| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹山 智洋
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| 【要約】 |
【課題】苗の受け継ぎ側である上方にて狭く、圃場側で広くなるようにして円滑に苗受け継ぎでき、且つ鉛直状に植付けできるようにした苗移植機を提供する。
【解決手段】圃場を自走する機体に設けた苗載台の苗トレイから左右一対の苗取出爪23,23によって取り出した苗を、左右一対の上下揺動する移植用カップ32,32に受け継いで、圃場に移植する場合、苗受け継ぎ位置で一対の移植用カップ32の左右配置間隔を狭く、圃場側で左右間隔が広くなるように、植付け伝動ケース19の左右両側を挟んで左右一対の移植機構30,30を配置する。移植機構30における移植用カップ32を上下方向に案内するためのガイドレール48を、その上下移動案内面が、走行機体の進行方向に向いて、下向き末広がりの傾斜状となるように配置する一方、傾斜する移動案内面に対して傾斜する水平の各支軸49a(49b)を介して左右各移植用カップを装着した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場を自走する機体に、苗載台の苗トレイから左右一対の苗取出爪によって取り出した苗を、左右一対の上下揺動する移植用カップに受け継いで、前記圃場に移植する苗移植機において、前記苗受け継ぎ位置で前記一対の移植用カップの左右間隔を狭く、圃場側で左右間隔が広くなるように、移植用カップの移植機構を構成すると共に、前記各移植用カップをその姿勢が鉛直方向と平行状態のまま上下移動するように連結したことを特徴とする苗移植機。 【請求項2】 左右一対の移植機構の間に植付け伝動ケースを配置し、移植機構における左右の移植用カップを上下方向に案内するためのガイドレールを、その上下移動案内面が、走行機体の進行方向に向いて、下向き末広がりの傾斜状となるように配置する一方、前記傾斜する移動案内面に対して傾斜する水平の各支軸を介して左右各移植用カップを装着したことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、苗トレイから1株分の玉葱等の野菜等の苗を取り出して、圃場(畝)に植付ける苗移植機に係り、苗の移植部位の覆土のための装置の構成に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来公知の苗移植機は、例えば、特開平8−130932号公報に開示されているように、左右走行車輪にて圃場を自走する走行機体に、エンジンと、ミッションケースと、苗植付け装置と、苗トレイにマトリックス状に配置されたポット苗を供給するための苗供給装置とを備え、前記苗植付け装置を、上下揺動アームの先端に移植すべき苗を保持して圃場に移植するための移植用カップ等からなる移植機構と、前記苗供給装置からポット苗を前記移植用カップに移送するための苗取出爪等からなる受け継ぎ機構とにより構成したものがあった。 【0003】この苗移植作業を効率化するため、苗トレイからポット苗を移植用カップに受け継がせるための苗取出爪を左右一対設けると共に、移植用カップも左右一対備えた移植機構を左右一対備えたものが開発され、苗取出爪による苗トレイからの苗取り出し間隔が狭い一方、移植用カップの左右配置間隔(移植間隔)が広いため、左右のうちいずれか一方の苗取出爪の真下に一方の移植用カップを配置する一方、他方の苗取出爪の下方には、下に行くに従って、機体の横外方向に延びる案内筒を配置し、その案内筒の下方に他方の移植用カップを配置することにより、ポット苗の受け継ぎを容易にしようとしたものが開示されている(特開平9−28130号公報参照)。しかし、このものでは、苗取出爪と移植用カップとの間の受け継ぎ距離が左右で食い違う(案内筒のある方が長くなる)ため、左右の移植機構を同期させて駆動すると、受け継ぎ作業が円滑にできないという問題があった。 【0004】そこで、本出願人は、特願平10−326563号において、左右の移植用カップの左右の間隔が、ポット苗の受け継ぎ側である上方にて狭く、圃場側で広くなるように、走行機体の進行方向に向いて、左右の移植機構における移植用カップの上下移動案内のためのガイドレールを、下向き末広がりの傾斜状に構成したものを提案した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場合には、各移植用カップが鉛直線に対して傾斜姿勢のまま上下動するので、圃場面に対してポット苗が斜め姿勢のまま植付けられてしまうという問題があった。 