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【発明の名称】 施肥装置
【発明者】 【氏名】畑山 至

【要約】 【課題】機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置したものであっても、左右の肥料タンクに同一形状の取付ケースを用いて、肥料繰出装置を対向状に取付ることができるようにして、部品点数の削減と、組立ておよびメンテナンス作業等の容易化を図ることができるようにする。

【解決手段】上記肥料繰出装置10の取付ケース16を、繰出装置への動力伝動機構の取付部材21とは別体に設けると共に、上記肥料繰出装置10の取付ケース16を機体の前後対称状に形成して、同一形状の取付ケース16を反転させて左右の肥料繰出装置10を取付可能とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置して、肥料タンクからの肥料を施肥するようにした施肥装置であって、上記肥料繰出装置の取付ケースを、繰出装置への動力伝動機構の取付部材とは別体に設けると共に、上記肥料繰出装置の取付ケースを機体の前後対称状に形成して、同一形状の取付ケースを反転させて左右の肥料繰出装置を対向状に取付可能としたことをを特徴とする施肥装置。
【請求項2】上記肥料繰出装置の取付ケースを、上半部と下半部とに半割り状に形成すると共に、上半部と下半部とを、共用可能な同形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の施肥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の移動農機に装備される施肥装置に係り、特に、機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置して、肥料タンクからの肥料を施肥するようにした施肥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、走行機体の後方に植付部を昇降自在に連結した田植機等の移動農機には、苗の育成を良好にするため、流動性肥料等を圃場に施肥する施肥装置を設けたものがある。このような施肥装置は、機体の重量バランスを考慮して重い肥料タンクを機体の左右両側に配置している。
【0003】そして、肥料タンクから肥料を繰出して圃場に施肥するため、左右の肥料タンクの下方に、例えばスクリューポンプのような複数の肥料繰出装置を取付ケースにより対向状に配置して、機体の内側となる吐出口に肥料ホースを連結すると共に、吐出口とは反対側の機体外側となる駆動部を動力伝動機構に連動連結している。
【0004】ところが、対向状の肥料繰出装置は、取付方向が逆になるので、同一形状の取付ケースを使用して左右の肥料タンクに肥料繰出装置を取付けることはできなかった。
【0005】このため、従来は、形状の異なる左右の取付ケースを別々に製作して肥料繰出装置を取付ていたので、組立て時の部品点数が多くなり、また、肥料繰出装置の取付を容易にするため、左右の取付ケースを半割り状に形成して肥料繰出装置を挟持できるようにすると、一層部品点数が多くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解決すべく創作されたものであって、機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置するものであっても、左右の肥料タンクに同一形状の取付ケースを用いて、肥料繰出装置を取付けることができるようにして、部品点数の削減と、組立ておよびメンテナンス作業等の容易化を図ることができる施肥装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置して、肥料タンクからの肥料を施肥するようにした施肥装置であって、上記肥料繰出装置の取付ケースを、繰出装置への動力伝動機構の取付部材とは別体に設けると共に、上記肥料繰出装置の取付ケースを機体の前後対称状に形成して、同一形状の取付ケースを反転させて左右の肥料繰出装置を対向状に取付可能としたことをを特徴とし、また、 上記肥料繰出装置の取付ケースを、上半部と下半部とに半割り状に形成すると共に、上半部と下半部とを、共用可能な同形状に形成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、添付した一実施例の図面に基いて詳細に説明する。まず図1〜図3において、1は施肥装置を備えた乗用田植機の走行機体であって、前輪2および後輪3を備えた機体フレーム4の前部に、ボンネット5で覆われたエンジン部が搭載され、機体フレーム4の後部にはリンク機構6を介して植付部7が昇降自在に連結されている。そして機体前部の左右両側には、ペースト肥料等を貯溜する肥料タンク8、8が配設されている。9は機体フレーム4の中間部分に配設された運転席である。
【0009】上記肥料タンク8、8の下方には、それぞれ複数の肥料繰出装置10を対向状に配置した施肥装置11が形成されている。12は肥料繰出装置10の吐出口13に連結さた施肥パイプ、14は施肥パイプ12の先端に設けた施肥ノズルである。
【0010】上記施肥ノズル14は植付部7を支持するフロート15の近傍に配設されており、また、肥料繰出装置10は、各植付条に施肥するため、植付条数と同じ数だけ左右の肥料タンク8、8に設けてある。すなわち本実施例のような10条植えの田植機では、左右の肥料タンク8、8に肥料繰出装置10が5基づつ並列状に取付けられている。
【0011】16は上記肥料繰出装置10の取付ケースであって、左右の取付ケース16は、図4〜図5に示すように、上半部16aと下半部16bとに半割り状に形成されている。そして肥料タンク8とともに機体側の支持ステー17に支持された状態で肥料タンク8の底部に連設されて肥料のサブタンクを形成している。
【0012】上記取付ケース16には、肥料繰出装置10を嵌着する左右方向の取付口18が上半部16aと下半部16bとの合せ面に複数個所形成されている。この取付口18に両端が嵌着支持される肥料繰出装置10は、回転軸10aの一端側に駆動部10bが連結され、回転軸10aの他端側にスクリューポンプ部10cが連結されている。そして、駆動部10b は機体の外側に向けて配置され、、スクリューポンプ部10c は機体の内側に向けて配置されていて、スクリューポンプ部10cの突出端が肥料の吐出口13となっている。19はサブタンク内の肥料をスクリューポンプ部10c側に送る案内羽根、20は取付ケース16に設けた残留肥料を排出するドレン管である。
