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【発明の名称】 乗用型苗移植機
【発明者】 【氏名】布野 隆

【要約】 【課題】左右の可動側苗載台14、15を中央の固定側苗載台13の上方に折り重ね状に格納するにあたり、該格納姿勢の可動側苗載台14、15の安定性を高める。

【解決手段】格納姿勢の可動側苗載台14、15の互いに対向する内側縁を近接させ、これらを、固定側苗載台13の条間リブ13aに設けた第三ブラケット27に一連状に連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に、左右方向複数条の苗載台を載置した苗移植装置を備え、該複数条の苗載台のうち、左右両側部に配される可動側苗載台を、中央部側の固定側苗載台の上面側に重合状に格納できるよう構成してなる乗用型苗移植機において、前記左右可動側苗載台は、格納姿勢で互いに対向する内側縁同志が近接対向する構成とし、該内側縁同志を連結できる構成にしたことを特徴とする乗用型苗移植機。
【請求項2】 請求項1において、左右可動側苗載台の内側縁同志の連結は、一つの連結材を介して行う構成にしたことを特徴とする乗用型苗移植機。
【請求項3】 請求項2において、連結材は、固定側苗載台の条間に形成されるリブに突設されていることを特徴とする乗用型苗移植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型の走行機体に、苗載台を有する苗移植装置を上下昇降自在に備えた乗用型苗移植装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、この種乗用型の移植機のなかには、左右に複数条の苗載台を並設した移植装置がある。そしてこのようなものを路上移動させるような場合にトラック荷台に搭載して行うことがあるが、苗載台の条数が多いものでは左右幅広になってトラック荷台からはみ出してしまうと共に、道路交通法で規定される法定幅を越えてしまい、路上運送ができなくなるという問題がある。そこで左右に配される格納側苗載台(可動側苗載台)を、例えば特開平8−140436号公報に示されるように中央側にある固定側苗載台の上面側に平行姿勢で重なり合うよう折り重ねて格納する構成にしたものを提唱した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記従来のものは、固定側と可動側の両苗載台を平行状態で格納できるという点は利便性があって都合が良いが、格納姿勢に位置せしめた左右の可動側苗載台は、互いに対向する左右両内端部が離間していることもあって、固定側苗載台からそれぞれ突設したステーに各内端部を支持するようにしていた。このため、ステーが左右一対必要になって部品点数が多くなるだけでなく、左右格納姿勢の可動側苗載台は、固定側苗載台の左右に支持されるだけであるため、この格納状態において機体走行等により機体が振動した場合に、該振動を受けて格納姿勢の可動側苗載台が別々な振動をし、この結果、固定側苗載台に大きな負荷が働いてバランスが損なわれ、安定性に欠けるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、走行機体に、左右方向複数条の苗載台を載置した苗移植装置を備え、該複数条の苗載台のうち、左右両側部に配される可動側苗載台を、中央部側の固定側苗載台の上面側に重合状に格納できるよう構成してなる乗用型苗移植機において、前記左右可動側苗載台は、格納姿勢で互いに対向する内側縁同志が近接対向する構成とし、該内側縁同志を連結できる構成にしたことを特徴とするものである。そしてこのように構成することによって、左右格納姿勢となった可動側苗載台同志が一連に連結された構造となって機体振動等を受けたときに一体に振動せしめ得て、バランスを大きく崩したりするようなことがないようにしたものである。このものにおいて、左右可動側苗載台の内側縁同志の連結は、一つの連結材を介して行う構成にしたことを特徴とすることができ、このようにすることによって、連結材の数を1つにして部品点数の低減を計ることができる。さらにこのものにおいて、連結材は、固定側苗載台の条間に形成されるリブに突設されていることを特徴とすることができ、このようにすることにより、固定側苗載台の条間リブを有効に利用した可動側苗載台同志の連結ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図中、1は乗用型移植機の走行機体であって、該走行機体1の後部には10条植えの移植装置2がリンク機構3を介して昇降自在に装備されている。
【0006】前記移植機2は、前記リンク機構3の後端のリンクホルダ3aに支持される中央側移植フレーム4に支持される中央側として都合三個の中央側ギアケース5群と、該中央側ギアケース5群の左右両側端に折り畳み収納自在に支持される各一個の左右側ギアケース6、7群とを備えている。つまり、これら左右側ギアケース6、7は、中央側ギアケース5群のうちの左右端のケース5から後方上方に延設した支持アーム5aと、各左右側ギアケース6、7群の内側のケース6、7からその移植姿勢で後方上方に延設した支持アーム6a、7aとがそれぞれ略45度に傾斜した支軸8を介して揺動自在に支持されている。そして左右両側のギアケース6、7は、中央側ギアケース5群に対して左右方向一列状になる移植姿勢と、前記支軸8を介して後方上方に垂直状に起立する格納姿勢とに折り畳み移動自在になっている。尚、図2において、9は中央側ギアケース5群の左右端ケース5にそれぞれ設けられる動力出力軸、10は左右両側ギアケース6、7群の内側ケース6、7にそれぞれ設けられる動力入力軸で、左右両側のギアケース6、7群を移植姿勢にした場合に両軸9、10がそれぞれ位置合せ状態で連動連結するようになっている。
