トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 水田作業機の整地フロート
【発明者】 【氏名】石飛 芳夫

【氏名】芝田 哲男

【要約】 【課題】圃場の均平をより効果的に行う水田作業機の整地フロートを提供することを課題としている。

【解決手段】走行時に圃場の泥流を走行機体の走行用の車輪2により圃場面上に形成される車輪跡16に案内移動せしめる左右一対の案内部材14を、走行機体の後方に連結された作業機1の下部に取り付けられ、圃場面上を整地せしめる整地フロート3に両案内部材14間の距離を調節自在に取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行用の車輪(2)を備えた走行機体の後方に作業機(1)を連結せしめ、該作業機(1)の下部に圃場面上を整地せしめる整地フロート(3)を取り付け、該整地フロート(3)は、前方側が上方に反り上がって形成せしめられた反上部(8)を有するとともに、後方側が上記反上部(8)の後端側から連続する水平部(9)を有し、走行時に圃場の泥流を前記車輪(2)により圃場面上に形成される車輪跡(16)に案内移動せしめる左右一対の案内部材(14)を上記整地フロート(3)に設けた水田用作業機において、両案内部材(14)を両案内部材(14)間の距離を調節自在に取り付けた水田作業機の整地フロート。
【請求項2】 底面(12)に泥流通用の溝(13)を形成した整地フロート(3a)を車輪跡(16)上を通過するように車輪(2)の後方に配置し、該整地フロート(3a)の反上部(8)において、上記溝(13)の両側部にそれぞれ案内部材(14)を設けた請求項1の水田作業機の整地フロート。
【請求項3】 整地フロート(3)を車輪跡(16)の左右側方を通過するように車輪(2)の後方に配置し、車輪跡(16)の両側方に位置する整地フロート(3c),(3d)の対向部分にそれぞれ案内部材(14)を設けた請求項1の水田作業機の整地フロート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は乗用田植機に備えられた植付機等の水田作業機における整地フロートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来乗用田植機等のような水田作業機として、走行用の車輪を備えた走行機体の後方に作業機を連結せしめ、前記車輪により圃場面上に形成される車輪跡を整地せしめる整地フロートを該作業機の底面に取り付けたものが知られており、上記整地フロートは、前方側が上方に反り上がって形成せしめられた反上部をなすとともに、後方側が上記反上部の後端側から連続する水平部をなし、且つ底面には泥流通用の溝が形成せしめられているものが公知であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし車輪により形成せしめられる車輪跡は圃場面上に凹状に形成せしめられ、さらに車輪跡の両側には泥が押し上げられるが、上記整地フロートは溝を効率的に泥で埋め整地することはできず、圃場の均平度があまり高くならないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の水田作業機の整地フロートは、走行用の車輪2を備えた走行機体の後方に作業機1を連結せしめ、該作業機1の下部に圃場面上を整地せしめる整地フロート3を取り付け、該整地フロート3は、前方側が上方に反り上がって形成せしめられた反上部8を有するとともに、後方側が上記反上部8の後端側から連続する水平部9を有し、走行時に圃場の泥流を前記車輪2により圃場面上に形成される車輪跡16に案内移動せしめる左右一対の案内部材14を上記整地フロート3に設けた水田用作業機において、両案内部材14を両案内部材14間の距離を調節自在に取り付けたことを第1の特徴としている。
【0005】また底面12に泥流通用の溝13を形成した整地フロート3aを車輪跡16上を通過するように車輪2の後方に配置し、該整地フロート3aの反上部8において、上記溝13の両側部にそれぞれ案内部材14を設けたことを第2の特徴としている。
【0006】さらに整地フロート3を車輪跡16の左右側方を通過するように車輪2の後方に配置し、車輪跡16の両側方に位置する整地フロート3c,3dの対向部分にそれぞれ案内部材14を設けたことを第3の特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は水田作業機である乗用田植機の後方に連結された植付作業機1の側面図であり、該植付作業機1は乗用田植機の走行車体後側に昇降リンク(共に図示せず)を介して連結されており、走行機体の後輪2の後方に位置している。
