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【発明の名称】 乗用型移植機
【発明者】 【氏名】瀬戸川 哲夫

【要約】 【課題】従来の乗用型移植機に較べて機体の前後のバランスが良く、然も軽量でコパクトな移植機を提供する。

【解決手段】乗用型走行車体の後部に苗載台から苗を取出して圃場に植付ける植付具を装備した苗植装置を昇降自在に装着した乗用型移植機において、該苗植装置の苗載台よりも機体後方に植付具を装着した後部フレーム42を配置し、苗載台よりも機体前方側から後部フレーム42側に駆動力を伝動する伝動軸69を設けた乗用型移植機としたものであり、加えて、植付フレーム30をパイプ体で一体形成した乗用型移植機としたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 乗用型走行車体1の後部に苗載台26から苗を取出して圃場に植付ける植付具27を装備した苗植装置17を昇降自在に装着した乗用型移植機において、該苗植装置17の苗載台26よりも機体後方に植付具27を装着した後部フレーム42を配置し、苗載台26よりも機体前方側から後部フレーム42側に駆動力を伝動する伝動軸69を設けたことを特徴とする乗用型移植機。
【請求項2】 後部フレーム42を正面視門型にパイプ体で一体形成したことを特徴とする請求項1記載の乗用型移植機。
【請求項3】 苗載台26よりも機体前方側に配設した前部フレーム43と後部フレーム42を左右連結フレーム44・44にて連結して一体形成して平面視矩形状の植付フレーム30を構成したことを特徴とする請求項1及び2記載の乗用型移植機。
【請求項4】 植付フレーム30をパイプ体で一体形成したことを特徴とする請求項3記載の乗用型移植機。
【請求項5】 後部フレーム42を正面視門型に構成し、その左右下端部に各々植付具27・27を装着したことを特徴とする請求項1乃至4記載の乗用型移植機。
【請求項6】 機体側面視で乗用型走行車体1の前輪6の前端と後輪7の後端との幅内にエンジン8を配置したことを特徴とする請求項1乃至5記載の乗用型移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機体の前後バランスが良くて、然も、軽量でコンパクトな構成の乗用型移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の乗用型移植機は、苗載台よりも機体前方から後方に至る位置に植付具を装着した伝動ケースを配置し、然も、その伝動ケースはアルミダイカストによって形成されていると共に、その植付具に駆動力を伝動分岐する部分は苗載台よりも機体前方にあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記従来の構成では、重量の重い構成とならざるを得ず、それ故に、植付装置を装着するリンク機構や乗用型走行車体の機体フレームを剛性の高い大型のフレーム構成にする必要があり、重量の重い大型の乗用型移植機となっていた。
【0004】然も、植付具に駆動力を伝動分岐する部分が苗載台よりも機体前方にある為に、乗用型移植機全体として機体重心が前方になり、機体の前後バランスが悪いものであった。従って、機体の前後バランスを良くする為にも機体構成を大型にする必要があり、小型軽量の乗用型移植機を得ることは困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、乗用型走行車体1の後部に苗載台26から苗を取出して圃場に植付ける植付具27を装備した苗植装置17を昇降自在に装着した乗用型移植機において、該苗植装置17の苗載台26よりも機体後方に植付具27を装着した後部フレーム42を配置し、苗載台26よりも機体前方側から後部フレーム42側に駆動力を伝動する伝動軸69を設けた乗用型移植機としたものであり、請求項2記載の発明は、後部フレーム42を正面視門型にパイプ体で一体形成した請求項1記載の乗用型移植機としたものであり、請求項3記載の発明は、苗載台26よりも機体前方側に配設した前部フレーム43と後部フレーム42を左右連結フレーム44・44にて連結して一体形成して平面視矩形状の植付フレーム30を構成した請求項1及び2記載の乗用型移植機としたものであり、請求項4記載の発明は、植付フレーム30をパイプ体で一体形成した請求項3記載の乗用型移植機としたものであり、請求項5記載の発明は、後部フレーム42を正面視門型に構成し、その左右下端部に各々植付具27・27を装着した請求項1乃至4記載の乗用型移植機としたものであり、請求項6記載の発明は、機体側面視で乗用型走行車体1の前輪6の前端と後輪7の後端との幅内にエンジン8を配置した請求項1乃至5記載の乗用型移植機としたものである。
