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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】西 陽一朗

【要約】 【課題】苗継ぎ作業を容易に行うことができる田植機を提供すること。

【解決手段】本発明では、走行機体(2) の後部に植付機体(3) を昇降可能に配設し、同植付機体(3) は、前高後低の傾斜状の苗載台(29)を具備してなる田植機において、苗載台(29)の上端部に、苗マット(32)を投入するための苗投入部(36)を形成し、同苗投入部(36)は、苗マット(32)を載置するための複数条分の苗載置部(33)に連通することとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体(2) の後部に植付機体(3) を昇降可能に配設し、同植付機体(3) は、前高後低の傾斜状の苗載台(29)を具備してなる田植機において、苗載台(29)の上端部に、苗マット(32)を投入するための苗投入部(36)を形成し、同苗投入部(36)は、苗マット(32)を載置するための複数条分の苗載置部(33)に連通することを特徴とする田植機。
【請求項2】 苗投入部(36)は、複数条分の苗マット(32)を同時に投入できる入口幅を有する入口部(44)と、1条分の苗マット(32)を苗載置部(33)に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部(45)と、入口部(44)と出口部(45)との間で複数条分の苗マット(32)を1 条分の苗マット(32)毎に振り分けるための振り分け部(40)とを具備することを特徴とする請求項1記載の田植機。
【請求項3】 振り分け部(40)を先鋭状に形成するとともに、先鋭部(46)を入口部(44)の近傍に位置させたことを特徴とする請求項2記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の田植機は、自走可能な走行機体の後部に植付機体を昇降可能に配設しており、植付機体は、苗を載置するための苗載置部を複数条形成していた。
【0003】特に近年においては、植付密度を高めるために苗の植え付け条間隔を従来の間隔(30cm又は33cm間隔)よりも狭い間隔(21cm間隔)で苗を受け付けることができる狭条間田植機が開発されており、かかる狭条間田植機にあっては苗載台に16条以上もの苗載置部が形成されていた。
【0004】一方、狭条間田植機に用いる苗マットを形成するための育苗箱として、従来の育苗箱の中央部に仕切り体を形成して、2条分の苗マットを同時に形成することができる育苗箱が考えられている。
【0005】そして、苗継ぎ時に作業者は、各苗載置部に1 条分の苗マットをそれぞれ載置していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の狭条間田植機にあっては、苗継ぎ時に作業者が各苗載置部に苗マットをそれぞれ載置する必要があり、例えば16条植えの田植機の場合には、16条分の苗載置部にそれぞれ苗マットを載置するといった煩雑な作業を行っていた。
【0007】このように、狭条間田植機においては、苗継ぎ作業が通常の条間の田植機に比べ、多大な労力と時間を要するおそれがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、走行機体の後部に植付機体を昇降可能に配設し、同植付機体は、前高後低の傾斜状の苗載台を具備してなる田植機において、苗載台の上端部に、苗マットを投入するための苗投入部を形成し、同苗投入部は、苗マットを載置するための複数条分の苗載置部に連通することとした。
【0009】また、苗投入部は、複数条分の苗マットを同時に投入できる入口幅を有する入口部と、1条分の苗マットを苗載置部に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部と、入口部と出口部との間で複数条分の苗マットを1 条分の苗マット毎に振り分けるための振り分け部とを具備することとした。
【0010】また、振り分け部を先鋭状に形成するとともに、先鋭部を入口部の近傍に位置させることとした。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る田植機は、走行機体の後部に植付機体を昇降可能に配設し、同植付機体は、前高後低の傾斜状の苗載台を具備したものである。
