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【発明の名称】 点播式播種装置
【発明者】 【氏名】武野 節生

【氏名】大前 健介

【氏名】前田 義夫

【要約】 【課題】外周面に種子が嵌まる壺穴7の多数個を穿設したローラ3の上部を、種子ホッパー5内にのぞませて、前記各壺穴7に種子を順次充填し、ローラの回転に伴って当該各壺穴がローラの下面に来たとき壺穴から落下する播種装置において、前記壺穴7内に種子が入り易くする。

【解決手段】前記ローラ3の回転中心を通る水平面12から前記壺穴7が前記種子ホッパー5内に最初にのぞむ位置までの角度θを35度以上にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】外周面に複数個の壺穴を穿設した回転式のローラと、その上方に、当該ローラの上部が内部にのぞむように配設した種子ホッパーとからなる点播式播種装置において、前記ローラの回転中心を通る水平面から前記壺穴が前記種子ホッパー内に最初にのぞむ位置までの角度を35度以上にしたことを特徴とする点播式播種装置。
【請求項2】前記請求項1において、前記各壺穴における軸線を、ローラの軸線方向から見て、ローラの回転中心から当該壺穴に向かう法線に対してローラの回転方向の前方向に適宜角度だけ傾斜したことを特徴とする点播式播種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜等のような作物の種子を、圃場面又は育苗用トレイ等に点播するための播種装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の点播式の散播装置は、軸線を水平にして回転するローラの外周面に、種子が嵌まる壺穴の多数個を穿設し、前記ローラの上部を、その上方に配設した種子ホッパー内にのぞませて、この種子ポッパー内において、前記ローラにおける各壺穴に、適宜数の種子を順次充填し、次いで、この各壺穴内の種子を、ローラの回転に伴って当該各壺穴がローラの下面に来たとき壺穴から落下して、圃場面又は育苗用トレイ等に点播するという構成にしている。
【0003】ところで、この点播式の散播装置において、種子ポッパー内の種子は、ローラの外周面における壺穴がローラの回転に伴って種子ホッパー内に入った時点でこの壺穴内に落ち込むことになるのであるが、従来の装置においては、ローラの回転に伴ってその外周面における壺穴が種子ホッパー内に最初にのぞむ位置を、前記ローラの回転中心を通る水平面からの高さが低いに部位に設定することにより、前記ローラの回転中心を通る水平面から壺穴が種子ホッパー内に最初にのぞむ位置までの角度を小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ローラの外周面における各壺穴は、ローラの回転に伴って水平横向きの姿勢から次第に上向きの姿勢に変化するものであるから、前記従来の装置にように、ローラの回転中心を通る水平面から壺穴が種子ホッパー内に最初にのぞむ位置までの角度を小さくした構成であると、前記壺穴は、略横向きに近い姿勢のままで、換言すると、十分に上向きに姿勢にならないうちに、種子ホッパー内に入ることになる。
【0005】従って、従来の構成であると、壺穴への入り口において種子の架橋現象等が発生して、壺穴内に種子が入り難くなり、種子の点播に、種子の不足又は欠けが多発するという問題があった。
【0006】本発明は、この問題を解消することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成するため本発明は、「外周面に複数個の壺穴を穿設した回転式のローラと、その上方に、当該ローラの上部が内部にのぞむように配設した種子ホッパーとからなる点播式播種装置において、前記ローラの回転中心を通る水平面から前記壺穴が前記種子ホッパー内に最初にのぞむ位置までの角度を35度以上にする。」という構成にした。
【0008】
【発明の作用・効果】このように、ローラの回転中心を通る水平面から壺穴が種子ホッパー内に最初にのぞむ位置までの角度を35度以上にすることにより、前記壺穴は、横向きから可成り上向きの姿勢に変化した時点で、種子ホッパー内に入りこれに種子が落ち込むことになるから、壺穴への入り口での種子の架橋現象の発生が減少し、壺穴に種子が入り易くなるのである。
【0009】従って、本発明によると、種子の点播に、種子の不足又は欠けが発生することを確実に低減できる効果を有する。
【0010】特に、請求項2に記載したように、前記各壺穴における軸線を、ローラの軸線方向から見て、ローラの回転中心から当該壺穴に向かう法線に対してローラの回転方向の前方向に適宜角度だけ傾斜することにより、種子ホッパー内に最初にのぞむときにおける壺穴の姿勢がより上向きになるから、前記効果を更に助長できるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図1〜図5の図面について説明する。
【0012】この図において、符号1は、多数個の鉢部1aを縦方向に適宜ピッチP1の間隔で、横方向に適宜ピッチP2の間隔で設けてなる育苗用トレイを示し、このトレイ1は、その各鉢部1a内に床土を入れた水平の状態で、エンドレスチエン2等の移送手段にて矢印方向に移送されている。
