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【発明の名称】 施肥装置を装備する乗用田植機
【発明者】 【氏名】竹田 裕一

【要約】 【課題】残留肥料を効率良く排出させること。

【解決手段】施肥ホッパー部に残留肥料排出用ホースの基端部を接続すると共に、同残留肥料排出用ホースは後下方へ向けて延設し、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行部の後方位置に植付部を連結した乗用田植機において、走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部より施肥繰り出し部を介して一定量の肥料を圃場に施肥可能とした乗用田植機であって、施肥ホッパー部に残留肥料排出用ホースの基端部を接続すると共に、同残留肥料排出用ホースは後下方へ向けて延設し、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置したことを特徴とする施肥装置を装備する乗用田植機。
【請求項2】 残留肥料排出用ホースは、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置した使用位置と、先端側部を後車輪よりも上方位置に配置した収納保持体に保持させた収納位置とに位置変更自在としたことを特徴とする請求項1記載の施肥装置を装備する乗用田植機。
【請求項3】 収納保持体は、少なくとも残留肥料排出用ホースの先端開口部を被覆する被覆片を具備していることを特徴とする請求項2記載の施肥装置を装備する乗用田植機。
【請求項4】 左右方向に隣接する複数の残留肥料排出用ホースの先端部を、連結体を介して一体的に連結し、同連結体により複数の残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに一体的に位置変更する操作を可能としたことを特徴とする請求項2又は3記載の施肥装置を装備する乗用田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥装置を装備する乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、施肥装置を装備する乗用田植機の一形態として、走行部の後方位置に植付部を連結し、同走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部より施肥繰り出し部を介して一定量の肥料を圃場に施肥可能としたものがある。
【0003】そして、施肥ホッパー部には残留肥料排出用ホースの基端部を接続し、同残留肥料排出用ホースの先端部を走行部の後車輪の前方でかつ外側方へ配置して、同残留肥料排出用ホースを通して施肥ホッパー内の残留肥料を自重により落下させて排出すると共に、回収容器内に回収するようにしている。
【0004】この際、施肥装置は、走行部の後部に複数個の施肥ホッパー部を左右方向に隣接させて配置して、複数条の施肥作業を同時に行うことができるようにしており、各施肥ホッパー部にはそれぞれ残留肥料排出用ホースを接続して、各施肥ホッパー部内の残留肥料をそれぞれ排出可能としている。
【0005】ここで、例えば、六条用の施肥装置では、左側半部の三本の残留肥料排出用ホースは左側後車輪の前方でかつ外側方に配置する一方、右側半部の三本の残留肥料排出用ホースは右側後車輪の前方でかつ外側方に配置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した乗用田植機では、特に、中央部側に位置する残留肥料排出用ホースを一側後車輪の前方でかつ外側方に配置した場合、同一側後車輪の前方でかつ外側方位置までの距離が長くなるために、同残留肥料排出用ホースの中途部の傾斜角度が緩やかになり、その結果、同残留肥料排出用ホースの中途部に残留肥料が滞留して、円滑に排出されないという不具合がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで 本発明では 走行部の後方位置に植付部を連結した乗用田植機において、走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部より施肥繰り出し部を介して一定量の肥料を圃場に施肥可能とした乗用田植機であって、施肥ホッパー部に残留肥料排出用ホースの基端部を接続すると共に、同残留肥料排出用ホースは後下方へ向けて延設し、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置したことを特徴とする施肥装置を装備する乗用田植機を提供せんとするものである。
【0008】また、本発明は、次の構成にも特徴を有する。
