| 【発明の名称】 |
苗植付装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】塩崎 孝秀
【氏名】北尾 篤史
【氏名】名本 学
【氏名】竹川 和弘
【氏名】矢野 真一郎
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| 【要約】 |
【課題】所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置の改良。
【解決手段】苗押出体27の作動機構を、苗押出体27を苗押出方向に付勢するスプリング76と、基部が軸支され先端部が苗押出体27に係合して苗押出体27が苗押出方向へ移動するのを規制する揺動可能なアーム74とを組み合わせて構成するとともに、苗押出体27が苗植付体26から苗を押し出すときに、該苗押出体の押出方向と前記アーム74との角度が最も直角に近くなるように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢するスプリングと、基部が軸支され先端部が前記苗押出体に係合して苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制する揺動可能なアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体が前記苗植付体から苗を押し出すときに、該苗押出体の押出方向と前記アームとの角度が最も直角に近くなるように構成したことを特徴とする苗植付装置。 【請求項2】 所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢するスプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材に、該継手部材が苗押出体に対して回動しないように固定する固定手段を前記アームの反対側に設けたことを特徴とする苗植付装置。 【請求項3】 所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢する圧縮スプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材を構成するプレートの一部分を折り曲げ加工して、前記圧縮スプリングの一端部が当接するスプリング受けを形成したことを特徴とする苗植付装置。 【請求項4】 所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢する圧縮スプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材を構成するプレートの苗押出方向側の端部を苗押出方向に対して略直角に折り曲げたことを特徴とする苗植付装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の苗移植機に設けられる苗植付装置に関する。 【0002】 【従来の技術】所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置として、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢する圧縮式の押出スプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制する押出規制アームとを組み合わせて構成したものが知られている。 【0003】上記従来装置の一例について詳しく説明すると、押出規制アームはカム機構により苗植付体の移動に連動して揺動するようになっており、苗植付体が苗載台の苗を取り出す時には、押出規制アームが押出スプリングを圧縮する位置にあって、苗押出体が苗植付体に対して後退した状態となり、苗植付体が圃場の苗植付位置まで移動すると、押出規制アームによる押出スプリングの圧縮が緩和され、押出スプリングの弾発力で苗押出体が突出して、苗を苗植付体から押し出し、さらに、苗植付体が苗植付位置から苗取出位置へ戻る行程中に、押出規制アームが元の押出スプリングを圧縮する位置へ回動するとともに、それに伴い苗押出体が後退するように構成されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】押出規制アームには押出スプリングの弾発力によるトルクが常時かかっているが、このトルクは苗押出体が突出した時に最大となる。最大トルクが大きいと押出規制アームやこれを作動するカム機構等の摩耗が激しい。そこで、最大トルクを低く抑えることにより苗植付装置の耐久性を向上させることが本発明の第一の課題である。 