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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】小山 実

【氏名】山田 隆史

【要約】 【課題】植付部と田面間の距離を極めて簡単な手段のもので容易に検出して、植付部の高精度な植付深さの一定制御を可能とさせる。

【解決手段】植付部(15)と田面間の距離の変化に基づいて植付部(15)を昇降制御するようにした田植機において、田面上方の一定高さより落下体(112)を落下させる落下式センサ(111)を植付部(15)に設け、落下体(112)の落下変化率の変化に基づいて植付部(15)と田面間の距離を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付部と田面間の距離の変化に基づいて植付部を昇降制御するようにした田植機において、田面上方の一定高さより落下体を落下させる落下式センサを植付部に設け、落下体の落下変化率の変化に基づいて植付部と田面間の距離を検出するように設けたことを特徴とする田植機。
【請求項2】 落下式センサを植付部の植付位置より前方に配設したことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【請求項3】 植付部と田面間の距離の目標値を設定する植深設定部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植付部と田面間の距離を検出し植付部を昇降制御して植付深さを一定維持させるようにした田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、植付部と田面間の距離をセンタフロートの傾斜角度の変化に基づいて検出して植付部を昇降制御しているが、圃場硬度が硬いと植付部は浮き上がり状態となって浅植えとなり、また軟らかいと植付部は沈み込み状態となって深植えとなるため、作業前には作業者は圃場硬度を判断して油圧感度(センタフロートの目標傾斜角度)を適正感度に補正して植付深さを一定維持させているが、このような油圧感度の補正作業は圃場条件が変わる都度行う必要があり、また判断も難しく正確さに欠けたものであった。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、植付部と田面間の距離の変化に基づいて植付部を昇降制御するようにした田植機において、田面上方の一定高さより落下体を落下させる落下式センサを植付部に設け、落下体の落下変化率の変化に基づいて植付部と田面間の距離を検出して、落下式センサの出力が変化する落下体の最上げ位置から落下体の落下変化率が変化する最下げ位置までの距離をその落下時間から容易に検出して、昇降制御の精度を向上させるもので、従来の如くセンタフロートによる距離や角度の検出を不要とさせて該フロートを整地のみの使用とさせて、センタフロートの小型軽量化を図ると共に、圃場硬度による油圧感度の補正なども不要とさせて検出精度も向上させるものである。
【0004】また、落下式センサを植付部の植付位置より前方に配設して、落下式センサで距離を検出してから植付部を昇降させるまでの制御のタイムラグと、落下式センサで検出してから植付部の植付位置がこの検出位置まで移動する間の移動時間とを一致させた正確な昇降制御を行って植付精度を向上させるものである。
【0005】さらに、植付部と田面間の距離の目標値を設定する植深設定部材を設けて、例えば設定部材のダイヤル調節などによって容易に目標値を変更して、植付深さの正確な調節を行うものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)を車体フレーム(3)に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ミッションケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、乗降ステップ(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0007】また、図中(15)は6条植え用の苗載台(16)並びに複数の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介してヒッチブラケット(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含む昇降リンク機構(27)を介して走行車(1)後側にヒッチブラケット(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる油圧昇降制御機構である油圧昇降シリンダ(28)のピストンロッド(28a)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0008】また、図中(29)は主変速レバー、(30)は副変速レバーでもある植付レバー、(31)はダイヤル式の植深設定部材である植深設定器、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センタフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は6条用の側条施肥機である。