【0012】しかも、苗載台の上端部に、苗マットを投入するための苗投入部を形成し、同苗投入部は、苗マットを載置するための複数条分の苗載置部に連通するようにしたものである。
【0013】そのため、複数条分の苗マットを同時に投入することができ、短時間でかつ容易に苗継ぎ作業を行うことができるものである。
【0014】また、苗投入部が、複数条分の苗マットを同時に投入できる入口幅を有する入口部と、1条分の苗マットを苗載置部に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部と、入口部と出口部との間で複数条分の苗マットを1 条分の苗マット毎に振り分けるための振り分け部とを具備しているため、複数条分の苗マットを1 条分の苗マット毎に振り分ける作業が必要なくなり、より一層苗継ぎ作業を軽減することができるものである。
【0015】また、振り分け部を先鋭状に形成するとともに、先鋭部を入口部の近傍に位置させているため、入口部の近傍位置で複数条分の苗マットが1 条分の苗マット毎に振り分けられることとなり、隣接する苗マット同士が干渉することがなくなり、苗マットを各苗載置部に円滑に投入することができるものである。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0017】本発明に係る田植機1は、図1に示すように、自走可能に構成した走行機体2の後部に植付機体3を昇降機構4を介して昇降可能に連設している。
【0018】走行機体2は、図1に示すように、前後方向に伸延する機体フレーム5の下部に走行部6を配設する一方、機体フレーム5の前側上部に原動機部7を配設し、同原動機部7の後方位置に運転操作部8を配設している。
【0019】原動機部7は、図1に示すように、機体フレーム5の前側上部に原動機としてのエンジン(図示省略)を配設し、同エンジンの上部に燃料タンク(図示省略)を配設し、エンジンと燃料タンクとを機体フレーム5の前側上部に載設したボンネット9で被覆している。
【0020】走行部6は、図1に示すように、機体フレーム5の後方下部に、エンジンに連動連結したミッションケース10を配設し、同ミッションケース10の前側部にフロントアクスルケース11を配設し、同フロントアクスルケース11に左右一対の前車輪12,12 を連動連結する一方、ミッションケース10の後側部にリアアクスルケース13を配設し、同リアアクスルケース13に左右一対の後車輪14,14 を連動連結している。
【0021】運転操作部8は、原動機部7の直後方位置にハンドルコラム15を立設し、同ハンドルコラム15の上端部にハンドル16を回動自在に配設し、同ハンドル16の直後方位置に座席17を配設している。
【0022】また、走行機体2は、ボンネット9の左右側方位置と座席17の左右側方位置に施肥タンク18をそれぞれ配設しており、同施肥タンク18は、後述する植付機体3に設けた施肥用のノズル19にポンプ20を介して連動連結され、施肥タンク18の内部の肥料をノズル19を介して圃場21に噴出するようにしている。図中、22は連結パイプ、23は予備苗台である。
【0023】植付機体3は、図1及び図2に示すように、植付ミッションケース24に左右幅方向に伸延させた軸ケース25を連動連結し、同軸ケース25に前後方向に伸延させた10個のチェーンケース26の前端部を左右幅方向に間隔を開けて連動連結し、各チェーンケース26の右側方位置に、植付爪27を駆動するためのロータリーケース28を連動連結する一方、チェーンケース26の上部に苗載台29を前高後低の傾斜状に載設している。
【0024】ロータリーケース28は、従来の間隔(30cm又は33cm間隔)よりも狭い間隔(21cm間隔)として、従来よりも植付条間隔を狭くして、植付密度を高めるようにしている。
【0025】軸ケース25の右端部には、前記チェーンケース26と同等形状のチェーンケース26を取付けており、同右端に位置するチェーンケース26にはロータリーケース28を連動連結していない。
【0026】全てのチェーンケース26の後端部間には、連結フレーム30を架設しており、各ロータリーケース28を、左右のチェーンケース26,26 と軸ケース25と連結フレーム30とによって囲繞している。
【0027】このように、本実施例では、軸ケース25に左右幅方向に間隔を開けて連設したチェーンケース26の後部間に連結フレーム30を架設しているため、チェーンケース26に障害物が衝突しても軸ケース25とチェーンケース26との取付部分の変形を防止することができ、これによって、左右幅方向に隣接するチェーンケース26の間隔を一定に保持でき、従って、植付爪27を駆動するためのロータリーケース28の間隔を一定に保持することができて、圃場21に一定間隔で複数条の苗を植え付けることができる。
