トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】青木 荘吾

【要約】 【課題】田植機のセンターフロート前端が、走行機体から後方へ突出した突出部材と干渉しないようにすること。

【解決手段】走行機体(2) の後部に、センターフロート(55)及びサイドフロート(56)を具備する植付機(3) を昇降可能に配設した田植機において、前記センターフロート(55)の前端形状を、走行機体(2) から後方へ突出した突出部材後端形状に対応させて、突出部材との干渉を回避した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行機体(2) の後部に、センターフロート(55)及びサイドフロート(56)を具備する植付機(3) を昇降可能に配設した田植機において、前記センターフロート(55)の前端形状を、走行機体(2) から後方へ突出した突出部材後端形状に対応させて、突出部材との干渉を回避したことを特徴とする田植機。
【請求項2】走行機体(2) の後部に、センターフロート(55)及びサイドフロート(56)を具備する植付機(3) を昇降可能に配設した田植機において、センターフロート(55)の前端の回動軌跡が、走行機体(2) から後方へ突出した突出部材後端と側面視で重合することを特徴とする田植機。
【請求項3】突出部材がミッションケース(71)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自走式の田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、植付爪及びフロートを設けた植付フレームを備えた植付機を、自走可能な走行機体の後部に昇降リンク機構を介して昇降可能に配設した自走式の田植機があった。
【0003】走行機体は、機体フレームの下部に前後車輪や連動機構等からなる走行部を配設するとともに、機体フレームの前部にエンジンやミッションケース等からなる原動機部を配設し、同原動機部に前記走行部を連動連結した構成としていた。
【0004】一方、植付機の植付フレームは、昇降リンク機構の後下部に配設されており、同植付フレームに、ミッションケースからの動力を入力する入力軸を設け、同入力軸から植付爪へ動力を伝達可能とするとともに、植付フレームの下方には、耕盤の凹凸による走行機体の浮沈変動を検出する大型のセンターフロートと、その左右に配したサイドフロートを具備する構成としたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の田植機では、走行機体の後方にはミッションケースが突出している構造が一般的なので、センターフロートは、その先端がミッションケース後端よりも後方に位置するように配設せざるをえなかった。
【0006】したがって、植付機自体をより走行機体側に近づけようとしても限界があり、田植機をコンパクト化するため全長を短くすることや、前後バランスの改善を図ることが困難となっていた。
【0007】本発明は、上記課題を解決することのできる田植機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の本発明では、走行機体の後部に、センターフロート及びサイドフロートを具備する植付機を昇降可能に配設した田植機において、前記センターフロートの前端形状を、走行機体から後方へ突出した突出部材後端形状に対応させて、突出部材との干渉を回避した。したがって、植付機を前側に寄せることができ、全長を短くしてコンパクト化することができるとともに、前後バランスの改善が図れる。
【0009】また、請求項2記載の本発明では、走行機体の後部に、センターフロート及びサイドフロートを具備する植付機を昇降可能に配設した田植機において、センターフロートの前端の回動軌跡が、走行機体から後方へ突出した突出部材後端と側面視で重合することとした。したがって、植付機を前側に寄せることができ、全長を短くしてコンパクト化することができるとともに、前後バランスの改善が図れる。
【0010】また、請求項3記載の本発明では、突出部材がミッションケースであることとした。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、走行機体の後部に、センターフロート及びサイドフロートを具備する植付機を昇降可能に配設した田植機において、前記センターフロートの前端形状を、走行機体から後方へ突出した突出部材後端形状に対応させて、突出部材との干渉を回避したものである。
【0012】すなわち、植付機には、耕盤の凹凸による走行機体の浮沈変動を検出できるようにした大型のセンターフロートを設けているが、このセンターフロートの前端側には、走行機体の突出部材、具体的にはミッションケースやリヤアクスルケースが位置している。
【0013】そこで、センターフロートの前端形状を、前記ケース等の後端形状に対応させて、たとえばケース等の後端形状よりも大きな略相似形状の凹部をセンターフロート前端に形成し、互いに干渉しないようにしたものである。
【0014】かかる構成とすれば、側面視においては、センターフロートの前端の回動軌跡が、側面視で突出部材後端と重合することになる。
