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【発明の名称】 田植機の苗縦送り構造
【発明者】 【氏名】井上 強

【氏名】三木 博幸

【要約】 【課題】田植機の苗縦送り構造において、構造の簡素化を図る。

【解決手段】苗のせ台13において隣接する苗のせ面13a,13bの間の部分に、動力が伝達される入力部44、入力部44の動力を右隣の縦送り装置14の駆動輪36に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチ45R、入力部44の動力を左隣の縦送り装置14の駆動輪36に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチ45Lを配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台を備え、前記苗のせ台の苗のせ面の各々にベルト式の縦送り装置を備えて、隣接する苗のせ面の間の部分に、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達すると動力が伝達される入力部と、前記入力部の動力を右隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチと、前記入力部の動力を左隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチとを備えてある田植機の苗縦送り構造。
【請求項2】 所定のストロークで往復横送り駆動される苗のせ台を備え、前記苗のせ台の苗のせ面の各々にベルト式の縦送り装置を備えて、前記苗のせ台における隣接する4条の苗のせ面のうち、右側2条の縦送り装置の駆動輪を互いに連結し、左側2条の縦送り装置の駆動輪を互いに連結して、右側2条及び左側2条の間の部分に、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達すると動力が伝達される入力部と、前記入力部の動力を右隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチと、前記入力部の動力を左隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチとを備えてある田植機の苗縦送り構造。
【請求項3】 前記右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に亘り支持軸を支持し、前記支持軸に前記入力部、右及び左縦送りクラッチを支持させてある請求項1又は2記載の田植機の苗縦送り構造。
【請求項4】 前記右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に亘り、支持軸を相対回転自在に支持し、前記入力部に伝達される縦送りの動力が前記支持軸に伝達されるように前記入力部を前記支持軸に支持させると共に、前記支持軸に一体回転及びスライド自在な伝動部材を前記支持軸の右側及び左側に取り付け、前記伝動部材を前記右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に係合する伝動位置、並びに離間する伝動遮断位置に亘りスライド操作する操作部材を備えて、前記右及び左縦送りクラッチを構成してある請求項1又は2記載の田植機の苗縦送り構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は田植機の苗のせ台において、苗のせ面に載置された苗を苗取り出し口に送るベルト式の縦送り装置を駆動する苗縦送り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】田植機の苗縦送り構造の一例が、特開平1−269416号公報に開示されている。この田植機は4条植型式に構成されており、1本の駆動軸(前記公報の第1図中の15)が4条に亘って架設され、縦送り装置の駆動輪(前記公報の第1及び第2図中の9)が駆動軸に相対回転自在に外嵌されている。右側2条の縦送り装置の駆動輪が円筒状の連結部材(前記公報の第1図中の10,22)によって互いに連結され、左側2条の縦送り装置の駆動輪が円筒状の連結部材(前記公報の第1図中の10,22)によって互いに連結されている。苗のせ台が横送りのストロークエンドに達した際に動力が伝達される入力部(前記公報の第1図中の18)が駆動軸の端部に備えられ、右側2条及び左側2条の間の部分に、入力部の動力を右隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチ(前記公報の第1図中の右側の9c,21)、入力部の動力を左隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチ(前記公報の第1図中の左側の9c,21)が備えられている。
