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【発明の名称】 施肥装置を装備する乗用田植機
【発明者】 【氏名】竹田 裕一

【要約】 【課題】施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出する際に、施肥圧送部が支障とならず、円滑かつ確実に残留肥料の排出作業が行えるようにすること。

【解決手段】施肥ホッパー部の底部前側位置に残留肥料排出口を形成する一方、同施肥ホッパー部の底部後側位置に肥料供給口を形成して、同肥料供給口に施肥繰り出し部の前端部を連通連設し、同施肥繰り出し部の後端部に施肥ホース部の基端部を連通連結して、同施肥繰り出し部の直下方位置でかつ残留肥料排出口よりも後方位置に施肥圧送部を配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行部の後方位置に植付部を連結した乗用田植機において、走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部に設けた作溝器により作溝された施肥溝まで案内する施肥ホース部と、同施肥ホース部内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部とを具備する乗用田植機であって、施肥ホッパー部の底部前側位置に残留肥料排出口を形成する一方、同施肥ホッパー部の底部後側位置に肥料供給口を形成して、同肥料供給口に施肥繰り出し部の前端部を連通連設し、同施肥繰り出し部の後端部に施肥ホース部の基端部を連通連結して、同施肥繰り出し部の直下方位置でかつ残留肥料排出口よりも後方位置に施肥圧送部を配置したことを特徴とする施肥装置を装備する乗用田植機。
【請求項2】 施肥繰り出し部は、施肥ホッパー部より供給される肥料を施肥ホース部に一定量づつ繰り出す目皿体と、同目皿体を回動自在に支持する目皿体回動支軸とを具備し、同目皿体回動支軸は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となして、同下端部に目皿体の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体を前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となしたことを特徴とする請求項1記載の施肥装置を装備する乗用田植機。
【請求項3】 残留肥料排出口より前下方へ向けて排出案内用筒体を突出状に形成する一方、肥料放出口より下方へ向けて放出案内用筒体を垂下状に形成して、これら両案内用筒体の間に施肥圧送部を配置したことを特徴とする請求項2記載の施肥装置を装備する乗用田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥装置を装備する乗用田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、施肥装置を装備する乗用田植機の一形態として、走行部の後方位置に植付部を連結し、同走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部の下端部に、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部を連通連設し、同施肥繰り出し部の下端部に施肥ホース部の基端部を連結して、同施肥ホース部により施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部に設けた作溝器により作溝された施肥溝まで案内すると共に、同施肥ホース部内の肥料を施肥ホッパー部の下部前方に配置した施肥圧送部により施肥溝側へ圧送するようにしている。
【0003】また、施肥ホッパー部の下部前側位置には残留肥料排出口を開口して、同残留肥料排出口より施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した乗用田植機では、施肥ホッパー部の下部前側位置に開口した残留肥料排出口の直前方位置に、施肥ホッパー部の下部前方に配置した施肥圧送部が近接して配置されているため、残留肥料排出口を通して残留肥料を排出する作業が煩雑になっている。