【0015】また、センターフロート前端に設けた凹部はミッションケースやリヤアクスルケースの後端形状と必ずしも略相似形状でなくてもよく、ケース後端を内包状態にできる凹部が形成されていればよい。
【0016】以上説明した構成とすることにより、植付機を走行機体側に寄せることができるので、自走式田植機の前後バランスの改善を図ることが容易になるとともに、全長を短くしてコンパクトな田植機を提供することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は本実施例にかかる田植機の全体側面図、図2は同植付機の説明図、図3は同要部の平面視による説明図である。
【0019】本実施例に係る田植機1は、図示するように、自走可能に構成した走行機体2の後部に植付機3を昇降機構4を介して昇降可能に連設している。
【0020】走行機体2は、機体フレーム5の下部に走行部6を配設するとともに、機体フレーム5の前側上部に原動機部7を配設し、同原動機部7の後方位置に運転操作部8を配設している。80は機体の中央を示す中央標示杆である。
【0021】機体フレーム5は、拡開した前部から漸次幅狭にし、所定幅で後方向に向けて伸延させるとともに、後部を上方へ向けて折曲した左右一対のメインパイプ9,9と、同メインパイプ9,9 の前端部間に架設したバンパ構成パイプ50とから平面視で略コ字状に形成したメインフレーム構成体10と、メインパイプ9,9 の後端部に連設する前高後低の傾斜状に伸延させた左右一対のセンターフレーム11,11 とから背面視で略門型に形成した後部フレーム構成体12とから構成している。
【0022】原動機部7は、機体フレーム5のメインフレーム構成体10の前側上部に、エンジン70を配設するとともに、機体フレーム5のメインフレーム構成体10の中途下部に、変速機としてのミッションケース71を配設し、エンジン70とミッションケース71とを連動連結している。図1中、13は燃料タンクである。
【0023】走行部6は、ミッションケース71の左右側部に、左右一対の前車輪14,14 を、ミッションケース71の前側に設けた前側アクスル部15を介して連動連結するとともに、ミッションケース71の後側に設けた後側アクスル部16を介して左右一対の後車輪17,17 を連動連結している。
【0024】運転操作部8は、機体フレーム5の前側に設けた操作台18からステアリングコラム19を立設し、同コラム19の上端にステアリングホイール20を回動自在に配設している。そして、同ステアリングホイール20の直後方位置に座席81を配設している。なお、前記操作台18には、ステアリングコラム19を挟むようにして、図示しないが変速レバーやアクセルレバー等の各種操作部材を配設している。
【0025】昇降機構4は、後述する植付機3に設けた支持体21の左右基端部と機体フレーム5のセンターフレーム11,11 の中途部との間に左右一対の下側支持桿22,22 をそれぞれ上下回動自在に取付けるとともに、前記支持体21の中途部とセンターフレーム11,11 の上部との間に左右一対の上側支持桿23,23 をそれぞれ上下回動自在に取付けて、上側支持桿23,23 と下側支持桿22,22 とで平行リンクを構成し、さらに、同下側支持桿22,22 の前端部に、クランク桿24,24 の基端部を連設して、同クランク桿24,24 の先端部とメインパイプ9,9 間に架設した補強用連結パイプ(図示せず)との間に油圧式の昇降シリンダー(図示せず)を配設し、同昇降シリンダーの先端部にクランク桿24,24 の先端部を連動連結している。
【0026】そして、昇降シリンダーを伸張させることにより、植付機3を降下させるとともに、昇降シリンダーを短縮させることにより、植付機3を上昇させるように構成している。
【0027】植付機3は、図1及び図2に示すように、前記昇降機構4の後部に連結した支持体21の下部に、後端部に植付爪30を設けるとともに、上部に、左右横方向に往復動可能とした苗載台26を前高後低の傾斜状に載設した植付フレーム25を取付けている。
【0028】かかる植付フレーム25は、図1〜図3に示すように、左右幅方向に伸延させた円筒状の前側支持用の横パイプ28に、後方に向けて伸延する3本の縦パイプ29を左右幅方向に間隔をあけて一体的に連設して、略櫛型のパイプフレーム構造となすとともに、中央の縦パイプ29内に、ミッションケース71からの動力を植付機3内に入力する入力軸31としての植付連動軸を配設し、他の各パイプ28,29 内に、入力軸31を介して、縦パイプ29の後端に設けた植付爪30に動力を伝達する植付連動軸(図示せず)を回動自在に配設している。なお、上記のように動力を伝達させるために、各植付連動軸の端部には、それぞれベベルギヤを設けている。
【0029】ところで、便宜上、中央の縦パイプ29と表したが、この縦パイプ29は、図3からも明らかなように、実際は、走行機体2の中央に配設したミッションケース71よりも機体幅方向の一側、ここでは、進行方向右側に寄せて配置している。