【0003】以上の構造により右及び左縦送りクラッチが伝動側に操作されている状態で、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達して、入力部に伝達される動力により駆動軸が回転駆動されると、4条の駆動輪が駆動軸と一緒に回転駆動され4条の縦送り装置が駆動されて、4条の苗のせ面に載置された苗が苗取り出し口に送られる。例えば左縦送りクラッチが伝動遮断側に操作された状態で、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達して、入力部に伝達される動力により駆動軸が回転駆動されると、右側2条の駆動輪が駆動軸と一緒に回転駆動されて右側2条の縦送り装置が駆動されるのに対して、左側2条の駆動輪の内部で駆動軸が空転する状態となり、左側2条の縦送り装置は停止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に記載の構造であると、駆動軸が全ての条に亘って架設され、全ての条の各々において駆動輪及び円筒状の連結部材が相対回転自在に、駆動軸に外嵌されている。これにより、全ての条の各々において駆動輪及び円筒状の連結部材、駆動軸の二重構造になっているので、構造の簡素化と言う面で改善の余地がある。本発明は田植機の苗縦送り構造において、構造の簡素化を図ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】[I]請求項1の特徴によると、隣接する苗のせ面の間の部分に、入力部、入力部の動力を右隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチ、及び入力部の動力を左隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチが配置されている。請求項2の特徴によると、苗のせ台における隣接する4条の苗のせ面のうち、右側2条の縦送り装置の駆動輪が互いに連結され、左側2条の縦送り装置の駆動輪が互いに連結されて、右側2条及び左側2条の間の部分に、入力部、入力部の動力を右隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な右縦送りクラッチ、及び入力部の動力を左隣の縦送り装置の駆動輪に伝動及び伝動遮断自在な左縦送りクラッチが配置されている。
【0006】これにより請求項1(請求項2)の特徴によると、右及び左縦送りクラッチが伝動側に操作された状態で、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達して動力が入力部に伝達されると、動力が入力部から右及び左縦送りクラッチを介して、右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪(右側2条及び左側2条の縦送り装置の駆動輪)に伝達され、隣接する苗のせ面(右側2条及び左側2条の苗のせ面)の苗が苗取り出し口に送られる。次に例えば右縦送りクラッチを伝動遮断側に操作しておけば、苗のせ台が横送りのストロークエンドに達して動力が入力部に伝達されると、動力が入力部から左縦送りクラッチを介して、左隣の縦送り装置の駆動輪(左側2条の縦送り装置の駆動輪)に伝達され、左隣の苗のせ面(左側2条の苗のせ面)の苗が苗取り出し口に送られ、右隣の縦送り装置(右側2条の縦送り装置)の駆動輪には動力は伝達されない。
【0007】以上のように、請求項1(請求項2)の特徴によると、入力部に伝達された動力が右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪(右側2条及び左側2条の縦送り装置の駆動輪)に伝達されるように構成されているので、従来の技術に記載の構造のように入力部から駆動軸を、右及び左隣の苗のせ面(縦送り装置の駆動輪)を越えて、さらに右及び左の苗のせ面(縦送り装置の駆動輪)に延出して、入力部に伝達された動力を、駆動軸を介して右隣及び左隣の苗のせ面(縦送り装置の駆動輪)に伝達し、さらに右及び左の苗のせ面(縦送り装置の駆動輪)に伝達すると言うような構成を採用する必要がない。これによって、請求項1(請求項2)の特徴によると、入力部(右及び左縦送りクラッチ)から右及び左隣の苗のせ面(縦送り装置の駆動輪)に亘るような、短い駆動軸を備えるだけで良いので、従来の技術に記載の構造のように、駆動軸を全ての条に亘って架設し、全ての条の各々において駆動輪及び円筒状の連結部材、駆動軸の二重構造を備えると言うようなことを行わなくてもよい。