【0006】本発明はこの問題を解決すべくなされたものであって、ポット苗の受け継ぎ側である上方にて狭く、圃場側で広くなるようにして円滑に苗受け継ぎでき、且つ植付けできるものでありながら、鉛直状に植付けできるようにした苗移植機を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の苗移植機は、圃場を自走する機体に、苗載台の苗トレイから左右一対の苗取出爪によって取り出した苗を、左右一対の上下揺動する移植用カップに受け継いで、前記圃場に移植する苗移植機において、前記苗受け継ぎ位置で前記一対の移植用カップの左右間隔を狭く、圃場側で左右間隔が広くなるように、移植用カップの移植機構を構成すると共に、前記各移植用カップをその姿勢が鉛直方向と平行状態のまま上下移動するように連結したものである。 【0008】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の苗移植機において、左右一対の移植機構の間に植付け伝動ケースを配置し、移植機構における左右の移植用カップを上下方向に案内するためのガイドレールを、その上下移動案内面が、走行機体の進行方向に向いて、下向き末広がりの傾斜状となるように配置する一方、前記傾斜する移動案内面に対して傾斜する水平の各支軸を介して左右各移植用カップを装着したものである。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施例について説明する。図1は2条植え式苗移植機の概略側面図、図2は2条植え式苗移植機の概略平面図、図4は移植機構の概略平面図、図5は植え継ぎ機構及び苗供給装置の要部側面図、図6は植え継ぎ機構の要部平面図、図7は植え継ぎ機構の要部拡大側面図、図8は植え継ぎ機構の要部断面図、図9移植機構の要部断面図、図10は移植機構の側面図である。 【0010】エンジン2とミッションケース9とを備えた機体1は、メインフレーム3における前後一対の横長のスライドフレーム4,5に左右スライド自在に支持されている。メインフレーム3に設けた油圧シリンダ6と揺動アーム7とを介して機体1は、前記スライドフレーム4,5に沿って横方向に位置変更可能に構成されている。メインフレーム3の左右両側から後向きに延びる一対のアクスルフレーム13,13には各々前輪12,12が装着されており、メインフレーム3における後部側で横方向に延びる駆動横軸ケース10の両端には伝動ケース11,11を介して後輪8,8が装着され、ミッションケース9からの動力が後輪8,8に伝達される。 【0011】前後輪12,8は、メインフレーム3におけるスイング軸15とスイング用油圧シリンダ14とを介して昇降揺動可能に構成され、もって、走行路面、ないしは畝面Mに対して機体1の高さを変更可能(対地高さ調節可能)に構成されている。 【0012】機体1の後部に延びるように設けたシャーシフレーム17の上端には後向きに延びるハンドル26を設け、シャーシフレーム17に対して苗載台21が左右に往復移動可能に配置されるように苗供給装置16が設けられている。 【0013】この苗載台21は後述する横送り機構を介して左右往復動させるように構成され、この苗載台21には、苗ポット部22aを平面視で進行方向の前後左右にマトリックス状に設けた苗トレイ22を載置し、苗載台21に設けた後述する縦送り機構にて、前記横送りの移動終端で、苗ポット部22aを機体1の前進方向に1ピッチずつ間欠的に縦送りするように構成するものである。 【0014】左右一対の苗植付機構としての苗植付装置18a,18bは、左右両側の後輪8,8の間でミッションケース9に植付け伝動ケース19を挟んで左右両側に設けられている(図4及び図9参照)。 【0015】苗植付装置18a,18bは、図2に示すように、それぞれ上下揺動する揺動アーム31と該揺動アーム31の先端に移植すべきポット苗Nを保持して圃場に移植するための移植用カップ32等からなる移植機構30と、苗供給装置16における苗トレイ22の苗ポット部22aから移植用カップ32に移送するため苗取出爪23等からなる受け継ぎ機構29とにより構成し、前記苗供給装置16及び受け継ぎ機構29に対してはミッションケース9からチェンスプロケットに巻掛けられたチェンを介する等した伝達経路を経て動力伝達される。 