【0013】符号3は、適宜速度で矢印の方向に回転駆動されるローラを示し、このローラ3は、前記トレイ1の上方に、その回転軸3aを、水平で、且つ、前記トレイ1の移送方向と直角にしてフレーム4に支持され、このローラ3の上方には、種子を入れた種子ホッパー5が、当該種子ホッパー5内に前記ローラ3の上部をのぞませるようにして、前記フレーム4に取付けられている。
【0014】前記ローラ3の外周面には、その周囲を囲う複数本の環状溝6が、軸線方向に沿って前記トレイ1における床部1aの横ピッチP2の間隔で刻設されていると共に、この各環状溝6の箇所に、これよりも浅い深さの略裁頭円錐形に形成した複数個の壺穴7が、円周方向に沿って前記トレイ1における床部1aの縦ピッチP1の間隔で刻設されている。
【0015】前記ローラ3の外周面のうち前記種子ホッパー5より回転方向の後方側の部分には、当該外周面における壺穴7を前記種子ホッパー5からローラ3の下面の至るまでの区間にわたって塞ぐようにした円弧状のガイド板8が配設されている。なお、このガイド板8は、その上端を前記フレーム4に対してピン9にて回転自在に枢着することにより、下端部がローラ3の外周面から離れ得るように構成され、且つ、図示しないばね手段にてローラ3の外周面に押圧されている。
【0016】また、前記ローラ3の下面のうち前記ガイド板8と反対側の部分には、ピアノ線等のばね線10の複数本が、当該ばね線10の先端が前記ローラ3における環状溝6内に挿入するようにして前記フレーム4に取付けられている。
【0017】更にまた、前記種子ホッパー5の底板5aには、先端が前記ローラ3の外周面に接当又は近接するようにした調節板11が、ローラ3に対して遠近調節可能に取付けられ、前記ローラ3の回転に伴い、その外周面における壺穴7が、前記調節板11を超えて種子ホッパー5内に入った時点で、この壺穴7内に、前記種子ホッパー5の種子が落ち込むように構成されている。
【0018】そして、前記ローラ3の回転中心を通る水平面12から前記ローラ3の回転中心と前記調節板11の先端とを結ぶ線13までの角度θ、つまり、ローラ3の回転中心を通る水平面12から壺穴7が種子ホッパー5内に最初にのぞむ位置までの角度θが35度以上になるように構成する。
【0019】この構成において、ローラ3の回転に伴い、その壺穴7が、種子ホッパー5における調節板11を越えて種子ホッパー5内に入った時点で、この壺穴7内に、種子が落ち込み充填され、次いで、種子ポッパー5からの出口に設けたブラシ14を通過したのち、円弧状ガイド板8にて種子が壺穴7から出ないように保持された状態でローラ3の下面に至り、前記ガイド板8を通過した時点で、その下部におけるトレイ1に対して播種される一方、前記壺穴7内に残る種子は、これよりも回転方向の後方に設けたばね線10にて壺穴7内から掻き出される。
【0020】また、前記ローラ3の外周面に付着した状態で前記ブラシ14から出る種子は、スクレーパ15にて受け箱16に入るように除去される。
【0021】ところで、種子ポッパー5内の種子は、ローラ3の外周面における壺穴7がローラ3の回転に伴って調節板11を越えて種子ホッパー5内に入った時点でこの壺穴7内に落ち込むのであるが、前記調節板11が、図3に二点鎖線で示すように、下向きに折り曲げた形態で、前記ローラ3の回転中心を通る水平面12から前記ローラ3の回転中心と前記二点鎖線で示す調節板11′の先端とを結ぶ線13′までの角度θ′、つまり、ローラ3の回転中心を通る水平面12から壺穴7が種子ホッパー5内に最初にのぞむ位置までの角度θ′が20度前後というように小さい場合には、前記壺穴7は、略横向きに近い姿勢のままで、換言すると、十分に上向きに姿勢にならないうちに、種子ホッパー5内に入ることになるから、その入り口に種子の架橋現象が発生し易くなる。
【0022】これに対して、前記したように、前記ローラ3の回転中心を通る水平面12から前記ローラ3の回転中心と前記実線で示す調節板11の先端とを結ぶ線13までの角度θ、つまり、ローラ3の回転中心を通る水平面12から壺穴7が種子ホッパー5内に最初にのぞむ位置までの角度θを35度以上にした場合には、前記壺穴7は、横向きから可成り上向きの姿勢に変化した時点で、種子ホッパー5内に入りこれに種子が落ち込むことになるから、壺穴7への入り口での種子の架橋現象の発生が減少し、壺穴7に種子が入り易くなるのである。なお、前記角度θは、約45度以上にすることが好ましい。
【0023】また、前記各壺穴7の中心線7aを、ローラ3の軸線方向から見て、ローラ3の回転中心から当該壺穴7に向かう法線17に対してローラ3の回転方向の前方向に適宜角度αだけ傾斜するという構成にする。
【0024】このように構成することにより、前記各壺穴7が、前記調節板11を越えて種子ホッパー5内に最初にのぞむときにおける姿勢が前記よりも上向きになるから、この壺穴7内の種子の入り易さをさらに向上できるのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】391025914
【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−169613(P2001−169613A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−360540