【0006】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、苗植装置17の苗載台26よりも機体後方に植付具27を装着した後部フレーム42を配置し、苗載台26よりも機体前方側から後部フレーム42側に駆動力を伝動する伝動軸69を設けた乗用型移植機としたので、植付具27に駆動力を伝動分岐する部分を苗載台26よりも機体後方に配置することができ、乗用型移植機全体として機体の前後バランスが良くなり、小型軽量の乗用型移植機を得ることができる。
【0007】請求項2記載の発明は、後部フレーム42を正面視門型にパイプ体で一体形成した請求項1記載の乗用型移植機としたので、請求項1記載の発明の作用効果に加えて、ごく一般的な市販のパイプ材を用いることにより、従来のように動力伝達ケースを特別な成型型にてアルミダイキャストによって製造する必要がなくなり、このフレーム42の製造コストが非常に安くなると共に、製造も容易である。然も、パイプ体であるから苗植装置17が軽量な構成となり、従って、従来のように植付装置17を装着するリンク機構や乗用型走行車体の機体フレームを剛性の高い大型のフレーム構成にする必要がなくなり、乗用型移植機全体を小型軽量の構成にできる。
【0008】請求項3記載の発明は、苗載台26よりも機体前方側に配設した前部フレーム43と後部フレーム42を左右連結フレーム44・44にて連結して一体形成して平面視矩形状の植付フレーム30を構成した請求項1及び2記載の乗用型移植機としたので、請求項1乃至2記載の発明の作用効果に加えて、植付フレーム30を軽量でありながら強固な構成とすることができ、小型軽量の乗用型移植機であるが、植付性能の良い移植機を得ることができ、良好な移植作業が行なえる。
【0009】請求項4記載の発明は、植付フレーム30をパイプ体で一体形成した請求項3記載の乗用型移植機としたので、請求項3記載の発明の作用効果に加えて、植付フレーム30全体をパイプ体にて形成したから、更に製造コストが安くなると共に製造も容易であり、苗植装置17が更に軽量な構成となり、従って、乗用型移植機全体を更に小型軽量の構成にできる。
【0010】請求項5記載の発明は、後部フレーム42を正面視門型に構成し、その左右下端部に各々植付具27・27を装着した請求項1乃至4記載の乗用型移植機としたので、請求項1乃至4記載の発明の作用効果に加えて、正面視門型に構成することにより後部フレーム42が強固な構成となると共に、簡潔な構成で各植付具27・27の苗植付け作動に支障のないものとすることができる。
【0011】請求項6記載の発明は、機体側面視で乗用型走行車体1の前輪6の前端と後輪7の後端との幅内にエンジン8を配置した請求項1乃至5記載の乗用型移植機としたので、請求項1乃至5記載の発明の作用効果に加えて、乗用型移植機全体として機体の前後バランスが更に良くなり、植付性能の優れた小型軽量の乗用型移植機を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例である4条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。
【0013】1は乗用型走行車体であって、機体は、前部に配置されたミッションケース2と機体後部に配置された後輪伝動ケース3とをフレーム4で連結して構成されている。ミッションケース2の後部にはその左右側面に左右フロントアクスルケース5・5を固着し、該左右フロントアクスルケース5・5の下部には左右操向駆動前輪6・6が設けられている。
【0014】後輪伝動ケース3は、前記フレーム4に固着された主ケース3aと該主ケース3aの左右両側部に基部が固着されて後方に延出された左右チェーンケース3b・3bとで平面視コ字状に構成されている。
