| 【発明の名称】 |
水田作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 浩人
|
| 【要約】 |
【課題】前車輪の操向操作と連動して苗植付装置の昇降を行う有効性を損なうことなく能率の良い作業を行い得る田植機を合理的に構成する。
【解決手段】接地フロート24Sの姿勢を目標姿勢に維持する自動昇降制御が行われている状態で前車輪1の操向角度が上昇開始角度に達すると苗植付装置Aの上昇を開始する連動上昇制御を行うと共に、この上昇によって接地フロート24Sが予め設定された角度に達すると上昇を停止する制限手段を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、前記自動昇降制御状態において前車輪の旋回方向への操作と連動して対地作業装置を上昇させる連動上昇制御を行うよう前記制御装置の制御形態が設定され、この連動上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段を備えている水田作業機。 【請求項2】 前記制限手段が、前記連動上昇制御の開始後に前記接地フロートが所定の姿勢に達した際に上昇作動を停止するよう制御形態が設定されている請求項1記載の水田作業機。 【請求項3】 前記制限手段が、前記連動上昇制御時に前記アクチュエータを設定時間だけ駆動するよう制御形態が設定されている請求項1記載の水田作業機。 【請求項4】 前記対地作業装置の対機体高さを計測する高さセンサを備えると共に、前記制限手段は前記連動上昇制御時の開始後に、前記高さセンサで計測される高さが、前記自動昇降制御時における対地作業装置の対機体高さを基準に所定の高さに達した際に、上昇作動を停止するよう制御形態が設定されている請求項1記載の水田作業機。 【請求項5】 左右の後車輪のうち、一方の回転速度を減ずる回転抑制機構を備えると共に、前記連動上昇制御による対地作業装置の上昇開始と連係して旋回内側の回転抑制機構によって後車輪の回転速度を減ずる旋回制御手段を備えている請求項1〜4のいずれか1項に記載の水田作業機。 【請求項6】 前記回転抑制機構が、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択するクラッチ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択し、かつ、伝動の遮断時に制動力を作用させるクラッチブレーキ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸に制動力を作用させるブレーキで構成されている請求項5記載の水田作業機。 【請求項7】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が予め設定された値以上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇させて所定高さに維持する連動上昇手段を備えている水田作業機。 【請求項8】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、対地作業装置が上昇状態にある場合において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が予め設定された値未満まで低下したことを判別すると、対地作業装置を下降させる連動下降手段を備えている水田作業機。 【請求項9】 操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機であって、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された値以上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇させ、かつ、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された値未満まで低下したことを判別すると、上昇状態の対地作業装置を下降させて自動昇降制御に復帰させる連動昇降手段を備えている水田作業機。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機に関し、詳しくは、前車輪の操向操作と連動して対地作業装置を上昇させる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】上記のように構成された水田作業機として特開平11‐196628号公報に示されるものが存在し、この従来例では前車輪が設定された角度まで操向操作されたことをセンサの信号から判別すると、苗植付装置(対地作業装置)を上昇作動させ、この上昇の後に、前車輪を戻す方向への操向操作が開始されたことをセンサの信号から判別すると、苗植付装置を下降作動させるよう制御形態が設定されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ここで、水田作業機での作業形態を考えるに、田植機や直播機のように走行機体を走行させながら圃場面に対して苗の移植や播種を行うものでは、走行機体が畦に接近すると、作業機を上昇させると略同時に前車輪を大きく操向操作して走行機体を反転させる作業形態を採るものとなっている。そこで、従来例のように操向操作と連動して対地作業装置を強制的に上昇させる連動昇降制御を行うよう構成したものでは、作業者が行うべき操作の数を低減して良好な形態での作業を可能にするものとなる。 【0004】前述のように操向操作と連動して対地作業装置を上昇させる理由は、田植機の場合には既植苗を接地フロートで押し倒す不都合を回避することや、作溝器のように接地フロートから下方に突出する部材で圃場面を荒らしたり、作溝器の破損を回避することの他に、対地作業装置と畦等との接触を回避することを目的としている。