| 【発明の名称】 |
点注型施肥装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂本 信次
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構造をもって液肥の逆流を阻止し、土中への注入を安定して確実に行うことのできる往復動型ポンプを使用した施肥装置を提供する。
【解決手段】液肥タンク18a,18bから注入管16に液肥を導く液肥管路90a,90b,91,92上に、往復動型のポンプ74を配設すると共に、液肥タンクから該ポンプに至る吸入管路上に第一の逆止弁を設けてポンプから液肥タンクへの液肥の逆流を阻止する一方、該ポンプから該注入管に至る圧送管路上に、第二の逆止弁を設けて注入管からポンプへの液肥の逆流を阻止しするようにした。さらに、注入管が土中に差し込まれた際にだけ、ポンプに対し、吐出方向の駆動力を直接に及ぼして、液肥を注入管へ圧送すると共に、それ以外では、ポンプ74に対して吸入方向の付勢力を弾性部材によって緩衝的に及ぼし、液肥タンクからポンプ内に液肥を吸入するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場を移動せしめられる装置本体によって支持された注入管を、略鉛直方向に往復作動せしめることにより、該注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動せしめて、土中に差し込まれた先端ノズル部から液肥等を注入する点注型施肥装置において、前記装置本体に支持された液肥タンクから前記注入管に液肥等を導く液肥用管路上に往復動型のポンプを配設すると共に、該液肥タンクから該ポンプに至る吸入管路上に、ポンプから液肥タンクへの液肥等の逆流を阻止する第一の逆止弁を設け、更に該ポンプから該注入管に至る圧送管路上に、注入管からポンプへの液肥等の逆流を阻止する第二の逆止弁を設けることにより、かかるポンプの作動に基づいて、液肥等を液肥タンクから吸入して注入管に圧送せしめるようにする一方、該ポンプにおいて、吐出方向にだけ駆動力を直接に作用せしめて、吸入方向には弾性部材による付勢力によって緩衝的に作動せしめるようにしたことを特徴とする点注型施肥装置。 【請求項2】 前記圧送管路上に、前記注入管の先端ノズル部が閉塞して管路内圧力が上昇した際に作動し、該管路内圧力を吸収する圧力吸収手段を設けた請求項1に記載の点注型施肥装置。 【請求項3】 前記注入管の往復作動と同期して回転せしめられる駆動回転体を設けると共に、該駆動回転体を、該注入管における最下点に対応する周上の点を略中心として、回転円周上の半周より小さい範囲で、前記ポンプの駆動軸に当接させて吐出方向に駆動せしめるようにした請求項1又は2に記載の点注型施肥装置。 【請求項4】 一軸回りに回転作動せしめられる少なくとも一つの回転アームを用いて前記注入管を支持せしめて、該回転アームの回転作動に同期して、注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動させるようにすると共に、該回転アームと前記駆動回転体を一体的に形成した請求項3に記載の点注型施肥装置。 【請求項5】 前記ポンプの駆動軸に当接せしめられる前記駆動回転体の当接範囲を変更することにより、前記注入管に液肥等を圧送するタイミングを調節する調節機構を設けた請求項3又は4に記載の点注型施肥装置。 【請求項6】 前記ポンプの駆動軸に対して、コイルスプリングによる付勢力をリンク機構を介して吸入方向に及ぼすようにした請求項1乃至5の何れかに記載の点注型施肥装置。 【請求項7】 前記液肥タンクを相互に独立して鉛直方向で複数設けると共に、それら複数段の液肥タンクを、それぞれ、前記吸入管路を通じて前記ポンプに同時に接続せしめ得るようにした請求項1乃至6の何れかに記載の点注型施肥装置。 【請求項8】 走行輪によって圃場を移動せしめられる支持体に支持された注入管を、略鉛直方向に往復作動せしめることにより、該注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動せしめて、土中に差し込まれた先端ノズル部から液肥等を注入する点注型施肥装置において、略鉛直方向に離間して配された二つの回転中心軸まわりに、それぞれ走行輪と略同期して回転せしめられる2本のリンクを用いて4節リンク機構を構成せしめて、それら2本のリンクで前記注入管を連結支持せしめると共に、何れか一方のリンクによる注入管の連結支持位置を、他方のリンクによる注入管の連結支持位置を中心とした周方向に所定距離だけ変位可能としたことを特徴とする点注型施肥装置。 【請求項9】 前記注入管の先端ノズル部が走行方向斜前方に向かうように、該注入管を傾斜せしめる付勢手段を設けた請求項8に記載の点注型施肥装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【技術分野】本発明は、圃場を走行しながら土中に抜差作動せしめられる注入管を通じて、液体肥料等を土中に所定間隔で点在状に注入する点注型施肥装置に関するものである。 【0002】 【背景技術】このような点注型施肥装置としては、例えば、特開平11−32535号公報に記載されているように、複数の走行輪が装着された装置フレームに対して、液肥の注入管を略鉛直方向で上下駆動せしめて、注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動させると共に、注入管が土中に差し込まれた際に、その先端ノズル部から液体肥料を土中に注入するようにした構造のものが、従来から知られている。かかる構造の点注型施肥装置においては、土中に差し込まれた注入管の先端ノズル部から液肥を吐出させて土中に注入するために、液肥を圧送するポンプ機構が採用されているが、このようなポンプ機構においては、ポンプから所定圧力で液肥を注入管に圧送する必要があると共に、液肥を収容するタンクからポンプ内に液肥を供給するために、ポンプ内に液肥を所定の吸入力で吸入する必要がある。 【0003】しかしながら、このようなポンプ機構におけるポンプには、タンクから液肥を供給する供給管路と、注入管に液肥を圧送する圧送管路の両方が接続されているために、注入管から液肥を吐出せしめるに際してポンプに大きな吐出圧を生ぜしめると、供給管路を通じてタンクに液肥が逆流する恐れがあった。また一方、液肥をタンクから吸入するに際してポンプに大きな吸入力を生ぜしめると、圧送管路を通じて注入管のノズル側にも吸引力が及ぼされて、土等の異物を先端ノズル部から吸引してノズル詰まり等の原因となるおそれもあった。 【0004】そこで、このような問題に対処する為に、例えば、予圧ポンプとプランジャ式のポンプの組み合わせや、背圧をかけるための2段式のポンプ機構を採用して、液肥を注入管に圧送する際に、タンク側への逆流を防止する為に背圧をかけることが考えられている。しかしながら、背圧をかけるために、上述の如きポンプ機構を採用した場合は、何れも構造が極めて複雑となって、製造コストの向上等の問題が避けられなかった。 【0005】また、プランジャポンプやピストンポンプ等の往復動型ポンプを採用するに際しては、プランジャやピストンを液肥吸入側(シリンダから突出する側)に作動させた際、シリンダ内に発生する負圧によって、液肥内の気層が分離し、エアの発生するおそれがあった。特に、液肥の種類によって粘度が大きい場合等においては、シリンダ内に大きな負圧やエアが発生し易くなり、大きな負圧の発生によって配管等に変形や損傷等の悪影響が及ぼされるおそれがあると共に、エアの発生によってその後のポンプによる液肥の圧送が不安定乃至は不可能となって、土中への充分な液肥の注入が安定して為されなくなるという不具合があった。 【0006】 【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景としてなされたものであって、請求項1乃至7に記載の発明の解決課題とするところは、簡単な構造をもって液肥の逆流を防止し、且つ土中への注入を安定して確実に行うことのできる往復動型ポンプによる液肥注入機構を実現することにある。また、往復動型ポンプを用いた液肥の供給経路における大きな負圧の発生を防止し、安定した圧送作動をより有効に実現せしめ得る液肥注入機構を備えた施肥装置を実現することも、解決すべき課題とする。 【0007】また、請求項8又は9に記載の発明は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明と任意に組み合わされて、それによって上記の如き課題を解決し得ると共に、注入管の土中への差し込み/引き抜き作動時における走行方向への引きずりが軽減乃至は回避され得る注入管の抜差機構を実現することを課題とする。 【0008】 【解決手段】以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することのできる発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。 