【0009】さらに、図3、図4に示す如く、前低後高(傾斜角約4度)に傾斜させる前記車体フレーム(3)前部上面に架台(37)…を一体固定させ、架台(37)…の上面に防振ゴム(38)…及びエンジン台(39)を介して前記エンジン(2)を上載させ、前記エンジン(2)の左側に燃料タンク(40)を、またエンジン(2)の右側にマフラー(41)を取付けると共に、車体フレーム(3)前端側略中央にバッテリ(43)を取付けている。
【0010】またさらに、前記車体フレーム(3)にケース台(44)を一体固定させ、ケース台(44)にステアリングケース(45)を取付け、ハンドル筒体(46)に内挿させる操向ハンドル(14)のステアリング軸(14a)を、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央でステアリングケース(45)上面に立設させると共に、ステアリングケース(45)下面に出力軸(47)を突設させ、左右の前輪(6)(6)を方向転換させる操向アーム(48)を前記出力軸(47)に取付けている。
【0011】また、前記エンジン(2)下方のエンジン台(39)下側に、前後方向に略水平な円筒形の軸受体(49)を熔接固定させ、前記軸受体(49)にカウンタ軸(50)を挿通支持させ、軸受体(49)前方に突出させるカウンタ軸(50)前端にカウンタプーリ(51)を取付けると共に、左右車体フレーム(3)(3)間の略中央上方でエンジン(2)の前方にエンジン出力軸(52)を突設させ、該出力軸(52)に出力プーリ(53)を取付け、該出力プーリ(53)を前記カウンタプーリ(51)にVベルト(54)を介して連結させている。
【0012】さらに、前記車体フレーム(3)後端部にリヤアクスルケース(7)をボルト止め固定させ、前記リヤアクスルケース(7)前面にミッションケース(4)後面を連結固定させると共に、ミッションケース(4)の右側前面にクラッチケース(55)を一体形成し、クラッチケース(55)前面に無段ベルト変速ケース(56)右側後面を嵌合固定させ、また昇降シリンダ(28)を作動させる油圧ポンプ(57)をベルト変速ケース(56)の左側後面に固定させるもので、四角パイプ形の左右車体フレーム(3)(3)の間でこの上面よりも低位置に前記各ケース(4)(55)(56)及び油圧ポンプ(57)を吊下げ固定させ、ユニバーサルジョイント付き伝動軸(58)を前記カウンタ軸(50)後端とベルト変速ケース(56)間に設け、エンジン(2)出力をベルト変速ケース(56)に伝えると共に、フロントアクスルケース(5)とミッションケース(4)間に前輪伝動軸(59)を設け、ミッションケース(4)の変速出力を各アクスルケース(5)(7)を介して前後輪(6)(8)に伝えるように構成している。
【0013】図5乃至図8に示す如く、前記センタフロート(34)の前部を上下に揺動自在に支持するピッチング支点軸(60)をフロート(34)後部上面のブラケット(61)に設け、前記植付ケース(20)に回動自在に枢支する植付深さ調節支点軸(62)に、植付深さ調節リンク(63)の基端を固設させると共に、該リンク(63)の先端を前記ピッチング支点軸(60)に連結させている。
【0014】そして、前記植付ケース(20)側に固定アーム(64)を介し支持する支軸(65)にリンク(66)中間を回動自在に枢支し、前記調節支点軸(62)に基端を固設する揺動アーム(67)の先端に、結合ピン(68)を介してリンク(66)後端を連結させると共に、該リンク(66)前端の軸(69)とセンタフロート(34)の前部上面に固設するブラケット(70)の軸(71)間を昇降リンク(72)を介し連結させている。
【0015】図6、図8にも示す如く、前記支点軸(62)に基端を固設する基準植付深さ設定用の植深調節レバー(83)を植深モータ(84)により適宜駆動制御するようにしたもので、中央の植付ケース(20)より右側の伝動パイプ(85)に取付板(86)及び側板(87)を介しモータ取付台(88)を固設させ、該モータ取付台(88)のモータ(84)の回転ネジ軸(89)に結合させる移動子(90)に、調節レバー(83)を係合連結させて、モータ(84)の駆動によって移動子(90)がネジ軸(89)に沿って上下方向に移動するとき、調節レバー(83)を上下方向に揺動させて支点軸(62)を回動させ、基準植付深さの調節を行うように構成している。