そして、この目的を達成するため従来からの制御では、対地作業装置を比較的高いレベルまで上昇させているのが現状であった。しかし、旋回時に対地作業装置を高いレベルまで上昇させるものでは、上昇に時間を要するばかりでなく、下降にも時間を要するものとなるので、走行機体の旋回終了時に対地作業装置が圃場面まで下降していないこともあり、旋回が終了して作業を再開するまでに不要な待ち時間を必要とすることもあった。特に、走行機体を基準にして対地作業装置の上昇限界を設定したものでは、浅い耕盤の圃場での作業時には対地作業装置の上昇と、下降に要する時間が長時間化するものとなり能率の面で改善が望まれていた。 【0005】又、枕地に充分なスペースをとって作業を行える場合には畦と対地作業装置との接触を考慮する必要がないので、対地作業装置を大きく上昇させる必要はなく、このような作業環境では対地作業装置の昇降時間をできるだけ短縮して能率の良い作業を行い得る水田作業装置が求められる。 【0006】本発明の目的は、操向操作と連動して対地作業装置の昇降を行う有効性を損なうことなく能率の良い作業を行い得る水田作業装置を合理的に構成する点にある。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機において、前記自動昇降制御状態において前車輪の旋回方向への操作と連動して対地作業装置を上昇させる連動上昇制御を行うよう前記制御装置の制御形態が設定され、この連動上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0008】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記制限手段が、前記連動上昇制御の開始後に前記接地フロートが所定の姿勢に達した際に上昇作動を停止するよう制御形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0009】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記制限手段が、前記連動上昇制御時に前記アクチュエータを設定時間だけ駆動するよう制御形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0010】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記対地作業装置の対機体高さを計測する高さセンサを備えると共に、前記制限手段は前記連動上昇制御時の開始後に、前記高さセンサで計測される高さが、前記自動昇降制御時における対地作業装置の対機体高さを基準に所定の高さに達した際に、上昇作動を停止するよう制御形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0011】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項1〜4のいずれか1項において、左右の後車輪のうち、一方の回転速度を減ずる回転抑制機構を備えると共に、前記連動上昇制御による対地作業装置の上昇開始と連係して旋回内側の回転抑制機構によって後車輪の回転速度を減ずる旋回制御手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0012】本発明の第6の特徴(請求項6)は請求項5において、前記回転抑制機構が、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択するクラッチ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸の動力の伝動と遮断との一方を選択し、かつ、伝動の遮断時に制動力を作用させるクラッチブレーキ、あるいは、左右の後車輪に動力を伝える伝動軸に制動力を作用させるブレーキで構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0013】本発明の第7の特徴(請求項7)は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が予め設定された値以上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇させて所定高さに維持する連動上昇手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0014】本発明の第8の特徴(請求項8)は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、対地作業装置が上昇状態にある場合において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が予め設定された値未満まで低下したことを判別すると、対地作業装置を下降させる連動下降手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0015】本発明の第9の特徴(請求項9)は、操向操作型の左右の前車輪と非操向操作型の左右の後車輪とを備えた走行機体に対してアクチュエータの駆動力で昇降自在に対地作業装置を備えると共に、この対地作業装置に備えた接地フロートを所定の接地姿勢に維持するよう対地作業装置を昇降させる自動昇降制御を行う制御装置を備えた水田作業機において、前記左右の後車輪の速度差を計測する速度差検出手段を備え、前記自動昇降制御時において、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された値以上に達したことを判別すると、対地作業装置を上昇させ、かつ、この速度差検出手段によって左右の後車輪の回転速度差が設定された値未満まで低下したことを判別すると、上昇状態の対地作業装置を下降させて自動昇降制御に復帰させる連動昇降手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。 