【0016】図4及び図9に示すように、機体1の進行方向に対して左右に2つの苗取出爪23及び2つの移植用カップ32は、一つの苗載台21における苗トレイ22に対して左右に一定間隔を隔てて並設させ、位相を同期させて1つの苗トレイ22から2条分の苗取りと畝Mへの2条の苗移植とを実行するものである。そして、移植用カップ32による苗移植の前にマルチカッタ24にて畝面Mを覆うマルチフィルムを移植箇所ごとにカットすることができる。 【0017】次に、図1、図2、図4、図5及び図7を参照しながら苗供給装置3について詳細に説明する。 【0018】苗載台21は図2、図4及び図5に示すように、平面視で略矩形状の枠フレーム100と、該枠フレーム100の一側に配置した縦送り機構としての縦送り用伝動部を内蔵した縦送りケース101と、苗トレイ22を縦送りするための搬送チェン102と、大小のチェンスプロケット103,104と、空の苗トレイ22がハンドル26の後端方向に導かれるにように配置したガイドフレーム等からなる。前記苗載台21の枠フレーム100等に装着した前部の案内コロ109を、前記シャーシフレーム17に固定された左右長手のコ字型ガイドレールに嵌挿する一方、枠フレーム100後部の下向きコ字型のガイドレールをシャーシフレーム17の左右両側に固定した摺接ガイド片に載置させて苗載台21が左右に移動可能に装架されている。 【0019】苗トレイ22は可撓性を有する軟質合成樹脂材にて構成し、搬送チェン102に搭載されて搬送されるとき大径のチェンスプロケット103の円周に沿って湾曲可能となっている。そして、前記左右一対の搬送チェン102,102は縦送りケース101内の動力伝達系を介して駆動される縦送り駆動軸110に装着された大径チェンスプロケット103と枠フレーム100に回転自在に装着された従動軸における小径チェンスプロケット104とに巻掛けられている。前記左右一対の搬送チェン102,102には、適宜ピッチP2にて横向きの係合ピン112が突設されており、この左右の係合ピン112が苗トレイ22における搬送前後方向に並ぶ苗ポット部22aの連設部下面側に係合して確実に図7の矢印C方向に搬送するものである。 【0020】前記横送り機構における伝動ケースから突出する横送り軸には往復送りねじ部が形成されており、該往復送りねじ部に螺合する船型キー付き送りブロックと苗載台21におけるフレームから突出する係合ボルト等の係合片とを連結させ、苗載台21を苗トレイ22の横幅方向に左右往復移動させるように構成する。 【0021】他方、前記伝動ケース114から突出する縦送り軸118は、前記苗載台21の横送り終端位置で間欠的に回動し、該縦送り軸118に前記横送り距離だけ隔てて設けた一対の蹴り爪119,119は、縦送りケースに設けた従動カム(図示せず)を蹴り回動させ、縦送りケース101内の伝動部を介して前記縦送り駆動軸110を間欠回動させ、苗ポット部22aが一定ピッチだけ間欠縦送りされるように構成するものである。 【0022】次に、図5〜図8を参照しながら、苗取出爪23等からなる受け継ぎ機構29の構成について説明する。この受け継ぎ機構29は、後述する左右一対の苗取出爪23,23にて1ヵ所のポット部20aからポット苗Nを取り出して、上昇位置における各移植用カップ32のほぼ真上にてポット苗Nを落下させて、当該各移植用カップ32にて苗を受け止めることができるように配置されるものであり、本実施形態の苗移植機は、2条植え式であるので、受け継ぎ機構29及び移植機構30は機体1の進行方向に対して左右に所定間隔だけ隔てて配置されるものとする(図9参照)。 【0023】ミッションケース9の入力軸56に連動連結する植付クラッチケース57内の出力軸58には、植付クラッチ58aを備え、そのクラッチのON時には、出力軸58の両端からチェン59,59を介して左右両側のロータリケース72におけるロータリ入力軸71のチェンスプロケット63,63を回転駆動させる(図6参照)。走行機体1の左右両側に固着した各ブラケット67に支持板68を固設し、この支持板68に固定された太陽歯車70の内周には、前記チェンスプロケット63から動力が伝達される入力軸71を回転自在に嵌合し、この入力軸71の他端をロータリケース72に固着して一体的に回転するように構成する(図8参照)。 