【0016】また、前記調節レバー(83)はモータ取付台(88)に開閉自在に固定するカバー(91)内に配置し、モータ取付台(88)には調節レバー(83)の固定ピン(92)の移動位置を検出するポテンショメータ式植深センサ(93)を設けて、植付深さ位置を感知するように構成している。
【0017】一方、前記変速ケース(56)の入力軸部には伝動軸(58)を介し伝達されるエンジン(2)からの回転数を検出するエンジン回転センサであるエンジンセンサ(94)を、また前記フロントアクスルケース(5)の入力軸部には伝動軸(59)を介し伝達されるミッションケース(4)からの走行出力を検出する作業検出手段である車速センサ(95)を設けると共に、左側車体フレーム(3)のセンサ取付板(96)にロワーリンク(26)に連結するリフトアーム(97)の移動位置を検出するリンクセンサ(98)を設けて、植付部(15)の昇降位置を感知するように構成している。
【0018】図12に示す如く、エンジン(2)によって駆動する油圧ポンプ(99)の供給油圧回路を、高圧油路(100)と低圧油路(101)に分岐して、操向ハンドル(14)によって操向シリンダ(102)を動作させる操向バルブ(103)と、ソレノイド式上昇及び下降バルブ(104)(105)操作によって昇降シリンダ(28)を駆動する電磁弁である昇降バルブ(106)とを高圧油路(100)に設けると共に、植付部(15)の左右傾斜姿勢を制御する水平シリンダ(107)の水平操作用ソレノイドバルブ(108)を低圧油路(101)に設けて、植付部(15)の昇降制御を前記バルブ(104)(105)の上昇及び下降ソレノイド(109)(110)の励磁操作によって行うように構成している。
【0019】ところで図5、図6、図9乃至図11に示す如く、前記センタフロート(34)の左外側と左サイドフロート(35)の右外側間で、且つセンタフロート(34)の左外側と左後輪(8)間に植付部(15)と田面間の距離を検出するポテンショメータ形落下式センサ(111)を配置させるもので、圃場上方の一定高さから落下させて先端の先鋭部を圃場に突入させる逆三角形の平板状落下体(112)と、前記落下体(112)のアーム(113)をボルト(114)を介し取外し自在下端側に固定するホルダー(115)と、前記ホルダー(115)を平行リンク機構であるトップリンク(116)及びロアリンク(117)とリンク軸(118)(119)を介し垂直姿勢を保ったままで上下動自在に支持するセンサ台(120)と、ロアリンク(117)基端とセンサ台(120)とを連結するリンク軸(119)の軸回りにロアリンク(117)と一体に回動自在に設ける揺動カム(121)と、前記センサ台(120)に固設する電動式落下モータ(122)のモータ軸(122a)に基端を固定して先端の回転子(123)をカム(121)に当接させる駆動アーム(124)と、前記ロアリンク(117)に固設して、センサ台(120)に設置するセンサ(111)の検出アーム(111a)に当接させる検出ピン(125)とを備え、一定高さより圃場に落下させるときの落下体(112)の落下変化率の変化をセンサ(111)で検出して植付部(15)と田面間の距離を算出するように構成している。
【0020】また、前記落下式センサ(111)は、植深の変更に連動し上下動して中立を保つ補正機構(126)を備えるもので、センタフロート(34)の植付ケース(20)側の固定ブラケット(127)にセンサ台(120)を上下動自在に支持させる平行リンク式の上下リンク(128)(129)を設け、下リンク(129)の中間をブラケット(127)の支軸(130)に枢支させると共に、下リンク(129)の一端側を結合ピン(131)及び揺動アーム(132)を介し植付深さ調節支点軸(62)に連結させて、支点軸(62)を中心とした植深変更時にはピッチング支点軸(60)部の上下変位量と前記センサ台(120)のモータ(122)やセンサ(111)などで形成するセンサユニット(133)の上下変位量とを略同一とさせて、植深を変更させても落下体(112)と田面間の距離は略同一に保って、常に同一高さから落下体(112)を落下させて検出精度を向上させるように構成している。
【0021】また図6に示す如く、前記落下体(28)をセンタフロート(34)の左側部と左サイドフロート(35)の右側部間で、左後輪(8)とセンタフロート(34)間に配設して、車輪(8)で荒らされた所を回避させて正確な落下を行うと共に、前記ブラケット(127)などを介しセンタフロート(34)の植付ケース(20)などに剛性良好にセンサ(111)を取付け可能とさせるように構成している。
【0022】さらに図5に示す如く、落下体(112)を植付位置より前方位置に配設して、落下体(112)で植付部(15)と田面間の距離を検出して植付部(15)の植付位置(植付爪(17))がこの検出位置まで移動する間の移動時間と、距離を検出してから昇降制御変更が終了するまでのタイムラグとを略同一とさせて、植付作業時には前記落下体(112)で検出した距離に適正に対応させた植付高さのもとで高精度な植付けを行うように構成している。