【0016】〔作用〕 【0017】上記第1の特徴によると、前車輪の操向操作と連動して、連動上昇制御により対地作業装置の上昇が開始されるものとなり、この上昇の開始の後には制限手段が対地作業装置の上昇レベルを地面近くに設定するので対地作業装置を大きく上昇させることがなく、上昇に要する時間を短縮できると共に、下降に要する時間も短縮できるものとなる。 【0018】上記第2の特徴によると、接地姿勢で対地作業装置の昇降を行うことが可能な接地フロートの姿勢に基づいて対地作業装置の上昇レベルを決めるので、専用のセンサを新たに設けることなく、地面に接触する形態の自動昇降制御用のセンサ類を利用して接地フロートが殆ど地面から離れる状態を正確に判別して、地面を基準にした低いレベルに対地作業装置を上昇させ得るものとなる。 【0019】上記第3の特徴によると、上昇時にアクチュエータを設定時間だけ駆動することで、複雑なフィードバック制御を行うことなく地面を基準とした比較的低いレベルに対地作業装置を上昇させ得るものとなる。 【0020】上記第4の特徴によると、自動昇降制御時における対地作業装置の高さを基準にして高さセンサで計測される所定の高さで上昇作動を停止させるので、走行機体を基準にして対地作業装置の上昇レベルを決める制御を行うもののように耕盤が浅い圃場(対地作業装置の接地フロートが接触する地面〔圃場面〕から車輪が接する耕盤までの距離が短い圃場)で作業する場合でも対地作業装置を高いレベルまで上昇させると云う不都合を解消して、圃場面を基準として低いレベルに対地作業装置を上昇させ得るものとなる。 【0021】上記第5の特徴によると、前車輪の操向操作時には連動上昇制御によって対地作業装置を地面近くのレベルまで上昇させると共に、この対地作業装置の上昇と連係して回転抑制機構が旋回内側の後車輪の回転速度を減ずるので、前車輪の操向操作に伴う走行方向の変化に加えて、左右の後車輪の回転速度差による走行方向の変化力を積極的に作用させて小半径での旋回を可能にするものとなる。 【0022】上記第6の特徴によると、回転抑制機構がクラッチで構成された場合には旋回時に旋回内側の後車輪に対する動力を遮断し回転速度が減ぜられる結果、小半径での旋回を可能とし、又、回転抑制機構がクラッチブレーキ、あるいは、ブレーキで構成された場合には旋回時に旋回内側の後車輪を制動状態に設定し、この後車輪の接地点の近傍を旋回中心とする小半径での旋回を可能にする。 【0023】上記第7の特徴によると、走行機体の旋回時には左右の後車輪に回転速度差が現れるので、速度差検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値以上に達したことを判別した際に連動上昇手段が対地作業装置の上昇を開始することによって、旋回に連動して対地作業装置の上昇を行えるものとなる。つまり、前車輪の操向角度を検出するセンサ等の検出系を用いることなく旋回開始を判別して対地作業装置の上昇制御を行えるのである。 【0024】上記第8の特徴によると、走行機体の旋回開始時には左右の後車輪に回転速度差が大きく現れ、旋回終了時には左右の後車輪に回転速度差が小さくなるので、速度差検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値未満まで低下したことを判別した際に連動下降手段が対地作業装置の下降を開始することで、旋回の終了に連動して対地作業装置の下降を行えるものとなる。つまり、前車輪の操向角度を検出するセンサ等の検出系を用いることなく旋回終了を判別して対地作業装置の下降制御を行えるのである。 【0025】上記第9の特徴によると、走行機体の旋回時には左右の後車輪に回転速度差が現れるので、速度差検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値以上に達したことを判別した際には連動昇降手段が対地作業装置の上昇を開始し、走行機体の回終了時には左右の後車輪に回転速度差が小さくなるので、速度差検出手段によって、この回転速度差が予め設定された値未満まで低下したことを判別した際に連動昇降手段が対地作業装置の下降を開始することで、旋回の終了に連動して対地作業装置の下降を行えるものとなる。つまり、前車輪の操向角度を検出するセンサ等の検出系を用いることなく旋回に連動して対地作業装置の昇降制御を行えるのである。 【0026】〔発明の効果〕従って、操向操作と連動して対地作業装置の昇降を行う有効性を損なうことなく、対地作業装置の上昇位置を地面に近いレベルに設定するだけで能率の良い作業を行い得る水田作業装置が構成されたのである(請求項1)。又、対地作業装置を地面近くのレベルに設定するために接地フロートの姿勢を利用することで特別にセンサ類を備えずとも精度高くレベルを設定でき(請求項2)、制御が単純となり(請求項3)、耕盤の深浅に拘わらず地面近くのレベルに設定できるものとなり(請求項4)、又、この対地作業装置の上昇時には旋回半径を積極的に小さくして作業能率を向上させるものとなった(請求項5,6)。更に、前車輪の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回開始と連動して対地作業装置を上昇させ(請求項7)、前車輪の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回終了と連動して対地作業装置を下降させ(請求項8)、前車輪の操向角度を計測するセンサ類を備えずとも旋回開始と連動して対地作業装置を上昇させ、旋回の終了と連動して対地作業装置を下降させるものとなった(請求項8)。 