【0024】ロータリケース72内には、太陽歯車70に噛み合う中間歯車73と、クランク軸74に固着して中間歯車73に噛み合う遊星歯車75とを内装してあり、クランク軸74に取付けられたクランクアーム76の先端から突出するカム軸77には、一端に左右一対の苗取出爪23,23が装着された苗取出しアーム78を回転自在に被嵌する。苗取出しアーム78の他端から突出したガイド軸79は、前記支持板68と平行状に固定されたガイド板80における略円弧状のガイド溝81に摺動自在に嵌合されており、前記入力軸71周りのロータリケース72の一回転にて、前記一対の苗取出爪23,23が苗トレイ22の苗ポット部22a内に苗取出爪23,23の先端のへら部23aが突き刺さってポット苗Nを挟持する姿勢を経て元に戻る軌跡82(図7参照)を巡るように構成されている。 【0025】そして、タマネギの苗用の各苗取出爪23は、棒状の軸の先端にへら部23aが取付けられたものであって、へら部23aは側面視変形菱形状で、先端(下端)側が窄まり、且つ断面は鈍角のL字状となるように、薄い金属板等にて形成されているので、苗トレイ22の苗ポット部22aから苗を抜き出すとき、苗土がくずれ難い。 【0026】また、前記左右一対の苗取出爪23,23の基端取付け片83,83は、L状の枢軸84,84に固着され、該各枢軸84は苗取出しアーム78における眼鏡状の取付け部78aに回動可能に装着され、左右両取付け片83,83を連結するばねにて、左右一対の苗取出爪23,23の先端側が常時閉じる方向に付勢されている。 【0027】前記カム軸77にはカム板86を固着し、該カム板86の広幅表裏面には、円周方向に沿って回動角度の一区間において円弧状の端面カム部87,87を突設し、前記左右一対の苗取出爪23,23の基端取付け片83,83から相対向するように突出する球状等の当接片88,88が端面カム部87,87箇所に乗り上げて当接すると、両苗取出爪23,23の先端が前記ばねの力に抗して開くように構成されている。 【0028】次に、前記苗植付装置18a,18bのうち移植機構30の構造を図4、図9及び図10を参照しながら説明する。ミッションケース9の側面に突出する出力軸としてのPTO軸9aの両端に左右一対の移植機構300、30における植付け伝動ケース19内の基端側チェンスプロケットを取付けし、植付け伝動ケース19における自由端側の回転軸36に被嵌したチェンスプロケットにチェン38を巻掛けして動力伝達する。 【0029】植付け伝動ケース19における自由端側の左右両側のフランジ体34a,34bには、前記回転軸36の両端にボール式自在継手35を介して各ロータリケース40の取付け軸37を水平に対して機体1の外方向に行くに従って上方向となる傾斜状になるように連結する。各ロータリケース40内では、取付け軸37と一体的に回転する太陽歯車39に噛み合う中間歯車41とこれに噛み合う遊星歯車42とはロータリケース40内にて回転自在に軸支されている。また、前記遊星歯車42が取付けられた支軸44にはクランクアーム45を固着し、該クランクアーム45の先端軸46を前記揺動アーム31の中途部に回転可能に装着する。該揺動アーム31の基端の案内コロ47は、上下長手のガイドレール48に上下摺動自在に嵌合している。この左右一対のガイドレール48,48は、図12に示すごとく、機体1の正面視或いは背面視において、上側が基端の左右中央に近く、下に行くに従って外側に広がるように傾斜状(実施例では、鉛直線に対してθは略6度だけ下外向きに傾斜状)に機体に立設されている。従って、後述する左右一対の移植用カップ32,32は上昇位置で左右間隔巾Wが狭く、畝面Mに下降すると広くなるように設計されている。 【0030】さらに、各移植用カップ32は下向きに窄まる略円錐状のものを前後に半割りした一対のカップ体32a,32bとからなり、カップ体32a,32bそれぞれの上端側に固着した回動支軸49a,49bは、前記揺動アーム31の一側から突出する支持板50に回動可能に枢支されている(図10参照)。この場合、図9に示すごとく、機体1の進行方向に向いて、各支持板50の広幅面を含む平面が鉛直線に対して前記傾斜角度θだけ下広がり状に傾斜しているのに対して、各カップ体32a,32bが取付けられた回動支軸49a,49bの軸線を水平状にして前記傾斜状の支持板50,50に対して回動可能に装着する。換言すると、各回動支軸49a,49bの軸線は前記傾斜状の支持板50,50に対して傾斜状に突出するように配置され、各カップ体32a,32bは鉛直方向を向いた状態を保持したままで、上下移動するのである。 