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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】青木 荘吾

【氏名】山下 綱丈

【要約】 【課題】田植機の植付フレームの軽量コンパクト化を図ること。

【解決手段】走行機体(2) の後部に、植付爪(30)を設けた植付フレーム(25)を昇降可能に配設した田植機において、植付フレーム(25)を、左右幅方向に伸延させた横パイプ(28)に、後方に向けて伸延する複数の縦パイプ(29)を左右幅方向に間隔をあけて連設して略櫛型の一体構造となし、さらに、各パイプ(28)(29)内に、前記植付爪(30)と前記走行機体(2) の原動機部(7) とを連動連結する植付連動軸(31 〜36) を内蔵させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行機体(2) の後部に、植付爪(30)を設けた植付フレーム(25)を昇降可能に配設した田植機において、植付フレーム(25)を、左右幅方向に伸延させた横パイプ(28)に、後方に向けて伸延する複数の縦パイプ(29)を左右幅方向に間隔をあけて連設して略櫛型の一体構造となし、さらに、各パイプ(28)(29)内に、前記植付爪(30)と前記走行機体(2) の原動機部(7) とを連動連結する植付連動軸(31 〜36) を内蔵させたことを特徴とする田植機。
【請求項2】1個の植付爪(30)を設けた縦パイプ(29)と、2個の植付爪(30)を設けた縦パイプ(29)とが、それぞれ横パイプ(28)に連設された奇数条植付用の植付フレーム(25)を具備し、各縦パイプ(29)内に配設した植付連動軸(31 〜36) のうち、原動機部(7) と連動連結した入力軸となる植付連動軸(31)には、2個の植付爪(30)を取付けたことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自走可能な走行機体の後部に、植付爪を設けた植付フレームを具備する植付機を、昇降リンク機構を介して昇降可能に配設した田植機があった。
【0003】走行機体は、機体フレームの下部に前後車輪や連動機構等からなる走行部を配設するとともに、機体フレームの前部にエンジンやミッション等からなる原動機部を配設し、同原動機部に走行部を連動連結している。
【0004】一方、植付機は、昇降リンク機構の後下部に、前記ミッションに連動軸を介して連動連結したセンターケースを配設し、同センターケースと連動軸を介して連動連結するとともに、後方に伸延させたチェーンケースを配設し、さらに、同チェーンケースの後端部に植付爪を取付けていた。そして、前記各連動軸はパイプ体で被覆されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の田植機においては、それぞれ別体であるセンターケース、チェーンケース、これらを連結するパイプ体とから構成されているために、重量が重く、かつ部品点数並びに組立工数も多いという課題が残されていた。
【0006】本発明は、上記課題を解決することのできる田植機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の本発明では、走行機体の後部に、植付爪を設けた植付フレームを昇降可能に配設した田植機において、植付フレームを、左右幅方向に伸延させた横パイプに、後方に向けて伸延する複数の縦パイプを左右幅方向に間隔をあけて連設して略櫛型の一体構造となし、さらに、各パイプ内に、前記植付爪と前記走行機体の原動機部とを連動連結する植付連動軸を内蔵させた。したがって、軽量化できて使い勝手が良好となり、また、部品点数も削減できるので、組立工数が減って製造効率が向上する。
【0008】また、請求項2記載の本発明では、1個の植付爪を設けた縦パイプと、2個の植付爪を設けた縦パイプとが、それぞれ横パイプに連設された奇数条植付用の植付フレームを具備し、各縦パイプ内に配設した植付連動軸のうち、原動機部と連動連結した入力軸となる植付連動軸には、2個の植付爪を取付けた。したがって、ガタの多い植付連動軸に2個の植付爪が取付けられて、植付ガタをいたずらに増やすことがない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る田植機は、走行機体の後部に、植付爪を設けた植付フレームを昇降可能に配設した田植機において、植付フレームを、左右幅方向に伸延させた横パイプに、後方に向けて伸延する複数の縦パイプを左右幅方向に間隔をあけて連設して略櫛型の一体構造となし、さらに、各パイプ内に、前記植付爪と前記走行機体の原動機部とを連動連結する植付連動軸を内蔵させたものである。