【0005】そのため、施肥ホッパー部を昇降機構により昇降自在として、残留肥料排出口より残留肥料を排出する際には、施肥ホッパー部を昇降機構により上昇させて、残留肥料排出口を施肥圧送部より上方へ離隔させることにより、残留肥料の排出作業を楽に行えるようにした施肥装置も開発されているが、この場合、施肥装置の構造が複雑になる上に、同施肥装置の製造コストが高くなるという不具合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで 本発明では 走行部の後方位置に植付部を連結した乗用田植機において、走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部に設けた作溝器により作溝された施肥溝まで案内する施肥ホース部と、同施肥ホース部内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部とを具備する乗用田植機であって、施肥ホッパー部の底部前側位置に残留肥料排出口を形成する一方、同施肥ホッパー部の底部後側位置に肥料供給口を形成して、同肥料供給口に施肥繰り出し部の前端部を連通連設し、同施肥繰り出し部の後端部に施肥ホース部の基端部を連通連結して、同施肥繰り出し部の直下方位置でかつ残留肥料排出口よりも後方位置に施肥圧送部を配置したことを特徴とする施肥装置を装備する乗用田植機を提供せんとするものである。
【0007】また、本発明は、次の構成にも特徴を有する。
【0008】■施肥繰り出し部は、施肥ホッパー部より供給される肥料を施肥ホース部に一定量づつ繰り出す目皿体と、同目皿体を回動自在に支持する目皿体回動支軸とを具備し、同目皿体回動支軸は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となして、同下端部に目皿体の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体を前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となしたこと。
【0009】■残留肥料排出口より前下方へ向けて排出案内用筒体を突出状に形成する一方、肥料放出口より下方へ向けて放出案内用筒体を垂下状に形成して、これら両案内用筒体の間に施肥圧送部を配置したこと。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に 本発明の実施の形態について説明する。
【0011】すなわち 本発明に係る施肥装置を装備する乗用田植機は、基本的構造として、走行部の後方位置に植付部を連結し、同走行部の後部に施肥装置を載設すると共に、同施肥装置は、肥料を収容する施肥ホッパー部と、同施肥ホッパー部内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部と、同施肥繰り出し部より繰り出される一定量の肥料を植付部に設けた作溝器により作溝された施肥溝まで案内する施肥ホース部と、同施肥ホース部内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部とを具備している。
【0012】そして、特徴的構造として、施肥ホッパー部の底部前側位置に残留肥料排出口を形成する一方、同施肥ホッパー部の底部後側位置に肥料供給口を形成して、同肥料供給口に施肥繰り出し部の前端部を連通連設し、同施肥繰り出し部の後端部に施肥ホース部の基端部を連通連結して、同施肥繰り出し部の直下方位置でかつ残留肥料排出口よりも後方位置に施肥圧送部を配置している。
【0013】このようにして、残留肥料排出口を通して施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出する際に、施肥圧送部が支障とならず、円滑かつ確実に残留肥料の排出作業が行える。
【0014】しかも、施肥ホッパー部を昇降させるための昇降機構等を設ける必要性がないため、施肥装置の構造の簡易化と製造コストの低減とが図れる。
【0015】また、施肥繰り出し部は、施肥ホッパー部より供給される肥料を施肥ホース部に一定量づつ繰り出す目皿体と、同目皿体を回動自在に支持する目皿体回動支軸とを具備し、同目皿体回動支軸は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となして、同下端部に目皿体の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体を前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となしている。
【0016】このようにして、施肥繰り出し部の直下方位置を大きく開放することにより、施肥装置自体は所定の地上高を確保したまま、施肥圧送部を収容するための空間を充分に確保することができる。
【0017】従って、残留肥料排出口を通して施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出する際に、施肥圧送部が支障とならないように配置することができて、この点からも円滑かつ確実に残留肥料の排出作業が行える。