【0023】また、前記落下体(112)はモータ(122)の1回転で図11の静軌跡(L)に示す1サイクルの上下動を行うもので、走行中は略垂直に近い動軌跡(L1)(L2)(L3)で落下させて、落下体(112)の落下突入時や脱出時のモータ(122)の駆動負荷を小とさせるように構成している。
【0024】図15に示す如く、前記落下式センサ(111)はセンサ(111)出力が変化した点(A)より、落下体(112)が最上げ位置から最下げ位置まで落下するときの変化率(V1/T1)が変化する点(B)までの時間(T2)(T2=落下時間)から植付部(15)(落下体(112))と田面間の距離を算出して、算出される距離と目標値との間に偏差があるときには前記昇降バルブ(106)を駆動制御して植付深さを一定維持させるように構成している。
【0025】また、前記落下体(112)の最下げ位置にあってはセンタフロート(34)の底面部より常に下方に突出状態にあって、植付部(15)の下降動作時には落下体(112)がフロート(34)より先に田面に接地して、センサ(111)が目標値以上を検出するまでは植付部(15)を下降させるように構成している。
【0026】そして図13に示す如く、前記植深モータ(84)の浅い及び深い側回路(134)(135)と、前記ソレノイド(109)(110)とに出力接続させるコントローラ(136)を備えるもので、前記植付レバー(30)の植付下降・上昇・植付クラッチ入位置を検出するポテンショメータ式レバーセンサ(137)と、植深モータ(84)による植付深さ制御を行う植深スイッチ(138)と、圃場表面硬度などに応じ前記昇降バルブ(106)による昇降制御の目標値となる植付部(15)と田面間の目標距離を設定する植深設定器(31)と、前記植深センサ(93)と、エンジンセンサ(94)と、車速センサ(95)と、リンクセンサ(98)とをコントローラ(136)に入力接続させて、昇降バルブ(106)による植付部(15)の昇降制御や植深モータ(84)による植付部(15)の植深制御を行うように構成している。
【0027】本実施例は上記の如く構成するものにして、図14に示す如く前記植付レバー(30)の下降操作時には、落下式センサ(111)の落下体(112)を常に最下げ位置に保った状態で植付部(15)を下降させるもので、植付レバー(30)の上げ或いは中立操作位置では、落下体(112)を最下げ位置とするようにモータ(122)を駆動する。
【0028】また、植付部(15)の下降時には落下体(112)がフロート(34)(35)よりも先に田面に接地し、センサ(111)の検出値が前記植深設定器(31)で設定される目標値以上となるまでは植付部(15)は下降する。
【0029】そして、車速が一定以上(>0)の走行中のみ落下モータ(122)が連続駆動して落下体(112)を一定周期毎に落下させ、図15に示す如く落下体(112)の落下するときの変化率(V1/T1)や、この変化率の変化点(B)や、出力の変化点(A)をセンサ(111)で検出するもので、出力の変化点(A)から変化率の変化点(B)までの時間(T2)(T2=落下時間)から、植付部(15)(=落下体(112))と田面間の距離を算出し、算出される距離(センサ(111)の検出値)と目標値(設定器(31)の設定値)とが一致しない状態の目標値より距離が小さい或いは大きいときには、上昇バルブ(104)或いは下降バルブ(105)を駆動し植付部(15)を上昇或いは下降制御して目標の植付深さを一定維持させる。
【0030】このように、植付部(15)と田面間の距離の変化に基づいて植付部(15)を昇降制御するようにした田植機において、田面上方の一定高さより落下体(112)を落下させる落下式センサ(111)を植付部(15)に設け、落下体(112)の落下変化率の変化に基づいて植付部(15)と田面間の距離を検出することによって、落下式センサ(111)の出力が変化する落下体(112)の最上げ位置から落下体(112)の落下変化率(V1/T1)が変化する最下げ位置までの距離をその落下時間から容易に検出して、昇降制御の精度を向上させることができるもので、従来の如くセンタフロート(34)による距離や角度の検出を不要とさせて該フロート(34)を整地のみの使用とさせて、センタフロート(34)の小型軽量化を図ることができると共に、圃場硬度による油圧感度の補正なども不要とさせて検出精度も向上させることができる。
【0031】また、落下式センサ(111)を植付部(15)の植付位置より前方に配設することによって、落下式センサ(111)で距離を検出してから植付部(15)を昇降させるまでの制御のタイムラグと、落下式センサ(111)で検出してから植付部(15)の植付位置がこの検出位置まで移動する間の移動時間とを一致させた正確な昇降制御を行って植付精度を向上させることができる。