【0027】 【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、操向操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置H、この無段変速装置Hからの動力が伝えられる前部位置のミッションケース5、及び、このミッションケース5からの動力が伝えられる後部位置の後車軸ケース6夫々を配置し、又、走行機体3の中央部にステアリングハンドル7と運転座席8とを配置し、走行機体3の後端部に対し油圧式のアクチュエータとしてのリフトシリンダ9で駆動昇降操作される平行4連型のリンク機構Lを介して対地作業装置としての6条植用の苗植付装置Aを連結し、又、走行機体3の後部に施肥装置Bを備えて水田作業機としての田植機を構成する。 【0028】前記ミッションケース5には前記無段変速装置Hからの動力を断続する主クラッチMCと走行機体3の走行速度を作業走行速度と、これより高速の路上走行速度とに切換えるギヤ式の副変速装置SMと、左右の前車輪1,1に動力を伝える差動機構(図示せず)と、単位走行距離に対する苗植付装置Aの苗植付回数を設定する株間変速機構(図示せず)とを内蔵すると共に、このミッションケース5から苗植付装置Aに対する動力の伝動と遮断とを行う植付クラッチPCとを内蔵している。又、前記後車軸ケース6には左右の後車輪2,2に動力を伝える伝動系(図を参照)と、この伝動系からの左右の後車輪2,2夫々に伝えられる動力を切り操作する左右のサイドクラッチSC,SCと制動力を作用させる走行ブレーキRBとを内蔵(図8を参照)している。 【0029】図2に示すように、運転座席8の前方のメータパネルMPの左側部には前記無段変速装置Hを変速操作する主変速レバー11を配置し、運転座席8の左側部には前記副変速装置SMを変速操作する副変速レバー12を配置し、運転座席8の右側部には苗植付装置Aの昇降制御を行う昇降レバー13を配置し、前記ステアリングハンドル7のポスト部の右側部には苗植付装置Aを強制的に昇降させる強制昇降レバー14を配置し、ステップの左側には前記主クラッチMCを操作する主クラッチペダル15を配置し、ステップの右側にはブレーキペダル16を配置してある。 【0030】図4に示すように、前記主変速レバー11は中間の「停止」位置から前方の「前進」域で前方に操作することで機体を前進方向に増速させ、「停止」位置から後方の「後進」域で後方に操作することで機体を後進方向に増速させるよう無段変速装置Hと連係しており、基端部には操作位置を判別するポテンショメータ型の主変速レバーセンサ11Sを備えている。同図に示すように、前記強制昇降レバー14は非操作状態でバネ(図示せず)の付勢力で略水平姿勢の中立位置「N」を維持し、苗植付装置Aを強制上昇させる上げ位置「UP」と、苗植付装置Aを強制下降させる下げ位置「DW」とに操作自在に構成され、この強制昇降レバー14の操作位置を判別するよう基端部には複数のスイッチを組み合わせて成る強制昇降レバーセンサ14Sを備えている。図5に示すように、副変速レバー12は路上で高速で走行させる「高」(路上走行速度域の一例)位置と、作業時に比較的低速で走行させる「低」(作業走行域の一例)位置とに設定自在に構成され、レバーガイドには副変速レバー12を「低」位置に設定したことを判別するリミットスイッチ型の副変速レバーセンサ12Sを備えている。図3に示すように、昇降レバー13は苗植付装置Aの昇降を停止させる「中立」位置と、苗植付装置Aを上昇させる「上昇」位置と、苗植付装置Aを下降させる「下降」位置と、苗植付装置Aを下降させた状態で前記植付クラッチPCを入り操作する「入」位置と、前記強制昇降レバー14によって苗植付装置Aの強制昇降と、後述するように前車輪1の操向操作と連動して苗植付装置Aの昇降作動を行わせる「自動」位置とに設定自在に構成され(図中の「切」位置では植付クラッチは切り状態にあることを示している)、この昇降レバー13の操作位置を判別するポテンショメータ型の昇降レバーセンサ13Sを基端部に備えている。 【0031】図1に示すように、前記リンク機構Lは左右一対のトップリンク17と左右一対のロアーリンク18と、後端の縦リンク19とで構成され、この縦リンク19の下端部に対して、苗植付装置Aの伝動ケース20がローリング自在に連結されている。苗植付装置Aは、走行機体3から伝動軸21を介して伝動ケース20に動力が伝えられることで、苗載せ台22に載置したマット状苗Wの下端から植付機構23が1株ずつ苗を切り出して圃場面Sに移植すると共に、苗載せ台22を横方向に往復作動させることでマット状苗Wの下端の苗を横方向に連続的に切り出すものとなっている。又、この苗植付装置Aの下部には複数の接地フロート24を備えており、この接地フロート24のうち左右方向での中央のもの(以下、感知フロート24Sと称する)を横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、この感知フロート24Sの前部を下方に向けてバネ付勢して感知荷重を設定し、更に、感知フロート24Sが圃場面Sに接地した状態で、この感知フロート24Sの揺動姿勢を維持するよう苗植付装置Aの昇降を行う自動昇降制御を行い得るよう構成されている。又、前記施肥装置Bはホッパー26に貯留された粒状や粉状の肥料を走行速度と同期して繰り出し、ブロアー27からの空気によってホース28に送り、接地フロート24に備えた作溝器29から圃場面S下に供給するよう構成されている。 【0032】この田植機では、図8に示すように操向制御系が構成されている。つまり、前記ステアリングハンドル7の操作力が伝えられるパワーステアリングユニット31のピットマンアーム32と左右の前車輪1,1のナックルアーム33,33とをドラッグリンク34,34を介して連係してあり、一方のナックルアーム33に軸芯周りでの揺動量を計測するポテンショメータ型のステアリングセンサSSを備えている。