【0031】そして、二つのリンク片の中途をピンにて枢着してなる側面視X字状のリンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動するように構成し、且つリンク機構51には一対のカップ体32a,32bの下端側が常時閉まる方向にばね52にて付勢されている。また、前記リンク機構51に連結した押し杆53の基端は、揺動アーム31に対して進退動自在に支持され、且つ押し杆53の基端は、前記クランクアーム45の先端軸46に被嵌して一体的に回転するカム54に常時当接しているように設けられている。 【0032】この構成により、苗移植時に、回転軸36を介してロータリケース40を図13の矢印A方向に回転させるとき、前記太陽歯車39、中間歯車41、遊星歯車42の噛み合い回転により、クランクアーム45は矢印B方向に回転し、このクランクアーム45に連結する揺動アーム31は案内コロ47の箇所を中心に前後揺動しつつガイドレール48に沿って上下移動するから、移植用カップ32は図10の軌跡55(上側の一部のみ示す)に沿って上下動し、前記苗トレイ22の前方位置から畝7まで移動する。 【0033】そして、このとき、各カップ体32a,32bが取付けられた回動支軸49a,49bの軸線を水平状にして前記傾斜状の支持板50,50に対して回動可能に装着してあるので、最上昇位置から最下降位置まで移植用カップ32は鉛直姿勢を保持したままとなると共に、図9に示すように、機体1の進行方向を向いて左右の移植用カップ32,32の左右方向の間隔は、最上昇位置で狭く(その上方の左右苗取出爪23,23の下端間の左右隔て距離に略等しく)、最下降位置で広くるように上下揺動するのである。 【0034】また、移植用カップ32は、その上方位置では一対のカップ体32a,32bの下端が閉じており、従って、その内部に移植すべきポット苗Nを上から挿入しても姿勢保持できる。他方、移植用カップ32が下降して、カップ体32a,32bの下端が畝7の土壌面に突き刺さるときには、カム54にて押し杆53を押し出し、リンク機構51を介して両回動支軸49a,49bを相互に反対向きに回動させ、カップ体32a,32bの下端が開くから、内部のポット苗Nは畝Mに移植できるのである。 【0035】なお、苗移植箇所の後方には、畝面Mを鎮圧するため、図3、図4、図11及び図12に示すように、2条植えの場合、機体1の幅方向の中央側(奇数条と偶数条とで挟まれる箇所)に配置する第1覆土ローラ20aと機体1の幅方向外側寄り(奇数条と偶数条とを外側から挟む箇所)に配置される第2覆土ローラ20bとからなる対のものを、各苗移植条N1,N2をそれぞれ挟むように設けられる。この場合、各苗移植条N1,N2箇所において、第1覆土ローラ20aと第2覆土ローラ20bとの下端側の間隔が狭く、上端側の間隔が広くなるように、背面視において傾斜状にセットされる。 【0036】そのため、図11及び図12に示すように、機体1の下面後部のシャーシフレーム17に対して固定した平面視枠状の主フレーム91のうちの丸パイプ状の前後長手の左右フレーム91aに下向きのブラケット93を固着し、該ブラケット93に機体1の後方に延びるローラフレーム92の前端を横軸94にて枢支する。このローラフレーム92の左右両側の後向きアーム部92aから機体1の幅方向中央に向けて突設した取付けブラケット95,95に車軸96を機体1の幅方向中央に向うに従って上方になるように傾斜状に固定し、該各車軸96に第2覆土ローラ20bをベアリングを介して回転自在に装着する。 【0037】前記ローラフレーム92の左右中央から後向きに突設した共通取付けブラケット(図示せず)の後端部には、左右両端部位に軸受部が配置れされる背面視上向き「く」字状の共通車軸97を固定し、該共通車軸97の左右両側端部に中央覆土輪としての2つの第1覆土ローラ20a,20aを、その上端側の配置間隔か狭くなるように傾斜状に回転自在に装着するのである。 【0038】他方、前記主フレーム91における左右中央から後下向き向きに設けた中央パイプ91bの下面には、前記左右一対の第1覆土ローラ20a,20aの間の前方であって、圃場面(畝面)Mに近い適宜高さ位置にて前後に長手の橇状のガイド体98をブラケット99等を介して固定する。このガイド体98は、平面視では、図12に示すごとく、機体1の後方に行くに従って(左右一対の第1覆土ローラ20a,20aに近づくに従って)左右幅を広くなるように形成され、該ガイド体98の後端の幅寸法は、前記左右一対の第1覆土ローラ20a,20aの下端の左右間隔より広いものとする。