【0009】本発明の第一の態様は、圃場を移動せしめられる装置本体によって支持された注入管を、略鉛直方向に往復作動せしめることにより、該注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動せしめて、土中に差し込まれた先端ノズル部から液肥を注入する点注型施肥装置において、前記装置本体に支持された液肥タンクから前記注入管に液肥等を導く液肥用管路上に往復動型のポンプを配設すると共に、該液肥タンクから該ポンプに至る吸入管路上に、ポンプから液肥タンクへの液肥等の逆流を阻止する第一の逆止弁を設け、更に該ポンプから該注入管に至る圧送管路上に、注入管からポンプへの液肥等の逆流を阻止する第二の逆止弁を設けることにより、かかるポンプの作動に基づいて、液肥等を液肥タンクから吸入して注入管に圧送せしめるようにする一方、該ポンプにおいて、吐出方向にだけ駆動力を直接に作用せしめて、吸入方向には弾性部材による付勢力によって緩衝的に作動せしめるようにしたことを、特徴とする。 【0010】このような本態様においては、第一及び第二の2つの逆止弁と往復動型ポンプによって、液肥の逆流を確実に防止し得、液肥等の土中への注入を確実に行うことのできる液肥注入機構を備えた施肥装置を、極めて簡単な構造をもって実現し得る。また、弾性部材の付勢力によって往復動型ポンプを吸引作動せしめるようにされていることから、大きな負圧の急激な発生が回避される。それによって、液肥等からの気層の分離が有利に回避され得、エア発生によるポンプ圧送不良が回避されると共に、土中への液肥の安定した注入が実現され得る。 【0011】ここにおいて、往復動型ポンプとしては、プランジャポンプ、ピストンポンプ等が好適に採用され得る。また、第一及び第二の逆止弁としては、一般に用いられているチェック弁等が有利に採用され得る。さらに、注入管の配設位置は、土中への液肥の注入を有利に為し得る箇所であれば良く、装置本体で注入管を直接的に支持せしめる他、例えば、装置本体に連結されて、装置本体から独立して変位可能とされたサブフレームを設け、このサブフレームに注入管を装着することにより、サブフレームを介して装置本体で間接的に支持してもよい。更にまた、本態様は、走行機構を有し、圃場を自走せしめられる自走式の点注型施肥装置に適用される他、走行機構を持たない牽引タイプの点注型施肥装置に対しても適用可能である。また、本態様は、液肥等の点注の他、例えば、防除用の液体農薬等の点注にも適用可能である。なお、本態様において、液肥とは、液体状やスラリー状等、流動性のある全ての肥料を含むものである。 【0012】また、ポンプに対して、液肥の吐出方向に駆動力を及ぼす駆動機構は、特に限定されるものではなく、例えば、装置本体の走行駆動系の駆動力をリンク機構等を介して利用するものや、独立したポンプ駆動手段等によって有利に構成される。更にまた、ポンプに対して液肥の吸引方向に付勢力を与える弾性部材としては、特に限定されるものではなく、部材強度や、耐久性、配設スペース等を考慮して決定されるが、好ましくは、コイルスプリングや板ばね、皿ばね等が有利に用いられ得る。 【0013】また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とされた施肥装置において、前記圧送管路上に、前記注入管の先端ノズル部が閉塞して管路内圧力が上昇した際に、該管路内圧力を吸収する圧力吸収手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、注入管の先端ノズル部が閉塞した場合の管路内圧力の過大な上昇が回避され得ると共に、該圧力増大に伴う管体の膨出変形や破損、ポンプの液肥漏れや損傷等が防止され得る。なお、本態様の圧力吸収手段は、液肥の圧送管路上に公知のアキュムレータを設けることにより、簡単な構造をもって容易に実現され得る。そこにおいて、該アキュムレータには初期圧力が付与されており、通常の灌注作動時には作用しないようになっている。一方、注入管の先端ノズル部が何等かの原因で詰まった場合は、管路内の圧力が上昇してアキュムレータが作動し、管路内の過大な圧力の上昇が有利に回避されるようになっている。また、管路内の圧力の上昇やアキュムレータの容積増大等を感知して、アキュムレーターが作動せしめられる際に、警報を発令する機構や、ポンプの往復作動をストップさせる自動停止機構を設けてもよい。 【0014】また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされた施肥装置において、前記注入管の往復作動と同期して回転せしめられる駆動回転体を設けると共に、該駆動回転体を、該注入管における最下点に対応する周上の点を略中心として、回転円周上の半周より小さい範囲で、前記ポンプの駆動軸に当接させて吐出方向に駆動せしめるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、簡単な構造をもって注入管と同期して、往復動型ポンプを作動させることが可能となる。しかも、注入管の先端ノズル部が完全に土中に差し込まれ、該ノズル部が最下点位置まで達した際に、ポンプの駆動軸も略最下点まで押し込まれることとなり、液肥を土中に確実に注入させることが出来るのであり、そのような高度な作動をする液肥圧送機構が極めて簡単な構造をもって実現され得る。ここにおいて、駆動回転体は、例えば、注入管に往復駆動力を伝動せしめる伝動部材としての回転プレートや回転アーム等を利用して構成する他、そのような伝動部材から独立して形成された回転プレートや回転アーム、カム等によって構成することも可能である。 【0015】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の態様に従う構造とされた施肥装置において、一軸回りに回転作動せしめられる少なくとも一つの回転アームを用いて前記注入管を支持せしめて、該回転アームの回転作動に同期して、注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動させるようにすると共に、該回転アームに前記駆動回転体を一体的に形成したことを、特徴とする。このような本態様においては、注入管の駆動系とポンプの駆動系を共通の部材で構成することが可能となり、しかも注入管の駆動とポンプの駆動の同期をきわめて容易に且つ確実に実現することが可能となる。ここにおいて、駆動回転体は、回転アーム自体で形成される他、回転アームに別部材を固定的に取り付けること等によって、有利に構成され得る。 【0016】なお、本態様において、回転アームの配設数は特に限定されるものではないが、鉛直方向に離間した二つの中心軸回りにそれぞれ回転作動せしめられる二つの回転アームを用いて、注入管を上下2ヶ所において支持する4節リンク機構が有利に採用され得る。このような4節リンク機構を採用した場合は、上下の回転アームの長さを適宜調節することにより、注入管の土中への差込み角度が調節可能とされる。 【0017】また、本発明の第五の態様は、前記第三又は第四の態様に従う構造とされた施肥装置において、前記ポンプの駆動軸に当接せしめられる前記駆動回転体の当接範囲を変更することにより、前記注入管に液肥等を圧送するタイミングを調節する調節機構を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、ポンプの作動ストローク量の調節や、液肥の圧送タイミング或いは圧送量の調節を容易に行うことが可能となる。ここにおいて、駆動回転体の当接範囲の変更は、ワッシャ等の調節リングを用いプランジャ等のポンプの駆動軸の長さを調節すること等によって容易に実現され得る。 【0018】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の態様の何れかに従う構造とされた施肥装置において、前記ポンプの駆動軸に対して、コイルスプリングによる付勢力をリンク機構を介して吸入方向に及ぼすようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、コイルスプリングを用いたことにより、ポンプの駆動軸に対して安定した付勢力を優れた耐久性をもって容易に付与することができる。しかも、リンク機構を介して付勢力を及ぼすことによって、リンク機構の倍力作用等により、目的とする大きさの力を、ピストンロッドやプランジャ等のポンプ駆動軸に対して有利に及ぼすことができる。さらに、リンク機構の採用により、コイルスプリングの配設位置の設定自由度が向上され得る。 