| 【発明の名称】 |
水田作業機の作業装置昇降構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 富穂
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| 【要約】 |
【課題】前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されると作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた水田作業機の作業装置昇降構造において、作業行程の途中で作業装置が自動的に上昇駆動されて作業が中断される状態を防止する。
【解決手段】圃場における一方の畦G1から他方の畦G1への一回の作業行程K1の走行距離J1を検出する走行距離検出手段、検出された走行距離J1に基づいて一回の作業行程K2,K3が略終了したか否かを判別する判別手段を備えて、一回の作業行程K2,K3が略終了する状態になっていなければ、自動上昇手段の作動を阻止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、直進位置から右又は左の設定角度を設定し、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えると共に、圃場における一方の畦から他方の畦への一回の作業行程の走行距離を検出する走行距離検出手段と、前記走行距離検出手段によって検出された走行距離に基づいて、一回の作業行程が略終了したか否かを判別する判別手段と、一回の作業行程が略終了する状態になっていなければ、前記自動上昇手段の作動を阻止する牽制手段とを備えてある水田作業機の作業装置昇降構造。 【請求項2】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、直進位置から右又は左の設定角度を設定し、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えると共に、直進位置側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度を検出する速度検出手段と、直進位置側から前記右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度が設定速度よりも低速であれば、前記自動上昇手段の作動を阻止する牽制手段とを備えてある水田作業機の作業装置昇降構造。 【請求項3】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、直進位置から右又は左の設定角度を設定し、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えると共に、前記自動上昇手段が作動して前記作業装置が上昇駆動されると、設定時間が経過するまでは、前記自動上昇手段の次の作動を阻止する牽制手段を備えてある水田作業機の作業装置昇降構造。 【請求項4】 作業装置を昇降自在に機体に備え、前記作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えて、直進位置から右又は左の設定角度を設定し、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作されると、前記駆動機構により前記作業装置を上昇駆動する自動上昇手段を備えると共に、前輪が直進位置側から前記右又は左の設定角度に操向操作された際において、前輪の操向操作方向が前記自動上昇手段の前回の作動での前輪の操向操作方向と同じであれば、前記自動上昇手段の作動を阻止する牽制手段を備えてある水田作業機の作業装置昇降構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機や乗用型直播機等のように、作業装置を昇降自在に機体に備え、作業装置を昇降駆動する駆動機構を備えた水田作業機の作業装置昇降構造に関する。 【0002】 【従来の技術】水田作業機の一例である乗用型田植機では、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達すると、操縦者は昇降レバーを上昇位置に操作して下降状態の植付装置(作業装置の一例)を上昇させ、操縦ハンドルを右又は左に操作して機体を畦際で旋回させる。畦際での旋回が終了すると、操縦者は操縦ハンドルを直進位置に戻し操作して、昇降レバーを下降位置に操作し上昇状態の苗植付装置を下降させて、次の植付行程に入る。 【0003】この場合、例えば特開平11−196628号公報に開示されているように、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されて畦際での旋回が開始されると、苗植付装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えて、畦際での旋回時の操作が楽なものになるように構成されたものがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上空から見て長方形状の圃場では植付行程は略直線状になるので、長方形状の圃場での植付行程において、機体の向きの修正の為に操縦ハンドルが小さく右又は左に操作されたり、右又は左にゆっくりと操作されたりすることはあるが、操縦ハンドルが大きく右又は左に操作されたり、右又は左に急速に操作されたりするようなことはない。これに対し、例えば上空から見て扇型のように曲がった圃場では、植付行程も同様に曲がっているので、曲がった圃場での植付行程の途中において、操縦ハンドルが右又は左に大きく操作されて、機体の向きの修正が行われることがある。又、長方形状の圃場でも、大きな凹凸があれば、操縦ハンドルが大きく右又は左に操作されたり、右又は左に急速に操作されたりして、機体の向きの修正が行われることがある。 【0005】これにより、従来の技術に記載のような自動上昇手段を備えた乗用型田植機において、植付行程の途中で操縦ハンドルが右又は左に大きく操作されると、自動上昇手段により苗植付装置が自動的に上昇駆動されてしまい、植付作業が中断されてしまうことがある。