【0028】また、本実施例では、隣接するチェーンケース26,26 の間にロータリーケース28を配設して、ロータリーケース28を、左右のチェーンケース26,26 と軸ケース25と連結フレーム30とによって囲繞しているため、ロータリーケース28や植付爪27の周囲を左右のチェーンケース26,26 と軸ケース25と連結フレーム30とによって保護することができ、ロータリーケース28や植付爪27に障害物が衝突することがなくなり、ロータリーケース28や植付爪27の破損を防止することができる。
【0029】特に、軸ケース25の右端に位置するロータリーケース28の右側方位置に、軸ケース25に連動連結していないチェーンケース26を配設することにより、他のチェーンケース26と同等形状のチェーンケース26によって右端のロータリーケース28を保護するようにしているため、特別の部材を必要とせず、製造コストを低減することができるとともに、組立作業性を向上させることができる。
【0030】しかも、軸ケース25の右端に位置するチェーンケース26を除いた他のチェーンケース26に1 個のロータリーケース28をそれぞれ連動連結しているため、軸ケース25と植付爪27とを連動連結するための連動機構を簡単な構成にすることができ、植付機体3の組立作業性やメンテナンス性を良好なものとすることができる。
【0031】また、全てのチェーンケース26の右側方位置でチェーンケース26とロータリーケース28とを連動連結しているため、これによっても、軸ケース25と植付爪27とを連動連結するための連動機構を簡単な構成にすることができ、植付機体3の組立作業性やメンテナンス性を良好なものとすることができる。
【0032】苗載台29は、図2に示すように、上面に上下方向に伸延させた複数の仕切り体31を設けて、苗マット32を載置するための苗載置部33を左右幅方向に従来の間隔(30cm又は33cm間隔)よりも狭い間隔(21cm間隔)で10条分形成している。図中、34は苗マット32を縦方向に搬送するための苗送りベルト、35は苗マット押さえである。
【0033】また、載置台29は、図2及び図3に示すように、上端部に、苗マット32を投入するための苗投入部36を形成している。
【0034】苗投入部36は、底壁37の左右端縁に左右側壁38,39 を形成するとともに、底壁37の略中央部に平面視で略三角形状の振り分け部40を形成して、同振り分け部40の左右側方位置に、2条分の苗載置部33に連通する左右の連通路41,42 を形成している。図中、43は苗載台29と苗投入部36とを接続するためのボルトである。
【0035】また、苗投入部36は、上端部に、2条分の苗マット32を同時に投入できる入口幅を有する入口部44を形成する一方、下端部に、1条分の苗マット32を苗載置部33に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部45とを形成している。
【0036】そして、振り分け部40は、入口部44と出口部45との間で2条分の苗マット32を1 条分の苗マット32毎に振り分けるようにしている。
【0037】しかも、振り分け部40は、先鋭状に形成しており、先鋭部46を入口部44の近傍に位置させている。
【0038】そして、図3に示すように、中央に仕切り体を形成した育苗箱によって2 条分を同時に育苗した苗マット32,32 を苗マット取出具47で育苗箱から取り出し、苗マット取出具47の先端中央部に形成した切欠48を振り分け部40の先鋭部46に当接し、苗投入部36の入口部44から2 条分の苗マット32,32 を同時に投入すると、2条分の苗マット32,32 は振り分け部40によって左右に振り分けられ、各苗マット32は左右の連通路41,42 を通って苗載置部33にそれぞれ投入される。
【0039】このように、本実施例では、苗載台29の上端部に、苗マット32を投入するための苗投入部36を形成し、同苗投入部36は、苗マット32を載置するための複数条分の苗載置部33に連通するようにしているため、複数条分の苗マット32を同時に投入することができ、短時間でかつ容易に苗継ぎ作業を行うことができる。