【0019】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の態様の何れかに従う構造とされた施肥装置において、前記液肥タンクを相互に独立して鉛直方向で複数設けると共に、それら複数段の液肥タンクを、それぞれ、前記吸入管路を通じて前記ポンプに同時に接続せしめ得るようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、重力の作用によって、最上段のタンクから優先的に液肥が供給されることとなる。そして、最上段のタンクの液肥が枯渇した時点で、その直下に位置するタンクから液肥の供給が自動的に開始される。即ち、重力の作用をうまく利用したことによって、鉛直下方に位置するタンクをサブタンクとして利用することが可能となることから、最上段のタンク内に液肥が無くなったのを確認した後で、液肥の交換を行えばよく、それによって、作業中の液肥切れによる土中への液肥の注入もれ等の不具合が有利に防止され得る。 【0020】また、本態様において、鉛直方向で相互に離間して配設される液肥タンクの数は、特に限定されるものではないが、配設スペース、装置の強度や全体重量、或いは作業容易性等を考慮して、好ましくは、上下2段の液肥タンクが採用される。かかる好ましい態様においては、下段の液肥タンクが、上述の如きサブタンクとして機能せしめられることによって、作業中の液肥切れが有利に回避され得る。従って、施肥作業中、上段の液肥タンクの交換作業のみによって、液肥が途切れることなく確実に注入管から注入され続けることとなり、下段の液肥タンクの交換が不要となって、作業性の向上が有利に達成され得る。 【0021】なお、本態様に従う上下複数段のタンク構造は、前記第1乃至第6の態様と組み合わせて採用することは、必ずしも必要ではなく、本態様に係るタンク構造は、それ自体一つの技術的思想として認識され得るものであって、例えば、従来から公知の施肥装置に対して本態様に係るタンク構造のみを採用することも可能である。 【0022】また、本発明の第八の態様は、走行輪によって圃場を移動せしめられる支持体に支持された注入管を、略鉛直方向に往復作動せしめることにより、該注入管の先端ノズル部を土中に抜差作動せしめて、土中に差し込まれた先端ノズル部から液肥等を注入する点注型施肥装置において、略鉛直方向に離間して配された二つの回転中心軸まわりに、それぞれ走行輪と略同期して回転せしめられる2本のリンクを用いて4節リンク機構を構成せしめて、それら2本のリンクで前記注入管を連結支持せしめると共に、何れか一方のリンクによる注入管の連結支持位置を、他方のリンクによる注入管の連結支持位置を中心とした周方向に所定距離だけ変位可能としたことを、特徴とする。 【0023】このような本態様においては、注入管の先端ノズル部が土中に差し込まれた際に、注入管が走行方向に傾くことによって、注入管の走行方向への引きずりが軽減乃至は回避され得る。ここにおいて、注入管が支持される支持体は、施肥装置本体の他、装置本体とは独立して設けられて、該装置本体に相対変位可能に連結されたサブフレーム等によって構成され得る。 【0024】また、本発明の第九の態様は、前記第八の態様に従う構造とされた施肥装置において、前記注入管の先端ノズル部が走行方向斜前方に向かうように、該注入管を傾斜せしめる付勢手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、注入管が土中に差し込まれた際、該注入管の土の抵抗に対する逃げ方向の傾き量がより大きく許容されることとなり、注入管の引きずりが一層有利に軽減乃至は回避され得る。 【0025】なお、第八及び第九の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に従う構造とされた施肥装置にも、適宜に組み合わされて構成され得る。それによって、第一乃至第七の態様の効果を何れも有効に享受し得る。 【0026】 【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。 【0027】先ず、図1乃至図4には、本発明の第一の実施形態としての施肥装置10が示されている。かかる施肥装置10は、複数の鋼材を溶接等で一体的に連結することによって構成された枠組構造のメインフレーム12を備えており、このメインフレーム12の下端部分の複数箇所に装着された走行輪13a〜13dによって、圃場に敷設されたレール11上を走行せしめられるようになっている。また、このメインフレーム12には、メインフレーム12から独立して相対移動可能なサブフレーム14が連結されており、メインフレーム12に対して鉛直方向に上下動可能に連結されている。このサブフレーム14の走行方向に直行する左右方向両側には、一対の注入管16,16がそれぞれ配設支持されており、それら注入管16,16が、鉛直方向に上下動せしめられて、圃場の土中に抜差作動せしめられるようになっている。そして、メインフレーム12に支持されたタンク18a,18bから、かかる注入管16,16に液肥が導かれて、注入管先端部から液肥が土中に注入されるようになっている。 【0028】より詳細には、前記メインフレーム12は、互いに重ね合わされて一体的に連結固定された矩形ボックス状の下段枠体構造部20と、矩形ボックス状の上段枠体構造部22とを含んで構成されている。また、上段枠体構造部22には、その上端部付近から水平方向側方に延び出す水平腕部23aが固設されていると共に、該水平腕部23aの突出先端部近くには、鉛直下方に延びる鉛直脚部23bが固設されている。そして、これら23aと23bによってメインフレーム12から、隣接して敷設された他方のレール11上に延びる安定用補助フレーム24が、一体的に形成されている。これにより、メインフレーム12は全体として門形形状をなしており、二つのレール11,11間に跨って、二つのレール11,11上に載置されるようになっている。そして、下段枠体構造部20の前後の下端部及び安定用補助フレーム24の下端部には、それぞれ、走行輪13a〜13cが装着されている。そして、それらの走行輪13a〜13cがレール上11,11に載せられてレール上11,11を走行せしめられるようになっている。なお、安定用補助フレーム24の水平腕部23aには、長手方向に相互に所定距離を隔てて複数の取付穴25が設けられており、水平腕部23aに対する鉛直脚部23b取付位置が、水平腕部23aの長手方向で、選択的に調節可能とされている。これにより、レール間距離の違いに容易に対応することが出来るようになっている。なお、下段枠体構造部20には、レール11上で一方の側に延び出すジャッキフレーム26が設けられており、その先端部分には、走行輪13dが取り付けられている。このジャッキフレーム26は、下段枠体構造部20に対して、上下動ねじ27によって高さ調節されるようになっており、必要に応じて、中央に位置する走行輪13a或いは、自身の走行輪13dの何れかをレール11から上方に持ち上げることが可能となっている。この機構は、レール11の継ぎ目等において、メインフレーム12を移動させる際に有利である。なお、各走行輪13a〜13cの付近には、レール11を両側から挟み込むサイド輪28,28がそれぞれ設けられており、各種形状のレール11,11に対応して、レール11上を安定して走行せしめられるようになっている。なお、図中29は、下段枠体構造部20の一部を構成する補強板である。 【0029】また一方、上段枠体構造部22には、液肥が収容されるタンクを保持する上段及び下段のタンク支持台30a,30bが鉛直方向に離間して設けられており、それぞれに、上段側タンク18aおよび下段側タンク18bが載置されて保持されるようになっている。特に、本実施形態では、樹脂袋に入った液肥をそのまま、或いは輸送用ダンボール箱等に収容したまま載置可能とされており、樹脂袋の角部に予め取り付けられた取出口に、後述する液肥供給用管路90a,90bの先端をねじや係合部材で連結することによって取り付けられるようになっている。 【0030】また、メインフレーム12には、安定用補助フレーム24の上部平面上にバッテリー乃至は発電機等の電源供給手段32が装着されている。また、上段枠体構造部22には、走行用駆動手段を構成する駆動用電動モータ34が取り付けられて支持されている。そして、電源供給手段32からの電力の供給により、電動モータ34が作動せしめられるようになっている。この電動モータ34の出力軸には、ドライブスプロケット36が取り付けられていると共に、走行輪13aの回転軸にもスプロケット38が取り付けられており、それらドライブスプロケット36とスプロケット38の間には、チェーン40が掛け渡されている。そのチェーン40を介して走行輪13aに駆動力が及ぼされるようになっている。それによって、施肥装置10がレール11の長手方向に前進乃至は後進させられるようになっている。ここにおいて、走行輪13aは、走行用駆動輪としての機能を果たすものであり、以下、駆動輪13aと称す。なお、ドライブスプロケット36とスプロケット38の間には、テンションプーリー42が設けられており、チェーン40に所定のテンションがかけられるようになっている。