【0030】また、ミッションケース71から入力軸31へ動力を伝達させるために、図1に示すように、ミッションケース71から直後方へ水平に延出させた出力軸61の後端にPTO出力軸72の先端を連結するとともに、同PTO出力軸72の後端を中間軸62と連結し、さらに、同中間軸62の後端と入力軸31の先端31a とを、植付伝動軸73を介して連結する構成としている。63は中間軸62を収納配設する筒状ケーシングであり、走行機体2の一部を構成するセンターフレーム11に設けている。
【0031】なお、前記PTO出力軸72及び植付伝動軸73は、その前後端部にユニバーサルジョイント72a,73a を設け、さらに、植付伝動軸73は、前端側のスプライン軸73b と後端側の連動パイプ73c とをスプライン嵌合させて前後方向に向けて伸縮自在としている。
【0032】かかる構成とすることにより、植付伝動軸73を、ミッションケース71の出力軸61と植付フレーム25の入力軸31との位置に制約されることなく、しかも、後述するセンターフロート55に干渉しないように配設することができる。また、植付伝動軸73の両端に設けるユニバーサルジョイント73a の作動角度を小さくできるので、植付伝動軸73の耐久性も向上させることができる。さらに、中間軸62を筒状ケーシング63内に収納配設したことで、取付構造もきわめて簡単となる。
【0033】また、植付フレーム25の下方中央に、耕盤の凹凸による走行機体2の浮沈変動を検出可能とした大型のセンターフロート55を配設しており、さらに、その左右には、それぞれ小型のサブフロート56,56 を配設している。60は植付深さ検出アームである。
【0034】センターフロート55及びサブフロート56,56 は、図2に示すように、植付フレーム25の下部に横架された連結パイプ59に植付深さアーム58を介して連設されており、連結パイプ59に先端を連結した植付深さアーム58の基端を、センターフロート55の後部に設けた連結部57に枢支連結した構成としている。
【0035】そして、前記連結パイプ59に、図示しない植付深さ調節アームを連設するとともに、走行機体2側に伸延させ、同植付深さ調節アームの先端側の高さ位置を変更することでセンターフロート55の前側の浮き上がり量を調節し、植付深さを調節可能としている。
【0036】本実施例における本発明の特徴となるのは、上記した構成において、センターフロート55の前端形状を、走行機体2から後方へ突出した突出部材であるミッションケース71の後端形状に対応させ、同ミッションケース71後端部分との干渉を回避したことにある。
【0037】すなわち、本実施例では、図3に示すように、センターフロート55の前端側にミッションケース71の後端形状よりも大きな略相似形状の凹部55a を形成し、同凹部55a 内にミッションケース71の後端部分が位置するようにして、図2に示すように、側面視においては、センターフロート55の前端の回動軌跡aがミッションケース71の後端と重合するようにして、センターフロート55とミッションケース71とが互いに干渉しないようにしている。
【0038】したがって、植付機3を走行機体2側に寄せることができ、田植機1の前後バランスの改善を図ることが容易になるとともに、全長を短くしてコンパクト化することができる。
【0039】なお、センターフロート55の前端に設けた凹部55a は、ミッションケース71などの走行機体2から後方へ突出した突出部材(例えばリヤアクスルケースなどがある)の後端形状と必ずしも略相似形状でなくてもよく、ミッションケース71などの後端部分を内包状態にできる凹部が形成されていればよい。
【0040】ところで、本実施例に係る田植機1は、図3に示すように、左側及び中央の縦パイプ29の終端左右に2個の植付爪30を、右側に位置する縦パイプ29の終端外側には1個の植付爪30を取付けて5条植可能としているが、この右側の縦パイプ29にもう1個の植付爪30を取付ければ6条植えとすることもできる。さらに、植付フレーム25の複数の縦パイプ29を増設することにより、8条植えとしたり、あるいは条数をさらに増加させることもできる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】(1)請求項1記載の本発明では、走行機体の後部に、センターフロート及びサイドフロートを具備する植付機を昇降可能に配設した田植機において、前記センターフロートの前端形状を、走行機体から後方へ突出した突出部材後端形状に対応させて、突出部材との干渉を回避したことにより、植付機を前側に寄せて全長を短くし、コンパクト化することができるとともに、田植機の前後バランスの改善を図ることができる。
【0043】(2)請求項2記載の本発明では、走行機体の後部に、センターフロート及びサイドフロートを具備する植付機を昇降可能に配設した田植機において、センターフロートの前端の回動軌跡が、走行機体から後方へ突出した突出部材後端と側面視で重合することとしたことにより、植付機を前側に寄せて全長を短くし、コンパクト化することができるとともに、田植機の前後バランスの改善が図れる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2001−69823(P2001−69823A)
【公開日】 平成13年3月21日(2001.3.21)
【出願番号】 特願平11−245408