【0015】7・7は左右駆動後輪であって、各々左右チェーンケース3b・3bの外側に軸架されている。8はエンジンであって、後輪伝動ケース3の上部に搭載され、該エンジン8より機体前部のミッションケース2に動力が伝えられ、ミッションケース2より前輪デフ機構を介して左右フロントアクスルケース5・5内の伝動軸にて左右操向駆動前輪6・6に動力を伝動し、更にフレーム4内の伝動軸を介して後輪伝動ケース3の主ケース3a内の後輪デフ機構に動力が伝えられ、該後輪デフ機構より左右チェーンケース3b・3b内の伝動チェーンを介して各々車軸9・9に動力が伝動され、左右後輪7・7が駆動されるように構成されている。尚、後輪伝動ケース3の主ケース3a内には左右サイドブレーキが設けられており、エンジン8の前方に設けられたステップ10の前部左側に設けられた左右ブレーキペダルの各々の踏込操作により左右サイドブレーキが各々利くように構成されている。また、ミッションケース2内には、主変速レバー11にてエンジン8の回転駆動力が変速される主変速機構と前輪用デフ機構とが内蔵されている。
【0016】12はFRPにて成型された車体カバーであって、エンジン8の周囲を覆うエンジンカバー部と前記エンジン8の前方及び左右側方に設けられたステップ10とが一体形成され、機体上に固着されている。そして、ステップ10は操縦ハンドル13の左右両側から前方まで延設されて左右通路A・Aを構成している。
【0017】14は操縦座席であって、車体カバー12の上部に装着されている。15は上部リンクと下部リンクとにより構成されるリンク機構であって、その基端部は、後輪伝動ケース3より上方に延設された支持フレーム16に枢着され、後端部は、苗植装置17をローリング自在に支持するローリング軸18が設けられた縦枠19に枢着されている。
【0018】20は油圧シリンダー装置であって、シリンダーの基部は後輪伝動ケース3に枢着され、ピストンの先端が上部リンクに枢着されている。21はハンドルポストの周囲を覆う合成樹脂にて形成された前部カバーであって、ステップ10の前部上面に固着されており、その上面は各種表示装置やメータ類が設けられた操作パネルになっている。そして、前部カバー21の左側部には前記主変速レバー11が設けられ、前部カバー21の右側部にはエンジン8とミッションケース2との間の伝動系に設けられたベルト式無段変速機構を操作する副変速レバー22と植付クラッチの操作及び苗植装置17の上下操作を行う操作レバー23とが設けられている。
【0019】24は該前部カバー21の左側方に設けられた主クラッチペダルである。25は左右操向駆動前輪6・6の伝動系中の前輪デフ機構のデフロックペダルである。
【0020】次に、苗植装置17について詳述すると、4条植えの構成とした苗載台26や4つの植付具27…等から構成されており、前高後低に設けた苗載台26を下部レール28及び上部レール29を介して植付フレーム30に左右往復移動自在に支持させ、クランク機構31によって作動する植付具27・27を植付フレーム30の後端部に設けている。
【0021】また、植付フレーム30の前側部は前記ローリング軸18を介してリンク機構15の縦枠19に枢着されている。そして、左右操向駆動前輪6・6及び左右後輪7・7を回転駆動して移動すると同時に、左右往復移動する苗載台26から一株分の苗を植付具27の植付爪27aによって取り出して、連続的に田植え作業を行うように構成している。
【0022】また、植付深さ設定レバー32が配設され、苗植装置17下部には整地用のセンターフロート33、サイドフロート34が配設されている。そして、センターフロート33は、機体の左右中心線上に配され、センターフロート33の左右両側方には対称位置にサイドフロート34・34が配設されている。従って、圃場にてセンターフロート33と左右サイドフロート34・34が泥面に接地するまで苗植装置17を下降させた田植え作業状態では、苗植装置17はこのセンターフロート33と左右サイドフロート34・34にて左右バランスが良好に保たれた状態になり、良好な田植え作業が行なえるようになっている。