また、メインフレーム12の走行方向一方の端部(図1中右方端部)には、リミットスイッチ98が配設されており、このリミットスイッチ98のON/OFFに従って、電動モータ34の回転方向、ひいては装置の走行方向が、前進と後退とに切り換えられるようになっている。 【0031】サブフレーム14は、レール11を挟んだ両側に位置して、それぞれ矩形箱体形状の箱形フレーム43,43を備えており、これら一対の箱形フレーム43,43が、レール11の上方で相互に連結固定されている。各箱形フレーム43は、矩形平板形状の底板44上において、走行方向に直交する方向で互いに離間して対向位置せしめられた一対の縦型支持板48,48が立設固定された構造を有している。また、底板44は、走行方向の前端部分と後端部分がそれぞれ斜め上方に折り曲げられて船形形状とされていると共に、前後の各傾斜板部には、案内手段としての地上走行輪46がそれぞれ装着されている。そして、この底板44の平坦な中央部分において、一対の縦型支持板48,48が溶着固定されて立設されており、両縦型支持板48,48の対向面間に配設された複数の丸鋼等によって相互に連結固定されている。 【0032】そして、各箱型フレーム43における一対の縦型支持板48,48の間には、鉛直上下方向に離間した2ヶ所において、縦型支持板48,48の鉛直平面に直交して水平方向に延びると共に、その一方の端部が外側に位置する縦型支持板48の表面に突出する回転中心軸49a,49bが配設されている。そして、上下二箇所に突出した回転中心軸49a,49b回りに回転可能な状態で、上側回転アーム50と下側回転アーム52がそれぞれ、鉛直平面内で、回転可能に取り付けられて支持されている。また、上側回転アーム50の回転中心軸と下側回転アーム52の回転中心軸には、それぞれ同期駆動用のスプロケット54,56が固設されており、チェーン58で相互に連結されることによって、同期して、回転駆動せしめられるようになっている。要するに、回転方向が上側回転アーム50と下側回転アーム52で同じになるようにされている。なお、上下回転アーム50,52は、箱形フレーム43の外側に配されているが、スプロケット54,56やチェーン58は、箱形フレーム43の内側に収容状態で配されている。 【0033】そして、これら上下二つの回転アーム50,52によって注入管16が支持されている。かかる注入管16は、中空のロッド形状を有しており、先端部分には、先尖状の先端部と吐出口を有する吐出用ノズル部60を備えている。また、注入管16の上端部には、同軸上で上方に向かって延びる支持ロッド62が固着されており、この支持ロッド62に対して軸方向に離間した二つの位置から軸直角方向に略同じ長さで延び出す一対の支持アーム64が固着されており、これら一対の支持アーム64が上下回転アーム50,52の外方先端部分に対してそれぞれ回動可能に枢着されている。これによって、上下二つの回転アーム50,52で4節のリンク機構が構成されており、特に、本実施形態では、上下二つの回転アーム50,52が略同じ長さとされて、4節の平行リンク機構が構成されており、上下二つの回転アーム50,52が中心軸回りに同期して回転することによって、注入管16が略鉛直状態を維持しつつ往復上下動せしめられるようになっている。さらに、下側の回転アーム52の回転中心軸には、スプロケット66が固定的に取り付けられており、このスプロケット66とメインフレーム12に装着された駆動輪13aの回転軸に取り付けられたスプロケット67との間に跨ってチェーン68が張架されている。これにより、電動モータ34からの駆動力が、駆動輪13aの回転軸を介して、下側の回転アーム52に伝達され、以て、注入管16が上下駆動せしめられるようになっている。なお、このことから本実施形態では、抜差駆動手段が、電動モータ34を利用して構成されている。また、レール11を挟んだ両側にそれぞれ配された一対の箱形フレーム43,43には、それぞれ一本の注入管16が上下動可能に支持されているが、本実施形態では、両箱形フレーム43,43によって支持された計2本の注入管16,16が、互いに180°だけ位相がずれて上下動されるようになっており、交互に土中に差し込まれるようになっている。 【0034】そして、このような構造とされたサブフレーム14は、メインフレーム12の下側枠体構造部20に対して、上下2本の連結ロッド70,72によって、連結されている。即ち、これら上下の連結ロッド70,72は、互いに略平行に配設されて、一方の端部においてそれぞれメインフレーム12に対して揺動可能にピン固定されている。また、他方の端部においては、サブフレームの回転中心軸49a,49bに対して揺動可能にピン固定されている。これにより、メインフレーム12とサブフレーム14の間において上下2本の連結ロッド70,72により、4節の平行リンク機構が構成されている。即ち、この平行リンク機構を構成する上下2本の連結ロッド70,72によって、サブフレーム14がメインフレーム12に牽引乃至は後押しされて同時に移動されるようになっている。しかも、本実施形態では、上下連結ロッド70,72の軸方向寸法が略同一とされて、平行リンク機構を構成していることから、サブフレーム14は、各箱形フレーム43及び各注入管16が略鉛直状態を保持したまま、メインフレーム12に対して相対的に上下動可能となっている。これにより、サブフレーム14はメインフレーム12の位置に関わらず、圃場の土表面に沿って四つの走行輪46により案内されて走行せしめられるようになっている。また、かかる走行状態下、駆動輪13aからチェーン68を介してスプロケット66に駆動力が及ぼされることによって、上下側回転アーム50,52が回転駆動せしめられて、注入管16が上下動される。それによって、注入管16の先端部が土中に抜差されるようになっている。そこにおいて、サブフレーム14は、圃場の土表面に対して略一定位置とされることから、抜差作動される注入管16の差込み深さも略一定の深さに有利に維持されるようになっている。 【0035】次に、注入管16への液肥の圧送手段について説明をする。図5には、本実施形態に従う構造とされた液肥圧送手段の要部が拡大して示されている。かかる液肥圧送手段は、サブフレーム14の各箱形フレーム43内にそれぞれ配設されたプランジャポンプを備えている。そこにおいて、プランジャポンプ74のシリンダ76は、箱形フレーム43の底板部44と縦型支持板48に対して固定的に取り付けられており、このプランジャポンプ74のシリンダ76から上方に向かってプランジャ80が突出されている。このプランジャ80の突出先端部には、長さ調節用のワッシャ81を介して押圧ロッド82が上方に向かって固設されており、この押圧ロッド82の先端部分に対して、スプロケット56における下側回転アーム52に対応する位置に突設された駆動回転体としての押圧ピン84が、周上の所定の回転位置で当接せしめられ、それによって、押圧ロッド82が押圧され、プランジャ80に対して押し込み作動せしめられるようになっている。ここにおいて、ワッシャ81の組付数等によりプランジャの長さが調節可能とされており、プランジャの長さを適時調節し、プランジャポンプの作動ストロークが調節可能とされている。即ち、本実施形態でのこのワッシャ81によるプランジャ長の調節機構により、液肥の圧送タイミング乃至は圧送量を調節する、圧送タイミング調節機構が構成されている。また、押圧ロッド82の先端部分には、一端をサブフレーム14に対してピン結合されたリンク86が連結されており、このリンク86の他端部は、引張コイルスプリング88を介してサブフレーム14の縦型支持板48の上端部分に連結されている。そして、この引張コイルスプリング88による引張方向の付勢力が、プランジャポンプ74のプランジャ80に対して、シリンダ76からの突出方向に常時及ぼされるようになっている。即ち、これにより、プランジャポンプ74のプランジャ80は、常時抜出方向に弾性的に保持されるようになっており、スプロケット56に突設された押圧ピン84が押圧ロッド82の突出先端部に当接した時だけ、プランジャ80がシリンダ76内に押し込まれるようになっている。特に、押圧ピン84が周上の半周以下(本実施形態においては1/4周程度)の最下端部分でしか押圧ロッド82に当接しないようにされており、当接している領域で、プランジャ80を押圧すると共に、そこから離れることによって押圧を解除して、プランジャ80に対して引張作動、即ち、抜出方向への駆動力を及ぼさないようになっている。なお、押圧ピン84は、プランジャ80に固定されていないことから、プランジャ80に対して押下力だけを及ぼすこととなり、実際には、下死点に至った後は、押圧ピン84はプランジャ80から独立して上方に変位せしめられることとなる。これにより、抜出方向への復元力は、引張コイルスプリング88によって緩衝的にプランジャ80に及ぼされるようになっている。 【0036】さらに、上下回転アーム50,52は注入管16と同期して回転作動せしめられるようになっていることから、注入管16の上下動と同期して、回動せしめられる。