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【発明の名称】 堆肥搬送作業機
【発明者】 【氏名】熊谷俊夫

【要約】 【課題】可撓性の空気搬送管の内径をほぼ50mm程度にし、かつ、堆肥がばらけた状態で均一に空気流に乗せられて可撓管の底から少し浮いた状態で搬送されるように、堆肥の空気搬送機構を工夫すること。

【解決手段】堆肥ホッパーの底部に撹拌用オーガーを設け、さらにその下方にスクリューコンベアを設け、上記堆肥ホッパーの堆肥排出口と堆肥・空気流の混合室の堆肥導入口との間にロータリーバルブを介在させ、上記混合室にブロアーから流入した空気流がほぼ直線的に同混合室を通過して空気出口から流出するように上記混合室の空気出入口を配置し、上記混合室にほぼ垂直方向に堆肥が落下するように上記堆肥導入口を設け、当該堆肥導入口の上方に上記ロータリーバルブを設け、空気搬送用の可撓管を螺旋線材で補強した内径40〜60mmの螺旋線材で補強したプラスチック製可撓管とし、これを上記堆肥・空気流の混合室の出口に着脱自在に接続し、上記可撓管内の空気流速を秒速25m以上〜45m未満としたこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】堆肥ホッパーの底部に撹拌用オーガーを設け、さらにその下方にスクリューコンベアを設け、上記ホッパーの堆肥排出口と堆肥・空気流の混合室の堆肥導入口との間にロータリーバルブを介在させ、堆肥・空気の混合室へブロアーから流入した空気流がほぼ直線的に同混合室を通過して空気出口から流出するように上記混合室の空気出入口を配置し、上記混合室にほぼ垂直方向に堆肥が落下するように上記堆肥導入口を設け、当該堆肥導入口の上方に上記ロータリーバルブを設け、空気搬送用の可撓管を内径40〜60mmの螺旋線材で補強したプラスチック製可撓管とし、これを上記混合室の出口に着脱自在に接続し、上記可撓管内の空気流速を秒速25m以上〜45m未満とした堆肥搬送作業機。
【請求項2】上記螺旋線材を硬質ポリ塩化ビニール製線材とし、上記プラスチックを軟質ポリ塩化ビニール製の可撓管とした請求項1の堆肥搬送作業機。
【請求項3】上記ブロアーをルーツタイプロータリーブロアと電動モーターとをユニット化した電動ブロアユニットとした請求項1の堆肥搬送作業機。
【請求項4】上記ルーツタイプロータリーブロアをヘリカルルーツタイプロータリーブロアとした請求項3の堆肥搬送作業機。
【請求項5】上記ホッパー、上記電動ブロアユニット、ディーゼル発電機を単一のフレームに固定してユニット化した請求項3または請求項4の堆肥搬送作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、堆肥を高速空気流を使って搬送する堆肥搬送作業機に関するものであり、農地の高低差、傾斜度の大小の如何、また、果樹などの樹木の繁茂の程度の如何に関わらず、目的とするところに簡単容易、かつ迅速に堆肥を搬送、散布することができ、さらには、人力による堆肥の搬入、散布が困難なところへも簡単容易に堆肥を搬入し、かつ施肥することができるものであり、この堆肥搬送作業機の活用によって、農作業者を堆肥の運搬、施肥の重労働から解放できるとともに、堆肥の利用を一層促進することができ、したがって、農作物の生産コストを低減でき、さらに堆肥による農地の肥沃化を容易に促進することができるものである。
【0002】