【0023】次に、苗植装置17を一定の高さに保持するセンターフロート33とサイドフロート34との支持構成に付いて説明する。苗植装置17の動力伝達部である植付フレーム30の下部に支点軸35が左右のサイドフロート34・34の幅に合わせて横設されている。この支点軸35より後下方の各フロート33・34の後部に向け支持アーム36…が突出され、各フロート33・34の後部に枢支連結されている。また、支点軸35より前方に操作アーム37が突出され、該操作アーム37の前端より上方に植付深さ設定レバー32が突出している。また、植付深さ設定レバー32の中途部は、アーチ状フレーム38に固設されるレバー係止板39内を貫通させており、該レバー係止板39に形設した複数の係止部に係合されている。よって、植付深さ設定レバー32を操作して係止位置を変更すると、支持アーム36…後端が支点軸35を中心に上下動し、各フロート33・34と支点軸35との上下間隔が調節されて、圃場の泥面から苗植装置17の高さを上下動し、植付具27によって切り取った苗を所望の深さに植付けるように調整できる。
【0024】次に、苗植装置17の植付フレーム30と動力伝達の構成について説明する。4条植えの苗植装置17は、4つの植付具27・27・27・27を装備している。その内の二つの植付具27・27に駆動力を伝達する縦伝動パイプ40・40を左右に二本配設し、該縦伝動パイプ40・40上部が連結パイプ41で連結され、正面視門型の後部フレーム42が形成され、左右の縦伝動パイプ40・40下端部の各々の左右両側に植付具27・27が配されている。この縦伝動パイプ40と連結パイプ41の内部には伝動軸が軸支される。そして、後部フレーム42の前方に設けた前部フレーム43の左右両側部と後部フレーム42下端両側部とを左右連結フレーム44・44にて連結して、植付フレーム30が形成されている。
【0025】また、植付フレーム30を構成する後部フレーム42及び前部フレーム43及び左右連結フレーム44・44は全てパイプ体で形成され、各々のパイプ体を溶接することにより一体形成されている。
【0026】詳述すると、後部フレーム42の左右の縦伝動パイプ40は、棒状のパイプ体45の下端を正面視T型のT型パイプ46の上部に挿入して溶接すると共に、パイプ体45の上端を正面視L型のL型パイプ47の下端に挿入して溶接している。連結パイプ41は、中央部に配置した平面視T型のT型パイプ48の左右両側に棒状の左右パイプ体49・49を挿入して溶接して形成されている。そして、連結パイプ41の左右パイプ体49・49の左右両端を前記左右縦伝動パイプ40・40の各L型パイプ47・47に挿入して溶接し、後部フレーム42が一体形成されている。
【0027】前部フレーム43は、中央部に配置した平面視十字型の十字型パイプ50の左右両側に棒状の左右パイプ体51・51を挿入して溶接して形成されている。そして、前部フレーム43の左右パイプ体51・51の左右両端部と後部フレーム42のT型パイプ46・46前部とをパイプ体である左右連結フレーム44・44にて溶接連結して、植付フレーム30が一体形成されている。
【0028】尚、後部に配したT型パイプ46・46は、T型パイプ46の横パイプ46aの軸心が左右方向に配され、横パイプ46aの両側に配するクランク機構31に動力を伝達するように構成している。
【0029】また、植付フレーム30には、駆動ケース52やクランク機構31、アーチ状フレーム38を支持する支持部が固設されている。即ち、縦伝動パイプ40の下端に配したT型パイプ46後部には、後上方向きにクランク支持アーム53の基部が溶接されて後部が後方に突出する状態で設けられている。前部フレーム43の右パイプ体51右端部には、前上方向きにケース支持アーム54が突出され、左パイプ体51より前上方向きに横軸支持アーム55がケース支持アーム54と平行状に突出され、更に、前部フレーム43の十字型パイプ50の左右中央部より前方に向けてローリング軸18を嵌合する筒体56が固設されている。また、前部フレーム43の左右パイプ体51・51には、アーチ状フレーム38が固設されるブラケット57・57の基部が溶接固着されている。従って、パイプ体を溶接連結したシンプルな構成であり、空間に余裕のある植付フレーム30に、クランク機構31、駆動ケース52、横送り軸58の支持部が強固に固設され、振動や衝撃につよく、耐久性のある支持部が構成される。