即ち、上下側回転アーム50,52が最下端に位置する際に、注入管16が最下端に位置すると共に、上下側回転アーム50,52が最上端に位置する際に、注入管16も最上端に位置せしめられるようになっている。従って、注入管16が鉛直下方に変位せしめられて、その先端部分が土中に差し込まれる略最下端域近くに達した場合に、初めて、下側回転アーム52に対応位置する押圧ピン84が押圧ロッド82の先端部分に当接し、プランジャ80に対して押し込み作動せしめて、シリンダ76内に圧力を生ぜしめるようになっている。このプランジャポンプ74には、液肥供給/圧送用管路89が直接に接続されており、その管路89が分岐点93(図6参照)で分岐して、タンク18a,18bからの液肥供給用管路90a,90bへ接続される一方、注入管16への液肥圧送管路92へも接続されている。具体的には、液肥供給管路90a,90bは、一旦連結されて、その連結部の下流側において、左右それぞれのプランジャポンプ74用として分岐される。分岐されたそれぞれの管路は、液肥送り管路91を介して液肥供給/圧送用管路89に連結される。この液肥供給/圧送用管路89は、分岐され、液肥圧送管路92として注入管16へ連結される。また、液肥供給/圧送用管路89の分岐点93よりもタンク18側には、第一の逆止弁94が装着されている。一方、液肥供給/圧送用管路89の分岐点93よりも注入管16側には、第二の逆止弁96が装着されている。そして、図6にモデル的に示されているように、第一の逆止弁94は、タンク18a,18b側からプランジャポンプ74側への液肥の流れを許容し、その反対方向への流れを阻止するようになっている。第二の逆止弁96は、プランジャポンプ74から注入管16に向かう液肥の流れを許容し、その逆向きの流れを阻止するようになっている。 【0037】このような構造とされた液肥圧送手段においては、プランジャポンプ74のプランジャ80が、引張コイルスプリング88によって押し込み位置から緩衝的に戻されることに伴い、プランジャポンプ74内に発生する負圧によって、タンク18a,18bから液肥がプランジャポンプ74内に吸引される。そして、プランジャ80が最も引き出された位置にまで達した後、押圧ピン84がプランジャ80の押圧ロッド82に当接せしめられて、プランジャ80が押し込み駆動される。それによって、シリンダ76内から液肥が圧送されて注入管16に導かれ、注入管16の吐出用ノズル部60から土中に注入されるようになっている。 【0038】従って、上述の如き構造とされた施肥装置10は、電動モータ34を駆動し、レール11の一方の端部から他方の端部に向かって自走せしめられることとなるが、レール11の他方の端部に設けられた、レール端版と突出板(図示せず)に対して、リミットスイッチ98が当接することによって、電動モータ34の回転方向が変えられて、後退走行せしめられる。前進時後退時何れにおいても、電動モータ34の駆動輪の回転と、注入管16を上下駆動する抜差駆動手段の駆動とが同期して、同時に行われるようになっていると共に、液肥の圧送作動も同期して行われるようになっている。従って、前進駆動時においても、一定間隔に注入管が土中に差し込まれて液肥が注入される。また、後退作動時においても、同様に液肥が注入される。特に、本発明においては、施肥装置10の前進時と後退時において、電動モータ34の回転を逆回転にすることによって、本体の走行方向が変換されると同時に、注入管16を上下動させる上下側回転アーム50,52の回転方向も逆方向とされる。そこにおいて、本実施形態においては、土中に差し込まれた後の注入管16の水平方向の動きが、施肥装置10の走行方向の動きと反対向きとされていることから、メインフレーム12の走行に伴う注入管16の差込み状態での引きずりが、走行方向に応じて軽減される方向に注入管16が水平方向において、メインフレーム12に対して移動されるようになっている。 【0039】また、上述の如き構造とされた施肥装置10においては、プランジャポンプ74に連結された液肥供給/圧送用管路89が、分岐点93を介して液肥供給用管路90a,90b及び液肥圧送用管路92に分岐され、連結されているが、かかる分岐点93よりもタンク18a,18b側に第一の逆止弁94を配設することにより、液肥圧送時のタンク18a,18bへの液肥の逆流が有利に阻止され得ると共に、分岐点93よりも注入管16側に第二の逆止弁96を配設したことにより、液肥吸入時の注入管16における吐出用ノズル部60へ吸引力の波及が阻止されて、吐出用ノズル部60内への土等の異物の吸入が、簡単な構造をもって確実に回避され得る。 【0040】また、本実施形態に従う施肥装置10においては、プランジャポンプ74の押圧ロッド82に対して引張コイルスプリング88による突き出し方向への付勢力が常に及ぼされるようになっており、この引張コイルスプリング88による押圧ロッド82の引張作動を、注入管16の抜差作動と同期して回転する駆動回転体としての押圧ピン84による押圧ロッド82の押圧作動と組み合わせて採用したことにより、従来必要とされた液肥汲み出し用ポンプ等の特別の装置を要することなく、簡単な構造をもって、所望の周期でプランジャ80を往復作動させることが出来、液肥の吸引及び圧送を有利に行うことが可能となる。しかも、プランジャ80の引き上げによる液肥の吸引作動が、引張コイルスプリング88の付勢力を介して行われることから、急激なピストンの上昇等に起因する液肥からの気層の分離等の不具合が有利に回避されて、プランジャポンプの作業性の安定化が図られ得る。 【0041】さらに、本実施形態に従う構造とされた施肥装置10においては、鉛直方向に相互に離間して配された液肥タンクとしてのタンク18a,18bを採用したことにより、重力の作用を利用して、タンク18bをサブタンクとして利用することが出来る。従って、作業中にタンク18a内の液肥が枯渇した際には、タンク18b内の液肥が土中に注入されることとなって、作業中の液肥切れに伴う施肥作業上の不具合が有利に防止され得る。また、タンク18a内の液肥が枯渇した後も、タンク18b内の液肥が枯渇するまでに、タンク18aの液肥を載せかえる乃至は補充する作業を行えばよく、施肥作業性の向上が有利に図られ得る。 【0042】加えて、本実施形態に従う構造とされた施肥装置10は、圃場に敷設された作業装置用のレール11を有効に利用するものであり、施肥装置10をレール上に載置し、走行せしめることによって、施肥装置10が圃場内を安定して走行され得る。また、レール11上を走行する施肥装置10がレールの端部に到達したことを検出するリミットスイッチ98を採用したことにより、リミットスイッチ98の検出信号に基づき電動モータ34の駆動方向が変えられて、施肥装置10が該レール11上を逆方向、即ち後退方向に進行させられる。これにより、施肥装置10の圃場内における走行作業の省人化乃至は無人化を有利に図ることが可能となり、作業の容易化と作業性の効率が飛躍的に向上され得る。 【0043】しかも、注入管16は、その上側端部に設けられた締付手段によってノズル軸方向に位置調節が可能とされていることから、土中への差込み深さも調節することが出来、液肥の注入深さの設定自由度が向上され得る。 【0044】次に、本発明の第二の実施形態としての点注型施肥装置100が、図7〜10に示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。 【0045】先ず、施肥装置100は、複数の鋼材を溶接等で一体的に連結することによって構成された枠組構造の本体フレーム102を備えており、この本体フレーム102によって、バッテリや発電機等の電源供給手段32、駆動用電動モータ34、液肥収容用のタンク18が固定的に支持されるようになっている。また、本体フレーム102の下端部分には、施肥装置100の前方側に位置して、走行方向に直交する左右両側に相互に離間して配された駆動用前輪104,104と、施肥装置100の後方側に位置して該左右駆動用前輪104,104間の略中央部分に位置するように配された駆動用後輪106が装着されており、これら駆動用前後輪104,104,106によって、施肥装置100が圃場の土表面を走行せしめられるようになっている。さらに、施肥装置100は、本体フレーム102によって支持された注入管16を、略鉛直方向に往復駆動せしめて、土中に抜差作動せしめる駆動機構を備えると共に、タンク18から液肥を注入管16に供給する液肥供給用の管路構造を備えており、注入管16の抜差作動に伴って、液肥を注入管16の吐出用ノズル部60から土中に注入せしめるようになっている。 【0046】より詳細には、図7に示されているように、本体フレーム102の前方側下端部には、施肥装置100の走行方向に直行して水平方向に延びる前輪用回転中心軸108が回転可能に装着されていると共に、該回転中心軸108の軸方向両端部分には、左右駆動用前輪104,104がそれぞれ固定的に装着されて軸支されている。