また、該ガイド体98の左右両側縁は、機体1の後に行くに従って、上向きになるように湾曲している。従って、水田跡を耕作した圃場面(畝面)Mを機体1が前進するとき、当該圃場面(畝面)Mに突出した稲の刈り株100を、前記ガイド体98にて左方向または右方向の横方向に押し退ける(逸らせる)ことができる。これにより、前記左右両側の間隔の狭い左右一対の第1覆土ローラ20a,20aの下端を通過する稲の刈り株100が共通車軸97に絡みつくのを確実に防止し、覆土ローラ20a,20aが円滑に回転できるようにするのである。 【0039】なお、図11及び図12に示す符号101は、前記ローラフレーム92ごと第1覆土ローラ20a及び第2覆土ローラ20bの高さ位置を変更できるようにした昇降調節機構であり、符号102は、主フレーム91に対するバネ103による前記ローラフレーム92(第1覆土ローラ20a及び第2覆土ローラ20b)の下向き付勢力調整機構である。 【0040】上記の構成により、機体1を前進させながら、苗供給装置3及び苗植付け装置2を作動させると、苗供給装置16における苗載台21は進行方向の右または左方向に移動し、この移動に同期して受け継ぎ機構における左右の苗取出爪23,23のへら部にて苗トレイ22の苗ポット部22aからポット苗Nを挟持して抜き出し、移植機構30における図10の軌跡55の上端位置にある移植用カップ32にポット苗Nを放出する。この上端位置にある左右両側の移植用カップ32,32は鉛直姿勢であるから、左右の各苗取出爪23,23から放出(落下)されるポット苗Nを受け止め易い。そして、移植用カップ32が下降して畝面Mに突き刺さるときの姿勢も鉛直状であるから、当該各移植用カップ32内のポット苗Nも鉛直姿勢で移植されることになり、ポット苗Nが斜め横向きの傾斜状とか横倒れし難いので、後の野菜の育成も円滑にできる。 【0041】 【発明の効果】上記に説明したように、請求項1に記載の発明の苗移植機は、圃場を自走する機体に、苗載台の苗トレイから左右一対の苗取出爪によって取り出した苗を、左右一対の上下揺動する移植用カップに受け継いで、前記圃場に移植する苗移植機において、前記苗受け継ぎ位置で前記一対の移植用カップの左右間隔を狭く、圃場側で左右間隔が広くなるように、移植用カップの移植機構を構成すると共に、前記各移植用カップをその姿勢が鉛直方向と平行状態のまま上下移動するように連結したものであるから、苗受け継ぎ位置で左右一対の移植用カップの左右間隔を狭くしたものでありながら、圃場面では左右間隔を広くした左右一対の移植用カップにて苗移植できると共に、鉛直状態のまま、移植用カップが上下移動するから、前記苗受け継ぎ位置で苗取出爪から放出されて落下する苗を各移植用カップにて受け継ぎ易くなると共に、圃場面で移植された苗の姿勢も鉛直状態とすることができるから、苗育成も向上する。特に、直根性植物、例えば玉葱の苗等では、そのポット苗Nの根部が苗床土にあまり張らないから、この種の苗を鉛直状に移植することで後の育成が一層良好となるという効果を奏する。 【0042】そして、左右一対の移植機構の間に植付け伝動ケースを配置し、移植機構における左右の移植用カップを上下方向に案内するためのガイドレールを、その上下移動案内面が、走行機体の進行方向に向いて、下向き末広がりの傾斜状となるように配置する一方、前記傾斜する移動案内面に対して傾斜する水平の各支軸を介して左右各移植用カップを装着したものであるから、1つの植付け伝動ケースから左右の移植機構への動力伝達を簡単に行なえる一方、左右のガイドレールが下向き末広がりの傾斜状配置されていても、水平状の支軸により移植用カップが支持されるという簡単な構成で各移植用カップが鉛直状態のまま上下移動できるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月7日(1999.10.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−103817(P2001−103817A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月17日(2001.4.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−286975 |
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