同図に示すように、前記主クラッチペダル15の踏み込み操作で前記主クラッチMCを切り操作するよう機械的に連係してあり、前記ブレーキペダル16と前記走行ブレーキRBのアーム41とを操作ロッド42を介して連係すると共に、このブレーキペダル16と前記主クラッチMCとを機械的に連係してあり、このブレーキペダル16を踏み込み操作した場合には踏み込み操作の中間域で主クラッチMCの切り操作し、更に踏み込み操作した場合に車輪の制動操作を行えるよう構成してある。又、前記ミッションケース5から後車軸ケース6に対して中間軸43を介して走行駆動力を伝えるものとなっており、この駆動力は一対のベベルギヤ44,44を介して伝動軸45に伝えるものとなっており(差動装置は備えていない)、この伝動軸45に対して摩擦多板式のサイドクラッチSC(回転抑制機構の一例)と、摩擦多板式の走行ブレーキRBとが備えられている。又、左右のサイドクラッチSC、SCはバネ付勢力でクラッチ入り側に付勢され、走行ブレーキRBは非制動側にバネ付勢されている。この左右のサイドクラッチSC、SCのアーム39,39に対して電磁ソレノイドや電動モータ等の電動アクチュエータ40,40からの操作力を作用させる操作系を備えている。 【0033】この田植機では、図9に示すように、マイクロプロセッサを備えた制御装置47を備えており、この制御装置47は、前記自動昇降制御の他に、以下の制御を行うものとなっている。つまり、前記自動昇降制御が行われている状態において前記強制昇降レバー14を上げ位置「UP」に操作することで苗植付装置Aを上限まで上昇させ、この上昇状態において強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に操作することで苗植付装置Aを接地状態まで下降させ、かつ、自動昇降制御に復帰させる強制昇降制御と、前記自動昇降制御が行われている状態において、主変速レバー11を後進域に操作した場合には苗植付装置Aを上限まで上昇させるバックアップ制御と、前記自動昇降制御が行われている状態において前車輪1の旋回方向への操作と連動して対地作業装置Aを上昇させる連動上昇制御と、このように苗植付装置Aを上昇させた状態で前車輪1の直進方向への戻し操作と連動して上昇状態の対地作業装置Aを下降させて自動昇降制御に復帰させる連動下降制御とを行うものとなっている。 【0034】つまり、前記制御装置47に対して前記主変速レバーセンサ11S、前記副変速レバーセンサ12S、前記昇降レバーセンサ13S、前記強制昇降レバーセンサ14S、前記感知フロート24Sの揺動姿勢を計測するポテンショメータ型のフロートセンサFS、自動昇降制御時の制御感度を設定するポテンショメータ型の感度設定器48、リンク機構Lの揺動姿勢から苗植付装置Aが上限に達したことを判別するリミットスイッチ型の上限センサ49、前車輪1の操向角度を計測する前記ステアリングセンサSS、前記主クラッチMCの状態を判別する主クラッチセンサ50、機体を後進させる操作と連動して苗植付装置Aを上限まで上昇させる制御を行わせるためのバックアップスイッチ51、前車輪1の操向操作と連動して苗植付装置Aの昇降制御を行うためのオートアップスイッチ52夫々からの信号が入力すると共に、前記無段変速装置Hを変速操作する電動型の変速モータ53、前記リフトシリンダ9に対して作動油を給排する電磁バルブV、前記植付クラッチPCを入り切り操作する電動型の植付モータ54、左右の電動アクチュエータ40、40夫々に信号を出力する系が形成されている。 【0035】そして、この制御装置47は以下の制御を行うものとなっている。 [自動昇降制御]感知フロート24Sを模式的に示すと図6(イ)に示すように、感知フロート24Sは後部の横向き姿勢の軸芯Q周りで揺動自在に支持されると共に、この感知フロート24Sの前部を下方に付勢する感知バネ25を備え、この感知フロート24Sの前部の上下方向の変位量から感知フロート24Sの揺動姿勢を計測するよう前記フロートセンサFSを備えている。そして、この制御は、前記昇降レバー13を「下降」位置、「植付」位置、若しくは「自動」位置に設定して苗植付装置Aを圃場面Sまで下降させた状態で機能するものであり、その制御形態は、感度設定器48からの信号値を制御目標に設定すると共に、前記フロートセンサFSで検出される信号値が制御目標値に向かうようリフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの昇降を行い、制御目標を基準に設定された不感帯内にフロートセンサHSの検出値が達すると昇降制御を停止するよう設定されている。 【0036】前記感度設定器48は制御感度を「鈍感」から「敏感」の領域で操作できるものとなっており、「鈍感」から「敏感」の操作域の中央の「標準」に設定すると図6(イ)に示す如く感知フロート24Sが略水平姿勢に維持される制御が行われ、又、この制御時に、「鈍感」の側に設定した場合には感知フロート24Sが前下がり傾向となる姿勢に維持するよう昇降制御が行われる結果、感知フロート24Sに作用する感知バネ25の付勢が低下して圃場面Sの凹凸に敏感に追従した昇降制御が行われるものとなり、又、感度設定器48を「敏感」の側に設定した場合には感知フロート24Sが前上がり傾向となる姿勢に維持するよう昇降制御が行われる結果、感知フロート24Sに作用する感知バネ25の付勢が高まって圃場面Sの凹凸に対する追従性能が低下した昇降制御が行われるものとなっている。 