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【発明の名称】 施肥ノズルの配置構造
【発明者】 【氏名】馬庭 芳樹

【要約】 【課題】畦の土中に開口する施肥ノズルを複数段に配置した施肥機であって、上段施肥ノズルからの肥料で移植苗に肥料やけを生ずる惧れがないようにし、また、下段施肥ノズルで施肥した肥料の吸収効率を良好にする。

【解決手段】上段施肥ノズル13aの吐出口15aを、畦Pの中心線Оに対して所定量Aだけオフセットさせると共に、下段施肥ノズル13bの吐出口15bは、上段施肥ノズル13aのオフセット量Aよりも小さい量Bだけ畦の中心線Оに対してオフセットさせた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】畦の土中に開口する施肥ノズルを複数段に配置した施肥機であって、上段施肥ノズルの吐出口を、畦の中心線に対して所定量オフセットさせると共に、下段施肥ノズルの吐出口は、上段施肥ノズルのオフセット量よりも小さい量だけ畦の中心線に対してオフセットさせたことを特徴とする施肥ノズルの配置構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畦の土中に開口する複数段の施肥ノズルを備えた施肥機における施肥ノズルの配置構造に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、キャベツ、白菜、レタス等の畑作においては、機体の走行に伴って圃場を耕耘し、ついで耕耘後の圃場面に畦立器で畦を形成するのと同時に畦の土中に流動性肥料や土壌消毒液等を注入するようにした施肥機があるが、このような施肥機には、施肥効率を上げるため、施肥ノズルを複数段に設けたものが知られている。
【0003】ところが、施肥ノズルを複数段に設けると、上段の施肥ノズルが移植苗の直下となる浅い位置に施肥するので、往々にして作物に肥料やけの障害を生ずる惧れがあった。一方、下段の施肥ノズルは、移植苗の根から離れた深い位置にあるので、肥料やけ等の肥料障害を生ずる惧れはないが、上段の施肥ノズルに比べて施肥した肥料の吸収効率が悪いという不都合があった。
【0004】さらに、上段の施肥ノズルと下段の施肥ノズルとが畦の横断面視で同一鉛直線上に並んでいると、上段の施肥ノズルから施肥した肥料が下段の施肥ノズルで明けたノズル溝に落ち込んでしまい、上段の施肥ノズルと下段の施肥ノズルとが適正な施肥状態にならないことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解決すべく創作されたものであって、畦の土中に開口する施肥ノズルを複数段に配置したものであっても、上段の施肥ノズルから施肥した肥料で移植苗に肥料やけ等の障害を生ずる惧れはなく、しかも下段の施肥ノズルから施肥した肥料の吸収効率を良好にでき、また、上段の施肥ノズルから施肥した肥料が下段の施肥ノズルで形成したノズル溝に落ち込まないようにして、上下段の施肥ノズルにより適正な状態で確実に施肥することができる施肥機における施肥ノズルの配置構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、畦の土中に開口する施肥ノズルを複数段に配置した施肥機であって、上段施肥ノズルの吐出口を、畦の中心線に対して所定量オフセットさせると共に、下段施肥ノズルの吐出口は、上段施肥ノズルのオフセット量よりも小さい量だけ畦の中心線に対してオフセットさせたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、添付した一実施例の図面に基いて詳細に説明する。まず図1において、1は畦の土中に施肥する施肥機の走行機体であって、機体フレームを兼ねたミッションケース2の前部にエンジン部3が搭載され、その後方に運転操作部4が配置されている。5は前輪、6は後輪、7は操向ハンドルである。
【0008】上記走行機体1の後部には、回転する耕耘爪8を備えたロータリ耕耘機9が連結リンク10を介して昇降自在に連結されており、ロータリ耕耘機9の後方には耕耘後の圃場面に畦を形成する畦立器11が装着されている。
【0009】12は上記畦立器11で形成された畦の土中に施肥する施肥装置であって、複数段に配置した施肥ノズル13がロータリ耕耘機9の後方に突出した取付フレーム14で支持されている。そして、機体の走行に伴ってロータリ耕耘機9が圃場を耕耘し、畦立器11が耕起された土を施肥ノズル13の周囲に寄せて畦を形成すると共に、形成された畦の土中に施肥ノズル13の吐出口15から施肥するようになっている。ついで畦の表面をマルチフィルムで覆い、マルチフィルムに形成した植付孔から苗を植付けるものである。16は走行機体1の前部両側に設けた肥料タンクであって、この肥料タンク16と前記施肥ノズル13とが肥料ホース17を介して連結されている。18は肥料タンク16に貯溜した肥料を施肥ノズル13側に圧送する肥料ポンプである。
【0010】上記施肥ノズル13は、図2、図3で示すように、上段の施肥ノズル13aと下段の施肥ノズル13bとで構成されており、上段施肥ノズル13aの吐出口15aと下段施肥ノズル13bの吐出口15bから、畦の土中に施肥するものである。そして上記施肥ノズル13a、13bの配置構造は次のようになっている。
【0011】すなわち、図4は畦の横断面図における施肥ノズルの配置構造を示すものであって、苗を移植するときには、畦Pの縦方向中心線О上に植付けることになるが、本発明では上段施肥ノズル13aの吐出口15aの位置を、畦Pの縦方向中心線Оに対して所定量Aだけオフセットさせることにより、上段施肥ノズル13aの吐出口15aが移植した苗の直下位置とならないようにしている。