【0005】次に、苗押出体と押出規制アームとは継手部材を介して連結されており、継手部材を押出スプリングで押すようになっているが、従来の構成は、苗押出体に対し継手部材が固定されていなかったので、押出スプリングの弾発力が継手部材から苗押出体へ伝達される過程で伝達ロスがあった。そこで、押出スプリングの弾発力が効率よく苗押出体に伝達されるようにすることが本発明の第二の課題である。 【0006】また、部品点数を減少させるために、特別なスプリング受け部材を別に設けることなく、前記継手部材で押出スプリングを直接受けることができるようにすることが本発明の第三の課題である。 【0007】さらに、継手部材は苗押出体や押出規制アームと若干のガタを設けて連結されているので、継手部材がガタつきによって周囲の他の部材に接触してもそれらに損傷を与えないようにすることが本発明の第四の課題である。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記各課題を解決するために、次の各発明を行った。すなわち、第一の発明にかかる苗植付装置は、所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢するスプリングと、基部が軸支され先端部が前記苗押出体に係合して苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制する揺動可能なアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体が前記苗植付体から苗を押し出すときに、該苗押出体の押出方向と前記アームとの角度が最も直角に近くなるように構成したことを特徴としている。 【0009】次に、第二の発明にかかる苗植付装置は、所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢するスプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材に、該継手部材が苗押出体に対して回動しないように固定する固定手段を前記アームの反対側に設けたことを特徴としている。 【0010】また、第三の発明にかかる苗植付装置は、所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢する圧縮スプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材を構成するプレートの一部分を折り曲げ加工して、前記圧縮スプリングの一端部が当接するスプリング受けを形成したことを特徴としている。 【0011】さらに、第四の発明にかかる苗植付装置は、所定の先端軌跡を描いて移動し、苗載台の苗を一株づつ取り出して圃場まで搬送する苗植付体と、該苗植付体によって圃場まで搬送された苗を苗植付体から押し出す苗押出体とを備えた苗植付装置において、前記苗押出体の作動機構を、苗押出体を苗押出方向に付勢する圧縮スプリングと、苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームとを組み合わせて構成するとともに、前記苗押出体と前記アームとをつなぐ継手部材を構成するプレートの苗押出方向側の端部を苗押出方向に対して略直角に折り曲げたことを特徴としている。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1及び図2は本発明の苗植付装置を装備した乗用施肥田植機を表している。この施肥田植機1は、エンジン2を搭載し駆動回転する各左右一対の前輪3,3及び後輪4,4を備え上部に操縦席5が設置された走行車体6の後方に、昇降リンク装置7を介して6条植の植付部8が連結されているとともに、走行車体6の後部上方に施肥装置9の肥料タンク及び肥料繰出部が設けられている。 【0013】植付部8は、走行車体6から伝動入力される伝動ケース10を備え、その伝動ケース10の上側に前部が上位となるよう傾斜した苗載台11が設けられ、また、伝動ケース10から後方に延びる植付伝動ケース10a,…の各後端両側部に本発明の苗植付装置12,…が設けられている。苗載台11が左右に往復移動して台上のマット苗を苗載台下端側に設けた苗受け枠13の苗取出口13a,…に一株づつ順次供給し、苗植付装置12,…が所定の動作を行って、前記苗取出口13a,…に供給された苗を圃場に植付ける。植付部8の下部にはセンターフロート14と左右一対のサイドフロート15,15が設けられており、これらフロートによって整地された泥面に苗が植付けられる。 【0014】苗植付装置12は、図3乃至図5に示す構成となっている。すなわち、植付伝動ケース10aの後端部にロータリケース軸20が回転自在に支承されており、この軸の左右突出部にロータリケース21の中央部を一体回転するよう固定して取り付け、さらに該ロータリケースの両端部に軸受22,22,23,23によって植付ケース軸24,24を回転自在に支承し、これら両植付ケース軸のそれぞれに植付ケース25,25を固定して取り付けている。