【0008】[II]請求項3及び4の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に、前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。請求項3(請求項4)の特徴によると、右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に亘り支持軸が支持され、支持軸に入力部、右及び左縦送りクラッチ(伝動部材)が支持されている。これにより、入力部、右及び左縦送りクラッチ(伝動部材)が、支持軸を介して右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に支持されることになるので、その分だけ入力部、右及び左縦送りクラッチ(伝動部材)の苗のせ台への支持構造を簡素に構成することが可能になる。
【0009】請求項4の特徴によると、支持軸に外嵌された伝動部材を伝動位置及び伝動遮断位置にスライド操作することにより、入力部に伝達された動力が支持軸及び伝動部材を介して、右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪(右側2条及び左側2条の縦送り装置の駆動輪)に、伝動及び伝動遮断操作することができるので、支持軸が伝動軸としても使用されることになって、その分だけ右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪(右側2条及び左側2条の縦送り装置の駆動輪)への動力の伝達構造を簡素に構成することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に示すように、前輪1及び後輪2で支持された機体の前部にエンジン3を備え、機体の後部に連結されたリンク機構4に4条植型式の苗植付装置5を支持させて、乗用型の田植機が構成されている。
【0011】次に、苗植付装置5の構造について説明する。図1及び図2に示すように、リンク機構4の後端にフィードケース6が連結され、フィードケース6の右及び左横面に左右一対のパイプフレーム7が連結されて、パイプフレーム7の端部に左右一対の植付伝動ケース8が後向きに連結されている。植付伝動ケース8の後部右側及び左側に左右一対の回転ケース9が支持され、回転ケース9に一対の植付爪10が支持されており、1つの条に一対の植付爪10を備えた1つの回転ケース9が配置されて、4条植型式に構成されている。図4に示すように、植付伝動ケース8にガイドレール12が支持され、苗のせ台13が所定のストロークで往復横移動自在にガイドレール12に支持されている。
【0012】以上の構造により、苗のせ台13が所定のストロークで往復横送り駆動され、回転ケース9が回転駆動されるのに伴って、一対の植付爪10がガイドレール12の苗取り出し口12a(図2及び図4参照)から苗を交互に取り出して田面に植え付けるのであり、苗のせ台13が横送りのストロークエンドに達すると、苗のせ台13に備えられた縦送り装置14(図1及び図4参照)により苗のせ台13の苗が苗取り出し口12aに送られる。
【0013】次に、回転ケース9への伝動系について説明する。図1,6,8に示すように、エンジン3の動力がPTO軸15を介して、フィードケース6の入力ギヤ16に伝達され、入力ギヤ16からベベルギヤ17を介して、第1伝動軸18に伝達されるように構成されており、ベベルギヤ17と第1伝動軸18との間に植付クラッチ19が設けられている。
【0014】図6に示すように、ベベルギヤ17は第1伝動軸18に相対回転自在に外嵌されており、第1伝動軸18に一体回転及びスライド自在に外嵌された伝動部材19a、及び伝動部材19aをベベルギヤ17の咬合側に付勢するバネ19bにより、植付クラッチ19が構成されている。これにより、バネ19bに抗して伝動部材19aをスライド操作してベベルギヤ17から離間させると、全ての条の回転ケース9、後述する横送り軸20及び縦送り軸21が停止する。
【0015】図6,8,9に示すように、フィードケース6の内部、パイプケース7の内部及び植付伝動ケース8の内部に亘り第2伝動軸22が架設され、第1及び第2伝動軸18,22に亘り伝動チェーン23が巻回されており、図9に示すように植付伝動ケース8の内部において第2伝動軸22の端部に、左右一対の各条クラッチ24が設けられている。植付伝動ケース8の後部に駆動軸25が支持され、駆動軸25の右及び左側部に回転ケース9が支持されており(図2参照)、駆動軸25に外嵌されたスプロケット26と各条クラッチ24に亘り伝動チェーン27が巻回されている。以上の構造により、第1伝動軸18の動力が伝動チェーン23、第2伝動軸22、各条クラッチ24及び伝動チェーン27を介して、駆動軸25に伝達されて、回転ケース9が回転駆動される。