【0008】このとき上記植付作業機1は従来の乗用田植機に付設されるものと同様に下部に整地フロート3が備えられた構造であり、昇降リンクが下降した作業状態で、整地フロート3によって圃場面に接地支持され、植付ケース(プランタケ−ス)4に備えられた植付用の植付部(ロータリ植付部)6によって苗載せ台7に載せられた苗を掻き取り、植付け作業を行う構造となっている。
【0009】なお上記植付作業機1は図2,図3に示されるように、プランタケース4が3つ設けられているとともに、上記整地フロート3が各プランタケース4側にそれぞれ支持されており、整地フロート3もプランタケース4に対応して3つ設けられている。そして左右両側の整地フロート3a,3bは走行機体の後輪2の真後ろに配置されており、後輪2が圃場面上に形成する車輪跡上を通過するように設けられている。
【0010】一方図4に示されるように上記整地フロート3は前方側が上方に反り上がって形成せしめられた幅広な反上部8をなすとともに、後方側が上記反上部8の後端側から連続する幅狭(反上部8に比較して)な水平部9をなし、プランタケース4側にリンク機構11を介して連結されている。そして底面12には凹状の泥流通用の溝13が前後方向に形成せしめられている。そして反上部8の底面における前記溝13の左右両側には下方側に突出する案内部材14が左右一対で前後方向に延出せしめられて設けられている。
【0011】なお上記溝13は従来公知のように前側が扇状に左右に広がり、後側が後輪2の幅より狭くなって後方に延び、終端は整地フロート3の後端側において浅くなり終わっている。そして上記案内部材14は側面視及び平面視(底面視)において略円弧状をなすとともに、溝13を挟んで左右の突起部14が後方に向かって閉じるように溝13の前方側に沿って略逆ハ字状をなしており、外側方に接地フロート3a,3b側への取付部15が形成せしめられている。
【0012】これにより各案内部材14は図4,図5に示されるように整地フロート3a,3bの前端部上面側に固定される左右方向のプレート状のベース18に取付部15が固定されて接地フロート3a,3b側に取り付けられ、後方に延出して、整地フロート3の底面方向に突出せしめられる。なお上記取付部15の一部は整地フロート3の底面側に位置し、整地フロート3の接地時に圃場に接地する接地部22をなしている。
【0013】このとき上記取付部15はベース18に設けられた位置決め孔18aにボルト17等の固定具を介して固定されて、ベース18(整地フロート3a,3b)に取り付けられているが、上記位置決め孔18aは左右方向に複数形成せしめられており、すなわち取付15部を取り付ける位置決め孔18aを変更することで、両案内部材14間の距離の調節を自在に行うことができる構造となっている。
【0014】これにより走行機体が圃場内を走行して植付作業機が植え付け作業を行う際に、走行機体の車輪(後輪2)は圃場内に一部埋まりながら(沈みながら)回転して走行機体を走行せしめる。このため上記後輪2は圃場の泥を車輪の外側に押しだし、圃場には凹状の溝である車輪跡16が形成せしめられる。
【0015】しかしこの車輪跡16上を左右両端の整地フロート3a,3bが通過することにより、上記案内部材14が圃場面の泥流を内側に案内移動し、車輪跡16の両側に盛り上がった泥等を車輪跡16内に寄せて埋めながら、整地フロート3が圃場を整地(均平化)する。これにより比較的車輪跡16を埋める泥が多く集められ、整地フロート3による均平作業が効率よく行われ、圃場面の均平度が向上する。
【0016】これにより車輪跡16が効率よく埋められ、整地フロート3a,3bの後部の車輪跡16に起因する沈みが防止されるとともに、植付作業機1のローリング支えもより強くなるため、植付作業機1による植え付け性能が向上する。また整地フロート3による圃場の均平時に、圃場面上の泥流(泥水及び泥)は整地フロート下面の溝13を介して後方に案内されるが、この場合泥流は案内部材14により溝13側に円滑に案内され泥流の流通が円滑に行われる。
【0017】一方図6,図7に示されるようにプランタケース4及び整地フロート3が各4つ配置される等により、整地フロート3が車輪跡16の左右側方を通過する植付作業機1の場合、車輪跡16の両側方に位置する整地フロート3c,3dの対向部分にそれぞれ案内部材14を設けてもよい。