【0009】■残留肥料排出用ホースは、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置した使用位置と、先端側部を後車輪よりも上方位置に配置した収納保持体に保持させた収納位置とに位置変更自在としたこと。
【0010】■収納保持体は、少なくとも残留肥料排出用ホースの先端開口部を被覆する被覆片を具備していること。
【0011】■左右方向に隣接する複数の残留肥料排出用ホースの先端部を、連結体を介して一体的に連結し、同連結体により複数の残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに一体的に位置変更する操作を可能としたこと。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に 本発明の実施の形態について説明する。
【0013】すなわち 本発明に係る施肥装置を装備する乗用田植機は、基本的構造として、走行部の後方位置に植付部を連結し、同走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部より施肥繰り出し部を介して一定量の肥料を圃場に施肥可能としている。
【0014】そして、特徴的構造として、施肥ホッパー部に残留肥料排出用ホースの基端部を接続すると共に、同残留肥料排出用ホースは後下方へ向けて延設し、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置している。
【0015】このようにして、施肥ホッパー部内の残留肥料は、残留肥料排出用ホースを通して後下方へ排出することができる。
【0016】この際、残留肥料排出用ホースは、先端側部を後車輪の側方に配置しているため、残留肥料排出用ホースの傾斜角度を、同残留肥料排出用ホースを通して排出される肥料が自重により円滑に滑動しながら落下する適正な角度に保持させることができて、残留肥料を効率良く排出させることができる。
【0017】ここで、機体の中央部寄りに位置する施肥ホッパー部に接続した残留肥料排出用ホースは、後車輪の内側方にて、後下方へ向けて延設しておけばよく、植付部を上昇移動させて、走行部の後方を大きく開放状態となすことにより、上記残留肥料排出用ホースの先端部の直下方位置に回収用容器を楽に配置することができて、同回収用容器を介して楽に残留肥料を回収することができる。従って、残留肥料の排出・回収作業能率を向上させることができる。
【0018】しかも、残留肥料排出用ホースは、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置した使用位置と、先端側部を後車輪よりも上方位置に配置した収納保持体に保持させた収納位置とに位置変更自在としている。
【0019】このようにして、施肥作業を行わない場合には、残留肥料排出用ホースの先端部を収納保持体に保持させた収納位置に配置しておくことにより、同先端部に泥土等が付着するのを防止することができて、施肥作業時には同先端部より肥料を円滑かつ確実に放出させることができるようにしている。
【0020】さらには、収納保持体は、少なくとも残留肥料排出用ホースの先端開口部を被覆する被覆片を具備している。
【0021】このようにして、後車輪が泥土等を持ち上げて上方に飛散させた場合にも、残留肥料排出用ホースの先端開口部は、収納保持体の被覆片により被覆されているため、同先端開口部に飛散泥土等が侵入して付着するという不具合の発生を確実に防止することができる。従って、施肥作業時の肥料の良好な放出を確保することができる。
【0022】また、左右方向に隣接する複数の残留肥料排出用ホースの先端部を、連結体を介して一体的に連結し、同連結体により複数の残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに一体的に位置変更する操作を可能としている。
【0023】このようにして、残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに位置変更する操作を効率良くしかも確実に行うことができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0025】図1 は、本発明に係る施肥装置Mを装備する乗用田植機Aを示しており、同乗用田植機Aは、走行部1の後方位置に植付部2を昇降連結機構3を介して昇降自在に連結し、同走行部1の後部に施肥装置Mを載設している。
【0026】走行部1は、図1に示すように、車体フレーム4上において、前部に原動機部5を設けると共に、後部に運転部6を設け、車体フレーム4の下方において、中途部に左・右側前車輪7,7 をフロントアクスルケース8を介して設けると共に、後部に左・右側後車輪9,9 をリヤアクスルケース10を介して設け、フロントアクスルケース8とリヤアクスルケース10との間にはミッションケース11を配設している。
