチ4を積込みモードあるいは払い出しモードに設定操作しても、動作に入らない。
(2)積込み作動あるいは払出し作動中に強制1段上昇スイッチ5を操作しても強制上昇モードに入らない。
(3)強制1段上昇作動中に作業モード選択スイッチ4を積込みモードあるいは払い出しモードに設定操作しても、積込み動作または払い出し動作に入らない。
(4)積込みスイッチ6 が苗Fを検出している時は、強制1段上昇スイッチ5を操作しても強制上昇モードに入らない。
【0134】[安全対策機能]
(1)苗Fが全数(60枚)積み込まれた状態では、再度、作業モード選択スイッチ4を積込みモードに操作しても動作しない。
(2)苗Fが苗ラック20の1列に6枚積み込まれると、積込みスイッチSw6 が苗Fを検出してもモータ停止状態を維持する。
(3)苗ラック20を上昇される前、1段の苗ラック20に12枚の苗Fが積み込まれると、再度、搬出入モータM2 により押し込みを行う。1列に6枚の苗Fが積み込まれると、再度、搬出入モータM2 により押し込みを行う。
(4)苗Fが1枚も収容されておらず、最上段の苗ラック20が下限にまで下降している場合は、再度、作業モード選択スイッチ4を払い出しモードに設定操作しても、払い出し動作に入らない。
(5)苗Fが全く収容されていなくても、一定短時間だけ苗送り出し動作を1回だけ行って、苗Fの有無を確認する。
(6)苗ラック20が正規の高さにないときは、動作を行う前に正規の高さにまで上昇させる。
(7)苗ラック20の昇降中に積込みスイッチSw6 、あるいは、払出しスイッチSw8 ,Sw9 ,Sw10が操作されると、ラック昇降作動が停止する。
(8)苗ラック20が上限および下限を越えてオーバーランするのを阻止するための安全スイッチSw3 を設ける。
(9)上限スイッチSw1 あるいは下限スイッチSw2 が操作された後、設定時間経過してもリフトモータM1 が作動している時は、モータ駆動を強制停止する。
(10)前後の位置決めスイッチSw4 のうち、一方がオンしてから設定時間以内に他方がオンしなければ、そのとき動作していたリフトモータM1 を逆駆動させて、苗ラック20を水平に戻す。
(11)苗ラック20の上昇および下降作動後地に、位置決めスイッチSw4の状態を検出して、故障の有無を確認する。
【0135】[修正機能]
(1)異常時に苗ラック20の位置を修正したい時、修正モードに入り、コントローラ60に備えたスイッチを用いてラック位置修正を行う。
(2)異常時の状態を認識し、上方側あるいは下方側に修正するかを判別する。
(3)強制1段上昇スイッチ5の押し操作した時間だけリフトモータM1 を駆動させる。
(4)作業モード選択スイッチ4における積込みモード設定と、払出しモード設定とのオン・オフで2個の搬出入モータM2 の駆動の組み合わせが決まる。
(5)正常位置に修正が終わると、修正モードが終了する。
(6)電源スイッチ3のオン操作と同時に強制1段上昇スイッチ5を設定時間以上押すか、異常時に強制1段上昇スイッチ5を設定時間以上押すかで修正モードに入ることができる。
【0136】なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0137】■ 上記実施形態では、路上払出し機構B2 における案内搬送手段としての案内シュート92と、連続路上払出し機構B3 における案内搬送手段としての幅広案内シュート112を、それぞれ自重滑落によって苗Fを地上に案内供給するよう構成した例を示したが、夫々にベルト式あるいはローラ式の正逆転駆動可能な搬送機構を装備して、強制的に路上に向けて案内搬送するように構成することもできる。このようにすると、露地の苗Fを積み込む場合に、露地から取り上げた苗Fを装置本体Aの積み込み個所にまで運び上げなくても、搬送機構を備えた案内シュート92あるいは幅広案内シュート112の下端に苗Fを載置供給して装置本体Aの積み込み個所にまで揚送することができ、積込み作業の労力軽減に有効となる。
【0138】■ 中継搬送台における強制搬送手段として、上記実施形態では、ローラ式のものを利用しているが、ベルト式のものを利用することもできる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年1月18日(2000.1.18)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−197805(P2001−197805A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−9099(P2000−9099)