【従来の技術】堆肥の運搬及びその施肥作業の能率化、簡便化を図るために様々な堆肥運搬作業機が開発され、実用化されている。しかし、これらはいずれも、堆肥を運搬し、堆肥を撒き散らす自走式専用機であったり、あるいは農耕用トラクタの3点リンクに連結した堆肥運搬用アタッチメントであり、大型の自走車を施肥目的地に乗り入れて、比較的平坦な農地に堆肥を搬入し、あるいは当該農地を自走させながら堆肥を撒き散らして施肥するものである。これらの従来の堆肥運搬作業機は田畑にこれを乗り入れ、あるいは田畑内を自走させて運搬し、施肥を行うものであるので、急傾斜の農地や段々田畑などには適さず、田畑に近いところまで堆肥を運搬することはできるが、その先は一輪車などによる人力作業による他はない。急傾斜地に開かれた田畑、果樹園などにおいては一輪車の使用もままならないので、堆肥を目的地まで運び込んでこれを個々の作物に施すのは相当の重労働である。このため人手不足や高齢化が深刻な今日においては、急傾斜の農地や段々田畑の作物に堆肥を施するのはほとんど不可能になっており、上記のような立地条件下にある果樹園、田畑には堆肥を導入することができず、したがって化学肥料に頼らざるを得ない。他方近年は、堆肥は堆肥製造プラントで一括して大量生産され、数キロ単位の袋詰めにし、あるいはばらで販売されている。堆肥製造プラントで製造された堆肥は、細かく裁断、粉砕された原料を用いるため品質がほぼ一定で、含水率または比重がほぼ一定(比重は約0.5)であって、取扱も楽で、施肥効果も高く、安価である。また、堆肥の導入によって農作物の病虫害に対する抵抗力が増大され、また農産物の味、品質が向上するなどの効果が顕著であることは常識であるから、堆肥を積極的に導入することを希望しつつも、上記のような立地条件下の果樹園や田畑については、堆肥の導入を諦めざるを得ないのが現状である。以上のことから、大型の堆肥運搬車が入り込める位置から個々の作物の根元までの長距離を簡単、容易に堆肥を搬送し、施肥することができる堆肥搬送作業機の開発が期待されており、このような施肥作業機が開発されれば堆肥の利用は飛躍的に促進される。
【0003】
【解決しようとする課題】この発明の着想は、堆肥をプラスチック製の小径の可撓管を使って長い距離(例えば100〜200m)を空気搬送することであるが、堆肥は比重が0.5程度であって比較的重く、また、幾分粘着性があって魂になりがちであるので可撓管の底に滞留しやすく、そうなると可撓管内の空気流が阻害されて流速が低下し、堆肥搬送は不能になる。これをスムーズに空気搬送するには、堆肥をばらけた状態で均一に空気流に乗せ、可撓管の管底に滞留して空気の流れ(高速流)を阻害することがないようにすることが必要である。また、可撓管の直径を大きくし、搬送空気流量を増大させれば上記の問題は解消されるが、可撓管の引き回しながら施肥作業をするには、可撓管の径はなるべく小さい方が望ましい。また、管内空気流速が速ければ堆肥の管内搬送はスムーズである(所要搬送空気量が大であり、そのためのブロアーの容量は大きくなるとしても)が、可撓管の先端を作業者が把持してこれを個々の作物の根元に向けて排出される堆肥を個々の作物の根元に集中的に体積させる(施肥する)には、余り空気流速が速いと可撓管の先端にかかる反力が大きく、作業者に負担がかかる上に、可撓管の先端から堆肥が広範囲に飛び散ってしまうで、空気流速に限度がある。
【0004】そこで、この発明は、可撓性の空気搬送管の内径をほぼ50mm程度にし、かつ、堆肥がばらけた状態で均一に空気流に乗せられて可撓管の底から少し浮いた状態で搬送されるように、堆肥の空気搬送機構を工夫することをその課題とするものである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】上記課題解決のために講じた手段は、次ぎの要素(イ)〜(ヘ)によって構成されるものである。
(イ)堆肥ホッパーの底部に撹拌用オーガーを設け、さらにその下方にスクリューコンベアを設けたこと、(ロ)上記堆肥ホッパーの堆肥排出口と堆肥・空気流の混合室の堆肥導入口との間にロータリーバルブを介在させたこと、(ハ)上記混合室にブロアーから流入した空気流がほぼ直線的に同混合室を通過して空気出口から流出するように上記混合室の空気出入口を配置したこと、(ニ)上記混合室にほぼ垂直方向に堆肥が落下するように上記堆肥導入口を設け、当該堆肥導入口の上方に上記ロータリーバルブを設けたこと、(ホ)空気搬送用の可撓管を螺旋線材で補強した内径40〜60mmの螺旋線材で補強したプラスチック製可撓管とし、これを上記堆肥・空気流の混合室の出口に着脱自在に接続したこと、(ヘ)上記可撓管内の空気流速を秒速25m以上〜45m未満としたこと。