【0040】しかも、複数条分の苗マット32を同時に投入できる入口幅を有する入口部44と、1条分の苗マット32を苗載置部33に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部45と、入口部44と出口部45との間で複数条分の苗マット32を1 条分の苗マット32毎に振り分けるための振り分け部40とを具備しているため、複数条分の苗マット32を1 条分の苗マット32毎に振り分ける作業が必要なくなり、より一層苗継ぎ作業を軽減することができる。
【0041】特に、振り分け部40を先鋭状に形成するとともに、先鋭部46を入口部44の近傍に位置させているため、入口部44の近傍位置で複数条分の苗マット32が1 条分の苗マット32毎に振り分けられることとなり、隣接する苗マット32同士が干渉することがなくなり、苗マット32を各苗載置部33に円滑に投入することができる。
【0042】また、植付機体3は、図1、図4〜図6に示すように、苗載台29の中央下方位置にセンターフロート49を配設し、同センターフロート49の左右側方位置に左右一対のサイドフロート50,50 をそれぞれ配設している。
【0043】各フロート49,50 は、チェーンケース26の基端下部に左右幅方向に伸延する支持パイプ51を取付け、同支持パイプ51に後方へ向けて伸延させた支持桿52の基端部を取付け、同支持桿52の先端部に平面視で略T字状のフロート本体53の後端部を上下回動自在に取付ける一方、チェーンケース26の基端上部とフロート本体53の前端部との間に付勢スプリング54を架設している。
【0044】また、センターフロート49には、左右一対の2 本の施肥用のノズル19を前高後低の傾斜状に取付け、一方、サイドフロート50には、4本の施肥用のノズル19を左右幅方向に間隔を開けて前高後低の傾斜状に取付けている。しかも、サイドフロート50は、図5に示すように、フロート本体53の前端部に規制ストッパー55の基端部を上下回動自在に取付け、同規制ストッパー55の先端部から基端部に向けて形成した長孔56に、チェーンケース26の基端上部に設けて付勢スプリング54の上端部を支持する支持体57を長孔56に沿って摺動自在に係入している。
【0045】このように、植付深さのセンサーとして機能するセンターフロート49には、従来と同様に2 本の施肥用のノズル19を配設し、重量の増加を防止してセンサーの感度を維持しつつ、その一方で、サイドフロート50には、従来よりも多くの4本の施肥用のノズル19を配設するとともに、付勢スプリング54によって従来よりも強い付勢力で付勢し、かつ、規制ストッパー55によってサイドフロート50が前下がり姿勢とならないようにしており、サイドフロート50の重量増加に起因しサイドフロート50の前方が沈み込むことによって生ずる泥押しを防止している。
【0046】また、サイドフロート50には、4条分の苗の植え付け幅よりも幅広の均平部58を形成している。
【0047】すなわち、均平部58は、サイドフロート50のフロート本体53の前側底部に左右幅方向に伸延させた平板状の均平板59を取付けている。図中、60は取付ブラケット、61は取付用のボルト・ナットである。
【0048】均平板59は、平面視において、前端縁62の長さを後端縁63の長さよりも短くするとともに、前端縁62の左右端部から左右端縁64,65 に後方へ向けて傾斜状の前側左右端縁66,67 を形成し、しかも、前側左右端縁66,67 から前端縁62を側面視において前高後低の傾斜状に屈曲させており、これにより、均平部58を、平面視で先細り状に形成するとともに、側面視で前高後低の傾斜状に形成し、更には、均平部58の左右端部に前述した施肥用のノズル19を位置させている。
【0049】このように、本実施例では、複数のフロート49,50 のうち少なくとも1 個のフロート50に、4条分の苗の植え付け幅よりも幅広の均平部58を形成しているため、フロート50の数を増加させずに圃場21を均平することができ、これによって機体の軽量化を図ることができる。
【0050】また、均平部58を、平面視で先細り状に形成するとともに、側面視で前高後低の傾斜状に形成しているため、フロート50の中央部から左右側方部に向けて圃場21の水を徐々に押し出すこととなり、圃場21の水の流動によって圃場21に植え付けた苗68を押し倒すことがなく、苗68の植付姿勢を良好なものとすることができる。
【0051】しかも、均平部58の左右端部に施肥用のノズル19を配設しているため、均平部58によってフロート50の左右側部に向けて押し出された水が、均平部58の後側の左右端部から中央部に向けて回り込んで流れても、ノズル19によって水流を遮ることとなり、これによっても、圃場21の水の流動によって圃場21に植え付けた苗68を押し倒すことがなく、苗68の植付姿勢を良好なものとすることができる。