本発明は、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されると、作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた水田作業機の作業装置昇降構造において、作業行程の途中で作業装置が自動的に上昇駆動されて作業が中断されてしまうと言うような状態を防止することを目的としている。 【0006】水田作業機の一例である8条植え型式の乗用型田植機では、一回の植付行程が終了して機体が畦際に達した際、以下の説明のようして畦際での旋回を行って、次の植付行程に入るようなことがある。例えば図8に示すように、一回の植付行程K1が終了して機体が畦G1に接近する際、直進状態のままで機体の前端が畦G1に略接触するまで走行して、機体を一時停止させる。操縦ハンドルにより前輪1を直進位置側から右(左)の操向限度まで操向操作して、機体を発進させて畦際での前半の旋回L1を行い、次に前輪1を右(左)の操向限度から直進位置側に操作して、畦際での直進走行L2を行う。畦際での直進走行L2が終了すると、前輪1を直進位置側から右(左)の操向限度まで操向操作して、畦際での後半の旋回L3を行い、次に前輪1を右(左)の操向限度から直進位置側に操作して、次の植付行程K2に入る。 【0007】8条植え型式の乗用型田植機では苗植付装置6の横幅が広いので、一回の植付行程K1が終了して機体が畦際に達した際、畦際で単純に180度の旋回を行うと、畦際での旋回が小さくなり過ぎて、次の植付行程K2に入る際に、前回の植付行程K1の一部に次の植付行程K2の一部が重なってしまうからである。又、図8に示すように一回の植付行程K1が終了して機体が畦G1に接近する際、直進状態のままで機体の前端が畦G1に略接触するまで走行してから、畦際での旋回(畦際での前半の旋回L1、直進走行L2及び後半の旋回L3)を行うと、畦際に残る未植付部分の幅Hが、8条植え型式の苗植付装置6の横幅に略等しいものとなって、全ての植付行程が終了してから、畦G1に沿って走行しての植付作業が楽に行えるからである。 【0008】例えば図8に示すような畦際での前半の旋回L1、直進走行L2及び後半の旋回L3を行う場合、畦際での前半の旋回L1が終了してから苗植付装置6を田面まで下降駆動することがある。このように苗植付装置6を下降させた状態で、畦際での直進走行L2及び後半の旋回L3を行うことによって、苗植付装置6のフロートにより畦際の田面の凹凸が均されるので、前述の畦G1に沿って走行しての植付作業が精度の良く行われるからである。 【0009】これにより、従来の技術に記載のような自動上昇手段を備えた乗用型田植機において、例えば図 に示すような畦際での旋回(畦際での前半の旋回L1、直進走行L2及び後半の旋回L3)を行う場合、畦際での前半の旋回L1が開始された際に、自動上昇手段により苗植付装置6が自動的に上昇駆動される。次に畦際での前半の旋回L1が終了してから苗植付装置6を田面まで下降させ、畦際での直進走行L2及び後半の旋回L3を行う場合、畦際での後半の旋回L3が開始された際に、自動上昇手段により苗植付装置6が自動的に上昇駆動されてしまうので、苗植付装置6を下降させた状態における畦際での後半の旋回L3が、行い難くなることがある。本発明は、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されると、作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた水田作業機の作業装置昇降構造において、例えば図8に示すような畦際での旋回(畦際での前半の旋回L1、直進走行L2及び後半の旋回L3)を行う場合、作業装置を下降させた状態における畦際での後半の旋回が、行い難くなると言うような状態を防止することを目的としている。 【0010】 【課題を解決するための手段】[I]水田作業機では圃場において、一方の畦から他方の畦への作業行程を行い、この作業行程が終了して機体が他方の畦に達すると、畦際で機体を旋回させて他方の畦から一方の畦への次の作業行程に入り、この作業行程が終了して機体が一方の畦際に達すると、畦際で機体を旋回させて一方の畦から他方の畦への次の作業行程に入ると言うような状態を繰り返す。 【0011】請求項1の特徴によると、圃場における一方の畦から他方の畦への一回の作業行程の走行距離が検出されており、検出された走行距離はこの後に行われる一回の作業行程の走行距離と大きく異なることはないので、この後の作業行程において、検出された走行距離に基づいて一回の作業行程が略終了したか否かを判別することができる。 【0012】これによって、作業行程の途中では一回の作業行程が略終了する状態になっていないと判断されるので、作業行程の途中で前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されても、自動上昇手段による作業装置の上昇駆動は行われないのであり、操縦ハンドルが右又は左に大きく操作されて機体の向きの修正が行われても、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されることはない。次に機体が畦に達すると、一回の作業行程が略終了する状態になったと判断されるので、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されて、畦際での旋回が行われると、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動される。 【0013】[II]前項[I]に記載のように、一方の畦から他方の畦への作業行程及び畦際での旋回を繰り返す水田作業機では、作業行程の途中において機体の向きが修正される場合、操縦ハンドルは比較的ゆっくりと右又は左に操作される(操縦ハンドルを急速に右又は左に操作すると機体の向きが急激に変わり、作業装置の作動にとって好ましくない)。逆に畦際での旋回はできるだけ小さな旋回半径で旋回する必要があることから、畦際での旋回時には操縦ハンドルが急速に右又は左に操作されて、畦際での旋回が行われる。 【0014】請求項2の特徴によると、直進位置側から右又は左の設定角度側に前輪が操向操作される際の操向速度を検出しており、操向速度が設定速度よりも低速であれば作業行程の途中であると判断されるので、作業行程の途中で前輪が直進位置側からゆっくりと右又は左の設定角度に操向操作されても、自動上昇手段による作業装置の上昇駆動は行われないのであり、操縦ハンドルが右又は左にゆっくりと大きく操作されて機体の向きの修正が行われても、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されることはない。