【0010】このように、植付フレームをパイプ状の一体構成としたことにより、軽量化及び部品削減を図ることができ、植付機全体を軽量コンパクト化することができるとともに、組立工数が減り、製造工程の効率化を図ることができる。
【0011】また、上記構成において、植付フレームが、1個の植付爪を設けた縦パイプと、2個の植付爪を設けた縦パイプとが、それぞれ横パイプに連設された奇数条植付用である場合、各縦パイプ内に配設した植付連動軸のうち、原動機部と連動連結した入力軸となる植付連動軸には、2個の植付爪を取付けることが好ましい。すなわち、植付連動軸同士はべベルギヤを介して連結するものであるが、入力軸から遠い植付連動軸ほどベベルギヤの数も増え、ガタが多くなってしまうものである。
【0012】従来、入力軸となる植付連動軸が植付フレームの中央部に位置するものでは、この中央に位置するガタの少ない植付連動軸に1個の植付爪を取付け、他の植付連動軸に2個の植付爪を取付けた構成としていたが、これでは、いたずらにガタの多い条を増やすことになり不合理である。
【0013】そこで、ガタの多い植付連動軸に1個の植付爪を取付けるようにし、少なくとも入力軸となるガタの少ない植付連動軸には、2個の植付爪を取付けるようにして、植付ガタを可及的に減らすようにしている。
【0014】ところで、略櫛型としたパイプ体により一体構成された植付フレームの複数の縦パイプは、3 本としたり、あるいは4本とするなど3本以上の複数本で構成して条数を増やすことができ、植付効率を向上させることができる。
【0015】また、このように、植付フレームをパイプによるフレーム構成とし、植付連動軸による動力伝達としたので、この植付連動軸の一端を延出させれば、簡易的に第2PTOを構成することができる。しかも、横パイプ内の植付連動軸を延出するか、あるいは縦パイプ内の植付連動軸を延出するかで、かかる第2PTOの出力方向を前方、側方から選択可能となる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0017】図1は本実施例にかかる田植機1の全体側面図、図2は同植付フレームの断面平面視による説明図である。
【0018】本実施例に係る田植機1は、図1に示すように、自走可能に構成した走行機体2の後部に、植付爪30を具備する植付機3を、昇降機構4を介して昇降可能に連設している。
【0019】走行機体2は、機体フレーム5の下部に走行部6を配設するとともに、機体フレーム5の前側上部に原動機部7を配設し、同原動機部7の後方位置に運転操作部8を配設している。80は機体の中央を示す中央標示杆である。
【0020】機体フレーム5は、前後方向に向けて伸延させるとともに、後部を上方へ向けて折曲した左右一対のメインパイプ9,9 と、同メインパイプ9,9 の前端部間に架設した前部パイプ(図示せず)とから平面視で略コ字状に形成したメインフレーム構成体10と、メインパイプ9,9 の後端部に連設する前高後低の傾斜状に伸延させた左右部パイプ11,11 と、同左右部パイプ11,11 の上端部間に架設した後部パイプ(図示せず)とから背面視で略門型に形成した後部フレーム構成体12とから構成している。
【0021】原動機部7は、機体フレーム5のメインフレーム構成体10の前側上部に、エンジン70を配設するとともに、機体フレーム5のメインフレーム構成体10の中途下部に、変速機としてのミッションケース71を配設し、エンジン70とミッションケース71とを連動連結している。図中13は燃料タンクである。
【0022】走行部6は、ミッションケース71の左右側部に左右一対の前車輪14,14 を前側アクスルケース15を介して連動連結している。
【0023】また、走行部6は、ミッションケース71に後側アクスルケース16の前端部を連設し、同後側アクスルケース16の後端部に左右一対の後車輪17,17 を連動連結している。
【0024】運転操作部8は、機体フレーム5の前側に設けた操作台18からステアリングコラム19を立設し、同コラム19の上端にステアリングホイール20を回動自在に配設している。そして、同ステアリングホイール20の直後方位置に座席81を配設している。なお、前記操作台18には、ステアリングコラム19を挟むようにして、図示しないが変速レバーやアクセルレバー等の各種操作部材を配設している。