【0016】図9に示すように各条クラッチ24は、第2伝動軸22に相対回転自在に外嵌されて伝動チェーン27が巻回された第1伝動部材24a、第2伝動軸22に一体回転及びスライド自在に外嵌された第2伝動部材24b、及び第2伝動部材24bを第1伝動部材24aの咬合側に付勢するバネ24cによって構成されている。これにより、例えば右側の各条クラッチ24において、バネ24cに抗して第2伝動部材24bをスライド操作して第1伝動部材24aから離間させると、右側の植付伝動ケース8の駆動軸25への動力が遮断されて、右側2条の回転ケース9が停止する。
【0017】図9に示すように右及び左の植付伝動ケース8において、駆動軸25とスプロケット26との間にトルクリミッタ28が設けられている。スプロケット26は駆動軸25に相対回転自在に外嵌されており、駆動軸25に一体回転及びスライド自在に外嵌された伝動部材28a、及び伝動部材28aをスプロケット26の咬合側に付勢するバネ28bにより、トルクリミッタ28が構成されている。これにより、例えば植付爪10が苗取り出し口12aを通過して苗を取り出す際、石等が植付爪10と苗取り出し口12aとの間に挟み込まれて、回転ケース9が回転できなくなった場合、バネ28bに抗して伝動部材28aがスプロケット26から離間して、エンジン3の停止が回避される。
【0018】次に、苗のせ台13の往復横送り駆動の構造について説明する。図6及び図8に示すように、フィードケース6に横送り軸20が回転自在に支持され、横送り軸20がフィードケース6から横方向に延出されており、図2及び図7に示すように左の植付伝動ケース8に固定されたブラケット29に、横送り軸20の端部が回転自在に支持されている。図6及び図8に示すように、第1伝動軸18に、第1出力ギヤ31及び第2出力ギヤ32が相対回転自在に外嵌され、横送り軸20に第1入力ギヤ33及び第2入力ギヤ34が固定されており、第1出力ギヤ31と第1入力ギヤ33とが咬合し、第2出力ギヤ32と第2入力ギヤ34とが咬合している。第1伝動軸18に形成されたスリット状の溝部18aに、キー部材30がスライド自在に備えられている。
【0019】これにより、例えば図6に示すようにキー部材30を第1出力ギヤ31の底部に係合させると、第1出力ギヤ31が第1伝動軸18に固定された状態となり、第1伝動軸18の動力が第1出力ギヤ31及び第1入力ギヤ33を介して、横送り軸20に伝達される。このように第1出力ギヤ31の底部に係合させる位置及び第2出力ギヤ32の底部に係合させる位置に、キー部材30をスライド操作することにより、横送り軸20に伝達される動力を高低2段に変速することができる。
【0020】図7に示すように、横送り軸20に螺旋溝20aが形成され、螺旋溝20aにコマ部材35が挿入されており、図4及び図7に示すようにコマ部材35と苗のせ台13とが、連結部材11を介して連結されている。これにより横送り軸20が回転駆動されると、螺旋溝20aに沿ってコマ部材35が所定のストロークで往復横送り駆動されるのであり、これに伴って苗のせ台13が所定のストロークで往復横送り駆動される。
【0021】次に、苗のせ台13の縦送り装置14について説明する。図4及び図5に示すように、苗のせ台13に4つの苗のせ面13a,13bが備えられ、苗のせ面13a,13bの各々に長方形状の開孔13cが形成されており、開孔13cの各々に縦送り装置14が配置されている。縦送り装置14は下側の駆動輪36及び上側の従動輪37(後述するように駆動輪36をそのまま従動輪37として使用している)、駆動輪36及び従動輪37に巻回される突起付きの縦送りベルト38によって構成されている。
【0022】図3及び図5に示すように、断面の外面が6角状で断面の内面が円状の中空パイプ状の支持軸39が、苗のせ台13の裏面において、右側2条の苗のせ面13aの下部に亘って配置されブラケット54に支持されており、断面の外面が6角状で断面の内面が円状の支持軸39が、苗のせ台13の裏面において、左側2条の苗のせ面13bの下部に亘って配置されブラケット54に支持されている。
【0023】図10に示すように、駆動輪36は爪状の咬合部36a及び断面6角状のボス部36bを備えて樹脂で一体形成されており、右側2条及び左側2条の支持軸39における開孔13cの部分に、駆動輪36が一体回転するように外嵌されている。これにより、右側2条の縦送り装置14の4個の駆動輪36が右側2条の支持軸39と一体で回転し、左側2条の縦送り装置14の4個の駆動輪36が左側2条の支持軸39と一体回転する。
【0024】図4及び図5に示すように、苗のせ台13の裏面において全ての苗のせ面13a,13bの上部に亘り、丸パイプ状の1本の支持軸40が架設されており。駆動輪36と全く同じものが従動輪37として使用されて、支持軸40における開孔13cの部分に外嵌されている。この場合、従動輪37のボス部も駆動輪36と同様に断面6角状であるが、支持軸40が丸棒状なので、支持軸40に対して従動輪37は自由に回転する。図5に示すように、支持軸40を上方に引き上げるように付勢するバネ41が備えられており、バネ41によって縦送りベルト38の張力が維持される。