【0027】そして、原動機部5には、エンジン12を搭載しており、同エンジン12にミッションケース11をミッションケース伝動シャフト13を介して連動連結し、同ミッションケース11にリヤアクスルケース10を連動連設すると共に、ミッションケース11にフロントアクスルケース8をフロントアクスルケース伝動シャフト14を介して連動連結している。15はボンネットである。
【0028】運転部6は、ボンネット15の後部にステアリングコラム16を一体的に形成し、同ステアリングコラム16の上端部よりハンドル支軸17を突出させて、同ハンドル支軸17にハンドル18を取り付け、同ハンドル18の後方位置に運転席19を配置している。19a は、運転席19の座部、19b は、同運転席19の背もたれ部である。
【0029】また、図1中、20は、車体フレーム4 上に張設した車体カバーであり、同車体カバー20は、ボンネット15の左右側方位置に張り出し状に形成した左・右側前部ステップ部20a,20a と、各ステップ部20a,20a の後端縁部に接続させてステアリングコラム16と運転席19との間に形成した床部20b と、同床部20b の後端縁部より上方へ立ち上げると共に、後方へ伸延させて形成した運転席支持部20c と、同運転席支持部20c より後方へ伸延させて形成した後部ステップ部20d と、同後部ステップ部20d の左右側縁部に形成した左・右側リヤフェンダー20e,20e とから形成している。
【0030】植付部2は、図1に示すように、植付ミッションケース21に前後方向に伸延する三個の植付伝動ケース22,22,22の前端部を連動連設すると共に、各植付伝動ケース22,22,22を左右方向に一定の間隔を開けて配設し、各植付伝動ケース22,22,22の後端部の左右側部にはそれぞれロータリケース23,23,23,23,23,23 を介して植付爪24,24,24,24,24,24 を取り付け、また、これら植付伝動ケース22,22,22上には六条植え用の苗載台25を載置する一方、各植付伝動ケース22,22,22の下方位置にはそれぞれフロート26,26,26を取り付けている。
【0031】また、図1中、27は、各フロート26の中途部下面に取り付けた作溝器であり、同作溝器27は各フロート26に左右方向に隣接させて二個づつ取り付けている。28は、植付ミッションケース21より前方へ突出させた植付入力軸であり、同植付入力軸28は、前記したミッションケース11より後方へ突出させたPTO軸29に植付伝動シャフト30を介して連動連結している。
【0032】このようにして、植付部2では、六個の植付爪24による六条の苗植付作業と、六個の作溝器27による六条の作溝作業とが行えるようにしている。
【0033】昇降連結機構3は、走行部1の車体フレーム4の後端部と、植付部2の植付ミッションケース21の前端部との間に介設して、植付部2を昇降作動させることができるようにしている。
【0034】施肥装置Mは、図1〜図4に示すように、車体フレーム4の後端部上に六個の施肥装置形成体35,35,35,35,35,35 を施肥装置支持フレーム(図示せず)を介して取り付けると共に、各施肥装置形成体35,35,35,35,35,35 は左右方向に一定の間隔を開けて配置し、かつ、形成体支持枠体36(図6参照)により一体的に連結している。図6中、31は内側補助車輪、32は外側補助車輪である。
【0035】そして、各施肥装置形成体35は、図2〜図4にも示すように、肥料を収容する施肥ホッパー部37と、同施肥ホッパー部37内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部38と、同施肥繰り出し部38より繰り出される一定量の肥料を植付部2に設けた作溝器27により作溝された施肥溝(図示せず)まで案内する施肥ホース部39と、同施肥ホース部39内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部40とを具備している。
【0036】施肥ホッパー部37は、上面に肥料投入用の開口部を有するホッパー部本体41と、同ホッパー部本体41の開口部を開閉する開閉蓋体42とを具備しており、ホッパー部本体41は、底部前側位置に残留肥料排出口43を形成し、同残留肥料排出口43をホッパー部本体41内の底部に配置したスライド開閉体44により開閉自在とすると共に、同スライド開閉体44は、その前端部に形成した操作片44a をホッパー部本体41の底部前壁に形成した操作片突出口45より前方へ突出させて、同操作片44a を外部より押し引き操作して上記残留肥料排出口43を開閉可能としている。図4中、Bは残留肥料である。
【0037】そして、残留肥料排出口43には排出案内用筒体46の基端を接続し、同排出案内用筒体46の先端を後下方へ向けて伸延させて突出状に形成して、同排出案内用筒体46の先端部に残留肥料排出用ホース120 の基端部を接続している。