次に機体が畦に達して畦際での旋回が行われる場合、直進位置側から右又は左の設定角度側に前輪が急速に操向操作されて、操向速度が設定速度よりも高速になると、畦際での旋回であると判断されるので、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動される。 【0015】[III]前述の発明が解決しようとする課題に記載のように、水田作業機において畦際での前半の旋回、直進走行及び後半の旋回が行われる場合、請求項3の特徴によると、畦際での前半の旋回時に前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されると、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動される。この場合、請求項3の特徴によると、畦際での前半の旋回時に自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されると、設定時間が経過するまでは、自動上昇手段による次の作業装置の上昇駆動が行われない。 【0016】これにより、請求項3の特徴によると、設定時間を適切な長さに設定することによって、畦際での前半の旋回時に自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されてから、人為的な操作等によって作業装置を下降させた場合、畦際での後半の旋回時に、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されても、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されることはない。従って、請求項3の特徴によると、作業装置を下降させての畦際での直進走行や後半の旋回が支障なく行える。 【0017】[IV]前述の発明が解決しようとする課題に記載のように、水田作業機において畦際での前半の旋回、直進走行及び後半の旋回が行われる場合、畦際での前半の旋回が右旋回であれば、畦際での後半の旋回も同様に右旋回となり、畦際での前半の旋回が左旋回であれば、畦際での後半の旋回も同様に左旋回となる。 【0018】これにより、請求項4の特徴によると、畦際での前半の旋回時に前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作されると、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動される。この後に、人為的な操作等によって作業装置を下降させてから、前輪が直進位置側から右又は左の設定角度に操向操作された際、前輪の操向操作方向が畦際での前半の旋回時の前輪の操向操作方向と同じであれば、畦際での後半の旋回であると判断されて、自動上昇手段により作業装置が上昇駆動されることはない。従って、請求項4の特徴によると、作業装置を下降させての畦際での直進走行や後半の旋回が支障なく行える。 【0019】 【発明の実施の形態】[1]図1に示すように、右及び左に操向操作自在な前輪1及び後輪2で支持された機体に、エンジン3及び運転部4が備えられ、機体の後部に平行4連式のリンク機構5を介して、8条植え型式の苗植付装置6が昇降自在に連結され、リンク機構5を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ7が備えられて、水田作業機の一例である8条植え型式の乗用型田植機が構成されている。 【0020】図1に示すように苗植付装置6は、所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台8、植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後部で回転駆動される回転ケース10、回転ケース10に支持された一対の植付爪11、及び複数のフロート12等を備えて構成されており、回転ケース10の回転によって、植付爪11が苗のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面Gに植え付けるように構成されている。 【0021】[2]図2に示すように、左右中央のフロート12の後部が横軸芯P1周りに揺動自在に支持され、苗植付装置6に対するフロート12の前部の位置を検出するポテンショメータ14が備えられており、ポテンショメータ14の検出値が、田面Gから苗植付装置6までの高さの検出値として制御装置15に入力されている。油圧シリンダ7に作動油を給排操作して上昇側及び下降側に作動させる電磁操作式の制御弁13が備えられており、制御装置15によって制御弁13が操作されるように構成されている。 【0022】フロート12が田面Gに接地追従する状態で田面Gに対して苗植付装置6が上下動すると、ポテンショメータ14の検出値が変化するので、ポテンショメータ14の検出値に基づいて、制御装置15によって制御弁13が自動的に操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降駆動される(自動昇降制御)。これにより、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されて、植付爪11による苗の植付深さが設定値に維持される。後述するように苗植付装置6が上昇駆動された際、リンク機構5が機械的な上限位置に達したことを検出する上限センサー24が備えられており、上限センサー24の信号が制御装置15に入力されるように構成されている。 【0023】[3]エンジン3の動力が、前進側及び後進側に無段階に変速自在な静油圧式無段変速装置(図示せず)、湿式多板型式の主クラッチ(図示せず)、高速位置H(路上走行時の位置)及び低速位置L(植付作業時の位置)に変速自在なギヤ変速型式の副変速装置(図示せず)を介して、前輪1及び後輪2に伝達されるように構成されており、図2に示すように主クラッチからの動力が植付クラッチ16を介して苗植付装置6に伝達されるように構成されている。植付クラッチ16を伝動側及び伝動遮断側に操作するモータ17が備えられ、制御装置15によってモータ17が操作されるように構成されている。 