植付ケース25には、苗植付体としての苗分離爪26と、苗押出体としての苗押出爪27とが設けられている。 【0015】ロータリケース21の固定方法について説明すると、ロータリケース軸20には角軸面が形成されていて、ロータリケース21のボス部21aにロータリケース軸20と直交させて挿通したテーパ状のコッタピン30を上記角軸面に当接させて、ロータリケース21をロータリケース軸20に固定している。コッタピン30は小径側からロータリケースのコッタピン挿通孔31に挿入し、該コッタピン挿通孔から突出した小径側の端部にナット32を螺着して装着する。ナット32のねじ込み量を調節して、ロータリケース軸20の角軸面にコッタピン30が緊密に当接するようにする。組み付け時にコッタピン30を誤って反対向きに挿入しないように、ロータリケース21の正しいコッタピン挿入側の面に誤組み防止用リブ33をコッタピン挿通孔31の近傍に設け、コッタピン30を反対向きに挿入した場合にはナット32を装着できないようにしてある。 【0016】ところで、ロータリケース21はアルミニウム製、コッタピン30は鉄製である。このため、長時間の使用によりボス部21aのコッタピン接触箇所が変形してしまわないように、ロータリケース軸20と反対側でコッタピン30を受ける鉄製のバックアップピン35を設けている。バックアップピン35は、図4に示すようにロータリケース軸20と正対する位置に1本設けるか、或は図8に示すようにロータリケース軸20と正対する位置の両側に1本づつ計2本設けるとよい。バックアップピン35はケースの内側からピン孔に装入されるが、その装入方法は、圧入によって固定状態に装入しても、或はカシメによって抜け止めを施しピン孔内で回転自在な状態に装入してもよい。後者の方法とすると、コッタピン30をコッタピン挿通孔31に挿入するとき、バックアップピン35がコロの役割をし、コッタピンの挿入が円滑に行える。 【0017】ロータリケース21の内部には、ロータリケース軸20の外周部に嵌合し植付伝動ケース10aと一体で非回転な太陽ギヤ40と、該太陽ギヤに噛合する遊星ギヤ41,41と、該遊星ギヤに噛合する植付ギヤ42,42とからなるギヤ機構が収納されている。太陽ギヤ40は、軸受43によってロータリケース21に支持されている。遊星ギヤ41は、遊星ギヤ軸44に取り付けられ、ロータリケース21に対し遊転するようになっている。また、植付ギヤ42は、キー45によって植付ケース軸24に一体回転するように取り付けられている。 【0018】ロータリケース軸20が駆動回転すると、ロータリケース21が一定方向に回転し、太陽ギヤ40の回りを植付ギヤ42,42が公転するとともに、1回公転する間に公転方向とは逆向きに植付ギヤ42,42が1回自転する。これにより、植付ギヤと一体に設けられている植付ケース25,25が一定姿勢のまま所定の軌道上を移動する。図4におけるPは苗分離爪26の先端軌跡を示している。各ギヤ40,41,42は偏心ギヤになっていて、植付ケース25の移動速度は苗取出位置A及び苗植付位置B付近では遅く、両位置A,B間を移動する時は速くなるようにしてある。 【0019】また、ロータリケース21の内部には、キー46にて植付ケース軸24に一体回転するように取り付けた制動カム47と、該制動カムの外周面に当接する制動アーム48と、該制動アームを制動カム47に押し付けるスプリング49とからなる位相ずれ防止機構が設けられている。制動カム47は図5に示すような形状をしており、植付ケース25が苗取出位置A及び苗植付位置Bにある時に植付ギヤ42の回転を制動し、各ギヤ間のバックラッシュを吸収して、苗分離及び苗植付の動作が正確に行われように作用する。 【0020】なお、ロータリケース21は半割りケース部材21A,21Bをボルトとナットで接合した構造となっている。各半割りケース部材の合わせ面には液状パッキン保持用の溝50,…が形成されており、この溝50,…に保持されている液状パッキンが合わせ面の全域に確実に供給されるので、ロータリケース21の高度な気密性及び水密性が確保されている。 【0021】植付ケース25は、該植付ケースの外側面にボルトによって植付ケース取付用ハブ51を固着し、該ハブに装入したコッタピン52を植付ケース軸24の角軸面に係合させることにより、植付ケース軸24にこれと一体作動するように取り付けられている。植付ケース25の植付ケース軸収容ボス部には、後記押出カム71を収容する大径部25aとハブ51に当接するフランジブ25bとの間に溝状の小径部25cが形成されており、この小径部25cの外側をもう一方の植付ケースの苗分離爪26先端部が通過するようになっている。 【0022】苗植付体である苗分離爪26は、先端側が鋭利に形成された二股のフォーク状をしたものであって、図6に示すようにして植付ケース25に取り付けられる。