【0038】しかも、上記した残留肥料排出用ホース120 は、図5〜図7にも示すように、後下方へ向けて延設すると共に、蛇腹状に形成して延設方向に伸縮自在となし、先端側部121 を走行部1の後車輪9の側方に配置した使用位置(a) と、先端側部121 を後車輪9よりも上方位置に配置した収納保持体122 に保持させた収納位置(b) とに位置変更自在としている。
【0039】さらには、施肥装置Mの左側半部側に位置する三本の残留肥料排出用ホース120,120,120 と、右側半部側に位置する三本の残留肥料排出用ホース120,120,120とを、それぞれ左右方向に伸延する棒状の連結体123,123 により一体的に連結し、各連結体123,123 により三本の残留肥料排出用ホース120,120,120 を使用位置(a) と収納位置(b) とに一体的に位置変更する操作を可能としている。
【0040】ここで、使用位置(a) においては、図6に示すように、内側部に位置する残留肥料排出用ホース120 は、後車輪9の内側方位置に配置した内側補助車輪31よりも内側方に沿わせて配置し、中間部に位置する残留肥料排出用ホース120 は、内側補助車輪31と後車輪9との間においてこれら両車輪31,9に沿わせて配置し、外側部に位置する残留肥料排出用ホース120 は、後車輪9と、同後車輪9の外側方位置に配置した外側補助車輪32との間においてこれら両車輪32,9に沿わせて配置するようにしており、これら三本の残留肥料排出用ホース120,120,120 の左右方向の相互間隔は、連結体123 に連結して一定に保持している。
【0041】また、収納保持体122 は、左右方向に隣接する施肥繰り出し部38の後端部間に左右方向に伸延するアーム支持片124 を架設し、同アーム支持片124 の各施肥繰り出し部38と対応する位置からそれぞれ被覆片支持アーム125 を後下方へ向けて垂設し、各被覆片支持アーム125 の下端部に被覆片126 を取り付けて構成している。
【0042】そして、被覆片126 は、前後方向に伸延させて樋状に形成した被覆片本体127と、同被覆片本体127 の後端部を閉塞する閉塞壁128 とから形成して、少なくとも残留肥料排出用ホース120 の先端開口部を被覆可能としている。
【0043】また、最外側に位置する閉塞壁128 には前方へ開口した嵌合保持片129 を取り付けて、同嵌合保持片129 に前記した連結体123 の外側端部を嵌合させて、保持することができるようようにしている。
【0044】このようにして、施肥ホッパー部37内に残留している残留肥料Bを排出する際には、図4に示すように、操作片44a を操作してスライド開閉体44を前方へスライドさせることにより、残留肥料排出口43を開放させて、同残留肥料排出口43→排出案内用筒体46→残留肥料排出用ホース120 を通して排出することができる。
【0045】この際、排出案内用筒体46に接続した残留肥料排出用ホース120 の先端部は、図5及び図6に示すように、使用位置(a) にて地上に配置した収容容器Cの上端開口部C1上に載置して、同残留肥料排出用ホース120 を通して残留肥料Bを収容容器C内に回収することができるようにしている。
【0046】しかも、施肥装置Mの一側半部に位置する三本の残留肥料排出用ホース120,120,120 は、連結体123 を介して一体的にかつ楽に使用位置(a) と収納位置(b) との間で位置変更操作することができ、収納位置(b) においては連結体123 の外側端部を嵌合保持片129 に嵌合させることにより、三本の残留肥料排出用ホース120,120,120 を連結体123 を介して一体的に収納状態に保持することができる。
【0047】さらには、各残留肥料排出用ホース120 の先端開口部は、収納位置(b) において、被覆片126 により下方と後方とを被覆されているため、後車輪9や内・外側補助車輪31,32 が持ち回って飛散する泥土等が付着するという不具合の発生を防止することができる。
【0048】また、ホッパー部本体41は、底部後側位置に肥料供給口47を形成して、同肥料供給口47に後述する施肥繰り出し部38の前側に配置した肥料受入口59を連通連設している。
【0049】施肥繰り出し部38は、ホッパー部本体41の底部後側部に繰り出し部ケース50を連通連設しており、同繰り出し部ケース50内には、前記したPTO軸29に連動連結した繰り出し部入力軸51と、同繰り出し部入力軸51に連動連結した目皿体回動支軸52と、同目皿体回動支軸52に連動連結した目皿体53と、同目皿体53に一定量の肥料を供給する固定目皿体54と、同固定目皿体54と対向状態に配置して上記目皿体53を支持する支持体55と、同支持体55を下方より弾性付勢する押圧スプリング56とを収容している。
