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【発明の名称】 田植機の苗ガイド構造
【発明者】 【氏名】土井 邦夫

【氏名】西 陽一朗

【要約】 【課題】構造が単純かつ高い精度の要求されない部材を用いて、田植機の苗ガイドの前方ガイド部材、側方ガイド部材の連結機構を提供する。

【解決手段】苗載台16の下部に苗取出し口50aを開口し、該苗取出し口50aより下方へ向けて前方ガイド41及び左右一対の側方ガイド42・42を延設し、それらのガイド部材をコ字型形状の固定金具44により連結し、さらに該前方ガイド部材下部には長孔41aを設け、該固定金具44を挿設し及び該長孔41aの長さだけ上下方向の挿設位置に自由度を与え、該前方ガイド41への挿設箇所は凹形状に構成して、前記ガイド41を該固定金具44に嵌設して固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苗載台の下部に苗取出し口を開口し、該苗取出し口より下方へ向けて前方ガイド部材及び左右一対の側方ガイド部材を延設し、前方及び側方ガイド部材をコ字型形状の固定金具により連結するとともに、該前方ガイド部材下部に前記固定金具を挿通する長孔を設けたことを特徴とする田植機の苗ガイド構造。
【請求項2】 前記固定金具の前記前方ガイド部材への挿設箇所を凹形状に構成したことを特徴とする請求項1記載の田植機の苗ガイド構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機の苗ガイド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、苗載台より一株の苗を苗載台下部に配設されている苗取出し口より切り出し、その苗を植付爪にて挟持搬送して圃場に植え付ける田植機において、苗取出し口に苗ガイドを設ける構造が知られており、該ガイド部材は植付爪の挟持搬送経路に沿って配設され、苗取出し口より下方に向けて左右一対の側方ガイド部材を延設して、植付爪にて挟持搬送される苗の左右方向への姿勢の乱れを規制しながら、圃場に植え付けるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】前記のような苗ガイド構造では、側方にのみガイド部材が設けられていたので、植付作業時に各ガイド部材が振動しやすく、挟持搬送される苗の植付姿勢に悪影響を与えることが多かった。この課題を克服するために、各ガイド部材を下部で相互に連結する苗ガイド構造が望まれていたのである。さらには、構造が単純かつ高い精度の要求されない部材を用いた連結機構が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとしている課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。請求項1においては、苗載台の下部に苗取出し口を開口し、該苗取出し口より下方へ向けて前方ガイド部材及び左右一対の側方ガイド部材を延設し、前方及び側方ガイド部材をコ字型形状の固定金具により連結するとともに、該前方ガイド部材下部に前記固定金具を挿通する長孔を設けた。
【0005】請求項2においては、前記固定金具の前記前方ガイド部材への挿設箇所を凹形状に構成した。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図であり、図2は同じく平面図であり、図3は苗ガイド構造を示す側面図であり、図4は苗ガイドを示す側面図であり、図5は同じく図3におけるA矢視図であり、図6は苗ガイド構成を示す斜視図であり、図7は本発明の固定金具を示す平面図である。
【0007】図1、図2において、1は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン2を車体フレーム前部上方に搭載させ、ミッションケース4前方にフロントアクスルケース5を介して走行用前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケース7を連設し、前記リヤアクスルケース7に走行用後輪8を支持させる。そして、前記エンジン2等を覆うボンネット9両側に予備苗載台0を取り付けると共に、ステップ11を介して作業者が搭乗する車体カバー12上部に運転席13を取付け、その運転席13の前方で前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を設ける。
【0008】また、図中15は10条植え用の苗載台16並びに複数の植付爪17などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を下部レール18及びガイドレール19を介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース21を前記植付ケース20に支持させ、該ロータリケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、その爪ケース22・22先端に植付爪17・17を取り付ける。そして苗載台本体16a下端には苗ガイド40が取り付けられている。また、前記植付ケース20の前側にローリング支点軸を介して支持フレーム24を設け、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して走行車1後側に支持フレーム24を連結させ、前記リンク機構27を介して植付部15を昇降させる昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結させ、前記前後輪6・8を操向駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0009】苗載台本体16a下端には、図2に示すように、苗取出し板50が配設されており、各植付爪17と前後方向に対向して、苗取出し口50a・50a・・・が開口されている。また該苗載台16a上には、図示せぬ苗マットが載置されており、該苗マットの下端部を該植付爪17により切り取り植付作業を行う。