【0024】図2及び図1に示すように、操縦ハンドル18によって右及び左に揺動操作されるピットマンアーム29と右及び左の前輪1とが、タイロッド30によって接続されて、操縦ハンドル18により前輪1が右及び左に操向操作自在に構成されており、操縦ハンドル18及び運転席19が運転部4に備えられている。直進位置Aに対するピットマンアーム29の角度を検出する角度センサー31が備えられ、角度センサー31の検出値が制御装置15に入力されている。 【0025】図2及び図1に示すように、静油圧式無段変速装置を前進側及び後進側、中立位置に操作自在な主変速レバー21が、操縦ハンドル18の左側に備えられている。副変速装置を高速位置H及び低速位置Lに操作する副変速レバー23が、運転席19の左側に備えられており、副変速レバー23が低速位置Lに操作されたことを検出する低速センサー25が備えられ、低速センサー25の検出信号が制御装置15に入力されるように構成されている。踏み操作することにより主クラッチを伝動遮断側に操作するクラッチペダル26が備えられている。 【0026】図2及び図1に示すように、運転席19の右側に第1昇降レバー28が備えられており、第1昇降レバー28は上昇位置、中立位置、下降位置、植付位置及び自動位置に操作自在に構成されている。第1昇降レバー28を操作してから手を離しても第1昇降レバー28はその位置から移動しないように構成されており、第1昇降レバー28の操作位置が制御装置15に入力されている。 【0027】図2及び図1に示すように、中立位置N、中立位置Nから上方向の上昇位置U及び中立位置Nから下方向の下降位置Dに操作自在な第2昇降レバー20が、操縦ハンドル18の右下側に備えられており、第2昇降レバー20の操作位置が制御装置15に入力されている。第2昇降レバー20は中立位置Nに付勢されており、上昇位置U及び下降位置Dに操作した状態で、第2昇降レバー20から手を離すと、第2昇降レバー20は自動的に中立位置Nに戻る。 【0028】[4]次に、第1昇降レバー28を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した場合について、図3及び図2に基づいて説明する。第1昇降レバー28を上昇位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS2)、制御弁13が上昇位置に操作されて(ステップS3)、油圧シリンダ7により苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、リンク機構5が上限位置に達し、これが上限センサー24によって検出されると(ステップS4)、制御弁13が中立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止し(ステップS6)、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。 【0029】第1昇降レバー28を中立位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS5)、制御弁13が中立位置に操作されて(ステップS6)、油圧シリンダ7及び苗植付装置6がその位置で停止する。 【0030】第1昇降レバー28を下降位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作されて(ステップS7)、前項[2]に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS8)。この場合、フロート12が田面Gから離れた上方に位置して垂れ下がる状態になっていると、田面Gから苗植付装置6までの高さの検出値が高すぎると判断され、制御弁13が下降位置に操作されて、油圧シリンダ7により苗植付装置6が下降駆動されるのであり、苗植付装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となる。この後、フロート12が田面Gに接地すると、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、制御弁13が自動的に操作されるので、苗植付装置6が見掛け上、田面Gで停止した状態となる。 【0031】第1昇降レバー28を植付位置に操作すると(ステップS1)、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて(ステップS9)、前項[2]に記載の自動昇降制御が作動する(ステップS10)。これにより、ポテンショメータ14の検出値が設定値に維持されるように、制御弁13が自動的に操作され油圧シリンダ7が伸縮作動して、苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるのであり、苗の植付深さが設定値に維持されながら、植付爪11が苗の植え付けを行う植付作業が行われる。 【0032】以上のように、第1昇降レバー28を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、リンク機構5の上限位置と田面Gとの範囲で、苗植付装置6を任意の高さに昇降駆動して停止させることができるのであり、第1昇降レバー28を植付位置に操作することによって、苗の植付深さが設定値に維持されながら植付作業が行われる。 【0033】[5]次に、第1昇降レバー28を自動位置に操作した状態で、第2昇降レバー20を操作した場合について、図4及び図2に基づいて説明する。第1昇降レバー28を自動位置に操作した状態において(ステップS1)、例えば苗植付装置6が田面Gから設定高さに維持されるように自動的に昇降駆動され(自動昇降制御の作動)、植付クラッチ16が伝動側に操作された植付作業の状態で(後述するステップS23,S24,S25,S26)、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作すると(ステップS16,S17)、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され(ステップS18)、自動昇降制御が停止し制御弁13が上昇位置に操作されて(ステップS19)、油圧シリンダ7により苗植付装置6が上昇駆動される。この場合、第2昇降レバー20を上昇位置Uに保持していても、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作してから中立位置Nに操作しても、苗植付装置6の上昇駆動は続行される。 