【0050】そして、繰り出し部ケース50は、上部の軸ケース50a と下部の目皿体収容ケース50b とから形成しており、軸ケース50a 内には、繰り出し部入力軸51を左右方向に軸線を向けて横架すると共に、同繰り出し部入力軸51に目皿体回動支軸52の上端部をベベルギヤ57,58 を介して連動連結し、同目皿体回動支軸52は、その軸線を後下方へ向けて伸延させて配置して傾斜姿勢となしている。
【0051】ここで、各繰り出し部ケース50の繰り出し部入力軸51は、相互に連動連結している。
【0052】また、目皿体収容ケース50b 内には、前記した固定目皿体54と目皿体53と支持体55とを上下方向に重合させて配置し、これらの中心部に目皿体回動支軸52の下端部を挿通すると共に、同下端部に目皿体53だけを連動連設している。
【0053】ここで、固定目皿体54には、ホッパー部本体41の肥料供給口47と連通する肥料受入口59を形成する一方、目皿体53には、上記肥料受入口59と符合する複数の肥料繰り出し口60を目皿体回動軸を中心とする同一円周上に一定の間隔を開けて形成している。
【0054】そして、目皿体収容ケース50b の底部には肥料放出口61を形成し、同肥料放出口61に放出案内用筒体62の上端を接続して、同放出案内用筒体62の先端を下方へ向けて伸延させてロート状に形成している。
【0055】ここで、目皿体回動支軸52は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となしており、同目皿体回動支軸52の下端部に目皿体53の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体53は、前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となしている。
【0056】施肥ホース部39は、上下方向に伸延する放出案内用筒体62の下端部に、前後方向に伸延するホース基端部63を交差状に接続し、同ホース基端部63の後端に可撓性のホース部本体64の基端を接続すると共に、同ホース部本体64の先端を植付部2に設けた作溝器27に接続して、同作溝器27により作溝された施肥溝(図示せず)まで施肥繰り出し部38より繰り出される一定量の肥料を案内するようにしている。
【0057】施肥圧送部40は、前記施肥ホース部39のホース基端部63の前端にファンケーシング65を接続し、同ファンケーシング65内にファン66を左右方向に軸線を向けたファン支軸67により軸支しており、左右方向に隣接する各ファン支軸67,67 間には連動連結軸68を介設し、最右側に配置した施肥圧送部40のファン支軸67の右側端部に電動式のファン駆動用モータ69を連動連結している。
【0058】このようにして、ファン駆動用モータ69を駆動させることにより、左右方向に連動連結軸68を介して連動連結したファン支軸67を一体的に回動させて、全てのファン66を同時に回動させることも、また、停止させることもできるようにしている。
【0059】そして、回動するファン66により施肥ホース部39内の肥料を同施肥ホース部39の先端側に圧送するようにしている。
【0060】次に、施肥繰り出し部38を駆動するために、同施肥繰り出し部38の繰り出し部入力軸51と走行部1のPTO軸29との間に介設した繰り出し部伝動機構70について、図1 〜図3を参照しながら説明する。
【0061】すなわち、繰り出し部伝動機構70は、PTO軸29に入力側端部を連動連結した第一チェン伝動機構71と、同第一チェン伝動機構71の出力側端部に入力側端部を連動連結した第二チェン伝動機構72と、同第二チェン伝動機構72の出力側端部に入力軸74を連動連結したリングコーン式無断変速機構75と、同リングコーン式無断変速機構75の出力軸76と繰り出し部入力軸51との間に介設したシャフト伝動機構77とを具備している。
【0062】第一チェン伝動機構71は、PTO軸29に取り付けた第一入力側スプロケット73と、第二チェン伝動機構72の入力軸78に取り付けた第一出力側スプロケット79との間に第一伝動チェン80を巻回して構成している。99は、第一伝動チェン80のテンション機構である。
【0063】第二チェン伝動機構72は、第二チェン伝動機構72の入力軸78に取り付けた第二入力側スプロケット100 と、第二チェン伝動機構72の出力軸101 に取り付けた第二出力側スプロケット102 との間に第二伝動チェン103 を巻回して構成している。
【0064】そして、第二チェン伝動機構72の出力軸101 は、リングコーン式無断変速機構75の入力軸74に筒状連結体104 を介して同一軸線上にて連動連結している。105は軸支持体、106 はチェンケースである。