【0025】図10に示すように、断面円状の中央部42a、中央部42aの右及び左側に位置する断面6角状の六角部42b、及び六角部42bの両外側に位置する断面円状の端部42cを備えて支持軸42が構成されており、右側2条の苗のせ面13aと左側2条の苗のせ面13bとの間の部分において、右側2条の支持軸39及び左側2条の支持軸39に支持軸42の端部42cが挿入されて、右側2条の支持軸39及び左側2条の支持軸39に対して、支持軸42が相対回転自在に支持されている。
【0026】図3,5,10に示すように、右側2条の苗のせ面13aと左側2条の苗のせ面13bとの間の部分に、正面視T字状の支持部材43が固定されており、支持部材43から折り曲げられて形成された支持部43aに、支持軸42の中央部42aが回転自在に支持され、支持軸42の中央部42aにワンウェイクラッチ44が外嵌されている。ワンウェイクラッチ44と右隣(右側2条)の縦送り装置14の駆動輪36との間に、右縦送りクラッチ45Rが構成されており、ワンウェイクラッチ44と左隣(左側2条)の縦送り装置14の駆動輪36との間に、左縦送りクラッチ45Lが構成されている。
【0027】図10に示すように、支持軸42において右側及び左側の六角部42bに、内面が断面6角状の伝動部材46が、スライド自在及び一体回転するように外嵌されて、バネ47により伝動部材46が駆動輪36側に付勢されている。支持部材43のピン43bに操作アーム48が揺動自在に支持され、操作アーム48の端部が伝動部材46に係合されている。苗のせ台13の裏面に右各条クラッチレバー(図示せず)及び左各条クラッチレバー(図示せず)が備えられている。
【0028】右各条クラッチレバーと右縦送りクラッチ45Rの操作アーム48とが、ワイヤ49を介して接続され、右各条クラッチレバーと右側の各条クラッチ24(図9参照)の第2伝動部材24bとが、ワイヤ(図示せず)を介して接続されており、左各条クラッチレバーと左縦送りクラッチ45Lの操作アーム48とが、ワイヤ49を介して接続され、左各条クラッチレバーと左側の各条クラッチ24(図9参照)の第2伝動部材24bとが、ワイヤ(図示せず)を介して接続されている。
【0029】次に、縦送り装置14への動力の伝達について説明する。図6及び図8に示すように、フィードケース6の内部において、横送り軸20にカム部材20bが固定され、縦送り軸21に第1アーム21aが固定されており、縦送り軸21の第1アーム21aが横送り軸20のカム部材20bに接当するように、縦送り軸21及び第1アーム21aがバネ50で付勢されている。図2,4,7に示すようにフィードケース6の外部において、縦送り軸21の両端に第2アーム21bが固定され、第2アーム21bの端部に操作ロッド51が接続されて、パイプフレーム7から延出されたブラケット52の開孔52aに、操作ロッド51の下部が挿入されている。これにより、横送り軸20が回転駆動されるのに伴って、横送り軸20のカム部材20bが縦送り軸21の第1アーム21aに接当し、縦送り軸21が所定角度だけ図4及び図8の紙面反時計方向に回転駆動され、操作ロッド51が所定のストロークが上下駆動される。
【0030】以上の構造により、図3に示すように縦送り軸21の第2アーム21bの間(操作ロッド51の間)にワンウェイクラッチ44が位置しており、横送り軸20が回転駆動されることによって、苗のせ台13が所定のストローク(図3に示す縦送り軸21の操作ロッド51の間隔に相当)で往復横送り駆動され、ワンウェイクラッチ44が縦送り軸21の一方の操作ロッド51の位置と他方の操作ロッド51の位置とに亘って往復横移動するのであり、横送り軸20が回転駆動されるのに伴って、前述のように操作ロッド51が所定のストロークが上下駆動されている。
【0031】これにより、右及び左各条クラッチレバーが伝動位置に操作された状態で(図10に示す右及び左縦送りクラッチ45R,45Lの伝動部材46が、右隣及び左隣(右側及び左側2条)の縦送り装置14の駆動輪36に係合する伝動位置に位置し、図9に示す右側及び左側の各条クラッチ24の第2伝動部材24bが第1伝動部材24aに咬合する伝動位置に位置している)、苗のせ台13が横送りのストロークエンドに達して、ワンウェイクラッチ44が縦送り軸21の一方の操作ロッド51の位置に達すると、図4に示すように操作ロッド51が上方に駆動されることによって操作ロッド51の操作部材51aが、ワンウェイクラッチ44の操作アーム44aに接当して、ワンウェイクラッチ44が図4の紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動される。