【0032】さらに、植付部(15)と田面間の距離の目標値を設定する植深設定部材(31)を設けることによって、例えば設定部材(31)のダイヤル調節などによって容易に目標値を変更して、植付深さの正確な調節を行うことができる。
【0033】図16に示すものは、植付部(15)の前方に配設するセンサフロート(139)によって植付部(15)と田面間の距離を検出する構成例を示すもので、前記ヒッチブラケット(24)など植付部(15)の前部に固設するセンサ台(140)の回動支軸(141)に、アーム(142)を介して前記フロート(139)を上下揺動自在に支持させると共に、田面にフロート(139)を若干押圧させる押圧バネ(143)と、アーム(142)の回動角より田面の距離を電気的に検出するポテンショメータ式の距離センサ(144)を備え、前述実施例同様距離センサ(144)の検出値と目標値とを一致させるように上昇及び下降バルブ(104)(105)を駆動し植付部(15)を昇降制御して植付深さを一定維持させるように構成している。なおセンサフロート(139)を用いた場合、車速が速くなるとフロート(139)が浮き上がり状態となって浅植えや浮苗になるので、図17に示す如く車速が速くなる程目標値(距離)を小さくする方向に補正する。
【0034】該構成の場合もセンサフロート(34)の構成の簡略化や小型軽量化を図ることができると共に、設定器(31)のダイヤル操作などで目標値の容易な変更もできる。
【0035】またセンサフロート(139)の検出に一致させた植付部(15)の昇降制御が行えると共に、車輪跡などの悪影響を受けることのない良好なセンサフロート(139)による検出が行える。
【0036】図18乃至図21は植付部(15)と田面間の距離を光学式センサ(145)を用いて検出する構成例を示すもので、前記センタフロート(34)の後方で植付ケース(20)の後端下側にセンサ駆動ケース(146)を一体的に設け、該ケース(146)の回転軸(147)には左右一組の回転円板(148)(149)を取付けると共に、該円板(148)(149)の内側面には対向する1対の発光及び受光素子(150)(151)を設け、走行中円板(148)(149)の回転でこれら素子(150)(151)が空中・水中・土中に移動するとき受光素子(151)の受光強さの変化よりこの移動を検出するように構成している。
【0037】そして受光素子(151)が水中から土中に移動するときの角度(α)の検出によって、回転軸(147)と素子(151)の距離(h)(h=L×sinα但しL:回転軸(147)と素子(151)間の距離)を算出して、前実施例同様算出される距離(h)と目標値との偏差に基づいて植付部(15)の昇降制御を行って植付深さを一定維持させるように構成している。
【0038】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、植付部(15)と田面間の距離の変化に基づいて植付部(15)を昇降制御するようにした田植機において、田面上方の一定高さより落下体(112)を落下させる落下式センサ(111)を植付部(15)に設け、落下体(112)の落下変化率の変化に基づいて植付部(15)と田面間の距離を検出するものであるから、落下式センサ(111)の出力が変化する落下体(112)の最上げ位置から落下体(112)の落下変化率(V1/T1)が変化する最下げ位置までの距離をその落下時間から容易に検出して、昇降制御の精度を向上させることができるもので、従来の如くセンタフロート(34)による距離や角度の検出を不要とさせて該フロート(34)を整地のみの使用とさせて、センタフロート(34)の小型軽量化を図ることができると共に、圃場硬度による油圧感度の補正なども不要とさせて検出精度も向上させることができるものである。
【0039】また、落下式センサ(111)を植付部(15)の植付位置より前方に配設するものであるから、落下式センサ(111)で距離を検出してから植付部(15)を昇降させるまでの制御のタイムラグと、落下式センサ(111)で検出してから植付部(15)の植付位置がこの検出位置まで移動する間の移動時間とを一致させた正確な昇降制御を行って植付精度を向上させることができるものである。
【0040】さらに、植付部(15)と田面間の距離の目標値を設定する植深設定部材(31)を設けるものであるから、例えば設定部材(31)のダイヤル調節などによって容易に目標値を変更して、植付深さの正確な調節を行うことができるものである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100062270
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
【公開番号】 特開2001−169622(P2001−169622A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−358677