【0065】リングコーン式無断変速機構75は、走行部1の後部に張設した後部ステップ部20d よりも下方に位置させて、車体フレーム4の右側後端部上に載置しており、四角形箱形に形成した変速ケース92の前壁92a に、前後方向に軸線を向けた入力軸74を貫通状態に取り付ける一方、同変速ケース92の後壁92b に前後方向に軸線を向けた出力軸76を貫通状態に取り付けると共に、上記入力軸74と同軸的に配置し、入力軸74に入力円板93を取り付ける一方、出力軸76に出力円板94を取り付けて、両円板93,94 を対向させて、両円板93,94 間に複数の遊星コーン95を相対的に回転可能に配置すると共に、出力軸76と一体的に公転可能とし、これら遊星コーンの95の円錐面には非回転の変速用リング96をスライド自在に嵌合し、同変速用リング96に変速ケース92の上部間に横架した調節ネジ97をシフタ98を介して連結して、同調節ネジ97の前端を変速ケース92の前壁92a より外方へ突出させて、同突出端に調節ネジ97の回動調節を遠隔操作するための遠隔操作具81を連動連結すると共に、同遠隔操作具81は、走行部1に配設した運転席19の背もたれ部19bよりも前方位置に配置している。
【0066】ここで、遠隔操作具81は、運転席19の座部19a の左側方に位置する運転席支持部20c 上に配置しており、同運転席支持部20c に軸支自体82を設け、同軸支持体82に上下方向に軸線を向けた操作ハンドル支軸83を枢支し、同ハンドル支軸83の上端部に操作ハンドル84を取り付けて構成しており、同操作ハンドル支軸83の下端部は、前記調節ネジ97の突出端に可撓性の連動連結体であるフレシキブルワイヤ85を介して連動連結している。
【0067】このようにして、オペレータは、運転席19に前方を向いて着座した状態にて遠隔操作具81の操作ハンドル84を楽に正・逆回動操作することができ、同操作ハンドル84には操作ハンドル支軸83とフレシキブルワイヤ85とを介して調節ネジ97を連動連結していることから、同調節ネジ97を正・逆回転させることができて、同調節ネジ97に連動して変速用リング96をスライド変位させて、同変速用リング96が押圧状態にて当接する遊星コーン95の円錐面の位置を変化させて出力軸76の回転を変速させることができるようにしている。その結果、リングコーン式無断変速機構75の操作性と操作時の安全性とを向上させることができる。
【0068】この際、フレシキブルワイヤ85は、後部ステップ部20d の下方に配置して、同後部ステップ部20d 上にて作業を行うオペレータの支障とならないようにすると共に、美観を良好となしている。
【0069】なお、遠隔操作具81の配設位置は、オペレータが運転席19に前方を向いて着座した状態にて同遠隔操作具81を楽に操作することができる位置、すなわち、少なくとも運転席19の背もたれ部19b よりも前方位置であれば良く、座部19a の左右いずれか一側下方若しくは前下方に配設することができる。
【0070】シャフト伝動機構77は、リングコーン式無断変速機構75の出力軸76に取り付けた出力側ベベルギヤ86に噛合する入力側ベベルギヤ87と、同入力側ベベルギヤ87を支持する入力側ベベルギヤ支軸88と、同入力側ベベルギヤ支軸88の上端部に下端部を下側ユニバーサルジョイント89を介して連動連結した伝動シャフト90と、同伝動シャフト90の上端部に上側ユニバーサルジョイント91を介して連動連結した出力側ベベルギヤ支軸110 と、同出力側ベベルギヤ支軸110 の上端部に取り付けて、繰り出し部入力軸51に取り付けた入力側ベベルギヤ87に噛合させた出力側ベベルギヤ111 とを具備している。112 は、変速ケース92の後壁に連設した下側ベベルギヤケースであり、また、113 は、施肥繰り出し部38,38 間に配置した上側ベベルギヤケースである。
【0071】ここで、リングコーン式無断変速機構75の出力軸76に取り付けた出力側ベベルギヤ86は、出力軸76にスプライン嵌合すると共に、押圧スプリング114 により外側方に押圧させており、同出力側ベベルギヤ86に噛合している入力側ベベルギヤ87よりも下流側に負荷が生じた際には、出力側ベベルギヤ86が押圧スプリング114 の弾性付勢力に抗して後退作動して、入力側ベベルギヤ87との噛合を解除する安全クラッチ機構を構成している。
【0072】また、入力側ベベルギヤ支軸88は、内側補助車輪31よりも内側方に一定の間隔を開けて配置した下側ベベルギヤケース112 より上方へ突出させており、同入力側ベベルギヤ支軸88の上端部に下端部を連動連結した伝動シャフト90は、外側方へ傾斜状となして、同伝動シャフト90の上端部に、上側ベベルギヤケース113 より下方へ突出させた出力側ベベルギヤ支軸110 の下端部を連動連結しているため、左右方向に隣接する施肥繰り出し部38,38 の間隔を可及的に小さくして、施肥装置Mの左右幅をコンパクト化した場合にも、下側部は内側補助車輪31との間隔を確保した上で、上部側は余分なリンク機構を介することなく、繰り出し部入力軸51に確実に動力を伝達することができる伝動機構を構成することができる。
【0073】図8〜図10は、残留肥料排出用ホース120 の他の実施例としての収納保持構造を示しており、内側に配置した各施肥ホース部39,39 の基端側部にそれぞれ収納保持体122,122,122 を取り付けている。