【0007】また、6b、7bは左右両側のギアケース6、7が一体的に支持される左右側移植フレームであって、これら左右側移植フレーム6b、7bは、前記ギアケース6、7群を移植姿勢にした場合に、中央側移植フレーム4と左右方向一直線状に連結し、左右側移植フレーム6b、7bを貫通せしめた螺子杆6c、7cを中央側移植フレーム4に螺装することで係脱自在に連結できるようになっている。さらにまた、各ギアケース5、6、7の左右両側にはプランタケース11が設けられ、該プランタケース11に設けた植付け爪(移植爪)12の植付作動により後述の各対応する苗載台に載置した植付け苗を掻取って圃場に植付け(移植)するようになっている。一方、左右のギアケース6、7群を前記格納姿勢にした場合の固定は、前記螺子杆6c、7cを中央側移植フレーム4に一端を揺動自在に軸支され、かつ先端側が該移植フレーム4に係脱自在に支持された支持ロッド4aの先端部に螺装することで行われるようになっている。また、5d、6d、7dは各ギアケース5、6、7側に設けられるエプロンであって、該エプロン5d、6d、7dは左右ギアケース6、7を移植姿勢にした場合、左右方向に一直線状に連結して、後述する苗載台13、14、15に載置した植付け苗が落下しないよう苗押さえをすると共に、植付け爪12の苗掻取り口5e、6e、7eが形成されている。そしてエプロン5d、6d、7dは、前記一直線状になったとき、全苗載台13、14、15の左右幅に対し、該苗載台を機体の左右方向中心線(機体センター)Cを基準として左右にそれぞれ略1/2条分だけ長くなる(幅広になる)設定になっていて、苗載台13、14、15が左右往復移動した場合に対応できる構成になっている。つまり、一直線状になったエプロン5d、6d、7dは、中心線Cを基準として左右にそれぞれ凡そ5.5条分(都合11条分)の長さになるよう設定されるが、中央側エプロン5dと、各左右側エプロン6d、7dとの仕切りXは、前記5.5条の半分の凡そ2.75条分のところに位置するよう設定され、かつ前記支軸8についても、この仕切りXの位置に平面視において軸芯が略一致する設定になっており、これによって、折り畳まれる左右のエプロン6d、7d同志は、その対向端となる先端同志が互いに干渉しないように設定されると共に、折り畳まれることなく固定側となる中央側移植爪12は六個、折り畳まれる左右両側の植付け爪12は左右にそれぞれ二個づつの都合四個となる設定になっている。尚、図中L、Rは格納した場合の左側、右側の端部位置である。
【0008】13は都合五条分の中央側(固定側)苗載台、また14、15は左側三条分、右側二条分の左側、右側の各可動側苗載台であって、これら苗載台13、14、15は、前高後低状に傾斜しているが、移植姿勢にした場合には、移植爪12の苗掻取りタイミングに合わせて左右往復移動する構成になっている。また17は苗載台13、14、15に載置した植付け苗を間欠的に縦送りするための縦送り機構であるが、該縦送り機構17について、その駆動軸17a、17b同志が移植姿勢と中間姿勢とに変姿した場合に、それぞれ連結、離間するように設定されている。
【0009】さてつぎに、これら左右の可動側苗載台14、15群の折り畳み(折り重ね)構造、つまり格納機構について説明をするが、ここで左右可動側苗載台14、15群の折り畳み構造は、左右対象である点、リンク長が苗載台の数により長短相違しているだけで構造自体は同じであるので、右側苗載台14群の折り畳み構造について説明し、左側苗載台15群の折り畳み構造については以下の説明を援用する。
【0010】いま、格納機構は、格納側(可動側)苗載台14、15の縦送り機構17の背面(前面)にオーバーラップする状態で配設されているが、右側苗載台15群の下半側背面左右中央部には、苗載台15の裏面から後方に少し離間する状態で第一ブラケット18が固定され、該第一ブラケット18に縦軸19が回動自在に軸支されている。縦軸19には上下一対の軸アーム19aが中央側苗載台13側に向けて延設され、この軸アーム19aに後述するように平行リンク機構を構成する上下リンクアーム20の基端部が前後方向を向く支軸20aを介して揺動自在に軸支されている。
【0011】一方、右側の中央側(固定側)苗載台13の右端には、該苗載台13の後面と略位置を同じにし、かつ該右端より右方向に突出する関係で上下一対の第二ブラケット21が設けられているが、該第二ブラケット21に、上下左右のアーム部材が長四角形状に一体枠組みされることで補強された揺動アーム22の基端アーム部(左側アーム)22aの上下両端部が回動自在に軸支されている。そして揺動アーム22の上下アーム部22bは、右側苗載台15が移植姿勢の状態で、基端側が後方外方に向けて湾曲し、略左右方向を向く先端部が、前記リンクアーム20の先端部に前後方向を向く支軸20bを介して揺動自在に軸支されている。さらに上側アーム部22bと下側リンクアーム20とのあいだには引張り弾機23が介装されている。