また、前輪用回転中心軸108には、第1のスプロケット110が固定的に装着されており、本体フレーム102に固定的に支持された駆動用電動モータ34の駆動軸に取り付けられたドライブスプロケット36に対して、チェーン112を介して連結されている。そして、ドライブスプロケット36と第1のスプロケット110の間に配されたテンションプーリ114,114によって、チェーン112に所定のテンションがかけられ、チェーン112を介して駆動用電動モータ34の駆動力が第1のスプロケット110に伝達され、駆動用前輪104,104が回転駆動せしめられるようになっている。 【0047】また、図7,8及び9に示されるように、本体フレーム102の後方側には、本体フレーム102の鉛直方向中央部分から下方に延び出す一対の後輪支持プレート116,116が一体的に固設されており、それら後輪支持プレート116,116は、走行方向に直行する方向で、相互に所定距離だけ離間して対向位置せしめられている。また、後輪支持プレート116,116の間には、鉛直上下方向に離間した2ヶ所において、後輪支持プレート116,116の鉛直平面に直交して水平方向に延びると共に、その軸方向両端部が後輪支持プレート116,116の表面に突出する上側回転中心軸118及び下側回転中心軸120がそれぞれ回転可能に支持されている。 【0048】かかる下側回転中心軸120には、その軸方向略中央部分において、駆動用後輪106がベアリンク122を介して回転可能に支持されていると共に、第二のスプロケット124が同様にベアリング126を介して回転可能に支持されている。そして、第二のスプロケット124と駆動用後輪106が、互いにボルト固定されることによって、一体的に回動せしめられるようになっている。一方、上側回転中心軸118には、第三のスプロケット128が固定的に装着されており、チェーン130を介して第二のスプロケット124と連結されている。この第三のスプロケット128は、同時にチェーン130を介して後述する第四のスプロケット132とも連結されている。この第四のスプロケットは、該第四のスプロケット132に隣接して設けられると共に、該第四のスプロケット132と同期して回転せしめられる第五のスプロケット133に対して、チェーン134を介してドライブスプロケット36の駆動力が伝達されることにより、回転せしめられる。このような第四スプロケットの回動により、第三のスプロケット128が回転せしめられて、それに伴って駆動用後輪106が駆動されるようになっている。なお、チェーン130は、第二のスプロケット124と第四のスプロケット132の間にも掛け渡される共に、第二乃至第四のスプロケット124,128,132の間に配されたテンションプーリ136,136によって、所定のテンションがかけられて、第二乃至第四のスプロケット124,128,132が同期して回転駆動せしめられるようになっている。 【0049】次に、注入管16の抜差駆動機構について説明する。先ず、図8に示される如く、上側回転中心軸118の両側突出端部には、それぞれ回転アームとしての半円形回転板138,138が、その中心点付近に突出して設けられた円筒形の取付部140,140によって、外挿状態で固着されており、該取付部140,140の外周縁部に設けられたベアリング142を介して、それら取付部140,140が後輪支持プレート116に対して回転可能に装着されている。一方、上側回転中心軸118の鉛直下方に離間して平行に配された下側回転中心軸120の両側突出端部には、それぞれ回転アームとしての円形回転板144,144が、その中心部分に突出して設けられた円筒型の取付部146,146によって外挿状態で固着されており、該取付部146の外周縁部に設けられたベアリング148を介して、それら取付部146,146が後輪支持プレート116に対して回転可能に装着されている。ここにおいて、上側回転中心軸118の両側突出端部に取り付けられる半円形回転板138,138は、一方の半円形回転板138の周方向略中央部分が鉛直方向の最下方に位置する際に、他方の半円形回転板138の周方向略中央部分が鉛直方向の最上方に位置するように取り付けられており、互いに180°だけ位相がずれて回転駆動せしめられるようになっている。 【0050】さらに、各半円形回転板138には、その外周縁部の周方向略中央部分において、第一の連結ロッド154が突設されており、この連結ロッド154に対して、注入管16を支持する支持アーム150の長手方向一方の端部152がベアリング156を介して回転可能に装着されている。また、支持アーム150の長手方向他方の端部158は、円形回転板144の外周縁部に突設された第二の連結ロッド160に対して、ベアリング162を介して回転可能に装着されている。なお、円形回転板144に連結された支持アーム150の端部158には、矩形ボックス形状の注入管装着部材164が固設されており、該注入管装着部材164に対して、注入管16の上端部が嵌合固定されるようになっている。さらに、注入管装着部材164には、液肥圧送配管92の装着孔166が設けられており、液肥圧送配管92の吐出側端部が装着されて、液肥が注入管16に供給されるようになっている。 【0051】従って、これら半円形回転板138と円形回転板144及びそれらを連結する支持アーム150によって4節リンク機構が構成されており、特に、本実施形態では、上側回転中心軸118と第一の連結ロッド154との離間距離と、下側回転中心軸120と第二の連結ロッド160との離間距離が略同一とされていることから、4節リンク機構の回転アームを構成する半円形回転板138と円形回転板144のそれぞれの回転アーム長が略同一とされて、4節の平行リンク機構が構成されることとなる。即ち、第一の連結ロッド154と第二の連結ロッド160が上下回転中心軸118,120回りに同期して回転せしめられることによって、それら第一及び第二の連結ロッド154,160回りに回転可能に支持された支持アーム150及び該支持アーム150に支持された注入管16が略鉛直状態を維持しつつ往復上下動せしめられるようになっている。 【0052】ところで、かかる4節の平行リンク機構の回転アームを構成する半円形回転板138と円形回転板144は、ぞれぞれ上下回転中心軸118,120回りに回転せしめられることとなるが、それら上下回転中心軸118,120には、それぞれプーリ170,172,が外挿固定されており、それらプーリ170,172の間には、タイミングベルト174が巻き掛けられている。そして、タイミングベルト174に当接するように設けられたテンションプーリ175によって、タイミングベルト174に所定テンションがかけられることにより、両回転中心軸118,120が同期して回転せしめられることとなる。これにより、第一の連結ロッド154と第二の連結ロッド160が回転中心軸118,120回りに同期して回転せしめられるようになっている。なお、上下回転中心軸118,120は、第三のスプロケット128に対して駆動用電動モータ34の駆動力が前記第四及び第五のスプロケット132,133を介して及ぼされることによって回動せしめられる。また、本実施形態においては、該4節の平行リンク機構と駆動用後輪106とが略同期して回転せしめられる。 【0053】さらに、本実施形態では、上側回転中心軸118の両側突出先端部分に対して、半円形回転板138,138が予め位相が180°ずれた状態で装着されていることから、支持アーム150によって支持された計2本の注入管16,16が互いに180°だけ位相がずれて往復駆動せしめられるようになっており、それら注入管16,16の吐出用ノズル部60,60が交互に土中に差し込まれるようになっている。 【0054】ところで、前記支持アーム150における連結ロッド160の係合部には、半円形回転板138の連結ロッド154による係合位置を中心として、周方向に所定長さで延びる長孔168が形成されており、この長孔168内で連結ロッド160が、自由に移動可能とされている。更に、図面に明示はされていないが、円形回転板144と支持アーム150の間には、連結ロッド160を長孔168内の周方向一方の側に付勢する付勢手段が配設されており、支持アーム150に外力が及ぼされていない通常状態下では、連結ロッド160が、長孔168の前方端部に弾性的に保持せしめられるようになっている。これにより、施肥装置本体の走行時に、半円形及び円形の回転板138,144が回転せしめられると、連結ロッド154,160の軌跡(サイクロイド)を表す図9に示されているように、注入管16が土表面に差し込まれる瞬間には、即ち、吐出用ノズル部60が点Sに至る瞬間には、注入管16の吐出用ノズル60が走行方向の斜め前方に向かうように、注入管16(支持アーム150)が前方に傾斜せしめられる。その後、半円形及び円形の回転板138,144の回転に伴って、注入管16は土中に差し込まれることとなるが、その際、図9中に矢印で示されているように、注入管16は、その吐出用ノズル部60を略回転中心として、次第に走行方向で傾きを変える。