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【発明の名称】 田植機の苗植付装置
【発明者】 【氏名】久保 守

【要約】 【課題】植付伝動ケースの小型化と、植付装置への伝動構造の簡素化、ならびに組み付け加工の簡素化を図る。

【解決手段】左右方向に沿って横長の横フレーム5を配置し、複数の植付ケース6を後向きに片持ち状に連設すると共に、苗のせ台7を左右方向に往復横送り駆動する横送り軸18を備え、横送り軸18の一端を支持して横送り軸18を回転駆動する駆動部4を、横フレーム5に固定し、横送り軸18の他端を回転自在に支持する支持部材19を横フレーム5に固定し、駆動部4から各植付ケース6への動力伝達用の伝動軸を、前記横フレーム5の外部で横フレーム5に沿わせて配設してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右方向に沿って横長の横フレーム(5)を配置して、苗を田面に植え付ける植付機構(8)を後部に備えた複数の植付ケース(6)を、互いに平行状に前記横フレーム(5)に、後向きに片持ち状に連設させるべく構成すると共に、苗のせ台(7)を左右方向に往復横送り駆動する横送り軸(18)において、前記横送り軸(18)の一端を支持して前記横送り軸(18)を回転駆動する駆動部(4)を、前記横フレーム(5)に固定し、前記横送り軸(18)の他端を回転自在に支持する支持部材(19)を、前記横フレーム(5)に固定して、前記横送り軸(18)を回転駆動することにより、前記苗のせ台(7)を左右方向に沿って往復横送り駆動するように構成し、前記駆動部(4)から各植付ケース(6)への動力伝達用の伝動軸を、前記横フレーム(5)の外部で横フレーム(5)に沿わせて配設してある田植機の苗植付装置。
【請求項2】 左右方向に沿って横長の横フレーム(5)を配置して、苗を田面に植え付ける植付機構(8)を後部に備えた複数の植付ケース(6)を、互いに平行状に前記横フレーム(5)に、後向きに片持ち状に連設させるべく構成すると共に、苗のせ台(7)を左右方向に往復横送り駆動する横送り軸(18)において、前記横送り軸(18)の一端を支持して前記横送り軸(18)を回転駆動する駆動部(4)を、前記横フレーム(5)に固定し、前記横送り軸(18)の他端を回転自在に支持する支持部材(19)を、前記横フレーム(5)に固定して、前記横フレーム(5)の左右中央に対して前記横送り軸(18)の左右中央が左右一方に偏位するように、前記横送り軸(18)を配置し、前記横送り軸(18)を回転駆動することにより、前記苗のせ台(7)を左右方向に沿って往復横送り駆動するように構成し、前記駆動部(4)から各植付ケース(6)への動力伝達用の伝動軸を、前記横フレーム(5)の外部で横フレーム(5)に沿わせて配設してある田植機の苗植付装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植付け用苗を載置した苗のせ台の下端部から植付け苗を取り出して圃場に植付ける複数の植付爪を備え、苗のせ台の苗載置面に、苗のせ台の横移動ストロークエンドにおいて載置苗を所定量づつ前記植付爪に向けて送り出す縦送り装置を各条毎に設けてある田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】上記田植機において、従来では、例えば特開昭62−104505号公報に開示されるように、機体幅方向中央に位置する植付伝動ケースを左右に貫通する状態で螺軸を横架支承して、この螺軸の両端部を苗のせ台に連結し、植付伝動ケース内において螺軸に外嵌するコマ部材を回転駆動して、コマ部材と螺軸の外周面に形成した往復螺旋溝との係合作用により、苗のせ台を左右に往復横移動させるよう構成し、前記コマ部材の回転速度を切り換え変更する変速装置を植付伝動ケース内に設け、その変速操作部材を植付伝動ケースの横一側から外方に突出配備し、かつ、植付伝動ケースの左右両側部から縦送り装置の駆動用回転カムを突出配備する構成のものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来構造によると、前記コマ部材の変速装置の操作具が植付伝動ケースの横一側に突出配備される構成であるから、植付作業中に前記操作具を操作しようとして作業者が手を植付伝動ケースの横側に差し入れると、この近傍において、上記した回転カムが常時回転駆動されているので、誤って手が触れると危険であるから操作を慎重に行う必要があり、操作性が悪く改善の余地があった。本発明は上記不具合点を解消することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、冒頭に記載した田植機において、左右方向中間に位置する前記植付伝動ケースの横一側外方に往復螺旋溝を形成した螺軸を突出させて配備するとともに、前記苗のせ台に固定のコマ部材を前記往復螺旋溝に係合させて前記横送り機構を構成するとともに、前記螺軸配設側の植付伝動ケースの横一側外方に回転軸を突出配備してこの回転軸に回転カムを取付け、苗のせ台側に設けた接当アームが横移動ストロークエンドにおいて回転カムにより接当回動して前記縦送り装置を駆動するよう構成し、植付伝動ケースにおける螺軸配設方向と反対側横側に、螺軸に対する駆動系に介装される変速機構の変速操作具を配設してある点にある。
【0005】
【作用】苗のせ台を往復横移動させるための螺軸、並びに、苗のせ台の左右ストロークエンドにおいて縦送り装置の送り駆動を行うための回転カムの夫々を、植付伝動ケースの横一側外方に突出する状態で配備する構成であるから、植付伝動ケースにおける螺軸配設方向と反対側横側には、回転する部材や出退するスライド部材が存在せず、この位置に変速操作具を配設するから、変速操作具の操作の際に、誤って回転体等に手が触れる等のおそれがないので、変速操作を素早く行うことができるものとなる。しかも、螺軸をケース外方に配備するので伝動ケースを大型化させる必要がなく、螺軸の両端部を苗のせ台に連結する構成に比較して、苗のせ台の往復横移動に伴う重量バランスの崩れに起因する螺軸に対する曲げ荷重の負担が小さいものになる。