【0006】
【作用】堆肥ホッパー内に投入された堆肥はホッパーの底部に設けた撹拌用オーガーによって撹拌され、大方の魂が破砕されてほぼばらばらにされた状態で、その下方のスクリューコンベアに落とされる。スクリューコンベアに落とされた堆肥はスクリューコンベアで撹拌されながらホッパーの排出口に送られる。ホッパー排出口と上記混合室の堆肥導入口との間にはロータリーバルブが介在していて、上記排出口からの堆肥を計量して上記混合室に定常的に連続して供給する。このように、撹拌用オーガー及びスクリューコンベアーで撹拌されて砕かれた堆肥がロータリーバルブに入り、計量されて上記混合室へ供給され、当該混合室で高速の空気流に乗せられ、そのまま上記可撓管内に送り込まれる。可撓管内に流れ込んだ堆肥は、管内空気流が秒速25m〜45mの高速空気流であるので、可撓管の底面から少し浮いた層状の流れとなって搬送される。堆肥の流れ層と可撓管の底面との間に薄い空気層が介在するので、堆肥の流れに対する管内摩擦抵抗は極めて小さく、したがって、堆肥は高速空気流に乗ってスムーズに搬送される。管内空気流の中で堆肥が層状をなして管底から少し浮いた状態で流れる(図4(a)参照)のは確かな事実である。なぜ管底から少し浮いて層状をなして流れるかの理由についは必ずしも定かでないが、管内の空気流速の分布が図3に示すように中心部が最大、管壁面が最小であって、半径方向位置によって流速に差がある。この流速差のために堆肥に浮力が作用し、こ浮力と堆肥層の重さ(空気の重さとの差)とが見合う半径方向位置で層状になって流れるものと推測される。このことは、堆肥の湿度が高くて比重0.7以上であると、同じ空気流速では管底を滑って流れるようになり、管内面による摩擦抵抗のために堆肥の流れが遅くなり、その結果、管底にたちまち積って管内流れが悪くなり、その先の空気流速が低下するので堆肥搬送能力が大きく低下してしまう。このことからも上記の推測は概ね当たっているものと考えられる。
【0007】上記のロータリーバルブは上記混合室からホッパーへの圧縮空気の吹き抜けを阻止する逆流防止機能(ホッパー内に空気が吹き抜けると堆肥の混合室への落下がスムーズでなく、また、可撓管が小径で長いために空気抵抗が大きく、上記混合室内の空気圧は大気圧に比して高圧であるので、混合室内の空気がホッパーへ吹き上げてしまい、その結果管内空気流速を上げることができない)と、堆肥を堆肥・空気流の混合室に間断なく定量供給する計量機能との両機能を果たす(自然落下にまかせて供給すると、ひと塊になって上記混合室に落下し、そのまま可撓管内に送り込まれ、その結果その塊が管の底部に付着し、これにさらに後続の堆肥が次々と付着して管路を狭め、その先において管内空気流速が低下し、管の底に堆肥がたちまち積って堆肥搬送能力が著しく低下することになる)。ロータリーバルブの回転に伴って堆肥導入口の開閉を繰り返すが、開き始めから全開までの間にばらけた堆肥が上記混合室にほぼ一様の速さで供給されるので、堆肥が混合室内で高速空気流にスムーズに乗せられ、そのまま混合室から上記可撓管に高速で送り込まれる。