【0013】21は肥料繰出装置10へ動力を伝達する動力伝動機構の取付部材であって、前記取付ケース16とは別体に形成されている。そして、取付ケース16の後方に配置した上記取付部材21に、左右方向の伝動軸22が支持されており、伝動軸22にはトランスミッション23からの動力が、施肥変速装置24を介して伝達される。
【0014】そして伝動軸22の端部から取付ケース16で支持された肥料繰出装置10の駆動部10bに、スプロケット25およびチェーン26からなる連動機構を介して動力が伝達される動力伝動機構が構成されている。なお一本の伝動軸22から対向した左右の肥料繰出装置10に動力を伝達するので、一方の連動機構には逆転ギヤ27を入れて左右の肥料繰出装置10の回転方向を逆にしている。また取付ケース16には余分の取付口18aを設けることにより、隣接した肥料繰出装置10の間隔を広げて、逆転ギヤ27と隣接するスプロケット25とが干渉するのを防止している。
【0015】また取付部材21とは別体の取付ケース16は、その形状が前後対称状に形成されていて、同一形状の取付ケース16を使用して左右の肥料タンク8に肥料繰出装置10を対向状に装着できるようになっている。すなわち、右側の取付ケースについて説明すると、図4で示すように、その左側にスクリューポンプ部10c側 の取付口18が形成され、また右側には駆動部10b側の取付口18が形成されているが、取付ケース16の形状が中心線Aの位置から前後対称状に形成されていて、この取付ケース16を180度水平旋回させれば、スクリューポンプ部10bと駆動部10aとの取付口18が逆となって、そのまま左側の取付ケース16として使用できるようになっている。
【0016】また上記取付ケース16は、上下半割り状に形成されているが、上半部16aと下半部16bとを同形状に形成することにより、上下共用可能となっている。すなわち、スクリューポンプ部10cを覆うポンプカバー28の取付は、図6で示すように、3本のボルトaで取付ケース16の側面に三角形状に留めている。このため取付ケース16を上下半割り状に形成すると、ポンプカバー28を取付る3本のナット穴bのうち、2本が上半部16a側に、1本が下半部16b側にあるものと、その逆のものとが交互(或いはその逆)になるので、従来は、取付ケース16の上半部16aと下半部16bとを製作する際に、別々の型が必要となっていた。
【0017】そこで、図5に示すように、取付ケース16に、中心軸Pを挟んで偶数個の取付口18を等間隔に形成し、ポンプカバー28の取付部を正三角状と逆三角状に交互に配置し、それ以外の部分は左右対称状とすることにより、取付ケース16の上半部と同じものを180度反転させることで、下半部として使用できるようにした。なお、取付ケース16を肥料タンク8に取付るに当たっては、型で形成した上半部となるケースに、肥料タンク8との連通口を切欠き形成するものである。
【0018】上記のように構成したので、圃場にペースト肥料等を施肥するに当り、まず、トランスミッション23からの動力で、伝動軸22を回転駆動すれば、スプロケット25およびチェーン26等からなる連動機構を介して肥料繰出装置10の駆動部10bに動力が伝達され、回転するスクリューポンプ部10cにより繰出されたペースト肥料は、吐出口13に接続した施肥パイプ12を経て施肥ノズル14から圃場に施肥される。
【0019】そして、上記肥料繰出装置10は、左右の肥料タンク8の下方に取付ケース16によって対向状に配置されるが、前後対称状に形成された左右の取付ケース16は、一方の取付ケース16を180度水平旋回させれば、そのまま他方の取付ケース16として使用でき、また、取付ケース16の上半部16aと下半部16bとは、一方を180度反転させることで、他方として使用することができる。このため、取付ケース16の製作が簡単なうえ、部品点数および必要な製作型を削減することができる。
【0020】また、肥料繰出装置10の取付ケース16とは別体に、動力伝動機構の伝動軸22を支持する取付部材21が設けてあるので、動力伝動機構の調節は、取付ケース16に関係なく動力伝動機構の取付部材21のみで調節するきとができ、さらに、肥料繰出装置10の仕様を変更するような場合でも、取付部材21の部分を変更調節するのみで容易に対応することができる。
【0021】
【発明の効果】これを要するに本発明は、機体の左右両側に設けた肥料タンクの下方に、肥料繰出装置を対向状に配置して、肥料タンクからの肥料を施肥するようにした施肥装置であって、上記肥料繰出装置の取付ケースを、繰出装置への動力伝動機構の取付部材とは別体に設けると共に、上記肥料繰出装置の取付ケースを機体の前後対象状に形成して、同一形状の取付ケースを反転させて左右の肥料繰出装置を対向状に取付可能とし、また、 上記肥料繰出装置の取付ケースを、上半部と下半部とに半割り状に形成すると共に、上半部と下半部とを、共用可能な同形状に形成したことから、前後対象状の取付ケースを反転させれば、左右の肥料タンクに同一の取付ケースを用いて肥料繰出装置を取付ることができるので、取付ケースの製作が簡単となり、しかも部品点数及び制作型を削減してコストダウンを図ることができる。
【0022】また、肥料繰出装置の取付ケースとは別体に、動力伝動機構の取付部材が設けてあるので、肥料繰出装置の取付ケースに関係なく動力伝動機構のみを組立て調整することができて、組立ておよびメンテナンス作業が容易となる。
【0023】そして、肥料繰出装置の仕様を変更する場合でも、取付ケースを変更することなく、動力伝動機構の取付部材を変更するのみで容易に対応することができる。
【0024】さらにまた、半割り状に形成した取付ケースは、上半部と下半部とが同形状に形成されているので、同一形状のケース半部で取付ケースを形成することができて、一層部品点数の削減を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年12月27日(1999.12.27)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−178218(P2001−178218A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−369772