【0012】そして右側苗載台15を、中央側苗載台13に対して左右方向面一状になる移植姿勢にした場合には、リンクアーム20の揺動アーム22側に連結される部位が、縦軸19に連結される部位より上側に位置する縦姿勢となっていが、さらにこのものでは、この移植状態の右側苗載台15の固定をすべく該右側苗載台15群の裏面に左右に亘って設けた螺子杆24の先端螺子部(内端部)を第二ブラケット21に設けた螺子孔21aに螺入緊締することで固定支持される。そしてこの移植姿勢では、引張り弾機23は引張られて緊張状態となっている。尚、25は第二部ラケット21を補強すべく中央側苗載台13群の背面に設けた補強杆、26は中央側苗載台14と右側苗載台16との位置決めをする位置決めピンである。
【0013】前記移植姿勢の右側苗載台15を格納姿勢にするには、螺子杆24を第二部ラケット21から抜き取った後、右側苗載台16を右上外方に持ち上げる力を与えると、リンクアーム20が平行リンク機構となって略水平状態まで持ち上がり、これによって右側苗載台15は、中央側苗載台13に対して右側上方に離間した姿勢となって右側苗載台15を格納する場合の中間姿勢となる。この場合に、前記緊張状態の引張り弾機23の緊張力が助けとなって右側苗載台15群の持ち上がりが容易となるよう配慮されている。
【0014】そして次ぎに、前記中間姿勢の右側苗載台15を、後方に向けて押すと、右側苗載台15は、前記リンクアーム20が水平姿勢の状態を維持すると共に、前記前高後低姿勢を維持しながら縦軸19、基端アーム部22aを支点として中央側苗載台13の後方に重なり合う格納姿勢に変姿する。そしてこの様にして、2条分の右側苗載台15は中央側苗載台13の右2条分の苗載台13の後方に平行状に格納され、3条分の左側苗載台14は中央側苗載台13の左3条分の苗載台13の後方に平行状に格納されるように設定されている。そして、格納姿勢となった前記可動側苗載台14、15は、互いに対向する内側縁同志が近接し、該近接対向する内側縁同志を、前記中央側苗載台13の条間リブ13aの上面に突設した一つの第三ブラケット(本発明の連結剤に相当する)27に螺子杆24を左右方向から内方に向けて螺装することで一連状に連結されるが、本実施の形態では、さらに補助螺子杆28を用いて連結の補強をしている。尚、可動側苗載台14、15の裏面には図5に示すように螺子杆24を支持するための支持体14a、15aが設けられている。
【0015】叙述の如く構成されたものにおいて、10条植えの苗載台13、14、15を備えた左右幅広の移植姿勢での苗移植ができながら、これを格納するには、まず苗載台13、14、15について、折り畳み格納される枚数が多い側である左端に移動させる。そして左側苗載台14については三条分、右側苗載台15については二条分と左右に一条分の差がある状態で、固定側となる残り五条分の中央側苗載台13の後方上面側に重合するようにして格納する一方で、植付爪12については、左右各二条分の都合四条分として、折り畳まれることのない固定側の植付爪12については六条分と、同じく固定側の五条分の苗載台13よりも一条分だけ多い設定として折り畳まれるエプロン6d、7dが折り畳まれる苗載台14、15よりも一条分少なくし、これによって、後方に折り畳まれた左右エプロン6d、7dの対向端同志が干渉することを回避できる。
【0016】そしてこのものでは、折り畳まれる左右の可動側苗載台14、15の互いに対抗する内側縁同志が近接し、第三ブラケット27を介して一連状に連結している。この結果、中央の固定側苗載台13に対してその上側に平行状に可動側苗載台14、15が格納されながら、該格納姿勢の可動側苗載台14、15同志がさらに面一の状態で連結され、この結果、下側の固定側苗載台13と、上側の可動側苗載台14、15と、そして固定側と可動側の各苗載台を連結する左右のリンクアーム20、揺動アーム22から構成される左右両側のアーム手段とによって略四角形状の構造体が形成されることになって、機体振動を受けたときのバランスの崩れを回避して、安定性に優れたものになる。
【0017】しかもこのものでは、格納姿勢となった左右可動側苗載台14、15の連結が一つの部材、つまり第三ブラケット27によって行われるから、部品点数の低減が計れるうえ、連結作業の統一化が計れる。そして第三ブラケット27は、固定側苗載台13の条間リブ13aから突設しているため、第三ブラケット27を突設する部材を固定側苗載台13に別途設ける必要がなく、構造の簡略化が計れることになる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年8月4日(1999.8.4)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
【公開番号】 特開2001−45817(P2001−45817A)
【公開日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願番号】 特願平11−221174