【0052】本実施例において、田植機1は、図6に示すように、前車輪12,12 の輪距と後車輪14,14 の輪距とをほぼ同一とするとともに、後車輪14,14 の外側に2 本の同一外径の補助車輪69,70 をそれぞれ配設している。
【0053】すなわち、後車輪14の後車軸71に延長ボス72を取付け、同延長ボス72に内側の補助車輪69の延長車軸73を取付け、同内側の補助車輪69に連結車軸74を後車軸71と同軸状に取付け、同連結車軸74を外側の補助車輪70の連結ボス75に取付けている。図中、76はブラケットである。
【0054】そして、前車輪12、後車輪14及び補助車輪69,70 を、苗68の植付条77の間の略中央位置にそれぞれ配置し、しかも、前車輪12、後車輪14及び補助車輪69,70 の直後方位置に前述した均平部58を配設して、同均平部58によって各車輪12,14,69,70 の軌跡を均平するようにしている。
【0055】このように、本実施例では、補助車輪69,70 を設けることにより、圃場21での走行性を向上させている。
【0056】また、苗68の植付条77の間に前車輪12、後車輪14及び補助車輪69,70 を配置しているため、苗68を植え付ける位置と車輪12,14,69,70 の軌跡とが重なることはなく、苗68を植え付ける位置での圃場面が平坦状のままとなり、苗68の植付姿勢を良好なものとすることができる。
【0057】しかも、前車輪12、後車輪14及び補助車輪69,70 の直後方位置に均平部58を配設して、同均平部58によって各車輪12,14,69,70 の軌跡を均平するようにしているため、苗68を植え付ける位置での圃場面を平坦状にでき、これによっても、苗68の植付姿勢を良好なものとすることができる。
【0058】また、本実施例において、田植機1は、図7に示すように、従来と同等形状のフロントアクスルケース11の左右両端部と車軸ケース78,78 との間に左右一対の間座79,79 を配設して、前車輪12,12 の輪距を拡げている。
【0059】すなわち、フロントアクスルケース11の左右両端部に間座79の基端部を連設し、同間座79の先端部に車軸ケース78の内側上部を連設し、同車軸ケース78の外側下部に前車軸80を外側方へ向けて突設し、同前車軸80に前車輪12を取付けている。
【0060】そして、フロントアクスルケース11の内部で左右幅方向に伸延させた駆動軸81に、車軸ケース78の内部で上下方向に伸延させた連結軸82を連動連結し、同連結軸82に前車軸80を連動連結している。図中、83,84,85,86 はベベルギヤである。
【0061】このように、本実施例では、従来と同等形状のフロントアクスルケース11の左右両端部と車軸ケース78,78 との間に左右一対の間座79,79 を配設して、前車輪12,12 の輪距を拡げているため、従来のフロントアクスルケース11を流用することができて、田植機1の製造コストを低減することができる。
【0062】また、本実施例において、田植機1は、図8及び図9に示すように、植付機体3の下側左右側方位置に左右一対のマーカー装置87,87 を着脱自在に配設している。
【0063】すなわち、苗載台29の裏面に苗載台29に沿って上下方向に伸延させた支持体88を取付け、同支持体88の下端部に、マーカー装置87の使用時にマーカー装置87を装着するための使用時連結体89と、マーカー装置87の収納時にマーカー装置87を装着するための収納時連結体90とを上下に間隔を開けるとともに収納時連結体90を使用時連結体89よりも内側方位置にそれぞれ取付け、各連結体89,90 にマーカー装置87を着脱自在に取付けられるようにしている。
【0064】マーカー装置87は、左右幅方向に伸延させたマーカー支持体91の先端部に、左右幅方向に伸延させたマーカー本体92を上下回動自在に取付け、同マーカー本体92の先端部に二股形状のマーカー93を下方へ向けて取付けており、マーカー本体92の基端部にマーカー跳ね上げ用ワイヤー94を連設して、同マーカー跳ね上げ用ワイヤー94を引張することによりマーカー本体92を上方へ向けて跳ね上げて収納姿勢とすることができるようにしている。図中、95は跳ね上げ姿勢ロック用フック、96はロック解除用ワイヤー、97はロック部材、98,99 は付勢スプリングである。
【0065】そして、各連結体89,90 にマーカー装置87のマーカー支持体91の基端部を取付ネジ100 で取付けるようにしている。図中、101 は各連結体89,90 に突設した取付ボルトである。