【0037】[強制昇降制御]この制御は、前記昇降レバー13を「自動」位置に設定した状態で機能するものであり、その制御形態は、苗植付装置Aが前記自動昇降制御で圃場面Sに追従して昇降する状態で強制昇降レバー14を上げ位置「UP」に操作した場合には、植付クラッチPCが入り状態にある場合には、植付モータ54を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を駆動して前記上限センサ49で苗植付装置Aが上限に達したことが検出されるまで苗植付装置Aの上昇を行い、この上昇状態で強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に操作した場合にはリフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの下降を開始し、自動昇降制御に復帰させるよう設定されている。更に、この下降によって自動昇降制御状態に達した後に強制昇降レバー14を再度下げ位置「DW」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付クラッチPCを入り操作する制御も行われる。 【0038】[バックアップ制御]この制御は、前記バックアップスイッチ51をON状態に設定した状態で、かつ、前記昇降レバー13を「自動」位置に設定した状態で機能するものであり、その制御形態は、苗植付装置Aが前記自動昇降制御で圃場面Sに追従して昇降する状態で、主変速レバー11を後進域に操作した場合に、植付クラッチPCが入り状態にある場合には,植付モータ54を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を駆動して前記上限センサ49で苗植付装置Aが上限に達したことが検出されるまで苗植付装置Aの上昇を行うよう設定されている。そして、この上昇状態で強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に設定することで強制昇降制御と同様にリフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの下降を開始し、自動昇降制御に復帰させるよう設定されている。更に、この下降によって自動昇降制御状態に達した後に強制昇降レバー14を再度下げ位置「DW」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付クラッチPCを入り操作する制御も行われる。 【0039】[連動上昇制御]以下、この連動上昇制御の制御形態の概要を図10のフローチャートに基づいて説明する。この制御は、副変速レバー12が「低」位置にあり、かつ、前記昇降レバー13が「自動」位置に設定されている場合には、ステアリングセンサSSからの信号を入力して前車輪1が操向操作され、その操向角度が図7に示す上昇開始角度(α)に達したことを判別した場合には、植付クラッチPCが入り状態にある場合にのみ植付モータ54を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの上昇を開始し、又、この上昇と連係して電動アクチュエータ40を作動させて旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作する(#101〜#108ステップ)。この上昇時にはフロートセンサFSからの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が図6(ロ)に示す上限角度(γ)に達するとリフトシリンダに9の駆動を停止する(#109〜#111ステップ)。尚、この制御のうち#109〜#111ステップで連動上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段Rが構成され、又、#108ステップで連動上昇制御による苗植付装置A(対地作業装置)の上昇開始と連係して旋回内側の後車輪2の回転速度を減ずる旋回制御手段Tが構成されている。 【0040】つまり、図7に示す如く走行機体3を旋回させる際に前車輪1を大きく操向作動させた際の操向角度を上昇開始角度(α)に設定してあり、同図に示す(β)は後述する下降開始角度である。又、図6(ロ)に示すように上限角度(γ)は苗植付装置Aの上昇制御が開始されることで感知フロート24Sが前下がり姿勢に変化し、この姿勢が機械的な揺動限界の直前の角度に設定され、この姿勢で上昇を停止することで感知フロート24S、接地フロート24の夫々の前端部分だけ圃場面Sに接触するものとなる。 【0041】[連動下降制御]このように苗植付装置Aが上昇した状態で旋回を行い、ステアリングハンドル7を直進方向に戻し操作した場合に苗植付装置Aを下降させる制御が連動下降制御であり、この制御を図11のフローチャートに基づいて説明する。この制御では、苗植付装置Aが上昇状態にある場合にステアリングセンサSSからの信号に基づいて、前車輪1の操向角度が前記下降開始角度(β)を一旦越えた後に、この下降開始角度(β)まで低下したことが判別されると、リフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの下降を開始すると共に(#201〜#204ステップ)、このように下降が開始されると、フロートセンサFSからの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が自動昇降制御可能な姿勢まで復帰したことを判別した後に自動昇降制御に復帰させ(#205〜#208ステップ)、又、この後、ステアリングセンサSSからの信号に基づいて、前車輪1の操向角度が図7に示す角度(δ)に達したことが判別されると、電動アクチュエータ40を作動させて切り状態にある旋回内側のサイドクラッチSCを入り操作するものとなっている(#208〜#210ステップ)。尚、この制御においても、苗植付装置Aが下降して自動昇降制御状態に移行した後に強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付クラッチPCを入り操作する制御が行われる。 