【0018】この場合図6〜図8に示されるように案内部材14は整地フロート3c,3dに固定される取付部15が一体に形成された構造となっており、該取付部15が整地フロート3c,3dに固定されることで、案内部材14がこの対向する両フロート3c,3dの車輪跡16側に突出せしめられて配置される。このとき取付部15には左右方向の長孔20からなる取付け孔が設けられており、取付部15は該取付け孔20を介してボルト21からなる固定具により整地フロート3c,3dに取り付けられている。
【0019】これにより取付け孔に対する固定具の位置を調節することで整地フロート3c,3dに対する案内部材14の左右位置を調節することが可能であり、つまり上記両整地フロート3c,3dに設けられた両案内部材14が左右一対をなし、そしてこの左右一対をなす案内部材14間の距離の調節が自在となる。なお案内部材14と取付部15との、整地フロート3の底面側に位置し、整地フロート3の接地時に圃場に接地する接地部22がをなしている。
【0020】これにより案内部材14は上記実施形態と同様に車輪跡16の左右両側の泥を寄せ車輪跡16を埋めるため、整地フロート3c,3dが車輪跡16上を通過しないケースにおいてより効果的に圃場の均平が行われ、特に車輪跡16をならすならし板を設ける場合に比較して均平効率が高い。
【0021】また上記のように整地フロート3が車輪跡16上を通過しないケースにおいては、植付け位置Xの一部が車輪跡16の側方側に位置するが、案内部材14により車輪跡16の側方の盛り上がった土等の均平が行われるため、植え付け位置Xの均平度が比較的高くなりより安定した植え付け作業を行うことができる。
【0022】一方上記のように整地フロート3a,3b,3c,3dに案内部材14が取り付けられているため、両案内部材14の距離調節を行うことで、案内部材14(接地部22)の圃場への接地量が変化せしめられる。これにより比較的硬い圃場においては接地面積が比較的小さくてもフロート性能が損なわれないため、両案内部材14の間隔を大きくして均平効果をより高くすることができ、一方比較的軟らかい圃場においては両案内部材14の間隔を小さくし、案内部材14の圃場への接地面積を大きくとることでフロート効果を高めることができ、すなわち案内部材14が整地フロート3側の圃場の硬軟に対する対応をサポートすることが可能となっている。
【0023】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、圃場面には車輪により溝形状の車輪跡が形成せしめられるが、整地フロートの案内部材により車輪跡の両側に盛り上がった土等を車輪跡内に寄せて埋めるため、圃場面の均平度が向上するという効果があり、特に一対をなす両案内部材間の距離の調節が自在であるため、車輪幅に応じて均平性能を調節することができる。
【0024】このとき整地フロートが車輪跡上を通過する場合は1つの整地フロートに両案内部材が取り付けられ、この案内部材により車輪跡の両側に盛り上がった土等を溝内に寄せて車輪跡内を埋めるため、より効果的に圃場の均平を行うことができ、また整地フロートが車輪跡の両側方に位置する場合は、車輪跡の両側方に位置する整地フロートに設けられた案内部材により車輪跡の両側に盛り上がった土等を車輪跡に案内して埋めるため、従来のように車輪跡上をならし板を設け、車輪跡上をならすものと比較してより効果的に圃場の均平を行うことができる。
【0025】一方上記のように整地フロートに案内部材が取り付けられているため、両案内部材の距離調節を行うことで、案内部材の圃場への接地量が変化せしめられる。これにより圃場の硬軟に対応することが可能であり、比較的硬い圃場においては接地面積が比較的小さくてもフロート性能が損なわれないため、両案内部材の間隔を大きくして均平効果をより高くすることができ、一方比較的軟らかい圃場においては両案内部材の間隔を小さくし、案内部材の圃場への接地面積を大きくとることでフロート効果を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年9月20日(1999.9.20)
【代理人】 【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開2001−86822(P2001−86822A)
【公開日】 平成13年4月3日(2001.4.3)
【出願番号】 特願平11−266297