【0032】前述のようにワンウェイクラッチ44が図4の紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動されると、支持軸42も一緒に所定角度だけ回転駆動され、右及び左縦送りクラッチ45R,45Lを介して、右隣及び左隣(右側及び左側2条)の縦送り装置14の駆動輪36が所定角度だけ回転駆動されて、右側2条及び左側2条の苗のせ面13a,13bの苗が苗取り出し口12aに送られる。
【0033】次に例えば右各条クラッチレバーを遮断位置に操作すると、ワイヤ49が引き操作されて操作アーム48により、右縦送りクラッチ45Rの伝動部材46が右隣(右側2条)の縦送り装置14の駆動輪36から離間する伝動遮断位置にスライド操作され、右側の各条クラッチ24の第2伝動部材24bが第1伝動部材24aから離間する伝動遮断位置にスライド操作される。
【0034】この状態で、右側の植付伝動ケース8の回転ケース9は停止しており、前述のように苗のせ台13が横送りのストロークエンドに達して、ワンウェイクラッチ44が図4の紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動された際、左縦送りクラッチ45Lを介して、左隣(左側2条)の縦送り装置14の駆動輪36が所定角度だけ回転駆動されて、左側2条の苗のせ面13bの苗が苗取り出し口12aに送られ、右隣(右側2条)の縦送り装置14の駆動輪36は停止して、右側2条の苗のせ面13aの苗は苗取り出し口12aに送られない。
【0035】[発明の実施の別形態]図3及び図4に示す構造に代えて、図11に示すように構成してもよい。図3及び図4に示す縦送り軸21の操作ロッド51及びパイプフレーム7のブラケット52を廃止し、図11に示すようにワンウェイクラッチ44の操作アーム44aに操作ロッド53を接続し、操作ロッド53の上端に操作部53aを固定する。これにより、図3に示すように縦送り軸21の第2アーム21bの間にワンウェイクラッチ44及び操作ロッド53が位置しており、苗のせ台13が横送りのストロークエンドに達して、ワンウェイクラッチ44及び操作ロッド53が縦送り軸21の一方の第2アーム21bの位置に達すると、縦送り軸21の一方の第2アーム21bが操作部53aに接当し、操作ロッド53が上方に駆動されて、ワンウェイクラッチ44が図11の紙面時計方向に所定角度だけ回転駆動される。
【0036】図3及び図5に示す構成では4条植型式の苗植付装置5が示されているが、図3及び図5に示す苗のせ台13、ワンウェイクラッチ44、右及び左縦送りクラッチ45R,45Lの構成を、2組左右に並べて8条植型式の苗植付装置5を構成してもよい。このように構成すると、右4条において右側2条及び左側2条の間の部分に、ワンウェイクラッチ44、右4条における右側2条の右縦送りクラッチ45R及び右4条における左側2条の左縦送りクラッチ45Lが配置され、左4条において右側2条及び左側2条の間の部分に、ワンウェイクラッチ44、左4条における右側2条の右縦送りクラッチ45R及び左4条における左側2条の左縦送りクラッチ45Lが配置される。又、本発明は2条植型式の苗植付装置5にも適用できる。
【0037】
【発明の効果】請求項1及び2の特徴によると、田植機の苗縦送り構造において、隣接する苗のせ面の間の部分(右側2条及び左側2条の間の部分)に、入力部、右及び左縦送りクラッチを配置することにより、従来の技術に記載の構造のように、駆動軸を全ての条に亘って架設し、全ての条の各々において駆動輪及び円筒状の連結部材、駆動軸の二重構造を備えると言うようなことを行わなくてもよくなり、田植機の苗縦送り構造の簡素化を図ることができた。
【0038】請求項3及び4の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。請求項3及び4の特徴によると、右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪に亘り支持される支持軸に、入力部、右及び左縦送りクラッチ(伝動部材)を支持させることにより、入力部、右及び左縦送りクラッチ(伝動部材)の苗のせ台への支持構造を簡素に構成することが可能になり、田植機の苗縦送り構造の簡素化を図ることができた。
【0039】請求項4の特徴によると、支持軸が伝動軸としても使用されることになって、右隣及び左隣の縦送り装置の駆動輪(右側2条及び左側2条の縦送り装置の駆動輪)への動力の伝達構造を簡素に構成することが可能になり、田植機の苗縦送り構造の簡素化を図ることができた。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−37308(P2001−37308A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−216494