【0008】可撓管内では、堆肥はその比重が0.5程度であって比較的重いので可撓管の底に沈む傾向があるが、可撓管の底内面に沿った空気層も高速で流れているので、堆肥は可撓管の底面に付着することはなく、可撓管の底面から少し浮いた層状になって(図4(a)参照)高速で搬送される。管内空気流の平均流速が毎秒35mのときの可撓管先端にかかる反動力は約0.5Kg程度にすぎない〔可撓管は地面に支えられているので、反力の一部が地面で支えられる。図4(b)参照〕から、内径40〜60mmの可撓管の先端を把持して堆肥施肥作業を楽に行うことができる。また、管端から吹き出された堆肥は2〜3mほど飛んで着地し、また広範囲に飛散することはないので、堆肥を作物の根元の必要な箇所に集中して体積させることができる。可撓管は内径40〜60mmの螺旋線材で補強したプラスチック製管であるから、これを目的とする場所まで引っ張ってゆくのも、また果樹の間を縫うように引き回すのも比較的容易であり、このように引き回しても可撓管は螺旋線材で補強されているので、局部的に潰れて空気の流れが絞られることはなく、したがって、曲げられた部分でも空気が高速でスムーズに流れ、堆肥がスムーズに搬送される。
【0009】なお、上記の「ロータリーバルブ」による堆肥の計量は、ほぼ一定の割合で定常的、連続的に間断なく堆肥を上記混合室に供給することを意味するのであって、「ロータリーバルブ」によって定量的に厳密に計量することを意味するものではない。
【0010】
【実施態様】上記の補強螺旋線材を硬質ポリ塩化ビニール線材とし、上記プラスチックを軟質ポリ塩化ビニール製の可撓管としたこと。
【作用】堆肥空気搬送用のプラスチック管の必要な強度を確保しつつ、当該プラスチック管を可及的に軽量にすることができ、したがって、長い堆肥空気搬送用のプラスチック管の取扱いを容易にすることができ、また、当該プラスチック管の価格を低減することができる。
【0011】
【実施例】電動モーターによって駆動されるブロアーはその風量調整が容易であり、また、市販の電動ブロアー(ブロアーと電動モータとをユニット化したもの)を利用できるので、この実施例では市販の電動ブロアー1を用いている。また、果樹園など商用電源が設けられている農場もあるが、商用電源が設けられている場所が限られているので、この実施例では市販のディーゼル発電機3を電源としている。また、この実施例は、硬質ポリ塩化ビニール製の螺旋線材wで補強した軟質ポリ塩化ビニール製の可撓管4(内径d:50mm。市販の「サクションホース」と称されるもの)を用いており、堆肥の毎分搬送量を30Kg以上とし、ブロアーを出力7.5KW/時の電動モーターで駆動して、その可撓管の空気流速をほぼ毎秒35mにしている。デイーゼル発電機3の出力は、ブロアー1の電動モータの容量よりも少し余裕をもったものであればよいが、この実施例は13馬力のエンジンによる市販のディーゼル発電機3を用いている。また、この実施例のロータリーバルブ5は、6つの回転ブレードを持つ回転弁体5aを備えているもので、6つの回転ブレードによって6つの計量室mを形成している。この回転弁体5aは、電動モーター7で毎分40回転の速度で駆動され、その一回転で間欠的に6回堆肥を計量して混合室(堆肥・空気流の混合室)6に供給する。スクリューコンベア12による送り量がロータリーバルブ5の計量量よりも大きいときは、スクリューコンベア12とロータリーバルブ5との間で堆肥がプレスされるので、このことを避けるため、スクリューコンベア12による送り量がロータリーバルブ5の計量量を越えない範囲でスクリューコンベア12の回転速度が規制され、このスクリューコンベア12の回転速度を増減することによって、上記混合室6に供給される堆肥の量が増減される。堆肥の比重の大小、可撓管の曲りの管路抵抗の大小などによって堆肥の管内流れが影響されるが、堆肥の比重の大小、可撓管の曲りの大小による堆肥の管内流れの変動に対応するために、スクリューコンベア12の回転速度を調整してその供給量を加減する。
【0012】さらに、ホッパー10の容量は3立方メートルであり、比重0.5の堆肥約1.5tを収容することができる。このホッパー10内に撹拌用のオーガー11があり、当該オーガー11が常時回転してホッパー下部の堆肥を撹拌し、堆肥の塊を破砕するとともに、ホーパー下端における堆肥のブリッジを防止している。このオーガー11の回転速度は毎分10回転程度でよく、それ以上高速で回転させても効果はない。堆肥は、図4に模式的に示すように可撓管4の底面から少し浮いた層状をなして可撓管4内を流れるが、可撓管4の出口端部の近傍においては可撓管4内の空気流速度が極めて高速(ほぼ秒速35m)であって大きな外気の抵抗を受けるので、管内空気流が乱れ、上下、左右に広がりながら外気に放出される。しかし、それでも堆肥は前後左右に大きく飛散することはなく、纏まりをもった状態で放出される。