そして、半円形及び円形の回転板138,144の回転と、駆動用後輪106の回転が略同期していることから、注入管16が最も土中に深く差し込まれた際には、即ち、吐出用ノズル部60が点S′に至る際には、連結ロッド154,160が、差込位置:Q,Rから最下点:Q′,R′に至ることとなり、注入管16が略鉛直状態となる。その後、更に走行しながら半円形及び円形の回転板138,144が回転せしめられると、注入管16の吐出用ノズル部60を略回転中心とする傾動によって、図9中に矢印で示されているように、注入管16は、その吐出用ノズル部60を略回転中心として、次第に走行方向で傾きを変え、注入管の上端部が走行方向の斜め前方に向かうように、注入管16(支持アーム150)が後方に傾斜せしめられる。そして、連結ロッド154,160が引抜位置Q″,R″に至る際には、注入管16の吐出用ノズル部60が点S″に達し、差し込み位置点Sと略同位置から引き抜かれるようになっている。 【0055】すなわち、このような注入管16の差し込みから引き抜きまでの一連の動きによって注入管16は、土中に差し込まれた吐出用ノズル部60の位置を殆ど変えることなく、地面に抜き差しされることとなり、施肥装置本体の走行に伴う注入管16の引きずりが極めて有利に防止され得るようになっているのである。 【0056】そして、このような構造とされた注入管16の抜差駆動機構は、施肥装置100の略中央に位置する駆動用後輪106の付近で形成されていることから、走行方向に直行する左右両側に離間位置して設けられた駆動用前輪104,104が、圃場土表面の凹凸により上下した場合でも、それら駆動用前輪間の略中央部分に位置する駆動用後輪106の付近に配された注入管16,16への影響が軽減されることとなり、以て、注入管16,16を圃場土表面に沿って安定して略一定位置に案内せしめることができる。また、注入管16,16が、4節の平行リンク機構によって支持されていることから、注入管16,16を鉛直状態を保持したまま、上下駆動せしめることができ、注入管16,16を圃場の土表面に対して安定して保持せしめることが可能となる。これらによって、前記実施形態と同様、抜差作動される注入管16,16の差込深さも略一定の深さに有利に維持されるようになっている。 【0057】次に、注入管16,16への液肥の圧送手段について説明する。図9には、本実施形態に従う構造とされた液肥圧送手段の要部が拡大してモデル的に示されている。かかる液肥圧送手段は、本体フレーム102に支持された二つの往復動型ポンプ176,176を備えている。それら往復動型ポンプ176,176は、走行方向に直交する左右方向で相互に離間位置して配されており、それぞれ、駆動用後輪106の左右両側に配された注入管16,16に連結されるようになっている。そこにおいて、各往復動型ポンプ176のシリンダ178は、矩形ボックス形状を有しており、本体フレーム102の底面に対して固定的に取り付けられている。また、シリンダ178から上方に向かって突出するピストンロッド180の突出先端部がねじ状とされて、押圧ロッド182がねじ込まれて上方に突出した状態で装着されている。なお、本実施形態の施肥装置100においては、押圧ロッド182のねじ込み量を調節することにより、ピストンロッドの長さを適時調節可能とされており、往復動型ポンプ176の作動ストロークが調節可能とされる。これにより、液肥の圧送タイミング乃至は圧送量を調節する圧送タイミング調節機構が構成されている。 【0058】また、ピストンロッド180の突出先端部には、更にスプリング支持板184が押圧ロッド182の下方に位置するようにねじ込まれており、該スプリング支持板184とシリンダ178の上底面との間において、複数個(本実施形態では4ヶ所)のコイルスプリング186が所定圧力で圧縮された状態で、配されるようになっている。そして、このコイルスプリング186の復元力による付勢力が、往復動型ポンプ176のピストンロッド180に対して、シリンダ178からの抜出方向に常時及ぼされるようになっている。即ち、これにより、往復動型ポンプ176のピストンロッド180は、常時抜出方向に弾性的に保持されるようにされている。 【0059】一方、往復動型ポンプ176の鉛直方向上方には、走行方向に直交して水平方向に延びる押圧用回転中心軸188が、本体フレーム102によって回転可能に支持されていると共に、該回転中心軸188に対して、駆動回転体としての押圧部材190が、固定的に装着されて、押圧用回転中心軸188と一体的に回動せしめられるようになっている。この押圧部材188は、軸方向に所定長さで延びる矩形形状を有しており、軸方向の両端部分から、それぞれ軸直角方向で反対方向に延び出す当接部192,192を備えている。これら当接部192,192は、それぞれ、左右に離間して配された往復動型ポンプ176,176の押圧ロッド182,182に当接せしめられるように位置決めされている。そして、押圧用回転中心軸188の回転に伴い押圧部材190の当接部192,192が、180°だけ位相がずれて回転せしめられるようになっており、交互に往復動型ポンプ176,176の押圧ロッド182,182を押圧せしめるようになっている。これによって、各押圧ロッド182が押圧されてピストンロッド180がシリンダ178内に押し込み作動せしめられるようになっている。なお、押圧用回転中心軸188には、前記第四のスプロケット132と、該第四のスプロケット132と略同一の径を有する第五のスプロケット133とが、ぞれぞれ固定的に取り付けられており、該第五のスプロケット133に対して、チェーン134を介してドライブスプロケット36の駆動力が及ぼされて、押圧用回転中心軸188が回転せしめられるようになっている。なお、第五のスプロケット133とドライブスプロケット36の間には、配設位置が選択的に切換可能なテンションプーリ194が設けられており、テンションプーリ194に固設された操作レバー196によって、テンションプーリ194を、チェーン134に対して当接せしめて所定のテンションを与えたり、或いは、テンションプーリ194をチェーン134から離間せしめてチェーン134へのテンションの付与を解除したり出来るようになっている。これにより、注入管16の抜差駆動機構や液肥の圧送機構への駆動力の伝達をON/OFFする、スイッチ機構が設けられている【0060】即ち、各往復動型ポンプ176のピストンロッド180は、常時抜出方向に弾性的に保持されるようになっており、押圧部材190の当接部192が押圧ロッド182に当接した時だけ、ピストンロッド180がシリンダ178内に押し込まれるようなっている。特に、押圧部材190の当接部192が周状の半周以下(本実施形態においては1/4周程度)の最下端部分でしか押圧ロッド182に当接しないようにされており、当接している領域で、ピストンロッド180を押圧すると共に、そこから離れることによって押圧を解除して、ピストンロッド180に対して引張作用、即ち、抜出方向への駆動力を及ぼさないようになっている。なお、本実施形態の押圧部材190の当接部192は、前記実施形態の84と同様、ピストンロッド180に固定されていないことから、ピストンロッド180に対して、押下力だけを及ぼし、下死点に至った後は、押圧部材190の当接部192はピストンロッド180から独立して上方に変位せしめられることとなる。従って、前記実施形態と同様に、ピストンロッド180の抜出方向への復元力は、コイルスプリング186によって緩衝的にピストンロッド180に及ぼされるようになっている。 【0061】ここにおいて、押圧用回転中心軸188は、第五のスプロケット133に対してチェーン134を介してドライブスプロケット36の駆動力が及ぼされて回転せしめられるようになっているが、該押圧用回転中心軸188に設けられた第四のスプロケット132と、上側回転中心軸118に設けられた第三のスプロケット128とが、略同一の径をもって構成されると共に、それら第三乃至第四のスプロケット128,132がチェーン130によって連結されて、同期して回転せしめられることから、押圧用回転中心軸188回りに回転せしめられる押圧部材190と、上側回転中心軸118回りに回転せしめられる4節リンク機構によって支持された注入管16とが、同期して回転駆動せしめられることとなる。従って、注入管16が鉛直下方に変位せしめられて、その吐出用ノズル部60が土中に差し込まれる略最下端域近くに達した場合に、初めて押圧部材190の当接部192が押圧ロッド182の先端部分に当接して、ピストンロッド180に対して押し込み作動せしめて、シリンダ178内に圧力を生ぜしめるようになっている。なお、往復動型ポンプ176には、前記実施形態と同様、液肥圧送/供給管路89が直接に連結されており、その管路89が分岐点93で分岐して、タンク18からの液肥供給用管路90へ接続される一方、注入管16への液肥圧送管路92へも接続されている。