【0030】クランク支持アーム53は、平面視で後部が二つに分岐し、その後部に形成された枢支部53a・53aにはクランク機構31のアーム基部を枢支するピンが固設されている。また、左右の枢支部53a・53aの間は、平面視門型の補強体59によって連結補強されており、クランク機構31・31を強固に枢支することができる。
【0031】また、前部フレーム43の左右中央位置の十字型パイプ50の上面にその開放側端部を前上方に向けて溶接固定された側面視U型の固定体60の上部の前後方向に軸心を有する筒体56が溶接固定され、然も、筒体56前部下部と固定体60前部との間に補強体61が固設され、前部フレーム43の左右中央部上部に筒体56が強固に固設さた構成となっている。従って、ローリング軸18が強固に支持されているので、苗植装置17は安定してローリングできる。
【0032】そして、クランク支持アーム53の後端部の左右両側には、各々クランク機構31のリンク基部が枢支され、縦伝動パイプ40下部のT型パイプ46に軸支されたクランク駆動軸62の両端部にクランク機構31を構成する他のリンクが固設され、植付具27をクランク運動させている。また、前記植付フレーム30前部に、パイプ体を門型に屈曲するアーチ状フレーム38が配され、アーチ状フレーム38の左右の開放側端部がそれぞれブラケット57・57前部にボルトにて固定されている。アーチ状フレーム38は、後述の横送り軸58の前方を通過し、上方に延出し、アーチ状フレーム38上部を用いて前述した上部レール29が支持され、植付フレーム30とアーチ状フレーム38とが一体的に連結され、苗植装置17を支持する剛性の高いフレームを構成している。
【0033】また、前記ケース支持アーム54の外側側面には駆動ケース52が固設され、該ケース支持アーム54前部と横軸支持アーム55前部に横送り軸58が軸支され、該横送り軸58右端部が駆動ケース52内に挿入されている。横送り軸58は前部フレーム43と平行に配置され、側面視において、横送り軸58がローリング軸18の上方に配置されており、横送り軸58の支持構成がシンプルであり、効率の良い配置構成となっている。
【0034】また、該植付フレーム30内部には、植付具27及び横送り軸58に駆動力を伝動する伝動軸及びベベルギアが軸支されている。即ち、前部フレーム43の左右中央位置の十字型パイプ50の前部に突出したパイプには入力軸63が軸支され、該入力軸63の前端部は乗用型走行車体1後部から後方に延出したPTO軸64にユニバーサルジョイント65を介して連結されて駆動される構成となっている。入力軸63の後端部にはベベルギア66が固設され、前部フレーム43内の横送り駆動軸67に固設のベベルギア68に噛合して、該横送り駆動軸67を駆動している。また、十字型パイプ50の後部に突出したパイプには伝動軸69の前部が軸支され、該伝動軸69の前部にはベベルギア70が固設され、前部フレーム43内の横送り駆動軸67に固設のベベルギア68に噛合して、伝動軸69に回転駆動力が伝達される構成になっている。
【0035】一方、後部フレーム42の連結パイプ41内には植付具駆動軸71が軸支され、左右縦伝動パイプ40・40内には各々縦伝動軸72・72とクランク駆動軸62・62が軸支されている。そして、連結パイプ41のT型パイプ48の前部に突出したパイプには伝動軸69の後部が軸支され、該伝動軸69の後部にはベベルギア73が固設され、連結パイプ41内の植付具駆動軸71に固設のベベルギア74に噛合して、植付具駆動軸71に回転駆動力が伝達される構成になっている。また、植付具駆動軸71の左右端部にはベベルギア75・75が固設され、左右縦伝動パイプ40・40内の左右縦伝動軸72・72上端部に固設のベベルギア76・76に噛合して、左右縦伝動軸72・72に回転駆動力が伝達される構成になっている。更に、左右縦伝動軸72・72下端部には各々ベベルギア77・77が固設され、クランク駆動軸62・62に固設のベベルギア78・78に各々噛合して、左右クランク駆動軸62・62に回転駆動力が伝達される構成になっており、縦伝動パイプ40下部のT型パイプ46側部に配置されたクランク機構31を駆動し、植付具27の植付爪27aを所望の軌跡で駆動作動させて、苗の植付けを行なう構成になっている。尚、実施例では、伝動軸69は剥き出しの構成としたが、伝動軸69を覆う筒状のカバーを十字型パイプ50の後部に突出したパイプとT型パイプ48の前部との間に設けて伝動軸69を覆うと、伝動軸69が回転しても安全であり、他の物を巻き込んでしまうような事態も回避できて植付作業上良い。