【0042】このように、この第1の実施の形態では苗植付作業時に走行機体3が畦に接近して走行機体3を旋回させる場合には、前車輪1の操向角度が上昇開始角度(α)に達した時点で連動上昇制御によってステアリングハンドル7の操作と連動して苗植付装置Aを自動的に上昇させると共に、この上昇開始と連係して旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作して小半径での旋回を可能にしており、この上昇によって苗植付装置Aが圃場面Sから少し上昇したレベルで上昇作動を停止させることで、苗植付装置Aの昇降に要する時間を短縮させるものとなっている。そして、旋回が終了してステアリングハンドル7を戻し操作した場合には、前車輪1の操向角度が下降開始角度(β)に達した時点で連動下降制御によって苗植付装置Aを自動的に下降させると共に、前車輪1が更に直進方向に操作され操向角度(δ)に達した時点で、切り状態にあるサイドクラッチSCを入り操作して自動昇降制御に復帰させる制御を行えるものとなっており、この制御を行うか否かの設定は、オートアップスイッチ52によって作業者が任意に行えるものとなっている。 【0043】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第2の実施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するものには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付している。この第2実施の形態は前記連動上昇制御ルーチンの変形例を示すものであり、この連動上昇制御ルーチンでは図12のフローチャートに示すように、前記第1の実施の形態と同様に、苗植付装置Aの上昇を開始する直前までの処理を行うと共に(#101〜#106ステップ)、苗植付装置Aの上昇を開始すると同時にカウンタ(ソフトウエアで構成される)でのカウントを開始し、又、この上昇と連係して電動アクチュエータ40を作動させて旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作し、更に、このカウント値が予め設定されたカウント値に達すると(予め設定された時間が経過すると)苗植付装置Aの上昇作動を停止することで苗植付装置Aの圃場面Sからあまり離間しない低いレベルに設定するものとなっている(#107〜#110ステップ)。尚、この制御のうち#109、#110ステップで連動上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段Rが構成され、又、#108ステップで連動上昇制御による苗植付装置A(対地作業装置)の上昇開始と連係して旋回内側の後車輪2の回転速度を減ずる旋回制御手段Tが構成されている。 【0044】この第2実施の形態では予め設定された時間だけリフトシリンダ9を上昇駆動することで、苗植付装置Aを必要する高さまで上昇させるものとなっており、この制御は、第1の実施の形態のようにフィードバック信号に基づいて制御を行うものとは異なり、ソフトウエアの設定と云う簡単な処理形態の変更だけで自動昇降制御時のレベルを基準にして、圃場面Sに近い高さに苗植付装置Aの上昇高さを設定できるものとなっている。 【0045】[第3の実施の形態]以下、本発明の第3の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第3の実施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するものには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付している。この第3実施の形態ではリンク機構Lの揺動角度から対地作業装置Aの対機体高さを計測する高さセンサとしてポテンショメータ型のリンクセンサLSを備えておき、連動上昇制御時には図13のフローチャートに示すように、前記第1の実施の形態と同様に、苗植付装置Aの上昇を開始する直前までの処理を行うと共に(#101〜#106ステップ)、リンクセンサLSの信号値を記憶した後に苗植付装置Aの上昇を開始し、又、この上昇と連係して電動アクチュエータ40を作動させて旋回内側のサイドクラッチSCを切り操作し、更に、この上昇時にはリンクセンサLSからの信号を入力してリンク機構Lが記憶した姿勢を基準にして所定の上昇角度に達したことが判別されるとリフトシリンダ9の駆動を停止するものとなっている(#107〜#112ステップ)。尚、この制御のうち#108ステップ、及び、#110〜#112ステップで連動上昇制御による上昇レベルを地面近くに設定する制限手段Rが構成され、又、#109ステップで連動上昇制御による苗植付装置A(対地作業装置)の上昇開始と連係して旋回内側の後車輪2の回転速度を減ずる旋回制御手段Tが構成されている。 【0046】この第3の実施の形態では、苗植付装置Aの上昇を開始する際には、リンクセンサLSの信号を記憶するので、リンク機構Lの姿勢に基づいて苗植付装置Aの上昇高さを設定するものであるに拘わらず、耕盤の深さに影響を受けず、上昇作動直前の苗植付装置Aの対機体レベルを基準にした苗植付装置Aの上昇時の高さを設定することが可能となり、圃場面Sの近くのレベルまで苗植付装置Aを上昇させて停止させ得るものとなっている。 【0047】[第4の実施の形態]以下、本発明の第4の実施の形態を図面に基づいて説明する。この第4の実施の形態は前記第1の実施の形態と同じ機能を有するものには第1の実施の形態と共通の番号、符号を付している。この第4の実施の形態は、図14に示す如く、中間軸43から後車軸ケース6に伝えられた動力を差動装置55(デファレンシャルギヤ)を介して左右の伝動軸56、56に伝えるものとなっており、この伝動軸56、56に対して左右の後車輪2,2を独立して制動するブレーキ57、57を備え、この左右のブレーキ57、57の操作アーム57A、57A夫々をブレーキペダル16の踏み込み操作で制動方向に操作する操作ロッド42,42を備え、又、左右の後車輪2、2の回転速度を計測する回転速度センサ2S、2Sを備えている。 