【0018】また、残留肥料排出口より前下方へ向けて排出案内用筒体を突出状に形成する一方、肥料放出口より下方へ向けて放出案内用筒体を垂下状に形成して、これら両案内用筒体の間に施肥圧送部を配置している。
【0019】このようにして、施肥圧送部が、排出案内用筒体を通して行う残留肥料の排出作業と、放出案内用筒体を通して行う肥料の放出(施肥)作業のいずれにも支障とならないようにすることができて、各作業性を良好に確保することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0021】図1 は、本発明に係る施肥装置Mを装備する乗用田植機Aを示しており、同乗用田植機Aは、走行部1の後方位置に植付部2を昇降連結機構3を介して昇降自在に連結し、同走行部1の後部に施肥装置Mを載設している。
【0022】走行部1は、図1に示すように、車体フレーム4上において、前部に原動機部5を設けると共に、後部に運転部6を設け、車体フレーム4の下方において、中途部に左・右側前車輪7,7 をフロントアクスルケース8を介して設けると共に、後部に左・右側後車輪9,9 をリヤアクスルケース10を介して設け、フロントアクスルケース8とリヤアクスルケース10との間にはミッションケース11を配設している。
【0023】そして、原動機部5には、エンジン12を搭載しており、同エンジン12にミッションケース11をミッションケース伝動シャフト13を介して連動連結し、同ミッションケース11にリヤアクスルケース10を連動連設すると共に、ミッションケース11にフロントアクスルケース8をフロントアクスルケース伝動シャフト14を介して連動連結している。15はボンネットである。
【0024】運転部6は、ボンネット15の後部にステアリングコラム16を一体的に形成し、同ステアリングコラム16の上端部よりハンドル支軸17を突出させて、同ハンドル支軸17にハンドル18を取り付け、同ハンドル18の後方位置に運転席19を配置している。
【0025】また、図1中、20は、車体フレーム4 上に張設した車体カバーであり、同車体カバー20は、ボンネット15の左右側方位置に張り出し状に形成した左・右側前部ステップ部20a,20a と、各ステップ部20a,20a の後端縁部に接続させてステアリングコラム16と運転席19との間に形成した床部20b と、同床部20b の後端縁部より上方へ立ち上げると共に、後方へ伸延させて形成した運転席支持部20c と、同運転席支持部20c より後方へ伸延させて形成した後部ステップ部20d と、同後部ステップ部20d の左右側縁部に形成した左・右側リヤフェンダー20e,20e とから形成している。
【0026】植付部2は、図1に示すように、植付ミッションケース21に前後方向に伸延する三個の植付伝動ケース22,22,22の前端部を連動連設すると共に、各植付伝動ケース22,22,22を左右方向に一定の間隔を開けて配設し、各植付伝動ケース22,22,22の後端部の左右側部にはそれぞれロータリケース23,23,23,23,23,23 を介して植付爪24,24,24,24,24,24 を取り付け、また、これら植付伝動ケース22,22,22上には六条植え用の苗載台25を載置する一方、各植付伝動ケース22,22,22の下方位置にはそれぞれフロート26,26,26を取り付けている。
【0027】また、図1中、27は、各フロート26の中途部下面に取り付けた作溝器であり、同作溝器27は各フロート26に左右方向に隣接させて二個づつ取り付けている。28は、植付ミッションケース21より前方へ突出させた植付入力軸であり、同植付入力軸28は、前記したミッションケース11より後方へ突出させたPTO軸29に植付伝動シャフト30を介して連動連結している。
【0028】このようにして、植付部2では、六個の植付爪24による六条の苗植付作業と、六個の作溝器27による六条の作溝作業とが行えるようにしている。
【0029】昇降連結機構3は、走行部1の車体フレーム4の後端部と、植付部2の植付ミッションケース21の前端部との間に介設して、植付部2を昇降作動させることができるようにしている。
【0030】施肥装置Mは、図1及び図2に示すように、車体フレーム4の後端部上に六個の施肥装置形成体35,35,35,35,35,35 を施肥装置支持フレーム(図示せず)を介して取り付けると共に、各施肥装置形成体35,35,35,35,35,35 は左右方向に一定の間隔を開けて配置し、かつ、形成体支持枠体36により一体的に連結している。図2中、31は内側補助車輪、32は外側補助車輪である。