【0036】上記実施例では、各パイプ内に伝動軸及びベベルギアを軸受で配設した状態で、各パイプを挿入して溶接固定する例を示したが、メンテナンスの為に、各パイプを挿入してボルトにて固定する構成にしても良い。
【0037】次に、横送り軸58等の苗載台駆動機構への動力伝達について説明する。前記前部フレーム43内の横送り駆動軸67の右端部は右パイプ体51より側方に突出して駆動ケース52内に挿入され、端部にスプロケット79が固設されている。そして、駆動ケース52に挿入された横送り軸58の右端部にもスプロケット80が固設され、スプロケット80とスプロケット79との間に伝動チェーン(図示せず)が巻回され、横送り軸58に動力を伝達する苗載台駆動機構が構成されている。また、横送り軸58には滑り従動子81が摺動する駆動螺旋溝58aが刻設されており、横送り軸58の外周面上に滑り従動子81の受け体82が遊嵌され、該受け体82内に設けられている滑り従動子138の先端が溝58aに嵌入され、横送り軸58の回動に伴って滑り従動子81が溝58a内を摺動し、受け体82が横送り軸58上を左右に往復動する。該受け体82後部には連結部を介して苗載台26が連結され、横送り軸58の回動によって苗載台26が左右往復動される。
【0038】また、横送り軸58の左側端部は、横軸支持アーム55より左側に突出し、縦送り駆動カム83が設けられており、周知の苗載台26の下部の従動カムと当接可能に配設されている。従って、縦送り駆動カム83が苗載台26の左右移動端で従動カムと当接して、従動カムを回動させることにより、苗載台26の左右移動端で縦送りベルト84が回転駆動されて、苗マットが縦送りされる。
【0039】一方、センターフロート33の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時にはミッションケース2の左側面に装着された油圧ポンプにてミッションケース2内から汲み出された圧油を油圧シリンダー20に送り込んでピストンを突出させリンク機構15を上動させて苗植装置17を植付適正位置まで上昇せしめ、また、センターフロート33の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー20内の圧油をミッションケース2内に戻してリンク機構15を下動させて苗植装置17を植付適正位置まで下降せしめ、そして、センターフロート33の前部が適正範囲にあるとき(苗植装置17が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー20内の圧油の出入りを止めて苗植装置17を一定位置に保持せしめるべく、油圧シリンダー20を制御する油圧バルブとセンターフロート33の前部とを連繋している。
【0040】そして、前部カバー21の右側方より突出して操縦ハンドル13の右下側に設けられた操作レバー23は、ミッションケース2内に設けられたPTOクラッチを操作して苗植装置17への動力を入切り操作できるように構成されていると共に、油圧バルブを操作して手動にて苗植装置17を上下動できるように構成されている。即ち、操作レバー23を「固定」位置にすると、PTOクラッチが切れ苗植装置17の作動が停止し且つ油圧バルブが油圧シリンダー20内の圧油の出入りを止めて苗植装置17を一定位置に保持せしめる位置に切換えられ苗植装置17は上昇も下降もしない。そして、操作レバー23を後方に操作して「下」位置にすると、PTOクラッチは切りで苗植装置17の作動は停止したままであるが油圧バルブはセンターフロート33の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。そして、更に、操作レバー23を「入」位置にすると、PTOクラッチが入り苗植装置17が駆動され且つ油圧バルブはセンターフロート33の上下動にて切換えられる自動制御状態となる。逆に、操作レバー23を前方に操作して「上」位置にすると、PTOクラッチが切れ苗植装置17の作動が停止し且つ油圧バルブが強制的に苗植装置17を上昇する側に切換えられ、苗植装置17が上昇される。