【0066】本実施例では、収納時連結体90を使用時連結体89よりも内側方位置に設けているため、図9に示すように、使用時連結体89にマーカー装置87を装着した場合よりも収納時連結体90にマーカー装置87を装着した場合の方がマーカー支持体91の先端部が機体の内側方に位置することとなり、機体の左右幅を小さくすることができ、これによって、機体の収納スペースを小さくすることができる。
【0067】図10は、他実施例としてのマーカー装置87を示しており、本実施例では、マーカー本体92の先端部に第1マーカー102 と第2マーカー103 とを左右に間隔を開けて取付けている。
【0068】第1マーカー102 は、2本の直線部からなる二股形状とする一方、第2マーカー103 は、1本の直線部からなる直線形状として、それぞれの形状を異ならせて、圃場21に形成されるマーカー軌跡104,105 が異なるようにしている。
【0069】そして、図11に示すように、植付作業時に、第2マーカー103 によって形成されたマーカー軌跡105 に沿って次工程を行った場合には、苗68の植付条77の間隔L1よりも各工程間での間隔L2が広くなるようにし、一方、第1マーカー102 によって形成されたマーカー軌跡104 に沿って次工程を行った場合には、苗68の植付条77の間隔L1と各工程間での間隔L2とが同一となるようにしている。
【0070】これにより、植付作業時に、第2マーカー103 によって形成されたマーカー軌跡105 に沿って次工程を行うことにより、苗68の植付条77の間隔L1よりも各工程間での間隔L2を広くして、防除や排水のための溝を形成できるようにしている。
【0071】その際に、第1マーカー102 によって形成されるマーカー軌跡104 と第2マーカー103 によって形成されるマーカー軌跡105 とを異なる形状としているため、作業者がいずれのマーカー軌跡104,105 であるかを容易に判別することができる。
【0072】図12〜図14は、他実施例としてのマーカー装置87を示しており、本実施例では、マーカー本体92の先端部に第1マーカー106 を前後回動自在に取付け、同第1マーカー106 の外側方位置に1本の直線部からなる第2マーカー107 を取付けている。
【0073】第1マーカー106 は、車輪状のマーカー本体108 の外周面にフック状の突起109 を周方向に間隔を開けて取付けており、図12に示すように、点線状のマーカー軌跡110 を圃場21に形成するようにしている。図中、111 は第2マーカー107 によって形成されるマーカー軌跡である。
【0074】昇降機構4は、図1に示すように、前後方向に伸延するトップリンク112 と左右一対のロワリンク113,113 と昇降用シリンダ(図示省略)とを具備して、植付機体3を昇降自在に連結している。
【0075】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0076】(1)本発明では、走行機体の後部に植付機体を昇降可能に配設し、同植付機体は、前高後低の傾斜状の苗載台を具備してなる田植機において、苗載台の上端部に、苗マットを投入するための苗投入部を形成し、同苗投入部は、苗マットを載置するための複数条分の苗載置部に連通するようにしているため、複数条分の苗マットを同時に投入することができ、短時間でかつ容易に苗継ぎ作業を行うことができる。
【0077】(2)本発明では、苗投入部が、複数条分の苗マットを同時に投入できる入口幅を有する入口部と、1条分の苗マットを苗載置部に向けて排出する出口幅を有する複数の出口部と、入口部と出口部との間で複数条分の苗マットを1 条分の苗マット毎に振り分けるための振り分け部とを具備しているため、複数条分の苗マットを1 条分の苗マット毎に振り分ける作業が必要なくなり、より一層苗継ぎ作業を軽減することができる。
【0078】(3)本発明では、振り分け部を先鋭状に形成するとともに、先鋭部を入口部の近傍に位置させているため、入口部の近傍位置で複数条分の苗マットが1 条分の苗マット毎に振り分けられることとなり、隣接する苗マット同士が干渉することがなくなり、苗マットを各苗載置部に円滑に投入することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2001−69827(P2001−69827A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−246455