【0048】この第4の実施の形態における連動上昇制御の制御形態の概要を図15のフローチャートに基づいて説明する。この制御は、副変速レバー12が「低」位置にありかつ、前記昇降レバー13が「自動」位置に設定されている場合には、左右の回転速度センサ2S、2Sからの信号を入力して左右の後車輪2、2の回転速度差が設定値以上に達したことを判別した場合には、植付クラッチPCが入り状態にある場合にのみ植付モータ54を駆動して切り操作すると共に、リフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの上昇を開始する(#101〜#107ステップ)。この上昇時にはフロートセンサFSからの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が上限角度(γ)に達するとリフトシリンダに9の駆動を停止するもとなっている。(#108〜#110ステップ)。尚、この制御のうち#104ステップで左右の後車輪2の速度差を計測する速度差検出手段Uが構成され、又、#107〜#110ステップで速度差検出手段Uによって左右の後車輪2の回転速度差が予め設定された値以上に達した際に苗植付装置A(対地作業装置)を上昇させて所定高さに維持する連動上昇手段Vが構成されている。 【0049】このように苗植付装置Aが上昇した状態でステアリングハンドル7を直進方向に戻し操作した場合には、図16のフローチャートに示す連動下降制御が行われるものとなっている。つまり、この制御では、苗植付装置Aが上昇状態にある場合に左右の回転速度センサ2S、2Sからの信号を入力して左右の後車輪2、2の回転速度差が設定値未満まで低下したことを判別した場合には、リフトシリンダ9を駆動して苗植付装置Aの下降を開始すると共に(#201〜#204ステップ)、このように下降が開始されると、フロートセンサFSからの信号を入力して感知フロート24Sの姿勢が自動昇降制御可能な姿勢まで復帰したことを判別した後に自動昇降制御に復帰させるものとなっている(#205〜#208ステップ)。尚、この制御においても、苗植付装置Aが下降して自動昇降制御状態に以降した後に強制昇降レバー14を下げ位置「DW」に操作した場合には植付モータ54を駆動して植付クラッチPCを入り操作する制御が行われる。尚、この制御のうち#203ステップで左右の後車輪2の速度差を計測する速度差検出手段Uが構成され、又、#204ステップで速度差検出手段Uによって左右の後車輪2の回転速度差が予め設定された値未満まで低下したことを判別すると苗植付装置A(対地作業装置)を下降させる連動下降手段Wが構成されている。 【0050】特に、この第4の実施の形態の図15のフローチャートに示した上昇制御ルーチンの#107〜#110ステップで構成される連動上昇手段Vと、図16のフローチャートに示した下降制御ルーチンの#204ステップで構成される連動下降手段Wとを併せて、速度差検出手段Uにより左右の後車輪2の回転速度差が設定された値以上に達したことを判別すると、苗植付装置A(対地作業装置)を上昇させ、かつ、この速度差検出手段によって左右の後車輪2の回転速度差が設定された値未満まで低下したことを判別すると、上昇状態の苗植付装置Aを下降させて自動昇降制御に復帰させる連動昇降手段Xが構成されている。 【0051】この第4の実施の形態では苗植付作業を行い、作業時に走行機体3が畦に接近して走行機体3を旋回させる場合には、前車輪1の操向操作に伴って左右の後車輪角2、2の回転速度に差が発生することを利用して、旋回操作があったことを判別するものとなっており、旋回操作が行われていることを判別した場合には、苗植付装置Aを自動的に上昇させると共に、該苗植付装置Aが圃場面Sから少し上昇したレベルで上昇作動を停止させることで、苗植付装置Aの昇降に要する時間を短縮させるものとなっている。そして、旋回が終了してステアリングハンドル7を戻し操作した場合には、前述とは逆に左右の後車輪2、2の回転速度差が小さくなるので、この回転速度差が設定値未満まで低下した時点で苗植付装置の下降制御を行い、自動昇降制御に復帰させるものとなっている。 【0052】尚、この第4の実施の形態では第1の実施の形態と同様に左右の後車輪2、2に対する動力を遮断するサイドクラッチや、後車輪2、2に対する動力を遮断した状態で、その動力遮断状態の後車輪2に対して制動力を作用させるサイドクラッチブレーキを左右のものを独立して人為的に操作できるよう備えて実施することも可能であり、このサイドクラッチや、サイドクラッチブレーキを備えたものでは、走行機体の旋回時に旋回内側のサイドクラッチを切る操作や、サイドクラッチブレーキを制動する操作によって旋回内側の後車輪2の回転速度が低下する現象を捉えて苗植付装置Aを上昇させる制御開始するよう構成することが可能であり、又、これと同様に走行機体の旋回終了時に旋回内側のサイドクラッチの入り操作への復帰や、サイドクラッチブレーキの制動を解除する操作によって左右の後車輪2、2の回転速度差が小さくなる現象を捉えて苗植付装置Aを下降させる制御開始するよう構成することも可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
|
| 【出願日】 |
平成11年9月24日(1999.9.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2001−86819(P2001−86819A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−270487 |
|