【0013】
【ホッパー等の機器の配置例及びユニット化】次いで、この発明の堆肥搬送作業機をユニット化したもの各機器の配置を図5を参照して説明する。フレームFのほぼ中央にホッパー10を配置し、ホッパー10の右方にディーゼル発電機3を配置してあり、ホッパー10の一方の端壁から発電機の上方空間に突設した支持台51にオーガー11の駆動モーター14を固定している。なお、駆動モーター14によってチェンを介してオーガー11を駆動する。ホッパー10の一方の側部下方に、ブロアー1(この例ではヘリカルルーツタイプロータリーブロアと駆動モーターとのユニット)、スクリューコンベアの駆動モーター13(減速機付きモーター)をホッパー10に沿うようにして配置してある。ホッパー10の他方の端壁の外下方に設けた排出口10aにロータリーバルブ5と駆動モーター7とのユニットを接続してあり、このロータリーバルブ5の下に堆肥・空気混合室6を設けている。このロータリーバルブも市販のものであり、毎分回転速度60rpm、最大容量毎時19.1立方メートルのものを用いている。また、堆肥・空気混合室6の空気導入口とブロアー1の空気出口管とを円弧状の配管1aで接続している。堆肥・空気混合室6の出口管6aは迅速継ぎ手を備えていて、これに可撓管4の継ぎ手が接続される。堆肥の排出口10aの天板は、着脱自在な透明プラスチック板であって、排出口10a内の状況を外から目視でき、これを外すことによって排出口10aの清掃を容易に行える。なお、この堆肥搬送作業機においては、可撓管内の空気流が高速なのでその管路抵抗が大きいから、ブロアーには所要の風量と吐出圧力が求められる。上記のヘリカルルーツタイプロータリーブロアはこの両要求を満たすものとしては最適である。以上の配置にすることによって、発電機などの機器をホッパーのほぼ下方に収めることができ、全体をコンパクトにまとめることができる。
【0014】
【オーガーの具体的機構】オーガー11は幅50mmの金属細帯板を螺旋状にした螺旋ブレード11aを多数の半径方向アーム11bで外径100mmの中心円筒軸11cに固定したものであって、螺旋ブレード11aは大径(具体的には1100mm)で、ピッチが大き(具体的には900mm)く、その全長はほぼホッパーの長さに等しい(この例では2235mm)。上記の中心円筒軸11cを駆動軸に嵌合させ、ボルトを半径方向貫通孔に通して両者を固定して、螺旋ブレードを駆動軸に固着している。駆動モーター14で上記駆動軸をゆっくりと駆動して螺旋ブレード11aをホッパー10内でゆっくり回転させ、これによってホッパー内の堆肥を撹拌してほぐし、またホッパー底部でのブリッジの発生を防止する。
【0015】
【実施例のまとめ】以上の実施例の堆肥搬送作業機は、フレームFにホッパー10を固定し、当該ホッパー10の下端に設けたスクリューコンベア12の排出口10aにロータリーバルブ5のケーシング5hおよびその駆動モータ7を取り付け、ロータリーバルブ5のケーシング5hの下端に上記混合室6を接続し、電動ブロアー1及びディーゼル発電機3を上記フレームFに取り付けて構成されている。この堆肥搬送作業機を4tトラックの荷台に載せたままの状態で堆肥搬送作業を行うことができる。ただし、堆肥搬送作業機をトラックから下ろした状態で堆肥搬送、施肥作業を行うこともできる。なお、内径dが50mmの可撓管4(1本の全長が50m)は、その両端に継ぎ手4a、4bを備えているものである。この継ぎ手4a,4bはホースの継ぎ手として汎用されている迅速継ぎ手であり、密封装置を備えていて、嵌め合わせてロックすることによって簡単に接続されるもので、上記ロックを外せば簡単に分離されるものである。