苗分離爪取付穴53は、後端側が開口する長穴になっていて、その最奥部が皿穴状53aに形成されている。なお、取付穴53は後端側ほど幅が若干広くなっている。苗分離爪取付ボルト54は、植付ケース25に螺着する第一ねじ部54aと、前記取付穴の皿穴部分53aに係合する座金部54bと、締付ハンドル55を装着するスプライン部54cと、座金56及びハンドル固定ナット57を装着する第二ねじ部54dとからなっている。 【0023】苗分離爪取付穴53の最奥部に取付ボルト54の第一ねじ部54aを挿通し、該第一ねじ部を植付ケース25のねじ孔58に軽く手で回して螺着する。そして、スプライン部54cに締付ハンドル55を装着し、該締付ハンドルを回して適正な強さで締付けを行う。植付ケース25の苗分離爪取付面は他の部位よりも隆起しているので、締付ハンドル55の操作を容易に行える。然る後、締付ハンドル55が苗分離爪26と平行かつ苗分離爪26と反対側に位置するように締付ハンドル55を装着し直し、座金56とハンドル固定ナット57を用いて締付ハンドル55を固定する。さらに、植付ケースに回動自在に取り付けられている回り止めフック59を締付ハンドル55に被せ、該回り止めフックの先端部59aを固定孔60に差し込んで固定する。 【0024】この取付状態では、取付穴53の皿穴部分53aに取付ボルト54の座金部54bが係合することにより、苗分離爪26が取付穴53の溝方向へずれるのを防止している。締付ハンドル55の横幅は苗取出口13aの左右幅よりも狭く設定され、かつ回り止めフック59によって締付ハンドル55が回らないように規制さているので、苗植付装置22の作動時に、締付ハンドル55が苗受け枠13等の他の部材や苗と干渉しない。また、取付ボルト54による取付位置から苗分離爪26の後端までの距離を比較的長くしてあるので、苗分離爪26の先端を苗押出体27と反対側へ押す力に対する抵抗力が大きく、耐久性に優れた構造となっている。 【0025】植付ケースから苗分離爪26を取り外す場合は、締付ハンドル55を回して取付ボルト54の座金部54bが取付穴53の皿穴部分53aから外れるまで第一ねじ部54aのねじ込みを緩め、苗分離爪26を先端側にスライドさせて、取付穴53の後端から取付ボルトの第一ねじ部54aを抜く。次回、苗分離爪26を取り付けるときには、取付ボルトの第一ねじ部5aを取付穴53の後端から最奥部まで差し込み、締付ハンドル55を回して締付けを行えばよい。このように、取付ボルト54に締付ハンドル55を装着したまま、苗分離爪26の取り外し、及び取り付けを行うことができる。締付操作した後の締付ハンドル55の位置は元と同じなる。 【0026】また、図9に示すように、苗分離爪26の裏面部に先端側ほど径が小さくなったテーパ状の半円形凸部62を設けるとともに、植付ケース25の苗分離爪取付面に、前記半円形凸部62と係合する半円形凹部63と、前記半円形凸部62の後端面を受ける受け面64とを設けた構成とすると、苗分離爪26が前後及び左右方向に動かないように確実に固定することができる。 【0027】苗押出体である苗押出爪27は、苗分離爪26に近い側が先割れしたフォーク状をしたものであって、植付ケース25に摺動自在に支持された押出ロッド70の先端部に苗分離爪26の裏面に近接させて取り付けられ、該押出ロッドの作動により苗分離爪26の先端側へ突出、及び苗分離爪26の根元側へ後退するようになっている。 【0028】植付ケース25内には、苗押出爪の作動機構が収容されている。押出カム71は、植付ケース25内に突出したロータリケース21のボス部の内周部に一体的に嵌合し、植付ケース軸24及び植付ケース25に対し回転自在に設けられている。この押出カム71の外周面に摺接するカムアーム72は、アーム軸73に回動自在に軸支されている。また、アーム軸73にはカムアーム72と一体に回動する押出規制アーム74が軸支されていて、該押出規制アームの先端部と前記押出ロッド70のケース内部側の端部とが継手部材75を介して連結されている。そして、この継手部材75を介して押出ロッド70を苗分離爪突出側に付勢するように押出スプリング76が設けられている。 【0029】植付ケース軸24に対し押出カム71が相対的に回転し、押出カム71とカムアーム72とからなるカム機構の働きで、押出規制アーム74が揺動する。押出スプリング76を圧縮する位置に押出規制アーム74があるときは、苗押出爪27が後退した状態にある。その位置から押出規制アーム74が回動して押出スプリング76の圧縮が緩和されると、押出スプリング76の弾発力で押出ロッド70が押し出され、苗押出爪27が突出する。この苗押出爪27が突出した時には、押出ロッド70の軸心方向すなわち苗押出爪27の苗押出方向と押出規制アーム74との角度がほぼ直角になるように設定されている。 