【0010】また、図中29は走行変速レバー、30は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、31は植付け感度調節レバー、32は主クラッチペダル、33・33は左右ブレーキペダル、34は均平用センターフロート、35は均平用サイドフロート、36は10条用の側条施肥部である。
【0011】次に、前記苗ガイドについて説明する。図1、図5に示すように、前記苗取出し口50aより下方に向けて前記苗ガイド40が延設されている。該苗ガイド40は、図4、図6に示すように、前方ガイド41、側方ガイド42・42、これらのガイド部材を該苗取出し板50と接続する取口金具43・43、下方で該ガイド部材を固定する固定金具44から構成される。そして、該苗取出し板50の該苗取出し口50a周辺部に、上方より取口金具43・43、前方ガイド41、側方ガイド42・42が順に配設されている。該ガイド部材の上部での固定方法は、ボルト45・45によって上方より該苗取出し板50を介して該ガイド部材の後端部が螺設固定され、同じくボルト45・45によって下方より該ガイド部材前端部が該苗取出し板50に螺設固定されている。
【0012】本発明の苗ガイドの固定金具について説明する。前記固定金具44は、図7に示すように、丸棒を略コ字型形状に形成したものであり、該コ字型を形成する平行部分44aに対する橋架部分44bの中央部は、凹型形状の凹部44cを形成している。
【0013】前記側方ガイド42の外側面の下部に挿通部42aが略前後方向に設けられ、前記前方ガイド41下部の前部に上下方向に長い長孔41aが左右方向に開口されている。そして、前記固定金具44の凹部44cが長孔41aに位置するように挿通して、固定金具44の平行部分44a・44aをそれぞれ挿通部42a・42aに挿入して、該前方ガイド41、該側方ガイド42・42が連結固定される。
【0014】前記長孔41aが前方ガイド41下部に設けられている効果について述べる。固定金具44が平行部分44a・44aで側方ガイド42・42に固定されるとき、該固定金具44の一部分たる橋架部分44bの位置も必然的に決定される。このとき前方ガイド41に該固定金具44の外径と同じ幅の孔しか設けられていないとすると、ガイド部材の寸法にずれがあった場合に、該固定金具44を取り付けることが困難になるか、あるいは該固定金具44を突っ張らせてしまうこととなってしまう。該長孔41aを設けて該橋架部分44bの配設位置に上下方向に関して自由度を与えることで、該ガイド部材の精度に関わりなく、該固定金具44が歪むことを防止しているのである。また、該橋架部分44b中央部の凹部44cが凹型形状に形成されている効果は次のようなものである。該固定金具44の凹部44cは、該長孔41aで該前方ガイド41に嵌装されている。該凹部44cは該橋架部分44bと同軸ではないため、一旦嵌め込まれた該前方ガイド41は該橋架部分44bまでずれることはない。この構成により、該前方ガイド41の左右方向の横ずれ防止が、単純な構造で実現できるのである。
【0015】前述のような、該固定金具44の該ガイド部材への取付けにより、該ガイド部材の下部での固定が行われる。これにより苗ガイド40は、該苗ガイド40を構成する各ガイド部材が独立に配設されるのではなく一体的に形成されて、剛性や耐振動性を向上させている。
【0016】また、苗ガイド40は側面視では、図3、図4に示すように、植付爪17の先端が描く軌跡に沿って爪形状に形成されており、前記前方ガイド41は該軌跡の前方に配設され、前記側方ガイド42は、該前方ガイド41の後方に配設されている。該前方ガイド41は該側方ガイド42より下方に長く延出している。
【0017】以上構成により、苗マットより取り出された一株の苗を挟持搬送する植付爪17は、前方及び側方の前記ガイド部材によってガイドされ、前記苗取出し口50aより圃場面まで植付姿勢を良好に確保することができる。しかも該苗ガイド40の剛性、耐振動性が高く保持されているため、該ガイド部材が個別に振動することがなく、植付姿勢への悪影響を防止している。
【0018】また、前記ガイド部材が前述のように、苗取出し板50下方に重ね合わせる形で配設されるため、苗取出し口50aが苗載台本体16aに沿って延出される形となり、苗が挟持搬送ガイドされる経路が長く構成されている。さらに、前方ガイド41は、上部前方では平板を上方へ屈曲した形で突起部41bが形成され、該突起部41bの高さは前記取口金具43の厚みより長く設けられており、該苗取出し板50と該前方ガイド41上部との間に苗の根が溜まり込むの防止している。この構成により、苗ガイド40等の部品追加を行っても、根が溜まり込み、挟持搬送される苗の進路上に溢れ出ることによって、該苗の植付姿勢が乱されることがないのである。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如く、苗載台の下部に苗取出し口を開口し、該苗取出し口より下方へ向けて前方ガイド部材及び左右一対の側方ガイド部材を延設し、前方及び側方ガイド部材をコ字型形状の固定金具により連結するとともに、該前方ガイド部材下部に前記固定金具を挿通する長孔を設けたので、固定金具は長孔の長さだけ上下方向の挿設位置で自由度が与えられ、前方ガイド部材に該固定金具を挿通して左右一対の側方ガイド部材と連結しても、固定金具や各ガイド部材が突っ張って歪むことがないのである。
【0020】請求項2記載の如く、前記固定金具の前記前方ガイド部材への挿設箇所を凹形状に構成したので、単純な構造で前方ガイド部材の横ずれを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年10月6日(1999.10.6)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−103820(P2001−103820A)
【公開日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【出願番号】 特願平11−285010