【0025】昇降機構4は、後に詳述する植付機3に設けた支持体21の左右基端部と機体フレーム5の左右部パイプ11,11 の中途部との間に左右一対の下側支持桿22,22 をそれぞれ上下回動自在に取付けるとともに、前記支持体21の中途部と左右部パイプ11,11 の上部との間に左右一対の上側支持桿23,23 をそれぞれ上下回動自在に取付けて、上側支持桿23,23 と下側支持桿22,22 とで平行リンクを構成し、さらに、同下側支持桿22,22 の前端部に、クランク桿24,24 の基端部を連設して、同クランク桿24,24 の先端部とメインパイプ9,9 間に架設した連結パイプ(図示せず)との間に油圧式の昇降シリンダー(図示せず)を配設し、同昇降シリンダーの先端部にクランク桿24,24 の先端部を連動連結している。
【0026】そして、昇降シリンダーを伸張させることにより、植付機3を降下させるとともに、昇降シリンダーを短縮させることにより、植付機3を上昇させるように構成している。
【0027】ここで、本発明の要旨となる植付機3の構成について詳述する。
【0028】植付機3は、昇降機構4の後部に連結した支持体21の下部に、植付爪30を設けた植付フレーム25を取付けており、同植付フレーム25の上部に、左右横方向に往復動可能とした苗載台26を前高後低の傾斜状に載設している。図中、27は植付フレーム25の下方に配設したフロートである。
【0029】本発明では、かかる植付フレーム25の構成に特徴を有するものであり、図1及び図2に示すように、植付フレーム25は、左右幅方向に伸延させた円筒状の前側支持用の横パイプ28に、後方に向けて伸延する複数の縦パイプ29を左右幅方向に間隔をあけて一体的に連設して、略櫛型のパイプフレーム構造となし、さらに、各パイプ28,29 内に、前記植付爪30と前記走行機体2の原動機部7とを連絡する植付連動軸31,32,33,34,35を回動自在に内蔵させている。
【0030】なお、本実施例では、横パイプ28に3本の縦パイプ29を一体的に連設した構成とし、左側及び中央の縦パイプ29の終端左右に、最終植付連動軸36を介して2個の植付爪30を、右側に位置する縦パイプ29の終端外側には、やはり最終植付連動軸36を介して1個の植付爪30を取付けて5条植可能としている。
【0031】植付連動軸31のうち、中央の縦パイプ29内に配設された植付連動軸31は、前記原動機部7のミッションケース71からの動力を受ける入力軸としての機能を兼ね備えるもので、同植付連動軸31の基端部31a に、ミッションケース71から後方へ伸延させたPTO軸72の終端部と連動連結した植付伝導軸73の終端部を連動連結している。なお、前記PTO軸72及び植付伝導軸73は、その前後端部にはユニバーサルジョイント72a,73a を設けるとともに、植付伝導軸73は、前端側のスプライン軸73b と後端側の連動パイプ73c とをスプライン嵌合させて前後方向に向けて伸縮自在としている。
【0032】上記構成により、入力軸の回転は、5条のうち、中央の2個の植付爪30に伝達されるとともに、横パイプ28内に左右に分割された植付連動軸34,35 に伝達され、さらに、各植付連動軸34,35 の回転は、左右の縦パイプ29内に配設された植付連動軸32,33 を介して左右側に配設された各植付爪30に伝達される。なお、かかる動力伝達を行うために、植付連動軸31〜35の端部には、それぞれベベルギヤ37を設けている。38は軸受けである。
【0033】このようにして、エンジン70の動力をミッションケース71→PTO軸72→植付伝導軸73→入力軸(植付連動軸31)と伝達し、さらに、中央の縦パイプ28に取付られた植付爪30には、前記入力軸から直に、また、左右の縦パイプ29に取付られた植付爪30には、横パイプ28内に配設された左右の植付連動軸34,35 を介して動力が伝達され、5個の植付爪30によって苗載台26の上部に載置した苗を5条同時に田面に植え付けることができる。
【0034】なお、右側に位置する縦パイプ29には植付爪30を1個配設した構成としているが、最終植付連動軸36の空いた一方の端部36a (図2参照)は、第2PTO軸として利用することもできる。あるいは、この端部36a に植付爪30を取付ければ6条植えとすることもできる。
【0035】なお、図2中、40は苗載台横送り機構であり、図示するように、横パイプ28の植付連動軸34とギヤケース41を介して連動連結している。