そして、液肥供給用管路90に設けられた第1の逆止弁94によって液肥のタンク内への逆流を阻止すると共に、液肥圧送管路92に設けられた第二に逆止弁96により、ピストンロッド180内に発生する負圧によって注入管16の吐出用ノズル部60内に土等の異物が吸引されるのを防止し、以て、前記実施形態と同様の効果が達成され得る。 【0062】このような構造とされた本実施形態の液肥圧送手段においても、前記実施形態と同様、往復動型ポンプ176のピストンロッド180が、コイルスプリング186によって押し込み位置から緩衝的にもどされることに伴い往復動型ポンプ176内に発生する負圧によってタンク18から液肥がシリンダ176内に吸引される。そしてピストンロッド180が最も引き出された位置にまで達した後、押圧部材190の当接部192が押圧ロッド182に当接せしめられて、ピストンロッド180が押し込み駆動されることにより、シリンダ内178から液肥が圧送されて注入管16に導かれ、注入管16の吐出用ノズル部60から土中に注入されるようになっている。 【0063】また、上述の如き構造とされた施肥装置100は、 駆動用電動モータ34を駆動して駆動用前後輪104,104,106を駆動せしめて、圃場土表面を走行せしめられることとなるが、駆動用電動モータ34の駆動力によって、注入管16を上下駆動する抜差駆動手段の駆動と、押圧部材190による液肥の圧送作動が同期して行われるようになっている。従って、施肥装置100の走行時において、一定間隔に注入管16が土中に差し込まれて液肥が注入されると共に、注入管16が土中に差し込まれた際に、確実に液肥が注入管16から土中に吐出せしめられるようになっている。また、前記実施形態と同様、施肥装置100においても土中に差し込まれた後の注入管16の水平方向の動きが、施肥装置100の走行方向の動きと反対向きとされていることから、装置の走行に伴う注入管16の差込状態での引きずりが、軽減され得る。特に、本実施形態においては、連結ロッド160が長孔168内で自由に移動可能とされていることから、注入管16の土の抵抗に対する逃げ方向の傾き量が大きく許容されて、注入管16の引きずりが一層有利に軽減乃至は回避され得る。 【0064】加えて、本実施形態に従う施肥装置100においては、往復動型ポンプ176のピストンロッド180に対してコイルスプリング186による突き出し方向への付勢力が常時及ぼされるようになっていることから、注入管16の抜差作動と同期して回転する回転駆動体としての押圧部材190による押圧ロッド182の押圧作動と組み合わせることにより、前記実施形態と同様、簡単な構造をもって所望の周期でピストンロッド180を往復作動せしめ得て、以て、液肥の圧送及び吸引を有利に行うことが可能となる。しかも、ピストンロッド180の引き上げによる液肥の吸引作動が、コイルスプリング186の付勢力によって緩衝的に行われることから、シリンダ176内の急激な負圧の発生等による液肥からの気層の分離等の不具合が有利に回避されて、往復動型ポンプ176の作業性の安定化が有利に図られ得る。 【0065】以上、本発明の実施形態について詳述したが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。 【0066】例えば、前記第一及び第二の実施形態においては、圃場に敷設されたレール上を走行する施肥装置や、装置本体に装着された駆動輪によって圃場の土表面を走行する施肥装置に対して本発明を適用した具体例を示したが、本発明は上述の如き走行機構を有する自走式の施肥装置以外にも、走行機構を持たない牽引タイプの施肥装置や、防除用の液体農薬等を土中に注入する防除機等にも適用され得る。 【0067】また、前記実施形態においては、2本の注入管が採用されていたが、注入管の配設個数は特にこれに限定されるものではなく、一本或いは3本以上の注入管が必要に応じて採用可能である。 【0068】さらに、注入管をサブフレームに配設するタイプの自走式の点注型施肥装置に対して本発明を適用する場合は、土壌の固さ等を考慮して、ノズルの差し込み反力を有効に得る為に、例えば、サブフレームに適当な重さの付加重量を適宜装着可能としたり、或いは、メインフレームとサブフレームの間に、サブフレームを鉛直下方に押しつける付勢手段を設けることも可能である。特に、レール上を走行するタイプの施肥装置においては、レールとサブフレームの間にそのような付勢手段を設けることも可能である。それによって、サブフレームに及ぼされる鉛直下向きの力をメインフレームの重量に関わらず、一層有利に得ることが可能である。 【0069】また、図11に示される如く、前記実施形態における圧送管路上に圧力吸収手段200を設けることも可能である。これにより、注入管の吐出用ノズル部が閉塞して圧送管路内の圧力が所定値以上に上昇した際に、圧力吸収手段200が作用し、管路内圧力の過大な上昇が回避されて、以て、管路内圧力の増大に伴う管路やポンプ等の損傷が有利に防止され得る。なお、圧力吸収手段200としては、ダイヤフラム形やピストン形、ばね形等の蓄圧手段等、が有利に採用され得る。或いは、圧送配管路上にリリーフ弁を設けて、該リリーフ弁からドレンタンク等に液肥を排出することによって、管路内圧力の過大な上昇を回避することも可能である。 【0070】なお、前記実施形態では、注入管16(支持アーム150)を下側リンクとしての円形回転板144に支持せしめる連結ロッド160(下側支持点)が、該連結ロッド160の周囲に設けられた長孔168内で、予め走行方向前方に付勢されることにより、注入管16の吐出用ノズル部60が走行方向の斜め前方に向かうようにされていたが、それに代えて、注入管16(支持アーム150)を上側リンクとしての半円形回転板144に支持せしめる連結ロッド154(上側支持点)を、走行方向後方に付勢しても良い。また、そのような付勢力が付与されなくとも、何れか一方の連結ロッド154,160の変位を許容する長孔168が設けられていれば、注入管16が土中に差し込まれた際に、施肥装置本体の走行速度によって注入管16が傾動して、注入管16の引きずりが有利に軽減され得る。特に、リンク機構の回転遠心力を積極的に利用すれば、上述の如き付勢力を注入管16に付与する付勢手段を設けた場合と同様な動きを実現することも可能となる。また、このようなリンク機構は、第二の実施形態の如く装置本体によって支持されるほか、前記第一実施形態の如く、装置本体から独立して設けられたサブフレームによって支持されてもよい。 【0071】その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。 【0072】 【発明の効果】上述の説明から明らかなように、請求項1乃至7の何れかに記載の発明に従う構造とされた点注型施肥装置においては、液肥用管路上に往復動型のポンプを配設する一方、かかるポンプよりもタンク側に第一の逆止弁を設けると共に、ポンプよりも注入管側に第二の逆止弁を設けることによって、液肥の液肥タンクへの逆流や、注入管のノズル内への土等の異物の吸入を、簡単な構造をもって確実に回避することが出来る。また、該ポンプに対して、吐出方向への駆動力を及ぼして液肥の圧送作動をせしめる一方、吸入方向には弾性部材による付勢力を緩衝的に及ぼし、液肥の吸入作動をせしめるようにして、以て、急激なピストンロッドの上昇等に起因する液肥からの気層の分離等の不具合が有利に回避されて、ポンプの作業性の安定化が図られ得る。 【0073】また、請求項8又は9に記載の発明に従う構造とされた点注型施肥装置においては、請求項1乃至7の何れかの発明と任意に組み合わされて、上述の如く効果を何れも有効に発揮し得ることに加えて、差込/引抜時の注入管が、注入管の先端ノズル部の差込地点を略中心として走行方向に回動作動せしめられることによって、該注入管の土の抵抗に対する逃げ方向への変位が許容され、以て、注入管の走行方向への引きずりが有利に軽減乃至は回避され得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593131910 【氏名又は名称】株式会社セイオー技研
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| 【出願日】 |
平成11年11月15日(1999.11.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103252 【弁理士】 【氏名又は名称】笠井 美孝
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| 【公開番号】 |
特開2001−136818(P2001−136818A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−324427 |
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