【0074】そして、各収納保持体122 は、施肥ホース部39に取り付けた取付片130 と、同取付片130 の上面に取り付けた嵌合片131 とから形成しており、嵌合片131 は、上端と左右側方が開口する略U字状に形成している。
【0075】このようにして、残留肥料排出用ホース120 の中途部を屈曲させて、先端側部を左右方向に向けた状態にて嵌合片131 に嵌合させることにより、コンパクトに収納状態を保持させることができる。
【0076】特に、最外側に配置した残留肥料排出用ホース120 は、先端開口部を内方に向けて嵌合片131 に嵌合させることにより、中途部が施肥ホース部39よりも外方に張り出さないようにして収納することができる。
【0077】また、残留肥料Bを排出する際には、最内側とその外側に配置した残留肥料排出用ホース120,120 は、それぞれ内側補助車輪31の内・外側方に沿わせて後下方に向けて伸延させて、地上に配置した収容容器C内に残留肥料Bを回収するようにしており、また、最外側に配置した残留肥料排出用ホース120 は、先端開口部を外側補助車輪32の上方より外方へ向けて配置して、同外側補助車輪32の外側方に配置した収容容器C内に残留肥料Bを回収するようにしている。
【0078】このようにして、特に、内側方に配置した残留肥料排出用ホース120 の傾斜角度を大きく確保して、同残流肥料排出用ホース120 内を通して残留肥料Bを自重により円滑に滑動させながら落下させて、収容容器C内に回収することができるようにしている。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0080】■請求項1記載の本発明では、施肥ホッパー部に残留肥料排出用ホースの基端部を接続すると共に、同残留肥料排出用ホースは後下方へ向けて延設し、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置している。
【0081】このようにして、施肥ホッパー部内の残留肥料は、残留肥料排出用ホースを通して後下方へ排出することができる。
【0082】この際、残留肥料排出用ホースは、先端側部を後車輪の側方に配置しているため、残留肥料排出用ホースの傾斜角度を、同残留肥料排出用ホースを通して排出される肥料が自重により円滑に滑動しながら落下する適正な角度に保持させることができて、残留肥料を効率良く排出させることができる。
【0083】ここで、機体の中央部寄りに位置する施肥ホッパー部に接続した残留肥料排出用ホースは、後車輪の内側方にて、後下方へ向けて延設しておけばよく、植付部を上昇移動させて、走行部の後方を大きく開放状態となすことにより、上記残留肥料排出用ホースの先端部の直下方位置に回収用容器を楽に配置することができて、同回収用容器を介して楽に残留肥料を回収することができる。従って、残留肥料の排出・回収作業能率を向上させることができる。
【0084】■請求項2記載の本発明では、残留肥料排出用ホースは、先端側部を走行部の後車輪の側方に配置した使用位置と、先端側部を後車輪よりも上方位置に配置した収納保持体に保持させた収納位置とに位置変更自在としている。
【0085】このようにして、施肥作業を行わない場合には、残留肥料排出用ホースの先端部を収納保持体に保持させた収納位置に配置しておくことにより、同先端部に泥土等が付着するのを防止することができて、施肥作業時には同先端部より肥料を円滑かつ確実に放出させることができるようにしている。
【0086】■請求項3記載の本発明では、収納保持体は、少なくとも残留肥料排出用ホースの先端開口部を被覆する被覆片を具備している。
【0087】このようにして、後車輪が泥土等を持ち上げて上方に飛散させた場合にも、残留肥料排出用ホースの先端開口部は、収納保持体の被覆片により被覆されているため、同先端開口部に飛散泥土等が侵入して付着するという不具合の発生を確実に防止することができる。従って、施肥作業時の肥料の良好な放出を確保することができる。
【0088】■請求項4記載の本発明では、左右方向に隣接する複数の残留肥料排出用ホースの先端部を、連結体を介して一体的に連結し、同連結体により複数の残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに一体的に位置変更する操作を可能としている。
【0089】このようにして、複数の残留肥料排出用ホースを使用位置と収納位置とに位置変更する操作を機体の一側方より楽に、しかも、確実に行うことができて、かかる位置変更作業を効率良く行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2001−169618(P2001−169618A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−361969