【0031】そして、各施肥装置形成体35は、図3〜図5にも示すように、肥料を収容する施肥ホッパー部37と、同施肥ホッパー部37内の肥料を一定量ずつ繰り出す施肥繰り出し部38と、同施肥繰り出し部38より繰り出される一定量の肥料を植付部2に設けた作溝器27により作溝された施肥溝(図示せず)まで案内する施肥ホース部39と、同施肥ホース部39内の肥料を施肥溝側へ圧送する施肥圧送部40とを具備している。
【0032】施肥ホッパー部37は、上面に肥料投入用の開口部を有するホッパー部本体41と、同ホッパー部本体41の開口部を開閉する開閉蓋体42とを具備しており、ホッパー部本体41は、底部前側位置に残留肥料排出口43を形成し、同残留肥料排出口43をホッパー部本体41内の底部に配置したスライド開閉体44により開閉自在とすると共に、同スライド開閉体44は、その前端部に形成した操作片44a をホッパー部本体41の底部前壁に形成した操作片突出口45より前方へ突出させて、同操作片44a を外部より押し引き操作して上記残留肥料排出口43を開閉可能としている。図5中、Bは残留肥料である。
【0033】そして、残留肥料排出口43には排出案内用筒体46の基端を接続し、同排出案内用筒体46の先端を前下方へ向けて伸延させて突出状に形成している。
【0034】このようにして、施肥ホッパー部37内に残留している残留肥料Bを排出する際には、図5に示すように、操作片44a を操作してスライド開閉体44を前方へスライドさせることにより、残留肥料排出口43を開放させて、同残留肥料排出口43より排出案内用筒体46を通して排出することができる。
【0035】この際、前下方に向けて伸延させた排出案内用筒体46には収容容器Cの上端開口部C1を接続して、同収容容器C内に回収することができるようにしており、かかる残留肥料Bの回収作業に施肥圧送部40が支障となることはない。
【0036】また、ホッパー部本体41は、底部後側位置に肥料供給口47を形成して、同肥料供給口47に後述する施肥繰り出し部38の前側に配置した肥料受入口59を連通連設している。
【0037】施肥繰り出し部38は、ホッパー部本体41の底部後側部に繰り出し部ケース50を連通連設しており、同繰り出し部ケース50内には、前記したPTO軸29に連動連結した繰り出し部入力軸51と、同繰り出し部入力軸51に連動連結した目皿体回動支軸52と、同目皿体回動支軸52に連動連結した目皿体53と、同目皿体53に一定量の肥料を供給する固定目皿体54と、同固定目皿体54と対向状態に配置して上記目皿体53を支持する支持体55と、同支持体55を下方より弾性付勢する押圧スプリング56とを収容している。
【0038】そして、繰り出し部ケース50は、上部の軸ケース50a と下部の目皿体収容ケース50b とから形成しており、軸ケース50a 内には、繰り出し部入力軸51を左右方向に軸線を向けて横架すると共に、同繰り出し部入力軸51に目皿体回動支軸52の上端部をベベルギヤ57,58 を介して連動連結し、同目皿体回動支軸52は、その軸線を後下方へ向けて伸延させて配置して傾斜姿勢となしている。
【0039】ここで、各繰り出し部ケース50の繰り出し部入力軸51は、相互に連動連結している。
【0040】また、目皿体収容ケース50b 内には、前記した固定目皿体54と目皿体53と支持体55とを上下方向に重合させて配置し、これらの中心部に目皿体回動支軸52の下端部を挿通すると共に、同下端部に目皿体53だけを連動連設している。
【0041】ここで、固定目皿体54には、ホッパー部本体41の肥料供給口47と連通する肥料受入口59を形成する一方、目皿体53には、上記肥料受入口59と符合する複数の肥料繰り出し口60を目皿体回動軸を中心とする同一円周上に一定の間隔を開けて形成している。
【0042】そして、目皿体収容ケース50b の後側底部には、後方へ回動移動した肥料繰り出し口60と符合する肥料放出口61を形成し、同肥料放出口61に放出案内用筒体62の上端を接続して、同放出案内用筒体62の先端を下方へ向けて伸延させて垂下状に形成している。
【0043】ここで、目皿体回動支軸52は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となしており、同目皿体回動支軸52の下端部に目皿体53の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体53は、前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となして、目皿体53の肥料繰り出し口60が肥料受入口59と前側位置にて符合すると共に、同繰り出し口60が上記肥料受入口59よりも上方に配置した肥料放出口61と後側位置にて符合するするようにしている。