【0041】上記のように構成された4条植え乗用型田植機を水田圃場に入れて、苗載台26に苗を載置してエンジン8を始動し主変速レバー11を「植付速」位置にし副変速レバー22を「高」又は「低」位置にして操作レバー23を「入」位置にして各部を駆動し機体を前進せしめれば、苗植装置17は自動的に適正位置に上下制御され田植作業が行われる。このとき、苗植付作業中は操作レバー23が「入」位置になっているので、後輪デフ機構は差動回転せず、左右後輪7・7は同回転するので、機体は直進性が良く、まっすぐに苗を植付けることができる。
【0042】そして、畦際で機体を旋回させる時には、操作レバー23を「上」位置にすると、PTOクラッチが切れ苗植装置17の作動が停止し且つ油圧バルブが強制的に苗植装置17を上昇する側に切換えられて苗植装置17が上昇され、後輪デフ機構は差動回転するようになる。そこで、作業者が操縦ハンドル13を操作して機体を旋回させると、左右後輪7・7は適正に差動回転し、圃場泥面をあまり乱さずに小回りすることができ、枕地をあまり痛めないので枕地植え作業が良好に行える。この旋回時に、作業者が操縦ハンドル13を操作すると同時に旋回する側のブレーキペダルを踏むと、更に、小回りができる。
【0043】尚、作業者が熟練者の場合は、副変速レバー22を「高」位置にすれば高速の作業速となり作業能率が向上する。一方、路上走行の場合は、操作レバー23は「固定」位置に操作されているので、後輪デフ機構は差動回転する。従って、左右後輪7・7は差動回転するので、良好な路上走行を行うことができる。
【0044】そして、特に、苗植装置17の苗載台26よりも機体後方に植付具27を装着した後部フレーム42を配置し、苗載台26よりも機体前方側から後部フレーム42側に駆動力を伝動する伝動軸69を設けたので、植付具27に駆動力を伝動分岐する植付具駆動軸71を苗載台26よりも機体後方に配置することができ、乗用型移植機全体として機体の前後バランスが良くなり、小型軽量の乗用型移植機を得ることができる。
【0045】また、後部フレーム42を正面視門型に構成し、その左右下端部に各々植付具27・27を装着したので、後部フレーム42は強固な構成となり、簡潔な構成で各植付具27・27の苗植付け作動に支障のないものとすることができる。
【0046】また、苗載台26よりも機体前方側に配設した前部フレーム43と後部フレーム42を左右連結フレーム44・44にて連結して一体形成して平面視矩形状の植付フレーム30を構成したので、植付フレーム30を軽量でありながら強固な構成とすることができ、小型軽量の乗用型移植機であるが、植付性能の良い移植機を得ることができ、良好な移植作業が行なえる。然も、植付フレーム30をごく一般的な市販のパイプ体で一体形成したので、製造コストが非常に安くなると共に製造も容易であり、パイプ体であるから苗植装置17が軽量な構成となり、従って、植付装置17を装着するリンク機構15や乗用型走行車体の機体フレームを剛性の高い大型のフレーム構成にする必要がなく、乗用型移植機全体を小型軽量の構成にできる。
【0047】更に、機体側面視で乗用型走行車体1の前輪6の前端と後輪7の後端との幅内にエンジン8を配置したので、乗用型移植機全体として機体の前後バランスが良くなり、植付性能の優れた小型軽量の乗用型移植機になっている。
【0048】尚、上記実施例においては、4条植え乗用型田植機に本発明を実施した例をしめしたが、他の如何なる移植機に本発明を実施しても良い。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年11月2日(1999.11.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−128513(P2001−128513A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−312493