この可撓管4を順次繋ぐことによって可撓管全長を100,150,200mと順次長くすることができる。4tトラックを目的地の近くまで乗り入れてそこに停車させ、所要長さの可撓管4を目的の場所まで延ばして堆肥搬送作業を行う。比重が0.5の堆肥を上記実施例の堆肥搬送作業機で搬送すると、可撓管全長が150mで、作業車と可撓管4の先端との高低差が30mのとき、毎分20Kgの堆肥を搬送することができる。例えば30Kgの袋詰めされた堆肥を順次ホッパーに投入すればよいから、堆肥搬送作業を長時間連続して行うことができる。
【0016】また、実際の堆肥搬送作業においては可撓管(螺旋状の硬質ポリ塩化ビニール線材で補強した軟質ポリ塩化ビニール製の管)は直線状ではなく曲りがあるけれども、極端に屈曲した部分がなければ、上記の搬送能力はほとんど低下しない。可撓管の長さがさらに長く、あるいは高低差がさらに大きいときは、搬送風量を増大させて空気流速が低下しないようにし、あるいはスクリューコンベアの回転速度を低下させて堆肥搬送量を低減するなどの調整を行えばよい。なお、堆肥生産プラントで生産された堆肥の場合は、細かく粉砕された原料が使われているので問題はないが、そうでないものについては、篩目が3平方センチメートル程度の篩にかけて長い繊維などを除去したものをホッパーに投入することが必要である。比較的長いものが含まれていると堆肥の塊がばらけ難いので堆肥搬送能力を阻害することになるからである。なお、本発明の要旨外のことであるが、小型自走車に可撓管の先端を接続し、軟弱地面などの堆肥施肥作業が困難な田畑、トンネルハウスについても、遠隔制御して上記自走車を走行させることによって、施肥作業を行うこともできる。
【0017】
【効果】以上述べたように、内径40〜60mmのプラスチック製可撓管を使って、トラックの荷台上のホッパに投入した堆肥を急傾斜の田畑、果樹園、段々田畑に搬送することができ、かつ搬送と同時に施肥を行えることが本発明の最大の効果であり、しかも細いプラスチック可撓管を用いたものであるので、その取扱が極めて容易であり、例えば、果樹が生い茂った急傾斜地の果樹園においても可撓管を引き回して、個々の果樹の回りに集中的に堆肥を施すことができる。
【0018】また、一輪車で堆肥を搬入することが容易でないトンネルハウスでも内径40〜60mmのプラスチック管を引き込んで堆肥を容易に搬入することができる。さらに、ロータリーバルブによる計量量未満の範囲においてスクリューコンベアによる送り量を増減して、上記混合室への堆肥供給量を調整し、また、管内空気流速を調整することによって堆肥搬送性能を調整できるので、作業条件(高低差、可撓管の長さ、作業条件)の違いに関わりなく、効率的に堆肥を搬送することができる。
【0019】また、空気搬送用の上記プラスチック製の可撓管を硬質ポリ塩化ビニール螺旋線材で補強した軟質ポリ塩化ビニール管(いわゆる「サクションホース」)とすることによって、必要な強度を確保しつつ上記可撓管を可及的に軽量にして、その取扱いを容易にすることができ、かつ、その価格を低減することができる。さらに、上記可撓管を透明管にすることにより堆肥の管内滞留箇所を外から目視できるので、滞留箇所に集中的に振動を与えることができ、堆肥の管内滞留に伴う搬送能力低下を迅速に回復させることができる。
【出願人】 【識別番号】000239725
【氏名又は名称】文明農機株式会社
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】 【識別番号】100110386
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 敏雄
【公開番号】 特開2001−61307(P2001−61307A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−240164