【0044】このようにして、残留肥料排出口43に接続した排出案内用筒体46と、肥料放出口61に接続した放出案内用筒体62との間に位置する施肥繰り出し部38の直下方位置を大きく開放することにより、同位置に施肥圧送部40を収容するための施肥圧送部収容空間Sを、施肥装置M自体は所定の地上高を確保したまま、充分に広く確保することができるようにして、これら両案内用筒体46,62 の間に形成される施肥圧送部収容空間S内に施肥圧送部40を配置している。
【0045】施肥ホース部39は、上下方向に伸延する放出案内用筒体62の下端部に、前後方向に伸延するホース部基端部63を交差状に接続し、同ホース基端部63の後端に可撓性のホース部本体64の基端を接続すると共に、同ホース部本体64の先端を植付部2に設けた作溝器27に接続して、同作溝器27により作溝された施肥溝(図示せず)まで施肥繰り出し部38より繰り出される一定量の肥料を案内するようにしている。
【0046】施肥圧送部40は、前記施肥ホース部39のホース部基端部63の前端にファンケーシング65を接続し、同ファンケーシング65内にファン66を左右方向に軸線を向けたファン支軸67により軸支しており、左右方向に隣接する各ファン支軸67,67 間には連動連結軸68を介設し、最右側に配置した施肥圧送部40のファン支軸67の右側端部に電動式のファン駆動用モータ69を連動連結している。
【0047】このようにして、ファン駆動用モータ69を駆動させることにより、左右方向に連動連結軸68を介して連動連結したファン支軸67を一体的に回動させて、全てのファン66を同時に回動させることも、また、停止させることもできるようにしている。
【0048】そして、回動するファン66により施肥ホース部39内の肥料を同施肥ホース部39の先端側に圧送するようにしている。
【0049】次に、施肥繰り出し部38を駆動するために、同施肥繰り出し部38の繰り出し部入力軸51と走行部1のPTO軸29との間に介設した繰り出し部伝動機構70について、図1 〜図4を参照しながら説明する。
【0050】すなわち、繰り出し部伝動機構70は、PTO軸29に入力側端部を連動連結した第一チェン伝動機構71と、同第一チェン伝動機構71の出力側端部に入力側端部を連動連結した第二チェン伝動機構72と、同第二チェン伝動機構72の出力側端部に入力側端部を連動連結した第三チェン伝動機構73と、同第三チェン伝動機構73の出力側端部に入力軸74を連動連結したリングコーン式無断変速機構75と、同リングコーン式無断変速機構75の出力軸76と繰り出し部入力軸51との間に介設した第四チェン伝動機構77とを具備している。
【0051】第一チェン伝動機構71は、PTO軸29に取り付けた第一入力側スプロケット104 と、第二チェン伝動機構72の入力軸78に取り付けた第一出力側スプロケット79との間に第一伝動チェン80を巻回して構成している。103 は、第一伝動チェン80のテンション機構である。
【0052】第二チェン伝動機構72は、第二チェン伝動機構72の入力軸78に取り付けた第二入力側スプロケット81と、第二チェン伝動機構72の出力軸82に取り付けた第二出力側スプロケット83との間に第二伝動チェン84を巻回して構成している。
【0053】そして、第二チェン伝動機構72の出力軸82は、第三チェン伝動機構73の入力軸85とベベルギヤ86,87 を介して連動連結しており、かかる入・出力軸85,82 は、車体フレーム4の後端部に軸支持枠体88を介して支持させている。
【0054】第三チェン伝動機構73は、入力軸85に取り付けた第三入力側スプロケット89と、リングコーン式無断変速機構75の入力軸74に取り付けた第三出力側スプロケット90との間に第三伝動チェン91を巻回して構成している。
【0055】リングコーン式無断変速機構75は、左側から二番目と三番目の施肥装置形成体35,35 の間に配置すると共に、形成体支持枠体36に取り付けており、四角形箱形に形成した変速ケース92の左側壁92a に、左右方向に軸線を向けた入力軸74を貫通状態に取り付ける一方、同変速ケース92の右側壁92b に左右方向に軸線を向けた出力軸76を貫通状態に取り付けると共に、上記入力軸74と同軸的に配置し、入力軸74に入力円板93を取り付ける一方、出力軸76に出力円板94を取り付けて、両円板93,94 を対向させて、両円板93,94 間に複数の遊星コーン95を相対的に回転可能に配置すると共に、出力軸76と一体的に公転可能とし、これら遊星コーンの95の円錐面には非回転の変速用リング96をスライド自在に嵌合し、同変速用リング96に変速ケース92の上部間に横架した調節ネジ97をシフタ98を介して連結して、同調節ネジ97の左側端を変速ケース92の左側壁92a より外方へ突出させて、同突出端に回動操作用抓み99を取り付けている。