【0034】リンク機構5が上限位置に達して、これが上限センサー24によって検出されると(ステップS20)、制御弁13が中立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止し(ステップS21)、苗植付装置6が上限位置で自動的に停止する。このように第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作することにより、モータ17により植付クラッチ16を伝動遮断側に操作して、苗植付装置6を上限位置まで一気に上昇させることができる。 【0035】次に苗植付装置6が上昇した状態で第2昇降レバー20を下降位置Dに操作すると(ステップS16,S23(N=1))、前項[4]及び図3のステップS8と同様に、植付クラッチ16が伝動遮断側に操作された状態で、自動昇降制御が作動する(ステップS24,S25)。自動昇降制御が作動した状態で、苗植付装置6が見掛け上、連続的に下降する状態となり、フロート12が田面Gに接地すると、苗植付装置6が見掛け上、田面Gで停止した状態となる。この場合、第2昇降レバー20を下降位置Dに保持しても、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作してから中立位置Nに操作しても、苗植付装置6の下降は続行される。このように第2昇降レバー20を下降位置Dに操作することにより、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6を一気に下降させることができる。 【0036】前述のように苗植付装置6が下降した状態(自動昇降制御が作動した状態)において、第2昇降レバー20を中立位置Nに操作してから再び下降位置Dに操作すると(ステップS16,S23(N=2))、モータ17により植付クラッチ16が伝動側に操作されて(ステップS26)、前項[4]及び図3のステップS9,S10と同様に植付作業が開始される。 【0037】図4のステップS19において、苗植付装置6の上昇中で苗植付装置6が上限位置に達する前に、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作すると(ステップS20,S22)、ステップS24,S25に移行して、苗植付装置6の上昇駆動が中止されて苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。逆に図4のステップS25において、苗植付装置6の下降中でフロート12が田面Gに達する前に、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作すると(ステップS16)、ステップS17,S18,S19に移行して、苗植付装置6の下降駆動が中止されて苗植付装置6が上昇駆動される。 【0038】[6]8条植え型式の乗用型田植機では、圃場での植付作業において次のような作業を繰り返す。図7及び図8に示すように 一方の畦G1側の最初の位置(図7の実線参照)から機体を発進させて1回目の植付行程K1を行い、機体が他方の畦G1に達すると、他方の畦G1の畦際での旋回を行い、2回目の植付行程K2に入る。2回目の植付行程K2の後に機体が一方の畦G1に達すると、一方の畦G1の畦際での旋回を行い、3回目の植付行程K3に入る。 【0039】この場合、各々の畦際での旋回は次のようにして行われる。図7及び図8に示すように、例えば1回目の植付行程K1が終了して機体が一方の畦G1に接近する際、直進状態のままで機体の前端が一方の畦G1に略接触するまで走行して、機体を一時停止させる。ピットマンアーム29を直進位置A側から右(左)の操向限度Bまで揺動操作して、機体を発進させて畦際での前半の旋回L1を行い、次にピットマンアーム29を右(左)の操向限度Bから直進位置A側に揺動操作して、畦際での直進走行L2を行う。畦際での直進走行L2が終了すると、ピットマンアーム29を直進位置A側から右(左)の操向限度Bまで揺動操作して、畦際での後半の旋回L3を行い、次にピットマンアーム29を右(左)の操向限度Bから直進位置A側に揺動操作して、2回目の植付行程K2に入る。 【0040】図7に示す1回目の植付行程K1において、以降の2回目や3回目の植付行程K2,K3で使用する基準走行距離J0を検出するようにしており、次に基準走行距離J0の検出について、図4,7,8に基づいて説明する。一方の畦G1側の最初の位置(図7の実線参照)に、機体を位置させている状態において、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作して、苗植付装置6を下降させ(ステップS25)(自動昇降制御の作動)、第2昇降レバー20を再び下降位置Dに操作して、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作して(ステップS26)、1回目の植付行程K1を開始すると、操縦者は直ぐに運転部4に設けられた検出スイッチ22(図2参照)を押し操作する(ステップS12)。逆に検出スイッチ22を押し操作してから、第2昇降レバー20により苗植付装置6を下降させ(自動昇降制御の作動)、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作してもよい。 【0041】これにより、前回に検出された走行距離J1及び基準走行距離J0が消去され(ステップS13)、1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出が開始される(ステップS14,S15)。後輪2への伝動系の回転数を検出する回転数センサー27(図2参照)が備えられており、回転数センサー27の検出値に基づいて、1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出が行われる。 【0042】前述のように、1回目の植付行程K1が終了して機体が他方の畦G1に達すると、機体を一時停止させて第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作し(ステップS16,S17)、モータ17により植付クラッチ16を伝動遮断側に操作して(ステップS18)、苗植付装置6を上昇駆動し(ステップS19)、ピットマンアーム29を直進位置A側から右(左)の操向限度Bまで揺動操作して、機体を発進させて畦際での前半の旋回L1を行う。 