【0036】以上説明したように、本実施例では、植付フレーム25をパイプ状の一体構成としたことにより、軽量化及び部品削減を図ることができ、植付機3全体を軽量コンパクト化することができるとともに、組立工数が減り、製造工程の効率化を図ることができる。
【0037】また、本実施例では、入力軸となる植付連動軸31を植付フレーム25の略中央部に位置させ、この植付連動軸31と他の植付連動軸32〜35とをベベルギヤ37を介して連動連結しているが、かかる構成においては、入力軸となる中央の植付連動軸31に連動連結した植付爪30が最もガタが少なく、ベベルギヤ37を介する数の多い他の植付連動軸32,33 に取付けた植付爪30は比較的にガタが多くなる。
【0038】そこで、ガタの少ない入力軸となる植付連動軸31に2個の植付爪30を取付けるようにして、植付ガタを可及的に減らすようにしている。
【0039】すなわち、奇数状植えの場合は、1本の縦パイプ29に植付爪30を1個しか取付けない構成となるが、この1個の植付爪30を、ガタが比較的に多くなる入力軸と離れた植付連動軸32,33 のいずれかに取付けるようにし、いたずらに植付ガタが増えることを防止している。
【0040】ところで、本実施例では5条植えとして説明したが、他の形態として、図3に示すように、略櫛型としたパイプ体により一体構成された植付フレーム25の複数の縦パイプ29を4本とすることにより、7条植え、または8条植えとすることもできる。あるいは、さらに縦パイプ29を増やして条数をさらに増加させることもできる。このように、本実施例によれば、条数を増やすことで、植付効率を向上させることも容易となる。
【0041】なお、図3に示した構成では、図2に示した構成と比べ、横パイプ28内にはさらに植付連動軸34' が増設されるとともに、増えた縦パイプ29内の植付連動軸32' も増設されることになる。なお、他の構成は先の実施例と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0042】また、植付フレーム25を本実施例のように一体的なパイプフレーム構造とし、各パイプ28,29 内に植付連動軸31〜36を配設した構成としたことで、きわめて簡易的な構造で第2PTOの出力が可能となる。
【0043】すなわち、前述したように、奇数条植えの場合であれば、最終植付連動軸36の植付爪30を取付けていない一方の端部36a (図2参照)を第2PTOとすることができるし、さらに、図4に示すように、横パイプ28内の植付連動軸34の先端34a を横パイプ28からの延出させて第2PTOとしたり、あるいは図5に示すように、縦パイプ29内の植付連動軸32の先端32a を延出させて第2PTOとするものである。
【0044】このように、植付フレーム25をパイプフレーム構造としたことで、第2PTOを簡易的に構成できるとともに、その出力方向を、前方、あるいは側方と選択して使用することもできる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0046】(1)請求項1記載の本発明では、走行機体の後部に、植付爪を設けた植付フレームを昇降可能に配設した田植機において、植付フレームを、左右幅方向に伸延させた横パイプに、後方に向けて伸延する複数の縦パイプを左右幅方向に間隔をあけて連設して略櫛型の一体構造となし、さらに、各パイプ内に、前記植付爪と前記走行機体の原動機部とを連動連結する植付連動軸を内蔵させたことにより、軽量コンパクト化できて使い勝手が良好となり、また、部品点数も削減できるので、組立工数が減って製造効率が向上する。
【0047】(2)請求項2記載の本発明では、1個の植付爪を設けた縦パイプと、2個の植付爪を設けた縦パイプとが、それぞれ横パイプに連設された奇数条植付用の植付フレームを具備し、各縦パイプ内に配設した植付連動軸のうち、原動機部と連動連結した入力軸となる植付連動軸には、2個の植付爪を取付けたことにより、ガタの多い植付連動軸に2個の植付爪が取付けられて、植付ガタをいたずらに増やすことがなくなり、安定した植付作業が行える。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年8月19日(1999.8.19)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【公開番号】 特開2001−57807(P2001−57807A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願平11−232986