【0030】後述する如く、押出規制アーム74と継手部材75は長穴79と連結ピン80とで連結され、苗押出爪27が後退しているときは長穴70の下部に連結ピン80が嵌合し、苗押出爪27が突出しているときは長穴70の上部に連結ピン80が嵌合する。また、苗押出爪27が突出して長穴70の上部に連結ピン80が嵌合しているとき、連結ピン80が苗押出方向の延長線上に位置している。このため、押出スプリング76の弾発力が効率的に押出ロッド70に伝達される。 【0031】継手部材75は、図7に示すように、金属プレートを折り曲げて平面視略コ字形に成形され、前後両端部に押出ロッド連結用の丸穴78と押出規制アーム連結用の長穴79とがそれぞれ穿設されている。そして、継手部材75の内側所定位置に押出ロッド70及び押出規制アーム74の連結部を配置し、これらを貫通する状態で連結ピン80,80を丸穴78及び長穴79に挿通し、その連結ピン80,80の両端をリンクプレート81,81にカシメ等によって固着している。継手部材75の前端部に形成された折曲部75aが押出ロッド70の上面に当接し、押出ロッド70に対して継手部材75が回動しないようになっている。また、継手部材75の前端部75b,75bは外側に屈曲させてある。 【0032】押出スプリング76は、植付ケース25の内壁面と継手部材75との間に介装されている。継手部材75の押出スプリング受け部75cは、中央部が後方に凸となるように金属プレートを折り曲げて成形してあり、上記凸部に端部が嵌合する状態で押出スプリング76を受けることにより、押出スプリング76の外れ止めがなされている。 【0033】苗植付装置12は以上の構成で、植付作業時には次のように作動する。ロータリケース軸20が駆動回転することにより、ロータリケース21に取り付けられている一対の植付ケース25,25が、苗分離爪26が先端軌跡Pを描く同一軌道上を互いに1/2周期の間隔を保ったまま一定姿勢で移動する。苗取出位置Aで苗分離爪26が苗取出口13aを通過し、苗載台11の苗を一株分離して取り出す。このとき、苗押出爪27は後退した状態にある。植付ケース25が下動して苗植付位置Bまで移動すると、苗押出爪27が突出し、苗分離爪26が保持している苗の土部を下向きに押すことにより、苗を苗分離爪26から押し出して圃場に植付ける。その後、植付ケース25が下動時よりも後方の軌道を通って上動するとともに、苗押出爪27が後退する。 【0034】側面視で苗分離爪26の中心と苗押出爪27の先端面との角度θは90度よりも小さくなっている。このため、苗植付位置Bで苗押出爪27が苗を押し出す時、苗の姿勢が若干後倒れに変更される。その結果、圃場に植付けた状態では、苗がまっすぐに立った適正な植付姿勢となる。 【0035】さらに、植付ケース25が苗植付位置Bにある時、前記ハブ51の端面が上位側ほど後方に位置するように傾斜した状態となるので、植付ケース25が上動する際にハブ51の端面が泥水を掻き上げず、圃場を荒らすことが少ない。 【0036】 【発明の効果】第一の発明によれば、苗押出体を押し出す力が最大となる苗押出体が苗植付体から苗を押し出すときに、該苗押出体が苗押出方向へ移動するのを規制するアームと苗押出体との角度が最も直角に近くなるので、前記アームにかかる最大トルクを低く抑えることができ、苗植付装置の耐久性を向上させるようになる。 【0037】第二の発明によれば、苗押出体に対して継手部材が回動しないように固定されるので、押出スプリングの弾発力が効率的に苗押出体へ伝達されるとともに、苗押出体に対して継手部材を固定する固定手段をアームの反対側に設けることにより、固定手段とアームとが干渉することのない合理的な構成となる。 【0038】第三の発明によれば、継手部材を構成するプレートの一部分を折り曲げ加工して、押出スプリングの一端部が当接するスプリング受けを形成することにより、別にスプリング受け部材が不要となり、部品点数を減少させられる。 【0039】第四の発明によれば、継手部材を構成するプレートの苗押出方向側の端部を苗押出方向に対して略直角に折り曲げることにより、苗押出体の苗押出方向への作動時に、継手部材の苗押出方向側の端部が周囲の他の部材に接触したとしても、面で接触することになるので、損傷を与える度合いが小さくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月17日(1999.11.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2001−136816(P2001−136816A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−327489 |
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