【0043】これにより、苗植付装置6が上限位置で停止すると(ステップS20,S21)、1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出が終了し、検出された1回目の植付行程K1の走行距離J1が記憶されるのであり(ステップS28(M=1),S29)、検出された1回目の植付行程K1の走行距離J1の例えば80%が基準走行距離J0として設定される(ステップS30,S31)。 【0044】畦際での前半の旋回L1の後に、ピットマンアーム29を右(左)の操向限度Bから直進位置A側に揺動操作して、畦際での直進走行L2を行い、次にピットマンアーム29を直進位置A側から右(左)の操向限度Bまで揺動操作して、畦際での後半の旋回L3を行う。畦際での後半の旋回L3が終了すると、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作して(ステップS16),苗植付装置6を下降させ(ステップS23,S24,S35)、第2昇降レバー20を再び下降位置Dに操作して(ステップS16)、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作して(ステップS23,S26)、2回目の植付行程K2を開始する(ステップS27(M=2))。 【0045】前述のような1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出は、副変速レバー23が低速位置Lに操作されている場合に行われるのであり(ステップS11)、副変速レバー23が高速位置Hに操作されていれば、検出スイッチ22を押し操作しても1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出は行われない。 【0046】[7]次に、2回目の植付行程K2から3回目の植付行程K3について、図5,6,7に基づいて説明する。前項[6]に記載のようにして2回目の植付行程K2を開始すると、回転数センサー27により2回目の植付行程K2の走行距離J2の検出が開始される(ステップS33,S34)。この場合、検出される2回目の植付行程K2の走行距離J2が基準走行距離J0に達しなければ(ステップS37)、(図7に示すように、機体が2回目の植付行程K2の殆どを終了しなければ(例えば2回目の植付行程K2の80%))、ステップS38〜S45に移行できない。 【0047】言い換えると2回目の植付行程K2の途中において(検出される2回目の植付行程K2の走行距離J2が基準走行距離J0に達しなければ(ステップS37))、操縦者が操縦ハンドル18を操作してピットマンアーム29が右及び左に揺動操作されても、後述するようなピットマンアーム29が直進位置A側から右及び左の第1設定角度A1に揺動操作されたことに基づいて、モータ17により植付クラッチ16が自動的に伝動遮断側に操作されて、苗植付装置6が上限位置まで自動的に上昇駆動される状態(ステップS40〜S43、S46〜S50)、並びに、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度B側から右(左)の第2設定角度A2に揺動操作されたことに基づいて、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が自動的に下降駆動される状態(ステップS44,S45,S52,S53,S54)は生じない。 【0048】前述のように2回目の植付行程K2の途中において(検出される2回目の植付行程K2の走行距離J2が基準走行距離J0に達しなければ(ステップS37))、第2昇降レバー20を上昇位置Uに操作することにより(ステップS35,S46)、モータ17により植付クラッチ16を伝動遮断側に操作して(ステップS47)、苗植付装置6を上昇駆動することができる(ステップS48)。同様に、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作することにより(ステップS35)、苗植付装置6を下降させ(ステップS52(N=1),S53,S54)(自動昇降制御の作動)、第2昇降レバー20を再び下降位置Dに操作して(ステップS16)、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作することができる(ステップS52(N=2),S55)。 【0049】図2に示すように、ピットマンアーム29の直進位置Aと右及び左の操向限度Bとの間において、右及び左の第1設定角度A1、右及び左の第2設定角度A2が設定されており、直進位置Aと右の第1設定角度A1との間の角度(直進位置Aと左の第1設定角度A1との間の角度)C1が大きなものに設定され、右の操向限度Bと右の第2設定角度A2との間の角度(左の操向限度Bと左の第2設定角度A2との間の角度)C2が小さなものに設定されている。 【0050】検出される2回目の植付行程K2の走行距離J2が基準走行距離J0に達した後において(ステップS37)、2回目の植付行程K2が終了して機体が一方の畦G1に達すると、機体を一時停止させる。この後、ピットマンアーム29が直進位置A側から左(右)に揺動操作されて、左(右)の第1設定角度A1にピットマンアーム29が達すると(ステップS38(Q=1),S40)(図2の矢印参照)、設定時間T1のカウントが開始されて(ステップS41,S42)、ブザー(図示せず)が作動し(ステップS43)、ステップS46〜S48に移行して、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され、苗植付装置6が上限位置まで上昇駆動される。これにより、機体を発進させて畦際での前半の旋回L1を行う。 【0051】乗用型田植機では一般に、ピットマンアーム29が直進位置A側から右(左)の操向限度Bに操作されて、畦際での前半の旋回L1が行われる(図2の矢印参照)。これにより、畦際での前半の旋回L1が終了して、ピットマンアーム29が左(右)の操向限度B側から直進位置A側に操作され、左(右)の第2設定角度A2にピットマンアーム29が達すると(ステップS44)(図2の矢印参照)、ブザーが作動し(ステップS45)、ステップS52(N=1),S53,S54に移行して、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。