【0006】
【発明の効果】従って、螺軸の往復螺旋溝とコマ部材との係合作用により苗のせ台を横移動駆動でき、かつ、回転カムと接当アームとの接当作用により、縦送り作動を行えるものでありながら、植付伝動ケースを大型化させることなく、苗のせ台の横送り速度の変速操作を安全に操作性良く行えるものを提供できるに到った。しかも、螺軸に対する曲げ荷重が小さくなり、コマ部材との摺接磨耗が低減でき、耐久性の向上も図ることができた。
【0007】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図4に乗用型田植機の後部を示している。この田植機は、乗用型走行機体の後部にリンク機構1を介して昇降自在並びに前後軸芯周りで左右ローリング自在に苗植付装置2を連結して構成してある。前記苗植付装置2は、リンク機構1の枢支ボス部材3に前後軸芯周りでローリング自在に連結される植付伝動ケース4に横方向にほぼ全幅に亘って配設される角パイプ状のアルミニューム引き抜き材からなるフレーム杆5を固定連結するとともに、このフレーム杆5に適宜間隔をあけて複数のフィードケース6を後方に向けて片持ち状に固定延出し、前記フレーム杆5に対して横方向に往復移動自在に苗のせ台7を支持してある。そして、前記フィードケース6の後部に左右両側に植付機構8を配設し、各植付機構8における植付爪8aにより、苗のせ台7の下端部から一株づつ苗を取り出して圃場に植付けるよう構成してある。前記苗のせ台7の各条苗載置面7aには、横移動ストロークエンドにおいて載置苗を所定量づつ植付機構8に向けて縦送りする突起付き無端回動ベルト式縦送り装置9を設けてある。前記各フィードケース6に形成したボス部10により回動支軸11を支承し、この回動支軸11から一体延出した3個のアーム12の端部に夫々接地フロート13を枢支連結して配備してある。
【0008】次に、前記苗植付装置2に対する伝動系について説明する。図2に示すように、走行機体側から伝動軸14及び植付伝動ケース4内のベベルギア機構15を介して横向き入力軸16に動力が伝えられ、この入力軸16からギア式変速機構17を介して植付伝動ケース4に横架支承され且つ該ケース4の左側横外方に突出する状態で配置した螺軸18に動力を伝えるよう構成してある。この螺軸18の外方端は、前記フレーム杆5から固設延出したブラケット19により支承してある。図1、図3に示すように、この螺軸18には外周面に往復螺旋溝20を形成してあり、この螺旋溝20に係合するコマ部材21を内装した筒部材22を外嵌し、苗のせ台7の裏面に固設のブラケット23を介して連結固定した連結具24を筒部材22に横方向に一体移動するよう差し込み連結してピン25により抜け止めして、螺軸18の回転に伴い螺旋溝20とコマ部材21の係合作用により、苗のせ台7を所定ピッチで往復横移動するようにして横送り機構Aを構成してある。又、前記入力軸16からギア伝動機構26を介して横向き回転軸27に動力を供給するよう構成してある。この回転軸27は螺軸18と同様に植付伝動ケース4に横架支承され且つ該ケース4の左側横外方に突出する状態で配置され、ブラケット28により外方端部を支持するよう構成してある。この回転軸27にはその途中部に左右一対の回転カム29を取付け、この回転カム29が、苗のせ台7の横移動ストロークエンドにおいて、前記縦送り装置9に連係される接当アーム30を接当揺動させて突起付き無端回動ベルト9aを所定量づつ回動して載置苗を所定量づつ縦送りするよう構成してある。尚、接当アーム30は所定待機位置に復帰付勢するようバネ付勢してある。又、前記回転軸27から伝動チェーン31を介して中継横軸32を回転駆動するよう構成し、この中継横軸32から植付伝動ケース4の外方側において各フィードケース6の入力軸34に動力が伝えられ、各フィードケース6内に配備されるチェーン伝動機構(図示せず)を介して各植付機構8に伝えられるよう伝動系を構成してある。そして、螺軸18に対する前記変速機構17の操作具36を、植付伝動ケース4における螺軸18配設側とは反対側、つまり、右側横外方に配設してある。この変速機構17は、図2に示すように、入力軸16に径の異なる複数の駆動ギア37を遊転外嵌するとともに、螺軸18に各駆動ギア37に咬合う複数の従動ギア38を一体回転自在に外嵌装着し、入力軸16の内部に軸芯方向にシフト操作自在並びに各駆動ギア37に選択的に咬合係合自在なシフトキー39を配設してある。そして、前記操作具36によりこのシフトキー39をスライド操作することで、互いに変速比の異なるいずれかの駆動ギア37を選択的に入力軸16と一体回転駆動させて変速操作できるよう構成してある。又、植付伝動ケース4の前記操作具36配設側に、前記回動支軸11を回動操作して接地フロート13の支点位置を変更させ、植付爪8aによる植付け深さを変更調節するための植付け深さ調節レバー40を設けてある。
【0009】前記回転カム29は左右一対設けるものに代えて、回転カムを1個設けるとともに、苗のせ台側の接当アーム30を左右2個設けて、横移動ストロークエンドにおいて、いずれかの接当アームが回転カムにより接当回動されるよう構成するものでもよい。
【0010】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成4年1月24日(1992.1.24)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−78516(P2001−78516A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願2000−258784(P2000−258784)