【0012】そして下段施肥ノズル13bの吐出口15bの位置も、縦方向中心線Оに対して所定量Bだけオフセットさせるが、このオフセット量Bは、上段施肥ノズル13aのオフセット量Aよりも小さい量となっている。図4の(イ)は上段施肥ノズル13aのオフセット量Aと下段施肥ノズル13bのオフセット量Bとを同じとした従来のものであるが、(ロ)はオフセット量A>オフセット量Bとした場合である。
【0013】また図4の(ハ)は、下段施肥ノズル13bのオフセット量Bをゼロとした場合であり、図4の(ニ)、(ホ)は、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとを、縦方向の中心線Оを挟んで両側に配置したものであり、さらに、図4の(へ)は、2本の上段施肥ノズル13aを並設すると共に、下段施肥ノズル13bのオフセット量Bをゼロとした場合の実施例である。
【0014】そして、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとは、図2で示したように、側面視でその後端側が上下二段となって畦の土中に開口しているが、吐出口15a、15bから離れた基端側の部位Sでは、上段と下段の施肥ノズルを固着して一体化し、あるいは、密着状に近接させることにより、畦立器11の入口部における畦を形成する際の土の流れを良好にしている。
【0015】また、上記のように一体化した上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとが、単一の取付具19によって前記取付フレーム14に固定されている。そして取付具19の固定ボルト20を上下調節用長穴21に挿通固定することにより、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとの取付位置が、上下に一体調節可能となっている。
【0016】上記のように構成したので、機体の走行に伴ってロータリ耕耘機9が圃場を耕耘し、畦立器11が耕耘された土を施肥ノズル13の周囲に寄せて畦を形成すると共に、形成された畦の土中に施肥ノズル13で施肥することができる。
【0017】そして施肥ノズル13が、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとで構成されているので、上下二段に効率よく施肥することができる。しかも畦Pの縦方向中心線Оに対して所定量Aだけオフセットしている上段施肥ノズル13aは、吐出口15aが移植した苗の直下位置とならないので、移植苗に肥料やけ等の障害を生ずる惧れはない。
【0018】また、下段施肥ノズル13bは、移植苗から離れた深い位置にあるので、オフセット量Bを上段施肥ノズル13aのオフセット量Aより小さくしても、移植苗に肥料やけ等の障害を生ずる惧れはなく、しかも施肥した肥料の吸収効率を良好にすることができる。
【0019】そして、オフセット量の異なる上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとは、畦の横断面視で同一鉛直線上とならないので、上段施肥ノズル13aで施肥した肥料が、下段施肥ノズル13bで明けたノズル溝に落ち込むことはない。
【0020】また、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとは、先端側が上下二段になっていても、吐出口15a、15bから離れた基端側の部位Sでは、上下の施肥ノズル13a、13bが一体化しているので、夾雑物や土の塊りが詰まることはなく、畦立器11の入口部における畦を形成する際の土の流れが良好になる。
【0021】また、上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとは、基端側の部位Sで一体化されて強固に補強されるので、施肥ノズルをパイプ径の小さな構造としてコストの削減を図ることができるうえ、一体化された上段施肥ノズル13aと下段施肥ノズル13bとは、取付位置の一体調節が可能となって取扱いを容易にすることができる。
【0022】
【発明の効果】これを要するに本発明は、畦の土中に開口する施肥ノズルを複数段に配置した施肥機であって、上段施肥ノズルの吐出口を、畦の中心線に対して所定量オフセットさせると共に、下段施肥ノズルの吐出口は、上段施肥ノズルのオフセット量よりも小さい量だけ畦の中心線に対してオフセットさせたことから、オフセットさせた上段施肥ノズルは、施肥位置が浅くても移植苗の直下にないので、上段施肥ノズルからの肥料で移植苗に肥料やけを生ずる惧れはない。
【0023】また、下段施肥ノズルは施肥位置が深いので、上段施肥ノズルよりもオフセット量を小さくして移植苗の直下に近づけても、移植苗に肥料障害等を生ずることなく、肥料の吸収効率を良好にすることができる。
【0024】そして、オフセット量の異なる上段施肥ノズルと下段施肥ノズルとは、畦の横断面視で同一鉛直線上とならないので、下段施肥ノズルであけたノズル溝に、上段施肥ノズルで施肥した肥料が落ち込むことはなく、このため上下段の施肥ノズルによって、畦の土中に確実に施肥することができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年9月1日(1999.9.1)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−69831(P2001−69831A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−247080