このように畦際での前半の旋回L1から、苗植付装置6を下降駆動した状態で(自動昇降制御の作動)、畦際での直進走行L2を行う。 【0052】畦際での直進走行L2から畦際での後半の旋回L3に入る際、ピットマンアーム29が直進位置A側から左(右)に揺動操作されて、左(右)の第1設定角度A1にピットマンアーム29が達しても、設定時間T1のカウントがまだ経過していないので(ステップS38(Q=2),S39)、ステップS44に移行して、苗植付装置6が上昇駆動されることはない。この場合、設定時間T1は畦際での前半の旋回L1、直進走行L2及び後半の旋回L3が終了するのに充分な長さに設定されているので、苗植付装置6を下降駆動した状態で(自動昇降制御の作動)、畦際での後半の旋回L3が行われる。 【0053】畦際での後半の旋回L3が終了し、ピットマンアーム29が左(右)の操向限度B側から直進位置A側に操作されてから、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作して(ステップS35)、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作して(ステップS52(N=2),S55)、3回目の植付行程K3を開始する。このようにして3回目の植付行程K3を開始すると、検出された2回目の植付行程K2の走行距離J2が消去されて(ステップS56,S57)、ステップS32,S33に移行して、3回目の植付行程K3の走行距離J2の検出が開始される。 【0054】図7に示す畦際での直進走行L2及び後半の旋回L3において、第2昇降レバー20を上昇位置U及び下降位置Dに操作することにより(ステップS35)、苗植付装置6を上昇及び下降駆動することができる。この場合、苗植付装置6を上昇駆動した状態で畦際での後半の旋回L3が終了し、ピットマンアーム29が左(右)の操向限度B側から左(右)の第2設定角度A2に操向操作されると(ステップS44)(図2の矢印参照)、ブザーが作動し(ステップS45)、ステップS52(N=1),S53,S54に移行して、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。 【0055】前述のような1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出は、副変速レバー23が低速位置Lに操作されている場合に行われるのであり(図4のステップS11)、副変速レバー23が高速位置Hに操作されていれば、検出スイッチ22を押し操作しても1回目の植付行程K1の走行距離J1の検出は行われない。同様に、2回目の植付行程K2の以降において、副変速レバー23が低速位置Lに操作されていなければ(副変速レバー23が高速位置Hに操作されていると(ステップS32,S36)、ステップS33,S34に移行せず(2回目の植付行程K2の走行距離J2の検出は開始されず)、ピットマンアーム29が直進位置A側から右(左)の第1設定角度A1に揺動操作されても、苗植付装置6は上昇駆動されず、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度Bから右(左)の第2設定角度A2に揺動操作されても、苗植付装置6は下降駆動されない。 【0056】図4,5,6に示す構成において、1回目の植付行程K1の走行距離J1のみに基づいて基準走行距離J0を設定するのではなく、前回の植付行程で検出された走行距離を次の植付行程での基準走行距離J0とすると言うように、植付行程の走行距離が検出される毎に、基準走行距離J0が更新されるように構成してもよい。 【0057】[発明の実施の第1別形態]図4、5、6に示すように、基準走行距離J0の設定及び設定時間T1の経過の検出を行う構成に代えて、図9及び図10に示すように構成してもよい。図9及び図10に示すように、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作し(ステップS61)、モータ17により植付クラッチ16を伝動側に操作して(ステップS87(N=2),S90,S91)、植付行程K1,K2,K3を開始したとする。 【0058】この状態において、ピットマンアーム29が直進位置A側から右又は左に揺動操作されると(ステップS63,S69)、角度センサー31の検出値が微分処理されて、ピットマンアーン29の揺動速度Vが検出され(ステップS64,S70)、揺動速度Vが設定速度V0よりも低速であれば(ステップS65,S71)、畦際での前半及び後半の旋回L1,L3の開始ではなく、機体の向きの修正と判断されて、ピットマンアーム29が直進位置A側から右(左)の第1設定角度A1に揺動操作されても、苗植付装置6は上昇駆動されない(ステップS75,S81,S82,S83に移行しない)。 【0059】同様にピットマンアーム29が右(左)の操向限度B側から直進位置A側に揺動操作された際(ステップS76)、角度センサー31の検出値が微分処理されて、ピットマンアーン29の揺動速度Vが検出され(ステップS77)、揺動速度Vが設定速度V0よりも低速であれば(ステップS78)、畦際での前半及び後半の旋回L1,L3の終了ではなく、機体の向きの修正と判断されて、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度B側から右(左)の第2設定角度A2に揺動操作されても、苗植付装置6は下降駆動されない(ステップS80,S87,S88,S89に移行しない)。 【0060】図7及び図8に示すように機体が畦際に達すると、ピットマンアーム29が直進位置A側から急速に右(左)に揺動操作されて、畦際での前半の旋回L1が開始されようとすると、ピットマンアーム29の揺動速度Vが設定速度V0よりも高速になる(ステップS63〜S65、S69〜S71)。これにより、ピットマンアーム29(揺動角度)が右(左)の第1設定角度A1に達すると(ステップS66,S72)、畦際での前半の旋回L1が開始されたと判断され、ステップS67(W=0),S68,S73(W=0),S74から、ステップS75,S81,S82,S83に移行して、ブザーが作動し、モータ17により植付クラッチ16が伝動遮断側に操作され、苗植付装置6が上限位置まで上昇駆動される。 