【0056】このようにして、回動操作用抓み99を抓んで、調節ネジ97を正・逆回転させることにより、変速用リング96をスライド変位させて、同変速用リング96が押圧状態にて当接する遊星コーン95の円錐面の位置を変化させて変速するようにしている。
【0057】第四チェン伝動機構77は、リングコーン式無断変速機構75の出力軸76に取り付けた第四入力側スプロケット100 と、繰り出し部入力軸51に取り付けた第四出力側スプロケット101 との間に第四伝動チェン102 を巻回して構成している。
【0058】図6及び図7は、他の実施例としての施肥装置Mを示しており、同施肥装置Mは、基本的構造を前記した施肥装置Mと同様に構成しているが、残留肥料排出口43より排出案内用筒体46を下方へ垂設して、同排出案内用筒体46に収容袋体Dの上端開口部D1を接続している点と、施肥圧送部40の構造においてわずかに異なる。
【0059】すなわち、施肥圧送部40は、各施肥ホース部39のホース部基端部63の前端間に、左右方向に伸延する円筒状のエアパイプ111 を横架上に連通連結し、同エアパイプ111 の左側端にブロワ112 を取り付ける一方、右側端を閉塞しており、ブロワ112 は、ファン(図示せず)と、同ファンを駆動する駆動用モータ113 とを具備している。
【0060】このようにして、残留肥料排出口43に接続した排出案内用筒体46と、肥料放出口61に接続した放出案内用筒体62との間に形成される施肥圧送部収容空間S内に、エアパイプ111 を配置している。
【0061】しかも、排出案内用筒体46に上端開口部を接続した収容袋体Dは、図7に示すように、後部ステップ部20d 上に載置して、同状態にて残留肥料Bの回収作業を行うことができるようにしており、かかる回収作業において、エアパイプ111 は何ら支障となることがない。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0063】■請求項1記載の本発明では、施肥ホッパー部の底部前側位置に残留肥料排出口を形成する一方、同施肥ホッパー部の底部後側位置に肥料供給口を形成して、同肥料供給口に施肥繰り出し部の前端部を連通連設し、同施肥繰り出し部の後端部に施肥ホース部の基端部を連通連結して、同施肥繰り出し部の直下方位置でかつ残留肥料排出口よりも後方位置に施肥圧送部を配置している。
【0064】このようにして、残留肥料排出口を通して施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出する際に、施肥圧送部が支障とならず、円滑かつ確実に残留肥料の排出作業が行える。
【0065】しかも、施肥ホッパー部を昇降させるための昇降機構等を設ける必要性がないため、施肥装置の構造の簡易化と製造コストの低減とが図れる。
【0066】■請求項2記載の本発明では、施肥繰り出し部は、施肥ホッパー部より供給される肥料を施肥ホース部に一定量づつ繰り出す目皿体と、同目皿体を回動自在に支持する目皿体回動支軸とを具備し、同目皿体回動支軸は上端部側よりも下端部側が後方に位置する傾斜状となして、同下端部に目皿体の中央部を略直交状態に取り付けて、同目皿体を前側よりも後側が上方に位置する傾斜状となしている。
【0067】このようにして、施肥繰り出し部の直下方位置を大きく開放することにより、施肥装置自体は所定の地上高を確保したまま、施肥圧送部を収容するための空間を充分に確保することができる。
【0068】従って、残留肥料排出口を通して施肥ホッパー部内に残留している肥料を排出する際に、施肥圧送部が支障とならないように配置することができて、この点からも円滑かつ確実に残留肥料の排出作業が行える。
【0069】■請求項3記載の本発明では、残留肥料排出口より前下方へ向けて排出案内用筒体を突出状に形成する一方、肥料放出口より下方へ向けて放出案内用筒体を垂下状に形成して、これら両案内用筒体の間に施肥圧送部を配置している。
【0070】このようにして、施肥圧送部が、排出案内用筒体を通して行う残留肥料の排出作業と、放出案内用筒体を通して行う肥料の放出(施肥)作業のいずれにも支障とならないようにすることができて、各作業性を良好に確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2001−169616(P2001−169616A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−360558