【0061】畦際での前半の旋回L1が終了すると、ピットマンアーム29が右(左)の走行限度B側から急速に直進位置A側に操作されて、畦際での直進走行L2が開始されようとするので、この場合にはピットマンアーム29の揺動速度Vが設定速度V0よりも高速になる(ステップS76〜S78)。これにより、ピットマンアーム29(揺動角度)が右(左)の第2設定角度A2に達すると(ステップS79)、畦際での前半の旋回L1が終了されたと判断され、ステップS80,S87(N=1),S88,S89に移行して、ブザーが作動し、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が下降駆動される。 【0062】畦際での前半の旋回L1が右旋回であれば(ステップS63)、畦際での直進走行L2が終了して畦際での後半の旋回L3に入る際、畦際での後半の旋回L3も右旋回となる。同様に畦際での前半の旋回L1が左旋回であれば(ステップS69)、畦際での直進走行L2が終了して畦際での後半の旋回L3に入る際、畦際での後半の旋回L3も左旋回となる。これにより、畦際での前半の旋回L1が例えば右旋回である場合、畦際での直進走行L2が終了して畦際での後半の旋回L3(右旋回)に入る際、ピットマンアーム29が直進位置A側から設定速度V0よりも高速で右に揺動操作されて、右の第1設定角度A1に達しても、苗植付装置6は上昇駆動されない(ステップS67(W=1)により、ステップS75,S81,S82,S83に移行しない)。 【0063】畦際での直進走行L2及び後半の旋回L3において、第2昇降レバー20を上昇位置U及び下降位置Dに操作することにより(ステップS61)、苗植付装置6を上昇及び下降駆動することができる。この場合、畦際での後半の旋回L3が終了する際、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度B側から右(左)の第2設定角度A2に、設定速度V0よりも高速で操向操作されると(ステップS76〜S79)、ブザーが作動し(ステップS80)、ステップS87(N=1),S88,S89に移行して、フロート12が田面Gに接地するまで苗植付装置6が下降駆動される(自動昇降制御の作動)。 【0064】副変速レバー23が低速位置Lに操作されていなければ(ステップS62)(副変速レバー23が高速位置Hに操作されていると)、ステップS63〜S80に移行せず、ピットマンアーム29が直進位置A側から設定速度V0よりも高速で右(左)の第1設定角度A1に揺動操作されても、苗植付装置6は上昇駆動されず、ピットマンアーム29が右(左)の操向限度B側から設定速度V0よりも高速で右(左)の第2設定角度A2に揺動操作されても、苗植付装置6は下降駆動されない。 【0065】[発明の実施の第2別形態]図9及び図10に示す構成で、第1昇降レバー28を自動位置に操作している状態において、ステップS62〜S80への移行を設定できる人為的に操作自在な設定スイッチ(図示せず)を備えてもよい。この場合、設定スイッチがON位置に操作されていると、ステップS61からステップS62への移行を許し、設定スイッチがOFF位置に操作されていると、ステップS61から無条件でリターン(ステップS62〜S80に移行しない)させるステップ(図示せず)を、図9のステップS61とステップS62との間に設ける。 【0066】図4,5,6の構成において、ステップS44,S45を削除し、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作することによって、苗植付装置6の下降駆動を行うように構成してもよい。図9及び図10の構成において、ステップS76〜S80を削除し、第2昇降レバー20を下降位置Dに操作することによって、苗植付装置6の下降駆動を行うように構成してもよい。 【0067】本発明は乗用型田植機ばかりではなく、機体の後部に直播装置(作業装置)を昇降自在に備えた乗用型直播機や、機体の後部にロータリ耕耘装置(作業装置)を昇降自在に備えた農用トラクタ、機体の前部に刈取部(作業装置)を昇降自在に備えたコンバインにも適用できる。農用トラクタやコンバインの場合、作業装置が上昇駆動される際、図4のステップS18、図6のステップS47及び図10のステップS82を削除して,作業装置の作業クラッチが伝動側に残されるように構成してもよい(作業装置の作業クラッチが伝動遮断側に操作されないように構成してもよい)。このように構成すると、図4のステップS23,S26、図5のステップS52,S55及び図10のステップS87,S90は不要になる。 【0068】 【発明の効果】請求項1及び2の特徴によれば、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されると、作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた水田作業機の作業装置昇降構造において、作業行程の途中で操縦ハンドルが右又は左に大きく操作されても、作業行程の途中であることを的確に判断し、自動上昇手段によって作業装置が上昇駆動されないように構成することができて、作業行程の途中で作業が中断されてしまうと言う状態を避けることができるようになり、水田作業機の作業性及び作業能率を向上させることができた。 【0069】請求項3及び4の特徴によれば、前輪が直進位置側から右又は左に操向操作されると、作業装置を自動的に上昇駆動する自動上昇手段を備えた水田作業機の作業装置昇降構造において、畦際での前半の旋回、直進走行及び後半の旋回が行われる場合、畦際での後半の旋回を的確に判断し、下降されている作業装置が畦際での後半の旋回時に、自動上昇手段によって上昇駆動されないように構成することができて、作業装置を下降させての畦際での直進走行や後半の旋回が支障なく行えるようになって、水田作業機の作業性及び作業能率を向上させることができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月21日(1999.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−86816(P2001−86816A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−267510 |
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